資料1-4宮崎県環境計画(改定計画)案(PDF:1690KB)

資料1−4
宮崎県環境計画
(改定計画)
にっぽん
日本 のひなた「太陽と緑の国みやざき」の実現を目指して
(案)
平成28年2月
宮
崎
県
目
第1章
次
基本的な事項 .......................................................... 1
1
計画改定の経緯・趣旨 .................................................... 1
2
計画の性格と役割 ........................................................ 2
3
計画の期間 .............................................................. 3
4
対象とする環境 .......................................................... 3
第2章
環境の現状と課題 ...................................................... 4
1
自然・気候等の特性 ...................................................... 4
2
社会経済の動向 .......................................................... 4
3
環境を取り巻く動向 ...................................................... 5
4
県民の環境意識の現状 .................................................... 9
5
環境分野別の現状と課題 ................................................. 12
5-1
低炭素社会の構築 .................................................. 12
5-2
循環型社会の形成 .................................................. 14
5-3
地球環境、大気・水環境の保全 ...................................... 18
5-4
生物多様性の保全 .................................................. 20
5-5
環境保全のために行動する人づくり .................................. 22
5-6
環境と調和した地域・社会づくり .................................... 24
第3章
長期的な目標 ......................................................... 26
1
目指すべき環境像 ....................................................... 26
2
平成32(2020)年度の宮崎県の姿 ................................... 27
3
温室効果ガスの削減目標 ................................................. 31
第4章
環境分野別の施策の展開 ............................................... 32
第1節
低炭素社会の構築 ................................................... 35
1-1
二酸化炭素等排出削減 .............................................. 35
1-2
再生可能エネルギー等の利用促進 .................................... 38
1-3
二酸化炭素吸収源対策 .............................................. 40
1-4
適応策の推進 ...................................................... 41
第2節
循環型社会の形成 ................................................... 43
2-1
4Rと廃棄物の適正処理の推進 ...................................... 46
2-2
環境にやさしい製品の利用促進 ...................................... 51
第3節
地球環境、大気・水環境等の保全 ..................................... 54
3-1
地球環境、大気環境の保全 .......................................... 54
3-2
水環境の保全 ...................................................... 56
3-3
化学物質対策 ...................................................... 59
3-4
環境負荷の低減等 .................................................. 60
第4節
生物多様性の保全 ................................................... 62
4-1
生物多様性の確保 .................................................. 62
4-2
人と環境を支える多様で豊かな森林づくり ............................ 64
4-3
自然豊かな水辺の保全と創出 ........................................ 66
4-4
自然とのふれあいの場の確保 ........................................ 68
第5節
環境保全のために行動する人づくり ................................... 70
5-1
環境教育の推進 .................................................... 70
5-2
環境保全活動の推進 ................................................ 73
第6節
環境と調和した地域・社会づくり ..................................... 75
6-1
環境にやさしい地域・産業づくり .................................... 75
6-2
快適な生活空間の創出 .............................................. 78
第5章
重点プロジェクト ..................................................... 80
1
「低炭素社会みやざきづくり」プロジェクト ............................... 82
2
人と自然が共生する「緑の国みやざきづくり」プロジェクト ................. 84
3
「環境人材みやざきづくり」プロジェクト ................................. 87
第6章
計画の推進 ........................................................... 89
1
推進体制 ............................................................... 89
2
進行管理 ............................................................... 89
■ 環境指標(数値目標)一覧 .................................................. 90
宮崎県環境計画(改定計画)全体構成図
第1章
基本的な事項
1 計画改 定の経 緯・趣 旨
第2章
2 計 画の性 格と役 割
3 計 画の期 間
環境の現状と課題
1
自然 ・気候 等の特 性
2
社会経 済の動 向
4
県民 の環境 意識の 現 状
5
環境分 野別の 現 状と課題
第3章
長期的な目標
3 温室効果 ガスの 削減目 標
環境分野別の施策の展開
第1節 低炭素社会の構築
1-1 二酸化炭素等排出削減
1-2 再生可能エネルギー等の
利用促進
1-3 二酸化炭素吸収源対策
1-4 適応策の推進
環境問題 別の
第2節 循環型社会の形成
2-1 4Rと廃棄物の適正処理の
推進
2-2 環境にやさしい製品の利用
促進
宮崎県循 環型社 会推進 計 画
宮崎県地 球温暖 化対策 実 行計画(区域施策 編)
施策の展 開
第3節 地球環境、大気・
水環境等の保全
3-1
3-2
3-3
3-4
地球環境、大気環境の保全
水環境の保全
化学物質対策
環境負荷の低減等
第5節 環境保全のために
行動する人づくり
環境保全 のた
めの共通 施策
5-1 環境教育の推進
5-2 環境保全活動の推進
の展開
宮崎県環 境教育 行動計 画
第4節 生物多様性の保全
4-1 生物多様性の確保
4-2 人と環境を支える多様で豊かな
森林づくり
4-3 自然豊かな水辺の保全と創出
4-4 自然とのふれあいの場の確保
第6節 環境と調和した
地域・社会づくり
6-1 環境にやさしい地域・産業
づくり
6-2 快適な生活空間の創出
重点プロジェクト
1「低炭素社会みやざきづくり」プロジェクト
3「環境人材みやざきづくり」プロジェクト
第6章
環境を 取り巻 く 動向
にっぽん
2 平成3 2(2 020 )年度の 宮崎県 の姿
第5章
3
日本 のひなた「太陽と緑の国みやざき」の実現
1 目指す べき環 境像
第4章
4 対象とす る環境
計画の推進
1 推進体制
2 進行管理
2 人と自然が共生する「緑の国
みやざきづくり」プロジェクト
第1章 基本的な事項
1
計画改定の経緯・趣旨
本県では、平成 8(1996)年 4 月に施行した「宮崎県環境基本条例」に基づき、平成 9(1997)
年 3 月に「宮崎県環境基本計画」を策定し、環境保全に関する施策を計画的に推進してきました。
その後、地球温暖化問題、廃棄物・リサイクル問題、生物多様性の問題など、本県の環境保全
行政を取り巻く環境の変化に合わせて、平成 13(2001)年 3 月に「宮崎県環境基本計画(改定計
画)」(以下「改定計画」という。)を策定しました。
平成 10(1998)年 3 月には「宮崎県地球温暖化対策地域推進計画」を策定するとともに、平成
13(2001)年 3 月には「宮崎県環境学習基本指針」を、平成 14(2002)年 3 月には「宮崎県廃棄
物処理計画(第1期)
」を策定し、地球温暖化や環境教育、廃棄物対策といった個別の環境課題に
対する施策を計画的に推進してきました。
平成 18(2006)年 3 月には、改定計画と相互に密接な関係がある「宮崎県地球温暖化対策地域
推進計画」と「宮崎県環境学習基本指針」を同時に見直し、これらの3つの計画の内容をあわせ
持つ「宮崎県環境基本総合計画」を策定し、
「県民一人ひとりが支える『環境立県みやざき』の実
現」を基本目標として掲げ、環境保全の取組を推進してきました。また、
「宮崎県廃棄物処理計画
(第2期)
」を策定し、廃棄物の発生抑制、適正処理等を推進してきました。
平成 23(2011)年 3 月には、
「宮崎県廃棄物処理計画(第2期)」を、廃棄物の適正処理と循環
型社会の形成を一体的に推進するための「宮崎県循環型社会推進計画」として見直し、
「宮崎県環
境基本総合計画」
「宮崎県地球温暖化対策実行計画(区域施策編)」と統合した「宮崎県環境計画」
を策定し、低炭素社会や循環型社会、自然共生社会の実現に向けた取組を推進してきました。
その結果、低炭素社会や循環型社会、自然共生社会の実現に向けて着実な成果をあげることが
できましたが、その一方で、地球温暖化や資源の枯渇、生物多様性の減少など地球規模の環境問
題は一層深刻化しています。加えて、経済活動の拡大やライフスタイルの多様化等により、廃棄
物排出量の高水準での推移や不法投棄の増大など、日常生活における環境問題も依然として残さ
れています。
このような複雑かつ多様化した環境問題に適切に対応していくため、策定から5年経過した「宮
崎県環境計画」を改定することとしました。本計画に基づき、低炭素社会や循環型社会、自然共
生社会の実現に向けた取組をさらに推進し、本県の恵まれた環境と自然豊かな郷土を将来の世代
も享受できる持続可能な社会の構築を目指します。
1
2
計画の性格と役割
本計画は、
「宮崎県環境基本条例」第 9 条に規定する、環境の保全に関する施策の総合的かつ計
画的な推進を図るために定めた基本計画であり、宮崎県総合計画の環境部門における部門別計画
として位置づけています。
また、本計画の一部は以下の計画及び方針としても位置づけています。
○「地球温暖化対策の推進に関する法律」第 20 条の 3 第 3 項に規定する地方公共団体実行計画
○「環境教育等による環境保全の取組の促進に関する法律」第 8 条に規定する行動計画
○「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」第 5 条の 5 に規定する廃棄物処理計画及び「第2次
循環型社会形成推進基本計画(平成 20 年 5 月
環境省)」
(以下「国の2次基本計画」という。
)
第 4 章第 4 節に規定する地域における循環型社会形成推進のための基本計画
県が策定する環境分野の個別計画や県が実施する環境保全に関する施策は、本計画の基本方向
に沿って展開します。また、本計画は、県民、団体、事業者、行政等のそれぞれの果たすべき役
割や取組の方向性を示すことにより、各主体が一体となった取組の推進を目指すものです。
(1)県民
県民には、自らの日常生活と環境との関わりについての理解を深め、自主的・積極的に環境保
全行動に取り組むことが求められます。
(2)団体
団体には、それぞれの専門知識や技術を活かして、地域に根ざした取組を推進するとともに、
県民、事業者、行政等との連携を図る中心的な役割を担うことが求められます。
なお、団体とは、NPOやボランティア団体等を指します。
(3)事業者
事業者には、事業活動が環境へ影響を与えていることを認識するとともに、事業活動における
環境への負荷を低減し、環境保全型のビジネススタイルへ転換することが求められます。
(4)市町村
市町村は、住民に最も身近な自治体として、地域の各主体が行う自主的・積極的な取組を支援
するとともに、それぞれの地域的・社会的条件に応じた環境保全施策を推進することが求められ
ます。
2
(5)県
県は、本計画の基本目標の実現に向けて、環境の保全のために必要な施策・事業を総合的かつ
計画的に推進するとともに、その成果を広く公表し、適切な進行管理に努めます。
また、各主体の役割や取組の方向性を明らかにし、各主体間の連携を図るとともに、広域的な
取組が必要とされる課題については、国や近隣の県と協力・連携して、施策事業の推進に努めま
す。
3
計画の期間
本計画は、平成 28(2016)年度から平成 32(2020)年度までの 5 か年の計画とします。
4
対象とする環境
本計画の対象とする環境は、
「宮崎県環境基本条例」第 3 条に規定する基本理念や第 8 条に規定
する施策の基本方針を踏まえ、次のとおりとします。
○森林、河川、海、動物、植物等の多様な自然環境
○大気、水、土壌、騒音・振動、化学物質、廃棄物等の生活環境
○景観や文化財、自然とのふれあい等の快適環境
○地球規模での大気の組成や気候等の地球環境
3
第2章 環境の現状と課題
1
自然・気候等の特性
○本県は九州の南東部に位置し、総面積は 7,735km2 です。このうち、九州山地や霧島連山をはじ
めとする山岳地帯が大半を占め、これらを水源に五ヶ瀬川、耳川、小丸川、一ツ瀬川、大淀川
など流路 70 ㎞以上にわたる河川が太平洋に注ぎ、豊富な水資源をもたらしています。
かん
○県土の約 76%を占める森林の面積は 5,891km2 であり、国土の保全、地球温暖化の防止、水源涵
養、生物多様性の保全、木材の供給など多面的機能を発揮しています。
○本県は日向灘に接し、海岸延長は約 400km です。北部沿岸部が日豊海岸国定公園、南部沿岸部
が日南海岸国定公園に指定されており、美しいリアス式海岸と豊かな自然環境に恵まれていま
す。また、南部沿岸部では昭和 45(1970)年に国内初の海中公園が指定されました。
○昭和 56(1981)年から平成 22(2010)年まで 30 年間の平年値では、快晴日数 53 日、降水量
2,509 ㎜が全国第 2 位となっており、日照時間 2,116 時間、平均気温 17.4℃が第 3 位となって
います。
2
社会経済の動向
○本県の人口は、平成 8(1996)年の 1,177,407 人をピークにして、平成 9(1997)年以降は減少
が続き、平成 26(2014)年には 1,114,775 人となっています。この傾向は今後も続き、県は、
平成 32(2020)年の本県の人口は 1,071 千人にまで減少すると推計しています。一方、世帯数
は毎年増加しており、人口がピークであった平成 8(1996)年の 427,226 世帯は、平成 26(2014)
年に 471,213 世帯となっています。
○本県の産業構造は、就業者数、総生産額とも第3次産業の割合が高いものの、全国及び九州各
県と比較して、産業全体に占める第1次産業の割合が高くなっています。
○土地利用は、農用地が減少傾向にある一方で、道路や宅地が増加しています。
○本県の自動車保有台数は平成 26(2014)年 3 月末において 931,822 台で、人口一人当たりの自
動車保有台数は全国第 7 位と自動車への依存度が高くなっています。
○県内の電力需給状況は、発生電力量が消費電力量の半分程度となっている状態が続いています
が、平成 24(2012)年 7 月に開始された固定価格買取制度によって、太陽光発電の導入が進ん
でいます。
4
3
環境を取り巻く動向
(1)
「低炭素社会の構築」関連
○二酸化炭素等排出削減
・「みやざき県民の住みよい環境の保全等に関する条例」を一部改正し、「温室効果ガス排出抑制
計画書」等の対象事業者を拡大するとともに、同計画書等の公表を規定(H24.4)
・
「地球温暖化対策の推進に関する法律」が一部改正され、地球温暖化対策計画の策定や温室効果
ガスの種類に三ふっ化窒素を追加すること等を規定(H25.3)
・電気自動車の普及促進を図るため、「宮崎県次世代自動車充電インフラ整備ビジョン」を策定
(H25.8)
・政府は、地球温暖化対策推進本部で温室効果ガスを平成 42(2030)年度に平成 25(2013)年度
比 26%削減する目標を決定(H27.7)
・適応策に係る政府全体の総合的、計画的な取組として「適応計画」を策定(H27.11)
・国連気候変動枠組条約第 21 回締約国会議(COP21)が新たな法的枠組みとなる「パリ協定」を採
択(H27.12)
○再生可能エネルギー等の利用促進
・再生可能エネルギーの固定価格買取制度のスタート(H24.7)
・新エネルギーの導入に向けた具体的な計画を定める「宮崎県新エネルギービジョン」の改定
(H25.3)
・農山漁村再生可能エネルギー法の施行(H26.5)
・九州電力は、九州全土における再生可能エネルギーの接続申込に対する回答を保留(H26.9)
その後関係省令等の改正を経て、年間 30 日を超える無補償の出力制御等の条件付での回答を再
開(H27.1)
・「改正電気事業法」が可決(H27.6)
「発送電分離」を実施予定(H32.4 予定)
・電力小売全面自由化の実施(H28.4 予定)
○二酸化炭素吸収源対策
・京都議定書の第二約束期間(H25∼32)の森林吸収量として算入できる上限値は各国一律に基準
年総排出量の 3.5%で合意(H23.12、COP17)
・京都議定書締約国は、温室効果ガス吸収量・排出量を毎年報告することを義務化
(H24.12、COP18)
・J-VER 制度によるクレジットを門川県有林においてモデル的に取得(H24.7)
・J-VER 制度と国内クレジット制度を発展的に統合した J-クレジット制度の開始(H25.4)
5
(2)
「地球環境、大気・水環境等の保全」関連
○大気環境の保全
・
「第四次環境基本計画」の閣議決定。環境問題の各分野に係る施策について、地球環境の保全の
中に地球温暖化対策とオゾン層保護対策を位置づけ。また、大気環境保全に関する取組の中に
広域大気汚染対策として、酸性雨及び黄砂のモニタリングを記載(H24.4)
・改正フロン法(フロン排出抑制法)の施行(H27.4)
○水環境の保全
・「土壌汚染対策法」の改正(H22.4)
・「水質汚濁防止法」の改正(H24.6)
・「雨水の利用の推進に関する法律」の施行(H26.5)
・「水循環基本法」の施行(H26.7)
・「第2次宮崎県生活排水対策総合基本計画」の2次改定(H27.3)
○化学物質対策
・
「第四次環境基本計画」の閣議決定。重点分野ごとの環境政策の展開の中で「包括的な化学物質
対策の確立と推進のための取組」を位置づけ(H24.4)
・熊本市及び水俣市で水俣条約の外交会議等が開催され、
「水銀に関する水俣条約」が全会一致で
採択(H25.10)
○環境負荷の低減等
・「環境影響評価法」の改正(H23.4)
計画段階環境配慮書の手続の新設や、方法書段階での住民等説明会の義務化等
・「環境影響評価法施行令」の改正(H23.11)
一定規模以上の風力発電所を対象事業に追加
・「宮崎県環境影響評価条例」の改正(H26.7)
方法書段階での住民説明会の義務化等
・「宮崎県環境影響評価条例施行規則」の改正(H26.8)
法施行令に準じる規模の風力発電所を対象事業に追加
(3)
「循環型社会の形成」関連
○4Rと廃棄物の適正処理の推進
・宮崎県「優良産廃処理業者認定制度」の施行(H23.4)
平成 26(2014)年度までに 35 事業者を認定
・宮崎県「産業廃棄物事業場外保管届出制度」導入(H23.4)
・
「第三次循環型社会形成推進基本計画」が閣議決定され、最終処分量の削減など、これまで推進
6
した廃棄物の量に着目する施策に加え、循環の質にも着目した次の施策を併せて推進(H25.4)
①リサイクルに比べ取組が遅れているリデュース・リユースの取組の強化
②有用金属の回収
③安心・安全の取組強化
④3R国際協力の推進
・
「使用済小型電子機器等の再資源化の促進に関する法律」が施行され、市町村による、小型家電
の回収・再資源化を推進(H25.4)
○環境にやさしい製品の利用促進
・「みやざきリサイクル製品認定制度」の創設(H22.4)
(一社)宮崎県産業廃棄物協会により、平成 26(2014)年度までに 18 事業者が製作した 61 製
品が認定
(4)
「生物多様性の保全」関連
○生物多様性の確保
・「自然公園法」の改正(H22.4)
法の目的に「生物の多様性の確保に寄与すること」を追加
海域における保全施策の充実、生態系維持回復事業の創設、特別地域等における行為規制の追
加等の条文も追加
・「生物多様性地域連携促進法」の制定(H22.12)
地域における多様な主体が連携して行う生物多様性保全活動を促進することによって、豊かな
生物多様性を保全することが目的
・「外来種被害防止行動計画」の策定(H27.3)
外来種対策を主流化するための基本的な考え方を明示
・「みやざき自然との共生プラン∼生物多様性みやざき戦略∼」の策定(H27.3)
○人と環境を支える多様で豊かな森林づくり
・新たな「森林・林業基本計画」の策定(H23.7)
森林施業の集約化や路網整備、木材自給率 50%、木質バイオマス資源の活用等を明記
・「森林法」の改正(H23.4)
無届伐採者に対する伐採中止、造林の命令の新設、森林所有者を把握するための届出制度等の
導入等を明記
・新たな「全国森林計画」の策定(H25.10)
平成 26(2014)年 4 月からの 15 年間が計画期間
○自然豊かな水辺の保全と創出
7
・「河川法」の改正(H25.6)
水防活動、河川管理の充実及び連携の強化を図ることが目的
・「海岸法」の改正(H26.6)
海岸の防災・減災対策の強化、適切な海岸管理を進めること等が目的
・「内水面漁業の振興に関する法律」の制定(H26.6)
