概要版 - 野洲市

野洲市国民健康保険保健事業実施計画(案)の概要
野洲市国民健康保険保健事業実施計画は、平成28年度を初年度として、市国民健康保険被保険
者の健康寿命の延伸を重要施策に位置づけ、市内の健康課題の縮減に向けて保健事業を計画的に推
進していくために策定するものです。
今後、高齢者の大幅な増加が見込まれる中では、高齢者ができる限り長く自立した日常生活を送
ることができるよう、健康の保持増進の取組を支援する事が重要であり、個々の生活の質を維持・
向上する事は、結果として医療費全体の抑制・適正化にも資するものです。
こうした中、さらなる被保険者の健康保持増進に努めるため、保有しているデータを活用しなが
ら、被保険者をリスク別に分けてターゲットを絞った保健事業の展開や、ポピュレーションアプロ
ーチから重症化予防まで計画的かつ網羅的に保健事業を進めていくとともに、健康・医療情報を活
用し、PDCA サイクルに沿った効果的かつ効率的な保健事業を実施することを目的に計画を策定し
ています。
野洲市国民健康保険保健事業実施計画(案)について
○策定の根拠
国民健康保険法第 82 条第 4 項の規定に基づき、厚生労働大臣が定める国民健康保険法に基づ
く保健事業の実施等に関する指針(平成 16 年厚生労働省告示第 307 号)の一部改正(平成 26 年
厚生労働省告示第 140 号)で「保険者は、健康・医療情報を活用し、PDCA サイクルに沿った効
果的かつ効率的な保健事業の実施を図るため、保健事業の実施計画「データヘルス計画(保健事
業実施計画)」を策定し、保健事業の実施及び評価を行うこと。」とされた。
第 82 条第 4 項
厚生労働大臣は、第一項の規定により保険者が行う健康の保持
増進のために必要な事業に関して、その適切かつ有効な実施を図るため必
要な指針を公表するものとする。
○計画の構成
第1章 計画の基本的事項
当該計画策定の背景と目的、他計画との位置づけ、計画期間について記述しています。
第2章 野洲市の現状
人口構成、医療環境、死亡原因について記述しています。
第3章 データ分析による現状把握
医療費データ、健康データ、介護データの分析による現状把握ついて記述しています。
第4章 健康課題と重点施策
市の健康課題、対策の方向性から見える重点施策、重点施策を踏まえた個別の保険事業の実施
計画について記述しています。
第5章 計画の評価・見直し
計画の評価、見直しについて記述しています。
第6章 計画の推進
計画の公表・周知、推進体制の整備、個人情報の保護について記述しています。
健康課題と重点施策
1
野洲市の健康課題
前章でのデータ分析に基づき、以下のとおり健康課題を抽出し、対策の方向性を導きます。
対策の方向性
データ分析に基づく主な健康課題
医療費データ
狭心症、脳梗塞、脳出血、糖尿病、高血圧
(A)健診未受診者の医療費が高いた
症、脂質異常症・がんといった、生活習慣
め、未受診者の受診率を上げる
病に関係する死亡と医療費の割合が高い
(B)未受診者を減らすことで、医療費
糖尿病が起因となり透析に至る者が多い
の抑制・適正化につなげる
野洲市の特定健診の受診率は、県内トップ
(C)若い頃から、健診を受診し生活習
レベルであるが、未受診者の医療費が高い
慣病の発症を予防すること
ジェネリックの切替率は県内で高いとは
(D)ジェネリック医薬品の推進によ
いえない
り、医療費の抑制・適正化につなげ
若い年齢層の特定健診受診率が低い
る
医療受診勧奨判定値で、男女とも、収縮期
(E)若い年齢の保健指導の利用率を
血圧、LDL、HbA1c に該当する者が多い
上げる
メタボリックシンドローム予備群、該当者
(F)糖尿病性腎症などの治療を受け
とも、男性が該当する者が多い
ている者に、糖尿病重症化予防の取
男性のCOPDの標準化死亡率が高く、肺
がんによる死因が高い
