(KPI)の設定と進行管理

第10章
評価指標(KPI)の設定と進行管理
1.評価指標(KPI)の設定
福島市観光振興計画の実現に向けた施策等の取り組み状況について、定性的・定量的に把握するた
め、以下のとおり評価指標(KPI)を設定します。
指標1
観光客入込数(年間)
指標(KPI)
現状値
目標値
(平成26年)
(平成32年)
観光客入込数(年間)
635万人
670万人
1年間に福島市を訪れる観光客の総数で、観光振興の状況をはかる指標です。
本市の観光客入込数(年間)は、平成 22 年の662万人がピークでしたが、平成 23 年の東日本
大震災や原発事故に伴う風評被害により、平成 23 年には543万人まで落ち込み、その後徐々に
回復傾向とはなっていますが、未だ震災前の水準までは回復していません。
福島市では、平成 32 年の観光客入込数の目標を、震災前の最大値であった平成 22 年の662万
人を上回る年間670万人とします。
指標2
花をテーマにした観光客誘致(年間)
指標(KPI)
花をテーマにした
観光客誘致(年間)
現状値
目標値
(平成26年)
(平成32年)
33万人
45万人
1年間に花観光を目的に福島市を訪れる観光客の総数で、観光振興の状況をはかる指標です。
観光客入込数と同様に、花観光を目的とした本市の観光客数(年間)は、平成 22 年の42万人
をピークに減少しています。
福島市では、計画に基づく花観光スポットの環境整備等による施策の展開により観光客誘致を進
め、平成 32 年の花観光客の誘致の目標を年間45万人とします。
福島市観光振興計画
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指標3
市内温泉地宿泊客数(年間)
指標(KPI)
市内温泉地宿泊客数
(年間)
現状値
目標値
(平成26年)
(平成32年)
95万9千人
108万人
1年間に福島市の3つの温泉地の宿泊客数の合計で、温泉地の活性化の状況をはかる指標です。
市内温泉地の宿泊客は、震災以前から減少傾向にありましたが、震災による旅館の廃業や風評被
害により、さらに宿泊客は減少し、平成 17 年の129万人から平成 23 年には98万人にまで落ち
込みました。
福島市では、震災からの復旧・復興事業や計画に基づく個性豊かな温泉地づくりを進め、平成 32
年の市内温泉地宿泊者数の目標を、震災前の平成 22 年の106万人を上回る年間108万人とし
ます。
また、温泉地ごとの宿泊者数の目標を、それぞれの現状等を勘案し、以下のとおり設定します。
指標4
飯坂温泉宿泊客数(年間)
指標(KPI)
飯坂温泉宿泊客数(年間)
指標5
目標値
(平成26年)
(平成32年)
70万5千人
76万5千人
土湯温泉宿泊客数(年間)
指標(KPI)
土湯温泉宿泊客数(年間)
指標6
現状値
現状値
目標値
(平成26年)
(平成32年)
16万1千人
20万5千人
高湯温泉宿泊客数(年間)
指標(KPI)
高湯温泉宿泊客数(年間)
現状値
目標値
(平成26年)
(平成32年)
9万3千人
11万人
福島市観光振興計画
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指標7
外国人延べ宿泊者数(年間)
指標(KPI)
外国人延べ宿泊者数
(年間)
現状値
目標値
(平成26年)
(平成32年)
4,632人
1万9千人
1年間に福島市に宿泊する外国人の延べ人数で、インバウンドの状況をはかる指標です。
本市に宿泊する外国人(年間)は、震災前の平成 22 年には1万3千人でしたが、平成 23 年の東
日本大震災や原発事故に伴う風評被害により極端に落ち込み、今も尚震災前の4割以下となってい
ます。その後徐々に回復傾向とはなっていますが、未だ震災前の水準までは回復していません。一
方で、国のビジット・ジャパン・キャンペーン等により訪日外国人旅行者は年々増加し、平成 26
年には 1,341 万人を上回りました。
福島市では、2020 年の東京オリンピック・パラリンピック開催に向け、今後ますます拡大が予
想されるインバウンド市場を見据え、外国人観光客の受入環境の整備等を積極的に進め、平成 32
年の外国人延べ宿泊者数の目標を年間1万9千人とします。
2.アクションプログラムの策定及びPDCAサイクルによる事業検証
この計画の実効性を担保し、施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、この計画に位置づけた推
進施策に基づき行政・民間が実施する事業をとりまとめたアクションプログラムを策定します。
また、アクションプログラムに位置づけた各事業について、毎年度PDCAサイクルによる検証を
行い、年度ごとの取り組みの実施状況、事業評価、KPIの目標達成状況等を的確に把握し、各施策
を着実に推進します。
3.観光マーケティングと観光統計の整備
計画の管理・評価と着実な事業推進のためには、社会情勢や本市を訪れる観光客の動向を的確に把
握し、ターゲットの絞込みや、多様化する観光客ニーズに柔軟に対応する事業の立案・実施を行う必
要があります。
このため、これまで本市が行ってきた観光客入込統計等の各種統計調査について、より高度な観光
統計の調査方法の確立を目指すことに加え、必要に応じてマーケティング調査を実施するほか、国の
宿泊旅行統計調査をはじめとする各種データの収集や、RESAS(地域分析システム)の活用等に
より観光統計の整備を図り、本市を取り巻く観光客の動向や市場ニーズを的確に捉えていくことに努
めます。
福島市観光振興計画
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4.行政と民間が一体となった計画管理体制の構築
計画の進行管理(KPIの目標達成度、施策・事業の進捗状況など)のため、行政においては、庁内関
係部局の情報共有と連携を強化するための庁内推進組織を設置します。
また、計画の進行管理に関する意見や提言を求める外部組織「(仮称)福島市観光振興計画推進会議」
を設置し、行政と民間が一体となった管理体制の構築を図ります。
福島市観光振興計画
D
推進
アクションプログラム
検証
P
Do:実施
C
Plan:計画
Check:検証
A
評価指標(KPI)
現況把握
進行管理
Action:次の行動
意見・提言
◇観光マーケティング調査
◇(仮称)福島市観光振興計画推進会議
◇観光統計整備
◇庁内推進組織
福島市観光振興計画
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