IT標準化戦略委員会 - 一般財団法人 日本規格協会

平成 16 年度
IT 標 準 化 戦 略 委 員 会
成 果 報 告 書
平成 17 年 3 月
財団法人
日本規格協会
情報技術標準化研究センター
はじめに
近年、情報通信技術(IT)の標準化に基づいた新たな社会システムの導入が進められてい
る。平成17 年冒頭の通常国会に、IC チップを内蔵する旅券の発給に関する旅券関連法案
の改正法案が上程されているが、そこに利用される IC チップ機能やバイオメトリックス技
術に関しては、(財)日本規格協会 情報技術標準化研究センター(INSTAC)の標準化研
究の成果が貢献している。また、バリアフリーに関する国際標準化は現在大きな課題とな
っているが、ここにおいても、INSTAC 自主事業をして立ち上げ、その後国費の支援を得て
標準化研究を行った成果が基本となっていることは国際的にも広く認識されている。
これらは、INSTAC に設けた委員会である IT 標準化戦略委員会において検討され、その
提案により活動が開始された経緯がある。現時点に検討が継続されている活動の中にも、
国内及び国際で貢献が期待されるものは少なくない。
従来は、IT 技術の専門家が標準化に相応しい課題として認識したものの中から、精査し、
標準化に投入できる資源を勘案して、標準化研究課題として採択してきた。この基となる
課題リストはロードマップとしてまとめ、また管理してきた。初期のロードマップは、標
準化の可能性や状況、標準化の目標時期、標準を作成する意義を含むものであった。
一方、標準化事業に一層の効率化を求める要請に応じて、標準化課題の抽出に体系的な
手法が必要であるという議論が起きた。
この中で、バリアフリーの例に見られるように、標準化のアプローチ自体が明らかでな
いが世界に先駆けて標準開発を試みる場合や、IC チップを内蔵する旅券のように、世界的
にセキュリティ維持を求める認識の高まりから成熟しつつある技術を用いて早急に標準開
発を行う事例など、が存在することが分析された。いわば、標準化対象の成熟度に関する
整理であり、成熟の段階により標準化の取り組みを異にするが、いずれの段階においても
標準化の意義が存在する。
また、標準化が公的要請に基づくものか、市場の拡大を目的とするものか、あるいは消
費者の利便の拡大を狙うものかなど、基本認識による整理が行われた。この様な整理に基
づく標準化の優先度評価は、経済産業省の立場(公的視点)に立つ場合と産業(企業)的
視点とでは案件ごとに結果を異にする。前者の立場により優先度評価の値が高いものは、
自主的に標準化研究を開始したとしても公的資金により支援を期待することができる。他
方、産業的評価の高いものは、工業会などの標準として先ず完成を試みる候補となる。
このような多面的評価により、効率的かつバランスのとれた標準化目標を設定できるも
のと考えている。
本報告は、昨年度に継続して取り組んだ成果を示すものとなっている。
平成17 年 3 月
IT 標準化戦略委員会 委員長
浅野正一郎
目次
1.委員構成 …………………………………………………………………………………1
2.委員会審議経過 …………………………………………………………………………4
3.活動報告
3.1 IT 標準化戦略委員会活動報告……………………………………………………6
3.2 IT 標準化戦略委員会幹事会活動報告……………………………………………7
3.2.1 概要
3.2.2 INSTAC 標準化活動に関する状況の確認
3.2.3 標準化テーマ抽出のための枠組みの整理
3.2.4 今後の INSTAC 標準化活動への提言
3.3 IT 標準化戦略委員会ロードマップWG活動報告 ……………………………13
3.3.1 検討経緯
3.3.2 テーマのくくり方
3.3.3 評価の試行
4.今後の課題………………………………………………………………………………37
<附属資料>
A:INSTAC 委員会・実績報告
A-01:「将来型文書統合システム」に関する標準化調査研究委員会…………………39
A-02:「業務オブジェクト共有技術」に関する標準化調査研究委員会
A-03:「グリッドコンピューティング」に関する標準化調査研究委員会
A-04:「XML 適用関連」に関する標準化調査研究委員会
A-05:「知的ソフトウェアによる生活者支援」に関する標準化調査研究委員会
A-06:「コンテンツ流通市場形成」に関する標準化調査研究委員会
A-07:「e-Book」に関する標準化調査研究委員会
A-08:「オープンソースソフトウェア」に関する標準化調査研究委員会
A-09:「マルチメディア・コンテンツに係る画像処理技術」に関する標準化調査研究委員会
A-10:「情報とドキュメンテーション」に関する標準化調査研究委員会
A-11:「ソフトウェア製品の品質改善」に関する標準化調査研究委員会
A-12:「情報セキュリティのマネジメント及び評価基準」に関する標準化調査研究委員会
A-13:「ソフトウェア製品の生産性向上」に関する標準化調査研究委員会
A-14:「情報アクセシビリティ国際標準化」に関する標準化調査研究委員会
A-15:「耐タンパー性」標準化調査研究委員会
A-16:「JIS情報処理用語」標準化調査研究委員会
B:IT 標準化戦略委員会幹事会資料
B-1: 平成 16 年度 INSTAC 実施体制……………………………………………………65
B-2: INSTAC 標準化活動概略図
B-3: INSTAC 標準化活動実施状況
B-4: 市場の発展段階の定義
B-5: ロードマップアウトプットの利用
B-6: ロードマップアウトプットの INSTAC 事業への反映
B-7: IT 標準化戦略委員会の継続運用
B-8: INSTAC 委員会構成の移行(案)
C:IT 標準化戦略委員会ロードマップWG資料
C-1: 情報家電……………………………………………………………………………75
C-2: 電子商取引
C-3: 電子政府
C-4: 文化・教育
C-5: ヘルスケア
C-6: コンテンツ産業
C-7: アクセシビリティ
C-8: 通信・ネットワークコンピューティング
C-9: セキュリティ
C-10: ソフトウェア
C-11: その他
<参考資料>
D-1: 新産業創造戦略のポイント………………………………………………………98
D-2: 平成 16 年度工業標準化業務計画の主要なポイント(案)
D-3: 「国際標準化活動基盤強化アクションプラン」について
D-4: 平成 15 年度提案されたテーマ評価方法
D-5: 用語集
D-6: 参考URLリスト
1.
委員構成
種別
委員長
委員
委員
委員
委員
委員
委員
委員
委員
委員
委員
委員
委員
委員
委員
委員
委員
委員
委員
委員
委員
委員
委員
委員
委員
委員
委員
委員
事務局
事務局
事務局
事務局
事務局
事務局
事務局
事務局
事務局
浅野
池田
芦田
今井
遠藤
小野
小柳
河内
車谷
桑山
小町
小松
瀬戸
坂尾
嶋田
竜田
棟上
戸叶
長野
成田
野村
平野
堀内
松本
山田
山本
山口
伊藤
木村
関
山形
山中
渡会
加山
吉川
内藤
宮古
氏名
正一郎
克夫
元之
秀樹
直樹
文孝
義夫
浩明
浩一
哲郎
祐史
尚久
和吉
隆
隆
敏男
昭男
秀晴
宏宣
博和
茂豊
芳行
一
勉
肇
喜一
兆一
章
高久
達雄
薫
正幸
一郎
英男
明雄
昌幸
牧子
IT 標準化戦略委員会 名簿
所属
情報・システム研究機構 国立情報学研究所 情報基盤研究系
大阪工業大学 情報科学部
沖電気工業(株) システムソリューションカンパニー
東京大学 生産技術研究所
東芝ソリューション(株) SI技術開発センター
東京工芸大学 工学部
東京大学 大学院情報理工学系
(社)電子情報技術産業協会
(独)産業技術総合研究所 サイバーアシスト研究センター
キヤノン(株)国際標準企画センター
パナソニックコミュニケーションズ(株) ネットワークテクノロジー開発センター
早稲田大学 理工学部
経済産業省 産業技術環境局
松下電器産業(株) 中尾研究所
経済産業省 商務情報産業局
日本IBM(株) AP標準
東京工科大学 メディア学部
三菱電機(株) インフォメーションシステム事業推進本部
NTTコムウェア(株) ビジネス創出部
富士通(株) プロダクト事業推進本部
(株)日立製作所 情報・通信グループ事業企画本部
日本電気(株) 政策調査部
東京国際大学 商学部
横浜国立大学 大学院環境情報研究院
東洋大学 経済学部
慶應義塾大学 理工学部
(株)日本総合研究所 サイエンス事業部
(財)日本規格協会 情報技術標準化研究センター
(財)日本規格協会 情報技術標準化研究センター
(財)日本規格協会 情報技術標準化研究センター
(財)日本規格協会 情報技術標準化研究センター
(財)日本規格協会 情報技術標準化研究センター
(財)日本規格協会 情報技術標準化研究センター
(財)日本規格協会 情報技術標準化研究センター
(財)日本規格協会 情報技術標準化研究センター
(財)日本規格協会 情報技術標準化研究センター
(財)日本規格協会 情報技術標準化研究センター
1
種別
主査
幹事
委員
委員
委員
委員
委員
委員
委員
委員
委員
委員
委員
委員
委員
事務局
事務局
事務局
事務局
事務局
事務局
事務局
事務局
事務局
事務局
山本
野村
浅野
芦田
遠藤
木村
小町
勝亦
竜田
戸叶
長野
成田
平野
山田
山口
伊藤
木村
関
山形
山中
渡会
加山
吉川
内藤
宮古
氏名
喜一
茂豊
正一郎
元之
直樹
稔章
祐史
眞人
敏男
秀晴
宏宣
博和
芳行
肇
兆一
章
高久
達雄
薫
正幸
一郎
英男
明雄
昌幸
牧子
IT 標準化戦略委員会幹事会 名簿
所属
慶應義塾大学 理工学部
(株)日立製作所 情報・通信グループ事業企画本部
情報・システム研究機構 国立情報学研究所 情報基盤研究系
沖電気工業(株) システムソリューションカンパニー
東芝ソリューション(株) SI技術開発センター
キヤノン(株) 国際標準企画センター
パナソニックコミュニケーションズ(株) ネットワークテクノロジー開発センター
経済産業省 産業技術環境局
日本IBM(株) AP標準
三菱電機(株) インフォメーションシステム事業推進本部
NTTコムウェア(株) ビジネス創出部
富士通(株) プロダクト事業推進本部
日本電気(株) 政策調査部
東洋大学 経済学部
(株)日本総合研究所 サイエンス事業部
(財)日本規格協会 情報技術標準化研究センター
(財)日本規格協会 情報技術標準化研究センター
(財)日本規格協会 情報技術標準化研究センター
(財)日本規格協会 情報技術標準化研究センター
(財)日本規格協会 情報技術標準化研究センター
(財)日本規格協会 情報技術標準化研究センター
(財)日本規格協会 情報技術標準化研究センター
(財)日本規格協会 情報技術標準化研究センター
(財)日本規格協会 情報技術標準化研究センター
(財)日本規格協会 情報技術標準化研究センター
2
種別
主査
幹事
委員
委員
委員
委員
委員
委員
委員
委員
委員
委員
委員
事務局
事務局
事務局
事務局
事務局
事務局
事務局
事務局
事務局
浅野
平野
芦田
遠藤
勝亦
木村
竜田
戸叶
成田
野村
山本
山口
伊藤
木村
関
山形
山中
渡会
加山
吉川
内藤
宮古
IT 標準化戦略委員会ロードマップWG 名簿
氏名
所属
正一郎
情報・システム研究機構 国立情報学研究所 情報基盤研究系
芳行
日本電気(株) 政策調査部
元之
沖電気工業(株) システムソリューションカンパニー
直樹
東芝ソリューション(株) SI技術開発センター
眞人
経済産業省 産業技術環境局
稔章
キヤノン(株) 国際標準企画センター
敏男
日本IBM(株) AP標準
秀晴
三菱電機(株) インフォメーションシステム事業推進本部
博和
富士通(株) プロダクト事業推進本部
茂豊
(株)日立製作所 情報・通信グループ事業企画本部
喜一
慶應義塾大学 理工学部
兆一
(株)日本総合研究所 サイエンス事業部
章
(財)日本規格協会 情報技術標準化研究センター
高久
(財)日本規格協会 情報技術標準化研究センター
達雄
(財)日本規格協会 情報技術標準化研究センター
薫
(財)日本規格協会 情報技術標準化研究センター
正幸
(財)日本規格協会 情報技術標準化研究センター
一郎
(財)日本規格協会 情報技術標準化研究センター
英男
(財)日本規格協会 情報技術標準化研究センター
明雄
(財)日本規格協会 情報技術標準化研究センター
昌幸
(財)日本規格協会 情報技術標準化研究センター
牧子
(財)日本規格協会 情報技術標準化研究センター
3
2.委員会審議経過
IT 標準化戦略委員会における主要議題を次に示す。
2.1
IT 標準化戦略委員会の主要議題
IT 標準化戦略委員会の主要議題を表 2.1 に示す。
表 2.1 IT 標準化戦略委員会の主要議題
開催番号
開催日
開催時間
1
2004-06-23
10:00-12:00
主要議題
・平成 16 年度委員構成の承認
・平成 16 年度活動計画の承認
・幹事会、ロードマップWGの設置
2
2005-02-24
13:00-15:00
・平成 16 年度活動の承認
・平成 16 年度報告書の承認
2.2
IT 標準化戦略委員会幹事会の主要議題
IT 標準化戦略委員会幹事会の主要議題を表 2.2 に示す。
表 2.2 IT 標準化戦略委員会幹事会の主要議題
開催番号
開催日
開催時間
1
2004-10-04
10:30-12:00
2
2004-11-08
14:00-15:30
3
2004-12-14
15:00-16:30
4
2005-01-17
13:00-15:00
5
2005-02-09
13:00-14:00
主要議題
・平成 16 年度活動計画の確認
・平成 16 年度委員構成の確認
・INSTAC 標準化活動方針の検討
・標準化テーマ策定の枠組み検討
・INSTAC 標準化活動方針の検討
・標準化テーマ策定の枠組み検討
・INSTAC 標準化活動方針の検討
・標準化テーマ策定の枠組み検討
・標準化テーマ選定の枠組み検討
・報告書(素案)の検討
4
2.3
IT 標準化戦略委員会ロードマップWGの主要議題
IT 標準化戦略委員会ロードマップWGの主要議題を表 2.3 に示す。
表 2.3 IT 標準化戦略委員会ロードマップWGの主要議題
開催番号
開催日
開催時間
1
2004-10-04
09:30-10:30
主要議題
・平成 16 年度活動計画の確認
・平成 16 年度委員構成の確認
2
2004-11-08
15:30-17:00
・標準化テーマ抽出方法の検討
・評価項目の再検討
3
2004-12-14
16:30-18:00
・標準化テーマ抽出の検討
・評価項目の再検討
4
2005-01-17
15:00-17:00
5
2005-02-09
14:00-17:00
表 2.3-1
・標準化テーマ抽出の検討
・評価項目の検討結果反映
・平成 16 年度活動成果の確認
・平成 16 年度報告書の確認
IT 標準化戦略委員会ロードマップWG評価見直し検討会の主要議題
開催番号
開催日
開催時間
1
2004-11-30
10:00-12:00
主要議題
・平成 15 年度評価試行の確認
・平成 16 年度評価項目の検討
2
2005-01-05
14:00-17:00
・平成 16 年度評価項目の再検討
・経済産業省の要請内容確認
5
3.活動報告
3.1
IT 標準化戦略委員会活動報告
平成 16 年度 IT 標準化戦略委員会の作業開始に当って、情報技術標準化研究センター(以降 INSTAC と
いう)から、標準化活動の具体化、特に標準化対象テーマの抽出方法、及びそのテーマを INSTAC 標準化
活動に結び付けるまでの一連の作業の枠組みについて明確化することが要請され、これを整理した。
また、平成 15 年度作成した「IT 標準化戦略委員会ロードマップ」の内容を引き継ぎ、その対象テーマ
の見直しとともに、評価方法の見直しを行って平成 16 年度版を作成することとした。
これらに対応して、本委員会から INSTAC へ具体策を提言するため、本委員会の下部に次の検討組織を
設置した。
・幹事会
・ロードマップWG
本委員会の検討結果は、幹事会及びロードマップWGの項にその詳細を示すが、本委員会ではその成果
を承認するとともに、今後の INSTAC 標準化活動に資するものとして提言するものである。
なお、IT 標準化戦略委員会から提言された標準化対象テーマを対象テーマとする INSTAC 委員会の発
足は、
さらに年度単位の時間と経験を必要とするが、
平成 16 年度は IT 標準化戦略委員会において、
INSTAC
委員会(平成 16 年度は 16 の個別テーマ委員会)の活動計画及び活動実績を把握し、その成果を評価した。
(参照:附属資料 A-1~A-16)
6
3.2
IT 標準化戦略委員会幹事会活動報告
3.2.1 概要
IT 標準化戦略委員会幹事会は、IT 標準化戦略委員会の目標達成のため、INSTAC の標準化活動に関す
る内容を調査し、INSTAC への提言に必要な事項を整理した。
また、ロードマップWGにおいて実施する「標準化推進テーマ抽出」を行うために必要な枠組みを整理
した。
3.2.2
INSTAC 標準化活動に関する状況の確認
現在 INSTAC が実施している標準化活動について、機能別に分類してそれぞれの活動内容を把握し
た。(参照:附属資料 B-1~B-3)
・標準化推進機能(規格開発への貢献)
・標準化支援機能(情報共有への貢献)
・標準化普及・啓発機能
・意見集約及び上申機能
次に INSTAC 標準化活動について把握した概要を示す。
(1) 標準化推進機能(規格開発への貢献)
INSTAC は、これまで主として国内規格開発を行い、国際規格については支援活動を行ってきた。
すなわち INSTAC は、国内規格開発のための委員会を設置し、情報部門(JIS X シリーズ)の規格作
成機関として、その半数以上の規格作成に貢献することにより、社会的にも規格作成機関として認
知されてきた。
一方、国際規格に関しては、国内審議団体と連携してその原案作成への協力及び国内意見の集約
などの作業を通じて規格化活動への貢献を実施してきている。
主な国際規格関連の貢献方法を次に示す。
・国内審議団体としての活動:「情報とドキュメンテーション」委員会が対応
●ISO/TC46 (情報とドキュメンテーション・P メンバー)
DIS2108(国際標準図書番号 ISBN)改正に賛成投票
DIS10161(図書館相互貸借応用)改正に反対投票
DIS23081-1(文書記録マネジメントプロセス-記録用メタデータ)IS 化に賛成投票
その他システマティックレビューを実施
・他の国内審議団体を支援:
●ISO/TC130/WG2:「マルチメディア・コンテンツに係る画像処理技術」委員会が、 (社)
日本印刷産業機械工業会を支援
CD12640-3(CIELAB/SCID;CIELAB 色空間用標準画像)制定への推進
Pre-DIS12642(印刷管理用標準チャート)改正への推進
NW17972(測色データフォーマット規格化)の推進
DIS16612(バリアブル印刷データ規格)の推進
CD12639(TIFF/IT)へ(独)産総研技術(DR 圧縮)の AMD1 組込み
7
●ISO/TC159 :「情報アクセシビリティ国際標準化」委員会が人間工学会を支援
JIS X 8341-1(高齢者・障害者等配慮設計指針-共通指針)を NWIP 提出
・他の国内審議団体と連携: (社)情報処理学会情報規格調査会
●ISO/IEC JTC1 関連
SC2/6/7/24/25/27/29/32/34/35/37 の国内委員会にオブザーバ参加し、連携をとって対応してい
る。
「業務オブジェクト共有技術」委員会
「グリッドコンピューティング」委員会
「XML 適用関連」委員会
「知的ソフトウェアによる生活者支援」委員会
「コンテンツ流通市場形成」委員会
「オープンソースソフトウェア」委員会
「ソフトウェア製品の品質改善」委員会
「情報セキュリティのマネジメント及び評価基準」委員会
「ソフトウェア製品の生産性向上」委員会
「耐タンパー性」委員会
・海外規定への提案案件を次に示す。
●W3C
「e-Book 標準化」委員会から Extension to XSL を提案
●IEC/TC100
「e-Book 標準化」委員会から e-Book Business Model を提案
●Library of Congress
「将来型文書統合システム」委員会から z39.50 情報検索プロトコルの XML 化として ZING
(Z39.50 International Next Generation)が提案されている SRW(Search/Retrieve Web Service)につい
て拡張機能を提案
(2)標準化支援機能(情報共有への貢献)
INSTAC は、他の標準化団体等との情報共有を図り、相互に標準化活動に関する情報を交換する
ことにより標準化活動を促進している。
・他の標準化団体からの情報入手及び提供
(社)情報処理学会情報規格調査会(IPSJ/ITSCJ)
(社)ビジネス機械・情報システム産業協会(JBMIA)
電子商取引推進協議会(ECOM)
(財)日本情報処理開発協会(JIPDEC)
(独)情報処理推進機構 (IPA)
(社)電子情報技術産業協会(JEITA)
(財)国際情報化協力センター(CICC)
情報通信ネットワーク産業協会(CIAJ)
8
その他
具体的実施内容を次に示す。
・INSTAC が蓄積した JIS 関連情報(用語データベース,等)を JSA Web で公開
・ISO/IEC JTC1Technology Watch 等の標準化国際会議へ参加
ISO/IEC JTC1Technology Watch(モントリオール/カナダ)に参加し、新規提案案件に関する情
報を入手した。
6 月 15-16 日 JTC1Technology Watch
6 月 17-18 日 Web Service Study Group
6 月 17-18 日 Privacy Technology Study Group
(3)標準化普及・啓発機能
日本規格協会(JSA)の規格出版及び書籍出版活動の作業を分担・支援することにより、標準化事
業の普及活動に貢献してきた。
・規格作成(平成 16 年 4 月から 12 月までの制定/公表/改正案件)
JIS:8 件
TS:1 件
TR:1 件
・セミナー開催
(1)INSTAC 委員会成果報告会の開催
INSTAC の関係団体及び企業に参加を呼びかけ、平成 15 年度 INSTAC 委員会成果報告会を次
のとおり開催し、各委員会から代表者が活動成果を発表した。
第 1 回(東京)
平成 16 年 6 月 3 日 (財)日本規格協会 本部ビル 6 階大講堂
出席者:83 名
第 2 回(大阪)
平成 16 年 6 月 28 日 (財)日本規格協会 関西支部 7 階講堂
出席者:42 名
(2)INSTAC 委員会のセミナー開催
「耐タンパー性」に関する標準化調査研究開発委員会の成果について、セキュリティ技術に
関係する団体及び企業に参加を呼びかけ、次のとおりセミナーを開催した。
平成 17 年 2 月 17 日 全共連ビル本館 4 階中会議室
出席者:73 名
(4)意見集約及び上申機能
経済産業省との意見交換を活発にし、標準化政策に沿った活動を展開するとともに INSTAC から
見た標準化に関する意見を上申する。
主な活動を次に示す。
・JISC(情報技術専門委員会)への参加(4 回/年)
JIS/TS/TR 案件の説明者あるいはオブザーバ出席を行った。
9
・JISC(情報技術専門委員会)計画調整 AG (Advisory Group)の事務局運営 (4 回/年)
要約 JIS の取り扱いに係る検討を行った。
新規 JIS/TS/TR 案件の事前検討を行った。
・経済省情報電気標準化推進室との情報交換(随時)
標準化を取り巻く環境について、経済産業省と意見交換を行うことにより、より円滑な標準化
作業を行うための環境整備実現を目指した。
・その他
3.2.3 標準化テーマ抽出のための枠組みの整理
(1)標準化取り組みに関する評価項目及び評価基準
平成 15 年度の検討において、製品化技術が十分発達していない段階、すなわち市場の萌芽期にお
いても、標準化対象テーマに十分注目すべきとの指摘がなされた。
平成 16 年度においては、収集された技術テーマ毎に市場における標準化位置(タイミング)を認識し、
テーマに対して標準化活動を有効に機能させるには、従来、INSTAC が対応したタイミングより、
さらに、前倒ししたタイミング(萌芽期あるいは発達期)を捉えることが重要であることが確認された。
(参照:附属資料 B-4)
さらに平成 16 年度は、平成 15 年度に登録されたテーマの再確認及び新規テーマの登録を行い、そ
のための評価方法について平成 15 年度提案した評価方法の見直しを図るため、評価見直し検討会を
開催して評価項目及び評価方法について検討を行った。その結果、評価方法を確立するには至らない
が、次の要点を考慮して評価方法を具体化し、評価を試行することとした。
・視点の異なる立場を想定して評価を行うこと。
・それぞれの評価手法は、同様の評価方法とすること。
ただし、この評価結果は、標準化対象テーマの絞込みにおいて参考データとしてのみ使用するこ
ととした。
したがって、標準化対象テーマの絞り込みは、委員会合意によって選択することとした。
<評価項目>
・市場性(萌芽期、発達期、発展期、成熟期)
・標準化の必要性(社会的価値判断、情報技術による事業振興支援)
なお、評価方法については、さらにロードマップWGにおいて詳細を検討し、標準化対象テーマ抽
出を行うこととした。
3.2.4 今後の INSTAC 標準化活動への提言
従来、INSTAC の標準化活動については、国家規格の作成機関として認知されており、また INSTAC の
活動経緯も国家規格の作成に重点が置かれてきた。
平成 16 年度の経済産業省の政策及び国内外の情報技術分野の情勢を鑑み、国際規格化の推進及びその
迅速な対応が重要であるとの認識から、INSTAC の標準化活動について見直すこととした。
幹事会では、これらの要求に対応していくため、今後 INSTAC が強化していくべき機能分野について議
論を行った。
10
(1)IT 標準化戦略委員会と INSTAC 標準化事業との機能連携
これまでの検討内容を総合的に捉えて、IT 標準化戦略委員会と INSTAC における標準化活動に
ついての作業の枠組みを検討した結果、市場の状況すなわち、官公庁、学術界、産業界の情報を、
幅広く収集し、INSTAC 委員会及び事務局との意見交換を十分図って、INSTAC 標準化活動へ反映
させる体制整備が必要との結論を得た。これらの概要を附属資料に図示する。
(参照:附属資料 B-5~B-8)
(2)外部標準化団体等との連携
外部標準化団体との情報交換の必要性は提言されていた。この具体的活動を実施するため、さらに次
の活動方法を精緻化する必要がある。
・標準化活動の連携強化(提案等)
・標準化活動の情報交換(情報の利活用)
・標準化対象テーマの発掘
(3)既存規格の管理基準
既存規格については、規格の改正、確認あるいは終了(廃止)基準(案)を設定した。
INSTAC、(社)情報処理学会/情報規格調査会及びその他の標準化団体は、経済産業省と協力して見直
し時期にあるJISの取り扱い、ならびに今後発生する同様の処理方法についてルールの見直しを行っ
ている。
<主な評価項目>
・規格の陳腐化
・国際規格との整合性
・市場における利用度低下
(4)標準化推進・中断テーマの抽出
本委員会では、標準化推進作業中に、市場あるいは技術の進展状況を鑑み、標準化推進作業の中断
を提言する場合がある。
たとえば、技術開発における発展期あるいは成熟期において、実質的な標準化が確立しており、標
準化作業を継続することが既に市場的に価値を失っていると考えられる場合がある。
そのような場合には、速やかに標準化作業を中断することが考えられる。
(5)知的財産権について
知的財産権に関する取り扱いについては、現在、国際標準化機関(ISO、IEC、ISO/IEC JTC1、ITU
等)及び経済産業省等において検討されている内容を把握し、その結果に基づき INSTAC における考
え方を検討することとするが、デジタルコンテンツに関しては、単純に技術的に解決される課題のみ
でなく、社会的制度等の問題もあり、INSTAC 委員会において基礎的な調査研究を実施する必要があ
る。
11
3.2.5 INSTAC 委員会活動の確認
INSTAC 委員会活動の全体を把握し、IT 標準化戦略委員会では次の項目を実施することを目標とする
が、平成 16 年度は INSTAC 委員会の活動計画及び実績報告によりその内容を把握するに留めた。
・各委員会の方向性調整
方法:委員会の年度計画確認による。
主旨:重複テーマの排除
重点テーマへの取り組み強化
・各委員会の実績確認
方法:委員会からの実績報告による。
・各委員会の活動内容評価
方法:委員会の年度目標/実績の報告による。
12
3.3
3.3.1
ロードマップ WG 活動報告
検討経緯
情報技術(IT:Information Technology)のロードマップは、平成 11 年度から数回作成されてきた。平成
14 年度は、これまでの標準化に関する公開情報だけではなく、政府等でまとめられた将来の情報技術の
動向からのテーマもピックアップして、現在の対象技術だけでなく、2005 年、2010 年の技術を見通して、
その標準化を調査した。特に 2005 年における技術を公共性、産業性の観点から重要度を 3 段階に分けて
重点標準化項目を抽出し提示した。
それによる日経技術関係の記事や科学技術動向からピックアップしたテーマを基礎としたため、その技
術内容のキーワードのレベルが不均一であった。
平成 16 年度は、ロードマップ作成の議論を行う上で、標準化のテーマ抽出の判断基準等は幹事会の担
務事項とし、別に議論した。ロードマップ WG では、平成 15 年度修正したテーマのくくり方、カテゴリ
の分類を更に最適なものへと見直しを図り、よりわかりやすい分類となるようにするとともに、各技術を
成熟度で評価することでロードマップから年代の概念を排除した。更に、情報の収集範囲を国内の総合科
学技術会議などの情報だけでなく、米国の NITRD(Networking and Information Technology Research and
Development)、ISO/IEC JTC1 で新規の注目テーマ等の海外情報まで拡大させた。特に 6 月の JTC1
Technology Watch SWG 及び 10 月の JTC1 総会に参加し、将来の動向について積極的に調査を行った。
標準化テーマ選択へのアプローチは、平成 16 年度も昨年度と同様に、設定された複数の尺度による各
評価の総合点を一つの判断基準とした。
平成 15 年度は、導入した複数の評価尺度で実際に情報家電市場について評価しただけであったが、平
成 16 年度は、その評価尺度について、さらに多くの議論を行いより最適なものとし、すべての技術分野
について適用して評価することにした。
平成 15 年度からの標準化テーマ選択へのアプローチを、平成 14 年度のものと比較して、第 3.1 図に示
す。
13
(平成 14 年度のアプローチ方法)
委員会討議
(平成 15 年度からのアプローチ方法)
カテゴリ
平成14年度作成のロードマップ
テーマ
2002年
2005年
2010年
平成15年度から成熟度評価を採用
カテゴリ テーマ
成熟度
尺度1
尺度2
各尺度による評価
尺度n
発達期
萌芽期
総合点による評価
重点テーマ
発展が期待できるテーマ
標準化対象外
第 3.1 図
標準化テーマへのアプローチ方法
14
3.3.2
テーマのくくり方
テーマのくくり方は、平成 15 年度の分類基準をほぼ踏襲している。まず、市場と技術の二つの独立し
た軸を定義し、各テーマの分類を行っている。市場軸は、さらに市場が特定のキーワードによって特定で
きるもの(市場による分類)と、各市場横断的にわたるもの(共通基盤による分類)との二つに大分類される。
平成 15 年度来の市場動向の変化、列挙されている標準化テーマ内容の検討を踏まえて見直しを行い、
平成 16 年度は、以下の通りとした(第 3.2 図)。
市場軸は、以下の通りである。
平成16年度の市場軸
a.情報家電
b.電子商取引
c.電子政府
d.文化・教育
市
場
に
よ
る
分
類
e.ヘルスケア
f.コンテンツ産業
g.アクセシビリティ
共
通
h.通信・ネットワーク
基
コンピューティング 盤
に
よ
i.セキュリティ
る
分
j.ソフトウェア
類
k.その他
第 3.2 図 テーマのくくり方
カテゴリ分類を第 3.3 図に示す。
平成15年度からのカテゴリ分
(1)ビジネスモデル
JTC1 (2)社会と文化
(3)ヒューマンインタフェース
注1
(2)ヒューマンインタフェース
対象
(4)プロセスと手法
(3)プロセスと手法
ー
テ
ク
ノ
ロ
ジ
(1)社会と文化
ォッ
ウ
(5)APIとミドルウェア
(4)APIとミドルウェア
(6)基礎技術
(5)基礎技術
チ
(7)ハードウェアとデバイス
注1) ビジネスモデルは「社会と文化」の範疇で捉える
注2) ハードウェアとデバイスは基礎技術に含める
第 3.3 図 カテゴリ分類
15
注2
各カテゴリ分類の説明を以下に示す。
①社会と文化(Social and Cultural)
この標準ができることにより、日々の生活や行動など社会的価値観が変わる。例えば、カスタマー
要求、学習支援、プライバシー管理、文化的適合性、自然言語支援、自動翻訳、IT における教育に関
わる標準化が該当する。
昨年度上位レイヤーであったビジネスモデル(Business Model:ビジネスモデル、著作権保護、知的
財産、認証制度、に関わる標準化)は、このレイヤーに統合する。
②ヒューマンインタフェース(Human Interface)
この標準ができることにより、児童及び高齢者や障害者など、誰でもが情報化社会における便益を
享受できる。例えばフォント、カラー、文書形式、ハイパーメディア文章、グラフィカルユーザイン
タフェースの要素技術、グラフィカルインタフェース、アクセシビリティ、Web エージェント、音声
インタフェース、ビデオインタフェース、ヴァーチャルリアリティ、人間機械ダイレクトインタフェ
ース、人間による入力装置、に関わる標準化が該当する。
③プロセスと手法(Process and Method)
この標準ができることにより、市場における生産性、品質、価格などの競争力の強化につながる。
例えば、技術用語、汎用データディレクトリ、文書仕様ディレクトリ、ソフトウェア工学、システム
工学、知識体系、方法論、手法、ツール環境、資産管理、セキュリティ管理、データと記録管理、文
書管理、ネットワーク管理、設計とアーキテクチャのパターン化、に関わる標準化が該当する。
④API とミドルウェア(APIs and Middleware)
この標準ができることにより、システムやサービスの互換性向上が実現できる。例えば、オペレー
ティングシステム API、ストレージシステムサービス、データ交換プロトコル、トランザクションプ
ロトコル、ドキュメント交換プロトコル、一般的なミドルウェア、ディレクトリサービス、地理/位置
サービス、認証サービス、セキュリティサービス、ネットワークサービス、トランザクション処理サ
ービス、著作権管理サービス、ドキュメント管理サービス、メッセージサービスと EDI、音声メッセ
ージサービス、モバイルサービス、コラボレーションサービス、に関わる標準化が該当する。
⑤基礎技術(Base Technology)
この標準ができることにより、ハードウェアとソフトウェアのバンドルが容易になり新サービスが
実現できる。例えば、データのマシンレベルの表現、エンコーディング、圧縮、暗号化、通信プロト
コル、ファイルシステム、プロセッサの命令セット、プログラミング、データ記述言語、グラフィッ
ク記述言語、ドキュメント記述言語、データとドキュメント検索言語、トランザクション記述言語、
イベント記述言語、アーキテクチャ記述言語、メタ言語、モデリング形式化、に関わる標準化が該当
する。
昨年度下位レイヤーであったハードウェアとデバイス(Hardware and Device:レガシーデータメデ
ィア、バーコードラベル、ワイアレスタグ、バス仕様、記録メディア、識別装置、バイオメトリクス
インタフェース、機械による入力装置、GPS インタフェース、コネクタとケーブル、キャビネットと
ラック、無線と光システム、ニューラルネットワーク、オフィス機器、に関わる標準化)は、このレ
16
イヤーに統合する。
3.3.3
評価の試行
ロードマップを構成する表には、分類と対象テーマに加えて、テーマの評価を行うための欄が付け加え
られている。(参照:附属資料 C-1~C-11) 昨今、行政を含めた事業が、効率性の観点から評価される
中で人や資金などの資源を必要とする標準化テーマとして一定の評価が得られ、その標準化テーマは説得
性を持つ対象が採り上げられるべきことは言うまでもない。このとき、ロードマップに記載されるすべて
のテーマが標準化対象としてふさわしいものとはいえず、何らかの尺度を用いて評価し、選択されたテー
マに妥当な説明が与えられることが望まれる。ロードマップに評価欄を設けていることは、このような評
価を実施するためである。
とはいえ、評価のための尺度は自明ではない。平成 14 年度は、公共性や産業への影響度を評価尺度とし
て、予備的な評価(即ち、テーマの抽出)を試みた。平成 15 年度は 2 カ年計画の一年目で、評価を系統
化し、評価尺度提案を試みた。(参照:参考資料 D-4) そして、平成 16 年度は、その最終的にその評価
尺度に基づいたロードマップを完成させることを目標とし、次のような評価基準を作成した。
<平成 16 年度のテーマ評価基準>
ロードマップ・対象テーマに対しては、次の二つの視点(1)、(2)からそれぞれ独立に評価を行うことと
する。なお、それぞれの評価数値は担当者参考データとして取り扱うものとする。
最終的な標準化対象テーマの絞込みは、IT 標準化戦略委員会の合議により選定する。
(1)社会的価値判断に基づく評価方法
(記入上の注意)
各テーマの評価は、表 3.1 の各評価要素(1.~3.)において①~⑤の項目を考慮し、各担当者が評価
した評価点(重要度大=3~小=1)を記入する。
表 3.1
社会的価値判断に基づく評価
(1.市場的要素)
①
政策的要求(公共調達、電子政府関連を含む)を円滑に実施するために必要
②
国際規格の導入による市場適合性を確保するために必要
③
新技術による新市場形成のために必要
④
民需工業製品の最終消費者のために必要
⑤
民需工業製品の生産者・加工者のために必要
(2.社会貢献)
①
社会の安全のために必要
②
環境対応(省資源、等)のために必要
③
社会への参加機会均等化のために必要
④
社会環境の維持や増進のために必要
⑤
利便性・効率性の向上のために必要
17
(3.技術貢献)
①
セキュリティ及びインテグリティ(完全性)維持のために必要
②
応用の発展性を高めるために必要
③
基本機能(情報交換符号、等)の維持のために必要
④
性能評価や性能の基準を与えるために必要
⑤
相互運用性の維持のために必要
(2)事業的価値判断に基づく評価方法
(記入上の注意)
評価点は、表 3.2 の評価要素(1~4)毎に重要度を評価し、各担当者が評価した評価点
(3 ,2 or1)を記入する。
表 3.2 事業的価値判断に基づく評価
(評価要素1)
府省庁の政策課題、又は重要政策課題を支援するために必要な標準テーマ
(テーマ毎に、重要度大=3 点~小=1 点を評価)
(評価要素2)
日本が競争力を持つ技術、独自性が高い構想に対してインセンティブを与え、
技術開発を支援し、国際市場開発を主導するための標準テーマ
(テーマ毎に、重要度大=3 点~小=1 点を評価)
(評価要素3)
企業や産業界の戦略を背景に、標準を手段として、国際市場開発を主導する
ための標準テーマ
(テーマ毎に、重要度大=3 点~小=1 点を評価)
(評価要素4)
消費者の利便性を向上し、利用者の健康や便益を保護するために必要となる
標準テーマ
(テーマ毎に、重要度大=3 点~小=1 点を評価)
(3)評価の試行と課題
前記(1)並びに(2)によるテーマの評価尺度をすべての市場分野で実施した。(参照:附属資料 C-1~
C-11)
標準化には、日本工業標準化法第 11 条(国の意思で標準開発を実施)、同第 12 条(民間主導で標
準開発を実施)の形態があり、それぞれのテーマを選択する尺度が自ずと異なる。
また、国際標準への市場適合性や国家セキュリティを維持するためのテーマの扱い方に特徴がある
ことが想定される。このことから、一つの尺度セットによる総合評点による選択以外に、異なる尺度
であっても重要性が説得できるものを選択に含めることが肝要と思える。
18
3.3.4
標準化対象テーマ
各種新聞、技術系情報誌、ISO/IEC JTC1 Technology Watch 及び ISO/IEC JTC1 総会からの情報、並び
に各種報告書等を基にして、情報技術テーマリスト(参照:附属資料 C)を作成し、IT 標準化戦略委
員会としての評価を加え標準化対象テーマ群の抽出を試みた。
これら標準化対象テーマ群のなかから、次年度以降の INSTAC 委員会活動に反映されていくことが望
まれる。
標準化対象テーマ群を、表 3.3 の通り抽出した。
表 3.3 標準化対象テーマ一覧
市場軸
1 情報家電
平成16年度のテーマ
a.情報家電向け(ネットワーク)ヒューマンインタフェース
b.ユビキタス環境構築に向けたオープンな標準プラットフォーム
a.Webサービス
b.RFID
3 電子政府
a.EA
b.e-Passport、他
c.各種業務の共同アウトソーシング及びAPPの共有
4 文化・教育
e-Learning
5 ヘルスケア
a.食品トレーサビリティシステムの構築
b.個人情報保護対応技術(参照:個人情報保護)
6 コンテンツ産業
a.デジタルコンテンツ著作権方式
b.ノンPC機器のインターネット接続
7 アクセシビリティ
アクセシビリティセッティングのためのアクセシビリティ
8 通信・ネットワークコンピューティング a.家庭内の情報家電の相互接続性
b.個人情報保護
c.家電ビジネスのサービスビジネス志向
d.家電機器機能のオブジェクト化
9 セキュリティ
a.暗号モジュール評価基準(評価制度を含む)
b.バイオメトリクス認証データ管理
c.OASIS共通バイオメトリック・フォーマット
10 ソフトウェア
a.グリッドコンピューティング
b.高信頼性ソフトウェア開発のためのプログラム言語
及び開発システム
c.プロセス評価
d.UML
11 その他
ITサービスマネジメント
2 電子商取引
19
3.3.5 標準化対象テーマの説明
標準化対象テーマの説明を次に示す。
(1)情報家電分野
(1-a) 情報家電向け(ネットワーク)ヒューマンインタフェース
ANSI において,INCITS(InterNational Committee for Information Technology Standards)の産業規
格 AIAP(Alternative Interface Access Protocol)-V2 を利用した URC(Universal Remote Console)が
ISO/IEC JTC1/SC 35 User Interfaces に提案されている。
コントロール対象は、コーヒーメーカ,目覚まし時計,ビデオ,エアコン,家庭用電気器具等である。
コントロールする際に必要なその製品の機能情報を知ることができる。すなわち双方向通信をサポートす
る。また,AIAP-V2 の規格内で,TV 放送の EGP 機能も利用できる。
コントローラが製品の機能情報を制御対象機器より得られない場合は,インターネット(Resource-URC
Network)上の情報サーバから得ることができる。また個人の個別要件(使用言語,障害など)に応じた処
理情報(アシスト情報)もこのような情報サーバから入手することができる。
なお注意すべきことは,NIST のホームページで AIAP-V2 を持つ機器は,US508 条を満足するとの記載が
ある。
2~3 年前の資料には,切符販売機,銀行 ATM,KIOSK など,およびエレベータの呼び出しと指示も制御
対象に入っていた。
参照 URL:http://www.incits.org/tc_home/v2.htm
(1-b) ユビキタス環境構築に向けたオープンな標準プラットフォーム
近未来のユビキタス環境構築に向けたオープンな標準プラットフォームの開発とその標準化が着々と
進んでいる。
CE Linux フォーラムはデジタル AV 家電や携帯電話を対象に組み込み Linux の標準化を進めているし、
UOPF(ユビキタス・オープン・プラットフォーム・フォーラム)は情報家電(モノ)とブロードバンド(サ
ービス)のコラボレーションの実現に向け、簡単設定・操作、 安全・簡単・低コストな M2M(モノとモ
ノ)リアルタイム接続、 コンテンツ配信などの標準化を進めている。
また、ユビキタスコンピューティング技術の開発を進めている T-Engine(ティー・エンジン)フォー
ラムはユビキタスコンピューティング機器開発用のオープンな標準プラットフォーム(T-Engine)の仕様
策定行ってきており、既に多くのベンダーから T-Engine が製品化されているし、ユビキタス環境構築に
必須のユビキタス ID 技術の開発と標準化、およびその実用化に向けた実証実験も進められている。
また、YRP ユビキタスネットワーキング研究所では、T-Engine を活用して、ユビキタスコミュニケータ
や UC-Phone の開発が行われている。
参考 URL
http://www.celinuxforum.org
http://www.uopf.org/
20
http://www.t-engine.org/japanese.html
http://www.ubin.jp/
http://uidcenter.org/japanese.html
(2)電子商取引分野
(2-a) Web サービス
Web サービスはインターネット上のソフトウェアをビジネスルールに従ってまとめあげ、あたかも1つ
の完結したアプリケーションのように機能させる技術で、大変注目されている。この背景にはコストダウ
ン、システムのリアルタイム化とモバイル対応、企業情報システムへの要望が高度化、堅実化しているこ
となどがある。このため、分散技術の構築技術として W3C, OASIS, WS-I などの Web サービス関連標準化
機関で活発な活動が行なわれているだけでなく、ユビキタス関連標準化機関からも高い関心を持たれてい
る。例えば、OMA ではモバイル版Webサービスが重要なテーマとして認識されているし、EPC global で
も Web サービス関連活動が開始されている。ユビキタス世界ではユビキタス・ネットワークを介して、個々
のデバイスと他デバイスやサーバ、更には IC タグの情報をキーにした各種情報システムとの連携が課題
になる。そして、利用者に対しては、Web サービスを使用して構築されるサービスが有力な付加価値手段
になると想定される。
尚、Web サービスの仕様の中には標準化団体に提出されず、仕様の利用条件がクリアになっていないも
のがあるため、標準化機関による仕様決定・管理の有無や IPR ライセンス条件についても留意するべきで
ある。
Web サービスの国際標準化に向けては、2003 年 10 月の JTC 1 シンガポール総会で Web サービス・スタ
ディ・グループ(WSSG)が設置され、Web サービス分野の標準化に関わるコンソーシアムを交えた活動が
行われ、OASIS が 2004 年 10 月に PAS 提案者として承認された。
OASIS 仕様のうち、国際標準として相応しい成熟した仕様が今後、JTC 1 で PAS 提案により国際標準と
なることが想定されている。
(2-b) RFID
RFID とは Radio Frequency Identification の略であり、無線タグや IC タグとも呼ばれている。バー
コードは商品の外側に貼り付けることによって商品の種類と数を読み取るが、RFID は段ボール箱の外側
から内容物の種類と数を数えることができる利点がある。
RFID の動作原理を第 3.4 図に示す。 RFID はアンテナ部分と IC チップ部分から構成される。
第 3.4 図 RFID の動作
21
読取装置は RFID に対して電波信号を送る。RFID はこの電波を受信して、電源と信号を得て、それらに
よって RFID は応答するのである。また、最近ではアンテナ部分を IC チップに内蔵した超小型製品も開発
されている。
この身近な応用例としては、JR 東日本(株)の定期券に採用された「Suica」カードがある。その他にも、
航空手荷物の自動処理や、大型小売店での納入・在庫管理などが世界各地で実証実験に入っている。さら
に、電子パスポート、電子自動車免許、住民基本台帳カードなどへの利用が始まっている。
航空手荷物の実証実験は、次世代空港システム技術研究組合(ASTREC)で、次世代渡航手続き簡素化プ
ロジェクト(Simplifying Passenger Travel)の一環として行われている。
その目的は、(1)宅配業者と航空会社の連携による手ぶら旅行の実現、(2)手荷物の所有者の迅速な特定
を可能にするセキュリティの確保、(3)手荷物の自動追尾によるロストバゲージの削減、(4)陸上運送と航
空運送の連携による航空貨物輸送の効率化、(5)航空手荷物の自動仕分けや税関検査など空港内の作業効