健康データ
約半数の者が体を動かす習慣がない
HbA1c7.0 以上に該当する者が県内で多い。
未治療者においては、県内ワースト1位
保健指導においても、若い年齢層の利用率
が低い
治療中の者でも、適切な治療につながって
いないことや、コントロール不良がある
糖尿病の重症化したイメージがつかめて
対策の方向性から見える重点施策
(1)重点施策
健康意識の向上と生活習慣病の正しい理解の啓発
【対策の方向性 A・B・C・E・F・H・I・K】
生活習慣病の発症を抑える
【対策の方向性 A・B・C・E・H・I・K】
特定健診の受診率・特定保健指導の実施率の向上
【対策の方向性 A・B・C・E・H・I・K】
糖尿病重症化予防の対策
【対策の方向性 A・B・C・E・F・G・J・K】
り組みを行うことで、透析移行を最
小限に抑える
(G)健診異常値放置者が適正に医療
機関を受診することにより、重篤な
人工透析移行者の減少
【対策の方向性 A・B・C・E・F・G・J・K】
合併症の発症を防ぐ
(H)自らの健康課題を正しく理解し、
被保険者が生活習慣予防に取り組め
がん検診の受診率の向上
【対策の方向性 L・M】
るよう推進する
(I)糖尿病等の生活習慣病の予防啓
発や生活習慣の見直しを促す
介護
ないことや、生活習慣の改善が大切である
(J)医療機関との連携強化により、病
ことが理解されていない
状の適切なコントロールにつなげる
知らずに多くの塩分を摂取している
(K)運動習慣の向上や定着を図る
各がん検診の受診率は県平均より低い
(L)喫煙対策の強化を行うとともに、
介護認定を受けている介護保険第 2 号被保
肺がんや COPD に対する対策を進める
険者の原因疾患は、脳血管疾患や糖尿病合
(M)がん検診の受診率向上を図る
併症が多い
2
喫煙対策の強化および COPD 対策
【対策の方向性 L・M】
医療費適正化
【対策の方向性 D】
3
保険事業の実施計画
目標(達成時期:平成29年度末)
対象者
重点施策
事業名
区分
健康づくりの情報の
周知・啓発
健康相談
①健康意識の向
上と生活習慣病
の正しい理解の
啓発
市
民
市
民
-
7学区で実施
H26
43回開催
358人参加(55.1%)
【目的】
自らの健康意識の向上
【概要】
自らの健康意識を高め、健康増進を図る
●生活習慣病・栄養・運動
についての講義と実践教室
1回/年
(2回シリーズ)
継続実施
40歳~74歳
【目的】
生活習慣病の予兆を早期に発見することを目的
【概要】
メタボリックシンドロームに着目し、内臓脂肪の蓄積
を把握することにより、糖尿病、高血圧症、脂質異
常症等の生活習慣病の予防を図る
●無料受診券送付
●広報掲載
●未受診者へ受診勧奨通
知
100%
100%
42歳~64歳*
【目的】
被保険者の健康状態の把握
●スマホdeドックの案内
【概要】
●医療受診対象者へ受診
過去3年間健診の受診履歴もレセプトもない者の健 勧奨
康状態を把握し、健診や医療受診へつなげる
実施
継続実施
18歳~39歳
【目的】
若い頃から健康意識を高め、生活習慣の改善を目
的に健診を実施
【概要】
メタボリックシンドロームに着目し、内臓脂肪の蓄積
を把握することにより、糖尿病、高血圧症、脂質異
常症等の生活習慣病の予防を図る
40~74歳
特定健康診査
被
保
険
者
健康状態不明者対
策
被
保
険
者
特定保健指導事業
被
保
険
者
-
40~74歳
【目的】
生活習慣病の予兆を早期に発見することを目的
【概要】
メタボリックシンドロームに着目し、内臓脂肪の蓄積
を把握することにより、糖尿病、高血圧症、脂質異
常症等の生活習慣病の予防を図る
現状値
【広報】
・健康サロン:毎月
●各自治会より推薦を受け
た委員を中心に、各学区単
位で健康課題や地域の課
題についての取り組みを検
討し、実態に応じた実践活