内水面における漁業生産力を発展させ、合わせて、国民生活の安定向上及び自然環境の保全に
寄与することが目的
○自然とのふれあいの場の確保
・「自然公園法」の改正(H22.4)
法の目的に「生物の多様性の確保に寄与すること」を追加
海域における保全施策の充実、生態系維持回復事業の創設、特別地域等における行為規制の追
加等を条文に追加
(5)
「環境と調和した地域・社会づくり」関連
○環境にやさしい地域・産業づくり
・
「第四次環境基本計画」の閣議決定。重点分野ごとの環境政策の展開の中で「経済・社会のグリー
ン化とグリーン・イノベーションの推進」を位置づけ(H24.4)
・「都市の低炭素化の促進に関する法律」の施行(H24.12)
・宮崎県バイオマス活用推進計画(H25.4)
・県内の全市町村が「景観行政団体」に移行(H27.3)
・「景観形成に係る太陽光発電設備の取扱い」を県内市町村に通知(H27.3)
(6)
「環境保全のために行動する人づくり」関連
○環境学習の推進
・「環境教育等による環境保全の取組の促進に関する法律」の改正(H23.6)
地方公共団体は、地域の関係者からなる協議会の設置等による環境教育、協働取組等に係る「行
動計画」を作成(努力条項)
・県環境情報センターの利便性の向上を図るため、県立図書館の閲覧室から同ロビーへ移転
(H25.2)
・「宮崎県次世代エネルギーパーク計画」の認定(H25.9)
・持続可能な開発のための教育(ESD)に関するユネスコ世界会議の開催(H26.11)
○環境保全活動の推進
・
「環境保全活動、環境保全の意欲の増進及び環境教育並びに協働取組の推進に関する基本的な方
針」の閣議決定(H24.6)
8
4
県民の環境意識の現状
(1)調査概要
宮崎県環境計画の改定にあたり、県民の環境に関する考えやニーズ等を把握し、計画に反映す
ることを目的として実施しました。
表 2-1 調査方法及び時期
調査方法
調査時期
Web アンケート
県庁ホームページ「宮崎県電子申請システム」にて公開
平成 27(2015)年
5 月 28 日∼7 月 10 日
紙アンケート
公共施設、各種イベント等にて配布・回収
表 2-2 回答の状況
区分
回収数
無効回答数
有効回答数
Web アンケート
691
−
691
紙アンケート
547
11
536
1,238
11
1,227
合
計
表 2-3 回答者の性別
項目
件数
表 2-4 回答者の年齢
項目
割合
件数
割合
男性
775
63.2%
20歳未満
8
0.7%
女性
447
36.4%
20∼29歳
141
11.5%
不明
5
0.4%
30∼39歳
224
18.3%
合計
1,227
100.0%
40∼49歳
274
22.3%
50∼59歳
292
23.8%
60歳以上
283
23.1%
不明
5
0.4%
合計
1,227
100.0%
表 2-5 回答者の居住地域
項目
件数
割合
県央
862
70.3%
県北
187
15.2%
県南・県西
170
13.9%
県外・不明
8
0.7%
1,227
100.0%
合計
注)割合は、それぞれ四捨五入しているため、合計において一致しない場合がある。
9
(2)主な調査結果
〇環境問題への関心について
・関心のある環境問題は、「地球温暖化」が 66.9%と最も高く、次いで「大気汚染」「資源・エネル
ギー」
「廃棄物問題」
「自然の森林や河川、海岸などの減少」の順でした。
・前回調査(平成 22(2010)年)と比較すると、「地球温暖化」や「大気汚染」の関心が高まっ
ています。
0
20
40
60
地球温暖化(温室効果ガスの
問題、オゾン層の破壊など)
66.9
大気汚染(光化学オキシダント、
PM2.5、黄砂、酸性雨など)
43.8
資源やエネルギーの問題(電気・ガス
のむだ使い、使い捨て商品など)
43.0
廃棄物問題(ごみの増加や
リサイクル、不法投棄など)
38.3
30.7
自然の森林や河川、海岸などの減少
生活環境(水質汚濁、騒音、
振動、悪臭など)
25.6
動植物の減少や外来種による
地域固有種への影響などの問題
17.7
土壌汚染や地下水汚染
(農薬や化学物質の漏洩など)
有害化学物質の問題(ダイオキシンなど)
地盤沈下
80
9.1
5.3
1.8
図 2-1 関心のある環境問題
表 2-6 関心の高い上位5項目の前回との比較
順位
平成 22(2010)年
平成 27(2015)年
1
廃棄物
地球温暖化
2
地球温暖化
大気汚染
3
資源・エネルギー
資源・エネルギー
4
水質汚濁
廃棄物
5
大気汚染
自然の減少(前回 6 位)
10
100 %
○環境行政への要望について
・今後重点的に推進すべき取組は、「森林や河川、海岸など豊かな自然環境を保全する」が 34.2%
と最も高く、次いで「資源を有効に活用するリサイクルのしくみをつくる」が 29.2%、「二酸化
炭素の排出を抑制するなど、地球環境問題の取組を進める」が 29.0%でした。
・前回(平成 22(2010)年)と比較すると、「リサイクルの仕組みづくり」、「地球温暖化問題の
取組」、
「再生可能エネルギー、省エネルギー施設の整備」への要望が高まっています。
0
10
20
30
50 %
34.2
森林や河川、海岸など豊かな自然環境を保全する
資源を有効に活用するリサイクルのしくみをつくる
29.2
二酸化炭素の排出を抑制するなど、
地球環境問題の取組を進める
29.0
再生可能エネルギー、省エネルギーのための
施設を整備する
24.8
環境教育・環境学習を充実させる
24.1
学校、地域における環境保全のための活動を支援する
23.5
河川や大気などの汚染状況を監視する
23.4
環境保全のため、県民・企業・行政が
一体となった仕組みづくりを行う
21.9
21.0
ごみの有料回収を継続する
下水道や公園など、より良い環境を
つくるための施設を整備する
19.7
16.5
県内に生息・生育する多種多様な動植物を保全する
13.1
歴史的な街並みや美しい景観を保全する
企業における環境保全のための活動を支援する
11.3
企業に対して、環境にやさしい商品の開発などを指導する
11.2
環境の状況や取組に関する情報を提供する
40
9.0
図 2-2 今後重点的に推進すべき取組
表 2-7 関心の高い上位5項目の前回との比較
順位
1
2
3
平成 22(2010)年
豊かな自然環境の保全
県民・企業・行政の一体となった仕組みづくり
河川や大気などの汚染状況の監視
4
リサイクルの仕組みづくり
5
環境教育・環境学習の充実
11
平成 27(2015)年
豊かな自然環境の保全
リサイクルの仕組みづくり
地球温暖化問題の取組(前回 10 位)
再生可能エネルギー、省エネルギー施設の整備
(前回 9 位)
環境教育・環境学習の充実
5
5-1
環境分野別の現状と課題
低炭素社会の構築
(1)現状
①二酸化炭素等排出削減
○宮崎県から排出される温室効果ガスの約8割は、エネルギー起源の二酸化炭素です。県では、
平成 32(2020)年度のエネルギー起源二酸化炭素排出量を、平成 2(1990)年度から 30%削減
することを目標としていますが、平成 24(2012)年度の排出量は、平成 2(1990)年度から約
12%増加しています。【図 2-3、図 2-4】
○部門別では、家庭部門と業務部門の二酸化炭素排出量が増加しています。これは、大震災の影
響により、原子力発電所が停止したことで、発電の際に排出される二酸化炭素の量が増加した
ことが大きな要因と考えられます。
【図 2-4】
②再生可能エネルギーの利用促進
○固定価格買取制度の導入後、太陽光発電を中心に設備の導入が進んだ結果、平成 27(2015)年
3 月末現在の新エネルギーの総出力電力は、約 78 万 kW となり、目標値(平成 32(2020)年度)
の約 52 万 kW を大きく上回っています。
【表 2-8】
③二酸化炭素吸収源対策
○県では、二酸化炭素吸収源対策として、森林の適正な管理・保全、県産材の利用促進に取り組
んでいます。
(2)課題
①二酸化炭素等排出削減
○業務部門・家庭部門における二酸化炭素排出削減の促進(省エネの推進)
②再生可能エネルギーの利用促進
○新エネルギーの一層の導入促進(自立分散型、自家消費等)
③二酸化炭素吸収源対策
○森林の適正な整備・保全と県産材の利用促進
④適応策
○関係機関等の連携による適応策の検討・実施
(農業・保健・防災等に関する国・県・市町村の連携)
12
代替フロン
2%
一酸化窒素
10%
メタン
5%
非エネルギー起源
二酸化炭素
3%
エネルギー起源
二酸化炭素
80%
図 2-3 温室効果ガスの排出割合(H24 年度)
(万t-CO2)
1,000
800
907
806
744
899
H2比12%
760
H2比▲30%
661
561
600
運輸部門
400
業務部門
家庭部門
200
産業部門
0
H2
H19
H20
H21
H22
H23
H24
H27
H32 (年度)
中 間
目標値
目標値
図 2-4 エネルギー起源二酸化炭素排出量の推移
表 2-8 再生可能エネルギー(発電分野)の導入容量及び目標値
現況値
項目
中間目標
目標値
(H27年度)
(H32年度)
策定当時
最新値
(H21年度)
(H26年度)
199,445
784,943
429,284
515,122
太陽光発電
-
561,224
-
-
バイオマス発電
-
216,785
-
-
小水力発電
-
6,934
-
-
その他
-
0
-
-
新エネルギー総出力電力(kW)
13
5-2
循環型社会の形成
(1)現状
①4Rと廃棄物の適正処理の推進
○平成 25(2013)年度の廃棄物全体の最終処分量は、205 千トンと減少傾向にあり、目標値であ
る 193 千トンの達成に向けて推移しています。【表 2-9】
○平成 25(2013)年度の一般廃棄物の排出量は、約 404 千トンであり、漸減傾向ですが、再生利
用率は 19%で、平成 32(2020)年度までの目標である 25%を大きく下回っており、計画策定
時から大きな変化が見られません。
【表 2-9、図 2-5】
○ごみ処理に係るダイオキシン類の排出削減、焼却残さの高度処理対策、最終処分場の確保、リ
サイクルの推進等を目的として策定した「宮崎県ごみ処理広域化計画(改定版)」に基づき、市
町村の広域的なごみ処理を推進しています。
○4Rの推進については、マイバッグ利用を柱とした総合対策事業を実施し、ごみ減量化の普及
啓発を行っています。また、産業廃棄物のリサイクル推進のための施設整備への補助等も行っ
ています。
○平成 25(2013)年度のし尿及び浄化槽汚泥の収集量は約 337 千キロリットルで、横ばいに推移
しています。水洗化率は 87.9%と平成 21 年度と比較して 2.5%、前年度と比較して 0.9%増加
しています。【図 2-6】
マイバッグキャンペーンの様子
14
表 2-9 循環型社会の形成に関する環境指標の現況値と目標値
現況値
中間目標
目標値
策定当時
最新値
(H27年度) (H32年度)
(H20年度) (H25年度)
228
205
204
193
項目
最終処分量(千トン)
一般廃棄物の排出量(千トン)
428
404
391
373
1,009
969
979
970
一般廃棄物の再生利用量(率) (千トン(%))
78(18.4)
77(19)
98(25)
95(25)
一般廃棄物の最終処分量(率) (千トン(%))
55(12.8)
51(12.6)
43(11)
41(11)
2,038
2,179
2,038
2,014
1人1日当たりの一般廃棄物の排出量(グラム/人・日)
産業廃棄物の排出量(千トン)
産業廃棄物の再生利用量(率) (千トン(%))
851(41.8)
969(44.5)
861(42.2)
854(42.4)
産業廃棄物の最終処分量(率) (千トン(%))
173(8.5)
154(7.1)
161(7.9)
151(7.5)
(年度)
図 2-5 一般廃棄物の排出量・再生利用量・最終処分量・再生利用率の推移
(年度)
図 2-6 し尿収集量と水洗化率の推移
15
○平成 25(2013)年度の家畜ふん尿を除く産業廃棄物の排出量は、約 2,179 千トンであり、経済
活動の影響で微増傾向ですが、再生利用率は 44.5%であり、平成 32(2020)年度の目標値であ
る 42.4%を上回っています。【表 2-9、図 2-7】
○平成 25(2013)年度の産業廃棄物の種類別の処理状況は、再生利用率の高い種類はがれき類
(93.2%)
、木くず(74.7%)で、減量率の高い種類は汚泥(85.8%)廃酸(67.6%)となって
おり、最終処分率の高い種類はその他種類(鉱さい、廃プラスチック類、ガラス・コンクリー
ト・陶器くず等)(27.8%)、木くず(6.3%)となっています。【図 2-8】
○平成 25(2013)年度の不法投棄発生量は 1,177 トンで、違法焼却や不法投棄の発生件数と共に
平成 23 年度以降、減少傾向にあります。
【図 2-9】
②環境にやさしい製品の利用促進
○公共事業において積極的な木材利用に努めています。
○「宮崎県グリーン購入基本方針」に基づき、県自ら環境への負担の少ない製品やサービスの優
先的な購入を推進しています。
○(一社)宮崎県産業廃棄物協会が実施するリサイクル製品の認定制度では、18 事業者が製造する
61 製品が認定され、県ホームページや協会が作成するパンフレットにより県民、事業者等へ周
知しています。
(2)課題
①4Rと廃棄物の適正処理の推進
○一般廃棄物の再生利用量(率)の向上
○産業廃棄物の再生利用が進んでいない品目の分析と推進
②環境にやさしい製品の利用促進
○積極的な県産材利用の推進
○グリーン購入の継続的推進
○環境にやさしい製品やサービスの需要拡大に対する支援拡大
16
(年度)
図 2-7 産業廃棄物の排出量・再生利用量・最終処分量・再生利用率の推移
図 2-8 産業廃棄物の排出量と種類別処理状況(H25 年度)
(資料:宮崎県調べ)
(年度)
図 2-9 産業廃棄物の不法投棄発生量及び不適正処理発生件数の推移
17
5-3
地球環境、大気・水環境の保全
(1)現状
①地球環境、大気環境の保全
○一般環境大気測定局による常時監視等を実施しており、本県の大気環境は概ね良好です。平成
26(2014)年度は光化学オキシダントの環境基準達成率が他の項目に比べ低くなっており、大
陸からの影響を受けていると考えられます。
【表 2-10】
②水環境の保全
○河川、海域等の水質について常時監視を行っており、本県の水質は概ね良好です。
【図 2-10】
○市町村と連携して公共下水道、浄化槽等の生活排水処理施設の計画的な整備を進めています。
【図 2-11】
③化学物質対策
○環境中のダイオキシン類は、全ての測定地点において環境基準を達成しています。
○PRTR推進事業において、該当する事業者の化学物質対策についての監視・指導を行ってい
ます。
(PRTR:化学物質排出移動量届出制度)
④環境負荷の低減等
○平成 12(2000)年に制定した「宮崎県環境影響評価条例」により、環境影響評価法の対象とな
らない規模の事業等を対象としています。
○高千穂町土呂久地区にかつてあった鉱山の操業に起因した公害健康被害の対策として、毎年、
健康観察検診等を行っています。
(2)課題
①地球環境、大気環境の保全
○大陸からの影響が懸念される光化学オキシダントや微小粒子状物質(PM2.5)の常時監視
体制の強化
○光化学オキシダント等の原因物質である揮発性有機化合物等の監視
②水環境の保全
○公共下水道、浄化槽等の生活排水処理施設の整備促進
○都城盆地の継続的な地下水保全対策の推進
③化学物質対策
○事業者の監視・指導体制の強化
○化学物質に関する情報の把握と情報交換の推進
④環境負荷の低減等
○環境影響評価制度の適切な運用
18
○検診対象者の高齢化による、適切な検診の実施
表 2-10 大気環境基準達成率
現況値
項目
大気環境基準達成率(%)
二酸化硫黄(SO2)
二酸化窒素(NO2)
光化学オキシダント(Ox)
浮遊粒子状物質(SPM)
一酸化炭素(CO)
策定当時
(H20年度)
最新値
(H26年度)
100
100
6.3
100
100
89.5
100
13.3
100
100
目標値
(H32年度)
100
100
100
100
100
(%) 97.8
100
100
100
100 100 100
98.9
97.8
100
87.1
90 84.4
84.1 84.9 83.1 84.9
82.2
82.2
79.4
80.3 79.4
80
71.7
70
大気
60
50
水質(河川(BOD)・
40
海域(COD))
水質(地下水)
30
20
10
0
H20
H22
H23
H24
H25
H26
H32 (年度)
(目標値)
(資料:宮崎県調べ)
図 2-10 環境基準達成率の推移
(%)
100
90
80
70
66.9
71.6
73.1
74.7
81.0
76.1
60
農(漁)業集落排水施設
合併処理浄化槽
公共下水道
50
40
30
20
10
0
H20
H23
H24
H25
H26
H32 (年度)
(目標値)
図 2-11 生活排水処理率の推移
19
(資料:宮崎県調べ)
5-4
生物多様性の保全
(1)現状
①生物多様性の確保
○県内には、キバナノツキヌキホトトギス、オオヨドカワゴロモ等 17 種の固有種があり、全国的
な絶滅危惧種も多く生育しています。しかし近年、シカの増加により、これらの希少植物が食
害され、絶滅が危惧される種も多くみられます。
【表 2-11、表 2-12】
②人と環境を支える多様で豊かな森林づくり
○森林づくりボランティア活動の参加者は増加傾向にあり、広葉樹の植栽、里山や海岸松林の整
備等、多様な森林づくりが進められています。【表 2-12】
○森林環境税を活用し、広葉樹の植栽や針葉樹と広葉樹が入り混じった森林への誘導のため間伐
などを実施しています。
③自然豊かな水辺の保全と創出
○県南部ではオニヒトデなどの食害によるサンゴ群集の劣化等が報告されています。
○近年、ため池の水質汚濁により、減少している動植物種も数多くみられます。
④自然とのふれあいの場の確保
○エコツーリズム推進法の制定を契機に、近年、県内でも、エコツーリズムが盛んになっており、
自然公園利用者数も増加傾向にあります。【表 2-12、図 2-12】
○自然とのふれあい活動において、ソウシチョウ、オオクチバス(ブラックバス)等の外来種の
人為的な移動、希少な植物の自生地からの持ち帰り等、自然保護上問題のある行為がみられる
ことがあります。【図 2-13】
(2)課題
①生物多様性の確保
○シカの個体数調整などによる希少野生植物の保全
②人と環境を支える多様で豊かな森林づくり
○計画的な伐採と再造林の推進(適地適木による適切な更新)
③自然豊かな水辺の保全と創出
○サンゴ群集の保全
○自然環境に配慮したため池の整備・管理
④自然とのふれあいの場の確保
○自然とのふれあい活動における自然環境への配慮
20
表 2-11 宮崎県版レッドデータブックによる種数(2007 年はレッドリスト)
カテゴリー区分
絶滅
野生絶滅
1999年度
2007年度改訂版
2010年度改訂版
(H12.3)
(H20.3)
(H23.3)
34
43(
+9)
49(
+6)
3
5(
+2)
4(
−1)
絶滅危惧I類
434
553(+119)
669(+116)
絶滅危惧Ⅱ類
193
207(
+14)
232(
+25)
準絶滅危惧
325
358(
+33)
384(
+26)
情報不足等
199
197(
−2)
148(
−49)
計
1188
1363(+175)
1486(+123)
表 2-12 自然公園利用者数、シカ推定生息数、森林ボランティア延参加者数
現況値
項目
策定当時
(H20年度)
自然公園利用者数(人)
8,640
シカ推定生息数(頭)
140,000
森林ボランティア延参加者数(人)
25,434
最新値
10,056
(H25年度)
125,000
(H25年度)
27,653
(H26年度)
目標値
(H32年度)
現状維持
77,000
33,000
(年度)
図 2-12 自然公園利用者数の推移
ソウシチョウ
オオクチバス
オオキンケイギク
その他にも、ウシガエル、ハイイロゴケグモ、セアカゴケグモ、ブルーギル、ブラジルチドメグサ、
オオフサモ、ボタンウキグサが確認されています。
図 2-13 宮崎県で確認されている特定外来生物
21
5-5
環境保全のために行動する人づくり
(1)現状
①環境教育の推進
○環境学習の拠点施設である「宮崎県環境情報センター」は、平成 25(2013)年 2 月から県立図
書館1階ロビーへと移転したことに伴い、利用者が大幅に増加し、目標値を大きく上回ってい
ます。
【図 2-14】
○身近な水辺(川、湖、海、池等)の水質や生態系等を調査する「水辺の環境調査」への参加者数は、
増加傾向にありましたが、平成 26(2014)年度は、夏期の天候不順が影響して減少しています。
【図 2-15】
②環境保全活動の推進
○県民・事業者・行政等の協働による環境保全活動を推進する組織である「環境みやざき推進協
議会」が推進する、県民総ぐるみの清掃活動「クリーンアップ宮崎」には、毎年 10 万人以上の
県民が参加しています。
【図 2-16】
(2)課題
①環境教育の推進
○環境学習を指導する人材の養成・確保
○環境学習拠点の機能充実、充実した情報提供体制の整備
○学校等における環境学習の一層の推進や取組の充実
②環境保全活動の推進
○各主体が自発的に行う環境保全活動の一層の推進
○各主体間のより一層強力なパートナーシップの形成
宮崎県環境情報センター
22
(年度)
図 2-14 環境情報センター利用者数の推移
(年度)
図 2-15 水辺の環境調査への参加者数の推移
(年度)
図 2-16 クリーンアップ宮崎の参加者数の推移
23
5-6
環境と調和した地域・社会づくり
(1)現状
①環境にやさしい地域・産業づくり
○本県の地域特性を活かした体験・交流型観光の普及・促進に取り組んでおり、農林漁業体験民
宿数は年々増加傾向にあります。【図 2-17】
②快適な生活空間の創出
○本県の平成 25(2013)年度末の都市計画区域内の人口一人当たり都市公園等面積は約 21.6 ㎡
です。これは、全国の一人当たりの都市公園等面積約 10.1 ㎡を大幅に上回っています。
【図 2-18】
○本県は、日南海岸や日豊海岸に代表される海岸景観、九州山地の山地景観など、多様な美しい
景観に恵まれています。自然景観に加え、都市景観、農山漁村景観、歴史的・文化的な景観な
どの保全・創出に継続して取り組んでいます。
(2)課題
①環境にやさしい地域・産業づくり
○環境への負荷を低減し、環境と調和した農林水産業の推進
○本県の地域特性を活かした体験・交流型観光の展開
②快適な生活空間の創出
○うるおいとやすらぎある美しい景観・環境の保全・創出
酒谷の坂元棚田及び農山村景観(日南市)
24
(年度)
図 2-17 農林漁業体験民宿数の推移
図 2-18 一人当たり都市公園面積(H25 年度)
25
第3章 長期的な目標
1
目指すべき環境像
にっぽん
本県は、「太陽と緑の国」と言われ、「日本のひなた宮崎県」というキャッチフレーズが示すと
おり、温暖な気候のもと、豊かな森林や水資源、そこに育まれる多様な動植物など素晴らしい環
境に恵まれています。この素晴らしい環境は悠久の歴史の中で先人が守ってきた県民の貴重な財
産であり、これを損なうことなく将来の世代へ引き継いでいくことが、私たちに課せられた重大
な責務です。
しかしながら、大量生産・大量消費型社会の進展は、私たちに物質的な豊かさや生活の利便性
をもたらす一方、地球温暖化や資源の枯渇、生態系の破壊など地球規模の環境問題を引き起こし
てきました。さらに、今後、世界的な人口増加や新興国の経済発展が進んだ場合、環境問題は一
層深刻化し、本県の豊かな環境が失われるだけでなく、私たち人類をはじめとする地球上の生物
の生存基盤をも脅かす危機となります。
この危機を回避するためには、国家レベルでの取組だけでなく、県民、事業者、団体、行政と
いった全ての主体が一体となって、これまでの物質的な豊かさや生活の利便性のみを追求する生
活を見直し、常に環境への配慮を心掛けた、豊かで質の高い生活へ転換する必要があります。
そこで、本県の恵まれた環境を守るだけでなく、太陽の恵みや森林資源を活かした低炭素社会・
循環型社会・自然共生社会を実現し、本県の恵まれた環境と自然豊かな郷土を将来の世代も享受
できる持続可能な社会を構築するため、本県の目指すべき環境像を次のとおり掲げます。
にっぽん
日本のひなた「太陽と緑の国みやざき」の実現
∼太陽光や森林資源を活かした環境にやさしい
持続可能な社会づくりをリードします∼
26
2
平成32(2020)年度の宮崎県の姿
にっぽん
日本のひなた「太陽と緑の国みやざき」
県民の環境満足度UP!