率 化 な ど が あ げ ら れ る 。 詳 細 は 以 下 の 次 世 代 空 港 シ ス テ ム 技 術 研 究 組 合 の HP を 参 照 。
http://www.astrec.jp/
RFID の IC カード部分の標準化は、ISO/IEC JTC1 の SC17(ID カード)や SC31(自動識別)で行われて
いる。他方、RFID のアプリケーションに関しては、米国の大手販売店などが中心になって設立した団体
EPC global がこの分野で活発に活動しており、デファクトスタンダードを作成している。ここで EPC は
Electronic Product Code の略で、従来のバーコードから発展したものである。EPC global の主要会員で
あるウォールマートでは、納入業者と組んで RFID 付きの商品で実験を開始している。しかも RFID 付きの
商品は、商品を手にとって数えなくても、大型の読取装置により段ボール箱に入ったままで在庫数の確認
ができる。EPC global の HP は以下にある。http://www.epcglobalinc.org/
(3)電子政府
(3-a) EA(Enterprise Architecture)
電子政府では EA(Enterprise Architecture)が注目されている。EA とは 1990 年代に米国で整備
された電子政府実現のための開発フレームワークに基づいている。米国政府において「全体最適の観
点で IT 資産/調達管理を行い、効率的な IT 企画立案・開発を実現する」ために、連邦政府機関に、
(1) 情報化統括責任者(CIO:chief information officer)の設置と(2)EA 策定を義務付ける法律を
制定したことから始まる。平成 11 年、「連邦政府エンタープライズ・アーキテクチャ・フレームワ
ーク (FEAF:Federal Enterprise Architecture Framework)」を作成し、平成 14 年から「エンタ
ープライズ・アーキテクチャ・プログラム管理局(FEAPMO:The FEA Program Management Office)」
を設立し、FEA 開発を本格展開し始めている。
FEAF における EA は次の四つの階層で成り立っている。
① 業務を分析し、各業務の構造やパターンを認識する「Business Architecture」
② データの統合・標準化を進める「Data Architecture」
③
個別ソリューションや業務の相互接続性を確認し、コアアプリケーションを定めていく
「Application Architecture」
④ 開発標準技術とその開発ガイダンスをまとめる「Technology Architecture」
22
の四つのフレームワークで構成されている。個別に動いている業務を全体最適の視点で整備し、共
通プロセスを統合して、無駄のない IT 化をめざす。
この目的と、FEAF における 4 階層との関連は以下の通りである。
①
統一された手法を使って業務プロセスを分析・可視化すること、
②
各業務で使うデータ形式を標準化すること、
③
洗い出した業務プロセスをモ デル化し、おのおのの相互接続性を確認すること、
④ 標準技術と開発手順に従い効率的に開発を進めること
これを通して、「業務・システムの全体像をとらえ、互いの関係性を整理して必要な部分から効率
的に IT を導入して行く」ことになる。
国内でも平成 15 年 7 月に府省 CIO 連絡会議で「電子政府構築計画」の中で平成 18 年までに EA に
のっとって IT 企画・開発を進めることが決定された(その後、2004 年 6 月改定)。各官公庁や市町
村に CIO/CIO 補佐官の設置を義務付け、EA を活用した「業務・システムの最適化」が推進されてい
る。
複数の府省、部局で分担されている業務・システムや個別府省のレガシーシステムを対象として見
直すことを目指している。
府省 CIO 連絡会議で決定された約80の業務・システムについては、見直し方針を 2005 年 6 月ま
でに策定し、これに基づく「業務・システム最適化計画」を 2006 年 3 月までに策定する計画である。
このような EA であるが、これまで IT の最適化を個別の形で行っており、その業務プロセスの共通
部分を一般化してガイドラインのレベルでまとめることによって、より効率的なシステム構築の可能
性がある。
・日経 BP 電子自治体ポータル
http://premium.nikkeibp.co.jp/e-gov/keyword/2003/key043.shtml
・エンタープライズ・アーキテクチャ(EA) の概要と最新動向
中央青山監査法人 松尾 明の発表資料
http://www-its.complex.eng.hokudai.ac.jp/lecture/data/lecture05-2.pdf
・Treads in Enterprise Architecture 以下 URL
http://www.enterprise-architecture.info/Images/EA%20Survey/EA%20Survey%202004%20IFEAD.PDF
(3-b) e-Passport 関連
2001 年 9 月 11 日の同時多発テロによって、米国は「入国管理強化・ビザ改正法(米)」(
2002.5)を制定し入国管理のためにバイオメトリクスを搭載した電子バスポートを 2004 年
10 月 26 日から導入すると発表した(現在は、1年適用延長となっている)。
この発表に伴って、JTC1/SC17/WG3 と共同して ICAO で進めていた電子パスポートの標準化が加速し、日
本でも、2005 年度からバイオメトリクス認証技術を応用したパスポートを導入する方針を外務省が打ち
出した(2005 年 2 月 15 日に旅券法等の一部改正に関する法律案が閣議決定され国会に提出された)。
23
国際標準化としては、ICAO(国際民間航空機関)において、NT(New Technology)WG を組織し、MRTD(Machine
Readable Travel Document)文書
Doc.9303 を改定を予定している。パスポートに使うバイオメトリクス
認証技術の標準として「顔画像を主、指紋/虹彩を副 」として採用した Technical Report が作成され、
将来上記標準文書に取り込まれる予定になっている。ここでは、フォーマットだけでなく、PKIなどに
ついても言及している。
SC17/WG3 としては、将来これらの文書をファーストトラックの形で導入する予定である。
また、「船員の身分証明方法に関する条約 (ILO第 108 号条約)も改正が検討され、
船員手帳へバイオメトリクス認証機能付与を義務化の方向となっている。
更に、SC17/WG10 では、運転免許証の国際共通化(IC カード化)を進めており、その中にもバイオメトリ
クスの利用が入っている。その標準の一つ 18013-1 が FDIS 段階になっている。国内でも、2003 年 6 月に
運転免許証の IC カード仕様を警察が発表しており、2005 年度ぐらいから交付を予定している。
・ISO/IEC JTC1 SC17(IC カード専門委員会)
・WG3(パスポート)→IC カード型パスポートの標準化を担当(ICAO と連携)
・WG10(運転免許証)→IC カード型運転免許証の標準化を担当
・WG11(バイオメトリクス)→IC カードに入れるバイオメトリクスの標準化を担当
(3-c) 各種業務の共同アウトソーシング及びAPPの共有
ソフトウェア製品を開発するには,供給者と購入者の 2 者間で仕様を決め,その仕様に従って,ソフトウ
ェアを開発することが行われてきた。しかし,近年,オープンソースソフトウェア(以下,OSS)と称
するソフトウェア群が世界的に普及してきて,OSSを利用することによって,システムセキュリティの
向上や開発・保守に要する時間とコストの削減が実現できるということが一部の利用者・購入者において
担当者から経営者層にいたるまで信じられている。
ソフトウェア製品は、概ねOS層(MS-Windows,Linux,Unix,汎用機 OS など),ミドルウェア層(DB ソ
フト,インターネットサーバソフト,デスクトップソフトウェアなど)及びアプリケーション層(業務対
応に開発するソフトウェアなど)の3階層で構成されている。今後アプリケーション層までOSSのよう
な考え方で開発を行い、ソフトウェア製品のライフサイクル(要件定義,開発~運用/保守)全体では運
用/保守の負担を軽減できる業務ソフトウェア開発を,新たなOSSの考え方に従って実行できる環境を
整備する。
業務ソフトウェアの開発という面では,日本が世界的に優れているところであり(欧米は,パッケージ
ソフト中心に業務を変更する),アプリケーション層レベルでのOSS化という考え方は,海外において
もほとんど検討されていない状況である。従って,日本の優位性を確保するためにも,日本から新たなO
SSの考え方を提示し,標準化を行うことはソフトウェア産業の発展に大いに貢献できる。
オープンソースを活用するソフトウェア製品は公共事業体でより拡大しており、そのソフトを公的資源
として共有する仕組み及び活用する仕組みを提案することに可能性がある。特に,利用普及の仕組みと障
害改修の仕組みが重要になる。
業務ソフトウェアを共同又は機能毎に分担して開発することにより,開発コストの低減や高品質の確保
24
が図れる。例えば,自治体間での業務ソフトウェア,業種毎の業務ソフトウェア,業種をまたがった共通
業務ソフトウェアの共同開発の仕組みを提案できる可能性がある。
(4) 文化・教育分野
e-Learning
ALIC が 2003 年度に行った e-ラーニングユーザ調査によると、日本の導入済み企業の比率は、従業員数
100-299 人で 10.2%、300-999 人で 17.2%、1,000-1,999 人で 32.4%、2,000-4,999 人で 31.8%、5,000 人
以上で 61.2%であり、また、今後の導入を検討している企業の比率は、従業員数 100-299 人で 11.5%、
300-999 人で 15.7%、1,000-1,999 人で 20.5%、2,000-4,999 人で 25.9%、5,000 人以上で 14.3%となって
おり、今後も e-ラーニングの拡大が予想される。
e-ラーニングの標準規格では、①SCORM(Shareable Content Object Reference Model)規格:e ラー
ニングのプラットフォームとコンテンツ。AICC(Aviation Industry CBT Committee)によって策定され
た WBT コンテンツ仕様である CMI(Computer Managed Instruction)規格をベースに、IEEE LTSC(Learning
Technology Standard Committee)および ARIADNE(Alliance of Remote Instructional Authoring and
Distribution Networks for Europe)で策定されたメタデータの仕様 LOM(Learning Object Metadata)
を、ADL(Advanced Distributed Learning Initiative)が統合。②LOM(Learning Object Metadata)規格:
学習オブジェクトのメタデータの構造と語彙指定の仕組みを定義する規格。③QTI(Question & Test
Interoperability) 規 格 : 演 習 問 題 の 出 題 形 式 、 解 答 形 式 、 演 習 問 題 の グ ル ー ピ ン グ の 方 法 。 ④
Collaborative Workplace(協調作業場):ISO/IEC JTC1 SC36/WG2 が検討している、複数の学習者が協
調しながら学習を行う、コンピュータ上の仮想的な作業場所(協調作業場)を記述するフォーマットに関
する標準規格。⑤ PAPI Learner(Public and Private Information for Learners)規格:ISO/IEC JTC1
SC36/WG3 で検討されている、学習者の連絡先や成績など学習者に関連するさまざまな情報を記述するた
めの規格。⑥CORDRA(Content Object Repository Discovery and Registration/Resolution Architecture)
規格:分散リポジトリ環境に関する規格。などが策定されている。また、第 3 世代の Learning Contents
Management system として、学習者個々のレベルとニーズを判別して、動的な学習コース構造を提供でき
るようにするコンテンツ標準規格 SCORM2004 が規格化された。
今後、開発をすべき標準化技術として、e-ラーニングの理解し易い教材を提供するためのビジュアル・
データマイニング技術、及び e-ラーニングの受講生に理解し易さを提供するためのバーチャルリアリテ
ィ技術、及び移動中の学習を可能とする携帯電話での規格が考えられる。
参考:e-Learning
①The IEEE Learning Technology Standards Committee (LTSC) is chartered by the IEEE Computer
Society Standards Activity Board to develop accredited technical standards, recommended practices,
and guides for learning technology.
http://ltsc.ieee.org/
②The mission of the IMS Global Learning Consortium is to support the adoption and use of learning
technology worldwide.
25
http://www.imsglobal.org/
③The Aviation Industry CBT (Computer-Based Training) Committee (AICC) is an international
association of technology-based training professionals.
http://www.aicc.org/
④The Advanced Distributed Learning (ADL) Initiative, sponsored by the Office of the Secretary
of Defense (OSD), is a collaborative effort between government, industry and academia to establish
a new distributed learning environment that permits the interoperability of learning tools and
course content on a global scale. ADL's vision is to provide access to the highest quality education
and training, tailored to individual needs, delivered cost-effectively anywhere and anytime.
http://www.adlnet.org/
⑤日本イーラーニングコンソーシアム
http://www.elc.or.jp/
⑥先進学習基盤協議会 http://www.alic.gr.jp/
参考:その他の基礎技術
①教育用コンテンツのディジタル・アーカイブ化インターネット提供
・デジタルアーカイブ推進協議会
http://www.jdaa.gr.jp/
・「知的資産の電子的な保存・活用を支援するソフトウェア技術基盤の構築」採択課題概要(文部科
学省) http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/16/07/04070601/001.htm
②ビジュアルデータマイニング
・可視化情報学会 http://www.vsj.or.jp
③仮想環境システムを用いた教育(バーチャルリアリティ)
・文部科学省 IT プログラム:スーパーコンピュータネットワーク上でのリアル実験環境の実現
http://www.vizgrid.org/jpn/vgsympo/
・VizGrid プロジェクトの紹介 http://www.vizgrid.org/VizGrid2002.pdf
(5)ヘルスケア
(5-a) 食品トレーサビリティ
e-Japan 戦略Ⅱの先導7分野の一つとして「食」が提言され、e-Japan2004 においても、
その対応が記述されている。
その中に、食品トレーサビリティとしては、以下の2つが記述されている。
① 牛肉の履歴情報に係るトレーサビリティシステムの普及
成果目標:2004 年までに、100%の国内飼養牛について、個体識別番号により、BSE 発生等の場合に移
動履歴を追跡できる体制を整備し、2005 年までに、100%の国内飼養牛の精肉について、消費者が生産履
歴情報をインターネット等で確認できるようにする。
●牛肉の履歴情報に係るトレーサビリティシステムの普及(農林水産省)
26
「牛の個体識別のための情報の管理及び伝達に関する特別措置法」に基づき、2004 年 12 月1日から
実施される国内飼養牛の精肉への個体識別番号の表示の義務化が円滑に実施されるよう、義務付け制度に
ついて各方面に周知徹底するとともに、牛個体識別台帳(データベース)の作成・管理等を行う。
② 牛肉以外の食品のトレーサビリティシステムの普及
トレーサビリティシステム:生産・加工・流通等の各段階において、食品等とその情報を追跡し、遡
及できる仕組み。
成果目標:牛肉以外の食品について、その特性に応じたモデル的なトレーサビリティシステムを 2005 年
度までに開発し、生産者、事業者の自主的な取組を支援することにより、消費者が生産流通履歴情報をイ
ンターネット等で確認できるようにする。
●牛肉以外の食品のトレーサビリティシステムの普及(農林水産省)
青果物、米などの牛肉以外の食品について、食品の特性に応じたモデル的なトレーサビリティシステム
を開発するため、2005 年度までに、地域や流通・加工段階を横断した相互運用性あるトレーサビリティ
システムの開発及び運用体制の整備に向けた実証試験の実施を支援する。また、生産者、流通業者等の自
主的な導入の取り組みを基本としつつ、トレーサビリティシステムの普及を促進するため、必要なデータ
ベースの構築、情報機器の整備等を支援する。
生産履歴情報の信頼性確保に関しては、生産情報公表 JAS 規格 8 の対象食品を、2004 年度以降、消費
者のニーズ等を考慮しつつ増やしていくことを検討する。
また、第三者によるトレーサビリティシステムの監査体制を確立できるよう、2005 年度まで情報提供
等を通じ支援する。
(e-Japan2004 より転載)
これを実現させる技術として JTC1/SC31 で標準化が進められている RFID がある。この標準化の詳細は、
別項に記載されている。
また、利用が拡大されているものとして、「QRコード」がある。現在、カメラ付き携帯では、この2
次元コードを読ませることでホームページを呼び出すことが容易になっており、生産者のホームページへ
の連結が可能で、RFIDの活用以外でも便利になっている。
QR コードは、ISO/IEC18004 として標準化されている。この規格も用途に応じて、情報量よりも小型化
を要求する分野があり、小型の QR コードが審議されているところである。
これは、薬品の管理への応用が目的の一つである。
(5-b) 個人情報保護対応技術
(8-b) 個人情報保護の説明を参照のこと。
27
(6)コンテンツ産業分野
(6-a) デジタルコンテンツ著作権方式
デジタルコンテンツの流通基盤がもつ、不正コピー・不正二次配布によるコンテンツ保有者の権利侵害
という問題を改善するための、著作権を保護しながらコンテンツの流通を促進するために必要となるコン
テンツ流通基盤方式。コンテンツID(デジタルコンテンツに付与されるユニークな識別子等の属性情報
セット)、コピー世代管理(CGMS)関連技術、権利記述言語、他。デジタルコンテンツ著作権方式を選ぶた
めには、コンテンツの価格、コンテンツ利用者の利便性、コンテンツ提供にかかわるコストなど、さまざ
まな要因を考慮することが必要になる。参考情報を下記に示す。
①
コンテンツ ID フォーラム
(http://www.cidf.org/)
②
INSTAC コンテンツ流通市場形成に関する標準化調査研究委員会 平成 15 年度報告書
(6-b) ノンPC機器のインターネット接続
デジタルコンテンツを利用するための端末としては、携帯電話や家電 AV 機器のように、従来の PC とは
異なる IT 機器も使われる。これら非 PC 機器をインターネットに接続するためのネットワーク関連技術。
IPv6 を使った家電製品のインターネット接続(NonPC インターネットコンソーシアム、AV 家電を連係さ
せる標準 API UHAPI(Universal Home Application Programming Interface(UHAPI)Forum、)など。参
考情報を次に示す。
①
電子情報技術総合委員会/調査報告・提言書等《平成16年(2004 年)》
ホームネットワーク技術に関する調査研究報告書Ⅲ(04-情-7)
URL=
②
http://it.jeita.or.jp/eltech/report/2004/04-jou-7.html
特許庁
URL=
技術調査課
情報機器・家電ネットワーク制御に関する技術動向(H13、5 月)
③
http://www.jpo.go.jp/shiryou/pdf/gidou-houkoku/kaden.pdf
e-Life 情報家電の市場戦略(2003 年 7 月、東北大での講演)
URL=
④
http://www.most.tohoku.ac.jp/lecture/it/7-30-03.pdf
家電をネットワーク化する際の技術の現状と標準化に向けた課題に関する調査 (IPA)
URL=
⑤
http://www.ipa.go.jp/SPC/report/01fy-pro/homeerct/ehomestd/ehomestd.pdf
第2章 デジタル情報家電のネットワーク化に向けたサービス・技術の動向(総務省)
URL=
http://www.soumu.go.jp/s-news/2004/pdf/040827_11_b2_2.pdf
(7)アクセシビリティ分野
アクセシビリティセッティングのためのアクセシビリティ
どのような障害を持つ人であっても,情報機器に自由にアクセスできることが必要になってきている。
特に,パソコンのように主に個人が使用する機器以外にも,公共の用に供するための情報機器が広く使わ
れるようになりつつあることから,誰でもが自由に使えるインタフェースが必要である。
現在の OS は,弱視,手指の機能障害などいくつかの生涯があっても,特殊な設定を行うことによって
文字を拡大表示したり,複数のキーを同時に押し下げなければならない操作を単一キー押下げの連続で行
28
えるようにするなどの,アクセシビリティ設定を行える機能を備えている。これらの機能は,基本的に健
常者の補助の元に設定を行うことを前提としており,公共の用に供される情報機器には未だに備えられて
はいない機能である。障害者であってもアクセシビリティ設定を行えるようにするためには,それらの
人々が情報機器を使おうと思ったときにその設定を行えるようにしなければならない。たとえば,全盲の
ユーザに対しては音声ガイダンスと音声認識を使ってアクセシビリティ設定ができなければならない。
更に,日本国内だけではなく,世界中で全く同じ方法によってアクセシビリティ設定を開始できるよう
になることが望ましい。
ISO/IEC JTC1/SC35 において,日本からこの規格の必要性を説明し,各国の賛同を得ることに成功して
おり,2005 年 7 月の総会の際に NP 提案を行うことになっている。日本からのオリジナルな提案であり,
アクセシビリティに関する規格で日本が国際社会をリードしていく意味からも,この規格を成功させるこ
とが必要である。
日本国内においては,様々な分野におけるアクセシビリティの重要性が認識されてきているが,情報機
器のアクセシビリティの重要性が認識されてきたのは,つい最近であり,国際への NP 提案と同時に,将
来の JIS 化へ向けての作業を平行して行うことが望ましい。
(8) 通信・ネットワーク分野
(8-a) プライバシー・テクノロジーと個人情報保護
この項目の 2003 年 ISO/IEC JTC1 総会で、標準化検討テーマとして取り上げられ Study Group の設置が
決まり、2004 年の JTC1 総会で検討継続となり、以後の審議は JTC1/SC27 で行い 2006 年にその結果を報
告することになる。
ISO/IEC JTC1/SC27 において、
ISSEA よりプライバシーに関する PAS として以下の標準が提出されたが、
関係団体等からのクレームで取り下げられた。
DIS20886
ISTPA-Privacy Framework
ISTPA(International Security, Trust and Privacy Alliance)については、http://www.istpa.org/
に詳細な情報がある。
JTC1 レベルでは、カナダが新 SC の設置を要望し、別に PAS を出すという並行的行う手順に反対
する国が多く、結局、調査段階から見直しする結論となった。
プライバシーに関しては、W3C の P3P(Platform for Privacy Preferences Project)1.0 Specification
や Liberty Alliance の Privacy and Security Best Practices などの標準・ガイドラインが作られて
いる。今後、関係 SC と議論をした上で、これらの方向性を決めていく必要がある。
個人情報保護法が 2003 年 5 月に制定され、2005 年4月からは民間も含めて完全施行となる
予定である。2004 年度中には各省庁の個人情報保護ガイドラインが発行され、それぞれの業種の組織
に遵守することが求められている。その中心となるのが、経済産業省のガイドラインで、以下のホーム
ページで閲覧できる。
http://www.meti.go.jp/policy/it_policy/privacy/041012_hontai.pdf
また、現在国内で JIS としては、プライバシーマーク制度に基になっている JIS Q 15001「個人
情報保護に関するコンプライアンス・プログラムの要求事項」があり、個人情報保護法との整合性
29
のために、一部の修正が必要となっており、平成 16 年度での改正が予定されている。
http://privacymark.jp/
(8-b) 家庭内の情報家電の相互接続性
情報家電、とりわけ AV 家電の相互接続性を検討するアライアンスとして、DLNA(Digital Living
Networking Alliance)が 2003 年 6 月に設立された。このアライアンスでは、AV 家電や PC の間で動画、
静止画や音声などのマルチメディアコンテンツをネットワークを介してストリーム送信し、家庭内のどこ
からでもアクセスできるようにするための環境作りを進めている。
このアライアンスは 2004 年 6 月に機器間の相互接続を確保するためのガイドライン(ホームネットワ
ークデバイス・インターオペラビリティ・ガイドライン v1.0)を発表した。2005 年 8 月にはロゴ認証プ
ログラムの開始も予定している。
(8-c) 家電ビジネスのサービスビジネス志向
オフィス機器では、遠隔保守(リモート保守)が既に行われているが、情報家電の分野でも、ネットワー
クに接続された家電に対して、機器の保守や故障時の修理等をリモートで安全に行うことが可能な技術の
開発が必要であり、それを標準化していくことが今後、必要である。ECHONET コンソーシアムでは、通信
回線とつながったゲートウエイを介して、ガス漏れ通知などのリモート保守を行うことが検討されている。
(8-d) 家電機器機能のオブジェクト化
ECHONET では、機器のもつ「機器としての動作機能」を機器オブジェクトとして規定し、通信を介して、
機器相互の制御や状態の確認を実現している。現在、標準化や普及推進活動が活発に行われており、
ISO/IEC JTC1/SC25/WG1 に国際規格化案を提案している。
(9)セキュリティ分野
(9-a) バイオメトリクス認証データ管理
バイオメトリクスは平成 13 年 9 月 11 日の同時多発テロを受けて、米国が主導的に動いて、平成 14 年
12 月に ISO/IEC JTC1/SC37 がバイオメトリスク技術の標準化を行う技術委員会として発足した。SC37 発
足以前は SC17(IC カード)、SC27(セキュリティ)や ISO/TC68(金融業務)などで個別に審議されてい
た。
バイオメトリクス認証データ管理については、認証データ構造の相互接続、キャンセラブルデータ、精
度評価標準データの管理等がある。データの相互接続性に関する表記方法(論理交換フォーマット、物理
フォーマット)はSC37 WG2 、WG3で現在標準化が進められている。キャンセラブルデータ、精度評価標準
データの管理については、この対応に関してSC37で検討するかいなかというレベルの話となっている。認
証プロトコル(バイオメトリクスとPKIの連携)に関しては、ITU-Tへ日本から標準案を提案し、採択
され現在標準化作業が行われている。本年4月にはITU-TからIS SC27、SC37へリエゾンステートメントを
出すことになっており、現在その調整作業が国内で進められている。
30
(9-b) 暗号モジュール評価基準(評価制度を含む)
暗号モジュール評価に関しては、米国・カナダが運用している CMVP(Cryptographic Module Validation
Program)が広く知られており、デファクトスタンダードとしての地位を築いてきている。一方、国際的
な標準化としては、平成 14 年 10 月に、米国(NIST:National Institute of Standards and Technology)
およびカナダ(CSE:Communications Security Establishment)の連名で、CMVP のセキュリティ要求基準
である FIPS(Federal Information Processing Standard) 140-2 が ISO/IEC JTC1 SC27 に提案され、平
成 15 年 4 月から標準化作業が開始された。現在 Final Committee Draft の段階にある。類似の評価基準
としては、ISO/IEC 15408 として知られている CC(Common Criteria)の中で CA(Certificate Authority)
で用いる HSM(Hardware Security Module)に対する PP(Protection Profile)が存在するが、汎用的な
暗号モジュールに対するセキュリティ要求基準とはなっていない。
米国・カナダの CMVP 制度は、政府機関で調達する暗号モジュール製品が満たすべきセキュリティ要件
を規定し、その要件を満たすことを確認し、認定を与える制度である。満たすべきセキュリティ要件が
FIPS 140-2 であり、その試験手順(DTR:Derived Test Requirements)や制度の運用規定(IG:Implementation
Guidance for FIPS PUB 140-2 and the Cryptographic Module Validation Program)が定められている。
(9-c) OASIS のバイオメトリクスフォーマット
OASIS は商業用に XML 言語を使ったデファクト標準を作成している団体であり、ebXML が有名である。
OASIS にはたくさんの Technical Committee があるが、その内のセキュリティ関係だけでも、以下の 10
委員会がある。
- OASIS Digital Signature Services (DSS) TC
- OASIS eXtensible Access Control Markup Language (XACML) TC
- OASIS Provisioning Services TC
- OASIS Application Vulnerability Description Language (AVDL) TC
- OASIS Public Key Infrastructure (PKI) TC
- OASIS Security Joint Committee
- OASIS Security Services (SAML) TC
- OASIS Web Application Security (WAS) TC
- OASIS Web Services Security (WSS) TC
- OASIS XML Common Biometric Format (XCBF) TC
ここで、最後に挙げたOASIS XML Common Biometric Format (XCBF) TC が、バイオメトリクス共通フォ
ーマットの標準化をしている TC である。ここでのバイオメトリクスは、DNA、指紋、虹彩、手のひらの外
形などを含む人間の生体的特徴を個人認証に用いるとしている。OASIS XCBF TC は、CBEFF(シーベフと
読む、Common Biometric Exchange File Format)フォーマットを用いる セキュアな XML による共通セッ
トである。この XML 言語による符号化は、ANSI X9.84:2003 の Biometrics Information Management and
Security 規格で規定されている ASN.1 記述に基づいている。この XML エンコードは、さらに、ITU-T の勧
告 X.693 で規定されている ASN.1 スキーマにも一致している。現時点での XCBF 規格は、バージョン 1.1
で 2003 年 8 月に制定されたものであり、無償でダウンロードできる。詳細は以下の OASIS XCBF TC の HP
31
を参照されたい。
http://www.oasis-open.org/committees/xcbf/
32
(10)ソフトウェア
(10-a) グリッドコンピューティング
現在、グリッド技術の標準化は GGF(Global Grid Forum)にて進められている。一方で、企業におけ
るグリッドのソリューションを確立することに焦点をあてた組織として EGA(Enterprise Grid Alliance)
が 2004 年 4 月に発足した。また、Web サービス技術との関連が強まっており、Web サービスの分野で進め
られる標準化の動向(W3C, OASIS)についても注目する必要がある。第 3.5 図に、これら関連標準化団体
(GGF、EGA、W3C、OASIS)間の関係を示す。
2002 年はじめに提唱された OGSA/OGSI はこの複雑多岐にわたるグリッド・プロトコル標準の基盤部分
を Web サービスにおくことで、標準化の努力をより上位層にフォーカスしようというものである。Globus
と IBM が提唱した OGSA のコンセプトは Global Grid Forum(GGF)の中で各種のワーキンググループの検討
アクティビティとして具体化されている。
OGSA-WG はこの検討の中心的役割を果たすもので、将来のグリッドのあるべきメタ・アーキテクチャー
を提唱し、グリッドを構成するサービスとそれらの関係について定義し、必要な標準化項目を洗い出そう
としている。
(平成 16 年度グリッドコンピューティング調査研究委員会報告書から抜粋)
GGF(Global Grid Forum)
OGSA
OGSI
OGSA-DAI
JSDL
WS-Federation, …
WS-Policy
WS-RM
WS-Transaction,…
ベンダー発表のみで、まだ標準化
団体に提出されていないドラフト
WS-Interoperability
Basic Profile
WS-Agreement
CDDLM
OGSA-AuthZ
アイデンティティ
連携、サービス
Liberty Alliance
OASIS-Open
W3C
WS-Security
SAML, XACML
UDDI
BPEL4WS
WS-Reliability
WSDM
WS-RF
WS-Notification
WS-Addressing
WS基本プロトコル
SOAP,WSDL,XMLDSIG,XML-ENC
Webサービスの標準化
第 3.5 図
関連標準化団体(GCF、EGA、W3C、OASIS)間の関係図
33
(10-b) 高信頼性ソフトウェア開発のためのプログラム言語及び開発システム
人間の生命財産に重大な影響を及ぼすミッションクリティカルシステムがどんどん開発されるように
なってきている。これらのシステムの中心的な機能を果たしているものがソフトウェアであり,このよう
なソフトウェアを開発するためのプログラム言語及び開発システムの必要性に注目が集まっている。みず
ほ銀行のシステムダウンの例にみられるように,大規模システムのソフトウェアを高い信
頼性を保ちながら開発することは,現在の技術水準ではきわめて困難であり,従来の技術とは異なるアプ
ローチが必要であると考えられている。
ここで提案しているテーマは,IEEE でも昨年から WG が組織されて研究が開始されている。従来のソフ
トウェア工学のアプローチであるシステム設計,実現,テストという方式ではなく,設計,実現段階から
信頼性の高いプログラムを作成できるようなプログラム言語を定義し,同時にこの言語に基づく開発プロ
セスを支援する開発システムを規格化しようとするものである。
現在でも完全性を証明できるようなフォーマルな仕様記述言語が作成されているが,ソフトウェアとし
て実現するためのプログラム言語への変換が完全ではなく,更に実用的なシステムに適用できる水準には
達していない。また,一般に仕様記述は極めて難解であり,開発支援システムの助けなしには記述が困難
である。
現状では,1~2 年で規格化できるほど成熟した技術ではなく,数年間の研究開発が必要と考えられる
が,今後のソフトウェア工学にとって極めて重要なテーマであり,産業界からも必要性を強く訴えられて
いる技術である。更に,日本の得意分野といわれている組込みソフトウェアにおいても,それが使われる
場面が医療機器をはじめとするミッションクリティカルシステムに広がっていくことは明きらかであり,
本テーマの影響は様々な分野に広がるものと考えられる。
(10-c) プロセス評価
ISO/IEC 15504 シリーズの発行によって,ソフトウェア開発プロセスの評価に関する規格化が行われて
いる。対応する JIS も作成され,着々と成果を上げている。
プロセス評価に対する我が国の立場は当初から一貫して,プロセスを改善するための指標としてプロセ
スを評価すべきで,評価結果の得点を競う類のものではないというものである。この点では,プロセス評
価の結果をプロセス改善のために利用し,この課程を連続して繰り返すという改善の実例を複数報告し,
これらの結果に基づいて 15504 シリーズの改訂を行ってきている。
本テーマに関しては,国内向けには国際規格との整合性のとれた JIS をタイムリーに発行し,ISO/IEC
JTC1/SC7 WG10 に対して,従来と同様に実例に基づいたフィードバックを積極的に行い,内容を充実させ
る。一方,国内向けには IS の普及に努めるとともに,国内事情を考慮したプロセス評価,プロセス改善
手法を JIS として反映する必要がある。
34
(10-d) UML
OMG が提唱しているモデリング言語及び表記法であるが,オブジェクト指向システム開発では世界的な
デファクト標準としてすでに認められている。OMG は JTC1 に Fast Track による提案を予定しており,そ
の際には,タイムリーな対応と早急な JIS かが必要となる。
オブジェクト指向のソフトウェア開発においては,ほとんどすべてのモデリングが UML を使って記述さ
れており,国際的な分散開発を円滑に行うためには,できるだけ早期な IS 化,JIS 化が望ましい。OMG が
作成した UML 関連文書は,数百ページに及ぶ膨大なものであり,Fast Track 提案されてからの短期間に
通読しコメントするのはほとんど不可能に近い。現在はまだ提案されているわけではないが,諸般の情勢
からみて IS 化されることはほとんど間違いないと考えられ,事前対応の意味からできるだけ早期の JIS
作成作業の開始が望まれる。
(11) その他分野
IT サービスマネジメント
2003 年 7 月に日本でも itSMF(IT Service Management Forum)という NPO が設立された。これは
IT サービスマネジメントを普及・啓発を目指す団体である。IT サービスマネジメントとは、IT 組織
がビジネスの現場に提供しているサービスの品質を測定し、報告し、改善する連続的なプロセスによ
ってサービスのレベルを管理することである。この考え方は、1980 年台後半に英国 BSI で ITIL
(Information Technology Infrastructure Library)というガイドラインとして具体化された。こ
れは、IT の運用管理者だけでなくすべてのエンジニアが知っていて有用なものである。(参照:第
3.6 図)英国では、ITIL に基づく運用管理の作業手順を標準規格 BS15000 として定め、政府調達など
に用いている。この ITIL の普及促進を目的とする国際的な NPO が itSMF で、英国を含む欧米諸国を
中心に 23 カ国に支部を展開している。2004 年の SC7 及び JTC1 総会を通して、Fast Track 手順で
BS15000 を提案することが決まり、DIS20000(第1部:specification、第2部:Code of Practice)
として 2004 年 11 月から投票にかかっているところである。国内でもアドホックグループを設置し、
投票への対応を進めている。これは、情報サービス産業市場の拡大のために有用な規格であるため、
適切な形での国際標準化が望まれる。順調にいけば 2005 年中には国際標準となる予定である。(参
照:第 3.7 図)
35
【目的】 ■ビジネスおよびその顧客の現在と将来のニーズに
英国スタンダード
BS15000
一致したITサービスの提供
■ITサービスの品質の向上
■ITサービス提供の長期的なコストの削減
Part1:
Specification
DISCPD0015
セルフアセスメント
ワークブック
ITIL理論
サービスサポート*1 サービスデリバリ *2
Part2:
Code of Practice
サービスデスク
インシデント管理
問題管理
構成管理
変更管理
リリース管理
(管理実施基準)
セルフアセスメント
質問表
ITIL (IT Infrastructure Library)
サービスレベル管理
ITサービス財務管理
キャパシティ管理
ITサービス継続性管
理
可用性管理
(業務プロセスと手法を定義)
内部プロセスと手順
(組織独自の内部プロセスと手順に展開されたソリューション)
*1 ITサービスの日常の運用とサポートを定義
*2 ITサービス提供に関わる長期的な計画と改善を定義
第 3.6 図
IT サービスマネジメント標準の構成
今後、サービスの調達基準として
ITサービスマネジメント(BS15000)が要求される可能性が高まる
1989年:英国政府が政府自身のためのITサービスマネジメントの
ベストプラクティスとして ITIL(IT Infrastructure Library)を発表
1991年:ITIL推進母体 itSMF(IT Service Management Forum)を創立
1990年代:英国省庁内にITILを実践展開→欧州各地に拡大
1997年:itSMF(米国)設立
2000年:英国標準 BS15000 制定(ISO9001及びBS7799とも連携)
NTTコミュニケーションズ、富士通、日立、
NEC、マイクロソフトなど8社で設立
2003年:itSMF Japan設立
2003年7月:BS15000のAuditとCertificationを開始
2004年11月 Fast Track投票開始(2005年4月末期限)→2005年中に国際標準へ
■現在、世界23ヶ国に支部が設立。ITILが事実上の標準として普及
第 3.7 図
IT サービスマネジメントの標準動向
36
4. 今後の課題
昨年度に引き続き IT 標準化戦略委員会は、(財)日本規格協会
情報技術標準化研究センター
(INSTAC)が取り組むべき標準化課題を抽出する体系的手法の検討を中心に活動した。
本報告に示されているものは、現時点までに整理された手法と、これに基づいて抽出された 20 件以上
の課題の事例である。しかし、このような体系的手法は完成したわけではない。
第一に、ロードマップとしてまとめている標準化課題候補の妥当性がある。ISO/IEC JTC1 では
Technology Watch と称するグループを設けて、標準化課題の抽出に取り組んでいる。しかし、その活動
も十分組織化されたものではなく、また活動が有効な成果を生んでいない。このような国際グループと連
携を保ち、有効な標準化課題候補の求め方を続けて模索する必要がある。
第二に、標準化課題の抽出に本報告の手法を用いると、結果に対する説明義務が生じる。また、評価者
の主観や認識の差により生じる評価値のばらつきに対する見解が必要となる。これらに対する十分な洞察
は残された課題となっている。
一方、経済産業省が公的資金を標準化事業に投下する場合に、本報告の手法以外の評価尺度(評価項目)
を適応することも想像でき、また他の標準化団体の意向を込めた尺度が適応されることもあろう。このよ
うな適応事例を通して、手法の見直しを継続することが第三の課題となる。
これらの点に課題を残しているが、INSTAC が本手法を用いて経験を積むことが肝要であり、また効用
を説明し標準化関係団体にも手法の活用を広げていただきたい。このような実践を通して、手法が完成し
ていくと信じる。
最後に、本委員会活動を支援いただいた経済産業省関係各位、参加された委員各位並びに事務局を努め
られた INSTAC 各位に感謝申し上げる。
37
[附属資料-A]
38
[附属資料 A-01]
2005.02.24
平成 16 年度将来型文書統合システム標準化調査研究委員会実績報告
委員長:小町祐史
事務局:内藤昌幸
1.活動計画
1.1 XML 化情報検索プロトコル
日本語図書館情報の統合検索を容易にするため, XML 化情報検索プロトコル ZING(Z39.50
International Next Generation)に対して, 日本語(及び多言語)環境に必要な規定を追加
する。既に 2003 年度に Library of Congress に提出した ZING 拡張案に, さらに追加の拡
張提案を行い, それらをまとめて, TS X 0091 原案とする。
1.2 オントロジ記述言語
W3C の OWL(ウェブオントロジ言語)を調査し, 必要なパートについて翻訳して TS 原案を
作成する。
1.3 AV 機器およびシステムへのオントロジ応用
2003 年度までの検討に基づき, 次のオントロジ応用関連規定検討を行い, NP 提案を行う。
1.4 日本語検索機能記述のための指針
昨年度から検討している日本語検索機能記述のための指針をまとめ, TR 原案とする。
2.活動成果
2.1 XML 化情報検索プロトコル
Library of Congress に対して"Extension of ZING SRW 1.1 for Query by Image"を提出
し, 関係者と議論を行って, TS X 0091 原案 XML 化情報検索プロトコル をまとめた。
2.2 オントロジ記述言語
次の TS 原案 4 件を作成した。
- OWL ウェブオントロジ言語 概要
- OWL ウェブオントロジ言語 手引き
- OWL ウェブオントロジ言語 機能一覧
- OWL ウェブオントロジ言語 意味論及び抽象構文
39
2.3 AV 機器およびシステムへのオントロジ応用
JEITA の AVIS 研究会とリエゾンをとり, IEC/TC100/AGS に次の contribution を行った。
- 100/AGS/143, Ontology description for AV equipment and systems
- 100/AGS/158, Ontology application to network equipment management
2.4 日本語検索機能記述のための指針
TR 原案 日本語検索機能記述のための指針 を作成した。
3.その他(特記事項)
なし
以上
40
[附属資料 A-02]
2005.02.24
平成 16 年度 業務オブジェクト共有技術標準化調査研究委員会実績報告
委員長: 堀内 一
事務局: 山中正幸
1.