動へ展開していく
市
民
アウトカム(事業の成果)
指標
特定健診受診率:
54.0%
特定保健指導終了率:
33.3%
特定健診受診率・特定
・がん検診時:年12回
がん検診受診率
保健指導終了率・がん
・乳幼児健診時(1歳半・
胃(4.2%)
検診受診率
2歳半):年36回
大腸(7.9%)
子宮(20.2%)
【特定健診質問票】
乳(14.5%)
1回30分以上運動習慣
なしの者の割合
1回30分以上運動なし:
所内健康相談(週1回)
57.2%
喫煙率
各地域健康サロン(月1
実施
回×6ヶ所)
喫煙率:
【広報】
【目的】
・健康サロン:毎月
健康づくり情報の周知
●健康づくり情報の周知
【概要】
広報・HP・健康サロン・が
・がん検診時:年12回
健康づくりに主体的に取組み、充実した毎日をすす ん検診時・乳幼児健診時
めるための情報発信を行う
【目的】
地域の実情に応じた具体的な健康づくりの実践
【概要】
各地域の健康課題や地域の課題についての取り組
みを検討し、実態に応じた実践活動へ展開していく
健康チャレンジ集団
教室
人間ドック・脳ドック
健診助成
目標値
●所内健康相談
●各地域健康サロン
-
-
被
保
険
者
アウトプット (実施内容)
現状値
【目的】
自らの健康意識の向上
【概要】
健康相談を実施することで、自らの健康意識を高
め、健康増進を図る
市
民
市
民
事業内容
(●継続・★新規)
年齢
健康を考える会
②生活習慣病の
発症を抑える
③特定健診の受
生活習慣病健診
診率・特定保健
指導の実施率の
向上
事業の目的
及び概要
実施体制
特定健診受診率:60%
特定保健指導終了率:
60%
保健年金課
健康推進課
各がん検診受診率5%
向上(県平均並み)
1回30分以上運動なし:
5%以上の減少
喫煙率:男性の喫煙率
の2%減少(県平均並
み)
男性:24.5%
女性:3.0%
●健診票・問診票の送付
★保険証更新時・特定健
診受診券送付時、生活習
慣病健診の案内通知
-
○野洲市ほほえみやす21健康プラン
参加前後のアンケート
参加前後の健康に関す 健康推進課
・継続実施
参加前後の健康に関す
により、委員自身の意識
るアンケート:前後の差
・各学区5回以上の開催
るアンケート:前後の差
や地域活動への取り組
を全てを15%以上にす
・参加率の維持
は5~15%
みの変化
る
実施
1回30分以上運動習慣 1回30分以上運動なし: 1回30分以上運動なし:
なしの者の減少
57.2%
5%以上の減少
特定健診受診率
受診履歴がない者の減
少率
受診者数の向上
H26実績
54.0%
60.0%
567人
10%減少
【目的】
自らの健康状態を自覚し生活習慣の改善を目的
●無料利用券の送付
【概要】
●未利用者へ利用勧奨案
自らの健康課題を正しく理解し、健康増進および疾 内
病予防のための保健指導・健康教室を実施
保険年金課
○特定健康診査・特定保健指導第2期実施計画
H29年度目標受診率 60.0%
*3年間未健診者を確認するため、特定健診を受
けられる年齢40歳から3年後の、42歳からの前期
高齢者64歳までの年齢に絞っている
H26実績
29人
受診者数のうち、国保
(うち国保加入者15人 加入者がしめる割合を
5%増加させる
受診者の51.7%)
(自己負担有り*1参照)
●検診費用の一部助成
●特定保健指導との連携
*
【参考】他計画での目標数値
目標値
保健年金課
健康推進課
150人
33.3%
100%
60%
メタボ該当者及び予備
群の減少
メタボ該当者及び予備
群
29.1%(H26)
メタボ該当者及び予備
群の
20%減少
*人間ドック受診者のうち40歳以上の者が対象
メタボ該当者及び予備
群の減少
メタボ該当者及び予備
群
29.1%(H26)
メタボ該当者及び予備
群の
20%減少
○野洲市国民健康保険特定健康診査・特定保健