低炭素社会が
循環型社会が
構築されている宮崎県
実現している宮崎県
大気、水等の生活環境が
生物多様性が
保全されている宮崎県
保全されている宮崎県
誰もが環境保全のため
環境と地域社会が
に行動する宮崎県
調和した宮崎県
27
低炭素社会が構築されている宮崎県
県民の環境に対する意識が高まり、省エネルギーの推進や再生可能エネルギーの導入、二酸
化炭素吸収源としての森林の適正管理が実践され、社会活動や経済活動による温室効果ガスの
排出量が極めて少ない低炭素社会が構築されています。
◎家庭や職場での省エネルギー活動の実践や省エネルギー機器・低燃費自動車等の普及が進み、
温室効果ガスの排出量が大きく削減されています。
◎ほとんどの家庭が太陽光発電システムを設置し、林地残材や間伐材などに由来するバイオマ
スエネルギーの利用が進むなど、再生可能エネルギーの利用が普及しています。
また、エネルギーの地産地消が進み、電力が有効に活用されるとともに、地域経済も活性化
しています。
◎森林の持つ二酸化炭素吸収効果が見直され、新たな環境価値が評価されるとともに、森林所
有者やボランティア、企業等多様な主体が参加した植林や森林整備が行われています。
循環型社会が実現している宮崎県
家庭や学校、企業や地域社会のあらゆる場面において、4R(リフューズ、リデュース、リ
ユース、リサイクル)の取組が実践される、環境への負荷が少ない循環型社会が実現していま
す。
◎4Rの取組が定着し、廃棄物の発生抑制・減量化・循環利用が進んでいます。廃棄物を処理
する場合も、環境への負荷が少ない方法により適切に処理されています。
◎グリーン購入の取組が定着し、木材や木製品、リサイクル商品等の環境にやさしい製品の利
用が進んでいます。
28
大気、水等の生活環境が保全されている宮崎県
環境に対する意識が高まり、大気や水質の監視や保全対策が適切に行われ、生活環境は良好
に保たれています。
◎大気汚染の常時監視等とともに地域での排出源対策と越境汚染対策が行われ、きれいな空気
や、青く澄んだ空と輝く太陽に満たされています。
◎水質の監視や生活排水対策、県民参加の河川浄化が行われ、きれいな水環境が保たれていま
す。森林整備により、これからもきれいで豊かな水環境が守られます。
◎化学物質の製造・使用・廃棄等に関する情報公開により、県民・事業者・行政による情報交
換(リスクコミュニケーション)が行われ、安全・安心な生活環境が保たれています。
生物多様性が保全されている宮崎県
森林や河川、海などの自然環境や生物の多様性が保たれ、癒しや憩いの場、環境教育の場と
してみんなが自然に親しんでいます。
◎自然公園や里地里山が保全され、人間と動植物が共生する自然環境が保たれています。また、
外来種や国内移入種の駆除や侵入防止等の対策、希少野生動植物の適切な保護が行われ、生
物の多様性が確保されています。
かん
◎森林が適正に整備され、国土保全、二酸化炭素吸収、水源涵養の機能を発揮しています。ま
た、多くの県民が森林づくりに参加しています。
◎自然環境に配慮した河川・海岸づくりや美化活動が進み、快適な水辺環境が守られています。
◎自然公園や遊歩道など、自然とふれあう場所が保全されています。また、自然環境教育の施
設が整備され、県民の間に自然保護意識が定着しています。
29
誰もが環境保全のために行動する宮崎県
県民みんなが環境に深い理解と関心を持ち、豊かな自然にふれながら暮らしと環境の関わり
や自然の役割について学ぶことによって、環境に関する意識改革が進んでいます。
あらゆる場面での判断基準に「環境配慮」が定着し、環境にやさしい暮らしが実践されてい
ます。
◎環境教育を行うための情報を誰もが簡単に入手できるとともに、環境保全団体への支援によ
り、学校や職場、家庭や地域においてライフステージに応じた環境教育が行われています。
◎県民、団体、事業者、行政が強力なパートナーシップのもと、環境保全のための活動を実践
しています。
環境と地域社会が調和した宮崎県
快適な生活を営める地域づくりや環境に配慮した産業振興が実現し、環境にやさしい社会に
なっています。
◎景観の保全や緑化活動により、美しい景観・まちなみ・環境づくりが行われています。また、
文化財などの歴史的・文化的資源を活用した地域づくりや低炭素・循環型の地域づくりが行
われています。
◎環境に配慮した農林水産業が営まれるとともに、豊かな自然環境を活かした体験・交流型観
光が行われています。
30
3
温室効果ガスの削減目標
平成42(2030)年度の削減目標
平成25(2013)年度比
26%削減
【温室効果ガス削減目標の設定について】
平成 27(2015)年 7 月 17 日に地球温暖化対策推進本部により「日本の約束草案」とし
て決定された温室効果ガス削減目標に合わせて、本県の温室効果ガスの削減目標は、平成 42
(2030)年度に平成 25(2013)年度比で 26%削減と設定しました。
○
現時点で算定可能な本県の温室効果ガス排出量の最新年は、平成 24(2012)年度であ
り、国の基準年と同じ平成 25(2013)年度の排出量は、平成 28(2016)年度中に算定
する予定です。
○
国の平成 42(2030)年度の目標値の 10 億 4,192 万 t-CO2 を平成 24(2012)年
度の排出量 13 億 9,000 万 t-CO2 で比較算出すると、25%の削減となりますので、当面
の目安となる本県の削減目標値は、平成 24 年(2012)年度比 25%の削減とします。
この考え方で算出すると、平成 42(2030)年度の県内の温室効果ガス排出量の目標値
は、8,413 千 t-CO2 となります。
(参考)
県の最新現状年である平成 24(2012)年度の排出量 11,217 千 t-CO2 と平成 42(2030)年度の
目標値 8,413 千 t-CO2 を結んだ線の通過点は、環境計画の最終年度である平成 32(2020)年度の
時点では 9,971 千 t-CO2 となり、平成 24(2012)年度比で、11%削減となります。
年 度
区 分
排出量(万t-CO2)
H24
(2012)
H25
(2013)
139,000
140,800
国
削減率
排出量(千t-CO2)
11,217
(H24比)
+1%
目 標
H42
(2030)
104,192
(H24比)
(H25比)
▲25% <参考>
2020(H32)目標
▲26%
8,413
H28中に算定
9,971
県
削減率
-
-
31
(H24比)
▲25%
(H24比)
▲11%
第4章 環境分野別の施策の展開
にっぽん
第3章に掲げた目指すべき環境像「日本のひなた『太陽と緑の国みやざき』の実現」に向け、
次の6つの分野別施策を計画的に展開します。
低炭素社会の構築
家庭部門における排出削減対策の推進
二酸化炭素等排出削減
産業・業務部門における排出削減対策の推進
運輸部門における排出削減対策の推進
低炭素社会の実現に資する再生可能エネル
ギーの導入促進
再生可能エネルギー等の利用促進
再生可能エネルギー等の利用拡大に向けた調
査研究等の推進
二酸化炭素吸収源対策
森林資源循環システムの確立等の推進
適応策の推進
防災面への影響に対する対応
健康面への影響に対する対応
生態系への影響に対する対応
農業水産業をはじめとする産業への影響に対す
る対応
施策の基本方向
施策の展開内容
循環型社会の形成
4Rと廃棄物の適正処理の推進
循環型社会推進計画に基づく排出抑制等
4Rの推進と地域性を活かした循環型社会の
形成
廃棄物の適正処理の推進
環境にやさしい製品の利用促進
積極的な木材利用の推進
県内の公共事業における木造化・木質化の推進
間伐材利用の推進
グリーン購入の推進
環境にやさしい製品やサービスの需要拡大に対す
る支援
施策の基本方向
施策の展開内容
32
地球環境、大気・水環境等の保全
地球環境、大気環境の保全
大気汚染防止対策の推進
有害大気汚染物質等の対策の推進
騒音・振動・悪臭対策の推進
地球環境の保全
水環境の保全
水質汚濁防止対策の推進
生活排水対策の推進
河川浄化等の県民活動の推進
都城盆地硝酸性窒素削減対策の推進
一ツ瀬川及び小丸川の濁水軽減等対策の推進
土壌汚染対策の推進
水系別の総合的な水環境保全のための連携
化学物質対策
化学物質の環境調査の継続的実施
事業者の監視・指導体制の強化
化学物質に関する情報の把握と情報交換(リス
クコミュニケーション)の推進
環境負荷の低減等
環境影響評価
公害健康被害対策
施策の基本方向
施策の展開内容
生物多様性の保全
野生生物の適切な保護管理
生物多様性の確保
重要地域の保全
県土の区分に応じた生物多様性の保全
生物多様性の主流化の推進
人と環境を支える多様で豊
かな森林づくり
健全で多様な森林づくり
適正な森林管理の推進
持続可能な森林経営の推進
自然環境に配慮した河川づくりの推進
自然豊かな水辺の保全と創出
水域の生物の保全
自然環境に配慮した海岸づくりの推進
ため池・ダム貯水池の保全と適切な管理
自然とふれあう場や機会の確保
自然とのふれあいの場の確保
自然環境教育・学習の充実
自然ふれあい施設設置における自然環境への
配慮
自然とのふれあい活動における自然環境への
配慮
施策の基本方向
施策の展開内容
33
環境保全のために行動する人づくり
環境教育の推進
家庭、学校、地域、社会等における環境教育の
推進
環境教育に関する情報の提供
環境教育を担う人材の養成・確保
環境教育拠点の整備、機能充実
森林環境教育の推進
環境保全活動の推進
各主体が自発的に行う環境保全活動の支援
多様な主体が相互に協力して行う協働取組の推進
施策の基本方向
施策の展開内容
環境と調和した地域・社会づくり
環境にやさしい地域・産業づ
くり
魅力ある農山漁村等づくり
健全な水循環の確保
環境とともに歩む循環型農林水産業の推進
本県の地域特性を活かした体験・交流型観光の
推進
環境ビジネスの創出・育成
快適な生活空間の創出
うるおいとやすらぎある美しい景観・環境づく
り
本県の自然と一体となった歴史的・文化的資源の
保護・継承と活用
環境と調和した生活空間づくり
施策の展開内容
施策の基本方向
34
第1節 低炭素社会の構築
1-1
二酸化炭素等排出削減
(1)施策の方向
①家庭部門における排出削減対策の推進
○「みやざき県民の住みよい環境の保全等に関する条例(以下、
「条例」という。)」に基づき、二
酸化炭素等の温室効果ガス(以下、「温室効果ガス」という。)排出の現状及び削減目標につい
て周知するとともに、温室効果ガス排出削減のための取組事例やその効果などを県民に示すこ
とにより、効果的な普及啓発を図ります。
○環境みやざき推進協議会と連携して、日常的な省エネルギー活動について率先的に取り組むな
ど、温室効果ガス排出削減行動を実施します。
○九州各県が一体となり、家庭や地域での温室効果ガス排出削減のため、家庭での電気使用量削
減などの取組を促進します。
○宮崎県地球温暖化防止活動推進センターを中心として、環境保全NPO・団体や地球温暖化防
止活動推進員等と連携しながら、地域住民と協働した普及啓発を実施します。
②産業・業務部門における排出削減対策の推進
○条例に基づき、一定量以上の温室効果ガスを排出する事業者の計画的な温室効果ガス排出削減
対策の取組を促進します。
○事業者向けセミナーの開催等により、事業者の環境負荷低減への取組を促進するとともに、積
極的な取組を実施している事業者を表彰し、インセンティブを与え、より一層の取組を促進し
ます。
○宮崎県地球温暖化防止活動推進センターを中心として、環境保全NPO・団体や地球温暖化防
止活動推進員等と連携しながら、事業者の行う省エネルギー活動の取組を支援します。
○国の補助事業等を活用した、公共施設等への再生可能エネルギー設備の導入を支援します。
○県庁においては、
「宮崎県庁地球温暖化対策実行計画」及び「宮崎県グリーン購入基本方針」に
基づき、県有施設へのLED等の省エネ設備や、公用車のクリーンエネルギー自動車の導入を
図るとともに、省エネルギー・省資源の推進など、職員一人ひとりの取組による温室効果ガス
排出削減を徹底します。
○「地球温暖化対策の推進に関する法律」に基づく市町村の地方公共団体実行計画の着実な実行
を支援します。
35
③運輸部門における排出削減対策の推進
○条例に基づき、一定量以上の温室効果ガスを排出する事業者の計画的な排出削減対策の取組を
促進します。(再掲)
○条例に基づき、アイドリングストップなどの励行指導を行い、自動車使用に関する省エネルギー
の取組を促進します。
○充電インフラの整備促進や県民への啓発等により、電気自動車等の温室効果ガス排出量の少な
いクリーンエネルギー自動車の普及促進を図ります。
○地域高規格道路の整備など、渋滞緩和により環境の保全に寄与する道づくりを推進します。
○過度に自動車に頼る状態から転換するため、エコ通勤割引制度、ノーマイカーデー、バスレー
ンの適正化等により公共交通機関の利用を促進するとともに、集約型の都市構造の実現に向け
たまちづくりを推進します。
○交通管制センターや信号機の高度化、道路交通のIT化等により、道路の渋滞緩和を図ります。
○荷主企業や運送事業者等と連携しながら、モーダルシフトや物流の効率化に向けた取組を推進
します。
(2)各主体に求められる役割
県民・団体
○日常生活での省エネルギーやエコドライブの実践など、温室効果ガス排出量の少ないライ
フスタイルへの転換
○住宅の断熱化や家電製品買い換え時の省エネ性能の高い商品選択など、温室効果ガス排出
量の少ない設備や省エネルギー機器の導入
○環境家計簿の作成や省エネナビの設置による家庭からの温室効果ガス排出量の把握
○地球温暖化防止に関する講習会や、県民、団体、事業者、行政等の地域の各主体が実施す
る地球温暖化対策の活動への参加
○自動車から公共交通をはじめとする様々な交通への転換
事業者
○温室効果ガス排出量の把握に努めるとともに、環境マネジメントシステムによる事業活動
の改善や、省エネルギー機器の導入など、事業活動に伴う温室効果ガス排出量の削減
○建物の断熱化や空調の省エネルギー化など、温室効果ガス排出量の少ない設備の導入
○低公害車の導入や自動車の定期的な点検・管理の徹底、エコドライブの実践
○公共交通の運行サービスの向上
○貨物輸送における温室効果ガス排出量の少ない大量輸送機関の積極的な活用
36
市町村
○行政における事務・事業活動や公共事業に伴い排出される温室効果ガス排出量の削減
○高効率照明器具などの省エネルギー性能の高い機器・設備等の率先導入
○次世代自動車を含む低公害車の導入や自動車の定期的な点検・管理の徹底、エコドライブ
の実践
○住民や事業者の自主的な地球温暖化対策の実践活動の支援や、各主体が一体となった取組
の促進
○集約型の都市構造の実現に向けたまちづくりの推進
○国の補助事業等を活用した、公共施設の省エネ・グリーン化の推進
○自動車から様々な交通への転換を図る意識啓発の取組
(3)環境指標(数値目標)
目標値(H32年度)
現況値
環境指標項目
温室効果ガス総排出量
(CO2換算)
単位
目標値(H42年度)
H25年度
H25年度比
H25年度比
(H24年度)
(H24年度比)
(H24年度比)
千t-CO2 H28年度中算定
(11,217)
H28年度中算定
H28年度中算定
H28年度中算定
-26%
(9,971)
(-11%)
(8,413)
(-25%)
※温室効果ガス総排出量の実績値を評価する際には、森林吸収分を含むものとします。
37
1-2
再生可能エネルギー等の利用促進
(1)施策の方向
①低炭素社会の実現に資する再生可能エネルギーの導入促進
○景観や自然環境などに配慮するとともに、地域住民の十分な理解が得られるような再生可能エ
ネルギーの導入を図ります。
○再生可能エネルギーの導入に対する県民や事業者等の機運を醸成するため、積極的に普及啓発
を行うとともに、設置する際の相談受付や情報提供を行います。
○ゼロ・エネルギー・ハウスに係る国の動きも踏まえながら、住宅用太陽光発電等の導入促進に
係る仕組みづくりに取り組みます。
○災害時において防災拠点や避難施設等の機能を維持するため、太陽光発電等の公共施設への導
入を図ります。
○木質系バイオマスを活用する施設の適切な規模や配置等について、助言や情報提供等を行うと
ともに、ペレットやチップ等の安定的な供給を目指します。
○施設園芸における木質バイオマス等地域資源の利用システムの構築に取り組むとともに、鶏ふ
んボイラー施設を活用した畜産バイオマスの有効利用を図ります。
○県が独自に行う電気事業においては、未利用エネルギーの活用や河川における未開発地点の可
能性調査を行い、小水力発電の開発・導入に向けた取組を推進します。
○農業用水利施設等を活用した小水力発電については、技術支援やノウハウの提供等を行い、導
入を促進します。
○風力発電や地熱発電、太陽熱利用、地中熱利用については、情報提供等を行い、導入を促進し
ます。
②再生可能エネルギー等の利用拡大に向けた調査研究等の推進
○再生可能エネルギーを活用した特色ある地域づくりを行うため、導入可能性調査や実証実験等
を行う市町村を支援します。
○地域内で独自のエネルギーを確保することは、防災の面において重要な役割を担うことから、
地域等における再生可能エネルギーの共同利用システム等について情報提供等を行い、家庭や
事業者の団地等への導入を促進します。
○水素エネルギーの利活用について調査研究に取り組みます。
○再生可能エネルギー関連産業の育成や普及拡大、新事業の創出に向けた取組を促進します。
○「宮崎県地域産業集積・活性化基本計画」を踏まえながら、再生可能エネルギーに関連する製
造業の企業立地を促進します。
38
(2)各主体に求められる役割
県民・団体
○本県の特性である日照時間の長さを活かした太陽光発電や太陽熱利用等の再生可能エネ
ルギーの導入
○再生可能エネルギーの導入の意義、目的についての理解向上と行政等が実施する再生可能
エネルギーの普及啓発への協力
事業者
○本県の特性である日照時間の長さを活かした太陽光発電や太陽熱利用等の再生可能エネ
ルギーの導入
○バイオマスエネルギーの積極的な利用や、風力、小水力等の利用についての検討
市町村
○太陽光発電、太陽熱、バイオマスエネルギー、風力、小水力等の利用など、地域の特性を
踏まえた再生可能エネルギーの導入
○住民、事業者への情報提供、普及啓発等による再生可能エネルギーの導入促進
(3)環境指標(数値目標)
環境指標項目
単位
現況値
(H26年度)
784,943※1
kW
新エネルギー総出力電力
658,104
※2
目標値
(H32年度)
821,000※2
※1:バイオマス按分(バイオマス発電におけるバイオマス燃料使用量を推計)していない場合の数値。
※2:バイオマス按分した場合の数値。
39
1-3
二酸化炭素吸収源対策
(1)施策の方向
①森林資源循環システムの確立等の推進
○炭素を貯蔵し、他の材料に比べ加工に要するエネルギーが少なく、再生産が可能な木質資源の
利用を促進します。
○除間伐等、適正な森林整備を推進し、二酸化炭素吸収・固定機能の高い森林の造成を図ります。