活動計画
1.1 研究目的
a)
企業間連携のための情報要素共有技術のJIS化要件調査
情報要素とモデル要素の共有に関する規格化検討
b) ebXML 仕様に基づくリポジトリの JIS 化検討
リポジトリとレジストリモデル規格化の検討
1.2
研究内容
a)「ebXML リポジトリモデル」の JIS 化要件の調査
ECOM のNR&Rプロジェクトと連携によるebXML仕様リポジトリの実装実験結果の
JIS 化のための調査を行うこと。
b)「日・中・韓のリポジトリ連携」の実証実験と関連する規格化必要事項の調査
SC32 の韓国、中国との協調によって ISO 規格化推進中の「メタモデル相互運用枠組み
により、
「日・中・韓のリポジトリ連携」の実証実験と関連する規格化必要事項の調査を
進めること。
c)ビジネス協調モデル化方法論「BCF(Business Collaboration Framework)
」の調査
OASIS が進める BCF に関して、その動向を調査すること。
2.
2.1
活動成果
ebXML リポジトリモデルの JIS 化要件の調査
ECOM の NR&R プロジェクトと連携して、ebXMLリポジトリ仕様(V2.5)に基づき、NR&R
としてのリポジトリとレジストリ構造の原案を作成しプロトタイプを実装した。また、そ
れらの JIS 化について、必要性と標準化項目を明らかにした。
2.2
「日・中・韓のリポジトリ連携」の実証実験と関連する規格化必要事項の調査
H16 年 5 月、SC32 と eAC(ebXMLアジア委員会)とで、日本、韓国、中国、台湾、香
港などによる、リポジトリとレジストリの連携実証のための合同プロジェクトを発足させ
た。本年度は、その要求仕様の概要をまとめた。
2.3
BCF 調査
OASIS が進めるビジネス連携仕様(BCF)について、その仕様と動向に関する調査を行っ
た。
2.4
関連団体の動向調査
企業間連携に関して、業界団体が進めるレジストリ構築事例、あるいはオントロジ共有、
ビジネスプロセスモデリングなどに関する標準化動向の調査を行った。
41
3.
その他(特記事項)
本委員会は、H16 年度で終了する。 しかし、特にアジア諸国との合意を得たリポジトリ
連携仕様や標準情報要素等については、プロジェクト完了後、あらためて JIS 化のための
提案を行いたい。
以上
42
[附属資料 A-03]
2005.02.24
平成 16 年度グリッドコンピューティング標準化調査研究委員会実績報告
委員長: 小柳 義夫
事務局: 山中 正幸
1.活動計画
(1)規格化・標準化の必要な項目の整理提言
ビジネスにおいてグリッド環境におけるサービスの提供を行うためには、社会的枠組
として様々な種類の明確な基準、規格が必要である。
(2)グリッド構築のガイドライン作成
ヒアリングなどを通して、先端的なユーザにより増大するグリッドの活用事例を調査
し、推奨されるグリッドの構成要素やグリッドへの要請を整理してグリッド構築のガイ
ドラインとしてまとめる。
(3)国際規格案骨子作成及び国際標準化活動
世界への情報発信を視野に入れて活動を行う。
2.活動成果
(1)グリッド関連技術標準化の状況の調査
GGF と並んで、EGA (Enterprise Grid Alliance) が 2004 年 4 月に発足した。また Web
サービスに関連して W3C や OASIS についても注目する必要がある。これらの組織の活動
について調査した。
(2)日本における主なグリッド技術の標準化活動の調査
上記組織に関係した日本での活動とともに、標準化をも視野に入れたプロジェクト
(NaReGI, Business Grid, Grid DataFarm, BioGrid, OBIGrid など)
、グリッド協議会
の活動なども調査した。
(3)グリッド構築のガイドラインの提案
昨年度までの分析から、グリッドを構成する種々の技術項目についえ基準を設けるこ
とが必要であるとの認識に至った。多くのユースケースの分析から、構成とモデル、接
続、運用ポリシー、機能などについて技術要素を抽出した。
(4)グリッドコンピューティングに関する用語集の作成
3年間毎年作成しているが、年ごとに収容用語もその意味内容も大きく変化している。
3.その他(特記事項)
平成 16 年度で終了する。
以上
43
[附属資料 A-04]
2005.02.24
平成 16 年度
XML 適用関連の標準化調査研究委員会実績報告
委員長:小柳 義夫
事務局:山中 正幸
1.活動計画
(1)XBRL の JIS 原案作成
Extensible Business Reporting Language(XBRL)2.1 Specification の JIS 原案を作
成する
(2)XML 関連規格原案作成
JIS 原案
X 4153 追補 2 文書スタイル意味指定言語(DSSSL)
X 4156 追補 1 ハイパーテキストマーク付け言語(HTML)
X 4159 追補1拡張可能なマーク付け言語 (XML)
X 4177-4 文書スキーマ定義言語(DSDL)
TS 原案
RELAX NG のための和暦データ型、
XML による画像参照方式の TS 原案作成
(3)動向調査
XML 標準化団体における XML 関連標準の適用状況と標準化動向について調査を行う。
2.活動成果
(1)ヒアリング
・WS-Resource
Framework と WS-Notification 解説(説明)
・ビジネスプロセスとワークフロー
・OKAR
(2)JIS 原案
・JIS X 7206 拡張可能な事業報告言語(XBRL)2.1
・JIS X 4153 追補 2 文書スタイル意味指定言語(DSDL)
・JIS X 4156 ハイパテキストマーク付け言語(HTML)
(改正)
・JIS X 4159 拡張可能なマーク付け言語(XML)1.0(改正)
・JIS X 4177-2 文書スキーマ定義言語(DSDL)第 2 部正規文法に基づく妥当性検証-
RELAX NG
・JIS X 4166 XML 文書へのグリフ識別子の埋込み
44
・JIS X 4158 XML 名前空間
・JIS X 4176 XML リンク付け言語(Xlink)1.0
(3)TS 原案
・TS X xxxx XML フォーム言語(XForms)1.0
3.その他(特記事項)
平成 16 年度で終了する。
以上
45
[附属資料 A-05]
2005.02.24
平成 16 年度知的ソフトウェアによる生活者支援に関する標準化調査研究委員会実績報告
委員長:土居 範久
事務局:木村 高久
1.活動計画
昨年度に続けて、下記の項目について調査を行う。
(1) 生活の場で発生する IT 技術に対する誤解を解消するための、技術的な立場からの説明
と、健全な運用のためのガイドラインあるいは政策・制度の提言とを目的として活動する。
(2) 2年先に標準化の対象となると考えられる技術を調査、検討する。
(3) 3~5年先に共通技術基盤となると考えられる技術を調査、検討する。
(4) 協調エージェント技術に関する標準技術の普及推進を目的として、技術の利用者が理
解すべき技術的な項目を抽出する。
2.活動成果
前節の検討項目に対応させて Task Force (TF)1から4までを編成し、関係者からのヒ
アリングを含めて調査を行い、調査結果を報告書にまとめた。
TF-1: ユビキタス社会における個人情報保護を対象として、問題点と対応策とを調査した。
TF-2: 生活の場面で個人情報を保護しなければいけないシーン・状況を挙げ、個人情報の
記述や流通方式について、技術的観点にたって問題及び解決方法を調査し、標準化に向け
ての課題を検討した。
TF-3: 平成15 年度報告にある各委員からの提言を踏まえて,人間と情報技術とのより深い
共生のためのインタフェースとなる技術として、アクセシビリティ、ユニバーサルデザイ
ンの現状及び標準化動向を調査した。
TF-4: 公開した FIPA エージェント関連 TR を基に、協調エージェントの開発者にとって基
礎となる項目を選び、実際のプログラミングに便利なフリーのプラットフォームに関する
情報、プログラミング法に関連する項目などを追加して、エージェント技術の利用に必要
となる技術的項目の一覧を作成した。
3.その他(特記事項)
特になし。
以上
46
[附属資料 A-06]
2005.02.24
平成 16 年度「コンテンツ流通市場形成」に関する標準化調査研究委員会実績報告
委員長:今井 秀樹
事務局:木村 高久
1.活動計画
コンテンツの流通基盤は、大衆文化の形成に欠かせない非常に重要な基盤であると共に、
教育・文化レベルの高さを保つために欠かせない基盤である。しかし従来のコンテンツ流
通基盤は、提供されているコンテンツの多くが現在不正にコピー・2次配布されていると
いう問題をもっている。この状況を改善するための新たなコンテンツ流通基盤を模索する
ために、本委員会では、昨年度の技術調査を踏まえ、次の目的のもとで調査研究活動を実
施する。まず、昨年度からのコンテンツ保護技術と標準化動向の技術進展を調査する。更
に、実フィールドでのコンテンツ配信ビジネスの状況をヒアリングすることで、実状にあ
った保護方式を策定する。
なお、利用者端末としては、パソコンだけで無く、今後家庭での普及が見込まれる情報
家電を含めて標準化項目を検討する。コンテンツ利用履歴など個人情報の保護についても
十分な検討を行うものとする。
2.活動成果
標準化動向を引き続き調査するとともに、コンテンツ流通基盤を利用するライツホルダ、
エンドユーザの観点から、現在の利用形態や要件をまとめた。それらの結果からコンテン
ツ流通基盤の要件および考え方を整理した。技術動向・標準化動向については、昨年度の
調査検討からの進展を議論した。これらを合わせ、望ましいコンテンツ流通基盤について
総合的に検討し、報告書を作成している。
3.その他(特記事項)
本報告書により、現在利用可能なコンテンツ保護技術とその特徴を把握でき、また、コ
ンテンツ流通市場の形成に求められる要件および考え方を学ぶことができる。これらの資
料および検討内容は、今後の仕様策定に大いに役立つ資料となることが期待できる。今後
は、本調査研究成果を基に、コンテンツ利用者、提供者、仲介業者ならびに機器メーカに
受け入れられる仕様の策定を目指す。
以上
47
[附属資料 A-07]
2005.02.24
平成 16 年度 e-Book 標準化調査研究委員会実績報告
委員長:池田克夫
事務局:内藤昌幸
1.活動計画
1.1 e-Publishing/e-Book の国際規格提案
e-Publishing/e-Book に 関 す る 標 準 化 要 求 を 調 査 し , IEC/TC100/AGS で 検 討 さ れ た
IEC/100/AGS/139 に基づいて, 新作業課題の国際提案を行う。
1.2 DSSSL 多機能組版ライブラリ
ISO/IEC TR 19758 は, TR X 0010 に基づく日本からの提案であったが, その後, 幾つも
の Amendments が開発され, TR X 0010 との乖離が顕著になった。そこで, 国際との整合を
図るため, ISO/IEC TR 19758 およびその Amd.1, Amd.2, Amd.3 に整合する標準仕様書(TS)
原案を作成する。
1.3 PDF subset の規定
携帯電話等のモバイル端末のアプリケーションを前提に,ユースケースを作成し,それ
に必要な機能項目を明確にして,PDF subset の基本プロファイル, オプションプロファイ
ルを開発する。
1.4 縦組文書における数字表記方法
XML 文書を縦組表示するため, 主として漢数字の縦組表記を整理して, 電子化レンダリ
ングシステムにおける推奨表記を明らかにする。
1.5 原稿校正標準マーク付け言語(SPML)
以前の GLOCOM 開発版に対してさらに検討を加え, XML 対応を行う。
1.6 XSLT ライブラリ
TR X 0059:2002 を改正して, TS X 0059 するための作業(昨年度の電子出版技術調査研究
委員会の活動からの継続)を行う。
2.活動成果
2.1 e-Publishing/e-Book の国際規格提案
JEITA の AVIS 研究会とリエゾンをとり, IEC/TC100/AGS に次の contribution を行った。
48
- 100/AGS/139, Multimedia e-publishing and e-books - Conceptual model for multimedia
e-publishing
- 100/AGS/151, Conceptual model for multimedia e-publishing
- 100/AGS/162, E-publishing and E-books - Generic format for e-publishing
AGS での決定に基づき, 次の NP 提案を IEC/TC100 に対して行い, NP 投票で承認された。
- 100/864/NP, Multimedia systems and equipment - Multimedia e-publishing and e-books
- Conceptual model for multimedia e-publishing
2.2 DSSSL 多機能組版ライブラリ
ISO/IEC TR 19758 およびその Amd.1, Amd.2, Amd.3 を統合した TS 原案を作成した。
2.3 PDF subset の規定
e-Book の Reader's format for e-publishing の 1 機能としての PDF サブセットの検討資
料をまとめた。
2.4 縦組文書における数字表記方法
XML 文書を縦組表示するための縦組文書における数字表記方法を, TR 原案としてまとめ
た。
2.5 原稿校正標準マーク付け言語(SPML)
利用者要求に基づき, e-Book の Submission format for e-publishing の 1 機能としての
SPML の検討資料をまとめた。
2.6 XSLT ライブラリ
次の機能をサポートする XSLT ライブラリを TS 原案(TR X 0059:2002 の改正原案)として
まとめた。
- 文字列処理
- タグの処理
- 属性の処理
- 日本語処理
- 目次・索引の生成
3.その他(特記事項)
なし
以上
49
[附属資料 A-08]
2005.02.24
平成 16 年度オープンソースソフトウェア標準化調査研究委員会実績報告
委員長:大場 充
事務局:山形 薫
1.活動計画
セキュリティ向上や開発・保守コストの削減のためにオープンソース・ソフトウェア(O
SS)の利用が海外では急速に進んできている。OSSはソフトウェア業界だけでなく,
組込みソフトをはじめとして全産業分野でも利用されている。しかし,国内では市場に占
める割合も小さく,開発環境の整備も今一歩の状態である。その理由は,OSSに対する
様々な不安(品質,サポート)
,事業化への開発者の不安,ライセンス問題(SCO社によ
る訴訟問題)などが解消されていないためである。これらの不安を払拭するために,OS
S関連技術の標準化を通して,問題点の洗い出し・解説を行う。さらに,海外の動向・普
及状況を調査し,国内普及への施策の提案も行う。
特に,官公庁や自治体ではセキュリティ対策や開発・保守コストの安さの点からOSにL
inuxを採用するところが出始めている。
2.活動成果
OSS に対する諸活動は,現状では OS またはミドルウェアを対象としたものが多く,アプ
リケーションレベルでのオープンソース化はごく一部において実験的に実施されているだ
けで,アプリケーションのオープンソース化と言う概念は余り検討されていない。アプリ
ケーションレベルでのオープンソース化は,ユーザだけでなくメーカーにも多大な影響を
及ぼすものであり,今後のソフトウェア産業の発展においては重要な課題である。本委員
会では, アプリケーションレベルでのオープンソース化のあり方を検討した結果,次の 2
つの WG に分かれて活動を行っている。
WG1 では,ユーザの視点に立ち、OSS の円滑な利用にあたり課題となっている点を調査・
研究し、その解決の為に必要な事項について検討・提言を行うことを目的とする。
具体的には、OSS の流通、利用に関するファンクション・プレーヤーのテンプレートマッ
プを作成し、それぞれの関係性や OSS を利用する際のリスク位置等を可視化することを当
面の目標とする。
WG2 では,実際のシステム開発における諸課題を調査研究するために,具体的に自治体シ
ステムにおけるオープンソースのあり方を検討することを目的とする。具体的には,自治
体におけるオープンソースへの取り組みについてアンケート調査を行っている。
3.その他(特記事項)
特になし。
以上
50
[附属資料 A-09]
平成 16 年度 「マルチメディア・コンテンツに係る画像処理技術」
2005.02.24
に関する標準化調査研究委員会実績報告
委員長:小野 文孝
1
.
活
動
計
画
事務局:渡会 一郎
「マルチメディア・コンテンツに係る画像処理技術」に関する標準化調査研究委員会
委員長
小野
文孝(東京工芸大学)
カラーマネージメント分科会
主査 卜部 仁(富士写真フイルム(株)
)
標準画像(CIELAB/SCID、IT8 カラーターゲット)と測色データ交換規格(CxF)
等に関する国内・国際規格化に対応
※ JIS X9204:2000 改正案と TR X0012:2004 公表案のフォロー有り
2
G
W
/
0
3
1
C
T
対応
高精細画像符号化分科会
主査 松木 眞(NTT クオリス(株))
高精細画像データ交換規格(PPML/VDX、TIFF/IT、PDF/X 等)等に関する国内・
国際規格化に対応
※ ISO12639:2004(TIFF/IT)に日本開発の DR 圧縮技術を提案
※ JIS X 9205:1999 の改正作業
2.活動成果
規格番号
規格名称
対応規格番号
JIS X9204:2004
高精細カラーディジタル標準画(XYZ/SCID)
ISO12640-2:2004
TR X0012:2004
色再現評価用標準物体色分光データベー
ス(SOCS)
ISO/TR16066:2003
ISO 12640-3:200x
高精細カラーディジタル標準画(CIELAB/SCID)
ISO 17972:200x
Colour data exchange format (CxF)
ISO 12642-2:200x
Input data for characterization of
4-colour process printing
ISO 15076-1:200x
ICC Colour Management - Architecture,
profile format, and data structure
Part1:Based on ICC.1: 2004-04
電子製版画像データ交換用タグ付きファ
イルフォーマット(TIFF/IT)
JIS X9205:2005
ISO 12639 : 2004
AMD1
Tag image file format for image
technology (TIFF/IT) に Annex L 追加
ISO12639:2004
ISO12639:2004 の 追
補案
ISO 16612:200x
Variable printing data exchange using
PPML and PDF (PPML/VDX)
進捗状況
第 17 回情報技術専門委員会
審議承認。12 月 20 日「改正」
官報公示。
第 16 回情報技術専門委員会
審議承認。10 月 1 日「新 TR
公表」官報公示。
2004-12-23 に提出された再
CD 案に対応。
NWI 案に対応。XML 記述に日本
提案の AMPAC 記述を盛り込む
こともポイント。
Pre-DIS 案 へ の コ メ ン ト
(2005-01-24 締切)で「賛成」
対応。
DIS 投票案(2005-04-12 締切)
に対応
改正(IDT)作業中。2005 年 3
月電子申請予定で作業を進め
ている。
独立行政法人産業技術総合研究
所開発の DR 圧縮法を提案。
2004-06-16NWI 案承認。
2004 年 11 月 8 日締切りの DIS
投票案に賛成対応。
3.その他(特記事項)
独立行政法人産業技術総合研究所開発のDR圧縮法は、その印刷用網点画像に対する優れた圧縮効果を
活かすべく、ISO/TC130/WG2(製版データの交換)分野での展開を積極的に進めていく。
51
以上
[附属資料 A-10]
2005.02.24
平成 16 年度 情報とドキュメンテーション標準化に関する調査研究開発委員会実績報告
委員長:宮澤 彰
事務局:関 達雄
1.活動計画
ISO TC46 Informat io n and Documentati on の 国 内 審 議 団 体 と し て 活 動
す る と と も に , こ の 分 野 の JIS 又 は TS の 原 案 作 成 活 動 を 行 う 。
2.活動成果
2.1 国内標準化活動 (図書館JIS作成WG)
図書館など情報提供サービス機関の活動に関する指標に下記の JIS 原案を作成した。
(1)
ISO2789:2003 図書館統計 の JIS 原案(IDT)を作成した。
現在統一されていない電子図書館サービスに関する統計について規定したことに
より,当該分野の統計が統一され,図書館および情報サービス提供機関は,自館の
経営分析上必要な同種の他の図書館又は機関との比較が可能となる。
(2)
JISX0812 全体の改訂版(案)を作成した。
ISO11620 Amd1:2003 図書館パフォーマンス指標の発行にともない,JIS X 0812:2002
(ISO11620:1998 IDT)へも追補する必要が生じた。しかしながら,JIS においては,
追補の翻訳にかかわる修正部分だけでなく、1)の ISO2789 の JIS 原案作成に伴って
発生する修正も踏まえて,JISX0812 全体の改訂版(原案)を作成した。
これら二つの JIS 原案を,関係団体へ照会し,コメントを求めた。照会した団体は下
記 4 団体である。
・ 文部科学省 研究振興局情報課 学術基盤整備室
・ 文部科学省 生涯学習政策局 社会教育課
・ 日本図書館協会
・ 国立国会図書館
2.2 国際標準化活動
(1) ISO/TC46 案件の投票実施
(2) ISO/TC46総会 参加
・ 開催場所:ワシントンDC
・ 開催期間: 2004年 10月 25日~29日
・ 日本からの参加者 2名
(3)ISO/TC46/SC 11の国際会議 参加
・ 開催場所 シドニー
・ 開催期間:2004年 11月1日~4日
52
・ 日本からの参加者 8 名
3.その他
H15 年度委員会の成果フォロー
3.1 Dublin Core メタデータ基本記述要素集合 標準化作業部会 (WG1)
JIS X 0836 ダブリンコアメタデータ基本記述要素集合 原案作成
2005 年 3 月 JISC 審議 提出予定
(ISO 15836:2000 DublinCore Metadata Element Set の IDT)
3.2 Records Management 標準化作業部会 (WG2)
JIS X 0902-1 情報およびドキュメンテーション- 文書・記録管理 の原案作成
2005 年 3 月 JISC 審議 提出予定
(ISO 15489 Records management の IDT)
以上
53
[附属資料 A-11]
2005.02.24
平成 16 年度ソフトウェア製品の品質改善の標準化に関する調査研究委員会実績報告
委員長: 山本 喜一
事務局: 山形 薫
1.活動計画
ソフトウェア製品の品質に起因したシステム障害が多く発生しており,ソフトウェア製
品そのもの及びその開発プロセスについて規定している国際規格を JIS 化する。ソフトウ
ェアエンジニアリングの標準化を行っている JTC1/SC7 と協調をとりながら,活動を行って
いる。今年度は,①ソフトウェア製品の品質(SPE)委員会,②ソフトウェアプロセス
評価(SPA)委員会,及び③オンラインドキュメンテーション(OLD)委員会の 3 つ
の委員会で,標準化活動を行い,ソフトウェア製品の高品質化及び使用性の向上を図る。
JIS 原案及び国際規格原案を作成する。
(1)ソフトウェア製品の品質(SPE)委員会
ソフトウェア製品の品質測定法について規定している次の規格をJIS化している。
・ISO/IEC 9126-2:Product quality -- Part 2: External metrics を「JIS X 0129-2
ソフトウェア製品の品質 第 2 部:外部測定法」として,JIS 原案を作成する。
・ISO/IEC 9126-3:Product quality -- Part 3: Internal metrics を「JIS X 0129-3
ソフトウェア製品の品質 第 3 部:内部測定法」として,JIS 原案を作成する。
・ISO/IEC 9126-4:Product quality -- Part 4: Quality in use metrics を「JIS X 0129-4
ソフトウェア製品の品質 第 4 部:利用時の品質」として,JIS 原案を作成する。
(2)ソフトウェアプロセス評価(SPA)委員会
ソフトウェア開発における品質・信頼性,生産性などに関するプロセスレベルを評価す
る手法について規定している次の規格をJIS化している。
・ISO/IEC 15504-2 Process assessment -- Part 2: Performing an assessment を「JIS
X 0145-2 ソフトウェアプロセスアセスメント-第 2 部:アセスメントの実施」
として,
JIS 原案を作成する。
・ ISO/IEC 15504-3
Process assessment -- Part 3: Guidance on performing an
assessment を「JIS X 0145-3 ソフトウェアプロセスアセスメント-第 3 部:アセス
メント実施についての手引き」として,JIS 原案を作成する。
・ ISO/IEC 15504-4
Process assessment -- Part 4: Guidance on use for process
improvement and process capability determination を「JIS X 0145-4 ソフトウェ
アプロセスアセスメント-第 4 部:プロセス改善及びプロセス能力評価のための使用
方法についてのガイド」として,JIS 原案を作成する。
(3)オンラインドキュメンテーション(OLD)委員会
ユーザの技術水準(初心者,中級者,上級者)に応じて,表示するヘルプの内容を動的
54
に変更する,オンラインドキュメンテーション(操作手順書,マニュアルなど)の作成プ
ロセスに関する国際規格を作成している。SC7/WG2よりNWIとして提案し,オン
ラインドキュメントの規格化に関心を持つ英国、韓国、豪州等と協調を取り国際規格開発
を行う。
2.活動成果
(1)ソフトウェア製品の品質(SPE)委員会
次の 3 件の JIS 原案作成を行っている。
・JIS X 0129-2 ソフトウェア製品の品質 第 2 部:外部測定法
・JIS X 0129-3 ソフトウェア製品の品質 第 3 部:内部測定法
・ JIS X 0129-4 ソフトウェア製品の品質 第 4 部:利用時の品質
・
3 件は相互に関係しあっているので,同時に JIS 化することが重要である。第 2 部は、ほ
ぼ翻訳終了。第 3 部を精査中である。9月に JISC 審議予定である。第 4 部は着手したとこ
ろである。
(2)ソフトウェアプロセス評価(SPA)委員会
次の 3 件の JIS 原案作成を行っている。
・JIS X 0145-2 ソフトウェアプロセスアセスメント-第 2 部:アセスメントの実施
・JIS X 0145-3 ソフトウェアプロセスアセスメント-第 3 部:アセスメント実施につい
ての手引き
・ JIS X 0145-4 ソフトウェアプロセスアセスメント-第 4 部:プロセス改善及びプロセ
ス能力評価のための使用方法についてのガイド
3 件は相互に関係しあっているので,同時に JIS 化することが重要である。第 2 部,第 3
部は、ほぼ翻訳終了。第 4 部の翻訳を精査中である。9月に JISC 審議予定である。
(3)オンラインドキュメンテーション(OLD)委員会
昨年までに研究してきた手法を用いて,実用的なアプリケーションのためのオンライン
ドキュメンテーションの実現可能性を OpenOffice Calc を例にとって実験を行うとともに,
ファクトベースの元となるファクトのメタ定義を行った。実験の結果,十分実用に耐える
ことが確認でき,更に多言語への対応も可能になったことから,5 月には NP として提案予
定である。
3.その他(特記事項)
特になし
以上
55
[附属資料 A-12]
2005.02.24
平成 16 年度情報セキュリティのマネジメント及び評価基準に関する標準化調査研究委員会実績報告
委員長: 宝木 和夫
事務局: 山形 薫
1.活動計画
電子政府構築における IT 基本戦略を進める上で基盤技術であり,高度情報通信ネット
ワーク社会の急激な進展に伴ってその重要度を増している情報セキュリティ技術につい
て、セキュリティマネジメント、暗号技術、セキュリティ評価基準等,ISO/IEC SC27 の
国際標準を基に JIS 原案作成等の調査研究を行う。
・ISO/IEC 13335-1 Management of Information and Communications Technology security
- Part1:Concepts and models for Information and Communications Technology
security management を,
「JIS Q 13335-1:情報通信技術セキュリティのマネジメント
-第 1 部:情報通信技術のセキュリティマネジメントのための概念及びモデル」とし
て,JIS 原案を作成する。
・ISO/IEC 17799 Security techniques . Code of practice for information security
management を,「JIS Q 17799 情報セキュリティマネジメントの実践のための規範」
として,JIS原案を作成する。
この規格は,ISO/IEC 17799:2000(JIS X 5080 情報セキュリティマネジメントの実
践のための規範)の改訂版である。この規格は,情報セキュリティマネジメント規格
として広範囲に使用されており,今回のIS改訂に対して早急にJISを改訂する必要があ
る。
2004年11月FDIS投票,2005年春IS公表が予定されている。IS公表時期に遅れずにJISの
公表を行う必要があり,FDIS投票にあわせて,JIS化に着手する。
2.活動成果
・ISO/IEC 13335-1 は,JIS Q 13335-1 として翻訳中である。ほぼ翻訳が終了し,9 月に
JISC 審議予定である。
・ISO/IEC 17799 の FDIS 投票が 2005/4/11 期限で実施中であり,JIS 翻訳を開始した。
来年度早い段階で JIS 化を完了させる。
3.その他(特記事項)
特になし。
以上
56
[附属資料 A-13]
2005.02.24
平成 16 年度ソフトウェア製品の生産性向上の標準化に関する標準化調査研究委員会実績報
告
委員長: 山本 喜一
事務局: 山形 薫
1.活動計画
ソフトウェアエンジニアリングセンター(SEC)が正式に発足し,ソフトウェアエンジ
ニアリング基盤整備の重要性が認識されてきている。ソフトウェア産業は既に国際的な競
合に晒されており,この分野で日本が国際的にインシアチブをとるためには,国際標準に
則った産業体系にする必要がある。
ソフトウェア開発プロセスにおいて生産性の向上を図ることは重要な課題である。ソフ
トウェアエンジニアリングの標準化を行っている JTC1/C7 と協調をとりながら,国際規格
を JIS 化する活動を行っている。今年度は,①機能規模測定法(FSM)委員会,及び②
システムライフサイクルプロセス(SLCP)委員会の2つの委員会で,標準化活動を行
い,ソフトウェア製品の高品質化及び使用性の向上を図る。JIS 原案を作成する。
(1)機能規模測定法(FSM)委員会
ソフトウェアの開発規模を測定するための規格化であり,SC7/WG12に対応する。
ソフトウェア見積の基礎となる手法の規格であり,見積り精度向上に必要である。
・ISO/IEC 20926:IFPUG 4.1 Unadjusted functional size measurement method – Counting
practices を「機能規模測定法による計数の実施の手引き」として,JIS原案を作成す
る。JIS X 0135 ソフトウェア測定:機能規模測定法の使用ガイドとなる。
・ISO/IEC 19761:COSMIC-FFP -A functional size measurement method を「機能規
模測定法:COSMIC-FFP法」として,JIS原案を作成する。SECでの主要課題である組
込み系ソフトウェアの機能規模測定に利用できる計測手法である。
(2)システムライフサイクルプロセス(SLCP)委員会
ソフトウェア開発プロセスのモデル規格である ISO/IEC 12207(JIS X 0160)の大幅改訂
の伴い,JIS の改訂を行っている。この規格は,ソフトウェア開発における発注者と受注者
間の共通認識を提供するための共通言語的なものであり,国際/国内受発注では必須とな
るものである。
・ISO/IEC 12207 AMD.1:Software life cycle processes AMD.1 を「JIS X 0160 -ソ
フトウェアライフサイクルプロセス の追補 1」として,JIS 原案を作成する。
・ISO/IEC 12207 AMD.2:Software life cycle processes AMD.2 を「 JIS X 0160 -ソ
フトウェアライフサイクルプロセス の追補 2」として,JIS 原案を作成する。
57
2.活動成果
(1)機能規模測定法(FSM)委員会
下記二つの JIS 化を行っている。
・ISO/IEC 20926 を JIS X 0142 として、翻訳中である。JFPUG による粗訳をベースとし
て効率化を図っているが,300 ページ以上あるため 9 月頃までかかる見込み。
・ISO/IEC 19761 を JIS X 0143 として、翻訳中である。9 月に JISC 審議予定。
(2)システムライフサイクルプロセス(SLCP)委員会
AMD2 が 2004 年に発行されたので,併せて JIS 化を行う予定。9 月に JISC 審議予定。
・ISO/IEC 12207 AMD.1 :JIS X 0160 の追補1は,ほぼ翻訳終了。
・ISO/IEC 12207 AMD.2 の翻訳に取り掛かる。
3.その他(特記事項)
特になし
以上
58
[附属資料 A-14]
2005.02.24
平成 16 年度 情報アクセシビリティ国際標準化に関する調査研究開発委員会実績報告
委員長:山田 肇
事務局:関 達雄
1.活動計画
情報アクセシビリティに関わる JIS 規格の国際標準化のために活動する。
今年度は、JIS X 8341-1(共通指針)について ISO に提案し、国際標準化活動を開始する。ま
た JIS X 8341-3(ウェブコンテンツ)について普及のための活動を実施するとともに、W3C の WAI
(Web Accessibility Initiative)と連携してわが国の標準が国際の場で反映されるように努め
る。
2.活動成果
WG1(ICT 共通指針国際規格推進部会):
JIS X 8341-1 をベースとして ISO の TC159SC4 において国際標準化活動を開始することを提案
した。7 月末に国際投票が締め切られ、各国の賛成によって活動がスタートすることになった。
仮番号は ISO9241-20 で、プロジェクトエディターは山田肇、他 1 名(カナダ)が務めることにな
った。TC159 の国内審議団体である日本人間工学会(JENC)と連携して、ISO9241-20 の原案を作
成し、それを基にして 12 月に国際審議がスタートした。
なお国際審議の開始に先立って、国際的な理解を醸成するため、CEN/CENELEC、欧州委員会、ISO
本部等を訪問して、意見交換を実施した。
WG2(ウェブアクセシビリティ国際規格調査研究部会):
JIS X 8341-3 の国内への普及を図るために、「実際の場で常に参照できる」ことを目標として
技術解説を作成した。年度末までには技術解説第 1 版を INSTAC のサイトより情報公開して、JIS X
8341-3 の啓蒙に資する。
JIS X 8341-3 のうち、日本の文化に根ざした固有の問題について W3C の WAI に提起するととも
に、「テクノロジーと障害者」国際会議などで発表した。そして、「文化の相違を乗り越えてウ
ェブコンテンツはアクセシブルでなければならない」ということについて、共通の理解を形成す
ることができた。この結果、WAI が作成中の WCAG2.0 に日本固有の問題も反映することができた。
3.その他(特記事項)
ISO9241-20 は人間工学的な観点から作成されていくので、
概念的な記述物となる可能性が高い。
共通指針としての価値はあるが、個別機器・サービスにそのまま適用することは難しい。
一方、情報アクセシビリティに関する各団体の活動について情報を交換し、コーディネーショ
ンをはかる目的で、2004 年 10 月の JTC1 総会で SWG が組織された。SWG はアメリカ主導で動いて
59
おり、今後、個別機器・サービスの国際標準化に向かう可能性がある。
我が国で制定済み、あるいは作成中の情報処理機器、通信機器、事務機械など個別規格を、SWG
に対してどのように提案していくかについて、関係者の意見を調整し、総合的な戦略を作る必要
がある。
この問題意識についてはすでに経済産業省等にも伝達済みで、総合戦略立案の場を作る方向で
