2016 年 3 月 4 日 NS 研究会α(NSα) 【第23回定例会】 期 日: 2016年3月4日(金)16:00~18:00 場 所: 立命館大学・びわこくさつキャンパス インテグレーションコア 1F アカデミックラウンジ 参加費: 無料 講 ■橘 由里香(たちばな ゆりか) 鹿児島大学共同獣医学部附属動物病院 師: <15:45 受付開始> 特任助教 テーマ:“人はなぜ馬に乗るのか” ■進矢 正宏(しんや まさひろ) 東京大学 大学院総合文化研究科 広域科学専攻生命環境科学系 認知行動科学講座 助教 テーマ:ヒトの反射的姿勢制御における予測の役割 内 容: ■橘 由里香(16:00~17:00) テーマ:“人はなぜ馬に乗るのか” 要旨:みなさんは競馬やオリンピックの馬術競技を観たことがありますか。 「馬」 は人と共にスポーツ競技をする唯一の動物です。馬と人との付き合いは、 紀元前 4000 年頃に家畜化されたことから始まります。そして、馬が「い くつかの特質」を持っていたことから、紀元前 2000 年頃には「人が乗る 動物」として選ばれました。モータリゼーションの発展とともに、乗る 目的は通信や戦争に用いる「道具」からレクリエーションやスポーツを 共に楽しむ「パートナー」へと変化しました。それにつれて近年は馬で も運動用具(馬具)の開発競争が活発であり、マイナス面としてはスポ ーツ疾患、ドーピングといった問題も浮き出されてきています。また、 パフォーマンスの落ちた馬は廃用(屠殺)することが常でしたが、日本 でも引退馬を預かる「養老院」が現れつつあり、馬医療も老人科の需要 が増しています。 本講演では、馬術選手かつ大学病院の馬診療科で手術や往診をしている 演者が、馬学の基礎と最新の馬獣医療を紹介します。 ■進矢 正宏(17:00~18:00) テーマ:ヒトの反射的姿勢制御における予測の役割 要旨:様々な環境下での安全な歩行運動の遂行には、素早くかつ柔軟で機能的 な姿勢制御活動が欠かせません。ヒト運動において、最も素早い制御機 構として、反射が挙げられます。反射というと、感覚入力に対して決ま った運動コマンドを出力する単純なシステムのように思われるかもし れませんが、潜時が 60 ms 以上かかる中長潜時成分では、極めて柔軟な 制御が行われています。本発表では、こういった機能的に有効な制御を 行うために、無意識的・意識的な予測が果たす役割について紹介します。 ヒトの運動系は、常に自分の運動に伴って生じる感覚入力を予測してい ます。そして、この予測された感覚入力と実際の感覚入力との差は予測 誤差と呼ばれ、運動を制御する上で非常に重要な情報となります。ヒト 歩行中の予測誤差の役割について、踏み外しに対する反射の例を中心に 紹介いたします。また、外乱の方向やタイミングについて明示的に事前 知識が与えられた場合の反射潜時や振幅の変調について、立位・座位・ 歩行中の例を紹介いたします。重要な先行研究文献、私自身の実験デー タ、そして将来に向けての私のアイデアをシェアしますので、素朴な質 問・活発な議論を楽しみにしております。 【講 師 ■橘 紹 介】 由里香 略歴:1995 年 3 月 2005 年 3 月 2005 年 9 月 2007 年 4 月 2012 年 3 月 2012 年 4 月 2014 年 4 月 ・・・・・・・・・・・・・ 東京大学理学部地球惑星物理学科 卒業 東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻博士課程 修了 東京大学大学院総合文化研究科 特任助教 東京大学大学院総合文化研究科 特任講師 東京大学農学部獣医学科 卒業 東京大学大学院農学生命科学研究科 特任助教 鹿児島大学共同獣医学部動物病院 特任助教 2007 年 全日本エンデュランス馬術大会優勝(80km) 2009 年 国際馬術連盟公認 CEI3*(160km)優勝 2 回 2014 年 世界馬術選手権大会(仏・ノルマンディー)エンデュランス日本チームに帯同 ■進矢 正宏 略歴:2005 年 3 月:京都大学 総合人間学部 卒業 2010 年 3 月:京都大学大学院 人間・環境学研究科 博士課程 修了 2010 年 4 月:アルバータ大学博士研究員 2011 年 4 月:東京大学大学院 総合文化研究科 学振特別研究員(PD) 2014 年 4 月:東京大学大学院 総合文化研究科 助教 【後 援】 ●2013年度立命館グローバル・イノベーション研究機構(R-GIRO) 「多世代交流型運動空間による健康増進研究拠点」 ●スポーツ・健康産業研究センター
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