指導第2期実施計画
特定保健指導実施目標:60%
メタボ該当者及び予備群の減少:H20(28.3%)と
比較して20%減少。
目標(達成時期:平成29年度末)
対象者
重点施策
事業名
区分
特定健診受診後要
医療対象者受診勧
奨事業
④糖尿病重症化
予防対策
⑤人工透析移行
者の減少
糖尿病重症化予防
事業
平成28年度新規
肺がん検診
被
保
険
者
被
保
険
者
市
民
事業の目的
及び概要
事業内容
(●継続・★新規)
年齢
40~74歳
-
40歳以上
現状値
【目的】
疾病の早期治療を目的
【概要】
健診の結果、受診勧奨判定値以上の者で、その
後、医療機関受診確認ができない者に受診勧奨を
実施
●受診確認できない者へ
状況確認通知
★訪問・電話等の受診勧
奨
【目的】
糖尿病治療を受けている者に対し、糖尿病重症化
●6ヶ月間の集中的な面
予防を行うことで、透析への移行を抑制する
談・電話等による個別指導
【概要】
レセプトから対象者を選定し、生活習慣改善に向け
た個別指導(6ヶ月)を実施
【目的】
肺がんによる死亡を減少させる
【概要】
集団・個別医療機関でのがん検診実施
⑥がん検診の受
診率の向上
アウトカム(事業の成果)
アウトプット (実施内容)
実施
目標値
100%
1回/年
継続実施
-
実施
指標
対象者の受診率
実施体制
現状値
目標値
H26実績
104人通知
69人返戻
内未受診15人
100%
H26実績
HbA1cの値が事業参加 HbA1cの値が事業参加
時点から、改善・維持が
HbA1cの値が事業参加 時点からの改善10人
100%
(19%)、維持36人
時点からの変化
(下欄*2参照)
(69%)、悪化6人
(12%)
保険年金課
健康推進課
○野洲市国民健康保険特定健康診査・特定保健
指導第2期実施計画
★個人通知による受診勧
奨
(自己負担有り*1参照)
がん検診の受診率の向
上
-
がん検診の受診率の向
上
胃(4.2%)
大腸(7.9%)
子宮(20.2%)
乳(14.5%)
受診率:5%
健康推進課 ○野洲市ほほえみやす21健康プラン
胃・大腸・子宮頸・
乳がん検診
平成28年度新規
COPD検診
⑦喫煙対策の強
化およびCOPD
禁煙相談
対策
市
民
被
保
険
者
市
民
【目的】
胃・大腸:40歳以上
がんによる死亡を減少させる
乳房:40歳以上・隔年
【概要】
子宮頸:20歳以上・隔年
集団・個別医療機関でのがん検診実施
40歳~74歳
20歳以上
【目的】
COPDに関する情報提供と早期発見・治療につな
げる
【概要】
COPD検診問診票を個別送付し、4点以上の方に
COPD検診(スパイログラフィ)の実施
●個人通知による受診勧
奨
★未受診者へ受診勧奨
実施
実施
-
実施
実施
継続実施
(自己負担有り*1参照)
★COPD検診問診票の送
付
★COPD検査対象者への
受診勧奨
各がん検診受診率5%
増加(県平均並み)
保険年金課
健康推進課
(自己負担有り*1参照)
【目的】
喫煙率の減少
【概要】
●禁煙教育・相談
禁煙希望者に健康教育を行い、継続的な支援によ
り禁煙をサポートを実施
喫煙者の減少
喫煙率:
男性:24.5%
女性:3.0%
喫煙率:男性の喫煙率
の2%減少(県平均並
み)
○野洲市ほほえみやす21健康プラン
健康推進課
⑧医療費適正化
【参考】他計画での目標数値
喫煙防止教育
市
民
ジェネリック医薬品
差額通知
被
保
険
者
-
【目的】
未成年からの喫煙のきっかけを予防
【概要】
小・中学校へ出向き、喫煙防止教室を実施
●喫煙防止教育
実施
継続実施
-
【目的】
医療費の適正化
【概要】
ジェネリック医薬品への切替による医療費の適正
化・抑制を図る
●差額通知の送付
実施
100%
ジェネリック医薬品への
切替率(人数)
26.1%
(H27.6月)
5%増
保険年金課