検討が開始されている。
以上
60
[附属資料 A-15]
2005.02.24
平成 16 年度耐タンパー性標準化調査研究委員会実績報告
委員長:松本 勉
事務局:山中 正幸
1.活動計画
暗号モジュールの耐タンパー性要求要件について 3 年計画で調査研究を行い、耐タンパ
ー性要求要件を国際提案する。平成 16 年度は次の活動を行う。
(1)国内外の動向調査
(2)攻撃手法の体系化案と対策技術の策定
(3)耐タンパー性要求要件の策定
(4)国際規格案作成及び国際標準化活動
(5)攻撃手法、要求要件の視点を分析・検証(2次)
2.活動成果
(1)動向調査
CHES2004、ASIACRYPT2004 などの学会情報により耐タンパー技術の最新技術動向を調査
した。また、NIST/CSE 主催の CMVP シンポジウム 2004 に参加し、米国における現行の暗
号モジュールセキュリティ規格である FIPS140-2 の改定予定の情報を収集し、今後の活
動方向の基礎とした。
(2)、(3)案及び骨子の策定
FIPS140-2 およびそれをベースとした JTC1 SC27/WG3 WD19790 では詳細に規定されていな
いサイドチャネル攻撃などを FIPS140-2 の改定に盛り込み、ひいては国際標準に盛り込
むべく、追加すべき要求要件の考え方、記述方法などをコメント案としてまとめ NIST に
提案した。また、文献調査(CHES2004、ASIACRYPT2004、他)米国規格 FIPS140-2 調査、
分析・検証(2次)等により、攻撃と対象暗号を表にまとめ、コメントの追加資料とし
た。
(4)国際標準化活動
次の標準化機関、標準化機関関係者を訪問し、昨年訪問以降の INSTAC における耐タンパ
ー性標準化調査研究委員会の活動成果について、すなわちサイドチャネル攻撃耐性評価
標準プラットフォーム仕様 INSTAC-8(8bit マイクロプロセッサ版)準拠ボードによる実
証実験や、サイドチャネル攻撃に関する要求要件の記述方法についての考え方を紹介し
て意見交換を行った。
・韓国 KISA(Korea Information Security Agency)
・アメリカ NIST(National Institute of Standards and Technology)
・ドイツ BSI(Bundesamt fur Sicherheit in der Informationstechnik)
・フランス JTC1 SC27/WG3 WD19790 の Co-editor
この他、韓国の SC27 メンバーであり韓国版 CMVP のワーキンググループメンバーでもあ
61
る Hanyan 大学の Jung Hwan Song 教授を招いてセミナー及び国際会議を開催し、情報交
換を行った。
(5)攻撃手法、要求要件の視点を分析・検証(2次)
サイドチャネル攻撃耐性評価標準プラットフォーム仕様 INSTAC-32(32bit マイクロプロ
セッサ版)を開発した。開発に当たっては、INSTAC-32 準拠ボードに対して消費電力攻
撃実験を通じて、仕様の有効性を実証した。
3.特記事項
特になし
以上
62
[附属資料 A-16]
2005.02.24
平成 16 年度情報処理用語標準化調査研究委員会実績報告
委員長:芝野 耕司
事務局:木村 高久
1.活動計画
新規に提案される JIS の用語に関して、理解のしやすさ及び他の JIS 用語との整合性の観点
から審議を行い、必要な調整を行う。
また、国際標準の改正に追随して対応する JIS を改正し、国際標準と JIS との整合性を維持す
る。
2.活動成果
情報処理用語に関して7回の委員会を開催し、19 の JIS 規格に関連して申請された 1,920 語
の情報処理用語を審議した。
下記を全訳 JIS 化した。
ISO/IEC 9075-14 Information technology - Database language - SQL-Part 14
XML-Related Specifications (SQL/XML)
3.その他(特記事項)
特になし。
以上
63
[附属資料-B]
64
[附属資料 B-1]
2005.02.24
平成16年度INSTAC業務実施体制
財団法人 日本規格協会 情報技術標準化研究センター (INSTAC)
運営委員会
業務委員会
IT標準化戦略委員会
・・・・・・・・・INSTAC活動全般の承認
・・・・・・・・・・・・・・・・・・INSTAC標準化活動の方針策定
幹事会
・・・・・・・・・標準化活動の方針試案策定
ロードマップWG
・・・・・・・・・標準化重点テーマの抽出
(調査研究:順不同)
「将来型文書統合システム」に関する標準化調査研究委員会
「業務オブジェクト共有技術」に関する標準化調査研究委員会
「グリッドコンピューティング」に関する標準化調査研究委員会
「XML適用関連」に関する標準化調査研究委員会
「知的ソフトウェアによる生活者支援」に関する標準化調査研究委員会
「コンテンツ流通市場形成」に関する標準化調査研究委員会
「e-Book」に関する標準化調査研究委員会
「オープンソースソフトウェア」に関する標準化調査研究委員会
「マルチメディアコンテンツに係る画像処理技術」に関する標準化調査研究委員会
「情報とドキュメンテーション」に関する標準化調査研究委員会
「ソフトウェア製品の品質改善」に関する標準化調査研究委員会
「情報セキュリティのマネジメント及び評価基準」に関する標準化調査研究委員会
「ソフトウェア製品の生産性向上」に関する標準化調査研究委員会
「情報アクセシビリティ国際標準化」に関する標準化調査研究委員会
「耐タンパー性」標準化調査研究委員会
「JIS情報処理用語」標準化調査研究委員会
65
[附属資料 B-2]
2005.02.24
INSTAC標準化活動概略図
他標準化団体
経済産業省
その他官公庁
国際標準
国内標準
標準化
及び上申機能
推進機能
INSTAC
標準化活動
標準化
標準化
普及・啓発
機能
支援機能
JSA/WEB公開
66
セミナ・説明会 等
外部各種団体
IT標準化戦略委員会
外部調査研究機関
意見集約
平成16年度INSTAC標準化活動実施状況
分類
標準化推進
・国際規格
・国家規格
概要
ISO/TC46
Pメンバ
(国内審議団体)
ISO/TC130/WG2
(経済省重点政策)
ISO/IEC JTC1/
(経済省重点政策)
ISO/IEC JTC1/SC27
JISC/JIS-TR
調査研究(JIS/TR)
意見集約
及び上申
標準化支援
情報技術専門委員会
計画調整AG
ICカードフォーラム
JEITA
標準化普及啓発 セミナ開設
[附属資料 B-3]
2005.02.24
INSTAC対応委員会
詳 細
「情報と
(情報とドキュメンテーションに関する国際標準化推進及びJIS原案作成)
ドキュメンテーション」SC4:ISO15836(Dublin Core MetaData Set)のJIS原案の作成
SC8:ISO2789(図書館統計)のJIS原案作成
JIS X 0812(図書館パフォーマンス指標)の改正原案作成
「マルチメディア・コン (標準画像と高精細画像データ交換に関する国際標準化推進・実作業)
テンツに係る画像処理」標準画像関係 CD12640-3(CIELAB/SCID;CIELab色空間用標準画像)制定への推進
Pre-DIS12642(IT8.7/3Target patches;印刷管理用標準チャート)改正への推進
NWI17972(Colour data exchange format;測色データフォーマット規格化)の推進
高精細画像交換 DIS16612(PPML/VDX;バリアブル印刷データ規格)の推進
CD12639(TIFF/IT)へ(独)産総研技術(DR圧縮)のAMD1組み込み
「情報アクセシビリティ JIS X 8341シリーズ(高齢者・障害者等配慮設計指針 - 情報通信機器・ソフトウェア及びサービス)
第1部、第2部を5月に発行、第3部を6月に発行した。また、英語版JISを発行した。
国際標準化」
JIS X 8341-1をISO/TC159/SC4/WG6へNWIP提出し、承認された。(7月)
JIS X 8341-3をW3C/WAIメンバに提出し、W3C/WAI/WCAG2.0WDに反映した。
(注) JIS X 8341 第1部:共通指針 JIS X 8341 第2部:情報処理(JEITA支援)
JIS X 8341 第3部:ウェブコンテンツ
SC2/6/7/24/25/27/29/32/34/35/37(情報処理学会オブザーバ参加)
「ソフトウェア製品・」 SC7関連
「情報セキュリティ・」 SC27関連
「業務オブジェクト・」 SC32関連
「e-Book標準化」
SC34関連
「耐タンパー性」
JISC/基準認証研究開発事業/「耐タンパー性」に関する標準化調査研究開発 (国費受託)
NISTが計画しているFIPS 140-2(暗号モジュールのためのセキュリティ要件)改訂への意見書作成
及びバックデータ取得のための実証実験を実施
「JIS情報処理用語」
(11条案件の原案作成)/「情報分野の要素技術」標準化調査研究開発 (国費受託)
「将来型文書統合・」
(12条案件の原案作成)/「情報技術関係の標準化」 (日自振補助金受託)
「知的ソフトウェア・」
「コンテンツ流通・」
「グリッドコンピュ-・」
「XML適用関連」
「オープンソース・」
(所長が委員で参画)
事務局(X部門のJIS/TR事前届出制度の評価)
事務局
(ISO/TC159共同提案作業)
「IT標準化戦略」
情報分野における標準化推進機能の充実(例えば、海外標準化機関との情報交換)
Diffuse Project情報とJISの連携情報の提供
情報分野におけるロードマップの提供
INSTAC委員会成果報告会の開催
「耐タンパー性に関する標準化調査研究」セミナの開催
67
[附属資料 B-4]
2005.02.24
市場の発展段階の定義
市場の発展段階は、次の特徴を認識することにより識別する。
a:技術面
b:標準化面
c:市場面
市場の
Product Standard
Process Standard
発展段階
における特徴
における特徴
a.・革新的新要素技術の創出
・基礎研究成果の市場性評価
及び応用分野の検討
1
萌芽期
・産学官 連携
b.標準化課題は不明確
c.新市場創出の可能性あり
a.・新たな高信頼型トランスポートに
a.品質管理技術の開発
よる機能の創出
・製品・サービス化の推進
2
発達期
b.・アライアンス、フォーラム形成に
よる基盤技術の標準化推進
c.市場獲得競争活発化
a.・次世代技術の開発
・特許のライセンス
3
発展期
b.・標準仕様の浸透
a.・品質管理技術の確立
・安定化製造技術の国際移転
b.品質管理技術の標準化
・応用技術の標準化提案
c.市場獲得競争激化
a.・使い易さの技術追求
・成熟技術からの撤退
4
成熟期
・新概念技術の開発
b.標準仕様の全面的浸透
c.市場は寡占化飽和状態
68
a.品質管理技術の究極化
b.標準品質管理技術の徹底
[附属資料 B-5a]
2005.02.24
ロードマップ・アウトプットの利用(テーマ抽出→計画)
:WGの作業範囲
産業界情報
学術界情報
官公庁情報
情報技術分野の技術テーマ群
テーマ登録
ロードマップ・テーマリストの作成(削除・追加)
ロードマップ・各テーマの評価・再評価
その他
テーマ絞込み
(注)WGアウト
プットに基づく作
業(次頁参照)
政策等
12条的テーマ群
●
●
INSTAC標準化事業
の計画調整
●
委託
●
●
11条的テーマ群
● ●
METI標準化事業
INSTAC標準化事業計画
69
他の標準化
団体
委託
[附属資料 B-5b]
2005.02.24
ロードマップアウトプットのINSTAC年度計画への反映
:通常課題対象テーマ
:緊急課題対象テーマ
テーマ提案
計画策定
標準化作業
・INSTAC
IT標準化戦略委員会
(N)
年度
・ロードマップ
から重要テー
マ抽出
・経済産業省、他
・(N+1)年度の
緊急課題の計
画策定
通常課題
(N+1)
年度
INSTAC委員会
緊急課題
・(N+2)年度の
計画の策定
・(N+1)年度の
標準化作業へ
の追加
通常課題
・(N+2)年度の
標準化作業
(N+2)
年度
70
ロードマップ・アウトプットのINSTAC事業への反映(予算区分)
[附属資料 B-6]
2005.02.24
(注)INSTAC事業の活動項目は平成16年度計画分を示す。
予算分類
国費受託(1)
基準認証
国際標準提案
JIS→IS(3年以内)
特徴
国費受託(2)
社会基盤創成
JIS原案作成
●耐タンパー性
●情報アクセシビリティ
●情報分野の要素技術
・画像処理技術
・情報とドキュメンテーション
・ソフトウェアの品質改善
●情報分野の要素技術
・情報セキュリティ
・ソフトウェアの生産性向上
活動項目
移管
補助事業
(日自振・INSTAC)
標準化関連の調査研究
(産業界が未着手の案件)
●情報技術関連
・IT標準化(テーマ抽出)
・将来型文書統合システム
・業務オブジェクト共有技術
・グリッドコンピューティング
・XML適用関連
・知的ソフトウェア
・コンテンツ流通市場形成
・e-Book
・オープンソースソフトウェア
自主事業
(INSTAC)
その他自主的な取り組み
・IT標準化
・ICカード多目的化推進
・ロードマップの改善
ロードマップ・アウトプット
NMPIA
重要テーマの
INSTAC事業への
反映
バイオメトリクス
一本化テーマは、原局との
連携のもと国策として推進
71
[附属資料 B-7]
2005.02.24
IT標準化戦略委員会の継続的運用
役割:INSTACの委員会等の活動計画及び内容を把握し、IT標準化戦略委員会
幹事会・ロードマップWGで検討した内容を参照して議論のうえ、今後のINSTAC
標準化事業へ反映させる提言を行う。
<(N)年度末・IT標準化戦略委員会>
<(N+1)年度初・IT標準化戦略委員会>
INSTAC委員会、等
INSTAC委員会、等
・幹事会
意見
交換
・ロードマップ
WG
事務局
・幹事会
意見
交換
・ロードマップ
WG
事務局
INSTACへの提言
INSTACへの提言
INSTAC標準化事業の推進
72
[附属資料 B-8]
2005.02.24
INSTAC委員会構成の移行(案)
財団法人 日本規格協会 情報技術標準化研究センター (INSTAC)
運営委員会
業務委員会 ・・・・・・・・・INSTAC活動全般の承認
IT標準化戦略委員会
・・・・・・・・・・・・・・・INSTAC標準化活動の方針策定
幹事会
・・・・・・・・・標準化活動の方針試案策定
ロードマップWG
・・・・・・・・・標準化重点テーマの抽出
<平成16年度>
「将来型文書統合システム」
「業務オブジェクト共有技術」
「グリッドコンピューティング」
「XML適用関連」
「知的ソフトウェアによる・」
「コンテンツ流通市場形成」
「e-Book」
「オープンソースソフトウェア」
「マルチメディアコンテンツに・」
「情報とドキュメンテーション」
「ソフトウェア製品の品質改善」
「情報セキュリティの・」
「ソフトウェア製品の生産性・」
「情報アクセシビリティ・」
「耐タンパー性」
「JIS情報処理用語」
<平成17年度(案)>
(日自振:内示済)
「ユビキタス社会の情報・」
・非機器依存の文書記述
・Web文書検索方式
・コンテンツ流通方式
等
「オープンソースソフトウェア」
「マルチメディアコンテンツに・」
「情報とドキュメンテーション」
「ソフトウェア製品の品質改善」
「情報セキュリティの・」
「ソフトウェア製品の生産性・」
「情報アクセシビリティ・」
「耐タンパー性」
「JIS情報処理用語」
73
(日自振:内示済)
(国費:申出中)
(国費:申出中)
(国費:申出中)
(国費:申出中)
(国費:申出中)
(国費:申出中)
(国費:申出中)
(自主事業)
[附属資料-C]
74
附属-1 標準化テーマの評価の試行(情報家電市場用シート)
成熟度
分類
社会文化
ヒューマンI/F
プロセスと手法
基礎技術
④③②①
成発発萌
熟展達芽
期期期期
社会的価値判断に基づく
事業的価値判断に基づく
評価尺度例
評価尺度例
尺度1 尺度2 尺度3 合 尺度1 尺度2 尺度3 尺度4 合
計
計
消
国
国
政
技
社
市
点
点
費
際
産
策
術
会
場
者
市
技
支
貢
貢
的
利
場
術
援
献
献
要
便
開
発
素
性
発
展
拡
支
大
援
捕足説明
トランザクション処理サービス
携帯電話からの決済技術
3
2
3
3
8
2
1
2
2
7
携帯電話から安全性の高いネット決済を実現する
著作権管理サービス
ディジタルビデオに知的著作権保
護を含めたMPEG方式
2
3
2
3
8
2
2
2
1
7
MPEG-7,4,21
情報家電向け(ネットワーク)
ヒューマンインタフェース
1
3
2
1
6
2
2
3
3
10
URC(Universal Remote Console)対応
使いやすさ(簡単設定、簡単操作)
モバイル3次元GISの実現
1
3
1
1
5
2
3
1
1
7
GIS空間データの携帯型端末での利用。
IMT-2000ダイナミックセル技術
2
3
2
3
8
2
2
1
1
6
下り100Mbpsの高速パケット通信を実現する携帯電話技術(第3世代移動通信)。
セキュリティ機能との連携
3
3
3
3
9
2
1
1
2
6
情報家電のIpsec対応。
モバイルドキュメントフォーマット
2
2
1
1
4
1
1
1
2
5
PDAなどでテキストと画像データが混在した電子書籍をブラウズするための共通
フォーマット形式。
インタラクティブTV
2
3
2
2
7
1
2
1
2
6
従来のテレビにプラスアルファのサービス・機能をもつテレビプログラムアプリケー
ション。の機能を持ち、ブロードバンドに対応したテレビ機能。
コンテクスト・アウェアネス技術
1
2
1
3
6
1
2
1
2
6
ユビキタスコンピューティング接続においてその背景を認識する。
ユビキタス環境構築に向けた
オープンな標準プラットフォーム
2
3
2
3
8
3
3
2
2
10
ユビキタス環境構築に向けたオープンな標準プラットフォーム
APIとミドルウェア
基礎技術
附-1
75
附属-2 標準化テーマの評価の試行(電子商取引市場用シート)
成熟度
分類
基礎技術
④③②①
成発発萌
熟展達芽
期期期期
社会的価値判断に基づく
事業的価値判断に基づく
評価尺度例
評価尺度例
尺度1 尺度2 尺度3 合 尺度1 尺度2 尺度3 尺度4 合
計
計
消
国
国
政
技
社
市
点
点
費
際
産
策
術
会
場
者
市
技
支
貢
貢
的
利
場
術
援
献
献
要
便
開
発
素
性
発
展
拡
支
大
援
捕足説明
CII標準ベースXML/EDI ver1.1
4
1
1
3
5
2
1
1
1
5
CII標準ベースのEDIをXMLで記述しなおしたもの。
ディジタルマーケットデータの配
信技術
2
2
1
3
6
1
1
2
2
6
e-マーケットプレイスに対応したデータ配信技術。
ICカードの電子商取引における
利用ガイドライン
2
2
3
3
8
3
1
1
2
7
SONY eLIO(エリオ))などパソコンから認証・支払いができるアプリケーションをダウ
ンロードするためのガイドライン。
電子コマーシャルペーパ
2
3
2
3
8
2
1
1
2
6
2001年6月に可決成立した「短期社債等の振替に関する法律」(通称電子CP法)
が、2002年4月に施行されることとなり、電子CPを発行・流通・決済可能なシステム
の概念設計が行われた。
携帯電話によるB2C電子商取引
3
2
3
3
8
2
1
2
2
7
安全性の高い電子決済
プロセスと手法 ビジネスプロセスモデル技術
2
3
1
3
7
2
2
2
2
8
電子商取引分野で異なる文化や制度を持つ企業間あるいは企業と消費者の間で
情報の意味的な交換・共有・流通を可能とする。メタデータ構築技術、業界オントロ
ジー構築技術、メタモデル、レジストリサービス、レジストリ連携技術の標準化。
APIとミドルウェア Webサービス
2
3
2
3
8
2
3
2
2
9
メッセージやセキュリティ技術、トランザクション管理技術など、広範囲の技術で構
成されている複合技術でインターネット上のソフトウェアをビジネスルールに従って
まとめあげ、あたかも1つの完結したアプリケーションのように機能させる。
基礎技術
2
3
2
3
8
3
3
3
3
12
Radio Frequency Identification、微小な無線チップにより人やモノを識別・管理する
仕組み。流通産業や空港など用途は広い。
社会文化
RFID
附-1
76
附属-3 標準化テーマの評価の試行(電子政府市場用シート)
成熟度
分類
社会文化
基礎技術
④③②①
成発発萌
熟展達芽
期期期期
社会的価値判断に基づく
事業的価値判断に基づく
評価尺度例
評価尺度例
尺度1 尺度2 尺度3 合 尺度1 尺度2 尺度3 尺度4 合
計
計
消
国
国
政
技
社
市
点
点
費
際
産
策
術
会
場
者
市
技
支
貢
貢
的
利
場
術
援
献
献
要
便
開
発
素
性
発
展
拡
支
大
援
補足説明
汎用電子申請システム
3
3
1
1
5
3
2
1
1
7
電子申請を行うためのテンプレート
官報公告の電子化
3
3
1
1
5
3
2
1
1
7
インターネットウェブなどを使った政府官報公告
国家公務員のIDカード化
1
3
1
2
6
1
2
1
1
5
平成17年度予算でいくつかに省庁で身分証明書のICカード化を行う予定であり、住
基カードなどとの兼用も考えられるためマルチアプリケーション用
e-パスポート、e-船員手帳、e-電
子運転免許証
1
3
1
3
7
2
2
1
3
8
米国の入国管理強化の一貫として、バイオメトリクスを使ったe-Passportの導入が要
請されている。その標準化もICAOが中心になって進めており、JTC1/SC17,SC37も
協力している。日本も2006年度からの導入に向けて実証実験を行っているところで
ある。
ワンストップ行政サービスモデル
3
3
1
1
5
3
2
1
1
7
郵便局など1箇所ですべての行政サービスが受けられるようにするもの
Enterprise Architecture
1990年代に米国で整備された電子政府実現のための開発フレームワークに基づい
ている。
国内でも平成15年7月に「電子政府構築計画」の中で平成18年までにEAにのっとっ
て IT企画・開発を進める旨が発表された。
EA (Enterprise Archtecture)
2
3
3
3
9
3
2
3
2
10
プロセスと手法
電子公証制度
2
3
1
1
5
3
2
1
1
7
インターネット上の電子文章などに対する公証サービス
国庫金の納付電子化
3
3
1
1
5
3
2
1
1
7
税金の電子納付など
インターネットITS
2
3
3
1
7
3
2
1
1
7
どんな車でも、どこでも、いつでもインターネットに接続できる共通のルールを持つイ
ンフラ及びアプリケーション
道路交通情報など、各種情報の
インターネット配信
2
3
2
1
6
3
2
1
1
7
ビーコンやFM多重放送を使い、渋滞や事故、交通規制・駐車場情報などを走行中
のカーナビにリアルタイムで提供するシステム
公共事業支援統合情報システム
APIとミドルウェア の構築
3
3
2
1
6
3
2
1
1
7
公共工事入札契約適正化法の趣旨を徹底させるとともに、透明性の向上、競争性
の一層の向上等を通じた公共事業構造改革の一環として、その基盤を提供するIT
化
1
3
2
3
8
3
2
2
3
10
APPの開発・保守などを共有化し,開発・保守コストの低減化及び品質の向上を図
る。都道府県レベルでは,実験開発が行われている。
各種業務の共同アウトソーシング
&APPの共有
附-1
77
附属-4 標準化テーマの評価の試行(文化・教育用シート)
成熟度
分類
基礎技術
大容量教育用コンテンツの閲
覧技術実用化
④③②①
成発発萌
熟展達芽
期期期期
2
社会的価値判断に基づく
事業的価値判断に基づく
評価尺度例
評価尺度例
尺度1 尺度2 尺度3 合 尺度1 尺度2 尺度3 尺度4 合
計
計
消
国
国
政
技
社
市
点
点
費
際
産
策
術
会
場
者
市
技
支
貢
貢
的
利
場
術
援
献
献
要
便
開
発
素
性
発
展
拡
支
大
援
2
2
3
7
3
1
1
2
7
補足説明
多様なネットワーク環境下において、学校に配備されている平均的な端末から、3D
コンテンツ等の教育用コンテンツを効果的に閲覧する簡易型インターネットアクセス
やネットワーク上の教材コンテンツを自動判別して高速・容易に検索するインター
フェース。2005年度まで文部科学省にて、実現を図る。
VR技術は、臨場感のある視覚情報の表示法や、触覚や力覚のフィードバックの
手法など、人間の五感へ作用するデバイスの開発を中心に研究されている。
平成14年度より文部科学省の委託事業として「スーパーコンピュータネットワーク
上でのリアル実験環境の実現」の研究プロジェクトが進行中。スパコンネット上で、
三次元高精度立体画像等による没入感を伴うバーチャルリアリティ技術、遠隔地の
実験設備・計測設備との連携による遠隔実験技術及び大規模データの表示・格
納・検索技術の開発・整備・実証。具体的には、遠隔地の研究者や技術者が、ネッ
トワーク上で臨場感を持って共同研究を行える環境の実現に向けた研究開発を行
う。平成16年度より対象を社会的要求の高い医療分野に限定して実施。これらの
成果を教育に応用できる。
代表的な規格:①SCORM(Shareable Content Object Reference Model)規格:e
ラーニングのプラットフォームとコンテンツ。AICC(Aviation Industry CBT
Committee)によって策定されたWBTコンテンツ仕様であるCMI(Computer Managed
Instruction)規格をベースに、IEEE LTSC(Learning Technology Standard
Committee)およびARIADNE(Alliance of Remote Instructional Authoring and
Distribution Networks for Europe)で策定されたメタデータの仕様LOM(Learning
Object Metadata)を、ADL(Advanced Distributed Learning Initiative)が統合。
②LOM(Learning Object Metadata)規格:学習オブジェクトのメタデータの構造と語
彙指定の仕組みを定義する規格。
③QTI(Questin & Test Interoperability)規格:演習問題の出題形式、解答形式、演
習問題のグルーピングの方法。
④Collaborative Workplace(協調作業場):ISO/IEC JTC1 SC36/WG2が検討してい
る、複数の学習者が協調しながら学習を行う、コンピュータ上の仮想的な作業場所
(協調作業場)を記述するフォーマットに関する標準規格。
⑤ PAPI Learner(Public and Private Information for Learners)規格:ISO/IEC JTC1
SC36/WG3で検討されている、学習者の連絡先や成績など学習者に関連するさま
ざまな情報を記述するための規格。
⑥CORDRA(Content Object Repository Discovery and Registration/Resolution
Architecture)規格:分散リポジトリ環境に関する規格 他。
仮想環境システムを用いた
教育
1
3
1
3
7
1
1
2
2
6
e-Learning
2
3
3
1
7
2
2
2
2
8
教育用コンテンツのディジタ
ル・アーカイブ化インターネッ
ト提供
2
2
2
3
7
3
1
1
2
7
図書館、博物館や美術館の高精細度情報・3D情報を学習資源としてディジタル
アーカイブ化し、インターネットWEBでデータベースを効率よく検索する基礎技術
6
ビジュアルデータマイニングとは、コンピュータを用いて大量のデータを画像に変換
し(ビジュアリゼーション)、視覚化されたデータから意味のある情報を探り出す技術
で、多次元情報から的確に必要な情報を抽出し、人間の判断を補助するものとして
重要な技術。目に見えない情報や複雑な情報をわかりやすく提示する手段である
『可視化情報技術』。
ヒューマンイン
ターフェース
基礎技術
ビジュアルデータマイニング
1
3
1
3
7
1
1
2
附-1
78
2
附属-5 標準化テーマの評価の試行(ヘルスケア用シート)
成熟度
分類
基礎技術
④③②①
成発発萌
熟展達芽
期期期期
事業的価値判断に基づく
社会的価値判断に基づく
評価尺度例
評価尺度例
尺度1 尺度2 尺度3 合 尺度1 尺度2 尺度3 尺度4 合
計
計
消
国
国
政
技
社
市
点
点
費
際
産
策
術
会
場
者
市
技
支
貢
貢
的
利
場
術
援
献
献
要
便
開
発
素
性
発
展
拡
支
大
援
補足説明
医療情報保険書ICカード化アジ
ア標準ISO TC215
1
3
1
3
7
2
1
1
2
6
医療保険証のICカード化しアジアで利用可能にする社会制度
看護情報システムの標準化モデ
ル
1
1
1
3
5
2
2
2
2
8
医療情報のシステム化
診療録・介護記録等の電子デー
タ化に伴う標準化及びデータ交
プロセスと手法 換規約
1
1
1
3
5
2
2
2
2
8
次世代、ワールドワイドに通用する標準化
個人情報保護対応技術
1
2
3
3
8
2
3
3
3
11
医療の分野では、特にセンシティブな情報を扱うので、個人情報保護は必緊な項目
である。
食品トレーサビリティシステムの
構築
2
3
3
3
9
2
3
3
3
11
e-japan2004でも一つのテーマである食の安全の確保を目指す。RFID技術的には
先行、運用システムの標準化が重要。
遠隔医療のシステム整備
1
3
2
0
5
2
2
2
2
8
高度医療ができる医師がいなくても過疎地での対応が可能になる。
社会文化
APIとミドルウェア
附-1
79
附属-6 標準化テーマの評価の試行(コンテンツ産業用シート)
成熟度
分類
社会と文化
基礎技術
④③②①
成発発萌
熟展達芽
期期期期
事業的価値判断に基づく
社会的価値判断に基づく
評価尺度例
評価尺度例
尺度1 尺度2 尺度3 合 尺度1 尺度2 尺度3 尺度4 合
計
計
消
国
国
政
技
社
市
点
点
費
際
産
策
術
会
場
者
市
技
支
貢
貢
的
利
場
術
援
献
献
要
便
開
発
素
性
発
展
拡
支
大
援
補足説明
コンテンツビジネスモデル
2
3
1
3
7
1
2
1
2
6
コンテンツビジネスの個々のケースに対するビジネスモデルは起業家の発想に委
ねるとして、ビジネスが相互に連携する部分で標準化を検討することになるのでは
ないかと予想する。SCMのRosettanetのような標準【木村】。
マルチモーダルユーザインタ
フェース設計ガイドライン
2
3
1
2
6
1
2
2
3
8
ユーザの要求を理解する音声認識技術に加え、ユーザの環境やユーザからの提
示画像を理解することで、総合的にユーザの意図を理解し、適切なマルチメディア
コンテンツ情報を提供するヒューマン・マシン・インタフェース技術
3Dメディアインタフェース
1
2
1
2
5
1
2
2
3
8
ネットワーク環境で3D画像イメージを表示するための標準技術。画像データフォー
マットとビューア。
音声対話方式
2
2
1
1
4
1
3
2
3
9
音声による対話パターンの記述言語。
デジタル権利管理技術
2
1
2
3
6
2
2
3
3
10
著作権を保護しながらコンテンツの流通を促進するために必要となる技術。コンテ
ンツID(ディジタルコンテンツに付与されるユニークな識別子等の属性情報セット)、
コピー世代管理(CGMS)関連技術、他。
コンテンツ編集環境
2
2
1
3
6
1
2
2
2
7
ストリーム・コンテンツの編集ツール環境。MPEG-1ストリーム、MP@MLや4:2:2@ML
などのSDTV及びMP@HLなどHDTVを含むMPEG-2ストリーム、MPEG-4ストリーム
までの全てのMPEGファイルをフレーム精度で編集する機能。
ヒューマンI/F
プロセスと手法
複数メディア対応端末技術
3
3
2
3
8
1
2
2
3
8
家庭/会社/ホットスポット等の特定の場所において、放送を含む複数のメディアを
シームレスにアクセス、あるいは選択し、蓄積、表示するための端末関連技術の標
準化。 データ放送プロファイル、モバイルネットへのシームレスなアクセス、コンテ
ンツ交換プロトコル、サーバ制御、3D画像処理、画像音声認識、ドメイン横断認
証・課金。
住宅用広帯域マルチメディア
2
2
1
3
6
1
1
3
3
8
マルチメディア通信が可能な、光アクセス法に基づく広帯域通信方式。 FTTH:
Fiber To The Home ATM(Asynchronous Transfer Mode)非同期転送モード
WDM(Wavelength Division Multiplex)波長多重 B-ISDN(Broadband-ISDN)広帯域
ISDN
附-1
80
附属-6 標準化テーマの評価の試行(コンテンツ産業用シート)
成熟度
分類
基礎技術
補足説明
ネットワーク上での利用者位置に
独立なサービス提供法
2
2
1
3
6
1
2
3
2
8
位置情報をインデックスとする空間情報記述方式
ノンPC機器のインターネット接続
2
3
2
3
8
2
2
3
3
10
IPV6を用いた情報家電製品のネットワーク接続APIの標準
コンテンツ実行のためのAPI仕様
2
1
1
3
5
1
2
2
1
6
実行可能コンテンツのアプリケーションインタフェース。モバイルコード技術、スクリ
プト技術、移動エージェント技術。
3
2
1
3
6
1
1
2
3
7
携帯電話など携帯端末向けの音源・楽曲ファイルのMIDI統一規格
APIとミドルウェア General MIDI Lite(GML)
基礎技術
④③②①
成発発萌
熟展達芽
期期期期
事業的価値判断に基づく
社会的価値判断に基づく
評価尺度例
評価尺度例
尺度1 尺度2 尺度3 合 尺度1 尺度2 尺度3 尺度4 合
計
計
消
国
国
政
技
社
市
点
点
費
際
産
策
術
会
場
者
市
技
支
貢
貢
的
利
場
術
援
献
献
要
便
開
発
素
性
発
展
拡
支
大
援
コンテンツアーカイブ管理
2
2
1
3
6
2
2
1
2
7
デジタルアーカイブを下記の仕組みと考えています【木村】:
(①)マルチメデイアデータを蓄える図書館・文書館的な機構、
(②)企業の刊行した文書の蓄積システム、企業ウェッブの過去の頁データを蓄積す
るための機構、
(③)家庭向けの機構であって、フィルムなどアナログ媒体に記録された情報をデジ
タル媒体に変換し、蓄積するもの
メディア変換方式
3
3
1
3
7
1
2
2
1
6
端末装置ごとに異なるメディア仕様に配信コンテンツを適合させる技術。FAX信号
とコンピュータ信号の変換、音声メディアから画像メディアないし文字列メディアへ
の変換。
高リアリティ映像のストリーミング
配信技術
2
3
1
3
7
1
2
2
2
7
REL(著作権記述言語)やDRM(ディジタル権利管理モジュール)そのものを規定する
ものではなく,RELやDRMをアドインモジュールとしてデコーダに自由に組み込む環
境を整備するもの。(MPEG7、TV-Anytime、XrML、ODRLなど)
マルチメディアタイトルの統一標
準 (メディアフォーマット)
3
3
1
3
7
1
1
3
3
8
PC上でCDやDVDを作成したディスクが、カーステレオやDVDプレーヤーなどあらゆ
る家電製品で統一して操作できるように、ディスク内のコンテンツの配置や記述方
法を規定する規格
附-2
81
附属-6 標準化テーマの評価の試行(コンテンツ産業用シート)
成熟度
分類
基礎技術
基礎技術
④③②①
成発発萌
熟展達芽
期期期期
事業的価値判断に基づく
社会的価値判断に基づく
評価尺度例
評価尺度例
尺度1 尺度2 尺度3 合 尺度1 尺度2 尺度3 尺度4 合
計
計
消
国
国
政
技
社
市
点
点
費
際
産
策
術
会
場
者
市
技
支
貢
貢
的
利
場
術
援
献
献
要
便
開
発
素
性
発
展
拡
支
大
援
補足説明
ディジタルケーブルテレビの統一
標準
4
1
1
3
5
1
1
3
3
8
ディジタル有線テレビジョン放送で用いるMPEG-2 Systemsでは、決めていない未
定義の符号を規定し、管理するための技術的条件の標準化
メタ電子透かし
3
3
1
3
7
1
2
1
2
6
国会図書館が文書資料をイメージデータの形で公開しているが、このような方法で
公文書の情報公開が広がるなら、政策課題(情報公開)支援の分野で電子透かし
が使われるかもしれない。【木村】
権利記述言語
2
3
1
3
7
1
1
2
1
5
コンテンツサービスの環境では、権利記述以前に、まず権利の保有者と利用者との
間で権利関係の調整が課題になっている状況だそうです。【木村】
附-3
82
附属-7 標準化テーマの評価の試行(アクセシビリティ用シート)
成熟度
分類
基礎技術
マルチモーダル対話記述方
式
(W3C)
ヒューマンI/F
プロセスと手法
④③②①
成発発萌
熟展達芽
期期期期
社会的価値判断に基づく
事業的価値判断に基づく
評価尺度例
評価尺度例
尺度1 尺度2 尺度3 合 尺度1 尺度2 尺度3 尺度4 合
計
計
消
国
国
政
技
社
市
点
点
費
際
産
策
術
会
場
者
市
技
支
貢
貢
的
利
場
術
援
献
献
要
便
開
発
素
性
発
展
拡
支
大
援
補足説明
2
3
1
3
7
2
2
3
3
10
WEBに対して音声、文字、感触などでアクセスできるインタフェース技術
機器・サービス別アクセシビリ
ティ標準
2
3
2
3
8
3
1
2
3
9
高齢者・障害者に配慮した情報通信機器・サービスのガイドライン
アクセシビリティセッティング
のためのアクセシビリティ
1
2
3
3
8
3
2
2
3
10