○計画的な伐採と再造林による森林の若返りを進めるとともに、伐採量の平準化や主伐林齢の多
様化によりバランスのとれた齢級構成に誘導し、
「伐って、使って、すぐ植える」といった資源
循環型林業を確立します。
○森林の保安林への指定促進、保安林の適正な整備・保全に努めます。
○「森林地理情報システム」
(森林GIS)の活用等による森林資源情報の提供や普及指導活動等
による森林所有者の適正な森林整備・保全を促進します。
○公益的機能の高い森林の公有化や保安林整備事業の実施など、公的関与による森林の適正な整
備・保全に努めます。
○カーボン・オフセット制度を活用し、二酸化炭素の吸収及び削減効果に経済的価値を与えるこ
とによる森林整備の推進に努めるとともに、制度の情報提供等を行います。
(2)各主体に求められる役割
県民・団体
○二酸化炭素を吸収・固定し、地球温暖化防止に貢献している森林の役割についての知識向
上と、森林の整備・保全活動への自主的・積極的な参加
○森林所有者等による植栽や間伐などの適切な森林施業の実施
事業者
○二酸化炭素を吸収・固定し、地球温暖化防止に貢献している森林の役割についての知識向
上と、森林の整備・保全活動への自主的・積極的な参加
○効率的な間伐、下刈り等の実施や人材の育成
○カーボン・オフセット制度の活用など、温室効果ガス排出削減に寄与する取組の推進
市町村
○森林の保全や育成のための林業の振興
○森林所有者やボランティア等が行う森林整備の支援
○公益的機能の高い森林の公有化
(3)環境指標(数値目標)
環境指標項目
間伐実施面積
単位
現況値
目標値
(H26年度)
(H32年度)
4,793
ha
40
8,200
1-4
適応策の推進
県内の気候変動の影響の把握及び予測のために、関係機関と連携し、継続的な情報収集やモニ
タリング体制を整えるとともに、県民や市町村等に対する啓発を通じて、
「適応策」への理解の浸
透を図ります。
また、気候変動の影響は多岐にわたるため、庁内関係部局において情報の共有や連携を図り、
変化する影響を踏まえた順応的な適応策の見直しや新たな適応策の検討を行います。
(1)施策の方向
①防災面への影響に対する対応
○洪水・土砂災害ハザードマップの策定・見直し及び住民への周知を促進します。
○洪水、高潮などによる被害を未然に防止、軽減するため、河川・海岸などの施設整備を推進し
ます。
○ハード・ソフト対策の両面から、総合的な土砂災害対策を推進します。
○防災知識の普及及び防災意識の啓発に努め、自助・共助による防災・減災対策を推進します。
○避難場所、避難所、避難経路の確保及び住民への周知や避難訓練の実施等の取組を促進します。
②健康面への影響に対する対応
○熱中症の予防策、対処法等の情報発信や普及啓発を推進するとともに、クールビズやエアコン
の適正利用等、温暖化に適応したライフスタイルを推進します。
○関係機関と連携し、高齢者等のハイリスク者への声かけ、見守り活動を強化します。
○動物由来感染症に関する正しい知識や予防対策について、情報発信や普及啓発を行うとともに、
まん
感染症発生時における感染源探索や蔓延防止対策を実施します。
③生態系への影響に対する対応
○県内の生態系への影響の把握に努めます。
○希少野生生物の保護についての普及啓発を推進します。
④農林水産業をはじめとする産業への影響に対する対応
○宮崎県農水産業温暖化研究センターによる農水産業における気候変動の影響調査等を継続的に
実施します。
○高温耐性品種等の育成・普及、温暖化に対応した農作物栽培管理技術の開発・普及及び新奇病
害虫に対する防除技術の開発を進めます。
○暑熱ストレスを軽減する畜舎環境管理技術の開発と普及に努めます。
○気候変動による漁業への影響を把握するため、海洋環境や生態系の変化等の監視に努めるとと
もに、環境変化に適応した水産動植物に関する情報を把握し、これら資源の種苗生産・養殖技
41
術の開発・普及や増殖を推進します。
○気候変動による樹木への影響の把握や地球温暖化に対応したスギの育種に取り組むとともに、
気候変動がシイタケの発生に及ぼす影響の把握と病害虫対策の推進に努めます。
○風水害等からの復旧を行う中小企業者等を低利な融資制度により支援します。
(2)各主体に求められる役割
県民・団体
○食料や飲料水の備蓄、非常持出品の準備、避難所や避難経路の確認等の災害に対する備え
の実践
○こまめな水分・塩分補給、扇風機やエアコンの利用等による熱中症予防と高齢者、障がい
者(児)、小児等に対する見守りの実践
○蚊の幼虫が発生しないよう水たまりをなくすなど、自宅等での蚊の発生源対策や蚊が発生
しにくい環境づくりの推進
○緑のカーテン、クールビズ等、温暖化に適応したライフスタイルへの転換
事業者
○蚊媒介感染症に罹患する仕組みを理解し、蚊が発生しにくい環境づくりの実践
○耐暑性品種の利用及び栽培技術の改良促進
○畜舎等の気候変動に対応した環境管理の実践
市町村
○住民に対する「適応策」の啓発
○ハザードマップの策定及び住民への周知、災害時における住民の円滑かつ安全な避難の確
保
○気候変動に適応したライフスタイルの普及促進
○蚊などの発生抑制対策や感染予防策についての住民への啓発
○気候変動による生態系への影響把握
(3)環境指標(数値目標)
環境指標項目
単位
現況値
目標値
(H26年度)
(H32年度)
災害に対する備えをしている人の割合
%
41.9
100(H42)
適応策推進に関する計画等を策定する市町村の割合
%
0
100
42
第2節 循環型社会の形成
本計画では循環型社会の形成に関連する部分を「宮崎県循環型社会推進計画」と位置づけてい
ます。
(1)物質フローについて
循環型社会を構築するためには、私たちがどれだけの資源を投入し、産業活動等によって消
費、廃棄し、再びどれだけの資源を循環的に利用しているかを把握することが重要です。まず、
資源の循環を把握するための物質フローを以下のとおり示します。
①国の物質フロー
平成 27 年版環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書(平成 27 年 6 月 環境省。以下「環
境白書」という。)では、我が国全体の資源の流れを次の物質フローで示しています(図 4-1
参照)
。
資料:平成 27 年版環境白書
図 4-1 国の物質フロー(平成 24(2012)年度)
②本県の物質フロー
本県の平成 25(2013)年度における物質フロー(推計値)は次のとおりです(図 4-2 参照)
。
本県では、移輸入(最終製品(中間品含む))として 500 万トン、有機・無機性資源として投
入された 661 万トン、化石原燃料として投入された 342 万トンの合計 1,503 万トンが天然資源
等として投入されています。
これら天然資源等投入量に県外から移入された再生資源と県内で循環している再生資源を加
えた 1,956 万トンが本県の総物質投入量です。
43
投入された物質は、県内の産業活動や人々の生活において利用されており、そのうち 399 万
トンが製品等として県外や海外に移輸出され、491 万トンが土木構造物や建築物などとして県
内に備蓄され、330 万トンがエネルギーとして消費され、52 万トンが食料として消費されてい
ます。また、廃棄物等の発生量は 684 万トンで、そのうち 445 万トンが再生資源として循環利
用されています。加えて、他県からの再生資源が 8 万トン入っています。
(単位:万トン)
図 4-2 本県の物質フロー(推計値)(平成 25(2013)年度)
③物質フロー指標
第3次循環型社会形成推進基本計画(平成 25 年 5 月
環境省)では、適切な物質の循環を確
保するため、物質フローにおける3つの断面(資源の入口、出口、循環)を示す指標を設定し
ており、平成 24(2012)年度の実績値は次のとおりです(表 4-1 参照)。
表 4-1 物質フローに関する国と本県の指標
指標
国
24 年度実績
県
25 年度実績
資源生産性
循環利用率
最終処分量
約 38.0 万円/トン
約 15.3%
約 18 百万トン
約 23.2%
約 20 万トン
*
約 23.5 万円/トン
注)*は平成 24(2012)年度の県内総生産(名目)額から算出した。
本県の循環利用率は 23.2%と、平成 24(2012)年度の国の実績値約 15.3%と比べて高い水
準となっており、本県では全国と比較して高い割合で資源の再利用、再生利用が行われていま
す。
44
○資源生産性=県内総生産額(円)/天然資源投入量(トン)
産業活動や人々の生活において、資源をどの程度有効に利用しているかを総合的に
表す指標です。
○循環利用率={循環利用量+再生資源(移入超)}/{循環利用量+再生資源(移入
超)+天然資源等投入量}
経済社会に投入される資源のうち、どの程度循環利用(再使用・再生利用)された
資源が投入されているかを表す指標です。
○最終処分量
廃棄物の埋立量です。
(2)基本方針
循環型社会とは、「資源採取、生産、流通、消費、廃棄などの社会経済活動全段階を通じて、
廃棄物等の発生抑制や循環資源の利用などの取組により、新たに採取する資源をできるだけ少
なくした、環境への負荷をできる限り少なくする社会」(国の第2次基本計画)とされていま
す。
本県の循環型社会の形成に向けた基本方針等を次のとおり示します。
〔4Rの推進と地域性を活かした循環型社会の形成〕
循環型社会を形成するためには、県民一人ひとりや事業者、行政などが一体となり、毎日の
くらしや事業活動など社会経済活動全般において、環境意識を高めるとともに、廃棄物の発生
を抑制し、発生した廃棄物等を循環資源として最大限に利用し、適正な処理を行った後、最終
処分量を最小限にする4R(リフューズ、リデュース、リユース、リサイクル)を基調とした
取組を推進することが必要です。
特に、本県では、木材や家畜排せつ物をはじめとする農林水産業関連の循環資源の一層の再
生利用を促進するとともに、未だ再生利用の進んでいない、又は低利用の循環資源に着目し、
事業者や関係機関と連携して資源化に取り組むことで、環境への負荷をできるだけ少なくし、
地域性を活かした本県らしい循環システムを構築することを目指します。
〔環境にやさしい製品の利用促進〕
循環システムの構築には、循環資源を利用したリサイクル製品を普及させることが重要です。
リサイクル製品の技術開発を引き続き支援するとともに、その製品の需要を確保するなど、そ
の利用促進のための一層の施策展開を図ります。
45
2-1
4Rと廃棄物の適正処理の推進
(1)施策の方向
①循環型社会推進計画に基づく排出抑制等
○廃棄物処理計画を含む循環型社会推進計画に基づき、毎年度廃棄物の処理状況等を確認し、P
DCAサイクルによる目標達成のための継続的な改善を行います。
②4Rの推進と地域性を活かした循環型社会の形成
〔4Rの推進と普及啓発〕
○従来の使い捨てを前提とした消費社会から環境に配慮した暮らしや事業活動への転換を目的と
して、4R推進のための普及啓発を行います。
○4Rの推進を図るため、宮崎県4R推進協議会を構成する各種関係団体との連携を強化します。
○民間団体の4Rに関する研修やモデル事業などの自主的活動を支援するための制度の充実を図
り、県民主導による4Rの推進を図ります。
〔廃棄物の発生抑制・減量化の推進〕
○県民及び廃棄物の排出事業者や処理業者も対象とした意識啓発事業を実施し、循環型社会形成
のための理解を促進します。
○県民、事業者、行政が一体となったレジ袋や過剰包装の削減などリフューズ(ごみになるもの
を断る)に関する啓発を推進します。
○家庭や外食産業における食品ロスの削減などリデュース(ごみを減らす)の取組を推進します。
○壊れたものをすぐに捨てず、修理して再利用するリユース(くり返し使う)の取組を推進しま
す。
○市町村の一般廃棄物処理事業が円滑に実施されるよう、各市町村の処理状況や先進事例等を把
握し、必要な情報提供を行います。また、市町村職員等の研修機会の確保に取り組みます。
○第7期宮崎県分別収集促進計画に基づき、容器包装廃棄物の分別収集計画を計画的に促進して
いくよう、市町村に対して技術的支援を行います。
○家電リサイクル法、自動車リサイクル法などのリサイクル関連各法について適切な役割分担の
もと円滑に施行します。また、平成 25(2013)年度から施行された小型家電リサイクル法の推
進のため市町村の取組を支援します。
○産業廃棄物の排出抑制及び再生利用の促進その他適正な処理の推進を図るため、平成 17(2005)
年度から導入した産業廃棄物税の適切な運用を行います。
○多量排出事業者に対し、廃棄物の再資源化をはじめ、処理方法の見直し等を勧めることで、排
出量削減を推進します。
○エコアクション21の認証取得など排出事業者が継続的・自主的な環境管理を行う環境マネジ
メントシステムの導入を推進します。
46
〔地域資源の有効活用の促進〕
○市町村に対する情報提供等を通じて、自治会やPTA等が実施する集団回収や、スーパー等で
行う店頭回収を推進します。
○食品製造業者などの事業所から排出される食品残さを飼肥料化して地域の農業での活用等を促
進します。
○林地残材等の未利用木質バイオマスを有効に活用するため、発電等のエネルギー利用や畜産敷
料等のマテリアル利用を推進します。
○堆肥の利用・流通促進、耕種農家のニーズに即した品質の開発支援や、家畜ふん尿等のエネル
ギー利用を推進します。
○し尿や浄化槽汚泥を生ごみなどの有機性廃棄物と併せて処理することで堆肥化等を促進し、で
きる限り資源化を図ります。
○農林水産業の盛んな本県の特性を活かし、家畜ふん尿や未利用木質資源等を地域で有効利用す
るためのシステムづくりやリサイクル施設の整備を推進します。
○公共工事で発生する建設発生土の有効利用の促進、再資源化施設や建設リサイクルに関する新
技術の情報提供を行うほか、民間の建設工事におけるリサイクル意識の啓発を図ります。
○県内の廃棄物等の効率的な循環を実現するため、その実態把握に努め、他の地域のモデルとな
るような優良事例をホームページなどで情報提供します。
○産業廃棄物のリサイクル施設を設置する県内の排出事業者または産業廃棄物処理業者に対し、
その経費の一部を補助し、資源の循環的利用を推進します。
○県内の大学や民間企業・団体等と連携し、廃棄物の焼却残さの有効活用技術など各種リサイク
ル技術や排出抑制に関する研究開発に取り組むとともに、事業者等への技術移転による環境産
業(リサイクルビジネス)の振興を図ります。
③廃棄物の適正処理の推進
〔廃棄物処理の適正化〕
○廃棄物の不適正処理を防止するため、廃棄物監視員や県警出向者を保健所等に配置し、全県的
に厳正な監視活動を実施します。
○廃棄物処理業者や処理施設等への立入検査を強化し、保管基準、処理基準及び維持管理基準に
沿った適正処理を指導するとともに、悪質な不適正処理に対しては行政処分により厳正に対処
します。
○排出事業者や処理業者に対しては、定期的な講習会や企業訪問、各種広報による啓発活動を通
じ、廃棄物の適正処理を推進するために必要な法令等の周知徹底を図ります。
○国及び県で策定している「ポリ塩化ビフェニル(PCB)廃棄物処理基本計画」に基づき、適
正かつ円滑な処理を推進するとともに、中小企業者の処理費用を軽減するための「PCB廃棄
物処理基金」に対して補助を行います。
○感染性廃棄物や廃石綿(アスベスト)などの特別管理廃棄物については、排出事業者に対する
47
講習会を通じ、分別や保管基準の周知徹底を図るとともに、処理業者が適正な処理を行うよう
監視指導を徹底します。
○公益財団法人宮崎県環境整備公社が運営する廃棄物処理施設「エコクリーンプラザみやざき」
において、産業廃棄物の適正処理を推進するとともに、県民に対して廃棄物の排出抑制やリサ
イクルに関する環境教育・情報提供を行います。
○大規模な産業廃棄物の不適正処理の多くは、県外からの産業廃棄物をリサイクル名目に搬入す
ることで行われており、万一、本県においてもこのような事態が起きた場合、原状回復に多大
な負担を要することになります。このため、県外から搬入される廃棄物については、引き続き
原則として搬入を認めないこととし、特例として認める場合は、事前協議を厳正に運用するこ
とにより、県内における適正処理体制の確保に努めます。
○今後新たな産業廃棄物最終処分場が設置された場合には、経営を維持していくために事前協議
を無視した県外からの産業廃棄物の無秩序な搬入、過当競争による処分料金の競争激化、最終
処分業者の経営難・倒産、さらには倒産後不適正処理された産業廃棄物処分の行政代執行等多
くの問題が懸念されます。このため、産業廃棄物の適正処理の確保と健全な最終処分業者育成
の観点から、当面新たな最終処分場の設置は抑制していきます。
○ごみ処理の効率化、適正化のために市町村等が整備する広域的な廃棄物処理施設について、交
付金等の円滑な活用による施設整備を促し、
「宮崎県ごみ処理広域化計画」の推進を図ります。
○一般廃棄物処理施設の効率的な維持管理、長寿命化のため、市町村等に対して施設の保全計画、
延命化計画の作成に必要な情報提供、技術的な助言に取り組みます。
○海岸漂着物処理推進法に基づき、海岸管理者、市町村、関係団体、県民と連携し、海岸漂着物
の円滑な処理に向けた対策を推進します。
〔不法投棄等の防止〕
○不法投棄等を未然に防止するため、県警出向者や廃棄物監視員等による監視パトロールやヘリ
を活用したスカイパトロールを強化します。
○県内全域で活動を行う各種協力団体と構築している監視・通報体制を効果的に活用し、得られ
た情報に基づき、不法投棄等の早期発見を図ります。
○廃棄物の不法投棄等については、行為者に対して早期の原状回復を指導するとともに、悪質な
事案については、警察等と連携して厳正に対処します。
○県民や事業者を対象とした不法投棄防止啓発キャンペーンや各種広報活動等を通じて、廃棄物
の不法投棄等の防止に取り組みます。
〔災害廃棄物の処理〕
○市町村が策定する災害廃棄物処理計画をより実効性のあるものとするための技術的な支援や、
災害廃棄物処理に係る市町村間の相互連携に向けた調整等を行うことにより、市町村における
災害廃棄物処理体制の強化を図ります。
48
○大規模災害によって大量の災害廃棄物が広域で発生し、単独市町村レベルでの処理が困難と
なった場合でも円滑な処理がなされるよう、行政機関や廃棄物関係団体など民間団体との協力
体制の維持・確保に積極的に取り組むとともに、県版の災害廃棄物処理計画を策定し、県下全
域にわたる災害廃棄物処理体制を整備します。
(2)各主体に期待される役割
県民・団体
○買い物袋(マイバッグ)の持参によるレジ袋の削減や、簡易包装への協力
○ごみの分別徹底や環境に配慮した製品の購入による資源の再使用・再生利用
○食品の食べ残しや直接廃棄の削減による生ごみの減量化
○ごみの散乱や不法投棄のない地域社会作りの推進
○ごみの適正処理や環境に係る学習会等の開催・参加
○各種リサイクル法に基づいた廃棄物の処理の遵守
事業者
【排出事業者】
○ごみ減量化の推進と排出者責任の徹底
○自ら排出する廃棄物の適正な循環的利用の推進
