平成28年(2016年)2月号 特定社会保険労務士 特定社会保険労務士 松本ユミ事務所便り 労働保険事務組合 愛和会 連絡先:〒270-0163 千葉県流山市南流山2-28-3 TEL;04-7158-1980 FAX;04-7158-1981 e-mail;[email protected] ------------------------------------------------------------------------------------------------------号 最近の動き ●ドン・キホーテ 違法な長時間労働疑い(1/28) 大手ディスカウントストア「ドン・キホーテ」 が従業員 に違法な長時間労働をさせたとして、東京労働局過重 労働撲滅特別対策班(通称かとく)は28日、労働基準 21月号 法違反容疑で法人としての同社と支社長ら8人を東京 地検に書類送検した。労基法に基づく労使協定(三六 平成 19年(2007年)7月号 協定)で定めた協定では3カ月で 120 時間が上限だっ たが、最長で 415 時間 45 分の時間外労働をさせてい たという。(時事通信) ●企業内保育所の助成条件の緩和を検討 政府 (1/27) 政府が「子ども・子育て会議」を開催し、社員向けの 保育所を整備しやすくするための新たな助成計画を示 した。新設の企業内保育所に対して、一定数の保育士 を配置するなどの条件を満たした場合に地域の子ども を受け入れなくても整備費や運営費、テナント賃料を 補助できるようにする。2017 年度から実施する予定。 ●がん患者の退職防止に向け指針策定へ(1/26) 厚生労働省は、がん患者が仕事と治療を両立できる よう、医師が仕事内容を把握し、短時間勤務などにつ いて企業側に配慮を求める仕組み作りを検討する。現 在、がんと診断された後に退職する人は3割超。同省 は今年2月にも指針を示す考え。 ●厚生年金 故意の加入逃れに刑事告発を検討 (1/19) 塩崎厚生労働大臣は、厚生年金への加入逃れをし ている事業所への立入り検査を強化し、悪質な事業主 については刑事告発を検討する方針を明らかにした。 刑事告発はこれまでも法律上は可能だったが、実施し た例はなかった。加入逃れの可能性のある約79万事 業所について、すでに厚生労働省・日本年金機構によ る調査が行われている。 ●非正規労働者が主稼得者の世帯、「世帯貯蓄なし」 27.9%(1/14) 連合総合生活開発研究所が 14 日発表した第2回「非 正規労働者の働き方・意識に関する実態調査」結果に よると、非正規労働者が主稼得者の世帯では、世帯貯 蓄が「ない」とする割合は 27.9%。男性が主稼得者世 帯の 29.5%、女性が主稼得者世帯の 33.3%は、世帯 収入が 200 万円未満。 ●「労働基準法改正案」今国会での提出見送りへ (1/12) 政府・与党は、労働時間ではなく成果に対して賃金 を払う「脱時間給」制度などを盛り込んだ労働基準法改 正案について、今通常国会での提出を見送り、秋以降 に先送りする検討に入った。昨年の通常国会からの継 続審議となるが、野党の反発が強く夏の参院選を控え ての会期延長は難しいため、成立を先送りにする案が 出ている。 均等法・育介法改正で「マタハラ防止」を企業に 義務付けへ ◆男女雇用機会均等法、育児・介護休業法の改正 政府は、今国会に提出している男女雇用機会均等 法と育児・介護休業法の改正案の中に、女性らが妊娠 や出産を理由に不利益を被るマタニティーハラスメント (マタハラ)の防止策の企業への義務付けを盛り込む 方針を明らかにし 2017 年 4 月からの実施を目指すとし ています。 ◆就業規則へ盛り込むことなどを義務付け 具体的には、マタハラ行為を禁止する規定を就業規 則に盛り込むことや相談窓口の設置、社員研修の実施 などを企業に求めることとします。 派遣社員も防止策の対象とし、違反した企業名につ いて公表する方針です。 ◆最高裁判決や厚労省調査を受けて判断 現行の男女雇用機会均等法でも、事業主に対して、 妊娠や出産を理由にした解雇や降格は禁止していま すが、職場の上司や同僚が「長く育休を取得されると 迷惑」「辞めたらどうか」などと発言するのは、事業主が 発言を指示した場合などを除けば違法とはなっていま せん。 マタハラをめぐっては、2014 年 10 月に、妊娠による 降格が男女雇用機会均等法に違反するという最高裁 判決が出ています。また、昨年 9~10 月に厚生労働省 が実施した調査では、妊娠や出産、育児をした女性の うちマタハラを受けた人の割合は、派遣社員 48.7%。 正社員21.8%、契約社員13.3%、パート 5.8%となって おり、経験したマタハラで最も多かったのが「『迷惑』 『辞めたら?』