情報機器にアクセスできるようにするための設定技術
1
2
2
3
7
3
2
2
2
9
alternate interface access protocol-universal remote console。
情報機器にとどまらず家電すべてを含むaccessibility 規格。
AIAP-URC
附-1
83
附属-8 標準化テーマの評価の試行(通信・ネットワークコンピューティング用シート)
成熟度
分類
基礎技術
④③②①
成発発萌
熟展達芽
期期期期
社会的価値判断に基づく
事業的価値判断に基づく
評価尺度例
評価尺度例
尺度1 尺度2 尺度3 合 尺度1 尺度2 尺度3 尺度4 合
計
計
消
国
国
政
技
社
市
点
点
費
際
産
策
術
会
場
者
市
技
支
貢
貢
的
利
場
術
援
献
献
要
便
開
発
素
性
発
展
拡
支
大
援
補足説明
著作権等のクリアランスシス
テム
3
3
2
2
7
2
1
2
1
6
交換するコンテンツをメディアの種類によらず流せるよう、著作権の権利処理を円
滑化するビジネスモデル。
次世代インターネット時代の
情報流通方式
2
1
1
2
4
2
1
2
1
6
次世代インターネットの基盤的な通信方式 の確立・高度化
高速ネットの課金・認証の標
準化
3
1
2
2
5
2
1
2
2
7
携帯電話や無線LAN、ケーブルテレビ、ディジタル放送などを使った高速インター
ネットについて、顧客への課金や認証システムの標準化
個人情報保護
2
3
3
3
9
3
2
2
3
10
高度情報社会実現の基盤的条件。ISO.IEC JTC1での取組み決定。
サービス管理
2
3
2
3
8
3
1
1
2
7
サービスが情報処理通信事業における新しい市場として開けるためには、このよう
な規格が整備されることが重要。JTC1で活動が始まっている。
家電ビジネスのサービスビジ
ネス志向
1
3
2
3
8
3
3
2
2
10
リモートメンテナンスによる家電保守サービスの質的変換実現
ヒューマンインタ ネットワーク上でのUIのやり
フェース
取りの仕組み
2
2
1
1
4
1
2
1
2
6
機器の持つUIをネットワークを介してユーザに利用させる技術。例、UPnP Remote
UI, HAVi等
プロセスと手法
iDC事業者のサービスレベル
2
3
2
2
7
2
1
3
3
9
顧客のサーバを預かり、インターネットへの接続回線や保守・運用サービスなどを
提供する施設(インターネットデータセンタ)のサービスレベル
APIとミドルウェ
ア
サービスやネットワーク機器
の発見、利用、制御手順
3
2
1
1
4
1
2
1
2
6
ネットワーク統括型 Zero Administration 技術の為の基盤技術。UPnP, Rendezvous
社会・文化
附-1
84
附属-8 標準化テーマの評価の試行(通信・ネットワークコンピューティング用シート)
成熟度
分類
基礎技術
④③②①
成発発萌
熟展達芽
期期期期
社会的価値判断に基づく
事業的価値判断に基づく
評価尺度例
評価尺度例
尺度1 尺度2 尺度3 合 尺度1 尺度2 尺度3 尺度4 合
計
計
消
国
国
政
技
社
市
点
点
費
際
産
策
術
会
場
者
市
技
支
貢
貢
的
利
場
術
援
献
献
要
便
開
発
素
性
発
展
拡
支
大
援
補足説明
地上波放送ディジタル化
3
3
1
3
7
2
1
3
2
8
異機種、分散、組織を超えたサービス提供の基本的な仕組み
CATVインターネット超高速化
技術
1
2
1
1
4
2
2
2
1
7
現状のCATVで使用していない860MHz~2GHzという高い周波数帯域を利用して
100Mbps~1Gbpsという高速通信を実現する技術。たとえば、Narad Broadband
Access Network, SYNCLAYER (DEEP FIBER Technology)。
UWB(Ultra Wide Band)無線
規格
2
3
1
3
7
1
1
2
2
6
IEEE検討中:Wireless PANに関するIEEE802.15委員会
Bluetooth SRFT(Short Range
Financial Transaction)
1
1
1
3
5
1
3
2
2
8
PoS用の近距離通信のセキュアな移動用電子取引の標準化。
モバイルDRM(Digital Rights
Management)方式(3GPP、
WAP,OMA DRMなど)
3
3
1
1
5
1
2
2
1
6
モバイル端末向けのディジタルコンテンツやソフトウェアの配信におけるディジタル
著作権管理
1000波WDM(WavEDIvision
Multiplexing)技術実用化
2
3
1
1
5
1
2
2
1
6
1本の光ファイバに波長の異なる複数の光を1000波を重ねて伝送する波長多重
(WDM)技術
第4世代移動通信システム
1
3
1
1
5
2
3
2
2
9
ITU-Rの第8研究委員会(SG8)中の「WP8F」での討議内容。通信速度がさらに高速
化された次世代の携帯電話システム。2010年の実用化を目指しており、最大デー
タ通信速度は最大100Mビット/秒となり、第3世代より大幅に高速化する。また、端
末仕様の統一やストリーミング通信技術の導入などが考えられる。
第4世代移動通信システム要
素技術
1
3
1
1
5
2
3
2
2
9
下り最大100Mbpsの伝送能力を持つ携帯電話の要素技術
無線通信ネットワークシステ
ム化技術実用化
3
3
1
1
5
1
2
2
1
6
地上の超高速光ファイバ網により提供される高精細画像等の高速データなどを自
動車などの移動体へ提供するため、高速伝送無線通信技術、無線と光ファイバ網
とのネットワーク統合技術、放送と無線通信の融合技術等
附-2
85
附属-8 標準化テーマの評価の試行(通信・ネットワークコンピューティング用シート)
成熟度
分類
基礎技術
④③②①
成発発萌
熟展達芽
期期期期
社会的価値判断に基づく
事業的価値判断に基づく
評価尺度例
評価尺度例
尺度1 尺度2 尺度3 合 尺度1 尺度2 尺度3 尺度4 合
計
計
消
国
国
政
技
社
市
点
点
費
際
産
策
術
会
場
者
市
技
支
貢
貢
的
利
場
術
援
献
献
要
便
開
発
素
性
発
展
拡
支
大
援
補足説明
次世代ネットワークシステム
の実現
1
3
1
3
7
1
3
1
2
7
インターネット利用者の増加やマルチメディア化の進展に伴い、インターネットの超
高速化・大容量化の実現とともに、パソコンに加え、ディジタル・テレビから携帯端
末等の情報家電まで、更にはメモリやCPU等電子機器に埋め込まれたデバイスま
で、あらゆる機器にインターネットに対応させるための技術
IPv6ソフトウェア体系及び
IPv6システム
2
3
1
1
5
2
2
2
2
8
IPv6ソフトウェア体系
第3世代移動体通信システム
3
1
1
1
3
1
1
1
2
5
IMT-2000ベースの移動体通信システム。
QoSマルチキャスト
2
3
1
3
7
1
1
2
2
6
QoSを考慮したマルチキャストルーチングプロトコル
インターネット・エクスチェンジ
3
3
1
3
7
1
1
2
2
6
複数のインターネットサービスプロバイダや学術ネットワークを相互に接続するイン
ターネット上の相互接続ポイント。日本ではWIDEプロジェクトによるNSPIXP-1、
NSPIXP-2が該当
ワイヤレスVoIP
3
3
1
1
5
1
1
2
2
6
無線LANを内蔵しVoIPによる音声通話が可能な無線LAN・VoIP
リアルタイムHTTP
3
3
1
1
5
1
1
2
2
6
リアルタイム表示を実現したHTMLチャットシステム
ハンドオフ先候補発見プロト
コル
2
3
1
3
7
1
2
2
2
7
遍在する多種多様な移動端末や移動ネットワークの位置管理・追跡を行うと同時
に、通信中の端末の移動に対しても、パケットロスや遅延を低減して、セッションの
維持や通信品質を高度なレベルで確保する技術。IETF Seamoby WGにて検討。モ
バイルノードが移動する前に、移動先のアクセスルータの情報を取得する方法。
7
遍在する多種多様な移動端末や移動ネットワークの位置管理・追跡を行うと同時
に、通信中の端末の移動に対しても、パケットロスや遅延を低減して、セッションの
維持や通信品質を高度なレベルで確保する技術。IETF Seamoby WGにて検討。ア
クセスルータ間で認証情報やQoS制御情報などを転送することで、端末の移動先
におけるサービス開始までの時間を短縮する。
移動時のコンテキスト・トラン
スファ
1
3
1
3
7
1
2
2
附-3
86
2
附属-8 標準化テーマの評価の試行(通信・ネットワークコンピューティング用シート)
成熟度
分類
基礎技術
基礎技術
④③②①
成発発萌
熟展達芽
期期期期
社会的価値判断に基づく
事業的価値判断に基づく
評価尺度例
評価尺度例
尺度1 尺度2 尺度3 合 尺度1 尺度2 尺度3 尺度4 合
計
計
消
国
国
政
技
社
市
点
点
費
際
産
策
術
会
場
者
市
技
支
貢
貢
的
利
場
術
援
献
献
要
便
開
発
素
性
発
展
拡
支
大
援
補足説明
ユビキタスネットワーク制御
2
3
1
3
7
1
2
3
3
9
AV系、PC系、設備系、ITS、ワイヤレスLAN、などあらゆる場所でのネットワークの
管理
端末、ネットワークの自動設
定手順
3
3
1
3
7
1
1
2
2
6
複数のユーザ環境の構築や更新をネットワーク経由で集中管理を可能とする
「Zero Administration」技術
QoS経路制御プロトコル
2
3
1
3
7
1
2
3
2
8
QoSを考慮した経路制御プロトコル。
シームレスメディア切り替え
方式
1
3
1
3
7
1
1
2
2
6
複数メディア対応端末技術を実現するための基本技術。モバイルIPを利用した広
域通信(携帯電話,PHS)と狭域通信((無線LAN)をシームレスに切り替える技術。イン
ターネットITS。
光ネットワーク制御・管理技
術
3
3
1
1
5
1
1
2
1
5
波長割当て技術、光パケットルーティング、中継信号処理機能を1箇所のノードに
集中させずに、複数のノードに分散させ、中継信号処理の負荷を低減する技術な
ど。
リアルタイムTCP
3
3
1
3
7
1
1
2
1
5
リアルタイム制御に対応したTCP制御技術。
IP over WDM
3
3
1
1
5
1
2
2
1
6
WDM(波長分割多重)を用いて光回線上でIPパケットを伝送する技術
IEEE P1520(Application
Programming Interface for
Networks)
3
3
1
1
5
1
1
2
2
6
IEEE Standard for Application Programming Interfaces for Networks
階層化位置管理等の高速ハ
ンドオーバ技術
1
3
1
1
5
1
1
2
2
6
無線LAN によるホットスポットエリア内など、主に同一種別のアクセスシステム間で
の端末の移動に対する、IPv6/IPng をベースとした位置管理・追跡、及び安定した
通信サービスの提供の実現。事前に移動先で利用するIPアドレスを取得/登録:
Fast Handovers for Mobile IPv6 (IETF draft) 大規模化/階層化(位置管理機能
の分散)Hierarchical MIPv6 mobility management(IETF draft)
各種レイヤのQoS技術連携プ
ロトコル
2
3
1
3
7
1
1
2
2
6
伝送レベルからTCP レベルまで、各種レイヤのQoS 制御技術をサービスに応じて
実行する技術
附-4
87
附属-8 標準化テーマの評価の試行(通信・ネットワークコンピューティング用シート)
成熟度
分類
基礎技術
④③②①
成発発萌
熟展達芽
期期期期
社会的価値判断に基づく
事業的価値判断に基づく
評価尺度例
評価尺度例
尺度1 尺度2 尺度3 合 尺度1 尺度2 尺度3 尺度4 合
計
計
消
国
国
政
技
社
市
点
点
費
際
産
策
術
会
場
者
市
技
支
貢
貢
的
利
場
術
援
献
献
要
便
開
発
素
性
発
展
拡
支
大
援
補足説明
IPレイヤ、光レイヤのpeerモ
デルネットワーク構成、及び
プロトコル
3
3
1
1
5
1
1
2
1
5
IP ルータ、光ラベルスイッチ、光クロスコネクト、など様々なレイヤ技術によるノード
で構成されるネットワーク技術
QoS測定プロトコル
3
3
1
3
7
1
2
2
2
7
マルチベンダネットワーク内でQoSを計測、制御する技術
Ipv6機能拡充・活用技術開発
1
3
1
1
5
1
2
2
2
7
Ipv6機能拡充とIpv6の特性を生かした技術の開発
802.11x(WEP、WEP2、
FPK・・・)
3
3
1
1
5
1
1
2
2
6
無線LAN技術
基幹・アクセス系ブロードバン
ドデバイス
3
3
1
1
5
1
1
2
2
6
インターネットトラヒックの増大に対応する基幹アクセス系の大容量化としての波長
多重伝送技術
ストリームメディアの通信速
度同期転送方式
3
3
1
1
5
1
1
2
2
6
動画像データ列の転送フレーム数変換方式、音声信号の転送ビットストリーム変換
方式
トランスコーディング技術(端
末・ネットワーク関連データの
記述形式)
3
3
1
1
5
1
1
2
1
5
映像・画像・音声・音響等のコンテンツを端末、伝送帯域に応じて変換する技術。
6
ファイルサイズの大きいディジタルコンテンツをネットワーク経由で配信するために
最適化されたネットワークアーキテクチャ。ブロードバンドコンテンツを配信する仕組
み。 ブロードバンドのボトルネックになる中継ネットワークやコンテンツ配信システ
ムをアクセラレートするためにキャッシュサーバやスプリッタを利用する方法。ユー
ザのリクエストごとに中継ネットワークを経由して配信されるのではなく、」キャッシュ
サーバが代理で(スプリッタが複製して)代理応答するため、中継ネットワークや配
信システムのボトルネックを回避。オンライン社内
CDN(Contents Delivery
Network)のネットワークアー
キテクチャ
3
3
2
3
8
1
2
1
附-5
88
2
附属-8 標準化テーマの評価の試行(通信・ネットワークコンピューティング用シート)
成熟度
分類
基礎技術
④③②①
成発発萌
熟展達芽
期期期期
社会的価値判断に基づく
事業的価値判断に基づく
評価尺度例
評価尺度例
尺度1 尺度2 尺度3 合 尺度1 尺度2 尺度3 尺度4 合
計
計
消
国
国
政
技
社
市
点
点
費
際
産
策
術
会
場
者
市
技
支
貢
貢
的
利
場
術
援
献
献
要
便
開
発
素
性
発
展
拡
支
大
援
補足説明
家庭内の情報家電の相互接
続性
3
2
1
1
4
3
3
2
2
10
ホームネットワークにおける情報家電の相互接続性(DLNA)
タスクコンピューティング
1
2
1
1
4
1
1
2
2
6
ユーザのやりたいことをその場の機器を組み合わせて実現
センサーネットワーキング
1
3
2
1
6
1
1
2
1
5
センサー同士が無線で自律的な情報の流通を実現する。RFID, UWB。
Wireless USB
2
2
1
3
6
1
1
1
1
4
UWBをベースにしたUSBのWireless化
IEEE802.11iを中心とした
無線LANセキュリティ技術
3
3
3
3
9
2
1
3
2
8
中国との関係で、国際標準化の場におけるHotIssueとなっている 2004/11/12の
ISP/IEC JTC1 SC6の総会で、WAPIとIEEE802.11iが国際標準規格の候補に挙げら
れた。
家電機器機能のオブジェクト化
1
3
2
3
8
3
3
2
2
10
家電機能のソフトウェア実装による被制御性の実現
附-6
89
附属-9 標準化テーマの評価の試行(セキュリティ用シート)
成熟度
分類
基礎技術
④③②①
成発発萌
熟展達芽
期期期期
事業的価値判断に基づく
社会的価値判断に基づく
評価尺度例
評価尺度例
尺度1 尺度2 尺度3 合 尺度1 尺度2 尺度3 尺度4 合
計
計
消
国
国
政
技
社
市
点
点
費
際
産
策
術
会
場
者
市
技
支
貢
貢
的
利
場
術
援
献
献
要
便
開
発
素
性
発
展
拡
支
大
援
補足説明
ユビキタス端末のセキュリ
ティレベル
1
3
3
2
8
2
2
2
2
8
ユビキタス社会では、あらゆる機器にコンピュータが組み込まれ、それらがコミュニ
ケーションをするので、セキュリティの確保が最重要課題となる。
プライバシー・テクノロジー
2
3
2
3
8
2
2
2
3
9
プライバシーとは、単なる個人情報保護ではなく、“自己に関する情報の流れを自
身でコントロールする権利”を意味する
暗号モジュール評価基準(評
価制度を含む)
1
3
3
3
9
3
3
2
2
10
H16: 米国とカナダがFIPS140-2をベースとした暗号モジュール評価基準の国際標
準化をSC27に提案したこと等により、暗号の実装に関する評価基準の作成が推進
される。
アクセスポリシ記述フォーマッ
ト
3
2
1
3
6
1
2
2
1
6
IETFにおけるCOPS(Common Open Policy Service)やPIB(Policy Information
Base)など。
加工元情報の著作権保護ガ
イドライン
2
2
1
3
6
1
2
2
1
6
MPEG4/IPMP( Intellectual Property Management Protection)などの運用のため
のガイドライン
3
3
1
3
7
2
1
2
2
7
ネットワーク・システムの運用方針(ポリシー)をシステムに適切に対応させること。
IETFにおけるCOPS(Common Open Policy Service)やPIB(Policy Information
Base)など。
バイオメトリクス認証データ管
理
2
3
2
3
8
3
3
2
3
11
バイオメトリクスのアルゴリズムが統一化されていないため、認証データの特徴点
のみを集めて保管することができない。アルゴリズムの異なるバイオメトリクス認証
データをどのようにして集めて管理するかが課題である。
応用、環境別の暗号化、認証
プロトコル
2
1
1
1
3
1
2
2
1
6
アプリケーションや使用環境別の暗号化、および認証プロトコル
IPsec鍵交換(IKE2、JFK)
2
1
2
1
4
1
2
1
2
6
中規模かつ静的なセンサネットワークにおいて高速軽量かつ安全な認証、鍵交換
プロトコル技術。
社会・文化
プロセスと手法 ポリシ制御
附-1
90
附属-9 標準化テーマの評価の試行(セキュリティ用シート)
成熟度
分類
事業的価値判断に基づく
社会的価値判断に基づく
評価尺度例
評価尺度例
尺度1 尺度2 尺度3 合 尺度1 尺度2 尺度3 尺度4 合
計
計
消
国
国
政
技
社
市
点
点
費
際
産
策
術
会
場
者
市
技
支
貢
貢
的
利
場
術
援
献
献
要
便
開
発
素
性
発
展
拡
支
大
援
基礎技術
④③②①
成発発萌
熟展達芽
期期期期
異種ネットワーク間認証方式
3
2
1
1
4
2
2
1
2
7
限定された幾つかのネットワークをまたがって同一端末から同一サービスを継続的
に利用する技術
オアシス共通バイオメトリッ
ク・フォーマット
2
3
2
3
8
3
3
2
3
11
ebXMLなどで先行しているOASISのバイオメトリクスフォーマットを国際標準に採用
する必要がある。
セキュアIDタグ仕様
2
2
3
3
8
3
2
2
3
10
米国の9.11テロ対策として、輸出入貨物の追跡が重要になった。このため、セキュ
アIDタグの技術が重要になった。
耐タンパーデバイス上で動作
するOS
1
2
1
1
4
2
2
1
1
6
様々なサービスを耐タンパデバイス上で利用可能にするためのOS。
補足説明
APIとミドルウェア
基礎技術
附-2
91
附属-10 標準化テーマの評価の試行(ソフトウェア用シート)
成熟度
④③②①
成発発萌
熟展達芽
期期期期
事業的価値判断に基づく
社会的価値判断に基づく
評価尺度例
評価尺度例
尺度1 尺度2 尺度3 合 尺度1 尺度2 尺度3 尺度4 合
計
計
市
社
技
政
国
国
消
点
点
場
会
術
策
産
際
費
的
貢
貢
支
技
市
者
要
献
献
援
術
場
利
素
発
開
便
展
発
性
支
拡
援
大
分類
基礎技術
社会・文化
開発環境・プログラミングモデ
ル・評価方式
3
1
1
3
5
3
3
3
1
10
高度な分散環境での、情報処理・蓄積機能をネットワークと連携させた資源の割当
てと移動の制御方式、共有方式及びプロセス管理方式
要件定義
1
3
1
3
7
2
2
2
2
8
システム開発においては要件定義が重要である。
3
3
2
2
7
3
3
3
2
11
従来はビジネスソフトが主対象であったが,ソフトウェアはあらゆる製品に組み込ま
れており,その品質を評価するために開発プロセスの評価が行われている。
UML
3
3
2
2
7
2
3
3
2
10
すでにデファクト標準として広く使われている。
組込みシステム用リアルタイ
ムOSのAPI
3
2
3
3
8
3
2
3
2
10
I-TRON上のAPI
POSIX
4
3
1
3
7
1
1
2
1
5
Portable Operating System Interface for UNIX
linux
3
3
1
3
7
3
1
3
2
9
Open source baseのUNIX-like OS
新Pixel format & interface
3
2
1
3
6
1
1
1
1
4
Simpl EDIrect MEDIa Layer
端末/個人認証
3
2
3
3
8
3
2
3
3
11
携帯端末用個人認証システム、ネットワーク上での端末同定システム。
量子アルゴリズムの実証
1
1
1
2
4
1
3
2
1
7
多くの状態の重合わせとして存在し,相互の干渉によって確率的に解へと到達する
アルゴリズム。量子計算では,2n個の重合わせ状態を表すのに,n個の量子bitの直
積空間を利用する。Groverの検索アルゴリズムは,多数の情報からの高速検索を可
能とし,その一般性から量子アルゴリズムの典型と言える。
プロセスと手法 プロセス評価
APIとミドルウェア
附-1
92
補足説明
附属-10 標準化テーマの評価の試行(ソフトウェア用シート)
成熟度
分類
基礎技術
基礎技術
④③②①
成発発萌
熟展達芽
期期期期
社会的価値判断に基づく
事業的価値判断に基づく
評価尺度例
評価尺度例
尺度1 尺度2 尺度3 合 尺度1 尺度2 尺度3 尺度4 合
計
計
市
社
技
政
国
国
消
点
点
場
会
術
策
産
際
費
的
貢
貢
支
技
市
者
要
献
献
援
術
場
利
素
発
開
便
展
発
性
支
拡
援
大
補足説明
I-TRON
3
3
1
3
7
3
2
2
1
8
組み込みシステム用リアルタイムOS仕様。IEEEから仕様書が発行されている。
J-TRON
3
3
1
3
7
3
2
2
1
8
JavaとITRONのハイブリッドOS仕様
C-TRON
3
3
1
3
7
3
2
2
1
8
通信制御や情報処理を目的としたOSインタフェース仕様
ビジネス・グリッド
1
3
2
3
8
1
3
3
1
8
グリッド・コンピューティングをビジネス分野への応用したもの
グリッド・コンピューティング
2
3
2
3
8
3
3
3
2
11
地理的に分散されたサイトにおけるITリソースの協調された、透過的でかつセキュア
な共有のための技術
高信頼性ソフトウェア開発の
ためのプログラム言語及び開
発システム
2
3
3
3
9
2
3
3
2
10
ミッションクリティカルシステムを開発するためのプログラム言語及び開発システム
が今後更に重要性を増す。
Tronエンジン
3
3
1
2
6
1
3
3
1
8
これまでトロン協会として国内企業主体に活動してきたが、海外のマイクロソフト社、I
BM社も参加し、T-Engine Forumに改組して国際的に活動していくこととなった。
附-2
93
附属資料C-11 標準化テーマの評価の試行(その他用シート)
成熟度
分類
基礎技術
④③②①
成発発萌
熟展達芽
期期期期
事業的価値判断に基づく
社会的価値判断に基づく
評価尺度例
評価尺度例
尺度1 尺度2 尺度3 合 尺度1 尺度2 尺度3 尺度4 合
計
計
消
国
国
政
技
社
市
点
点
費
際
産
策
術
会
場
者
市
技
支
貢
貢
的
利
場
術
援
献
献
要
便
開
発
素
性
発
展
拡
支
大
援
補足説明
多機能ICカードOSの統一標
準
2
3
3
3
9
2
3
1
3
9
接触型ICカードのマルチアプリケーションに対応したICカード用OS
ITサービスマネジメント
2
3
2
2
7
3
2
3
3
11
IT組織がビジネスの現場に提供しているサービスの品質を測定し、報告し、改善す
る連続的なプロセスによってサービスのレベルを管理すること
マウント・レイニア
3
3
0
3
6
1
2
2
2
7
CD-MRW(Mt.Rainier)次世代標準パケットライトフォーマット。ファイルごとの書き込
み/書き換えフォーマットで、フォーマット作業がいらず、今後の業界統一規格とな
りうる簡便な書き込み、書き換え方法。
iVDR
3
3
0
3
6
1
2
2
2
7
リムーバブルHDDの新規格
システム・オン・パネル
3
3
0
3
6
1
3
2
1
7
表示ガラス基板上に、液晶ドライバーICやコントローラー、電源用ICなどの周辺回
路などの集積を実現した液晶パネル
BMLinkS
2
3
0
3
6
1
2
2
2
7
MMIAが提案しているOA機器の新たな統合インタフェース仕様
自律型センサーのアクセスイ
APIとミドルウェ
ンターフェイス
ア
1
3
0
3
6
1
3
2
2
8
各センサーが保持する情報を交換して、ある目的にしたがって協調動作を実行する
ための協調分散システム用通信プロトコルと、受動的または能動的に環境情報を
高速・高精度に検知するセンサデバイスに関する技術
Tronエンジン
3
1
1
3
5
3
2
2
1
8
次世代のリアルタイムシステムを構成するソフトウェアとハードウェアのプラットホー
ムの標準
ブルーレイ・ディスク「Blueray Disc」
2
2
1
3
6
1
3
3
2
9
ディジタルハイビジョン録画規格で、CD/DVDと同じ12cmのディスクに2時間以上の
ディジタルハイビジョン映像を繰り返し録画・再生できる方式。
HD-DVD(High Definition
DVD)
2
2
1
3
6
1
3
3
2
9
電子ペーパ
4
3
2
3
8
2
3
2
2
9
社会・文化
ヒューマンI/F
附-1
94
VDフォーラムが策定した、DVDの後継となる大容量光ディスクの規格。東芝とNEC
が共同提案した「AOD」(Advanced Optical Disk)仕様をベースとしており、2003年11
月に承認された。
「紙」と「液晶」の長所を併せ持つ、新しい表示媒体。CANONペーパライクディスプレ
イは、2枚のプラスチックフィルムの間に帯電したトナーを封じ込めて、トナーの面内
分布を電気的に変化させて画像を形成する。
附属資料C-11 標準化テーマの評価の試行(その他用シート)
成熟度
分類
基礎技術
基礎技術
④③②①
成発発萌
熟展達芽
期期期期
事業的価値判断に基づく
社会的価値判断に基づく
評価尺度例
評価尺度例
尺度1 尺度2 尺度3 合 尺度1 尺度2 尺度3 尺度4 合
計
計
消
国
国
政
技
社
市
点
点
費
際
産
策
術
会
場
者
市
技
支
貢
貢
的
利
場
術
援
献
献
要
便
開
発
素
性
発
展
拡
支
大
援
補足説明
MRAM
1
3
1
2
6
1
3
2
1
7
MRAM(Magnetoresistive Random Access Memory)は磁気によってデータを記憶す
るメモリ。MRAM の特徴は 「不揮発性」 と、読み書きの速度が速いこと、集積度が
高いため、いつでもスイッチが切れる情報家電が期待できる。
新世代平面ディスプレイ技術
(有機ELディスプレイ)
3
2
1
3
6
1
3
2
2
8
電気を光にかえる「エレクトロルミネッセンス(electroluminescence)」という現象を利
用したディスプレイ。自発光なので、LCDのように視野角の問題に悩まされるこがな
い。発光セルが固体からできているため(ソリッドステート、Solid State)、フレキシブ
ルなディスプレイも可能。
SED(Surface-conduction
Electron-emitter Display)
2
2
1
3
6
1
3
2
2
8
CRTの電子銃に相当する電子放出部をディスプレイの画素数ぶん並べたガラス基
板を持つ。そのガラス基板と、蛍光体を塗布したもう1枚のガラス基板を近接させて
配置し、その間を真空封止した構造のディスプレイ。 心臓部である電子放出部の
特徴は、ふたつの電極間に超微粒子膜を用いて作成された、幅が数nmの非常に
狭いスリットに電極間に10数ボルトの電圧をかけ、トンネリング効果によりスリットの
片側から電子が放出される。その電子の一部が対極で散乱され、ガラス基板間に
印加された10キロボルト程度の電圧で加速されて、蛍光体に衝突
ザイカ・アルファ(Xaica-α)
3
3
1
3
7
1
1
2
2
6
NTTデータが開発した多機能・多目的利用ICカード。カード発行後にカード内のアプ
リケーションを変更、追加、削除するダウンロード機能などのほか、ICカード内で
RSA秘密鍵/公開鍵の生成を可能にするなどのセキュリティ機能を搭載したICカー
ド。
ファイバアンプ(1250-1650nm
帯ラマン複合アンプ)
1
3
1
2
6
1
3
2
1
7
基幹・アクセス系ブロードバンドデバイスの中の固定ワイヤレスシステム
ナノ光電子デバイス
1
3
1
2
6
1
3
3
1
8
トンネル効果等、従来とは異なる動作原理に基づく光デバイス、電子デバイス
負性抵抗ラッチ回路、超高速
光スイッチングデバイス、超
高速超伝導スイッチングデバ
イス
3
3
1
2
6
1
2
2
1
6
半導体デバイスの微細化限界による性能飽和をブレークスルーするため、トンネル
効果等、従来とは異なる動作原理に基づく光デバイス、電子デバイス、超電導デバ
イス
次世代擬似SRAM
2
3
1
2
6
1
3
3
1
8
容易にシステム設計できるように外部インタフェースは、非同期型SRAMと互換性を
もたせたDRAMのセルアレイのインタフェース仕様
1チップでTV符号化、音声認
識・合成機能の高機能・低消
費電力デバイス
2
3
1
2
6
1
2
3
1
7
3次元グラフィックス処理、現在のスパコン性能がワンチップで実現できるシステム・
オン・チップ
高密度半導体プロセッサ、メ
モリ
1
3
1
2
6
1
2
3
1
7
最小線幅が100nm以下となる半導体プロセッサ、メモリ
附-2
95
附属資料C-11 標準化テーマの評価の試行(その他用シート)
成熟度
分類
基礎技術
高面密度記録システム
④③②①
成発発萌
熟展達芽
期期期期
1
事業的価値判断に基づく
社会的価値判断に基づく
評価尺度例
評価尺度例
尺度1 尺度2 尺度3 合 尺度1 尺度2 尺度3 尺度4 合
計
計
消
国
国
政
技
社
市
点
点
費
際
産
策
術
会
場
者
市
技
支
貢
貢
的
利
場
術
援
献
献
要
便
開
発
素
性
発
展
拡
支
大
援
3
1
2
6
1
3
3
1
補足説明
8
現在の10倍(100Gb/平方インチ~)クラスの面密度の記録システム
高多重化光伝送システム
1
3
1
2
6
1
3
3
1
8
現在の30倍の多重度の光伝送システム。 1nm以下の狭 い波長間隔で数十~数百
波の光を多重化する。
新世代半導体アプリケーショ
ンチップ
1
3
1
2
6
3
3
2
1
9
MRAM、高機能・高信頼サーバー用半導体チップ 等
波長変換デバイス
1
3
1
2
6
1
2
3
1
7
波形を崩さずに波長変換できる光ルーティング機能
1000x1000光スイッチ
10Tbps級あるいは数百Tbps
級の光ルータ
1兆~1000兆分の1秒単位で
光をON/OFFする基礎技術
ベタビット級ネットワーク通信
基礎技術
1
3
1
2
6
1
2
3
1
7
1000波の多重数の波長を選択できる光スイッチを用いた波長ルーティング及び光
クロスコネクト技術
1
3
1
2
6
1
2
3
1
7
光ファイバ用高速ルータ
1
3
1
2
6
1
3
3
1
8
インターネット・ハードウェア
1
3
1
2
6
1
2
3
1
7
フォトニックネットワーク技術による光伝送の高度化技術
附-3
96
[参考資料-D]
97
新産業創造戦略のポイント
参考資料 D-1
1
戦略策定の経緯
○昨年11月の経済財政諮問会議において、「新産業創造戦略」を経済産業省において策定することが決せられたことを受け、
作業を進めてきたもの。
戦略策定の狙い
○企業における構造調整が進展し、新規事業に係る設備投資が活発化するなど、ミクロの好循環が動き始め、薄型TVに代表さ
れるデジタル家電などのイノベーションによる需要が喚起されて、明るい兆しが見られるところ。これを確固たる流れとするた
めには、強い製造業の復活と、雇用を生み出す様々なサービス業の創出によるダイナミックな産業構造転換を図ることが不可
欠。本戦略は、産業構造の将来展望を踏まえ、セミマクロの好循環の形成、加速化を目指した産業政策の確立を目指すもの。
○情報家電や燃料電池など日本のものづくりにおける技術的リードは僅か。人材、文化も放っておけば衰える。この時期にこそ、
日本の強みを再確認し、課題を克服する努力を行う必要。
策定過程の特色
○統計数値のみに依らず、現場主義に徹し、産業の最前線に立つ企業人や地域関係者が現に実感している強みと課題を抽出
し、最前線で起こっている事実に基づいた分析を行った上で作成。
・訪問先は約300ヶ所、延べ約700人以上と面談。事務局スタッフの出張回数は延べ100回以上
戦略のコンセプト
○近年の過剰設備廃棄などいわば縮み思考の政策を脱し、幅広い意味での思い切った前向きの投資(設備投資のみならず人
材育成などを含む)を促すことが重要
・ナノテク、IT、バイオ等の先端技術と日本古来の伝統技術をうまく接ぎ木し、20∼30年は世界ナンバーワンを維持できるよ
うな技術・産業を構築。そのために、人作りと技術開発にメリハリをつける。
・産み出した新たな技術の戦略的な活用を図るとともに、その保護も重視。
○市場の力を活用しつつ、産・官・学・地域等の幅広い関係者による「将来への展望の共有と擦り合わせ」を進める産業政策へ
・あらゆる場面での「擦り合わせ」の円滑化と促進(産業と行政、産業間(川上川下間、川上間等)、行政間(省庁間、中央政府と
地方政府間等))
98
三つの視点と三本柱の産業戦略
三本柱の包括
三本柱の包括
的な産業戦略
的な産業戦略
視点1:世界との競争をどう勝ち抜くか
【課題】
○熾烈なグローバル競争
○アジアのライバルの成長
2
【強み・チャンス】
○日本はアジアの「高度部材
産業集積地域」
○迅速な「すりあわせ」機能
○アジアのマーケット拡大
○コンテンツを通じた文化発
信力
強い競争力を活かし
世界で勝ち抜く
先進産業群
視点2:社会の要請にどう応えるか
【課題】
○少子高齢化
(財政赤字・国民負担)
○環境問題、廃棄物問題
○安全問題
【強み・チャンス】
○シニア市場の広がり
○優れた省エネ・環境技術
○ITの利活用拡大
社会の変化に対応した
市場ニーズに応える
産業群
(サービス等)
視点3:地域の低迷をどう脱するか
【課題】
○過疎化
○少子高齢化
○公共事業減少
【強み・チャンス】
○地域固有の資源とネット
ワーク、地域コミュニティ
○先端技術研究とものづくり
の現場
99
地域再生を担う産業群
戦略策定のための現状認識(1)
戦略策定のための現状認識(1)
3
先端的新産業群(その1)
(1)状況認識
(1)状況認識
・近年は、川中同士、川上同士での新たな連携も発生。
・川下の相対的競争力低下もあり、川上、川中の材料・部品・装置メーカーは、
韓国、台湾等の海外メーカーとの取引関係を拡大。
○アジアの製造業の中核となる日本の「高度部材産業集積」
・日本には、世界的にも希有な「高度部材産業集積」が形成。
・ものづくりに不可欠な要素技術(精密微細加工や特殊素材合成など)の現場レ
ベルでの迅速かつ高度な擦り合わせが可能。
◆ 微細切削加工技術を行うA社(北関東)は、顧客ニーズが多様化し一社では対応できな
い加工依頼が増えてきたため、経済産業局による紹介で、これまでつきあいの無かった
電子ビーム受託加工のB社(首都圏)や超硬加工のC社(関西圏)等で広域連携を形成。
各分野の最先端加工技術を有する企業がお互いに補完しあうことにより完成直前までの
一連の加工工程を一括受注できる体制を整備した。
◆ 液晶、PDP、有機ELなどの平面ディスプレイのパネルは、日本、韓国、台湾の3カ国で生
産を独占。製造工程で用いられる製造装置、電子材料は、日本が大部分を供給。
【主な平面パネルディスプレイ関連部材、製造装置の日本企業シェア推計】
液晶関連製造装置 約96%(2002年世界の主要60社の売上から推計)
偏光膜保護フィルム 100% (2003年富士キメラ総研調査)
視野角向上フィルム 100%
(同上)
PDP部品材料(全体) 約94%
(同上)
更に、大企業のみならず、地方の中小・中堅企業において、東アジア企業の平面パネル
製造関連の製造設備を納入する事例が増加。
◆ 「海外のメーカーの場合、将来の技術のキャッチアップによる内製化や技術漏洩も懸念
されることから、できることなら国内のセットメーカー中心に取引したい。しかし、国内の
セットメーカーがシェアを取れない以上、企業として生き残りを賭けて海外のメーカーとも取
引をせざるを得ないし、顧客が外にある以上海外進出もせざるを得ない。」(複数の部品・
材料メーカー)
◆ 「液晶TVは典型的な擦り合わせ産業。これに用いられるフィルムは有機溶剤のコーティン
グで製造するためムラとの戦いとなる。ムラは数値で表すことが困難で、セットとの組み合わ
