大阪障害児放課後ネットワーク会報 23 号 2015 年 12 月発行 事務局 西淀川発達支援センターたんぽぽ 〒555-0024 大阪市西淀川区野里3-6-12 TEL/FAX 06-6477-4939 師走の月を迎えました。はや、2015 年も終わろうとしています。 今年の1年は、皆さまの事業所では、子どもたち、家族の方たち、指導員たちの笑顔がたくさん ありましたか? まもなく冬休み!寒さに負けず、戸外で体を動かしていっぱい遊びたいですね。 大阪で障害児の放課後保障に取り組む、 放課後等デイサービス事業所数は、 700 ヶ所を超えました。 全国でも急激な増加に、財務省の財政制度等審議会で対応策が検討されるなどの動きもあります。 大阪障害児放課後ネットワークでは、こうした情報の共有や実践の交流をしっかりすすめてゆ きます。お近くの事業所にも、ぜひ入会をすすめてください。 大阪府・市交渉で、要求を訴えました 7/8 に、大阪府交渉を行いました。 学校とデイ事業所の連携や、徒歩送迎に加算をつけてほしい、などの項目を中心に交渉を行いま した。新たに設けられた、 「学校との連携加算」について教育委員会に聞いたところ確認していな いとの回答でした。学校との連携については、学校側の意識、体制が整うことが不可欠で、子ど もたちの成長・発達のための協力関係が構築されることを、教育委員会にも福祉担当の方にも求 めました。事前に取った事業所へのアンケートや保護者へのアンケートの自由記述について、資 料として届けました。 10/27 に、大阪市交渉を行いました。 大阪府への要求と同じく、学校との連携についてを中心に交渉を行いました。特別支援学校では 送迎担当者を置いていただいたことで混乱が少なくなってきている現状がある反面、支援学級に おいては、デイ事業所の送迎が認められない学校もあるなど、スムーズに送迎が行えない実態の 訴えもありましたが、個々のケースについては学校と相談してほしいなど、行政としての責任の なさが明確になった交渉でした。 11 月の定例会議では… 11 月は、ハロウィンの取り組みで活発な交流をしました。 ある事業所では、地域で行われた仮装パレードに参加し、多くの人と楽しい時を過ごしたもの の、バリアフリーになっていなかったので車いすでの参加は苦労したことが、地域でバリアフリ ーを考える機会になったのではないかとのことです。 また、一方では子どもたちが仮装していたらおやつをあげてもらえるよう、公園管理の方にお 願いをしていた事業所では、こんな仮装をしたい、こんな仮装がいい、などの要求がたくさん出 て、子どもたちの成長を感じたなど、様々な報告が生き生きと語られました。こうした報告は、 指導員にとっては、仕事への活力になりました。 * 定例会議は2ヶ月に1回、各事業所からの参加で、情勢や実践の交流を行っています。 夏休みのとりくみ~児童デイサービススキップ~ 約 40 日間の夏休み、過ごす時間も長くなり、小集団の遊びや年齢に応じたグループ活動など設 定しながら各日を過ごしました。全体活動の柱として、 「すきっぷ祭り」に取り組みました。 「すきっぷ祭り」は、8 月最終週に実施しました。第 1 部はゲーム(ワニワニパニック、輪投げ、 金魚すくい、おばけトンネル)とカーニバルダンスで盛り上がり、第 2 部はおやつ屋台(チョコ ババナ、たこ焼きなど)と 2 部制です。 夏祭りに向けて、7 月から工作(ポスター、提灯、ゲーム小物、やぐら、等)やダンス練習など を積み重ねていきました。乗り気でなかった子たちもいましたが、祭りの話題が増え、工作やダ ンスの輪が広がっていきました。日を追うごとに、ポスターや提灯などですっかりお祭りモード。 子どもたちの期待も膨らんでいきました。 お祭り当日は、あちこちで子どもたちの歓声があがりました。ゲームも屋台も一人ずつチケッ トを持ち、 「コレまだや」など言いながらお店を回り楽しみました。休憩中も立候補して、おやつ 屋台の商品を作ってくれました。 さらに目玉の“お化けトンネル” 。おばけにちなんだ子どもたちの作品がたくさんついているコ ワーイ!?段ボールトンネルです。この遊びを通し、一人ずつにスポットをあて、友だちのことを 応援し喜びを分かち合い、一体感を感じられるものにしたい、というスタッフの願いがありまし た。 友だちが遊んでいるのを見て楽しむことが多い A 君。準備期間の練習でもトンネルをくぐるこ とができませんでした。いざ出番となり、みんなに名前を呼ばれ応援の声が上がります。意を決 した A 君はトンネルの入り口まで行き、くぐりぬけることができました。みんな「やったー」と 拍手、ハイタッチの大盛り上がり。