など権利を主張しづらくする発言」でし た。 政府は、現行法のままでは、上司や同僚の言動で休 みを取りづらい雰囲気が作り出されている実態には対 応しきれないと判断し、昨年11月に発表した“一億総 活躍社会”実現への緊急対策で「妊娠、出産などを理 由とする不利益取扱いを防止するため法制度を含め 対応を検討する」と盛り込んでいました。 ◆“一億総活躍社会”の実現に向けた政策の一環 マタハラ対策の強化は、安倍政権が掲げる“一億総 活躍社会”実現に向けた政策の一環です。働く女性が 妊娠・出産をしやすい労働環境をつくり、出生率1.8の 実現につなげたい考えです。 どのような言動がマタハラにあたるかは厚生労働省 令で詳細を定めるようですが、上司や同僚による嫌が らせ発言が対象となる見込みです。 調査結果にみる障害年金受給者の就労の実態 ◆障害年金を受給しながら働く人の賃金は? 厚生労働省は12月下旬に「平成26年障害年金受給 者実態調査」を発表し、障害年金を受け取りながら仕 事をしている人の半数近くは年間の賃金が50万円に 届かないことがわかり、障害年金受給者の厳しい経済 状況が浮き彫りになりました。 ◆働く受給者は約 28% この調査は、障害年金受給者(約 194 万人)のうち無 作為に抽出した2万3,000人を対象に実施されました。 国民年金・厚生年金の受給者合計で約 28%(約54 万人)の人が就労していると推計され、就業による年間 収入が 200 万円未満という人が 81.1%、50 万円未満と いう人が 47.5%にも及びました。 一方、年間収入 400 万円以上の人は 5.7%でした。 ◆調査結果を詳しくみると… 年齢階級別で就業率をみると、「20~24 歳」では、国 民年金受給者のうち 56.9%、厚生年金受給者のうち 60.4%が就労していますが、年齢が上がるにつれて就 業率はおおむね下がっています。 また、障害等級別にみると、障害の程度が軽くなる につれ就業率が高くなる傾向にあります。 1 週間あたりの就業時間については、厚生年金受給 者は「30~40時間」が 25.1%と最も多く、国民年金受 給者は「0~10時間」が 24.3%と最も多くなっており、 全体では約4割の人が週20時間未満の就労であるこ とがわかりました。 ◆障害年金の公正化を 近年、障害年金認定の地域間格差や障害年金受給 者の支給停止、不支給決定等の問題が相次いで表面 化していますが、この調査結果を受けて、障害年金の 公正化を望む声がますます高まっていくものと思われ ます。 実効性のある制度として再注目! 「永年勤続表彰制度」を見直してみませんか? ◆古典的でも効果は大きい「永年勤続表彰制度」 多くの企業で人材不足問題への対応が急務となっ ているなか、“人材の確保”や“モラールの向上”といっ た観点から福利厚生制度の重要性が増していますが、 特に効果が大きい制度として注目を集めているのが、 「永年勤続表彰制度」です。 「終身雇用時代でもあるまいし、今どき古くさい」と思 われるかもしれませんが、実は、特に中堅・中小企業 においては、同制度を設ける企業は増加傾向にあるよ うです。 公平感があること、会社への帰属意識・一体感を高 める効果があることが、その大きな理由となっていま す。 ◆制度の効果を高めるために せっかく制度を設けるのであれば、より効果を高める ために、戦略的な“仕掛け”も施したいものです。 かつては副賞として、名前入りの楯や時計、万年筆 といった記念品を贈るのが一般的でしたが、あまり歓迎 されませんでした。そこで現在は、社員のやる気向上 につなげるために、カタログギフトや商品券・旅行券な ど、選択の自由度が高いものを贈るのが主流になって います。 例えば、旅行券と休暇をセットとしてリフレッシュに役 立ててもらうことをねらう企業も増えています。 ◆税務上の注意点 永年勤続表彰の記念品等の支給にあたっては,(1) 利益の額が勤続期間等に照らして社会通念上相当と 認められ、(2)勤続年数が概ね10年以上である人を対 象にしており、(3)2回以上表彰を受ける者は前の表彰 から概ね 5年以上の間隔が空いている場合には、給与 として課税しなくてもよいことになっています。 この要件を1つでも満たさない場合、支給した記念 品等の時価が給与として課税されます 事務所からのお知らせ 労働保険料の第3期の納付はお済ですか? 労働保険事務組合愛和会への委託事業所は、1月 末日までとなっています。それ以外の個別納付は2 月 14 日までとなっております。
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