せでフィルムメーカ−とセットメーカーの担当者が目合わせして使えるか判断する。デジタル
家電といいながら極めてアナログな世界。その結果、微妙な調整に必要な「ムラっぽい」とい
う日本語表現は今や韓国や台湾でも通用する共通語。」 (材料メーカー)
◆「競争力のある液晶メーカーが我が国にもう一社あれば、川中、川下の企業が海外メー
カーに技術を売らずに国内で食っていけるようになり、関連技術を国内ですべてシェアで
きるようになるので、我が国液晶産業全体としてみればその方が良い。」(液晶メーカー)
○取引関係のメッシュ化の進展
○擦り合わせの連鎖
・ 90年代の厳しい経済環境の中、川下(最終製品)−川中(部品・材料)−川上
(原材料・素材)の各段階で厳しい競争が行われた結果、従来の単純直列の下
請け構造が大きく変化。取引関係は多面的に展開(いわば「メッシュ構造化」)。
・技術が成熟化し、量産体制が確立すると、工程のモジュール化・分化が進む
一方、次なるイノベーションに向けて新たな擦り合わせが始まる。
・この「擦り合わせの連鎖」は、高度部材産業集積があって初めて実現可能。日
本企業に新たな市場への高い対応力を可能化。
・モジュール化局面では、企業はグローバルな最適生産体制の構築が必要。
EPA(経済連携協定)等の環境整備が不可欠。
川下(最終セット品)
◆ 装置メーカー下請けA社は、大
手電機計測機器メーカB社の系
列として長年環境機器の部品製
造・組立を手がけていたが、自前
の精密加工技術と設計開発力を
背景に、半導体製造装置内搬送
システムやロボットアームの加工、
大型液晶製造装置の加工組立に
進出した。
◆ 「モジュール化は技術が成熟化してくると必ず起こる。モジュール化した段階では、日本
企業は垂直統合の強みや国内産業を活かせない。むしろコスト勝負になるから海外生産
や海外からの調達を考えざる得なくなる。しかし、最先端の製品を開発している限り、常に
摺り合わせ。次から次へ新たな製品開発に向けて摺り合わせを続けることが日本企業の
採るべき戦略ではないか。」(複数の部品・材料メーカー)
川上(原材料)
100
先端的新産業群(その2)
4
(3)課題
(3)課題
(2)強み
(2)強み
○長期雇用・人事システムの効用と課題
◆ 「生産現場でもコアの工程とノンコアの工程を分け、正社員と臨時社員、請負の他社社員と
で分割して仕事をしている。正社員については、徹底的な研修などを行っているが、非正社
員については、特段研修は講じていない。かつては、非正社員から正社員への登用もあっ
たが、ここ数年は採用を抑制してきたため例がない。」(家電メーカー)
○技術課題に真摯に取り組むものづくりの姿勢
◆ 「日本はものづくりで強さがある。机の裏側一つとっても、見えないところも日本人はしっか
り作る。最後まで手を抜かず、生真面目にやっていく。こういった感性、こだわりが日本人に
はあるのではないか。こうしたものづくりは、単にモノそのものだけでなく、顧客へのサービス
というものとも一体となったもの」(特殊ガラスメーカー)
○知的財産戦略の確立と技術流出の防止
○危機や環境変化をバネにしたたかに挑戦する企業家精神とフッ
トワーク
◆ 「中国進出ブームの中で、活人、活スペースをスローガンに、従来の発想を全く変えた工場
づくりを目指した。スペース、動作、物流、運搬、搬送などにおける徹底した無駄の排除を行
う一方、多能工化を進め、装置もありあわせの材料で自分の『知恵テク』で作り極めて安く済
ませるなどの工夫をした。一人セル、一人屋台方式を実現し、川下からの『見える在庫管理』
を行った。仕掛かり在庫は大幅に縮減、生産計画のリードタイムは大幅に縮減し、日本の工
場が品質、デリバリーをも加味した総合的なコストでは中国に負けないものになった。」(事務
機メーカー)
○濃密なコミュニケーション、スピードときめの細かさ
◆ 「かつては、資本関係や長期的な系列関係、終身雇用などの諸制度の中で意識しないま
ま守られていた営業秘密や技術情報があった。これが環境変化に伴って考え方を変えざる
を得なくなっている。知的財産権の取得や営業秘密の保護について、新しい契約上のルー
ル、商慣行、雇用慣行を明確にしていかないと企業内外での擦り合わせもうまくいかない。」
(家電メーカー)
◆ 「退職した従業員で、海外競合メーカーに入って指導をしている者がいる。しかし、これま
での雇用慣行、契約では限界がある。」(家電メーカー)
○利益率の確保、ブランドの確立
◆ 「国際競争力を持つことは、技術的要素よりもビジネスの体制の問題。要は経営陣のマイン
ド。日本は、とかく二番手で他社がやっているものを作る、ゾロ品作りをしがち。結局みんな
で足を引っ張り、先行者が投資回収できずほどほどの儲けで皆終わってしまう。」(材料メー
カー)
○スピードの欠如
◆ 「開発部隊が、セットメーカーと濃密な摺り合わせをして商品を開発。それを製造部門に命
令して作らせる。そこから先はスピードが勝負。顧客の我が儘に対応して、製造現場とライン
をいくらでもカメレオンのようにつくりかえることで、自分の命を守っている。」(部品メーカー)
◆ 「日本メーカと韓国メーカを比較すると、意思決定のスピードが韓国は非常に速い。急ぐ必
要があれば決裁権者が一堂に介して技術を見極めそこでGOサインを出す。それに比べて
日本の企業は動きが遅い。」(複数の装置・材料メーカー)
○長期的な取引関係の中で信用評価を重視する環境
○長期関係によるもたれあい、モラルハザード
◆ 「資材調達の担当部門には、過去のしがらみや実績にとらわれず、とにかく良いものを買え
と何度も言うのだが、リスクを恐れて、どうしても実績のないベンチャー企業は使おうとしな
い。」(家電メーカーの経営者トップ)
◆ 「当事者間の信頼関係が大切。当時役に立つと考えなかった圧電セラミクスを、顧客とリス
クを一緒にとって開発していったことが顧客の信用を勝ちとるとともに、後にセンサーなど多
用途の商品化に成功し、さらに評判が広がって新手の顧客を得て市場が益々拡大した。」
(部品メーカー)
○産学連携の強化
○高い品質を要求する国内消費者の存在
◆ 「大学側が熱心に産学連携に取り組むようになってきたことは評価できる。しかし、未だにビ
ジネス上の知的所有権の係る戦略と意味、企業側の営業秘密に対する意識について、鈍感
だったり、配慮がなかったりする。本当の意味で協働するためには、まだまだ時間がかか
る。」(材料メーカー)
◆ 「コスト競争で脅威となった90年代初頭に中国への進出を決断。カシミア供給地である内
モンゴルでニット製品を生産して売上と雇用を確保。しかし、中国生産では、国内のきめ細
かいニーズと在庫管理に対応できないことから、最近は日本国内で高付加価値ニット製品
(縫い目がなくシルエットが美しいセーターなど)を生産。高収益を目指す。」(繊維メー
カー)
○ベンチャー企業の輩出
◆ 「いい技術シーズ、技術者がいても、優秀な経営人材がいなく事業化に失敗する事例は多
い。良い人材は流動化しておらず、人材不足を痛感する。」(ベンチャーキャピタル)
101
戦略策定のための現状認識(2)
戦略策定のための現状認識(2)
(1)状況認識
(1)状況認識
5
ニーズ対応新産業群(その1)
○環境・資源制約への対応による新市場創出
○シニア対応が鍵を握る対個人サービス
・ 地球温暖化、廃棄物問題や有害化学物質への対応など、我
が国を取り巻く環境・エネルギー制約は、一面で省エネ製品・
サービスや環境配慮製品の開発・サービスなどの新たな環境市
場を創り出している。この分野における我が国製造業とサービス
の国際競争力の強化を促進することが期待される。
・今後、急激に進行する高齢化をビジネスチャンスと捉え、金銭的
にも時間的にも最も余裕のあるシニア世代を中心としたマーケ
ティング戦略へ転換している例が見られる。
◆ A社は、シニア世代を中心に同好の士を集め(会員は50歳以上が7割、女性が7割)、「つ
り」「ダンス」などのクラブ活動と、そのテーマに合わせたツアー旅行をパッケージで提供。ツ
アー参加人数は4年で倍以上になるなど、売上は拡大の一途を遂げている。・また、元気な
高齢者が、NPO等の担い手として、サービス分野で元気で生き甲斐をもって働いているビ
ジネスも見られる。
◆ I社は、砂漠緑地化のプロジェクトにヒントを得て、中国の大学の技術を活かして
泥炭を利用した軽量の屋上緑化製品を開発。もともとは都市のヒートアイランド対
策を目的としていたが、今ではアフリカ・中東各国からも引き合いがある。
◆ K社は、トータルサービス(省エネ診断、工事監理、省エネ効果検証を総合的に
実施、効果保証(省エネ効果を保証し、万一保証量を下回った場合に補填)、初
期投資ゼロ(省エネ工事に要した費用は全て省エネによるエネルギーコスト削減
分で賄う)の省エネ事業であるESCO(Energy Service Company)を開始、実
績を伸ばしている。
・また、元気な高齢者が、NPO等の担い手として、サービス分野
で元気で生き甲斐をもって働いているビジネスも見られる。
○大きな発展段階を迎えつつある対事業所サービス
◆ 徳島県上勝(かみかつ)町は、人口2200人のうち45%が高齢者。料理屋向け料理皿飾り
(つまもの)用「葉っぱ」(もみじや朴葉など)を卸市場に販売するビジネスを開始。現在年商
2億円、全国シェアは8割を占める。お年寄りが葉っぱを収集、丁寧に梱包し、お年寄りでも
使いやすく改良したパソコン端末を通じて在庫を通知して、商品引き合いにスピーディに対
応。「皆で頑張る」→「働いて金を稼ぐ」→「地域社会に貢献する」→「ぼけない。上勝町のイ
メージアップ」の好循環が発生しており、寝たきり老人が少なく、注目を浴びている。
・ 企業における事業再構築の進展などにより、企業の業務の
一部をアウトソーシングにより受託する対事業所サービスが大
きな発展の時期を迎えつつある。
◆ 従来すべて製薬会社が自社で行っていた「治験」を受注するサービスが拡大。A
社は抗ガン剤に関する迅速・正確なデータ分析ノウハウを蓄積し、付加価値を高
めている。
◆D社は高齢者の社会参加のニーズとパソコン初心者に分かりやすく教える指導者の不足に
着目し、シニアITアドバイザーの資格取得講座と資格認定試験を実施。参加者の中心は、
都市部の男性サラリーマン退職者で、各地のパソコン教室で「先生」として活躍。
・企業内の間接部門などを対事業所サービス会社として分
離・独立させる動きも出てきている。
◆ 金融機関B社は、自社の人事部門の一部を分離し、航空会社、総合電器メーカー
等と協同で、人事管理を請け負う企業を新たに設立した。
102
ニーズ対応新産業群(その2)
6
(3)課題
(2)強み
(2)強み
○先進諸国一急激に進行する高齢化
○もてなし(ホスピタリティ)の高品質化
・現在、50歳以上人口が既に全人口のほぼ4割。20年後にはほ
ぼ5割に達する見込み。
・サービス分野のビジネス革新を進めるため規制・制度・慣行
を見直し、もてなしの高品質化の追求が必要。事前規制に代
替しうる事後評価システムの整備・普及が必要。
・我が国産業がシニア対応の新しいビジネスモデルを開発・確
立していくことができれば、世界のフロントランナーとして、我が
国に遅れて高齢化が進む世界市場の中で、大きな競争力を
持ちうる可能性がある。
◆ タクシー業界は、長年規制に慣れ親しみ、楽して儲かってきた。この業界の経験者
は楽して儲ける態度が染みついていて、矯正は困難、と判断したA社は、他社での経
験者は雇用せず、タクシー運転手の未経験者を採用して自社で訓練している。
○品質やサービスの質に対する要求水準の高い国内の需要
家の存在
○良質な人材の確保
・本来、品質やサービスの質に対する要求水準の高い需要家
が我が国の国内市場には存在しているため、規制や慣行を見
直し競争を活発化させることで、サービスの質的向上が促され、
競争力のあるサービスを提供する供給者が育っていく可能性
がある。
・サービステクノロジーの形式知化・標準化・体系化(「サービス
工学」化)を段階的に進めることによる人材のレベルアップを
図る必要。
◆A社は、社長一人ですべてのビジネス企画をしており、社長が思いついたアイデア
をビジネスに展開できる事業立ち上げ人材が社内には不足している。結果、社長が
よいアイデアを思いついても、社長本人の時間的制約から、なかなかビジネスに展
開できずにいる。
○成長するアジア市場に対するビジネスモデルの輸出やITを
活用したサービス輸出の可能性
◆多くの大手旅行代理店では従来、発券・添乗等のプロセスごとの分業制が採用され
てきた。このため、格安パックツアーからこだわりツアーへの移行が一部で注目され
ている環境下において、一つ一つの旅行商品のトータルプロセスを把握し、その品
質を高めることのできる競争力ある人材が不足している。設備は入れ替えれば競争
力を回復できるが、従来のビジネス環境下で育った人材を、再教育によって新たな
ビジネス環境に対応できるようにするのは、より難易度が高い。
・競争力のあるビジネスモデルを確立できれば、例えば高齢化
に対応して成長するアジア市場へ輸出される可能性や、ITを
活用したサービス輸出の可能性も拡大する。
103
戦略策定のための現状認識(3)
戦略策定のための現状認識(3)
7
地域再生の産業群(その1)
(1)状況認識
(1)状況認識
○各地域に芽生える新事業、クラスターの萌芽
○地域社会(コミュニティ)を基盤とした横の信頼ネットワークの
形成とこれを利用した協働の広がり
・全体として地域経済の疲弊が進みつつあり、中心市街地等の街のにぎわ
いが失われてしまっている地域もある。
・他方、一部では、新しい魅力ある地域的な事業が芽吹く動きも見られ、これ
を支援する地方自治体、大学、NPO等が集まり、特色あるクラスターを形成
している。
・新事業や地域ブランドを育てるために、地域内の横の連携ネットワークを構
築し、知恵や人的ネットワークの共有、共同受注、技術と販路の結合、品質
や生産方法の規格の統一、街づくりと新事業育成の連動等、具体的な協働
(コラボレーション)が行われている。
◆千葉県東葛地域:東京大学柏キャンパスの隣接地に立地する産業支援施設「東葛テクノ
プラザ」内に東京大学、千葉大学など県内10理工学大学、高等専門学校が「大学研究交
流オフィス」を設置し、研究指導、共同研究開発など中小企業や起業家の育成に協力。ま
た、大学発ベンチャーの育成をより強力に進めるため、新たに起業家育成施設「東京大学
柏ベンチャープラザ」を開設予定。
◆岩手ネットワークシステム(INS):産官学の互いの顔が見える信頼関係に 基づいた
ネットワーク。会員は約1,000名で、ボランティアにより運営。中でも岩手大学工学部
が中心的な存在。主な活動は、産学官の交流会、テーマ別の研究会、高校生向けの
大学紹介講座など。
◆「沖縄元気ネットワーク」:ベンチャー企業、健康食品企業、IT関連企業、建設・技術工
業系企業とこれらの支援者から成るネットワーク。沖縄出身の本土企業のネットワーク、
海外企業のネットワーク(WAB)と3ネットワークで連携している。
◆札幌のマイコン研究会:北海道大学工学部の助教授(当時)が地元の学生等を集め、当
時市販されたばかりのマイクロコンピュータに関する勉強会を組織(1976年)。この研究会に
参加していた学生達がIT系ベンチャーを多数創業。これがいわゆる「サッポロバレー」に
つながったといわれている。
○「地域ブランド」活動の胎動
○新産業創造への関与を深める大学
・地域コミュニティ単位で協働して、地域の技術力や商品力に対するブランド
力を磨こうとする動きが活発化。
・ブランドの存在が、地域に製品への需要、優秀な企業・人材、投資資金を
惹き付け、地域力を高める好循環が出来つつある。
・地域再生を図るために大きな力となるのは、大学との連携。
・大学の側でも、産学連携のシステム整備や国立大学の独立行政法人化を
契機として、産業界や地方自治体との連携への姿勢が積極化しつつある。
◆福岡システムLSIカレッジ:福岡県が主体となって、システムLSIの高度な設計技術者
を養成することを目的として開設。基礎から応用まで実践的な教育を行う。九州大学、
九州工業大学などの教官が、講師となっている。校長も九州大学の教授。
◆東大阪ブランド推進機構:「東大阪ブランド」の普及と定着を目指して東大阪の地元企業・
業界団体と自治体が組織した団体。「オンリーワン製品」、「プラスアルファ製品」である市内
企業の製品や部品を「東大阪ブランド」と認定し、イメージアップを狙う。具体的活動として、
商標登録をした東大阪ブランドのシンボルマークの付与、付与された製品のPR、製品展示
会の開催等。
◆北海道砂川市のA社は、菓子業を営む傍ら、「おいしくて、体によい新規の加工食品」
を開発する目的で、地域の農協と連携し北海道限定のハスカップなど、ベリー類の持
つ薬理効果を研究している。この度、臨床試験を充実するため、地元の大学等と産学
官の共同の取り組みを開始した。
◆新潟の地酒ブランド:新潟では、日本酒5銘柄をセットにして「越のくにの五峰」と名づけて
マーケティングを行っており、既に、憧れの銘酒としての全国的なブランドを確立している。
地酒ブームの先駆けとして著名である。また、酒造組合は、「新潟酒の陣」というイベントを開
催し、新潟地酒により幅広い理解を得るべく活動を行っている。にいがた産業創造機構は、
更に、台湾市場等においても「NIGATA JIZAKE」ブランドを確立することを目指し、蔵元
による海外プロモーション活動に対し、支援を行いつつある。
104
地域再生の産業群(その2)
8
(2)成功の秘訣
(2)成功の秘訣
(3)課題
(3)課題
○顔の見える信頼ネットワークの充実
○地域の資源に関する的確な認識
・個人間の信頼関係をベースに、常に新しいメンバー・知識・アイディアが流
入する「顔の見えるネットワーク」が必要。その際、コーディネーター役とな
る人材の役割は極めて大きい。
・地域の中小・中堅企業の技術蓄積、大学教育・研究機能、伝統工芸、地場
食材、古い街並み等の価値の適切な認識が不十分。
◆「TAMA(技術先進首都圏地域)協会」:東京都立大学、電機大学他の大学、金融
機関技術開発型企業群のネットワーク。ネットワーク内で、産学官連携の技術開発や
起業家育成の活動が活発に展開されている。
◆地域の中核企業であるA社は、自動車、エレクトロニクス、情報・通信、機能性材料、
バイオテクノロジや環境技術などの広範な分野の研究を行ってきており、数多くの技
術・特許を保有している。その中には、地元の中堅・中小企業の新事業展開等に役立
つものも含まれているが、同社や地元企業にその認識が無く、技術移転のための活動
が積極的に行なわれてこなかったため、活用されていなかった。技術の活用を促すた
め、企業・大学が保有する特許・技術の展示会を開催したところ、同社からの技術移転
が1年間で7件も成立した。
◆「讃岐うどんの原料小麦の多くが海外産にとって代わられていたことから、平成12年、
県庁が橋渡しとなって生産者、製粉業者、うどん業界の人たちと協働で、讃岐うどんに
適した地粉の生産に取り組み、開発に成功。みんなが責任を分担して一緒に努力し
ていったことが成功要因。」(香川県)
○横のネットワークを育てること
○地域の特色ある産業構造や伝統・文化に立脚した総合的な
地域戦略を持つこと
・多くの地域では、従来の縦割り構造(下請け取引関係等)が色濃く残り、横
のネットワークの育成が必要。
◆「京都の新事業創出戦略」:新事業の創出を目指し、産学公の人的なネットワークの形
成、産学公の共同研究プロジェクトの推進、起業家学校、起業家支援施設の開設、目
利き委員会の開催など起業家の成長支援、大学の研究開発成果などのデータベース
化、起業家育成やMOT分野の専門家育成、経営・技術・資金などに関するワンストッ
プ相談窓口の設置など、様々な事業を組み合わせて実施している。
◆造船会社A社の企業城下町であるB市には、長い間、A社がB市内の地場企業に船
舶用の各種部品を発注し、地場企業はそれをA社に納入することにより生計を立てると
いう産業構造があったが、1990年代前半の円高の影響で、A社が中国・東南アジアか
ら部品を調達するようになり、地元への発注が激減したため、地場企業の経営は一気に
悪化した。これを受けて、地場企業各社は、新事業開拓のための横のネットワークの必
要性を感じ、その形成のための努力を開始している。
◆「シリコンシーベルト福岡」:福岡県を中心に、中国、台湾、韓国、シンガポールまで広
がるシステムLSIのメッカを作り上げようとする活動。具体的な戦略パッケージとして、シ
ステムLSI関係の人的ネットワーク(福岡システムLSI設計開発拠点推進会議)の形成、
産学官共同研究、起業家の支援、台湾、中国などアジアとの連携などを行っている。
○産学連携の充実
・バイオ、医療等の領域をはじめ、優れた地方大学の研究成果などを産業界
が十分に活用できていない。
○地域社会(コミュニティ)を基盤とした協働による新商品・サー
ビスの開拓と地域ブランド作り
◆A地域は、基幹産業である伝統産業(清酒、漆器等)、建設業、観光産業等のいずれ
もが低迷し、地域経済の停滞と人口の流出に歯止めがかかっていなかった。しかし、平
成5年に公立大学が設立され、さらに平成10年には地元の主導で産学官連携のコー
ディネート機関としてB社が設立されるに至って状況が一変した。現在、公立大学発の
ベンチャー企業は10社を数えるまでになり、雇用も生み出している。
◆「ももいちご」(徳島県):農家と栽培協定を結び、統一した栽培方法で、品質が優れた
一定時期出荷のものだけを商標登録「ももいちご」ブランドとして販売。栽培農家には協
定遵守契約書を提出させ、協定を結んでいない農家がブランド名を使用してないか常
時監視。
◆「グッドライフ長町」(宮城県):仙台の副都心である長町一丁目商店街に、高齢者優良
賃貸住宅(緊急通報・安否確認システム付)、有料老人ホーム、24時間保育所、病院、
デイサービスセンター、高齢者食事配送サービス、薬局、駐車場を一体として、総合的
な健康サービスを提供する施設が立地。商店街の中に、コミュニティの新たな核が出来
たことで、「人の流れ」が戻り、商店街の売上増や街の活性化にも貢献。
105
【抽出の4条件】
新産業創造戦略で取り上げる産業群
①日本経済の将来の発展を支える戦略分野
②国民ニーズが強く、内需主導の成長に貢献する分野
③最終財から素材まで、大企業から中堅・中小まで、大都市から地方ま
で広範な広がりがあり、我が国の産業集積の強みが活かせる分野
④市場メカニズムだけでは発展しにくい障壁や制約あり、官民一体の
総合的政策展開が必要な分野
【先端的な新産業分野】
燃料電池
・自動車や家庭用などで大きな市場が期待
・環境対策の切り札
・市場創出に向け耐久性・コスト面で課題
情報家電
・日本が強い擦り合わせ産業
・たゆまぬ先端技術と市場を創成
・垂直連携、技術開発、人材、
知的財産保護に課題
ロボット
・介護支援、災害対策、警備など
人を支援・代替したり、
人に出来ないことをさせるニーズ
・技術力に日本の強み
・市場創出、技術開発、規制に課題
コンテンツ
・情報家電ともに大きな成長が期待
・日本のコンテンツの広がりが
世界の文化や市場にも波及
・流通、人材、資金調達などに課題
【市場ニーズの拡がりに対応
する新産業分野】
健康福祉機器・サービス
・健康な長寿社会の構築
・高齢者の社会参加
・財政負担少ない福祉
・健康産業の国際展開
・制度改革、IT化、バイオ技術等で課題
環境・エネルギー機器・サービス
・きれいな水、空気、土壌の回復
・優れた環境・エネルギー技術による
機器・サービスの開発
・環境規制、技術開発、情報開示等の課題
ビジネス支援サービス
・事業再編に伴う非コア業務分離、外注化
・ITを柱に新たなサービスが拡大
・雇用吸収先としての期待
・人材育成、品質・生産性に課題
革新技術(ナノテク、バイオ、IT、環境)
106
9
7分野ごとに、具体的な
市場規模、目標年限を明
示した政策のアクション
プラン等を明示
【地域再生の産業分野】
地域を基盤とした先端産業
・地域環境(産業クラスター)の創出
・大学からの技術移転の進展
・横のネットワーク化、産学連携、
伝統と先端技術との融合、人材育成が課題
ものづくり産業の新事業展開
・地域のものづくりの伝統・文化の潜在力
・世界に誇る「高度部材産業集積」
・横のネットワーク、製品化開発、
販路開拓、資金調達に課題
地域サービス産業の革新
・集客交流や健康などで、独自の魅力
持った付加価値高い事業の展開
・ブランド作り、外部企業との連携推進に課題
食品産業の高付加価値化
・安全・安心な食品の提供と市場開拓
・トレイサビリティ、品質管理、ブランド化、
効能に関する分析、技術開発と
産学連携に課題
燃料電池
燃料電池
10
(1)今後の展望
(1)今後の展望
○燃料電池は、効率が高く、静粛性に優れ、大気汚染物質やCO2を出さ
ないといった特徴を有し、将来、毎年約5000万台販売されている世界の
自動車市場を一変させるインパクトを持つなど、膨大な市場規模となるこ
とが期待されている。
2010年の市場規模(展望)→2020年の市場規模(展望)
○燃料電池自動車
5万台
500万台
○定置用燃料電池 220万kW
1,000万kW
○市場規模
約1兆円
約8兆円
※上記に加え、携帯用燃料電池の導入が期待される。
○世界の自動車、家電、エネルギー企業や、これを支える化学、金属と
いった素材・部品産業など幅広い産業が実用化に取り組んでいるなど、
激しい国際開発競争が展開されている。
燃料電池における業界構造と企業例
燃料電池メーカー
トヨタ、ホンダ、日産、ゼ
ネラルモーターズ、ダイム
ラー・クライスラー、三菱、
スズキ、日野
周辺機器
<インバー
ター>
富士電機、東
芝、オムロン、
三菱電機、松
下電器、
シャープ
<二次電池>
改質器
大阪ガス、東京ガ
ス、ホンダ、富士
電機、三洋電機、
三菱電機、新日本
石油、出光興産、
松下電工
JFEコン
テイナー、
住金機工、
高圧昭和ボ
ンベ、村田
機械
○しかしながら、現段階では極めてコストが高く、また、耐久性も十分なレ
ベルに達していない。早期実用化のためには、先端分野から周辺機器
の開発、川上・川下間での十分な「擦り合わせ」を行い、コスト、耐久性な
どの課題を解決する事が必要。
日本製鋼所
(水 素 貯 蔵 材 料)
大阪ガス、
NEC
水素ステーション
スタック
旭硝子、旭化
成、デュポン、
ゴア、3M、
積水化学、東
洋紡、東レ、
三菱マテリア
ル
<ブロアー>
荏原製作所
荏原バラード、松下電器産
業、三洋電機、東芝IFC、
トヨタ、新日本石油、石川
島播磨、栗田工業、日立製
作所、三菱重工、丸紅、京
セラ、TOTO、三菱マテ
リアル
バラード、UTCFC
<電解質膜>
日本電池、三
洋電機、住友
電工、新神戸
<流量計>
電機、NEC
タツノ・メカ
トーキン、松
トロニクス、
下電池、YU
トキコテクノ
ASA、日産、
トヨタ、ホン
ダ
その他
<ポンプ>
水素貯蔵機器
( 高 圧 水 素 タ ン ク ) ( 水 素 吸 蔵 合 金)
<定置用>
<自動車>
<バルブ>
<排熱回収装置>
<電極>
<セパレーター>
(ガス拡張層)
(カーボン)
東レ、三菱レイ
ヨン
東海カーボン、
バラード
(触媒をのせ
る炭素粉)
昭和電工、東
海カーボン
(カーボン+
樹脂)
新日鉄化学、
日清紡、昭和
電工
(触媒)
田中貴金属
工業
(膜電極複合
体)
旭硝子、デュ
ポン
(金属)
住友金属、ア
イシン精機、
シーメンス
水素用燃料供給メーカー
水素供給メーカー
(都市ガス)
東京ガス、大阪ガ
ス、東邦ガス
(3)アクションプログラム
(3)アクションプログラム
岩谷産業、日本酸素、
エア・ウォーター、
ジャパンエアガシズ
(灯油)
新日本石油、出光
興産、コスモ石油
(メタノール)
三菱ガス化学
(GTL)
新日本石油、新日
鉄、千代田化工建
設、コスモ石油
○本体、材料、部品の各段階の関係企業が実用化に向け、一体となって
取り組めるよう、新たな開発・導入シナリオを作成。
(その他)
燃料電池メーカー<携帯用>
NEC、日立製作所、東芝、ソ
ニー、カシオ計算機
(出典:富士キメラ総研
○基盤研究から周辺機器の開発まで技術開発を一層強化。
資料)
等
○水素ステーションの整備等、早期実用化に向けて導入を加速化。
(2)現状と課題
(2)現状と課題
○実用化・商用化に必要な規制緩和の確実な実施。
○現在は、一部の自動車メーカーが燃料電池自動車の限定的な販売を
開始し、今年度以降に定置用燃料電池の販売開始を発表している企業
がある段階。
○燃料電池に関する国際的な協力の枠組みを構築。
107
11
情報家電
情報家電
(1)今後の展望
(1)今後の展望
○世界
○日本
2003年の市場規模
約54兆円
約10兆円
→
情報家電関連産業の営業利益率の推移の日韓比較
2010年の市場規模(展望)
約96兆円
約18兆円
○
川上産業(素材等)、川中産業(部品等)の方が、川下産業(家電)よりも、営業利益率
が高い傾向が鮮明。
○
しかしながら、韓国の主要家電産業の営業利益率は、さらに高い。
(セット機器、パネル/ユニット、部品/半導体、電子材料、製造装置市場の単純合計)
20.0
(出荷価格ベース)
(出荷価格ベース)
川下
単純世界合計
54.1兆円
単純世界合計
54.1兆円
2010年市場規模見込
2010年市場規模見込
(国内単純合計10.6兆円)
(国内単純合計10.6兆円)
(出荷価格ベース)
(出荷価格ベース)
海
外
68%
世界市場
日
本
32%
約18.7兆円
海
外
73%
(国内17.5兆円)
(国内17.5兆円)
情報家電セット機器
日
本
27%
情報家電セット機器
95.6兆円
95.6兆円
売上高営業利益率(%)
2003年推定市場規模
2003年推定市場規模
世界市場 約33.0兆円
日本市場 約 2.3兆円
日本市場 約 4.0兆円
パネル/ユニット
パネル/ユニット
世界市場
約 7.2兆円
世界市場 約14.6兆円
15.0
韓国 川 下
10.0
川上
川中
電機
電子部品
5.0
化学
国内川
下
ガラス
製造装置
0.0
日本市場 約 1.1兆円
97年度
日本市場 約 1.4兆円
部品/半導体
世界市場 約21.3兆円
日本市場
海
外
49%
日
本
51%
川上
日本企業
のシェア大
海
外
35%
日本市場 約 2.4兆円
製造装置
日
本
65%
世界市場
約 3.3兆円
日本市場 約 0.8兆円
海
外
46%
日
本
54%
02年度
03年度見込
○情報家電製品に対する機能要求の高まり、多種多様な機器との相
互接続の必要性等から、組込ソフトウェアに対する要求が高度化・複
雑化。また標準化の推進が必須。
世界市場 約 7.4兆円
約 1.2兆円
01年度
(出典)富士キメラ総研調査(経済産業省委託)
連結ベース。計算の対象となっている企業は以下の通り。
•電機:日立製作所、東芝、ソニー、松下電器産業、NEC、富士通、三菱電機、シャープ
•電子部品:京セラ、村田製作所、TDK、アルプス電気、ローム、日東電工、日本電産
•化学:三井化学、積水化学、JSR、大日本印刷、凸版印刷、昭和電工、ナトコ
•ガラス:旭硝子、日本電気硝子、日本板硝子、セントラル硝子
•製造装置:東京エレクトロン、東京精密、横河電機、大日本スクリーン製造、アドバンテスト、澁谷工業、島田理化工業
日本市場 約 8.5兆円
日本市場
00年度
△ 5.0
世界市場 約35.7兆円
電子材料
世界市場 約 3.6兆円
99年度
部品/半導体
約 5.2兆円
電子材料
98年度
Samsung/LG平均
製造装置
世界市場 約 4.9兆円
日本市場 約 1.2兆円
情報家電セット機器:フラットTV、DVD/HDDレコーダ、携帯電話、デジタルカメラ、チューナ/STB、カーナビ、TVゲーム
パネル/ユニット: 液晶パネル、PDPパネル、有機ELパネル、HDDユニット
部品/半導体:半導体、フラットパネル部品、携帯電話部品、ストレージ部品、実装部品
電子材料:半導体材料、フラットパネル用材料、ストレージ材料、実装材料
製造装置:半導体製造装置、液晶製造装置
(出典:富士キメラ総研調査、電子ジャーナル等から経済産業省で算出)
(3)アクションプログラム
(3)アクションプログラム
○川上(素材産業)から川下(セット機器産業)まで関連産業が国内に広
範囲に分布。きめ細かな「擦り合わせ」により、新たな製品・市場を次々
創出。
○事業化シナリオ(ロードマップ)の共有による川上、川中、川下産業
の垂直連携の維持・強化。
○とりわけ、川中(部品産業)から川上にかけての競争力が強く、「高度部
品・材料産業集積」を形成。
○組込ソフトの開発を担う高度な人材の育成。
○標準化課題の整理と国際標準化の主導権の確保。
○東アジアのセット機器産業は、我が国の高度部材産業集積のメリットを
活用し、大胆かつ迅速な投資決定により急速に追い上げ。さらに利益率
の高い経営を展開。
108
○利益率の改善、意志決定迅速化のため事業再編・再構築を促進。
12
ロボット
ロボット
○また、ロボットの構成要素となる部品・材料を製造できる部品産業、
精密機械加工業は国内に広く分布しており、我が国の産業集積の強
みを活かせる産業
(1)今後の展望
(1)今後の展望
2003年の市場規模
約5,000億円
→
→
2010年の市場規模(展望)
約1.8兆円
2025年の市場規模(展望)
約6.2兆円
我が国におけるロボット関連の主要企業
ロボット完成品
<非産業用ロボット>
<産業用ロボット>
加工組立製造業各社
ファナック、安川電機、川崎重工、神戸製鋼、
ダイヘン、豊田工機、不二越、三菱電機、ヤマ
ハ発動機等
(2)現状と課題
(2)現状と課題
センサ系
○ 産業用ロボットが現時点の市場規模の大半を占める。非産業用ロ
ボットについては、一部の家庭用エンターテイメントロボットが商品化
されているが、規模は限定的(全体の1∼2%程度)。それ以外のロ
ボットはデモ用や試作品のレベルであり、本格的な市場化時期も未定
なケースが過半。
◆超音波センサ
◆視覚センサ
日本セラミック、村
CCD:ソニー、松下電
田製作所 等
器、シャープ、富士フ
イルムマイクロデバ
イス、浜松ホトニクス
◆力覚センサ
等
ニッタ、ビー・エル・
CMOS:三菱電機、東
オートテック 等
芝、オリンパス、日立、
日立製作所、富士通
◆ジャイロセンサ
等
村田製作所、NECトー
キン、松下電子部品、
◆超音波センサ
住友精密工業、トキメッ
日本セラミック、村
ク 等
田製作所 等
本田技研、トヨタ自動車、富士重工、東芝、三菱重工、ソ
ニー、富士通、NEC、松下電工、日立製作所、石川島播
磨重工、川田工業、バンダイ、ツクダオリジナル、オムロン、
ALSOK、セコム、テムザック、日本ロジックマシン、ZMP
等
駆動系(アクチュエータ、減速機構等)
◆リニアモータ
安川電機、ソディック
プラステック、日立
金属、横河電機 等
◆サーボモータ
安川電機、三菱電機、
山洋電気、松下電器
産業、ファナック、多
摩川精機、オムロン
等
知能・制御系
◆リニアガイド、XYテー
ブル
THK、NSKプレシ
ジョン、日本トムソン、
ユニオンツール、中央
精機 等
◆二足歩行技術
本田技研、ソニー、
川田工業、富士通
オートメーション、ゼ
ネラルロボティックス
等
◆減速機
ティーエスコーポレー
ション、ハーモニック・ド
ライブ・システムズ、住
友重機械工業 等
◆表情制御技術
エイ・ジー・アイ、
ココロ 等
◆音声認識技術
旭化成ヴォィスイン
ターフェイスプロジェ
クト、NECシステムテ
クノロジー 等
◆人工知能
インタロボット、
シーエーアイ、エイ・
ジー・アイ 等
先端的・基盤的技術
○ このように、コスト、機能と技術の折り合いがつく、明確な先行用途が
定まらず、手探りの状態であるのが現状。
東京大学、早稲田大学、名古屋大学、東京工業大学、筑波大学、東北大学、神戸大学、大阪大学、京都大学、立命館大学、
広島大学、九州大学、九州工業大学、産業技術総合研究所、理化学研究所等
出典:富士キメラ総研調査(経済産業省委託)
デモンストレーション段階のロボットの事例
テムザック・援竜
○最終的には、介護・医療や警備・保安、工場以外の産業用途など広
範な用途・市場が期待されているが、本格的にロボットと人間が日常
的に共存する社会が到来し、大規模な市場が現れるには、しばらく時
間がかかるとの見方が一般的。
トヨタ・パートナーロボット
(3)アクションプログラム
(3)アクションプログラム
○先進ユーザによる先行的用途の開発。特に、介護分野や防災分野
など官公需による率先が期待できる分野について、先行モデル事業
を展開する。
○ ロボットは、駆動装置、センサー技術、情報処理(知能)技術、ソフト
ウェア技術等の幅広い要素技術とともに、これらを一つのシステムとし
て統合する技術を要するが、我が国は二足歩行技術などを中心に、
米欧などと世界のトップ集団を形成。
○基盤的な要素技術や共通基盤的技術の開発の継続。
○安全性の確保、PL法上の取扱、各種保険制度等の制度整備。
109
13
コンテンツ
コンテンツ
(1)今後の展望
(1)今後の展望
【人気ゲームポケモンの波及効果】
( うちデジタルコンテンツ国内市場規模
○海外輸出・ライセンス規模
1.9兆円
約0.3兆円
約6.3兆円)
約1.5兆円
米国
677
392
13(1,709億円)
テレビ番組
1,073
370
231(2兆9,978億円)
テレビ配信サービス
1,519
681
384
143
ビデオ
日本
1
クレヨンしんちゃん
2
孫悟空
73人
3
ドラえもん
68人
22(2,924億円)
4
名探偵コナン
57人
46(6,029億円)
5
ちびまる子ちゃん
53人
スヌーピー
49人
32(4,151億円)
カラオケ
70(9,085億円)
インターネット広告とアクセス料
402
199
39(5,091億円)
雑誌
837
358
110(1兆4,261億円)
7
ドナルドダック
43人
書籍
853
301
75(9,706億円)
8
ミッキーマウス
39人
新聞
1,552
596
195(2兆5,343億円)
478
245
(2,505億円)
ガーフィールド
39人
10
桜木花道
37人
178
ビデオゲーム
288
96
64
アーケードゲーム
計
36(4,730億円)
32(4,131億円)
43(5,600億円)
8,241
玩具
食品
文房具
漫画雑誌
月間120万
部発行)
ポケモン
ジェット
(売上3億
円)
テレビアニメ:68カ国、25言語で
放映、映画:海外興行収入2億
8400万米ドル、ゲームボーイ:世
界を含めると1億台出荷、関連
商品、海外30,000アイテム、ライ