A 君も満足気な表情でした。友だちを意識し、みんなの中で楽 しむ子どもたちを見て、子ども同士のつながりの深さを実感しました。集団としての成長も実感 でき、スタッフもとてもうれしい祭りとなりました。 このように「夏祭り」という、日常生活の積み重ねの中に特別な日を設定した行事では、みん なの応援と日頃の積み重ねの中に、新しい力を発揮することができるという子どもたちの姿に出 合い、取り組みの大切さを実感しました。 またこれからも楽しい企画や行事を子どもたちと一緒に創ってゆきたいと思います。 全国障害者問題研究会全国大会に参加して~放課後等デイサービスほまれっこ~ 8 月 9 日(日)岐阜大学で行なわれた全障研大会に「支援員の専門性に関する一考察~Gくんが 怖いからほまれっこに行きたくないと言うMちゃんの事例から~」という実践レポートを持ち参 加しました。発表を終えてのいちばんの感想は、もう二度と実践報告はしたくない・・・!とい うものでしたが、したからこそ見えてきたこともあるのです。 実践をまとめることで、まずMちゃんの成長に確信が持てました。また、Mちゃんの成長が当 然のことながら保護者の方の笑顔につながるということ。そして、Mちゃんに対してわたしたち 支援員がどのような方針を持ち具体的な支援につなげていったかなど、自分自身は何を大切に子 どもたちと対しているかということも学びました。 報告するのですから、どんな質問にも答えなければ!という意気込みでもって事前に勉強もし ます。Mちゃんの発達年齢は 4 歳弱程度。できるできないが2分化しており、できない自分への 不安があるからこそ慣れないことに対する不安感を強く持っていると本に書いてあるのを読んで、 なるほど~とMちゃんの姿を発達という視点から改めてとらえ直すことができました。 分科会にはもうひとりの支援員さんがレポート発表。ある子どもさんをまるごと理解し、いっ しょにあそびを共有し楽しむ中で他者への意識が芽生えてきているという素晴らしい内容の実践。 わたしが報告した実践とは対照的でした。 積極的な支援と同じくらい、子どもが自身のチカラで主を立ち上げる瞬間を見守ることも大切 な支援だと感じています。待たなければいけませんし、瞬間を見逃してはいけません。みる目の 確かさ、感性が問われます。子どもを“みる”ということも大切な支援ということを周りに伝え ていくことを自分自身の役割として課そうともおもえました。 こうして、実践を記録し、まとめ、集団で討議することでみえてくること、先にすすめること があります。まだ判然としない何かがあることも事実です。それが何かを見続けることが、また 新たに支援員自身のみる目の確かさを鍛えることにもつながるとおもうのです。支援員の成長と 子どもの成長はリンクしていると言えます。 「よ~し!実践をまとめて報告してみよう!」と前向きにおもってくださる支援員さんが増え ることを期待します。 お知らせ ■ 定例会議 次回…1月21日(木) 時間…10:00~12:00 場所…大阪障害者センター(地下鉄御堂筋線 あびこ駅より徒歩10分) 内容…各地域や事業所のとりくみと交流を中心に、実践と課題について話し合います。 ネットワーク加盟の個人・団体ならどなたでも参加できます。 ■ 役員会 次回…1月13日(水) 時間…19:15~ 場所…住吉総合福祉センター 内容…総会に向けて 2015 年度の総括と 2016 年度方針について 大阪障害児放課後ネットワーク主催 学習会のお知らせ ~語り合おう、実践を!交流しよう、情勢を!~ 放課後等デイサービスが制度化され4年目になります。今や事業所数は、全国で 5,800 ヶ所を超えています。今こそ、実践から充実した制度作りが求められています。 学べる学習会です。ぜひ、参加ください。 日時 : 2016 年 2 月 14 日(日)13:00~16:00(12:30 開場) 会場 : 住吉総合福祉センター(南海高野線住吉東駅下車 東側徒歩3分) 内容 : 13:00~15:00 講演 「子どもと向き合う」とは ~子どもを見る視点、職員集団で実践をつくる~ 講師 村岡 真治 氏 (東京・ゆうやけ子どもクラブ代表、全国放課後連副会長) 著作…「ゆうやけで輝く子どもたち」 「揺れる心が自分をつくる」 など 15:00~16:00 実践交流 参加費: 加盟事業所 1人 1,000 円 非加盟事業所 1人 2,000 円 連絡先: 西淀川発達支援センターたんぽぽ ℡…06-6477-4939 * 申し込みは不要です。直接会場までお越しください。
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