FDA UDI規制についてのまとめ(第4版) ―理解の不一致を回避するための情報共有として― (1)有効期限の 日付表示 ○すべて数字にする。 配列 YYYY-MM-DD 西暦4桁月2桁日2桁 ○日にちの区切りとして“-”(ハイフン)を入れる。 例 2018-1231 計8桁 (ISO-8601規格参照) 計10桁 (2)UDIの表示 UDIの表示は機器識別子(略称 DI: Device Identifier)と製造識別子(略称 PI: Production Identifier)で構成される。 ○機器識別子(略称DI: Device Identifier): いわゆる固定情報であり、機器があるかぎりデータ不変。 具体的には製品コード(GTIN)、製造業者名 ○製造識別子(略称PI: Production Identifier): いわゆる可変情報であり、その都度データが変わる。 具体的には有効期限、ロット番号、シリアル番号 (3)クラスⅠ機器への表示項目 クラスI機器には、製造識別子(略称PI )、つまり有効期限、ロット番号、シリアル番号を表示する必要がない。ただし、 機器識別子(略称DI) としての製品コード(GTIN)は表示必要。 (4)ダイレクトマーキング Direct Markingの耐用年数の考え方 医療機器自体の耐用年数が決まっていれば、耐用期間はダイレクトマーキングも同様の耐用 にすると(ここでは)解釈できる。 医療機器の耐用年数 = ダイレクトマーキングの耐用年数 (5)スタンドアローンソフトウェアへのUDI表示方法 スタンドアローンソフトウェアは医療機器を稼働するための単独ソフトウェアをいう。DVD, CDなど。 スタンドアローンソフトウェアをUDI識別する場合、該当医療機器のプログラム起動時の開始表示画面にヒト が視認できる文字列としてUDI情報を表示する。バーコードは表示画面に不要。 画面表示例: 製品名称 ソフトウェア名称 ソフトウェアの製品コード バージョン番号 等 (6)スタンドアローンソフトウェアの包装へのUDI表示方法 生命維持装置、延命装置、クラスⅢ・Ⅱ・Ⅰ機器のスタンドアローンソフトウェアがCD、DVD、USBなど記録媒 体で供給する場合は、その個装、中箱、外箱にUDI情報、バーコードを表示する。 (7)コンビニエンス・キット製品へのUDI表示 医療従事者の操作や利便性(=コンビニエンス)実現のために、全体パッケージに構成する機器(例:A、B、 C、・・・)を同一梱包(=キッティング)したもの。各機器へのUDI表示は不要である。全体パッケージへのUDI 表示は必要である。 A 構成機器 A B 構成機器 B C 構成機器 C UDI表示は不要 全体パッケージ UDI表示は必要 (8) コンビネーションプロダクト(医薬品と医療機器などが同梱された製 品)のUDI表示 コンビネーションプロダクト(医薬品と医療機器などが同梱された製品)は、その構成機器へのUDI表示は 不要とする。 コンビネーションプロダクトの全体パッケージ(外装箱)にはUDI表示必要。 例:プレフィールドシリンジ、薬剤塗布型ステント/バルーン、抗菌剤塗布型カテーテル (9)クラスⅢ、Ⅱ、Ⅰ機器で複数回再処理して使用する機器本体へのUDI 永久表示 複数回再処理(清浄・消毒・滅菌を含む)する機器本体にはUDIを永久表示する。 例:鋼製器具本体に①レーザーダイレクトマーキング、②ドットピンダイレクトマーキングで二次元シンボルの データマトリックスを表示する。 ダイレクトマーキングの除外となる製品は、 ○1か所に据付けられた後移動することのない機器 ○体外診断用医薬品 等 ダイレクトマーキングの除外となる製品は、その除外情報をメーカーが「設計履歴ファイル」に記載することが求め られる。FDA 連邦広報によって、UDI表示の除外/代替手段についての申請手続き手順は明文規定されている。 (10) 生命維持装置、延命装置で複数回再処理して使用される装置は UDIの永久表示が必要 (11)埋込み機器(インプラント機器)へのUDI表示適用は免除 埋込み機器(インプラント機器)本体へのUDIの永久表示は不要。 最終規則で免除された。 例 ペースメーカー本体、人工骨本体、人工関節本体 ※個装、中箱、外箱のUDI表示、バーコード表示は必要 (12)単回使用機器(シングルユースデバイス:略称SUD)の永久的なUDI 表示は除外 単回使用機器に対しては、以下の3条件をクリアすればUDI表示とデータベース登録が除外される。 ①一まとまりの梱包として流通させられるもの。 ②その梱包された状態で、使用まで梱包状態から取り出さないもの。 ※「使用」とは、臨床現場 における医療機器の開封使用であり、物流仕分け、梱包の小分けのた めの梱包の開封使用ではない。 ③個別に流通させることを目的としていないもの。 GS1-128 バーコード (01)GTIN 製品識別番号 (17)有効期限 (10)バッチ/ロット番号 GMDN : 医療機器の国際的な製品名称のこと。 Global Medical Device Nomenclature の略称 グローバル医療機器固有識別データベース 仕組図 FDA UDI規則の施行日一覧表 機器クラス分類 ラベル表示・グローバル UDI データベース登録・遵守日 ダイレクトマーキング クラスⅢの生命維持装置・延命装置は クラスⅢ機器(クラスⅢの生命維持装 2015 年 9 月 24 日までに UDI の永久表 置・延命装置を含む) 示が必要 2014 年 9 月 24 日 米国公衆安全サービス法(PHS Act)で 上記以外の全てのクラスⅢ機器は 承認された機器 2016 年 9 月 24 日までに UDI の永久表 示が必要 埋め込み機器(クラスⅡ、Ⅰ、未分類 機器を含む) 生命維持装置・延命装置(クラスⅡ、 Ⅰ、未分類装置) クラスⅡ機器(埋め込み機器、生命維 持装置・延命装置を除く) 2015 年 9 月 24 日 適用なし(N/A : Not Applicable) 2015 年 9 月 24 日 2015 年 9 月 24 日 2016 年 9 月 24 日 2018 年 9 月 24 日 2018 年 9 月 24 日 2020 年 9 月 24 日 クラスⅠ機器または未分類の機器(埋 め込み機器、生命維持装置・延命装 置を除く)
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