2.地区の現況とまちづくりの課題 2-1 地区の現況 (1)人口・世帯数 ・駅前や温泉街などの既成市街地では人口減少が著しく、過去 20 年間で 25%近く減少している。 ・65 歳以上の高齢者の割合が約 25%と、高齢化が進行している。 ▽人口減少・高齢化の進行 (2)産業 ・商業と観光が地区における基幹産業となっている。 ・常磐地区全体で見ると、商業の従業員数、 販売額は増加しているが、駅前の既成市街 地等では空き店舗が増加し、買い物客が郊 外へ流出している。 ・温泉テーマパークへの観光入込客数は増加 しているが、市街地内の温泉客数、観光入 込客数ともに減少傾向にあり、立地条件な どから、双方の結びつきがあまり見られな 湯本駅前の商店街 い。 ▽市街地内の活力低下 ▽市街地内の観光入込客数の減少 湯本駅周辺状況 5 (3)土地利用 ・駅前周辺地区や三函地区の温泉街等では、空き店舗や空き地等の低・未利用 地が増加している。 ・三函地区をはじめとする古くからの市街地では家屋が密集しており、道路が 狭く、防災上危険な状況にある。 ・市街地周辺を丘陵地が取り囲み、少ない平坦部に商業地や温泉地、居住地が 展開されていることから、歩いて移動できる範囲に多様な都市機能がコンパ クトにまとまっている。 ・市街地周辺の丘陵地内には住宅団地が形成されている。 ▽市街地での低・未利用地の増加 ▽既成市街地での基盤整備の遅れ ▽市街地周辺が丘陵地に囲まれている ▽都市機能がコンパクトにまとまっている ▽丘陵地内に住宅団地が形成されている 都市機能が駅周辺に多く存在している (4)道路・交通 ・広域交通の利便性は高いが、国道 6 号や(主)常磐勿来線等では通勤時間等 に交通渋滞が発生している。 ・JR常磐線、国道6号、二級河川湯本川により市街地が分断され、まちの東 西交通に不便をきたしている。 ・三函地区などの既成市街地には、狭あいな道路や不整形な交差点等の危険箇 所が多く、住民や観光客にとって快適な道路や歩行者専用道路が少ない。 ・JR湯本駅周辺は、人々の往来の多い場所であるにもかかわらず、バリアフ リーの整備が遅れている。 ▽JR常磐線、国道6号、二級河川湯本川に よる地区東西の分断 ▽既成市街地内に狭あいな道路等が存在 ▽歩行環境整備の遅れ JR、国道 6 号、湯本川による東西分断 6 2-1 地区の現況 (5)公園・緑地、その他都市施設 ・近隣居住者が気軽に利用できる公園等が少ない。 ・地区東側に整備された 21 世紀の森公園は、スポーツやイベントなど幅広く 利用されている。 ・市街地周辺の丘陵地には豊富な緑地資源が残されている。 ・丘陵地には御幸山公園、観音山公園があり、街並みを一望できる。 ・二級河川湯本川は、豪雨等により度重なる床上浸水が発生しているため、調 節池の整備と併せた河川改修が進められている。 ・公共下水道は、三函、吹谷、笠井等の湯本川の 西側市街地については、概ね整備が完了してお り、東側に位置する八仙、浅貝地区等は未整備 の状況である。 ▽既成市街地における身近な公園の不足 ▽湯本川調節池の多様な利活用検討 御幸山公園内の歩道 (6)都市環境 ・古くから温泉街として発展してきたまちであり、炭鉱時代の繁栄により、湯 本駅周辺の丘陵地に住宅地が開発されたという歴史的背景を有している。 ・温泉街としての景観や風情・雰囲気が不足している。 ・石炭・化石館、いわきゆったり館、温泉神社、さはこの湯等の相互の連携や 回遊性が低いため、温泉のまちとしての一体感がない。 ・神社仏閣や古くからの建築物等の歴史的資源が残されている。 ・河川の自然景観性に乏しい。 ・急傾斜地がコンクリートで覆われ、まちの景観を阻害している。 ▽温泉街としての風情、賑わいの不足 ▽観光施設・歴史的資源相互の連携の不足 ▽景観性に乏しい地域資源 勝行院 温泉神社 7 古くからの建築物 (7)その他 ・常磐支所は、駐車場の確保、市民サービス機能強化・拡充が望まれている。 ・学校や市民会館などの公共施設が一部老朽化している。 ・医療施設、福祉施設は、周辺地域に分散して立地している。 ・公営住宅の入居者の高齢化が進んでいる。 ▽行政サービス機能等の強化 常磐公民館、常磐市民会館 市常磐支所 8 2-2 地区の現況・課題等の整理 いわき市都市計画マスタープランにおける 常磐地区の位置づけと役割 ■いわき市の中核的な都市ゾーンである中央都市ゾーンの一翼を担う拠点 ■湯のまち湯本の個性あふれる地域づくりによる広域拠点機能・観光レクリエ ーション機能・健康福祉機能の充実 ■丘陵地の緑の保全・活用による豊かで住みよい生活環境の形成 常磐湯本地区の現況 人口・世帯数 ・人口減少・高齢化の進行 産 業 ・市街地の活力低下 ・市街地の観光入込客数の減少 土地利用 ・市街地での低・未利用地の増加 ・既成市街地での基盤整備の遅れ ・市街地周辺が丘陵地に囲まれている ・都市機能がコンパクトにまとまっている ・丘陵地に住宅団地が形成されている 道路・交通 ・JR常磐線、国道6号、二級河川湯本川による地区東西の分断 ・既成市街地内に狭あいな道路等が存在 ・歩行環境整備の遅れ 公園・緑地、 ・既成市街地における身近な公園の不足 ・湯本川調節池の多様な利活用の検討 その他都市 施設 都市環境 ・温泉街としての風情、賑わいの不足 ・観光施設・歴史的資源相互の連携不足 ・景観性に乏しい地域資源 その他 ・行政サービス機能等の強化 9 基本理念 ■ 人が育む元気なまちづくり ■ 地域がつながる豊かなまちづくり ■ 暮らしを守るやさしいまちづくり まちづくりの課題 ○ 人口減少に伴う地区の賑わい低下の解消、コミュニティの向上 ○ 地域固有の資源である温泉をまちづくりへ活用 ○ 駅前の商業地区全体の賑わい・活気の創出 ○ 市街地での防災面、安全面の整備 ○ 東西がつながるネットワーク整備の推進 ○ 水、みどり等の自然資源の保全や活用 ○ 都市基盤や買い物環境、福祉環境等の改善・充実 ○ 来訪者を引きつける観光産業の再生 基本方向 ■ 観光資源としての「温泉」の活用 ■ 自然資源の利活用 ■ 居住環境、防災面の向上 ■ 人・地域のネットワークづくり ■ 歩行空間づくり ■ 各種サービス機能の拡充 10 11
© Copyright 2025 ExpyDoc