医療ガス配管設備保守点検業務

医療ガス配管設備保守点検業務
標準作業書
社会福祉法人
南台病院
黎明会
保守点検基準
本点検基準は、医療ガス配管設備の機能を最良の状態に維持管理するために、日常又は定期的に
受注者の責任に於いて保守点検を実施するもので、その要旨内容は下記による。
1. 保守点検
(1) 外観機能総合 12 ヶ月点検
(毎年 9 月実施予定)
2. 外観点検
本点検は機器類の計測及び調整等を主体とした点検で、1 ヶ年に 1 回の実施を基本とし、点
検表及び作業基準に基き実施するものとする。
3. 機能点検
本点検は消耗品の交換、機器類の調整等を主体とする総合点検で、1 ヶ年に 1 回の実施を基
本とし、点検表及び作業基準に基き実施するものとする。
〈年間点検実施予定表〉
点検内容
点検内容
実施予定月
外観点検
9 月実施予定
機能
外観
機能点検
9 月実施予定
機能
機能
機械室
院
内
備
考
外観点検含む
保守点検作業要領(機能)
1. 可搬式液化酸素用自動切替機(酸素供給源)
(1) 外側カバーを取り外し、高圧調整器を使用側圧力、待機側圧力、切替圧力の測定及び修正値
等を記載した提出報告書(受託業者指定書式)にのっとり測定、調整、点検を行う。
(2) 低圧調整器の調整ボルトにより二次圧(配管供給圧)の点検を行う。
(3) 圧力スイッチ及び遠隔補充警報器の作動性を点検し(1)に伴う調整点検を行う。
(ランプ点灯
を含む)
(4) 安全弁(放出弁)からの漏洩の有無を点検する。
(5) ハンドル・バルブの作動及び機能性を点検する。
(6) 圧力計の指針及び示度の正確性を点検する。
(7) エコノマイザーの機能性を点検する。
(8) フレキシブルチューブのねじれ、損傷の点検及び各接続部の漏洩の有無を点検する。
(9) 蒸発器の損傷、フランジ等接合部からの漏洩の有無を点検する。
(10) 機器内外部の配管及び接合部等の漏洩の有無を点検し、調整点検後は漏洩点検液を良く拭き
取り、外側カバーを取り付け機能が円滑に作動することを確認点検し、ホコリ等を清掃する。
2. 自動切替機(供給源)
(1) 外側カバーを取り外し、高圧調整器を使用側圧力、待機側圧力、切替圧力の測定及び修正値
等を記載した提出報告書(受託業者指定書式)にのっとり測定、調整、点検を行う。
(2) 低圧調整器の調整ボルトにより 2 次圧(配管供給圧)の点検を行う。
(3) 圧力スイッチの作動性を点検し、(1)に伴う調整点検を行う。(ランプ点灯を含む)
(4) 安全弁(放出弁)からの漏洩の有無を点検する。
(5) ハンドル→ハンドル軸→自在継手の作動及び機能性を点検する。
(6) 圧力計の指針及び示度の正確性を点検する。
(7) 高圧導管(マニホールド管)の高圧バルブ開閉性及び漏洩の有無を点検する。
(8) 高圧導管のフィルターのつまり具合を点検する。
(9) 機器内外部の配管及び接合部等の漏洩の有無を点検する。
(10)調整点検後は、漏洩点検液を良く拭き取り、外側カバーを取り付け、機能が円滑に作動す
る事を点検し、ホコリ等を清掃する。
3. 手動切替機(酸素バックアップ供給源)
(1) ボンベの残量を点検確認する。
(2) 調整器の調整ボルトにより二次圧(配管供給圧)の点検を行う。
(3) 各バルブの開閉状態が、開閉表示と整合しているか点検確認する。
4. ボンベ連結導管(酸素バックアップ供給源)
(1) ボンベを取り外し逆止弁の漏洩を点検する。
(2) 導管ねじれ、損傷、漏洩の有無を点検する。
(3) 各部接続部の漏洩の有無を点検する。
(4) ボンベ保護鎖の有無を点検する。
5. 警報装置(液酸補充・吸引故障)
(1) 付書 3~5 のチェックリストにより点検を行う。
6. 吸引ポンプ(吸引供給源)
