塚本 英明

地域イノベーション戦略支援プログラム
(ぎふ技術革新プログラム推進地域)事業
(文部科学省補助事業)
航空機・自動車向けの機能性材料の開発
所 属 名古屋工業大学
キーワード
大学院工学研究科
傾斜機能材料、複合材料、金属材料
セラミックス材料、材料設計
役 職 特任准教授
氏 名
塚本 英明
東京工業大学大学院工学研究科修士課程材料科学専攻程修了 博士(工学)アデレード大学 PhD
東京工業大学 助手、宇部高専 助教授
クィーンズランド大学 リサーチフェロー
専門分野:先進複合材料、金属材料
連絡先:[email protected] 052-735-7914
高機能性材料・構造体(高強度アルミニウム合金部材(金型、自動車部品)、
高性能クラッシュボックス、高制振接合材)の開発
出口・用途
目
的
航空機及び自動車産業に応用できる従来にない高機能性材料の開発(傾斜機能化、組
織微細化)
応用・用途 金型用高強度アルミニウム合金、自動車構造部材用高強度アルミニウム合金、
高性能クラッシュボックス、傾斜機能遮熱コーティング、軽量・高制振接合材
実
用
例
発泡樹脂用金型(試作)、自動車構造部材(試作)、自動車用クラッシュボックス(開発中)
企 業 へ の 新機能材料の利用・適用拡大(高強度・軽量合金、高制振材料、傾斜機能材料の産業
期 待 ・ P R 基盤技術としての応用)
研究概要・成果
研究概要
成果
・
航空機及び自動車産業で用いる新機能性材料開発として、以下のサブテー
マの研究を実施した。
①傾斜機能材料のアイデアを応用した逐次エネルギー吸収材料の開発
②発泡樹脂金型用高強度アルミ鋳物の開発
③加工熱処理を利用した制振合金の高機能化に関する研究
図1に示すのは、クラッシュボックスに模した深絞り加工したカップであ
り、アルミニウム(A1050)/ジュラルミン(A2017)の6層材より構成されてい
る。各層間での組成の傾斜化(ナノ、ミクロレベル)、カップ上下における硬さ
の傾斜化(マクロレベル)を有している。これにより通常の均質な材料で作製し
たクラッシュボックスに比べて約1.5倍の衝撃エネルギー吸収特性を得ること
ができる。
図2は、結晶粒微細化による高強度アルミニウム合金(Al-Si系)の組織写真で
ある。ここでは、微細化剤としてAl3Ti-Naを用いており、(α−Al母相と共晶組
織ともに、微細化(α-Al結晶粒:60.2→48.5μm、共晶ラメラ間隔:6.3→3.0μm)
に成功し、高強度アルミニウム合金(強度、伸びともに2倍)を得た。現在、こ
の材料に関して、軽量・高強度の発泡樹脂用金型への適用、自動車部品への
適用を企業との共同研究のもとに進めている。
(b)
(a)
Impact load
soft
FGM
A2017
Top
Deep-drawing
direction
A1050
A2017
A1050
A2017
hard
Bottom
A1050
500μm
100 μm
10mm
共晶組織
図1 傾斜機能6層材をベースにしたクラッシュボックス
の開発(カップ写真、模式図及びミクロ組織)
競
特
争
100 μm
初晶Al相
図2 Al3Ti-Naによるアルミニウム合金(AlーSi系)
の結晶粒微細化を示す顕微鏡写真
(a)無添加、(b)微細化剤添加
力 材料高機能化による新機能の発見及びそれを応用した新しい産業分野の開拓
徴
新機能性材料の開発は、航空機産業、自動車産業を活性化する原動力となる。