センシー500社・・・
衣料
・・・
直接効果:1兆円
3,445
1次・2次波及効果を加算
更に
波及効果合計:2兆3千億円
(Macy’s75周年イベントのピカチュ・バルーン)
963(12兆5,246億円)
○加えて、文化への理解、国家ブランド価値の向上などといった様々な
効果を有するため、我が国の国際的地位向上にも大きく貢献。
74人
6
テーマパーク,遊園地
漫画
ゲーム攻略
本(売上154
億円)
【キャラクター人気ランキング】
世界
ラジオと屋外広告
<欧米でファン層定着>
ANIME=日本製アニメーション
OTAKU=ANIMEファン
[ポケモンの海外進出]
【2000年コンテンツ世界市場(単位:億ドル)】
録音音楽
ゲームソフト
(売上930億円)
VTR/DV
D
(売上30
億円)
映画
(興行収入
220億円)
○世界のコンテンツ市場は約8241億ドル。成長率は、2006年予測
6.5%。世界GDP成長率より高い水準で推移。
映画
ポケモン関連商品
4,000アイテム
7,000億円
テレビアニメ
(4-12歳児平均視
聴率、
40%以上)
(2)現状と課題
(2)現状と課題
領域
カードゲーム
(売上1200億
円)
視聴率1位に
放送開始後
米国﹃
遊戯王﹄
2001年市場規模→2010年市場規模(展望)
約11兆円
約15兆円
○コンテンツ産業
ゲーム機
(売上1000
億円)
○産業構造上、既存の流通ルート(地上波放送、国内映画配給など)が
寡占的傾向にあり、コンテンツそのものの価値を創り出す生産部門が、
コンテンツを生産する事業者が、製作資金調達、マーケティングを含め
流通事業者に依存しがちな構造にある。
○このため、コンテンツ産業では、付加価値の多くを流通事業者が取得
する構造にあり、コンテンツ自体の価値を創造する生産部門が必ずしも
成果に応じたリターンを得られていない状況。
調査対象:中国3都市(北京・上海・広州)在住
の20代以上の男女1000人
2001年12月サイバーブレインズ社
(3)アクションプログラム
(3)アクションプログラム
(浜野保樹「表現のビジネス」より作成)
○コンテンツ産業の国際展開の促進等によりフロンティアを拡大。
○世界のテレビアニメ放送の6割は日本製、北野武監督「座頭市」のベ
ネチア国際映画祭銀獅子賞受賞、宮崎駿監督「千と千尋の神隠し」の
米国アカデミー賞受賞。
○デジタルシネマの普及促進。
○流通事業者と制作事業者間の公正な取引環境の確立。
○知的財産そのものであるコンテンツは、その戦略的活用により、他産
業と比べ高い経済波及効果をもたらす。
○制作事業者による資金調達環境を整備。
110
健康・福祉・機器・サービス
健康・福祉・機器・サービス
14
○100億円の需要が発生した場合の雇用創出効果は、公共事業の9
94人に対して、医療は1,022人、介護は1,785人。地域再生の
担い手としても期待。
(1)今後の展望
(1)今後の展望
2002年の市場・雇用規模 → 2010年の市場・雇用規模(展望)
○市場規模
○雇用規模
約56兆円
約551万人
分類
医療用具
医療用医薬品
医療システム
医療系
医療サービス
医療関連サービス
小計
健康機器具・健康用品
一般用医薬品・配置用家庭薬
健康増進系 健康食品
スポーツ・健康維持増進サービス
小計
福祉用具
介護サービス
介護・福祉系
福祉関連サービス
小計
第三分野保険
その他
合計
市場規模(億円)
19,667
64,107
2,499
313,234
15,198
414,705
2,861
7,631
15,408
31,066
56,966
11,927
51,929
937
64,793
25,963
557,467
○バイオテクノロジーを基盤とした医療・介護が実現する時代が到来。
約75兆円
約750万人
○高機能の診断機器の導入は欧米に比して遅れ、先端治療機器は、
ほぼ全面的に輸入に依存している状況。福祉機器は、中高齢者など
誰もが使いやすい製品やサービスに対するニーズが増大。
(億円)
450,000
医療関連
サービス
1.5兆円
400,000
○将来的な労働力不足が予想される医療・介護分野の専門人材につ
いては、国境を越えた労働力の確保が課題。
350,000
300,000
医療サービス
31.3兆円
250,000
(3)アクションプログラム
(3)アクションプログラム
200,000
医療システム
0.2兆円
150,000
100,000
50,000
医療用医
薬品
6.4兆円
福祉関連
サービス
0.1兆円
スポーツ・健康
関連サービス
3.1兆円
健康食品
1.5兆円
介護サービス
5.2兆円
第三分野保険
2.6兆円
0
注:医療用具と福祉用具には一部重複あり。合計値は重複部分を調整した 医療用具2.0兆円
数値。
(出典)富士キメラ総研資料等から作成
医療系
健康機器・健康用具
0.3兆円
健康増進系
介護・福祉系
一般用医薬品・配置
用家庭薬 0.8兆円
第三分野保険
福祉用具 1.2兆円
○「元気シニア立国」を目指した、国民の多様な健康ニーズに応える健
康サービス産業の育成。
−①個人の選択、②根拠に基づく健康づくり、③予防重視、という視点
に立脚、幅広い関連分野の連携による健康サービス産業の総合的
な育成。
○電子カルテの普及等、e-Japan重点計画の着実な実施。
(2)現状と課題
(2)現状と課題
○国民の最大の関心事は健康。また、今後先進国で最も急激に進行
する高齢化により、社会保障給付費が大きく増大すること、バイオ
テクノロジーを活用した医療の実用化などに伴い、産業チェーンの
更なる拡大が期待される分野。
○バイオテクノロジーを活用したテイラーメイド医療や予防医療、再生
医療の実現・普及。
○我が国の優れた製造技術を活かした医療・福祉機器の開発・普及。
○医療、介護分野の外国人専門人材の受け入れを検討。
111
15
環境/エネルギー機器・サービス
環境/エネルギー機器・サービス
(1)今後の展望
(1)今後の展望
○環境・エネルギー市場の拡大を実現
するため、技術開発の加速化、制度・
基盤整備、国際展開の推進に取り組
むことが必要。
2001年の市場・雇用規模 → 2010年の市場・雇用規模(展望)
○市場規模
約52兆円
約78兆円
○雇用規模
約144万人
約191万人
環境技術・装置
環境・省エネルギー関連サービス
○公害防止装置
○廃棄物処理装置
○リサイクル装置
○環境分析装置 等
資
源
採
取
原
○環境ファンドビジネス
○環境コンサルティング
○環境アセスメント
○ESCO
○HEMS
○BEMS
環境配慮・省エネ素材
環境配慮・省エネ部品
○光触媒
○革新的軽量化材料
○バイオマスプラスチック
○鉛フリーはんだ等
○SiCパワーデバイス
○高効率照明LED
○DPF
○エコ(EM)電線 等
材
料
製
造
部
品
製
○照明器具レンタル
○リサイクル仲介ビジネス
○排出権取引 等
ガラス瓶リサイクル
環境配慮・省エネ製品
○自動車
○家電
・ハイブリッド車 ・省エネ家電
・天然ガス車
・電球型蛍光灯
○高効率給湯器
○生ゴミ処理機
○省エネ住宅 等
製
造
品
製
造
循環型資源利用
○鉄スクラップ利用
○古紙利用
○ガラスカレット利用
○セメントにおける
廃棄物等利用 等
流
○リサイクルショップ
○家電・パソコンリユース
新エネルギー
再生素材利用
○再生PET繊維の利用
○再生プラスチック利用
○バンパーのリサイクル
等
終
処
分
等
太陽光発電
(静岡県・
東京電力
富士営業所)
リデュース
○バイオマス発電
○太陽光発電
○天然ガスコジェネ
○風力発電 等
中古部品利用
○家電・パソコン修理
○住宅リフォーム 等
○中古自動車部品
○レンズ付きフィルム
○廃OA機器からの部品利用
回
処理・リサイクル
最
通
リユース
エ ネ ル ギ ― 供 給
利
用
・
消
費
等
収
廃棄物処理・回収・分別・再資源化
○ごみ処理
○金属、古紙の回収・再資源化
○産業廃棄物処理 ○使用済製品回収・分解・再資源化
○下水処理
○容器包装の分別回収・再資源化 等
風力発電所(北海道苫前町・苫前グリーンヒルウインドパーク)
(出典)三菱総研資料から作成
国
際
展
開
(2)現状と課題
(2)現状と課題
○我が国は、地球温暖化、廃棄物・リサイクル問題等の環境制約、エネ
ルギー等の資源制約に直面。また、国際的にも、こうした制約は広がり
つつある。こうした環境・資源制約は、一面では新たな市場を創出して
おり、これに的確に対応した企業が競争力を獲得。
○環境・エネルギー市場は、リサイクルや環境保全、省エネや新エネ機
器等に止まらず、原材料製造、部品製造、流通等のサプライチェーン全
体にまで拡大。顧客や消費者のニーズに的確に応えることで、こうした
市場は更に拡大する可能性。
(3)アクションプログラム
(3)アクションプログラム
○環境・エネルギー分野において鍵となる技術革新を加速化。
○環境・エネルギー市場の創出・拡大のための環境整備。
○国際的なビジネス展開・市場拡大のための環境整備。
112
ビジネス支援サービス
ビジネス支援サービス
(1)今後の展望
(1)今後の展望
2000年の市場・雇用規模 → 2010年の市場・雇用規模(展望)
○市場規模
○雇用規模
約76兆円
約627万人
対事業所サービス
広告・調査情報サービス業
約107兆円
約750万人
国内生産
額(兆円)
2000年
2000年
24.1
0
100
雇用者数
(万人)
300
200
400
9.1
調査情報サービス
14.9
○ビジネス支援サービス機能の十分な活用、市場規模の加速的拡大の
ために、人材育成や規制・制度等のビジネス支援サービスの成長制約
の克服が課題。
米
日
物品賃貸サービス
○市場拡大の背景:
−専門スキルを有し、スケールメリットを高め、低コスト化を実現した外
部のビジネス支援サービスの活用が、有力な経営手段の一つに。
特に、ITを核としたビジネス支援サービスの活用が活発化。
−非中核事業部門を子会社として分離・独立させ、収益を稼ぎ出す
アウトソーシング・サービス企業として自立させる例も出現。
500
日
広告
16
米
12.7
日
物品賃貸業(除貸自動車)
11.0
貸自動車業
1.6
米
日
自動車・機械修理
(3)アクションプログラム
(3)アクションプログラム
米
12.8
日
自動車修理
6.7
機械修理
6.1
米
日
その他の対事業所サービス
米
○ビジネス支援サービスに関する職種別スキル標準の整備などによる人
材育成の強化。
26.7
日
建物サービス
4.2
法務・財務・会計サービス
2.7
土木建築サービス
4.1
労働者派遣サービス
1.6
その他の対事業所サービス
14.0
米
日
米
日
○ビジネス支援サービスに関する基盤整備。
米
日
米
−情報サービス等によるITを活用した外部委託の円滑化
日
合計
76.2
米
2000
19901990
−法務・財務・会計等の専門サービスの基盤の整備
2000
−デザイン業の活性化
(2)現状と課題
(2)現状と課題
○公的部門からの外部委託の推進による、新たな市場の創出。
○ビジネス支援サービスは企業活動の及ぶ分野を広く包含。市場規
模は90年の53兆円から00年には76兆円へと大きく拡大。米国で
は、情報サービス、法務・財務・会計サービス、人材派遣サービス
における雇用の拡大が顕著であり、我が国においても今後の更な
る成長を期待。
113
17
地域再生の産業群
地域再生の産業群
先端的な新事業の成長
(バイオ・医療、IT産業等)
<競争力の源泉>
○独自技術に基づく新規事業を速いスピード
で展開することを可能とする環境
大学等からの最新技術・知識の移転、事業に必要な
専門人材の獲得、迅速な企業間連携、リスクマネー
の機動的な調達等
地域サービス産業の革新
(集客交流・健康産業等)
ものづくり産業の新事業展開
食品産業の高付加価値化
<競争力の源泉>
<競争力の源泉>
<競争力の源泉>
○層の厚い独自の製造技術・技能の存在
○独創的なアイデアやビジネス・モデルによ
る付加価値創造と地域ブランド化
○地域ブランドの確立と大消費地への展
開
○集客交流産業については、観光施設、旅
館、 交通機関、商店街、大学等の協力に
よる街づくり
○健康産業については、医療機関、大学、
自治体、健康食品産業、ボランティア間
の連携
○高品質や安全性を保証する流通システ
ム(トレーサビリティ)の構築
(例えば特殊素材合成、超微細加工技術)
○企業間の柔軟な連携による技術、人材、
販路などの結合
○新事業の苗床となる大学・研究機関、関連
産業、ビジネス支援の専門家の集積
○大学との連携による新技術の導入や起業
家育成
<成長の障害>
<新事業展開の障害>
<革新の障害>
<高付加価値化の障害>
○産学連携のシステム整備の遅れ
○従来型の固定的な下請関係への依存
○伝統、文化、祭り等の地域資源に対する
認識不足
○地域ブランドの未確立、ブランドの侵害
○横の連携ネットワークの弱さ
○新商品の販路開拓と資金調達の困難さ
○バイオ技術を持つ大学等との乖離
○リスク・マネーや専門人材の供給などの起
業家・新事業育成機能の不足
○地域外の潜在顧客からの認知度の低さ
○地域コミュニティの意思統一と協働の不
足
○地域ブランド確立に向けた意識の不足
○地域の観光業や健康サービス産業、
街づくり活動との連帯
○海外事業展開のノウハウや資金の不
足
<共通した成功の秘訣>
①顔の見える信頼ネットワークの充実
②特色ある産業構造や伝統・文化に立脚した総合的な地域戦略の立案
③「創造的な地域社会(コミュニティ)」を基盤とした協働による新商品・サービス開拓と
「地域ブランド」作り
114
先端的な新事業の成長
ものづくり産業の新事業展開
<政策の方向性>
<政策の方向性>
○世界的な競争力を持つ新規事業をス
ピーディに展開しやすい事業環境を作
る。
○地域のものづくり企業が蓄積してきた
技術・ノウハウや地域の伝統・文化を
活かしつつ、新分野の事業が次々と展
開されるような環境を作る。
例えば、産業クラスターの創出、大学か
らの技術移転や産学連携システムの充
実、横の信頼ネットワークの形成、伝統
と先端技術との融合、産学連携のコー
ディネータ、高度な技術者や技術経営
(MOT)人材の育成が課題。
(大阪大学発のバイオベンチャー)
大阪大学医学部助教授(当時)らにより開発
された遺伝子治療用ベクター(遺伝子の運び
手)を大量生産する技術を開発
(シリコンシーベルト福岡)
「シリコンシーベルト福岡」ではシステム
LSIの高度な技術者を養成するために
「システムLSIカレッジ」を開設
地域サービス産業の革新
(集客交流、健康産業等)
例えば、横の信頼ネットワークの形成、
革新的技術を活かした製品化開発、販
路開拓、資金調達、地域ブランドの発
信、ものづくりを支える人材育成などに
対する支援が課題。
<政策の方向性>
18
食品産業の高付加価値化
<政策の方向性>
○顧客本位でホスピタリティに溢れ、付加
価値の高い事業が次々とおこるような
地域コミュニティを創る。また、地域の魅
力(事業集積、文化、伝統、景観等)を
「地域ブランド」化して、発信してゆく。
○地場の食材を利用して、付加価値が高
く、消費者に対して安心・安全と健康を
提供する新商品が次々と生まれるような
環境を作る。地域コミュニティの協働が
重要。
例えば、コミュニティ内の信頼ネットワー
クの形成、産業観光の促進、外国人観
光客の受入れ体制の充実、地域コミュ
ニティが協力して行うモデル的な事業の
早期の展開が課題。
例えば、食品の魅力をアピールする地域
ブランド作り、トレーサビリティ(生産・流
通の履歴の追跡)の確立、大学等との
連携による成分や効能の特定、海外市
場の開拓、新技術の導入による高付加
価値化が課題。
(東葛テクノプラザ[千葉県柏市]
における産学連携)
(飛騨高山の江戸情緒残る町並み)
東大柏キャンパス横に立地する東葛テクノプ
ラザでは、産学官の研究・交流会が盛ん
(東大阪ブランド)
東大阪ブランド推進機構の認定を受け、シン
ボルマーク(右上)を付与された、鮮明な視界
を保てる革新的なゴーグル
115
(ももいちご
[徳島県佐那河内(さなごうち)村])
江戸時代の町並みの保存と再生、朝市、祭
り、外国語案内の充実による海外からの観
光客誘致による賑わい
地域コミュニティと市場が共同で開発し、栽
培する実が大きくて甘い高級苺
(小樽の運河地区)
(いろどり[徳島県上勝町])
ガラス工芸やオルゴールの体験型観光を展
開、外国語の標記(写真では「中国語」)も充
実
町ぐるみで、野山の花や枝葉を、料理に添え
て季節感を演出する「つまもの」として事業化
重点政策
重点政策
19
「需要とイノベーションの好循環」の構造がさらに活性化するような仕組みを創り出すために必要な
戦略7分野、地域再生の政策課題の重点政策を再度整理するとともに、その他の横断的な重点政策を整理すると次の通り。
Ⅰ:戦略7分野に関する重点政策
Ⅰ:戦略7分野に関する重点政策
1.燃料電池
○新たな開発・導入シナリオに基づく研究開発の加速化
○水素ステーションの整備等、早期実用化に向けた導入促進
○実用化・商用化に必要な規制緩和の確実な実施
○国際的な協力の枠組みの構築
2.情報家電
○事業化シナリオに基づく川上−川中−川下産業の垂直連携の強化、研
究開発の重点化
○標準化課題の整理と国際標準化の主導権の確保
○組込ソフトの開発を担う高度な人材の育成
○事業再編・再構築の促進
Ⅱ:地域再生の重点政策
Ⅱ:地域再生の重点政策
○顔の見える信頼ネットワークの充実
− コーディネータ活動への支援や専門人材の育成
○地域における産学官連携の強化
− 大学からの技術移転システム確立、大学との連携による起
業家育成の拠点作り、産学官連携による技術開発への支援、
伝統と先端技術との融合促進
○基盤的な要素技術や共通基盤的技術の開発
○安全性の確保、PL法上の取扱、各種保険制度等の制度整備
4.コンテンツ
○コンテンツ産業の国際展開の促進等によるフロンティア拡大
○デジタルシネマの普及促進
○流通事業者と制作事業者間の公正な取引環境の確立
○制作事業者による資金調達環境の整備
5.健康・福祉・機器・サービス
○「元気シニア立国」を目指した、健康サービス産業の総合的育成
○e-Japan重点計画を踏まえた電子カルテの普及など医療の情報化
○バイオテクノロジーを活用したテイラーメイド医療や予防医療、再生医
療の実現・普及
○我が国の優れた製造技術を活かした医療・福祉機器の開発・普及
6.環境/エネルギー 機器・サービス
○環境・エネルギー分野の技術革新の加速化
○ルール整備、情報開示、政府調達などによる市場の創出・拡大
○国際的なビジネス展開・市場拡大のための環境整備
7.ビジネス支援サービス
○職種別スキル標準の整備などによる、人材育成の強化等
○公的部門からの外部委託の推進による新たな市場の創出
○特許情報等の迅速な提供による研究開発効率
の飛躍的向上を図る。
○世界特許制度実現に向け国際協力を推進する。
○地域再生を支える知財政策を推進する。
○「知財デバイド」を解消する。
○地域ブランドの形成・発信
− 集客交流等の分野での地域の魅力発掘と情報発信、地域
ブランドの保護強化、電子タグ等を利用した生産・履歴の追
跡体制(トレーサビリティ)確立、食品等の海外市場開拓支援
3.ロボット
○官公需を含めた先進ユーザによる先行的モデル用途の開発
2.知的財産政策
○「個性競争」を促す知財政策を展開する。
○企業による知的財産の戦略的活用のための環
境を整備する。
Ⅲ:横断的重点政策
Ⅲ:横断的重点政策
3.営業秘密保護強化と技術流出防止の徹底
1.産業人材の育成
○製造業の競争力を支える製造現場の中核人材
を強化する。このため、産学連携やベテラン人材
の活用を支援するとともに、顕彰制度の充実等
を図る。
○サービス産業人材・IT人材・技術経営人材(MO
T)などの育成を支援する。
○企業内人材投資を促進する。
○学校時代からのキャリア教育(ものづくり体験
等)を推進する。
○草の根 e-ラーニング・システムの導入、地域提
案型プログラムの支援等により地域の人材育成
を支援する。
○中小企業の経営者等の人材育成の充実を図る。
○女性・高齢者・外国専門人材の活用を促進する。
116
○大学・研究機関における営業秘密管理及び技術
流出防止対策を強化する。
○ 企業における営業秘密管理及び意図せざる技
術流出防止を強化する。
4.ブランドの確立とデザインの戦略的活用
○デザインに係る知的財産権の保護を強化する。
○地域ブランド確立支援のための制度を整備する。
○デザインの企画・開発を支援する。
○日本ブランド確立に向け、国を挙げての国際的
なPRを行う。
5.戦略的な市場ルールの整備
20
8.創業・新事業展開
○競争力の強化に繋がる戦略的な市場ルー
ル・体制を整備する。
○中小企業による新しい企業間連携やブランド
化を促進し、高付加価値化を支援する。
○裁判外紛争処理制度(ADR)の普及を図る。
○事業化に直結した支援を充実するとともに、
果敢に創業・新事業展開に取り組む事業者
に対する資金供給の円滑化を図る。
6.標準化
○世界市場の創出・拡大を目指して、我が国
が優位に立つ技術に係る国際標準の戦略
的な獲得を推進する。
○新たな社会ニーズに対応した規格の整備
を通じ新製品の健全な普及を図る。
○新JISマーク表示制度の活用を促進する。
○中小企業経営革新支援法、新事業創出促進
法、中小創造法について、上記も踏まえて抜
本的な見直しを行い、国民に使いやすく分か
りやすい一体的な体系を構築する。
○中小・中堅企業の新たなチャレンジを支援
し、我が国が誇る「高度部材産業集積」の強
みを維持・強化する。
○産学連携の更なる深化を図るとともに、研
究開発型ベンチャーの成長支援を通じて、
企業を支える技術革新システムの変革を進
める。
○東アジアワイドでのEPA(経済連携)を推進する。
○WTO新ラウンド交渉において多角的な貿易自由化
や通商ルールの整備等を推進する。
○外国政府による不公正な貿易政策・措置等について
は、WTOの紛争解決手続の活用及び国内制度の適
切な整備・運用を含め、積極的に対策を講じていく。
○対日直接投資の促進を通じ、海外の優れた経営手
法、技術、人材等を日本に導入する。
○投資ファンド、企業支援NPO等の民間支援
者との連携を強化し、地域において草の根的
に活動する創業コミュニティの形成を促進す
る。
7.研究開発
○事業化を見据えた研究開発・導入シナリオ
に基づき、戦略分野への重点化を図るととも
に、規制改革、標準化等との関連施策と研
究開発施策との一体的な取組(「研究開発
プログラム」)を一層強化する。
11.東アジアワイドでのEPA(経済連携)の実現をはじ
めとする戦略的な通商政策
12.情報化
○電子タグなどを活用しながら、企業や産業を超えた
共通のIT事業基盤の確立を促進する。
○ITに関する信頼性、安全性の一層の向上を強力に
促進する。
9.産業金融機能強化
○事業性を評価する新しい金融システムを実
現する。
○企業間での自立的な資金循環を促進する。
○ リスクマネーの供給拡大を促進する。
○先導的分野における戦略的な情報化を促進する。
○ITを通じた経営革新を支援する。
○独創的なITの技術シーズを積極的に利活用に結び
つけていくため、企業の枠組みを超えて活躍するコ
ミュニティを育成・支援する。
10.事業再編・産業再生
○経営資源の有効活用を図るための事業再編、
産業再編を促進する。
○企業組織制度を見直しを行うことにより、企
業組織の選択肢の多様化、組織再編の迅速
化、柔軟化を図る。
○独禁法の企業結合規制のセーフハーバー
ルールを明確化する。
117
13.規制改革
○民間活力の最大限発揮に寄与する規制改革の迅速
かつ確実な実現を図る。
14.原料資源等の安定供給確保
○我が国産業活動の源である原料資源について、急
激な市場変動への対応とともに、中長期的な安定供
給の確保のための取組を強化する。
21
産業構造の中長期展望(1)
産業構造の中長期展望(1)
(1)戦略7分野および関連産業の成長
(1)戦略7分野および関連産業の成長
○消費傾向にはライフステージに応じて大きな特徴があり、さらにその傾
向は時代とともに変化している。
先述の人口構成・世帯構成の変化による効果とこれらのライフステージ
に応じた消費傾向の変化を考慮すると消費構造の将来展望は次のように
試算される。
○戦略7分野は、それぞれ単体での市場拡大効果にとどまらず、広範な裾
野産業への波及効果をもたらし、これらの相乗効果により我が国産業の
成長、高付加価値化を促進する。
代表例
戦略7分野の市場拡大による生産額への波及効果
戦略7分野の市場が
戦略7分野の市場規模 拡大することによる
他産業への波及効果
現在
207.1
2010年
296.8
27.1
合計
−食費:2000年には、団塊の世代が、2025年には、団塊ジュニア
の世代が、食費の消費支出に占めるウェイトが最も低い50歳代前半に
当たるため2000年から2010年にかけて増加し、 2010年か
ら2025年にかけて反転し、減少する。
207.1
323.9
(兆円)
*産業連関分析により試算
○戦略7分野の市場規模の拡大とその波及効果は、2010年には約300
兆円に達すると試算される。これは、2010年の国内の生産額合計の約
3割に相当し、現在の日本経済における製造業の規模に匹敵する。
−衣料費:消費牽引層である24歳以下の若年層人口の減少に伴い減少す
る。
−保健医療費:主な消費支出層である60歳以上の高齢者の増加に伴い、
増加する。
(2)少子高齢化による消費構造の変化
(2)少子高齢化による消費構造の変化
○今後、少子高齢化により人口構成・世帯構成は大きく変化する。具体的
には、団塊の世代と団塊ジュニア世代という2つの山があり、2010年に
かけて団塊世代の定年退職より高齢化が進行し、その後2025年にか
けては、団塊ジュニアの高齢化に伴い少子化が健在化する。
−教育費:2000年から2010年にかけて、団塊の世代が子育て期を
終え、減少するが、2010年から2025年にかけて、団塊ジュニア
世代が子育て期に入ることから反転して増加する。
少子高齢化による年齢層別各世帯数の将来動向
食料
50代〔減少〕
(但し、 ‘25年には第2次
ベビーブーマーが当該世代に
属するため、やや持ち直す)
‘03:1,025万→ ‘25:999万
千世帯
40代〔増加〕
6,000
5,000
( ‘10年に増えた後、
徐々に減少)
‘03:759万→ ‘25:800万
60代〔減少〕
( ‘10年にいったん
増え、その後減少)
‘03:878万→ ‘25:809万
70歳以上〔全体的に増加〕
( ‘03→ ‘10→ ‘25の順に拡大)
‘03:841万→ ‘25:1,456万
39歳以下〔全体的に減少〕
( ‘03→ ‘10→ ‘25の順に縮小)
‘03:1,317万→ ‘25:901万
4,000
102.0
101.0
100.0
99.0
98.0
97.0
96.0
95.0
94.0
101.3
100.0
96.4
111.3
110.0
100.0
15∼19
20∼24
25∼29
30∼34
2003 年
35∼39
40∼44
45∼49
2010 年
50∼54
55∼59
60∼64
2025年
65∼69
70∼74
75∼79
80∼84
85以上
世帯主年齢
注)世帯分布予測については国立社会保障・人口問題研究所『日本の世帯数の将来推計(全国推計)』から引用。
95.0
90.0
118
91.0
79.6
2000
2010
2025
60.0
40.0
主に、医療・保険・社会
保障、化学製品産業へ寄与
116.1
115.0
0
100.0
80.0
0.0
保健医療
105.0
2000
2010
2025
20.0
120.0
1,000
主に、繊維製品、
化学製品産業へ寄与
被服及び履物
120.0
100.0
3,000
2,000
主に、農林水産業、
食料品産業へ寄与
100.0
2000
2010
2025
教育
101.0
100.0
99.0
98.0
97.0
96.0
95.0
94.0
93.0
92.0
主に、教育・研究、
対個人サービス産業へ寄与
100.0
95.1
95.8
2000
2010
2025
22
産業構造の中長期展望(2)
産業構造の中長期展望(2)
(3)東アジア地域の経済統合の進展
(3)東アジア地域の経済統合の進展
2025年の産業構造
12.0%
商業
対事業所サービス
○EPAの締結により、物品、人、サービス、資本が自由に域内を移動す
るようになることで、関税の引き下げによる市場価格の変化や各産業の
生産性の向上、産業ごとの競争力に応じた生産量の変化等を通じて産
業構造の高度化等の効果がもたらされることが期待される。
2025年におけるシェアが
2010年と比べて
2%以上増加
2%以上減少
変化が2%未満
10.0%
8.0%
シェア
対個人サービス
○先行研究*の分析を参考に、日本と韓国、メキシコ、ASEANとのとの間
でEPAが締結された場合の効果を試算したところ、2010年時点におい
てGDPは約0.5%増加する結果となった。
医療・保健・
社会保障・介護
6.0%
運輸
建設
化学製品
食料品
鉄鋼
金属製品
0.0%
-1.0%
(4)産業構造の将来展望
(4)産業構造の将来展望
その他の製造工業製品
公務
教育・研究
2.0%
リーズ:現代経済研究21『日本の通商政策とWTO』第7章、日本経済新聞社)
精密機械
一般機械
窯業・土石製品
電力・ガス・熱供給
パルプ・紙・木製品
水道・廃棄物処理
農林水産業
繊維製品
石油・石炭製品 非鉄金属
鉱業
その他の公共サービス
0.0%
1.0%
2.0%
3.0%
2010年ー2025年における生産額の年平均伸び率
2000
○戦略7分野のアクションプランの着実な実施等の政策努力を行い、新産
業の創造が実現した場合、少子高齢化による消費構造の変化やEPA
締結の効果等を考慮すると以下のような産業構造が実現されると試算
される。
生産額
農林水産業
鉱業
食料品
繊維製品
パルプ・紙・木製品
化学製品
石油・石炭製品
窯業・土石製品
鉄鋼
非鉄金属
金属製品
一般機械
電気機器
輸送機器
精密機械
その他の製造工業製品
建設
電力・ガス・熱供給
水道・廃棄物処理
商業
金融・保険
不動産
運輸
通信・放送
公務
教育・研究
ー製造業は、先端産業(電気機器、輸送機械)や素材産業(化学製品)の
成長により、引き続き日本経済を支えていく。グローバル競争の中で勝
ち抜く製造業を一定規模確実に保持することができる。
ーサービス業、特に対事業所サービス、対個人サービス、医療・保健・社
会保障介護は大きく成長し、雇用創造の場を提供する。
ーエネルギー多消費型の産業(鉄鋼、化学製品、窯業・土石製品、パル
プ・紙・木製品)の合計の成長率は、全産業平均よりも低水準にとどまり、
環境・エネルギー制約への対応を組み込んだ環境調和型の産業構造
の姿になる。
医療・保健・社会保障・介護
その他の公共サービス
対事業所サービス
対個人サービス
内生部門計
119
通信・放送
金融・保険
輸送機器
4.0%
*川崎研一(2003)「WTOとアジアにおける自由貿易地域の形成」(岩田一政編、シ
電気機器
不動産
15,719
1,654
37,614
8,136
15,654
28,061
11,504
9,052
17,897
6,813
12,688
28,807
56,825
43,167
3,788
32,668
78,727
20,221
7,077
98,809
38,166
64,737
47,160
27,781
35,691
34,011
36,243
4,172
77,445
63,566
963,850
4.0%
2010
シェア
生産額
1.6%
14,301
0.2%
2,283
3.9%
40,940
0.8%
6,985
1.6%
16,510
2.9%
37,726
1.2%
12,195
0.9%
8,563
1.9%
17,829
0.7%
9,432
1.3%
12,923
3.0%
36,196
5.9%
79,906
4.5%
46,889
0.4%
3,598
3.4%
35,546
8.2%
71,023
2.1%
23,860
0.7%
12,650
10.3% 121,908
4.0%
48,474
6.7%
82,084
4.9%
55,424
2.9%
50,018
3.7%
34,435
3.5%
32,586
3.8%
53,965
0.4%
4,436
8.0% 107,020
6.6%
78,282
100.0% 1,157,988
シェア
1.2%
0.2%
3.5%
0.6%
1.4%
3.3%
1.1%
0.7%
1.5%
0.8%
1.1%
3.1%
6.9%
4.0%
0.3%
3.1%
6.1%
2.1%
1.1%
10.5%
4.2%
7.1%
4.8%
4.3%
3.0%
2.8%
4.7%
0.4%
9.2%
6.8%
100.0%
5.0%
2025
年平均伸び
率(生産額)
生産額
-0.9%
14,653
3.3%
3,009
0.9%
52,611
-1.5%
7,506
0.5%
18,930
3.0%
55,620
0.6%
14,141
-0.6%
8,643
0.0%
17,167
3.3%
11,647
0.2%
12,373
2.3%
42,736
3.5% 118,978
0.8%
59,764
-0.5%
3,431
0.8%
44,926
-1.0%
73,849
1.7%
30,383
6.0%
15,372
2.1% 178,903
2.4%
74,128
2.4% 109,453
1.6%
75,156
6.1%
94,290
-0.4%
37,258
-0.4%
34,874
4.1%
85,818
0.6%
5,378
3.3% 171,454
2.1% 108,283
1.9% 1,580,732
シェア
0.9%
0.2%
3.3%
0.5%
1.2%
3.5%
0.9%
0.5%
1.1%
0.7%
0.8%
2.7%
7.5%
3.8%
0.2%
2.8%
4.7%
1.9%
1.0%
11.3%
4.7%
6.9%
4.8%
6.0%
2.4%
2.2%
5.4%
0.3%
10.8%
6.9%
100.0%
年平均伸び
率(生産額)
0.2%
1.9%
1.7%
0.5%
0.9%
2.6%
1.0%
0.1%
-0.3%
1.4%
-0.3%
1.1%
2.7%
1.6%
-0.3%
1.6%
0.3%
1.6%
1.3%
2.6%
2.9%
1.9%
2.1%
4.3%
0.5%
0.5%
3.1%
1.3%
3.2%
2.2%
2.1%
参考資料 D-2
資料 3-1
平成 16 年度工業標準化業務計画の主要なポイント(案)
平成 16 年 6 月 1 日
経 済 産 業 省
産業技術環境局標準課
経済産業省では、日本工業標準調査会における「 21 世紀に向けた標準化課題検討
特別委員会報告」(平成 12 年 5 月)、「標準化戦略(総論及び分野別)」(平成 13 年 8
月)等を受けて、技術革新の進展、社会ニーズの多様化、 WTO/TBT 協定による国際
標準化の重要性増大、規制緩和の推進等、標準化を巡る環境の変化、標準化の役割の
変化に適切に対応してきたところである。
平成 15 年度においては、「標準化戦略」策定 3 年度目として、産業競争力強化、
社会ニーズへの適確な対応(消費者・高齢者・障害者、環境保全)、強制法規への JIS
引用の促進及び国際標準化活動の基盤強化を重点として、我が国の優れた技術に基づ
き、かつ国際市場に適合した国際提案等の標準化活動を強力に推進した。
また 、「新時代における規格・認証制度のあり方検討特別委員会」に沿って、新た
に TS(標準仕様書)制度及び特定標準化機関( CSB)制度を創設し、規格作成の迅速
化・効率化を図ることとした。
平成 16 年度においては、引き続き 、産業競争力強化 、社会ニーズへの適確な対応、
強制法規への JIS の引用の促進等を重点とした標準化活動を実施するとともに、国
際標準化活動については、平成 16 年 6 月 1 日に策定された「国際標準化活動基盤強
化アクションプラン」に沿って、国際標準の提案、幹事国の引受等我が国の国際標準
化活動を一層強化することとする。
1.産業競争力の強化のための研究開発の推進
新技術・新製品に係る国際標準の制定は、新たな国際市場獲得に直結するこ
とから、欧米各国とも極めて活発な国際標準化活動を実施している。このよう
な状況下で、我が国が技術的優位性を有する分野における国際標準化に重点を
おくことは、新たな国際市場における我が国産業の国際競争力強化に大きく貢
献する。このため、早急にかつ集中的に標準化のための研究開発を実施し、他
国に先駆けて ISO/IEC へ国際標準提案を行うことが極めて重要である。
したがって、国際標準の獲得を目標とする基準認証研究開発事業等を強力に
推進するとともに、研究開発プロジェクトとの連携を強化し、研究開発成果の
国際標準化の推進を図る。
(1) 基準認証研究開発事業の実施
基準認証研究開発事業は、既に国家プロジェクト等で研究開発が実施され、技術
-1-
120
的なブレークスルーの段階を終了し、国際標準が未整備であり、かつ、我が国が技
術的優位にあるものについて、国際標準案を作成・提案するために必要な実証デー
タの収集、ラウンドロビンテスト等を集中的に実施するものである。平成 16 年度
においては、4分野(環境・エネルギー、情報家電・ブローバンド・ IT、健康・
バイオテクノロジー、ナノテクノロジー・材料)を中心として、以下のテーマにつ
いて標準化のための研究開発を実施する。
【主な取り組み】
○環境・エネルギー
燃料電池(携帯機器用)、ハイブリッド自動車の燃費試験方法、建築材料 VOC
放散量測定方法、低温鉛フリーはんだ実装(平成 16 年度新規)等
○情報家電・ブローバンド・IT
個人認識(バイオメトリクス)、物流( RFID・リライト複合媒体タグ)、車載
システムのインターネット ITS、情報セキュリティ技術、自由視点テレビ符号
化方式(平成 16 年度新規)等
○健康・バイオテクノロジー
バイオインフォマティクス、映像の生体安全性評価、人工股関節の安全性、
微生物酸化分解性試験方法(平成 16 年度新規)等
○ナノテクノロジー・材料
光触媒性能試験方法、先進複合材料、異方性ポーラス金属の特性評価試験方
法(平成 16 年度新規)等
○その他(製造基盤技術等)
