ゲームデザイン 熾天使長閣下 1 2 3 4 5 6 1 2 3 4 5 6

ゲームデザイン
熾天使長閣下
▼はじめに
このゲームは、おしゃべりをしたり、サイコロを振ったりしながら物語を
作り上げていく「テーブルトーク・ロールプレイング・ゲーム」
(TRPG)
です。忍耐強いゲームマスター1人とプレイヤー3~4名で遊びます。
▼ゲームの説明
このゲームの舞台は極貧の集落です。この寒村では食い扶持を減らすため
高齢になった老人は「デンデラ野」と呼ばれる荒涼の地に捨てられるという
厳しい掟がありました。
プレイヤーキャラクターはこの寒村に生きるババアです。手足は痩せ衰え
目はめしいて耳は聞こえづらくなりました。偏屈で、集落の皆から疎まれて
います。あなたが恐れることはただひとつ、デンデラ野に捨てられること。
あなたの目的は他のババアどもを蹴落とし、村に居座り続けることです。
●「②MVBの決定」
MVBとは「Most Vicious BABAA」
(訳:吐き気をもよおすほど邪悪な
ババア)の略です。直前の「①寒村の日常風景」において、いちばんひどく
「こいつはデンデラ野に捨てた方がいいな」と思わせるようなロールプレイ
を行ったプレイヤーキャラクターをMVBとして選出します。
各プレイヤーは自分以外のプレイヤーひとりを指名してください。指名は
全員同時に行っても、1人ずつ順番に行っても構いません。いちばん多くの
指名を獲得したプレイヤーはMVBとなり【デンデラ・ポイント】
(後述)
を1点得ます。
いちばん多くの指名を得たプレイヤーが複数いる場合は、ゲームマスター
がいずれかのプレイヤーに一票を投じ、MVBを選出してください。
●「③デンデラ・ゲージの増加」
デンデラ・ゲージとは集落における「老人をデンデラ野に連れて行こう」
という機運の高まりを数値的に表すものです。デンデラ・ゲージの初期値は
0であり、プレイヤー全員でひとつのゲージを共有します。
GMから時計回りに一人ずつ6面体サイコロを2個振り、出目の合計ぶん
デンデラ・ゲージを増加します。ただし、
や
のようなゾロ目が
出た場合は特殊な効果が発生します。出目の合計ぶんデンデラ・ゲージを増
加させる代わりに、下記の表を適用してください。
出目にかかわらずデンデラ・ゲージを一切増加させない。
デンデラ・ゲージを4増加させるか、4減少させる。どちらかを
任意に選択すること。
デンデラ・ゲージを6または12増加させる。どちらかを任意に
選択すること。
▼ゲームの準備
各プレイヤーは「6面体サイコロを2~4個」
「キャラクターの名前等を
書き記すための紙と筆記用具」を用意してください。
デンデラ・ゲージを8増加させるとともに【デンデラ・ポイント】
を1点獲得する。
デンデラ・ゲージを10増加させる。さらに、次のプレイヤーは
デンデラ・ゲージの増加を2回行う。
▼キャラクターの作成
各キャラクターは下記の「欠点決定表」を2回振り、
【欠点】を2つ獲得
してください。同じ【欠点】が2回出た場合、別の【欠点】を獲得するまで
表を振りなおしてください。他にキャラクターの名前や特徴等を決定したら
キャラクター作成は終了です。
デンデラ・ゲージを12増加させるとともに、
【欠点】をひとつ
追加で獲得する。
(D66で決定すること)
欠点決定表(D66)
1
1
2
3
4
5
6
3
4
5
強欲
耳が遠い
2
酒癖が悪い
ひどい腰痛
お節介焼き
莫大な借金がある
嫉妬深い
目が悪い
呪われている
ひどい関節痛
下品
実は男(オカマ)
怠け者
息が臭い
壺を拝む習慣がある
高血圧
根暗
実は呪術師
怒りっぽい
非力
たまに奇声をあげる
心臓に持病がある
守銭奴
実は妖怪
色情狂い
足腰が立たない
悪口を言いふらす
パラノイア
頑固
実は小林幸子
高飛車
大飯食らい
人の話を聞かない
認知症
意地悪
クッキーを焼きまくる
▼ゲームの進め方
ゲームは「①寒村の日常風景」
「②MVBの決定」
「③デンデラ・ゲージの
増加」という3つのプロセスで構成されており、①→②→③→①→②……と
それぞれのプロセスを繰り返すことで進行します。
●「①寒村の日常風景」
GMから時計回りに一人ずつ「寒村での日常生活」の様子を演出します。
このプロセスでは、各プレイヤーキャラクターは自らの【欠点】を活かして
「こいつはデンデラ野に捨てた方がいいな」と思わせるようなロールプレイ
を行ってください。遠慮はいりません。
たとえば、
「嫁が作った食事の味付けが濃い」
「孫が嫁に似て可愛くない」
「地主の取立てが厳しい」
「寒波で凍える」
「息子が嫁にばかり肩入れする」
などの状況を自由に設定し、それに対して文句を言ったり悪態をつくような
ロールプレイを行うと良いでしょう。
この際、嫁役としてGMを呼び出したり、他のプレイヤーキャラクターに
登場してもらい一緒にロールプレイを行っても構いません。
すべてのプレイヤーキャラクターが寒村での日常風景を演出し終えたら、
次に「②MVBの決定」に進みます。
6
いずれかのプレイヤーがデンデラ・ゲージを増加させた結果、ゲージの値
が60(プレイヤーが3名の場合は45とします)以上となった場合、その
プレイヤーのキャラクターは敗北し、非情にも村人たちによってデンデラ野
に連れて行かれることとなります。GMは情景を描写してください。
ゲームはこれで終了です。
▼デンデラ・ポイント
「③デンデラ・ゲージの増加」においてサイコロを振る前に、自身が獲得
している【デンデラ・ポイント】を1点使用するごとに、振るサイコロの数
を+1個することができます。こうして振られたサイコロの中から、任意に
2個を選択しデンデラ・ゲージを増加させてください。
【デンデラ・ポイント】は一度に複数点使用しても構いません。
たとえば、
【デンデラ・ポイント】を1点使用してサイコロを振った際、
出目が●●●であった場合、●と●を選択しデンデラ・ゲージを8増加
させても良いですし、●と●を選択しゾロ目の特殊効果を発生させること
を選んでも構いません。