○廃棄物が少なく、リサイクルしやすい製品や環境にやさしい製品の開発、提供及び利用
○簡易包装の実施やレジ袋の削減、再使用可能な容器への見直し
○耐久性に優れた商品の製造、販売の推進
【処理業者】
○適正処理の実施と信頼性の確保
○処理施設の安定的確保と維持管理の徹底
○処理体制の整備
○廃棄物の減量や再生利用の促進
○長期的視点に立った計画的な事業経営及び経営基盤の強化
市町村
○一般廃棄物処理計画の策定によるごみの減量化や再生利用の推進、地域住民に対する分別
方法の周知等による一般廃棄物の適正処理、適正な循環的利用の推進
○一般廃棄物の安定的な処理体制の確保
○分別回収したごみの再資源化の流れやごみ処理費用等、住民から協力を得るための必要な
情報の提供
○ごみ処理施設等の見学会や4R講座の開催等による4Rの定着・実践
○増加傾向にある事業系ごみの減量化
○消費者に対する買い物袋(マイバッグ)の利用によるレジ袋削減、簡易包装の呼び掛け及
49
び事業者に対するレジ袋削減や販売方法見直しの働きかけ
○生ごみなどの廃棄物系バイオマスの地域の特性に応じた利活用の推進
○小型家電リサイクルに向けた取組の推進
(3)環境指標(数値目標)
現況値
目標値
(H25年度)
(H32年度)
㌘/人・日
969
930
一般廃棄物の再生利用率
%
19.0
25.0
一般廃棄物の最終処分率
%
12.6
11.0
産業廃棄物(家畜ふん尿を含む)の再生利用率
%
66.1
67.0
最終処分率
%
2.5
2.2
産業廃棄物(家畜ふん尿を除く)の再生利用率
%
44.5
45.0
環境指標項目
単位
1人1日当たりの一般廃棄物の排出量
〃
50
2-2
環境にやさしい製品の利用促進
(1)施策の方向
①積極的な木材利用の推進
○木材の良さや木材利用による環境保全効果に関する情報提供、消費拡大に向けた PR 等の取組な
ど、官民一体の県産材利用促進の普及啓発を推進します。
○優しい環境づくりに適切であるとともに、環境に配慮した身近な木製品を用いた県民に対する
啓発活動を推進します。
○子どもたちの県産材への親しみと理解・愛着を育むため、学校で児童・生徒が使用する机・椅
子に県産スギを利用した製品の導入を推進するとともに、木材利用の意義等について解説した
教師・指導者向けマニュアルの利用を促進します。
②県内の公共事業における木造化・木質化の推進
○公共土木事業において積極的な木材利用に努めていますが、今後とも継続的な取組を図ります。
○公共事業に関し、
「県産材利用推進に関する基本方針」における明確な判断基準等に基づき木材
利用を推進します。
○県有施設の木造化や内装の木質化を図るとともに、市町村等が整備するモデル的な木造公共施
設等への支援を行うなどの県産材の利用を促進します。
○利用工法や製品の開発、維持管理マニュアルの作成など、公共土木事業への県産材利用の促進
に向けた調査研究を推進します。
③間伐材利用の推進
○間伐の促進を図るため、間伐材の利用を推進する工種・工法の研究・開発を行い、公共事業に
おける間伐材利用を推進します。
○間伐材利用製品など環境にやさしい製品の利用を促進します。
④グリーン購入の推進
○「宮崎県グリーン購入基本方針」に基づき、県自ら環境への負担の少ない製品やサービスの優
先的な購入を推進します。
○「グリーン購入基本方針」の策定がなされていない市町村に対する研修会を実施して情報提供
を行うなどの支援を行います。
⑤環境にやさしい製品やサービスの需要拡大に対する支援
○廃棄物を原材料とするリサイクル製品の認定制度の普及拡大とリサイクル製品の利用促進を図
るため、制度を実施する(社)宮崎県産業廃棄物協会に対して、その経費を補助するとともに、
県ホームページの活用等により広く県民、事業者等に周知を行います。
51
(2)各主体に期待される役割
県民・団体
○住宅建築の際、地域の気候・風土・慣習などを考慮し、環境への負荷を低減した木材を利
用する環境配慮型住宅を選択するなど、木のある暮らしの実現
○木材を利用した公共施設等の有効活用や、木材への関心の向上、木材の利用を通じた森林
づくりの重要性の認識
○地域の「木育」活動に積極的に参加し、里山や木の大切さを学ぶことによる、木のある暮
らしの実現と健全な森林づくりへの協力
○より信頼できる製品の供給を求め、県内企業等の技術力向上への協力
○廃木材・チップを用いたリサイクル・リサイクル製品の利用
○環境にやさしい製品やサービスの積極的な利用
事業者
○環境にやさしい製品やサービスの提供、環境にやさしい製品の利用
【木材を利用する企業等】
○消費者の県産材利用を支援するため、県産材を利用した環境配慮型商品の開発・製品カタ
ログの作成・品揃えなど消費者の利便性の向上
○木造住宅建設における、グリーン購入法に基づく合法性、持続可能性が確保された木材の
利用
○公共施設等の建設における、木材利用に関する技術等の習得、必要に応じた積極的な利用
の提案
【木材を供給する企業等】
○廃木材・チップを利用した取組事例発表会の開催、消費者に対するリサイクルやリサイク
ル製品のPR活動
○木材の強度的性質や耐久性能等の向上に向けた技術向上、その成果等を着実に地域産業へ
と結びつけることによる木材製品の規格・品質の向上
52
市町村
○「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」に基づく各市町村の方針による県
産材の積極的な利用
○県産材を一般消費者に普及させるための供給体制の整備、一般消費者に対するグリーン購入
法(合法性、持続可能性の証明)に関する普及啓発、消費者への木材利用に対する理解の向
上
○グリーン購入調達方針に基づく、公共事業の資材として間伐材の優先的利用
○間伐材を利用した新たな用途開発を行う事業者の支援、間伐材を利用した工事用標示板・仮
設資材・木製バリケードの検討
○名札、テーブル、椅子、案内板の設置等、庁用物品等の調達における環境配慮型製品の利用
○間伐材パルプを含んだ紙製品の導入
○廃木材・チップを用いたリサイクルやリサイクル製品の積極的な情報発信
○庁内や公共事業における環境にやさしい製品やサービスの利用、消費者への普及・啓発
(3)環境指標(数値目標)
環境指標項目
グリーン購入実施率(県庁)
リサイクル製品認定数
現況値
目標値
(H26年度)
(H32年度)
%
95.0(H25)
100
品目
61
100
単位
53
第3節 地球環境、大気・水環境等の保全
3-1
地球環境、大気環境の保全
(1)施策の方向
①大気汚染防止対策の推進
〇常時監視や大気環境測定車による移動監視等、大気汚染の監視体制を充実します。
〇テレメータシステムにより大気汚染の状況をホームページで情報提供します。
〇大気汚染物質の排出源となるばい煙発生施設及び一般粉じん発生施設に対して立入検査による
指導を行います。
〇路線バスなどの公共交通機関の利用やエコドライブ等の実践等の啓発を通じて、自動車交通に
よる大気汚染の防止に努めます。
②有害大気汚染物質等の対策の推進
〇光化学オキシダントや微小粒子状物質(PM2.5)の原因物質である揮発性有機化合物を監
視するとともに、排出事業者に対して立入検査による指導を行います。
〇人の健康に有害な影響をもたらすおそれのあるベンゼン等の有害大気汚染物質を監視するとと
もに、排出事業者に対して立入検査による指導を行います。
③騒音・振動・悪臭対策の推進
○自動車交通騒音及び航空機騒音の継続的な監視を行います。
○騒音の環境基準の地域類型指定や土地利用状況の変化等に応じた騒音等の規制区域等の見直し
を行います。
④地球環境の保全
○「フロン排出抑制法」及び「自動車リサイクル法」に基づく第一種フロン類充塡回収業者等に
対して指導や立入検査を実施し、フロン類の回収、破壊等の徹底を図ります。
○業務用のエアコン及び冷蔵・冷凍機器の使用時におけるフロン類漏えいを抑制するため、事業
場等に対して立入検査による指導を実施し、機器の適正な管理の徹底を図ります。
○グリーン購入の取組などを通じてノンフロン製品の普及を推進します。
○酸性雨のモニタリングを継続的に実施します。
54
(2)各主体に求められる役割
県民・団体
○公共交通機関の利用促進や低公害車の購入、アイドリングストップなどエコドライブの実
践による自動車からの排出ガスの抑制
○日常生活における騒音・振動・悪臭の発生防止
○フロン類を含まない機器・製品の使用
○家電リサイクル法等に基づく使用済のエアコン、冷蔵・冷凍機器、自動車等の適正処理
事業者
○ばい煙等の大気汚染物質の削減や、工場・事業場からの騒音・振動・悪臭防止のための管
理の徹底
○低公害車の導入やアイドリングストップなどエコドライブの実践による、自動車からの排
出ガスの抑制
○建築物の解体工事等の際のアスベストの飛散防止
○業務用のエアコン及び冷蔵・冷凍機器のフロン類漏えい抑制のための適正管理
○フロン類を使用しない機器・製品の使用
○フロン排出抑制法等に基づく使用済のエアコン、冷蔵・冷凍機器、自動車等の適正処理
市町村
○公共事業の実施に伴う大気汚染や騒音・振動・悪臭対策
○低公害車の導入やアイドリングストップなどエコドライブの実践による、自動車からの排
出ガスの抑制
○低騒音舗装や沿道における緩衝緑地、緩衝工作物など騒音防止設備の整備
○騒音・振動・悪臭の発生源となる工場等に対する指導等の実施
○オゾン層保護に関する普及啓発
○業務用のエアコン及び冷蔵・冷凍機器のフロン類漏えい抑制のための適正管理
○フロン類を使用しない機器・製品の率先使用
○フロン排出抑制法等に基づく使用済のエアコン、冷蔵・冷凍機器、自動車等の適正処理
55
(3)環境指標(数値目標)
環境指標項目
単位
現況値
目標値
全国
(H26年度)
(H32年度)
(H25年度)
大気環境基準達成率
二酸化硫黄(SO2)
%
89.5
100
99.7
二酸化窒素(NO2)
%
100
100
99.8
光化学オキシダント(Ox)
%
13.3
100
0.3
浮遊粒子状物質(SPM)
%
100
100
96.7
微小粒子状物質(PM2.5)
%
62.5
100
15.3
一酸化炭素(CO)
%
100
100
100
3-2
水環境の保全
(1)施策の方向
①水質汚濁防止対策の推進
○良好な水質を保全するため、河川や海域等の公共用水域や地下水の水質測定を実施します。ま
た、測定項目や測定地点を随時見直すなど、監視体制の充実を図ります。
○河川や海域等の公共用水域における水質汚濁、利水の状況及び水生生物の生息状況の適応性に
応じて、水域ごとに適用される類型指定の見直しを行うなど、適切かつより良好な水質環境の
保全に努めます。
○水質汚濁物質の排出源となる工場や事業場(畜産業を含む)に対して立入検査による指導を行
います。
○水質の監視結果をホームページに掲載するなど、水環境に関する情報提供を行います。
②生活排水対策の推進
○「第2次宮崎県生活排水対策総合基本計画(2次改訂計画)」に基づき、市町村との連携による
地域の特性に応じた公共下水道、農(漁)業集落排水施設、合併処理浄化槽等の生活排水処理
施設の整備及び適切な維持管理など総合的・計画的な生活排水対策を推進します。
○生活排水対策を効果的に進めるため、浄化槽の整備に関しては、単独処理浄化槽等から合併処
理浄化槽への転換を促進します。
○市町村が設置主体となって合併処理浄化槽を計画的に整備し、維持管理を行う浄化槽市町村整
備推進事業の導入を促進します。
○浄化槽設置者講習会等の開催や法定検査未受検者に対する受検啓発、
「浄化槽適正管理推進月間」
を中心とした関係機関の連携による適正管理啓発活動等の取組により、浄化槽の適正な維持管
理を推進します。
56
○家庭でできる生活排水対策の実践を促進するため、県民への情報提供等による県民意識の向上
を図ります。
③河川浄化等の県民活動の推進
○宮崎県独自の水辺環境指標を使った河川環境の評価により、県民が身近な川への理解を深める
ことで、さらに美しい川づくりの取組を推進します。
○「大淀川サミット」などの流域単位の取組やNPO、ボランティア団体等の河川浄化活動の支
援、県民に対する河川浄化等の意識啓発に努めます。
④都城盆地硝酸性窒素削減対策の推進
○「都城盆地硝酸性窒素削減対策基本計画」に基づき、家畜排せつ物の適正処理、農地における
適正施肥、生活排水対策など、総合的かつ計画的な硝酸性窒素削減対策を推進します。
⑤一ツ瀬川及び小丸川の濁水軽減等対策の推進
○適切な間伐の実施など、健全な森林の整備・保全に努めるとともに、一ツ瀬川及び小丸川流域
における「環境保全の森林(もり)整備事業」に取り組むなど、濁水の長期化の抑止に努めま
す。
○電気事業者に対して、濁水を早期排除するダム貯水池の運用や新たな放流設備の設置・運用な
ど、より効果的な濁水軽減対策に関する指導・助言を行います。
⑥土壌汚染対策の推進
○土壌汚染対策法に基づき、一定規模以上の土地の形質の変更届出、汚染土壌状況調査の実施、
汚染の除去等の措置及び汚染土壌の適正処理等の適切な実施を指導・推進し、土壌汚染による
健康被害の防止に努めます。
⑦水系別の総合的な水環境保全のための連携
○下流域に比べ水質が悪い状況が続いている大淀川上流域において、水質汚濁原因等について詳
細な調査を実施し、その結果に基づき、原因者に対する指導を強化していくなど、効果的な対
策を実施します。
○国が進める「清流ルネッサンスⅡ」と連携して、関係機関が一体となって大淀川上流域の河川
浄化対策を一層推進します。
57
(2)各主体に求められる役割
県民・団体
○生活排水による水質汚濁の現状を理解し、下水道への繋ぎこみや、合併処理浄化槽の設置・
適正管理を行うなど、家庭から出る生活排水の浄化
○身近な河川の浄化活動や森林保全活動など、良好な河川・森林環境づくりへの積極的な参
加
事業者
○工場・事業場(畜産業を含む)における排水処理設備の整備や適正管理など、事業活動に
伴う排水の浄化
○節水や雨水の利用などによる水資源の有効活用
○身近な河川の浄化活動や森林保全活動など、良好な河川・森林環境づくりへの積極的な参
加
○農業における適正な施肥や農薬の使用、家畜排せつ物の適正処理などによる硝酸性窒素の
削減
○適正な森林施業やダム貯水池運用などによる濁水長期化の軽減
市町村
○公共事業の実施に伴う水質汚濁や土壌汚染の対策
○関係機関・団体と連携した河川、海域、地下水等の水質保全
○公共下水道、農(漁)業集落排水施設、合併処理浄化槽等の生活排水処理施設の整備や住
民などへの生活排水対策の普及啓発
○農薬や化学肥料の使用低減を図る環境にやさしい農業の推進
○住民との水辺環境調査の実施などによる、美しい川づくりの推進
(3)環境指標(数値目標)
環境指標項目
現況値
目標値
全国
(H26年度)
(H32年度)
(H25年度)
単位
生活排水処理率
%
76.1
83.0
83.7
公共下水道
%
50.3
56.0
71.6
合併処理浄化槽
%
22.0
23.2
9.6
農(漁)業集落排水施設
%
3.8
3.8
2.4
%
52.2
75
36.3
浄化槽法定検査実施率
11条検査(年に1回の定期検査)
58
3-3
化学物質対策
(1)施策の方向
①化学物質の環境調査の継続的実施
○ダイオキシン類等について継続して環境調査を行うなど、化学物質の継続的な実態把握に努め
ます。
②事業者の監視・指導体制の強化
○「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律(PRTR法)」
に基づき、特定化学物質の排出等の状況を把握し、事業者の化学物質対策について監視・指導
を行います。
③化学物質に関する情報の把握と情報交換(リスクコミュニケーション)の推進
○化学物質の製造・使用・廃棄等の実態や環境及び人の健康への影響などの情報を把握するとと
もに、環境リスクの低減に向けて、化学物質の正しい理解に基づいた適切な対策が図られるよ
うな情報交換(リスクコミュニケーション)を推進します。
(2)各主体に求められる役割
県民・団体
○廃棄物の適正処理によるダイオキシン類等の発生抑制
○化学物質に関する説明会や意見交換会への参加など、化学物質の性質や人の健康や環境に
及ぼす影響等に関する正しい理解の習得
事業者
○化学物質の適正な処理や排出防止対策の実践など、化学物質の適正管理
○廃棄物処理施設等の適切な維持管理など、ダイオキシン類等の発生抑制
○事業活動で使用する化学物質の情報公開や、地域住民・行政など地域が一体となった化学
物質に関する情報交換(リスクコミュニケーション)の推進
市町村
○廃棄物処理施設等の適切な維持管理など、ダイオキシン類等の発生抑制
○事業者への説明会や意見交換会の開催を要請するなど、住民、団体、事業者、行政等が連
携した化学物質に関する情報交換(リスクコミュニケーション)の推進
59
(3)環境指標(数値目標)
環境指標項目
単位
現況値
目標値
全国
(H26年度)
(H32年度)
(H25年度)
ダイオキシン類に係る環境基準の達成率
3-4
大気
%
100
100
100
公共用水域水質
%
100
100
98.2
公共用水域底質
%
100
100
99.6
地下水
%
100
100
99.5
土壌
%
100
100
100
環境負荷の低減等
(1)施策の方向
①環境影響評価
○環境を取り巻く動向に配慮しながら「環境影響評価制度」を適切に運用し、開発事業等による
環境への影響の回避・低減を図ります。
○本県が実施する公共事業(土木工事、建築工事)については、「環境影響評価法」や「宮崎県
環境影響評価条例」の対象外の事案についても、以下のような「環境配慮事項」に基づき、環
境への影響ができる限り回避・低減されるよう、適切な対策を実施します。
■環境配慮事項の対象となる公共事業
区分
土木工事
内容
道路整備事業、港湾・漁港整備事業、土地区画整理事業、工業団地造成事業、
住宅団地整備事業、河川・ダム整備事業、砂防工事事業、ほ場整備事業、公園整
備事業
建築工事
公共建設物・施設整備事業、水道施設整備事業、下水処理施設整備事業、廃棄物
処理施設整備事業
60
■環境配慮項目とその内容
環境配慮項目
内容
大気汚染
大気汚染防止・大気浄化への配慮
水質汚濁
水質汚濁防止・水質浄化への配慮
土壌地下水汚染
土壌地下水汚染の防止・改善効果、地下水涵養効果への配慮
騒音
騒音防止・防音効果への配慮
振動
振動防止・防振効果への配慮
悪臭
悪臭防止効果への配慮
生態系への影響
動植物、地形・地質等の保全、保護効果への配慮
廃棄物の排出
廃棄物の削減効果
資源の枯渇
省資源効果
地球温暖化
燃料、電気等の省エネ効果、代替フロンの回収・分解
酸性雨
窒素酸化物、硫黄酸化物等の削減効果
オゾン層の破壊
フロンの回収、分解
かん
②公害健康被害対策
○公害は、健康被害や環境破壊など地域に甚大な影響を及ぼすものであるため、その未然防止に
万全を期していきます。
○高千穂町土呂久地区の公害健康被害者の救済と住民の健康保持を図るため、
「公害健康被害の補
償等に関する法律」の適切な運用と保健指導を行います。
○土呂久地区は、国内でも数少ない砒素による公害健康被害地域であり、同種公害の未然防止に