(1) レシーバータンクとの中間バルブを閉じ、ポンプ点検用真空検査計で、最高真空到達点(-
650 ㎜/Hg 以上)及び指針の振れ(±20 ㎜/Hg 以下)を調べ、ケーシング等の摩耗具合を
点検する。
(2) セパレーターの水位点検窓を取り外し、内部の清掃を行う。
(3) 逆止弁内部のパッキンの摩耗度及び気密性を点検する。
(4) 給油又はグリスアップを行う。
(5) セパレーター内部の水位点検窓から確認しながら補給水バルブより水を補給する。
(6) 各運転時間(単独運転・同時運転)等の数値を測定する。
(7) 汚れ、ホコリ等の清掃を行う。
7. レシーバータンク(吸引供給源)
(1) ドレンコックを開き、タンク内に水が入ってないかを点検する。
(2) (1)の作業でタンク内に水が入っていた場合、仮設吸引ポンプでの逆送を行い、供給が途絶
えないようにタンク内の水を抜く。
(3) 真空計の損傷、指針及び示度を点検する。
(4) バキュームスイッチの作動範囲測定及びポンプとの連動性を点検調整する。
(5) 各接合部の緩み及び損傷の有無を点検する。
8. 操作盤(吸引供給源)
(1) 絶縁検査を行う。
(2) 機能及び作動(連動)性を点検する。
(3) マグネット接点部を点検する。
(4) 関連、警報作動テストを行い、異状の有無を点検する。
9. 電源盤(酸素供給源・吸引供給源)
(1) 絶縁検査を行う。
(2) 機能及び作動(連動)性を点検する。
(3) マグネット接点部を点検する。
10.アウトレット(酸素・吸引)
(1) 数年毎のローテーションでのパッキン交換を行う。この時酸素使用中の患者さんに仮設ボン
ベを組込む前に系統の確認を十分にし、使用量に見合った仮設を組んでから作業を行う。
(2) 上記(1)の作業を行ったアウトレットは、ガイドリングビスの調整を行う。
(3) 上記(1)の作業を行ったアウトレットは、フィルター点検の上配管清掃は十分行われている
か確認する。(スス等が出ているときはブローをする。)
(4) 壁取付口にネジ込みの上送気後、検圧計を差し込みパッキン部の漏れはないかを確認し送圧
量を点検する。
(5) プレートの清掃及びキャップ等附属物の損失はないかを点検する。
(6) カバーの作動性を点検する。
(7) その他、点検で発見された漏洩や作動不良等のある箇所は(1)(2)(3)(4)に同じ。
11.シャットオフバルブ
(1) 石鹸水により軸漏れ及びフランジ等接合部の漏れを点検する。
(2) 表カバーを清掃し、窓板の変形や汚れ等を点検する。
(3) 10.12 項の各点検を終了後、送気を行い再びバルブを閉じ支配管の気密性を点検する。
12.一般事項
(1) 機械類について
① 基礎ボルト及び締付けボルト、ネジ等の緩みがない事。
② 破損、変形、腐食、発錆等がない事。
③ 清掃及び管理上周囲に障害となるようなものがない事。
④ 予備品(ヒューズ・ランプ等)が完備されている事。
(2) 病室内機器類について
① 付属品の脱落、ネジ類の緩みがない事。
② プレート、カバー等の発錆、汚れ等については清掃し、特に銘板は良く読める事。
保守点検作業要領(外観)
1. 可搬式液化酸素用自動切替機(酸素供給源)
(1) 切替機本体に外観上の損傷のない事を点検する。
(2) 圧力スイッチ及び遠隔補充警報器の作動性を点検し(1)に伴う調整点検を行う。
(ランプ点灯
を含む)
(3) 安全弁(放出弁)からの漏洩の有無を点検する。
(4) ハンドル・バルブの作動及び機能性を点検する。
(5) フレキシブルホースのねじれ、損傷の点検及び各接続部の漏洩の有無を点検する。
(6) 蒸発器の損傷、フランジ部等各接合部の漏洩の有無を点検する。
(7) 点検後は、漏洩点検液を良く拭き取り、ホコリ等を清掃する。
2. 自動切替機(供給源)
(1) 切替機本体に外観上の損傷がない事を確認する。
(2) 高圧導管マニホールド管に外観上の損傷のない事を確認する。
(3) 高圧バルブの開閉は確実である事を確認する。
(4) 使用側高圧バルブを閉止することにより
① 圧力スイッチの作動
② 警報ランプの点灯
③ 遠隔警報器の連動及びブザー停止
④ 予備側バンクへの切替りが確実に行われる事を確認する
(5) 高圧接続部及びマニホールド管接続部の漏洩の有無を点検する。
(6) ホコリ等の機器清掃を行う。(以下各項同じ)
3.手動切替機(酸素バックアップ供給源)
(1) 液化酸素供給装置メインバルブを閉じ、手動切替機での供給を確認する。
(2) 2 項の(1)(2)(3)に同じ。
(3) 2 次側調整圧(配管調整圧)を確認する。
(4) 取付ボンベの残量を確認する。
(5) 機器外部の接合部の漏洩の有無を確認する。
4.ボンベ連結導管(酸素バックアップ供給源)
(1) 連結管のねじれ、損傷、漏洩の有無を点検する。
(2) 各接続部の漏洩の有無を点検する。
5. 警報装置
(1) 外観上の損傷のない事を点検する。
(2) 液酸補充・笑気補充・吸引故障のランプの点灯を確認点検する。
6. 吸引ポンプ
(1) 外観上の損傷のない事を点検する。
(2) セパレーターの水位は正常にあるかを点検する。
(3) 給油及びグリスアップを行う。
(4) 自動、手動運転が確実に作動する事を確認点検する。
7. レシーバータンク(吸引供給源)
(1) 外観上の損傷のない事を点検する。
(2) 真空計、バキュームスイッチの損傷の有無及び作動性を点検する。
(3) ドレンコックを開き、タンク内に水が入っていないかを点検する。
8. 操作盤(吸引供給源)
(1) 外観上の損傷のない事を点検する。
(2) 機能及び作動(連動)性を点検する。
(3) 関連警報テストを行い、異状の有無を点検する。
9. 電源盤(酸素供給源・吸引供給源)
(1) 外観上の損傷のない事を点検する。
(2) 機能及び作動(連動)性を点検する。
10.アウトレット(酸素・吸引)
(1) 点検用検圧ゲージをアウトレットに差し込み配管圧力、流量圧力の確認及びパッキン部での
漏洩を調べる。
(2) カバーの作動性を調べる。
11.天井ホース
(1) アウトレットは 10 項と同じ。
(2) ホースの外観上の損傷のない事を点検する。
(3) アウトレットの接合部及び天井内配管部との接合部の漏洩の有無を点検する。
12.シャットオフバルブ
(1) バルブの開閉は確実である事。
(2) 表カバーの脱落の有無を点検する。
13.一般事項
(1) 機械類について
① 基礎ボルト及び締付けボルト、ネジ等の緩みがない事。(増し締め)
② 破損、変形、腐食、発錆等がない事。
③ 清掃及び管理上周囲に障害となるようなものがない事。
④ 予備ヒューズ・ランプ等が完備されている事。
(2) 病室内機器類について
① 付属品の脱落、ネジ等の緩みがない事。(増し締め)
② プレート、カバー等の発錆、汚れ等については清掃し、特に銘板は良く読める事。
(3) 報告書について
① 実施日・点検責任者・点検実施者等の記載がある事。
② 過去の院内アウトレットパッキン交換実施年月の記載がある事。
③ 仕様やメーカー等の記載がある事。
(4) 提出書類について
① 保守点検実施 1 週間前までに作業予定表を作成し提出する事。
② 保守点検で交換や修理等の必要な箇所が発見された場合、報告書とは別に見積りを提出
する事。
③ 保守点検とは別に部品の修理や交換などが行われた場合、その都度報告書を作成し提出
する。
④ 当院担当者が医療ガス配管設備での書類を必要とした場合、書類を作成し提出する。