資するため、研究成果や記録を次世代に継承していきます。
61
第4節 生物多様性の保全
4-1
生物多様性の確保
(1)施策の方向
①野生生物の適切な保護管理
○野生鳥獣による農林水産業被害の軽減対策に取り組み、人と野生鳥獣との共生を目指します。
○地域の生態系や在来種に悪影響を与える可能性のある外来種や国内移入種については、防除や
生息・生育域の拡大防止等に努めます。
○道路等の工事に際しては、
「我が国の生態系等に被害を及ぼすおそれのある外来種リスト」に記
載されているシナダレスズメガヤ、オニウシノケグサ、ネズミムギ、カモガヤ等による緑化は
可能な限り抑制し、別の方法を検討します。また、道路、河川等の維持管理に際しては、オオ
キンケイギクなどの特定外来生物の適切な処理に努めます。
○指定希少野生動植物種保護のため、指定種の生息・生育状況調査を行い、その結果に基づいた
適切な保護対策を推進します。
○希少な野生植物を保護するため、これらを食害するシカについて個体数調整を行うとともに、
必要に応じて、シカ食害防護ネット等の設置を行います。
②重要地域の保全
○自然公園、自然環境保全地域等保護地域における生物多様性確保のための取組の強化に努めま
す。
○日豊海岸国定公園などの海域公園に生息するサンゴ群集などの保全対策に向けた取組の強化に
努めます。
○生物圏保存地域(ユネスコエコパーク)やジオパークなどの取組を支援し、生態系の保全に向
けた県民意識の醸成や地域活動の推進を図ります。
○必要に応じて、自然公園、自然環境保全地域等保護地域の公園計画等の見直しを検討します。
③県土の区分に応じた生物多様性の保全
○草地の草刈りや野焼き、水田の維持、ため池の保全・管理、二次林の保全など、里地里山の保
全と適切な管理に努めます。
○竹林の拡大防止に努めます。
④生物多様性の主流化の推進
○本県の生物多様性の保全と持続可能な利用の取組を推進していくため、
「みやざき自然との共生
プラン(生物多様性みやざき戦略)
」に基づく取組とその主流化を推進します。
62
(2)各主体に求められる役割
県民・団体
○地域が一体となった、野生鳥獣被害防止対策の実施
○外来種及び国内移入種問題を正しく認識し、ペット(外来種等)の野外への放出、外来魚
の違法放流、国内の他地域から持ち込んだ野生動植物の放出を行わないなど、地域に固有
の野生動植物の保護
○自然公園等における規制を遵守するとともに、希少な野生動植物の採取、持ち帰りや違法
な売買を行わないなど、野生動植物の保護
○重要生息地等における地域の保護活動への積極的な参加
事業者
○事業実施の際における、野生動植物の生息・生育環境への配慮
○野生動植物の違法な売買を行わない
○地域で取り組む野生動植物の保全活動への積極的な協力
市町村
○効果的な野生鳥獣被害防止対策の推進
○有害鳥獣捕獲による野生鳥獣の適正管理の促進
○住民、団体、事業者と連携し、必要に応じて野生動植物の生息・生育状況等の調査を実施
○公共事業実施時の、野生動植物の生息・生育環境の保全
○外来種及び国内移入種問題についての広報・啓発
○状況や必要に応じた生物多様性地域戦略の策定
(3)環境指標(数値目標)
環境指標項目
重要生息地
シカ推定生息数
現況値
目標値
(H26 年度)
(H32 年度)
箇所
8
14
頭
125,000(H25)
77,000
単位
63
4-2
人と環境を支える多様で豊かな森林づくり
(1)施策の方向
①健全で多様な森林づくり
○希少動植物が生息する原生的な森林生態系や水辺域等における森林の整備・保全を図るととも
に、郷土樹種の植栽、天然更新の促進等により自然度の高い森林への誘導に努めるなど、健全
で多様な森林づくりを推進します。
○身近な自然とのふれあいの場であり、生活環境保全等の機能を有する里山林や海岸林等の身近
な森林の整備・保全を推進します。
○森林環境税を活用し、ボランティア団体等による県民参加の森林づくりを推進するとともに、
広葉樹の植栽や針広混交林に誘導するための間伐等森林の公益的機能を重視した整備を推進し
ます。
②適正な森林管理の推進
かん
○国土の保全、地球温暖化の防止、水源涵養、生物多様性の保全、木材の供給等、多面的機能発
揮のため、森林の機能に応じてゾーニング(区分)を行い、適正な管理を推進します。
○施業の受委託の促進や公益的機能の高い森林の公的な関与による管理など、森林の適正な管理
を推進するための取組を広めます。
○森林の多面的機能発揮のための整備を通じて産出される木材について、製材・加工施設の大規
模化、材木の高品質化、安定供給体制づくり等により、県内の木材市場を活性化し、森林資源
の循環利用を促進します。
③持続可能な森林経営の推進
○FSC、SGEC等による認証森林の拡大を通じて、持続可能な森林経営を推進します。
○認証森林から産出され、認証された製品の価値についての消費者への普及啓発により、認証製
品の高付加価値化を推進します。
64
(2)各主体に求められる役割
県民・団体
○森林所有者等による植栽や間伐などの適切な森林施業の実施(再掲)
○県民や企業、NPO等の積極的な参加・協力による県民参加の森林づくりの実践
○県産材の利用、認証森林に由来する認証製品の購入など、森林の多面的機能発揮のために
役立つ消費の実践
事業者
○長伐期施業や複層林施業の導入、適地適木による更新、適切な間伐の実施など、森林の有
する多面的機能の持続的発揮
○森林の管理、伐採等の施業における環境の保全や森林認証の取得
○開発事業における森林環境の保全
市町村
○適地適木による森林の更新や、適切な間伐の推進
○長伐期施業や複層林施業への誘導、林内路網整備や高性能林業機械の普及促進による施業
の低コスト化、後継者となる人材育成の推進
○公共事業の実施における森林環境の保全
○照葉樹林等天然林の保全と復元
○認証森林に由来する認証製品の購入並びに普及啓発
(3)環境指標(数値目標)
単位
現況値
(H26 年度)
目標値
(H32 年度)
間伐実施面積(再掲)
ha
4,793
8,200
森林ボランティア延参加者数
人
27,653
33,000
環境指標項目
65
4-3
自然豊かな水辺の保全と創出
(1)施策の方向
①自然環境に配慮した河川づくりの推進
○河川の整備に際しては、河川が有する自然の復元力を活用し、河川の自然の営みと治水対策の
調和を図る多自然川づくりを進めるとともに、そこに生息・生育している生物に十分配慮しま
す。
○堰など河川横断構造物を設置または改修する場合は、生物の移動に配慮した河川づくりに努め
ます。
○河川整備に際しては、濁水防止を行うなど水質保全に努めます。
○河川に生息・生育する生物は河川に特有な自然環境に依存していることを考慮し、各河川に特
徴的な自然環境の保全・再生に努めます。
②水域の生物の保全
○種苗放流に際しては、生態系や遺伝的多様性に配慮します。
○在来種の生息に悪影響を及ぼす外来魚やカワウなどの被害状況等の把握及び効果的な駆除や、
必要に応じた魚道改良など関係団体が行う在来種の生息に配慮した取組を支援します。
○干潟の耕耘や藻場造成など藻場干潟の保全と適切な管理の取組を支援します。
○サンゴ群集を保護するため、天敵であるヒメシロレイシガイダマシ類の駆除を推進します。
③自然環境に配慮した海岸づくりの推進
○人工的な護岸整備が行われていない自然海岸や海浜の保全を図るとともに、残された自然環境
の保全に努めます。
○海岸の整備に際しては、そこに生息・生育しているアカウミガメなどの生物に十分配慮します。
○海岸侵食防止と砂浜の回復のため、問題の抜本的な解決のための工法検討とともに、山地から
海岸までの一貫した総合的土砂管理の取組に努めます。
○海岸整備に際しては、濁水防止を行うなど水質保全に努めます。
④ため池・ダム貯水池の保全と適切な管理
○環境との調和に配慮した、ため池の保全と再生に努めます。
○ため池の整備に際しては、そこに生息・生育している生物に十分配慮します。
○堤防の草刈りや堆積した土砂の除去など、適切な管理を推進します。
○ため池・ダム貯水池などの水質と流域環境の保全に努めます。
○オオクチバス、ブルーギル、ウシガエル、オオカナダモなどの外来種の防除と生息・生育域の
拡大防止に努めます。
66
(2)各主体に求められる役割
県民・団体
○水辺の重要性に関心を持ち、その維持管理活動や保全活動への積極的な参加
○河川、海域、ため池等への外来種の放流をしないなど、水辺に生息・生育する生物への配
慮
事業者
○開発事業実施時の、水辺環境の保全
○地域の河川や海岸などの維持管理活動や保全活動への積極的な参加
市町村
○公共事業実施時の、河川、海岸、ため池の自然環境の保全
○県民・事業者の水辺環境への関心を高めるとともに、県民、団体、事業者、行政等が連携
した水辺の整備体制の構築
○住民による河川、ため池等の管理に対する支援
(3)環境指標(数値目標)
環境指標項目
単位
現況値
(H26 年度)
目標値
(H32 年度)
自然環境の保全・創出に取り組む河川割合
河川
100%
現状維持
67
4-4
自然とのふれあいの場の確保
(1)施策の方向
①自然とふれあう場や機会の確保
○自然公園等の指定と適切な管理により、優れた自然環境の保全とふれあいの場の確保を図りま
す。
○自然ふれあい施設の更新やバリアフリー化を推進します。
○九州自然歩道、遊歩道等の維持・管理に努めます。
○エコツーリズム、グリーン・ツーリズム等を推進し、これらの実践者間の情報交換の促進、実
践者の育成、広域的な連携の取組支援を行います。
○県民や宮崎県への訪問者が、自然とのふれあいなどのために河川や海岸、ため池などの水辺に
安全に近づけるように必要な措置を講じるよう努めます。
②自然環境教育・学習の充実
○自然解説活動の充実に努めます。
○自然公園指導員等を通して、自然公園等の利用者に対する植物の保護や自然保護思想の普及活
動等を実施します。
○「川南遊学の森」等の森林環境教育の拠点施設において、施設の充実や子ども達をはじめとす
る幅広い世代を対象とした、森林環境教育を実施します。
○自然環境保全地域等において、自然保護指導員の配置を推進します。
③自然ふれあい施設設置における自然環境への配慮
○必要に応じて自然公園計画の見直しを行い、自然公園の適切な保全と利用の調和を図ります。
○浸食された登山道の補修を推進するとともに、登山道の開設・補修に際しては、できるだけ浸
食が起こりにくい工法を用いるよう努めます。
○自然ふれあい施設設置に際しては、設置場所の工夫、地形改変の最小化、バイオトイレ導入な
ど設備の工夫に努めます。
④自然とのふれあい活動における自然環境への配慮
○自然公園、自然環境保全地域等において、自然公園指導員や自然保護指導員により、規制の遵
守状況の監視、立入者への助言・指導を行います。
○釣り愛好者に対し、オオクチバスやブルーギル等外来種の放流をしないよう、啓発に努めます。
○登山者などに対し、希少な植物を自生地から持ち帰らないよう、啓発に努めます。
○自然公園利用者などに対し、シカなどの野生動物に給餌しないよう、啓発に努めます。
○県民や団体による河川浄化・河川美化活動、海岸・港湾美化活動を支援することにより、快適
な水辺を維持し、親水性確保に努めます。
68
○親水性確保のための取組・事業実施に際しては、自然環境と安全確保に十分配慮します。
(2)各主体に求められる役割
県民・団体
○自然とのふれあい活動に際しての、自然環境への配慮
○自然公園等の利用に際しての、規制の遵守
○自然環境教育・学習を通じての、自然に関する理解の向上
事業者
○自然とのふれあいや農林漁業を実体験するエコツーリズム、グリーン・ツーリズム、ブ
ルー・ツーリズムなどの機会や場の提供
○開発事業に際しての、森林・緑地や干潟の保全、県民が自然とふれあう場の確保
○自然とのふれあい施設設置に際しての、自然環境への配慮
市町村
○自然とのふれあいを促進する施設の整備や人材の育成
○身近な里地里山などの緑地や藻場干潟の保全、市民や団体、事業者と一体となった保全・
維持管理の体制づくり
○学校や地域の活動における自然環境教育・学習の充実
○自然ふれあい施設設置に際しての、自然環境への配慮
(3)環境指標(数値目標)
環境指標項目
単位
現況値
目標値
(H26 年度)
(H32 年度)
自然公園利用者数
人
10,056(H25)
現状維持
ひなもり台県民ふれあいの森利用者数
人
76,908
87,000
69
第5節 環境保全のために行動する人づくり
5-1
環境教育の推進
私たちの豊かな環境を次世代に残していくためには、私たち一人ひとりが環境保全の意識を高
めていくとともに、持続可能な社会づくりに向けて県民・団体・事業者・行政等のあらゆる主体
(以下、「各主体」という。)が一体となって積極的に環境保全のための行動を実践することが求
められています。
このため、第5節では環境保全のために行動する人づくりに不可欠である環境教育及び環境保
全活動の推進にかかる取組の基本的な方向性を示し、環境教育等促進法第8条に基づく「行動計
画」として位置づけるとともに、各主体とも連携しながら本行動計画の実施にかかる連絡調整、
進捗管理などを行います。
(1)施策の方向
①家庭、学校、地域、社会等における環境教育の推進
○子どもから高齢者まで、ライフステージに応じた環境保全意識を醸成するため、生涯学習とし
ての環境教育を推進します。
○次世代を担う子どもたちの環境に対する知識や理解を段階的に深めるため、幼児に対する環境
教育や、総合的な学習の時間等を通じた児童・生徒に対する環境教育など、子どもたちの発達
の段階に応じた環境教育を推進します。
○学校において、各教科等における環境に関する内容の指導の充実を図ります。
○学校において、自然とのふれあいを通じた様々な体験や環境教育関連施設の見学を実施すると
ともに、家庭や地域において、子どもたちが学校等で学んだ環境教育の取組を保護者や地域住
民と一緒に実践できるよう、学校と家庭・地域が連携した体験参加型の環境教育を推進します。
○環境教育推進校等のモデル校による先駆的な環境教育の推進を図るとともに、同様の取組を他
校にも広げるため、優良な取組事例の公表を行います。
○家庭での環境意識を高めるため、地球温暖化防止活動推進員の派遣を行い、助言や省エネ診断
等を行います。
○地域、団体、事業所等が行う環境に関する講演会や研修会等に対し、環境保全アドバイザーを
派遣し、県民への周知を図る等の支援を行います。
○環境教育の推進に関する行動計画等の作成や公表を行う市町村を支援します。
○環境問題に関する国際的動向を踏まえ、広い視野で環境について考えることのできる人づくり
を目指します。
70
②環境教育に関する情報の提供
○県民一人ひとりの環境教育に役立つ情報の提供を行うため、各種環境啓発紙等の充実を図りま
す。
○地域における環境保全意識を高めるため、環境保全活動を実践する各主体の活動事例を、ホー
ムページ「みやざきの環境」等に情報掲載するなど、関係団体や環境保全アドバイザー等のさ
まざまな主体による情報発信を促し、情報提供の体制の充実を図ります。
○環境保全活動に積極的に取り組む各主体間の交流研修会を実施することにより、相互の情報共
有や人的交流を深めるとともに、各主体が一体となった協働取組を推進します。
③環境教育を担う人材の養成・確保
○教職員を対象とした環境教育の研修会を行うなど、環境教育に関する指導力向上を図ります。
○希少野生動植物の保護監視活動を行っていただく方を「野生動植物保護監視員」として委嘱し、
県内の希少野生動植物の保護及び、県民に対しての普及・啓発活動を行います。
○県民が自ら自然環境の保護と創出を推進するため、自然を守り育てるボランティア及び地域の
リーダーとして自然保護推進員を依頼し、研修会の開催や情報提供により活動を支援します。
○地域における温暖化対策の推進を図るため、地球温暖化防止活動推進員を委嘱し、自ら率先し
て温暖化防止に取り組むとともに、地域住民に対し温暖化に関する情報の提供・助言等を行い
ます。
○県に登録または委嘱されている環境保全アドバイザーや推進員を対象とする研修会等を開催す
ることにより、指導力の向上を図るとともに、指導者間の連携体制を構築します。
④環境教育拠点の整備、機能充実
○環境情報センター、エコクリーンプラザみやざき等において、県民の幅広い環境教育ニーズに
応えられるような環境教育拠点機能の充実を図ります。
○環境情報センターをより多くの県民に利用してもらうため、環境教材を充実させるとともに、
県政番組やホームページ等の情報媒体を用いて、環境情報センターの周知を図ります。
○市町村施設や民間施設等と協力し、
「体験の機会の場」として整備する等、環境教育の拠点機能
の充実を図ります。
○「宮崎県次世代エネルギーパーク」を活用し、再生可能エネルギーをはじめとした次世代のエ
ネルギーを実際に見て触れることで、エネルギーへの理解を深めるとともに、環境保全の意識
の向上を図ります。
⑤森林環境教育の推進
○本県の特性である森林とのふれあいを通し、多くの県民が森林の大切さを理解し、県民参加の
森林づくりを実践できるよう、
「ひなもり台県民ふれあいの森」、
「諸県県有林共に学ぶ森」など、
身近な森林における森林環境教育の実践フィールドの整備を図ります。
71
○森林や木材利用が体験できる研修や木工教室の開催など、森林環境教育や木育を実践する機会
の一層の充実を図ります。
○地域や学校が取り組む森林環境教育実践のための相談窓口を設置するとともに、自然体験活動
等の指導者を派遣するなど子どもたちを対象とした森林環境教育の実践活動を支援します。
○森林ボランティア団体が実施する森林環境教育や活動に対し、支援を行います。
○みどりの少年団の活動支援や学校林の活用、「森の聞き書き甲子園」への参加促進等を通じて、
次代を担う心豊かな青少年の育成を図ります。
○森林環境教育の実践活動の場や研修等を通じ、森林づくりに参画する若者世代や森林環境教育
の指導者の養成を図ります。
(2)各主体に求められる役割
県民・団体
○講習会、講演会、自然観察会等への参加など、自発的・積極的な教育の推進
○環境教育に関する、自らの知識や経験を活かした、様々な場や機会での発言や助言
○各主体の相互理解に基づく、環境教育に関するネットワークづくり
事業者
○従業員等に対する研修制度に環境問題を取り入れるなど、職場全体での環境教育の推進
○事業者が有する環境保全技術の紹介や人材の派遣、環境教育の場として施設の公開など、
地域の環境教育の推進
市町村
○各主体が保有する環境教育に関する教材や教育機会、人材、施設等の情報収集を通じた、
効率的な環境教育の推進
○環境教育に関する教材や教育機会の提供、指導者の育成・派遣、拠点施設の整備など、各
主体が自主的に取り組む環境教育の支援
○環境に関する職員研修の実施による、職員一人ひとりの環境意識の向上
○地域社会における環境教育の推進、各地域間のネットワーク化や地域での環境活動のサ
ポート
72
(3)環境指標(数値目標)
現況値
目標値
(H26年度)
(H32年度)
人
1,593
3,000
施設
160
220
人
37,804
41,000
校(団体)
55
60
環境指標項目
単位
水生生物調査(水辺環境調査)参加者数
こどもエコチャレンジ施設認定数
環境情報センター利用者数
森林環境教育実践校(団体)数
5-2
環境保全活動の推進
(1)施策の方向
①各主体が自発的に行う環境保全活動の支援
○河川浄化や森林ボランティア等の地域の実践活動への支援、行政との協働事業の実施、活動内
容の県民への紹介など、地域や団体等が自発的に行う環境保全活動を支援します。
○エコアクション21等の環境マネジメントシステムに関する情報提供や普及啓発など、事業者
の自主的な環境保全活動を支援します。
○地方公共団体実行計画の進捗・管理やグリーン購入の徹底など、市町村における率先的な環境
保全行動を支援します。
○県自らも一事業者として「宮崎県地球温暖化対策実行計画(事務事業編)
」や「宮崎県グリーン
購入基本方針」に基づき、職員一人ひとりの環境保全の取組を推進します。
○各主体が実施する環境保全活動において、顕著な功績のあった者に対し、その功績を表彰する
とともに、取組内容を広く県民に紹介することにより、環境保全活動に対する県民の関心と理
解を深めます。
○森林づくり活動によって得られた二酸化炭素吸収量を認証し社会貢献活動として評価するなど、
企業等の森林づくり活動への参加を促進します。
②多様な主体が相互に協力して行う協働取組の推進
○各主体がお互いを理解し、協働して環境保全活動に取り組むことを支援するため、環境保全に
取り組む多様な各主体が一同に集うイベントを開催するなど、異なる地域や立場の人々が交流、
情報交換する機会の創出を図ります。
○各主体が協働して、地球温暖化対策を中心とした環境保全活動に取り組む環境みやざき推進協
議会への支援を行い、会員の拡大や取組内容の一層の充実を図ります。
○森林づくりに関する情報提供や企業の森の誘致活動に取り組む「みやざき森づくりコミッショ
ン」の活動等を通じて、企業や団体、森林所有者等が連携した森林づくりを推進します。
73
(2)各主体に求められる役割
県民・団体
○日常生活における環境配慮の取組の実践
○県民、団体、行政等が実施する地域の環境保全活動への積極的な参加
○各主体間の連携に積極的に関わり、複数の団体間のコーディネーター役を努めるなど、協
働による環境保全活動の促進
事業者
○エコアクション21等の環境マネジメントシステムの導入など、事業活動における環境配
慮の自主的な取組の推進
○環境みやざき推進協議会に入会するなど、県民、団体、行政等が実施する地域の環境保全
活動への積極的な参加・協力
市町村
○環境に関する情報や活動の場の提供など、住民、団体、事業者における自主的・積極的な
環境保全の実践活動の促進
○各主体が連携し、一体となって環境保全の実践活動に取り組むための体制づくり
(3)環境指標(数値目標)
環境指標項目
環境みやざき推進協議会参加会員数
単位
団体等
74
現況値
目標値
(H26年度)
(H32年度)
474
1,000
第6節 環境と調和した地域・社会づくり
6-1
環境にやさしい地域・産業づくり
(1)施策の方向
①魅力ある農山漁村等づくり
○農村における農地や農道、生活排水処理施設等の整備など、環境との調和に配慮した整備を推
進します。
○農地・農業用施設の適切な管理や農村景観の良好な保全・形成を図る地域の共同活動を推進し
ます。
○自然環境の保全や生物多様性への配慮、親水性の確保などを考慮した多自然川づくりの整備を
推進します。
○漁村における生活環境の向上を図るため、緑地広場等の環境施設の整備を推進します。
かん
○森林や農地、農山村地域が有する水源涵養や土砂流出防止、生物の多様性の確保など、国土保
全に貢献する公益的機能についての県民の理解を深めるため、情報発信や普及啓発を推進しま
す。
○国土保全機能の維持向上を図るため、森林の適切な保全・管理とともに、国土保全上重要な農
山村地域の公共資産の維持・管理や農林業の支援、里地や棚田などの保全を推進します。
○藻場干潟等の持つ水質浄化や多様な生物の育成機能の維持向上を図るため、漁業者等による藻
場干潟等の保全活動への支援を推進します。
○津波や高潮、塩害等の防止や自然景観の保全のため、松くい虫の予防・駆除など海岸保安林の
整備・保全を推進します。
②健全な水循環の確保
かん
○水源地域の水源涵養機能を維持するため、市町村及び森林所有者等との連携協力により水源地
域の保全を推進します。
○節水や水の合理的利用に関する普及啓発や公共施設における雨水・中水の利用など、適切な水
利用の促進を図ります。
③環境とともに歩む循環型農林水産業の推進
かん
○土づくり・適正施肥、適正灌水を基本として、化学合成農薬のみに頼らず、天敵等の生物農薬
や防除資材等を活用することで、化学合成農薬・化学肥料の使用量を低減する「宮崎方式IC
M」の技術開発及び普及促進を図ることにより、環境への負荷を低減した環境保全型農業を推
進します。
○「家畜排せつ物の管理の適正化及び利用の促進に関する法律」
(家畜排せつ物法)に基づく家畜
排せつ物の適正な処理・管理と、良質な堆肥化を推進するとともに、堆肥の流通体制の整備、
75
耕種部門における利用の拡大を図るなど、耕種農家と畜産農家との耕畜連携による良質な土づ
くりを推進します。
○施設園芸で利用する木質バイオマス等の地域資源循環システムの構築に取り組むとともに、農
業用水利施設等を活用した小水力発電を推進します。
○農業用廃プラスチックの回収及びリサイクルを推進します。
○農薬及び肥料の適正使用に関する情報提供や普及啓発、新たな環境負荷の低減技術の開発など、
農業生産に伴う環境負荷の低減を図ります。
○計画的な伐採と再造林による森林の若返りを進めるとともに、主伐林齢の多様化によりバラン
スのとれた齢級構成に誘導し、
「伐って、使って、すぐ植える」といった資源循環型林業を確立
します。
○環境に配慮した持続的な森林経営が行われていることを認証する森林認証の取得を促進します。
○森林GIS(森林地理情報システム) を活用して、森林の適正管理に向けた森林資源の正確な情
報把握に努めます。
○森林施業の集約化等による効率的な林業経営を推進するとともに、森林所有者による適切な森
林施業等が困難な森林については、施業や経営の受委託を促進します。
○適切かつ効率的な森林施業が行われるよう、自然条件を考慮した作業システムに基づく計画的
な林道や作業路の整備に努めます。
○林業生産活動で発生する木質バイオマスの活用を推進します。
○みやざき林業青年アカデミーによる研修の実施や林業に関する資格等の取得の支援、林業普及
指導員による技術指導を図るなど、林業従事者の育成と技能向上を推進します。
○「緑の雇用」事業により林業に必要な基本的技術を習得した「研修修了者」の定着促進のため
の支援を行います。
○水産系廃棄物のリサイクル、漁業で使用される資材への生分解性素材等の利用促進など、水産
業における資源循環を推進します。
○環境への負荷の少ない養殖技術の開発や藻場・干潟の保全、漁民の森の造成や水辺林の保全な
ど、漁場環境の整備・保全を推進します。
④本県の地域特性を活かした体験・交流型観光の推進
○農林水産業など地域産業を活かし、都市部と農山漁村部の人との交流を生み出す体験・交流型
観光を推進します。
○地域の自然環境や歴史的・文化的資源など地域資源を発掘、整備・保全するとともに、それら
地域資源を損なうことなく活用する、エコツーリズム、グリーン・ツーリズム等のプログラム
を開発し、関係機関の連携による利用者の拡大を図ります。
⑤環境ビジネスの創出・育成
○再生可能エネルギーの導入、省エネルギーの推進、資源のリサイクル、環境教育の推進、環境
76
情報の提供など、環境への負荷低減に貢献する環境ビジネスの創出・育成等に係る支援を図り
ます。
(2)各主体に求められる役割
県民・団体
○地域で生産される食材や資材を積極的に利用するなど地産地消の実践
○健全な水循環の確保を図るため、節水や水の合理的利用など、水資源の適切な利用
○自然環境とのふれあいや農林水産業を実体験するエコツーリズム、グリーン・ツーリズム、
ブルー・ツーリズムなどへの積極的な参加
○森林所有者等による植栽や間伐などの適切な森林施業の実施(再掲)
事業者
○農薬や化学肥料の適正使用や低減など、環境に配慮した農業の実践
○長伐期施業や複層林施業の導入、適地適木による更新や適切な間伐の実施など、森林の有
する多面的機能の長期的・循環的な維持・保全に努めるとともに、木質バイオマスの積極
的な活用を図るなど、環境に配慮した林業の実践
○健全な水循環の確保を図るため、工場・事業場における節水や雨水・中水の利用など、水
資源の有効利用
○水産系廃棄物のリサイクルの推進など、環境に配慮した漁業の実践
○自然環境とのふれあいや農林水産業を実体験するエコツーリズム、グリーン・ツーリズム、
ブルー・ツーリズムなどの機会や場の提供
○本県の地域特性を活かした新たな環境ビジネスの創出
市町村
○農山漁村の環境整備に際しての、環境との調和に配慮した生活環境施設の整備や、周辺の
自然景観と調和した農山漁村の景観の維持
○森林や棚田などの農地や藻場干潟がもたらす公益的機能の維持・向上、県民の理解醸成
○健全な水循環の確保を図るため、県民の理解醸成、公共施設における節水や雨水・中水の
利用など、水資源の有効利用
○環境に配慮した農林水産業の実践的な取組に対する支援
○本県の地域特性を活かした新たな環境ビジネスの創出に対する支援
77
(3)環境指標(数値目標)
環境指標項目
※1
ICM 指標策定品目数
農林漁業体験民宿数
※1
現況値
目標値
(H26年度)
(H32年度)
品目
4
10
軒
142
184
単位
ICMとは、利用可能な様々な防除技術を用いて、病害虫を被害が出ない程度に抑えるという総合的病害
虫・雑草管理(IPM)を更に推し進め、病害虫防除だけでなく、収量・品質も高めていこうというもので、
このときに環境に悪影響がある手法を用いては将来の発展に影響があるため、環境保全型農業技術を使って
かん
目的を達成しようというもの。県では、農作物栽培の基礎となる土づくり、適正施肥・適正灌水により病害
虫に強い丈夫な作物をつくり、その上で化学合成農薬のみに頼らず、微生物殺菌剤や昆虫寄生菌、天敵等の
生物農薬を必要に応じて段階的に導入していくという「宮崎方式ICM」の普及を図っている。
6-2
快適な生活空間の創出
(1)施策の方向
①うるおいとやすらぎある美しい景観・環境づくり
○「宮崎県景観形成基本方針」に基づき、美しい景観・環境づくりの大切さや必要性について、
県民や市町村への啓発周知を図ります。
な
○豊かな自然景観や美しい街並みなど景観資源を把握するとともに、自然と県民の暮らしが調和
した景観の保全・創出を図るなど、景観の形成を図ります。
な
○沿道の修景や屋外広告物の規制、無電柱化の推進、県民参加による街並みの整備など、市街地
における美しい景観の創造を推進します。
○巨樹・巨木の保全、農山漁村地域における里地・棚田の保全など、地域を特徴づける景観の保
全・創出を推進します。
○河川沿岸の自然環境の保全や県民参加による河川浄化活動の推進など、自然の営みがかたちづ
くった河川景観の保全・創造を推進します。
○水辺空間とまち空間の融合が図られた、良好な空間形成を目指した「かわまちづくり」を推進
します。
○緑地保全地域や緑化地域、風致地区の指定等による緑地の保全、都市公園の整備や民有地の緑
化の促進など、市街地における緑の保全と緑化を推進します。
○県民や事業者の自主的・積極的な緑化活動を支援するとともに、各主体の連携による緑化や維
持管理活動を支援するなど、県民参加による都市緑化の推進を図ります。
○優れた景観の保全や創出と緑化の推進について、各主体の連携のもと各種制度の活用を図りま
す。
②本県の自然と一体となった歴史的・文化的資源の保護・継承と活用
○歴史的・文化的資源に関する情報発信、体験・学習や地域づくりへの活用など、県民の歴史的・
78
文化的資源に関する普及啓発を推進します。
○貴重な歴史的・文化的資源の調査・把握や、文化財の指定等による適切な保護・継承と活用を
推進します。
③環境と調和した生活空間づくり
○建築物省エネ法に対応した建築物や低炭素建築物・長期優良住宅など環境にやさしい建築物の
普及に努めます。
○環境にやさしい生活空間の保全や創出と緑化の推進について、各主体の連携のもと計画的・体
系的な保全・創出が行われるよう、推進体制の構築や推進方策についての仕組みづくりを検討
します。
(2)各主体に求められる役割
県民・団体
な
○住宅建築に際しての、周辺の自然景観や街並みとの調和、環境への配慮
○住宅の敷地内での生垣や植栽への取組や、地域の緑化活動などへの積極的な参加
○地域の歴史・文化的資源に関する学習活動や保全活動への参加
事業者
な
○施設の整備に際しての、周辺の自然景観や街並みとの調和、環境への配慮
○事業所敷地内の緑化への取組や、地域の緑化活動などへの積極的な参加・協力
○開発事業の実施に際しての、文化財の保護
市町村
な
○公共事業の実施に際し、周辺の自然景観や街並みとの調和、環境への配慮など、美しい景
観づくりの実践
○公共施設の敷地や河川における緑化、都市公園等の整備
○歴史的・文化的資源の実態把握及び保護・継承
(3)環境指標(数値目標)
環境指標項目
都市公園面積
(都市計画区域人口1人当たり)
単位
㎡/人
現況値
目標値
全国
(H25年度)
(H32年度)
(H25年度)
21.6
23.1
10.1
79
第5章 重点プロジェクト
第3章に掲げた長期的な目標を達成するため、第4章において方向付けた施策の展開のうち、
宮崎県の特長を活かした本県らしい取組について、特に重点的に取り組むため、以下のとおり重
点プロジェクトとして定めます。
1
「低炭素社会みやざきづくり」プロジェクト
本県の恵まれた資源である太陽光を中心とした再生可能エネルギー等の利用による地域
経済の循環の促進を図り、低炭素社会の構築に向けた取組を行います。
2
人と自然が共生する「緑の国みやざきづくり」プロジェクト
資源循環システムの構築を進めるとともに、本県の豊かな森林資源やそれを育む水資源の
保全を図り、循環型社会や自然と共生する社会の実現に向けた取組を行います。
3
「環境人材みやざきづくり」プロジェクト
環境教育の充実や環境保全活動の実践を通じて、「低炭素社会みやざきづくり」や人と自
然が共生する「緑の国みやざきづくり」を支える人材を育成します。
80
重点プロジェクトの構成イメージ
にっぽん
日本のひなた「太陽と緑の国みやざき」の実現
人と自然が共生する
「緑の国みやざきづくり」
プロジェクト
「低炭素社会みやざきづくり」
プロジェクト
・宮崎県新エネルギービジョンの推進
・みやざきの循環システム構築
・低炭素社会の実現に向けた本県らしい
・水環境の保全
取組の推進
・生物多様性の保全と持続可能な利用の
取組
・資源循環型林業の確立
「環境人材みやざきづくり」プロジェクト
・次世代の環境を担う人材育成
・多様な主体との連携や協働
・森林環境教育の充実
81
1
「低炭素社会みやざきづくり」プロジェクト
(1)プロジェクトのねらい
地球温暖化は、食糧危機、水資源の枯渇、生態系の破壊、海水面の上昇の原因となるなど、
地球規模の課題であり、その解決のためには、国際社会が協調しながら取り組む必要があり
ます。
また、本県は全国トップクラスの日照時間、快晴日数という日照環境や、木材や家畜の豊
富なバイオマス資源などに恵まれており、地域に必要なエネルギーの一部を地域資源による
再生可能エネルギーによって賄うことで、地域内からの資金の流出が抑制され、地域経済の
循環の促進につながります。
再生可能エネルギーの利用促進、省エネルギーの推進、森林吸収源の確保に取り組むこと
で「低炭素社会みやざき」の実現を目指します。
(2)プロジェクトの施策展開
○宮崎県新エネルギービジョンの推進
本県が保有するポテンシャルを最大限に活用した新エネルギーの導入促進を図ります。
①「みやざき太陽プロジェクト」
太陽光発電の導入、普及啓発等を行います。
②「みやざき森林バイオマスプロジェクト」
市町村や関係団体等と連携し、木質系バイオマスの一層の活用を図ります。
③「みやざき小水力プロジェクト」
県や市町村、大学等で構成する「宮崎県農業水利施設小水力等発電推進協議会」を推
進体制として、技術支援やノウハウの提供等を行い、小水力発電の導入促進に取り組
みます。
④「エネルギーの地産地消による地域・産業づくりプロジェクト」
新エネルギーと地場産業等とのマッチングを図るとともに、関連産業の振興を進めな
がら、地域経済の活性化等を図ります。
○低炭素社会の実現に向けた本県らしい取組の推進
低炭素社会を実現するため、本県の特長を活かした温室効果ガスの排出抑制、二酸化炭素
吸収量の増加を目的として、次の2つの施策を展開します。
①条例に基づく温室効果ガス排出削減の取組をより実践的なものとするため、県民や事業
者等が共通して取り組める効果的事例を発信します。
②カーボン・オフセット制度により、森林の二酸化炭素吸収機能等に経済的・社会的価値
を付与し、そこで得られた資金を森林整備へ活用します。
82
(3)プロジェクトのイメージ
「低炭素社会みやざき」づくり
低炭素社会の構築
再生可能エネル
ギーの利用促進
省エネルギーの
推進
低炭素社会の実現に向けた
本県らしい取組の推進
宮崎県新エネルギービジョン
みやざき太陽
プロジェクト
森林吸収源の
確保
○温室効果ガス排出削減
みやざき
森林バイオマス
プロジェクト
県民向け
家庭でできるわかりやすい削減目標や
手法の提示(環境家計簿等)
地球温暖化防止活動推進員等による
家庭や地域での削減行動の啓発・実践
事業者向け
本県が保有するポテンシャル
を最大限に活用した
新エネルギーの導入促進
みやざき県民の住みよい環境の
保全等に関する条例
排出計画書・報告書の提出
効果的事例の紹介・表彰等
排出削減取組の強化
みやざき小水力
プロジェクト
エネルギーの
地産地消による
地域・産業づくり
プロジェクト
○カーボン・オフセットの取組
森林整備
二酸化炭素吸収量の増加
カーボン・オフセット
資
83
金
2
人と自然が共生する「緑の国みやざきづくり」プロジェクト
(1)プロジェクトのねらい
地域特性を活かした資源循環システムの構築を進めるとともに、本県の豊かな森林や水資
源を保全・活用することにより、恵まれた自然環境を有効に活用する緑と循環の国「みやざ
き」を実現し、循環型社会、自然共生社会構築のトップランナーとなります。
(2)プロジェクトの施策展開
○みやざきの循環システム構築
地域で循環可能な資源をなるべく地域で循環させていく(地域循環圏の構築)という考え
方に基づき、本県の特性や資源の性質に応じた最適規模の循環の範囲を検討し、その実現に
向け、次の3つの施策を展開します。
①県民の意識啓発による食品ロスやレジ袋等の削減による排出抑制の取組や、リサイクル
施設整備の支援によって、4Rの取組を推進するとともに、不法投棄の防止など廃棄物
の適正処理を図ります。
②本県の特性や循環資源の性質に応じた、効率的な循環を行うための調査・分析、循環シ
ステムの検討等を行い、循環資源の利用促進を図るとともに、循環資源の利活用に寄与
する循環型社会ビジネスの振興・活性化を図るため、先進的な取組をモデル事業として
支援します。
③循環資源を原料としたリサイクル製品などの環境にやさしい商品やサービス等の需要拡
大を図るため、公共事業で使用する建設資材の需要拡大や消費者等へのPRに取り組み
ます。
○水環境の保全
本県を代表する「大淀川」を中心に、水質を改善し、よりよい水環境を次代に残していく
かん
ため、水源の涵養や河川環境等の浄化・保全を進めます。
かん
①貴重な資源としての水の適切な利用や循環利用を推進するとともに、水源涵養のため、
森林・農地の保全、緑地の創出、透水性舗装など雨水浸透機能の向上に取り組みます。
②河川等の水質改善のため、次のとおり事業所排水及び生活排水対策を推進するとともに、
環境モニタリングにより汚濁原因調査及び水質改善の評価を行います。
・事業所(畜産業を含む)排水に係る監視・指導、試験研究機関等による排水処理技術
の指導
・生活排水処理施設の計画的な整備、下水道や農業集落排水等の接続率の向上、浄化槽
の維持管理の徹底
84
・下水道、農業集落排水、浄化槽事業における汚泥処理処分施設等の共同化
③水とのふれあいの機会を増やし、水辺環境を守ることの重要性について、県民の意識の
向上を図ります。
・水辺環境調査の実施など、主として小中学生を中心とした体験型環境教育の推進
・県民参加による河川浄化活動の推進
・河川整備等における親水性の確保及び多自然川づくりの推進
本県を代表する「大淀川」の水質を改善することを目標に、大淀川流域をモデル地
区として、重点的に取り組みます。
実施に当たっては、県民・事業者・団体・関係市町村・国・県が、目標達成のため
にそれぞれの役割をしっかりと果たし、かつ強力な連携の下、効果的に進めます。
○生物多様性の保全と持続可能な利用の取組
すべての県民が生物多様性の価値を認識し、それを保全し持続可能に利用するための行動
を行うように、「みやざき自然との共生プラン(生物多様性みやざき戦略)」の4つの基本戦
略に基づき、各施策を推進します。
①野生生物の適切な保護管理
②重要地域の保全
③県土の区分に応じた生物多様性の保全
④生物多様性の主流化の推進
○資源循環型林業の確立
かん
森林の水源の涵養機能や県民の生命や財産を守る県土の保全機能に加え、地球温暖化の原
因となる二酸化炭素の吸収・固定機能など多面的な機能を将来にわたり持続的に発揮させて
いくため、森林資源の循環型林業を確立します。
①「伐って、使って、すぐ植える」という森林資源の循環利用を基本とした森林の整備・
保全を推進します。
②下刈り、除間伐等、適切な保育管理を実施して樹木の生長を促進し、二酸化炭素吸収・
固定機能の高い森林を造成します。
③林業生産活動を通じて産出される木材の利用促進を図ります。
85
(3)プロジェクトのイメージ
人と自然が共生する「緑の国みやざき」づくり
自然環境の保護
環境保全の取組
自然環境
生物多様性の保全
野生生物の
適切な保護管理
・野生鳥獣の保護と適正な管理
循環型社会の構築
生活環境
水環境の保全
かん
水源涵養
・森林・農地の保全
・緑地の創出
みやざきの循環システム構築
4Rの推進と適正処理
・廃棄物の発生抑制対策
・リサイクル施設整備
・不法投棄の防止
重要地域の保全
水質改善
・生息・生育地の保全
・事業所排水対策
・生活排水対策
県土の区分に応じた
生物多様性の保全
親水性の確保
・里地里山などの保全・管理
・水とのふれあい
循環資源の利用促進
・地域循環圏の構築
・循環ビジネスの支援
環境にやさしい商品の
需要拡大の支援
・多自然川づくり
・リサイクル認定製品のPR
生物多様性の主流化
の推進
・「みやざき自然との共生プ
ラン」に基づく取組
資源循環型林業の確立
資源循環型の森林づくり
・森林資源の循環利用を基本とした
森林の整備・保全の推進
適正な森林管理の推進
・適切な保育管理の実施による
二酸化炭素吸収・固定機能の高い森林の造成
木材の需要拡大の推進
・産出される木材の利用促進
86
3
「環境人材みやざきづくり」プロジェクト
(1)プロジェクトのねらい
新しい「太陽と緑の国みやざき」を将来の世代に引き継いでいくためには、全県民が環境
についての正しい理解と認識を持ち、日常の行動や経済活動において、常に環境に配慮した
行動を実践することが不可欠です。
そのためには、学校や地域における環境教育の充実に加え、県民、団体、事業者、行政と
いった各主体が連携してそれぞれの特長を活かした環境教育を行うとともに、その成果を環
境保全活動として実践することが重要です。
そこで、県民の誰もが環境教育に取り組める体制を整えるとともに、環境教育の成果が環
境保全活動として実践されることを図ります。
(2)プロジェクトの施策展開
○次世代の環境を担う人材育成
環境教育の拠点施設の充実・強化等によって、県民全体の環境保全意識向上を目指すとと
もに、環境保全アドバイザーや活動家等の環境教育実施主体の育成・スキルアップを図るこ
とで、環境にやさしい人づくりを推進します。
○多様な主体との連携や協働
県や市町村、教育委員会等をはじめとした行政や、宮崎県環境情報センター等の環境教育
関連機関、その他民間団体や有識者等の横断的連携を図ることで、効果的な環境教育の体制
を構築し、官民が協働した環境教育を推進します。
○森林環境教育の充実
木に触れ、木の良さを知る取組や地域や学校での森林環境教育の実践活動、青少年の森林・
林業体験活動など、乳幼児から大人まで全ての世代を通じた森林環境教育や木育を推進し、
森林の理解者、森林づくりを担う人材の育成を図ります。
87
(3)プロジェクトのイメージ
にっぽん
日本のひなた「太陽と緑の国みやざき」を支える
環境人材みやざきづくり
○次世代の環境を担う
人材育成
・県民全体の環境保全意識の
向上
・環境教育の実施主体のスキ
環境保全活動の
実践
ルアップ
多方面からの人材育成
○森林環境教育の充実
○多様な主体との連携や
・木に親しむ乳幼児期の意
協働
識づくり
・環境教育における各主体の
・森林に関心を持つ小中高
横断的連携
理解の深化
・官民協働による環境教育の
生・若者の育成
・森林づくり等に関わる大
推進
人の育成
各主体の横断的連携
県民
幅広い世代を対象とした
学校
事業者
森林環境教育
団体
行政
関心の喚起
88
第6章 計画の推進
1
推進体制
本計画の目標を達成するためには、行政の取組だけではなく、県民、団体、事業者が一体となっ
た県民総力戦での協働取組が必要です。そこで、本計画の推進体制を以下のとおり定めます。
(1)宮崎県環境審議会
宮崎県環境審議会では、本計画の進捗状況の報告を受けて、意見を述べます。
(2)環境みやざき推進協議会
県民、団体、事業者、行政等の各主体が参加する環境みやざき推進協議会と連携し、各主体
による自主的・積極的な環境保全活動の促進を図ります。
(3)庁内体制
庁内においては、
「宮崎県環境保全対策調整会議」を中心として、関係部局間の緊密な連携を
図り、本県の環境保全施策の効率的・効果的な推進を図ります。
宮 崎 県 環 境 計 画(改 定 計 画)
意見
庁内体制
宮崎県環境審議会
進捗状況
の報告
宮崎県環境保全対策調整会議
同
環境みやざき推進協議会
情報提供
県
団
民
体
事
業
者
市
町
村
幹事会
施策の見直し
などの指示
県
進捗状況
の報告
連携
関係部局
事務局
実施状況
の報告
計画の推進に向けた取組
2
進行管理
本計画の実効性を確保するため、数値目標を活用し、計画(Plan)、実施・運用(Do)、点検・
評価(Check)、見直し(Action)によるPDCAサイクルにより継続的な進行管理を行います。
なお、計画の進行管理の状況については、環境白書として取りまとめ、環境審議会に報告する
ほか、ホームページなどを活用して県民等にも公表します。
89
■ 環境指標(数値目標)一覧
分野別施策
現況値
項目
単位
温室効果ガス総排出量(CO2換算)
千t
-CO2
エネルギー起源二酸化炭素
千t
-CO2
1
低炭素社会の構築
二酸化炭素排出量(産業部門)
千t
-CO2
二酸化炭素排出量(家庭部門)
千t
-CO2
二酸化炭素排出量(業務部門)
千t
-CO2
二酸化炭素排出量(運輸部門)
千t
-CO2
新エネルギー総出力電力
バイオマス発電におけるバイオマス燃料使
用量を推計した場合の数値
森林の二酸化炭素吸収量
(CO2換算)
kW
kW
千t
-CO2
ha
災害に対する備えをしている人の割合
%
適応策推進に関する計画等を策定する市町村
の割合
%
循環利用率
%
最終処分量
千t
一般廃棄物の排出量
千t
2
間伐実施面積
循環型社会の形成
1人1日当たりの一般廃棄物の排出量
一般廃棄物の再生利用量
グラム/
人・日
千t
〃
再生利用率
%
〃
最終処分量
千t
〃
最終処分率
%
90
策定当時
最新値
目標値
(H32年度)
(H32) (H42)
(H19年度) (H24年度) 9,971
8,413
(H24比) (H24比)
10,741
11,217
▲11%
▲25%
(H32) (H42)
(H19年度) (H24年度) 8,012
6,789
(H24比) (H24比)
8,169
8,990
▲11%
▲24%
(H32) (H42)
(H19年度) (H24年度) 2,954
2,836
(H24比) (H24比)
3,156
3,049
▲3%
▲7%
(H32) (H42)
(H19年度) (H24年度) 1,502
1,096
(H24比) (H24比)
1,269
1,826
▲18%
▲40%
(H32) (H42)
(H19年度) (H24年度) 1,491
1,159
(H24比) (H24比)
1,343
1,756
▲15%
▲34%
(H32) (H42)
(H19年度) (H24年度) 2,065
1,698
(H24比) (H24比)
2,401
2,359
▲12%
▲28%
(H21年度) (H26年度)
−
199,445
784,943
84,602
658,104
(H19年度) (H24年度)
1,523
1,321
(H21年度) (H26年度)
9,170
4,793
(H26年度)
−
41.9
(H26年度)
−
0
(H20年度) (H25年度)
23.9
23.2
(H20年度) (H25年度)
228
205
(H20年度) (H25年度)
428
404
(H20年度) (H25年度)
1,009
969
(H20年度) (H25年度)
78
77
(H20年度) (H25年度)
18.4
19.0
(H20年度) (H25年度)
55
51
(H20年度) (H25年度)
12.8
12.6
821,000
1,629
8,200
(H42年度)
100
100
24.4
191
364
930
91
25.0
40
11.0
分野別施策
現況値
項目
単位
産業廃棄物(家畜ふん尿を含む)の排出量
千t
2
循環型社会の形成
〃
再生利用量
千t
〃
再生利用率
%
〃
最終処分量
千t
〃
最終処分率
%
産業廃棄物(家畜ふん尿を除く)の排出量
千t
〃
再生利用量
千t
〃
再生利用率
%
公共建築物における木造率
%
グリーン購入実施率(県庁)
%
リサイクル製品認定数
品目
二酸化窒素(N02)
%
光化学オキシダント(OX)
%
浮遊粒子状物質(SPM)
%
微小粒子状物質(PM2.5)
%
一酸化炭素(CO)
%
ベンゼン
%
トリクロロエチレン
%
テトラククロロエチレン
%
ジクロロメタン
%
自動車騒音の環境基準達成率
面的評価
%
航空機騒音の環境基準達成率
%
有害大気汚染物質の
環境基準達成率
地球環境、大気・水環境の保全
%
大気環境基準達成率
3
二酸化硫黄(SO2)
水質環境基準
達成率
生物化学的酸素要求量(BOD)
%
化学的酸素要求量(COD)
%
91
策定当時
最新値
(H20年度)
6,684
(H20年度)
4,410
(H20年度)
66.0
(H20年度)
173
(H20年度)
2.6
(H20年度)
2,038
(H20年度)
851
(H20年度)
41.8
(H25年度)
6,096
(H25年度)
4,032
(H25年度)
66.1
(H25年度)
154
(H25年度)
2.5
(H25年度)
2,179
(H25年度)
969
(H25年度)
44.5
(H26年度)
25.8
(H25年度)
95.0
(H26年度)
61
(H26年度)
89.5
(H26年度)
100
(H26年度)
13.3
(H26年度)
100
(H26年度)
62.5
(H26年度)
100
(H26年度)
100
(H26年度)
100
(H26年度)
100
(H26年度)
100
(H26年度)
94.0
(H26年度)
25
(H26年度)
98.7
−
(H20年度)
94.2
(H20年度)
0
(H20年度)
100
(H20年度)
100
(H20年度)
6.3
(H20年度)
100
−
(H20年度)
100
(H20年度)
100
(H20年度)
100
(H20年度)
100
(H20年度)
100
(H20年度)
99.1
(H20年度)
25
(H20年度)
97.5
(H20年度) (H26年度)
100
100
目標値
(H32年度)
5,977
4,005
67.0
151
2.2
2,014
906
45.0
30
100
100
100
100
100
100
100
100
100
100
100
100
100
100
100
100
分野別施策
現況値
項目
単位
地下水における環境基準達成率
%
生活排水処理率
%
%
合併処理浄化槽
%
農(漁)業集落排水施設
%
7条検査(設置後の検査)
%
11条検査(年に1回の定期
検査)
%
大気
%
公共用水域水質
%
公共用水域底質
%
地下水
%
土壌
%
3
公共下水道
ダイオキシン類に係る環境
基準の達成率
地球環境、大気・水環境の保全
浄化槽法定検
査実施率
自然公園面積
ha
自然環境保全地域面積
ha
緑地環境保全地域面積
ha
重要生息地
箇所
4
生物多様性の保全
シカ推定生息数
策定当時
最新値
(H20年度)
80.3
(H20年度)
66.9
(H20年度)
43.8
(H20年度)
19.5
(H20年度)
3.7
(H20年度)
100
(H20年度)
13.1
(H20年度)
100
(H20年度)
100
(H20年度)
100
(H20年度)
100
(H20年度)
100
(H20年度)
92,024
(H20年度)
184
(H20年度)
21
(H20年度)
4
(H20年度)
140,000※1
(H26年度)
84.9
(H26年度)
76.1
(H26年度)
50.3
(H26年度)
22.0
(H26年度)
3.8
(H26年度)
100
(H26年度)
52.2
(H26年度)
100
(H26年度)
100
(H26年度)
100
(H26年度)
100
(H26年度)
100
(H26年度)
92,024
(H26年度)
184
(H26年度)
21
(H26年度)
8
頭
77,000※2
森林面積
千ha
人工林率
%
天然林率
%
竹林・その他
%
森林蓄積量
百万㎥
間伐実施面積(再掲)
ha
森林ボランティア延参加者数
人
92
(H20年度)
590
(H20年度)
60
(H20年度)
37
(H20年度)
3
(H20年度)
148
(H21年度)
9,170
(H20年度)
25,434
(H25年度)
125,000
(H26年度)
587
(H26年度)
58
(H26年度)
39
(H26年度)
3
(H26年度)
157
(H26年度)
4,793
(H26年度)
27,653
目標値
(H32年度)
100
83.0
56.0
23.2
3.8
100
75.0
100
100
100
100
100
現状維持
現状維持
現状維持
14
77,000
587
57
40
3
160
8,200
33,000
分野別施策
現況値
項目
単位
最新値
目標値
(H32年度)
4
生物多様性の保全
ha
(H20年度) (H26年度)
37,959
48,952
55,000
河川
(H20年度) (H26年度)
100%
100%
現状維持
人
(H20年度) (H25年度)
8,640
10,056
現状維持
森林認証面積
自然環境の保全・創出に取り組む河川割合
策定当時
自然公園利用者数
(H21年度) (H26年度)
87,000
83,138
76,908
(H21年度) (H26年度)
環境教育推進校指定校数
校
8
8
8
(H21年度) (H26年度)
水生生物調査(水辺環境調査)参加者数
人
3,000
2,287
1,593
(H26年度)
こどもエコチャレンジ施設認定数
施設
−
220
160
(H21年度) (H26年度)
環境保全アドバイザー講座等受講者数
人
7,000
5,799
3,820
ホームページ「みやざきの環境」へのアクセス
(H21年度) (H26年度)
件
800,000
件数
371,020
229,795
(H21年度) (H26年度)
環境情報センター利用者数
人
41,000
12,691
37,804
校
(H21年度) (H26年度)
森林環境教育実践校(団体)数
60
(団体)
54
55
(H21年度) (H26年度)
森林づくり団体公募活動支援数
団体
40
27
27
地方公共団体実行計画(事務事業編)を策定し
(H21年度) (H26年度)
%
100
た市町村の割合
64
84
地方公共団体実行計画(区域施策編)を策定し
(H26年度)
%
−
50
た市町村の割合
15.4
(H21年度) (H26年度)
環境みやざき推進協議会参加会員数
団体等
1,000
502
474
(H26年度)
ICM指標策定品目数
品目
−
10
4
(H21年度) (H26年度)
農林漁業体験民宿数
軒
184
92
142
(H21年度) (H26年度)
市街地における幹線道路の無電柱化率
%
3.6
3.1
3.1
都市公園面積
(H21年度) (H25年度)
㎡/人
23.1
(都市計画区域人口1人当たり)
20.7
21.6
※1:平成 27(2015)年に環境省が公表した平成 20(2008)年の宮崎県のシカ推定生息頭数。
※2:平成 23(2011)年 3 月策定当時の宮崎県環境計画における平成 20(2008)年の宮崎県のシカ推定生息頭数。
※3:
は、当面の目安となる目標値。
ひなもり台県民ふれあいの森利用者数
人
5
環境保全のために行動する人づくり
6 環境と調和した
地域・社会づくり
93
宮崎県 環境森林部 環境森林課
〒880-8501
宮崎市橘通東2丁目10番1号
TEL
FAX
E-mail
URL
0985-26-7084
0985-26-7311
[email protected] (環境森林課)
http://eco.pref.miyazaki.lg.jp/ (みやざきの環境)