産業用ロボットを活用したセル生産システム、電子式制御安全機器のハ−ド
ウエアとソフトウエアにかかる安全性検証技術、製造用情報連携システム(い
ずれも平成 16 年度新規)
(2) 研究開発プロジェクトとの連携の強化
総合科学技術会議(平成 15 年 6 月)・知的財産戦略推進本部(平成 15 年 7 月)
での「国の研究開発プロジェクト等における、研究開発、知的財産権 取得、標
準化を一体的に推進する。」を受けて、「平成 16 年度研究開発プログラム基本計
画」において、全てのプログラムについて「各プロジェクトの成果のうち標準化
すべきものについて、適切な標準化活動( ISO/IEC、 JIS、その他国際的に認知
された標準提案等)の実施」が明記されたことに沿って、携帯情報機器用燃料電
池技術開発、固体高分子形燃料電池システム普及基盤整備事業等のプロジェクト
の研究開発成果の国際標準化を積極的に推進する。
備考1
15 の研究開発プログラムは以下のとおり。
①健康安心、②生物機能活用型循環産業システム創造、③高度情報通信機器・デバイス
基盤、④情報通信基盤ソフトウエア開発推進、⑤新製造技術、⑥21世紀ロボットチャ
レンジ、⑦宇宙産業高度化基盤技術、⑧地球温暖化防止新技術、⑨3R、⑩化学物質総
合評価管理、⑪固体高分子形燃料電池/水素エネルギー利用、⑫次世代低公害車技術開
発、⑬民間航空機基盤技術、⑭ナノテクノロジー、⑮革新的部材産業創出
-2-
121
備考2 NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)では、平成 16 年度より新規事業とし
て「開発成果標準化フォローアップ研究事業」を実施。同事業では、 NEDO で実施した
研究開発の成果を国際標準化に結びつけるための支援を実施。
また、研究開発成果としての標準化を推進するために、平成 15 年度に引き続き、
独立行政法人産業技術総合研究所において、
「 エネルギー・環境技術標準基盤研究」
を実施する。
2.社会ニーズへの適確な対応
○消費者・高齢者・障害者の視点を反映した標準の整備を推進するために、引
き続き規格策定プロセスへの消費者の参加を促進するとともに、消費者、高
齢者及び障害者の身体特性や生活環境と製品との調和、製品のより高度な安
全性、使いやすさの向上等を目的とした標準化を進める。
○平成 16 年 4 月に改定された「 環境 JIS の策定促進のアクションプログラム」
(3R 配慮製品、製品にかかる有害化学物質対策、環境汚染対策等を目的とし
た標準化の推進)に基づき、JIS の制定・改正、ISO/IEC への国際提案、標
準化のための調査研究等を強力に実施する。
○高信頼性社会の構築の観点から、消費者の身近にある製品の安全性を確保し
ていくこと、製造業者等における安全性を確保するための標準化を行う。
(1)消費者・高齢者・障害者
消費者・高齢者・障害者の分野では、国際規格案の作成、アジア太平洋における
取り組みの強化等 ISO/COPOLCO へ積極的に取り組むとともに、ISO/IEC ガイド
71(高齢者及び障害のある人々のニーズに対した規格作成配慮指針)を共通的な基
本指針として、個別配慮設計指針、各個別製品規格へ反映させる。
また、 COPOLCO から提案された、 CC(企業の行動規範 )、 ADR(裁判外紛争処
理)、CSR(企業の社会的責任)のうち、CC 及び ADR については ISO/TC176(品質
管理及び品質保証)の中で審議が行われることになり、CSR については 2004 年 6
月に開催される CSR 国際会議後の TMB で展望が明らかになるため、引き続き日
本からの意見を発信していく。
【主な取り組み】
○ AP-COPOLCO の運営
○情報機器バリアフリー等に関する標準化
○点字の表示方法等の標準化
○歩行補助器等の標準化
○ ISO による ADR 及び CSR 標準化への積極的な対応
-3-
122
(2) 環境保全に資する標準化の推進
平成 16 年度環境 JIS の策定促進のアクションプログラムに基づき、環境 JIS
策定中期計画(標準化テーマ総数: 217)に沿って、 JIS の制定・改正を行うとと
もに必要に応じて調査研究等を実施する。
(3) 高信頼性社会構築のための標準化の推進
ISO/IEC ガイド 51(JISZ8051 安全側面−規格への導入指針)に基づいて、消費
者用製品に関して分野別ガイドラインの JIS 化についての検討を行う。
また、製造業者等における安全性(機械安全性)については、 ISO/IEC で検討
されている基本安全規格(A 規格)、グループ安全規格(B 規格)及び個別製品規格
(C 規格)に関して、JIS 化、国際標準提案等のための調査研究を実施する。
3.強制法規への JIS 引用の促進
1995 年の WTO/TBT 協定発効以降、基準認証制度に係る基準等の国際整合
化による市場アクセス向上のための取り組みが一層求められており、また、平
成 14 年 3 月に閣議決定された「規制改革推進 3 ヶ年計画(改定)」においても、
強制法規の技術基準と JIS との整合化、技術基準の性能規定化に伴う仕様例
としての JIS の活用等を進めていくことが求められている。
したがって、平成 16 年度においても、平成 15 年度に引き続き、建築基準
法、電気用品安全法、計量法、薬事法、省エネ法等に引用される JIS の整備
を強力に推進し、強制法規への JIS 引用を促進する。
平成 15 年度末時点で、JIS は、建築基準法、電気用品安全法、薬事法、高圧ガ
ス保安法等の強制法規において、延べ約 5000 規格が技術基準又は性能規定化され
た技術基準に適合する仕様例等として引用されており、今後もその傾向は一層強ま
るものとされている。したがって、強制法規当局との一層の連携強化を図り、技術
基準等に活用される JIS の整備を推進する。また、技術基準における JIS の引用
状況に関するデータベースを構築・維持し、強制法規当局との情報交換のための基
盤を整備する。
【主な取り組み】
○建築基準法…シックハウス対応の JIS 制定等
○電気用品安全法… IEC 規格に準拠した JIS の制定等
○薬事法…第三者認証制度の審査基準としての JIS の制定等
○計量法…計量法に規定する特定計量器の検定・検査にかかる技術基準の JIS
化に関する調査研究の実施等
-4-
123
4.国際標準化活動の基盤強化
平成 16 年度では 、「国際標準化活動基盤アクションプラン」に沿って、我
が国の国際標準化活動の一層の強化を図る。具体的には、国際標準化活動を積
極的に推進するために、国際標準案の作成・提案、 ISO/IEC の各 TC/SC/WG
の議長、国際幹事の引受け件数を増加させるための支援、アジア太平洋諸国と
の連携強化の観点からの地域的枠組みを活用した協力、二国協力等を実施する。
(1) 国際規格提案
我が国の産業競争力強化に資するもの、強制法規対応、高齢者・障害者対応、消
費者保護、環境保全対応等の社会ニーズの観点から、重点分野に選定されたものを
中心として、基準認証研究開発等の国際規格開発支援策を有効に活用しつつ、積極
的に国際規格提案を行う。
(2) 国際標準化活動に関する支援
①幹事国引受及び国内体制の整備
ISO/IEC の TC/SC/WG における国際幹事国等の業務を行っている団体(引受
予定も含む)が、円滑かつ効率的に幹事国業務を遂行できるよう、引き続き事務
作業の補助、助言、情報提供を行う。また、産業界、大学等研究者、国が積極的
に国際審議プロセスに参画出来る体制を整備する。
②国際標準化専門家の育成
今後の日本における国際標準化活動の促進、国際幹事の増加の観点から、主に
国際幹事国業務等に携わる人材の育成に関する研修を積極的に実施する。
また、定期的に国際幹事・国際議長・コンビナー交流会等を開催し、横断的な
ネットワークの構築を図る。
③情報収集体制の強化
国内での調査審議・連絡調整、さらには ISO/IEC に対する適切な働きかけを
行うため、海外の標準化機関に関する情報等の収集体制を整える。
(3)地域間、二国間協力
APEC/SCSC、PASC(太平洋地域標準会議)、IEC/APSG 及び APRC(アジア太平
洋地域センター)の活動へ積極的に参加するとともに、日米、日韓等の二国間協力
も引き続き実施する。
また、我が国の国際標準化活動の強化の観点から、アセアン諸国との連携を一層
強化するために、平成 15 年度に引き続きアセアン基準認証協力プログラムを実施
する。
-5-
124
5.国際標準化推進のための対応体制の整備、規格作成の迅速化・効率化等
「国際標準化活動基盤強化アクションプラン」の確実な実施、フォローアッ
プ等に向けた JISC 体制の整備、規格作成の迅速化・効率化のための方策につ
いて早急に実施するための検討を行うものとする。
(1) JISC 体制の整備
標準部会において 、
「国際標準化活動基盤強化アクションプラン」の確実な実施、
フォローアップ等の観点から、ISO/IEC における TC/SC 等の体制を考慮した専門
委員会体制の在り方を検討する。
(2) 規格策定の迅速化、国際提案の迅速化
平成 15 年 8 月に創設した TS(標準仕様書)制度及び特定標準化機関(CSB)制度
の適切な運営を図る。
(3) 標準化と知的財産との関係、標準化経済性に関する検討
平成 15 年度に引き続き、我が国産業界の競争力強化に資する国際標準化戦略
を進める上で、
①標準化と知的財産の関係について、幅広い産業技術政策、知的財産政策等の
観点からの検討を行い、標準化政策における知的財産の取り扱い方針を示す
②標準化の経済的効果について、学識経験者等を中心として検討を行うととも
に、シンポジウムの形で、広く社会にフィードバックする機会を設ける
こととする。
-6-
125
個 別 分 野 毎 の 取 り 組 み
標準部会各専門委員会では、 27 の分野毎の工業標準化業務計画を審議したところ
である。それらの分野毎の工業標準計画化業務計画について、産業基盤、情報電気及
び環境生活の 3 分野に大別し、それぞれの概要をまとめたものは次のとおりである。
Ⅰ.産業基盤標準化分野
1.産業競争力強化及び国際標準化活動の強化
−バイオテクノロジーについては、近年その重要性が認識されているバイオイン
フォマティクスについて、データ交換プロトコル、データフォーマット、用語等
に関する国際標準提案のための調査研究を実施するとともに、環境負荷低減、再
資源化の観点から注目されている生分解性高分子材料のコンポスト技術に関する
微生物酸化分解試験方法の標準化調査研究に着手。
− ITS については、車載システムのインターネット ITS、プローブ情報システム
における個人情報保護等の国際標準提案のための調査研究を実施
− 航 空 宇 宙 等 の 分 野 で 不 可 欠 と さ れ て い る 先 進 複 合 材 料 (炭 素 繊 維 強 化 プ ラ ス
ティック)の一層の利用促進を図る観点から、応用的な強度試験方法の国際標準
提案のための調査研究を実施。
−信頼性の高いデバイスの開発及び製造の一層の加速の観点から、マイクロ・ナノ
材料の性能評価方法の国際標準提案のための調査研究を実施。
−軽量かつ高強度である異方性ポーラス金属の用途拡大の観点から、強度特性、熱
伝導率等の評価試験方法に関する調査研究に着手
−物品トレーサビリティ確保の観点から、二次元シンボルのダイレクトマーキング 、
RFID・リライト複合媒体タグ等の国際標準提案のための調査研究を実施すると
ともに、国際複合一貫輸送の国際標準化については、我が国から貨物の位置情報
に関する国際標準案を作成・提案。
−圧力容器に関して、日米共同によるグローバルな市場に適合する性能規定化され
た新たな国際標準の制定を目指す。
−我が国における機械安全への対応体制を促進するために、 B 規格(グループ安全
規格)の重要な要素である電子式制御安全機器のハードウェアとソフトウェアに
かかる安全性検証技術の標準化に関する調査研究に着手。
2.社会ニーズへの適確な対応
【環境】
−ホルムアルデヒドの低減化機材の吸着・分解性能測定方法等の各種測定方法に関
する標準化調査研究を実施。
−光触媒に関して、セルフクリーニング性能、空気浄化性能、水質浄化性能、抗菌・
-7-
126
防かび性能等の評価方法の標準化調査研究を実施。
−リサイクル骨材の利用促進のため、再生骨材及びコンクリート用溶融スラグ骨材
の標準化調査研究を実施。
−欧州の RoHS 指令等に適切に対応するため、製品中の有害化学物質の分析方法
の標準化に関する調査研究に着手。
3.強制法規への JIS 引用の促進
【建築基準法(シックハウス対策)】
平成 15 年度に引き続き、建材からの VOC 等放散量の評価方法に関する標準化
調査研究を実施し、大型チャンバーによるホルムアルデヒト測定方法の他、簡易測
定方法や、小型チャンバー法では測定が困難な SVOC 測定に関する調査研究を実
施。
【火薬類取締法】
火薬取締法の円滑な施行の観点から、煙火の安全性試験評価方法に関する調査研
究を実施。
【揮発油等の品質確保に関する法律】
石油製品中の硫黄分の低減化等のニーズに適確に対応するための軽油及び自動車
ガソリン関連の JIS を制定・改正
【計量法】
計量法に規定する特定計量器の検定・検査にかかる技術基準の JIS 化及び JIS
化に関する調査研究の実施
【高圧ガス保安法等】
高圧ガス保安法、電気事業法、ガス事業法及び労働安全衛生法の各技術基準との
整合性を図るための JIS 改正
【労働安全衛生法】
同法施行令において、原料として石綿を使用する製品の製造・使用・輸入が禁止
されることに伴う JIS 改正
Ⅱ.情報電気標準化分野
1.産業競争力強化及び国際標準化活動の強化
−製品化をめざした技術開発が活発化している携帯機器用(携帯パソコン、携帯電
話等)超小型燃料電池の国際標準提案のための調査研究を実施。
− IT システム、製品に実装された暗号アルゴリズムの耐タンパー性評価基準の国
際標準提案のための調査研究を実施。
− IT ネットワークシステムの国際的進展に伴う個人認識に関する国際標準化に積
極的に対応するため、携帯端末、機器認証等に関する国際標準提案を実施。また、
物品(商品、貨物)識別手段として期待されている無線タグの国際標準化が活発
化しており、我が国提案の国際標準化を推進。
-8-
127
−多軸工作機械(主にマシニングセンタ)について、精度比較する際に必要となる
測定・評価方法の国際標準化についての調査研究を実施。
−ニーズの多様化による多品種変量生産に対応するため、産業用ロボットを活用し
たセル生産システムの標準化に関する調査研究、日本型生産システムにおける IT
化を促進するために製造用情報連携システムの標準化に関する調査研究に着手。
2.社会ニーズへの適確な対応
【消費者・高齢者・障害者等対応】
情報バリアフリーを一層促進するために、ISO/IEC ガイド 71 を基礎として、情
報機器分野共通の技術指針及び各製品個別規格を作成し、国際標準提案を実施。
【環境】
−ライフサイクル全体を考慮した電気・電子機器の環境配慮設計の国際標準化の必
要性が高まっているため、IEC における環境配慮設計に関する新たな TC に積極
的に参画。
−はんだ付けの鉛フリー化を加速させるため、低温鉛フリーはんだ実装のための基
盤技術確立及びその標準化に関する調査研究に着手。
−工作機械及び産業用ロボット分野において環境配慮設計の際の評価ガイドライン
についての調査研究に着手。また、製品データの表現及び交換の分野においては、
製品ライフサイクル支援モデルに環境管理情報を組み込み、一元的に情報管理で
きる製品モデルの標準化調査研究に着手。
【その他】
電子政府等高度 IT 社会を構築するための社会基盤として、平成 14 年度より「 汎
用電子情報交換環境整備プログラム」を実施。平成 16 年度では、文字情報データ
ベースを完成させるとともに、公開用データベースの試験運用も継続的に実施。
3.強制法規への JIS 引用の促進
【電気用品安全法】
電気用品安全法への引用を想定して整備された IEC 準拠安全 JIS(現在約 260
件)について、最新の IEC 規格に整合させるための原案作成を平成 15 年度から 3
年計画で実施。
【エネルギーの使用の合理化に関する法律(省エネ法)】
AV 機器、 IT 機器の消費電力測定方法に関する国際標準化が進展しているため、
省エネ法技術基準への引用を想定しつつ、国際整合化した JIS を制定。
Ⅲ.環境生活標準化分野
1.産業競争力強化及び国際標準化活動の強化
−抗菌加工製品の試験方法に関して国際標準提案のための規格開発のための調査研
-9-
128
究を実施。
−ファインセラミックス材料を用いた人工股関節部材の安全性等に関する評価方法
の国際標準提案のための調査研究を実施。
− COPOLCO 関係では、CC(企業の行動規範 )、 ADR(裁判外紛争処理)、CSR(企
業の社会的責任)のうち、CC 及び ADR については ISO/TC176(品質管理及び品
質保証)の中で審議が行われることになり、CSR については 2004 年 6 月に開催
される CSR 国際ワークショップ後の TMB で展望が明らかになるため、引き続
き日本からの意見を発信していく。
2.社会ニーズへの適確な対応
【環境関係】
−廃棄物溶融スラグの規格化に必要な再生材料・製品中の化学物質試験方法の調査
研究の実施
−新技術に対応するため、ダイオキシン類測定方法(大気・水中)の JIS を改正
−環境中の有害物質測定のため、免疫化学を用いた化学物質の定量分析方法の標準
化のための調査研究を実施
−個別の家具等の JIS にホルムアルデヒト放散量の区分を規定化
【消費者製品・消費者保護】
− JIS 原案作成の初期の段階から消費者が参加することが重要であることから、
調査研究の段階から可能な限り消費者が参加できるよう環境を整備。
−アジア太平洋地域の ISO/COPOLCO(消費者政策委員会)活動を強化するため、
我が国が事務局となっている AP-COPOLCO を適切に運営
【高齢者・障害者配慮】
−高齢者・障害者に使いやすい住宅設備機器の一層の普及を目的として、バリアフ
リー住宅設備設計指針の JIS を制定
−点字の表示方法、視覚障害者用の触知図の表記方法、包装の触覚識別表示等の標
準化のための調査研究を実施。
− ISO における「高齢者・障害者に配慮した規格作成」の作業部会の議長国・事
務局として積極的な提案を実施。
−アクセシブブルデザインフォーラムの定期的な開催により、産学官間での情報交
換、情報の共有化を図り、効率的な規格作成体制の強化。
−日中韓で、家電製品等高齢者・障害者に配慮した規格の共同開発。
3.強制法規への JIS 引用の促進
【薬事法】
平成 17 年度に施行予定の改正薬事法に基づく第三者認証制度に関連する JIS の
制定・改正
【エネルギーの使用の合理化に関する法律(省エネ法)】
−ガス・石油給湯器の省エネルギーを促進するため、エネルギー消費効率測定方法
に関する調査研究を実施。
- 10 -
129
参考資料 D-3
プレス発表
平成16年6月1日
経
済
産
業
省
「国際標準化活動基盤強化アクションプラン」について
-戦略的な国際標準化推進体制構築に向けて-
<ポイント>
(1) 日本工業標準調査会標準部会(JISC)は、平成 16 年 6 月 1 日、
「国
際標準化活動基盤強化アクションプラン」(以下「アクションプラ
ン」)を策定しました。
(2) アクションプランは、総論編及び分野別アクションプランで構
成され、総論編では、我が国の戦略的な国際標準化活動を強化す
る観点から、産業界、JISC、政府、標準化関係団体等が果たすべ
き役割、今後の政府の支援の在り方等をとりまとめており、分野
別アクションプランでは、産業競争力強化等の観点から重点化す
べき分野、我が国が提案すべきテーマ等をとりまとめています。
(3) 今後は、アクションプランに沿って、国際標準案の提案、国際
幹事・国際議長等の引き受け等積極的な国際標準化活動を展開す
ることとしています。
また、アクションプランの着実な推進を図るため、進捗状況等
を JISC において毎年フォローアップするととともに、新たな課題
が発生した場合などは適宜新たな戦略の策定を検討する予定です。
【説明】
Ⅰ.背景
経済のグローバル化のさらなる進展の中で、国際市場における競争は一層の激しさを増
しているが、国際標準化活動は、我が国が有する技術優位を活かし、我が国産業の国際競
争力を維持する手段として、その重要性がクローズアップされてきました。
-1-
130
こうした国際標準化活動への期待の高まりを受けて、日本工業標準調査会(JISC)とし
て、平成9年(1997年)国際部会答申「今後の我が国の国際標準化政策の在り方」、平成
12年(2000年)「21世紀に向けた標準化課題検討特別委員会報告書」、そして平成13
年(2001年)「標準化戦略(総論編)」と三度にわたり国際標準化活動について、基本的な
仕組み、各国の状況、我が国が取るべき方向性など、包括的な「戦略」を示してきたところ
です。
これらの戦略に沿って、関係者は国際標準化活動への戦略的な取組を着実に進めてい
ます。こうした取組をさらに促し、今後さらなる国際標準化活動の進展を達成するために
は、国際標準化戦略の具体的な実施状況を検証し、進捗の遅れの原因解明と、課題克服
に向けた戦略実施体制の整備を行うことが重要です。
戦略実施体制の基本は、これまで示されてきたとおり、産業界が主体的に国際標準化活
動を担い、政府をはじめとする関係機関が効果的な支援を側面的に行うことです。こうした
基本を踏まえ、体制を整備し、戦略を実施していくため、国際標準化活動に携わる各当事
者の「誰が」「何を」「どのように」進めるのかをできるかぎり分かりやすく示すことが現在求
められていること等の観点から、今般、「国際標準化活動基盤強化アクションプラン」を策定
することとしました。
Ⅱ.アクションプランの概要
1.国際標準化活動へのこれまでの取組と今後の課題
(1)
(2)
国際標準化活動強化に向けた提言(1997、2000、2001年)
1)
重点分野等における国際規格の積極的な提案
2)
国際規格審議への積極的な参画
3)
ISO/IECの運営面への影響力行使
4)
産業界の啓発
5)
アジア諸国との連携強化
取組の成果
1)
IEC会長、ISO次期会長の輩出
2)
日本経団連が国際標準化戦略部会を新設(2003年7月)
国際標準化活動強化に向けた提言発表(2004年1月)
3)
(3)
アセアン基準認証協力プログラム(2003年6月)
今後の課題
1)
規格提案数、重点化などの観点で、戦略的な対応が不十分
-2-
131
2)
2.
審議参画レベルには、依然として欧米との間に大きな格差
課題克服のための処方箋(アクションプランのポイント)
(1)
官民一体となった国際標準化活動体制の再構築
○
産業界の自主的な取組強化の促進
→
日本経団連(国際標準化戦略部会)による提言の着実な実施、国際標準
化活動の経済的メリットの検証・普及
○
標準関係機関による産業界へのサポート機能強化
→
国際標準化活動のためのリソース・ノウハウ不足などの課題に対応する
ため、日本規格協会に「国際標準化活動支援センター」を設置
○
政府による産業界の国際標準化活動強化に向けた支援
→
重点分野の選定、規格原案の策定迅速化、標準化と知的財産権との関係
整理
(2)
重点分野の設定による戦略的な国際標準化活動推進
①
我が国の産業競争力強化に資するもの
(例)光触媒、ITS、デジタル家電、燃料電池、フラットパネルディスプレ
イ、バイオメトリックス、ICタグ等
②
社会ニーズへの対応
(例 )誘導用点字ブロック(高齢者障害者対応)、抗菌加工製品( 消費者保護)、
化学製品中の有害化学物質の分析方法(環境保全対応)等
お問い合せ先
産業技術環境局標準課
担当者:藤代・太田
電
話:03-3501-1511(内線
03-3501-9245(直通)
-3-
132
3421)
[参考資料:D-4]
平成 15 年度提案されたテーマ評価方法
(a)標準化行政の価値判断に基づく評価尺度の導入
尺度 1
① 政府調達(公共調達、電子政府関連を含む)を円滑に実施するために必要(重要度:大=3
点)
② 民需工業製品の最終消費者のために必要(重要度:中=2 点)
③ 民需工業製品の生産者・加工者のために必要(重要度:小=1 点)
④ 国際規格の導入による市場適合性を確保するために必要(重要度:最大=5 点)
⑤ 新技術による新市場形成のために必要(重要度:大=3 点)
尺度 2
① 社会の安全のために必要(重要度:大=3 点)
② 省資源のために必要(重要度:中=2 点)
③ 利便性・効率性の向上のために必要(重要度:小=1 点)
④ 社会への参加機会の平等のために必要(重要度:中=2 点)
⑤ 社会環境の維持や増進のために必要(重要度:中=2 点)
尺度 3
① 性能評価や性能の基準を与えるために必要(重要度:中=2 点)
② セキュリティの維持のために必要(重要度:大=3 点)
③ 機能性の確保(インタフェース)のために必要(重要度:大=3 点)
④ 相互運用性の維持のために必要(重要度:中=2 点)
⑤ 接続性の確保のために必要(重要度:小=1 点)
⑥ 情報交換符号など基本の維持のために必要(重要度:大=3 点)
(b)情報技術による事業振興を支援する評価尺度
尺度 1(テーマ毎に、重要度大=3 点~小=1 点を評価)
府省庁の政策課題、又は重要政策課題を支援するために必要な標準テーマ
尺度 2(テーマ毎に、重要度大=3 点~小=1 点を評価)
日本が競争力を持つ技術、独自性が高い構想に対してインセンティブを与え、技術開発を支
援し、国際市場開発を主導するための標準テーマ
尺度 3(テーマ毎に、重要度大=3 点~小=1 点を評価)
企業や産業界の戦略を背景に、標準を手段として国際市場開発を主導するための標準テーマ
尺度 4(テーマ毎に、重要度大=3 点~小=1 点を評価)
消費者の利便性を向上し、利用者の健康や便益を保護するために必要となる標準テーマ
133
用語集
[参考資料 D-5]
3DES(Triple DES):IBM社が開発した秘密鍵型の暗号方式である「DES」を三重に適用するように
した方式
AES(Advanced Encryption Standard):アメリカ国務省の標準技術局(NIST)の次世代「共通鍵暗
号」標準化プロジェクトにて、新しいコンピュータ通信向けの暗号化標準として採用され、
2001年12月にFIPS(Federal Information Processing Standard)として発行された。
ANSI(American National Standards Institute):米国の民間の標準化機関で米国におけるナショナ
ルボデー。標準作成を調整、承認する役目をもち、作成は行っていない。工業製品の規格を
統一するために1918年に設立された。
API(Application Programming interface): OSはさまざまなAPで共通的に使われる機能を提供し、
これを通してコンピュータ資源・機能の使用を許す。これらの機能をAPから使うためのインタ
フェースをAPIという。
ASTAP(APT Standardization Program):アジア・太平洋電気通信標準化機関。
BMLinkS:JBMIAが提案しているOA機器の新たな統合インタフェース仕様。
CALS(Continuous Acquisition and Life-cycle Support):コンピュータとネットワーク、データベース
を組み合わせ、部品調達からドキュメント作成や取り引きまで、製品製造の工程を一元管理
するシステム。
Camellia:NTTと三菱電機が共同で開発した128ビットブロック暗号アルゴリズム。
CASCO:ISOの中に3つある政策開発委員会のうちの一つであり、適合性評価の原則と実施に関
する問題を扱う。
CCTA(The Central Computer and Telecommunications):英国情報通信エージェンシー。
CEM(Common Evaluation Methodology for Information Technology Security):情報技術セキュリ
ティのための共通評価方法論。
CEN(European Committee for Standardization):欧州標準化委員会。
CD-MRW(Mt. Rainier:マウント・レイニア):次世代標準パケットライトフォーマット。ファイルごとの
書き込み/書き換えフォーマットで、フォーマット作業がいらず、今後の業界統一規格となり
うる簡便な書き込み、書き換え方法。
CIO (chief information officer): 情報化統括責任者。
DOM(Document Object Model):HTMLやXMLのデータへのアクセスや操作のための基本的なオブ
ジェクトモデルとAPIを想定したDOM Level1とDOM Level1にスタイルシートやイベントなどの
モデルやAPIを追加し、名前空間などの機能を強化したDOM Level2がある。
DVD-R/W:DVDフォーラムが1999(平成11)年に策定した書き換え型DVD規格。
DVD+RW:ソニー, Philips, Hewlett-Packard, 三菱化学, リコー, ヤマハの6社によるDVDアライア
ンスで策定された, DVDと互換性を持つ書き換え可能ディスク規格。
ECMA:当初は“European Computer Manufacturers Association”の略であったが現在は“ECMA”
134
を称号とした標準化機関。
EDI(Electronic Document Interchange):受注・注文などの業務処理の電子化のこと。
Edv:ビットワレット株式会社が運営するプリペイド型電子マネーの名。
e-Japan:我が国を世界最高水準のインターネットによる情報国家にしようとする政策。IT基本法
にのっとり政府が進めようとしている。
ETSI(European Telecommunications Standards Institute):欧州電気通信標準化協会。
Exif2.2:2002年2月6日に社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)/旧日本電子工業振興協会
(JEIDA)より発表されたデジタルカメラの画像記録形式。従来のExif2.1でもJPEG準拠の画像
データ内にカメラ名称やメーカ名、撮影データなどを記録していたが、2.2では画像の印刷を
前提として、カメラの色情報や撮影モードといった情報も共通フォーマットで記述されるように
なった。
eマーケットプレイス:特定の業界に特化したり、特定のビジネス・プロセスにフォーカスして、企業
間でのあらゆる種類の取り引きを仲介することを目的とした、インターネット技術に立脚した
電子市場 デジタルォレット。
FOMA(Freedom Of Mobile multimedia Access):NTT DoCoMoのIMT-2000のサービス名。
ICAO(International Civil Aviation Organization):国際民間航空機関。
ICT:情報技術と同じ意味であるが通信も含めてICTということがある。
ICカードセキュアプログラムアップロード機構:ICカード・ホスト間の高速データ転送技術、ホスト側へのセ
キュアアップロード技術、ホスト側で正常に実効されていることをICカードで検証できる技術。
IVDR:リムーバブルHDDの新規格
IMT2000(International Mobile Telecommunications-2000):ITU-Rが策定したデジタル携帯電話の
世界統一規格。
iReady:IT Ready、Internet Ready、I am Readyからの造語。ネットワークに繋がる準備ができてい
る(Ready)家電として命名。各社の白もの家電を相互にネット接続するための技術仕様
ITSCJ:情報規格調査会。
ITS(Intelligent Transport Systems):高度道路交通システム。現在有料道路の料金を電子的に支
払えるようにしたETCや道路の混雑情報などを知らせるVICSが運用されている。
IPv6(Internet Protocol, version 6):128ビットアドレッシングを採用し、組み込みのセキュリティ、マ
ルチキャスト、ダイナミック構成、移動性などの次世代ネットワーク機能を組み込んだIPリリ
ース。
IP/WDM:IP over Wavelength Division Multiplex
ISSEA(International Systems Security Engineering Association) :国際的な非営利組織。1999年
に設立。
ISTPA(International Security, Trust and Privacy Alliance):地球規模で、企業や技術プロバイダを
セキュリティと信頼の確保、プライバシーの管理などをサポートする目的で、1999年に設立さ
れた団体
135
ITBL(IT-Based Laboratory): IT技術を活用して仮想的な共同研究環境を実現するプロジェクト。
ITU(International Telecommunication Union):国際電気通信連合。電気通信に関する国際標準の
策定を目的とする、国際連合の下位機関。本部はスイスのジュネーブ。
IX (インターネット・エクスチェンジ):複数のインターネットサービスプロバイダや学術ネットワークを
相互に接続するインターネット上の相互接続ポイント。NSPIXP-1、NSPIXP-2
ITスキルスタンダード:ITサービスの提供に必要とされる能力を明確化・体系化した指標。教育・訓
練に有用なフレームワーク。
JEITA:社団法人電子情報技術産業協会。エレクトロニクス及びIT(情報技術)分野の日本の業界
団体。
JTC1:ISOとIECのジョイント技術委員会。
MISTY1:三菱電機が開発した64ビットブロック暗号アルゴリズム。
MRAM(Magneto-resistive Random Access Memory):磁気によってデータを記憶するメモリ。
MRAM の特徴は 「不揮発性」 と、読み書きの速度が速いこと、集積度が高いため、いつで
もスイッチが切れる情報家電が期待できる。
MUGI:日立製作所が開発した128ビット鍵長ストリーム暗号アルゴリズム。
MULTI-S01:日立製作所が開発した256ビット鍵長ストリーム暗号アルゴリズム。
NESSIE (New European Schemes for Signatures, Integrity, and Encryption): 2000年から3年間の
期間で実施された欧州連合(EU)認定の次世代暗号選定のためのプロジェクト。
NSTAC(National Security Telecommunications Advisory Committee):国家保障通信諮問委員
会。
OASIS:Eビジネス標準化団体。
OLTP(On-Line Transaction Processing):DB/DCなど端末からホストに対する業務をバッチでなく
オンラインで行う方式。
OMG (Object Management Group) :世界最大のソフトウェア標準化コンソーシアム。
POSIX(Portable Operating System Interface for UNIX):UNIX的なカーネルにインプリメントされる
べきC言語のインタフェースを規定した標準仕様。
PSEC-KEM: NTTが開発した公開鍵暗号アルゴリズム。
SCORM(Shareable Content Object Reference Model):WBTコンテンツの標準規格
Tエンジン:次世代の組み込み機器向け標準開発プラットホームTRON。
VoIP(Voice over IP):インターネットで使われているIPネットワーク上で音声情報を伝達する技術の
こと。インターネット電話。
VSF-OFCDM(可変拡散率直交周波数・符号分割多重):屋内・屋外あるいは基地局設置密度な
どのエリア環境や、その時々の通信条件に応じて、同一の無線インタフェースで高速パケッ
ト通信を可能にするもの。
WEBエージェント:
WDM(Wavelength Division Multiplexing): 1本の光ファイバで波長の異なる複数の光信号を多重化
136
して通信する波長多重伝送技術。2005年までに光ファイバ1芯当たり1000波の多重化が可
能となるようWDM技術の高度化に取り組む。(総務省)
XMDF:ザウルスでテキストと画像データが混在した電子書籍が読めるソフト『ブンコビューア』(無
償)のフォーマット形式。
フォトニックネットワーク技術:エンド・ツー・エンドの超高速通信を実現するため、光伝送を高度化
するフォトニックネットワーク技術。
ユビキタスコンピューティング:1980年代に米Xeroxのパロアルト研究所(PARC)に在籍していた
Mark Weiser氏が提唱した「どこでもコンピュータの機能を利用できる環境」。
アクセスポリシ:主に、セキュリティの目的で使用され、ルーティング配信プロトコル等に適応され
る一般化された機能。
ノンPC機器:パーソナルコンピューター以外の電力を用いる機器や製品。
ポリシネットワーク:IP(internet protocol)トラフィックの転送優先度やユーザー・アクセス権限など
を集中的に設定・管理するソフトウェア。
ハンドオフ:端末の移動に伴う接続先の切り替え。
システム・オン・パネル:表示ガラス基板上に、液晶ドライバーICやコントローラー、電源用ICなど
の周辺回路などの集積を実現した液晶パネル平成13年4月1日に設立された
住民基本台帳システム:住所、氏名、性別、生年月日などの個人情報をデータベース化し、ICカー
ド1枚で全国どこの市町村でも住民票の交付が受けられる仕組み。現在自治省の外郭団体、
地方自治情報センタ(東京・千代田)が導入準備を進めている。
電子公証制度:電子公証制度は、現在紙ベースで提供されている「確定日付の付与」及び「私署
証書の認証」という二つの公証サービスをインターネットを介して電子文書についても利用で
きるようにしたもの。2002年1月15日から運用開始。
電子認証局:デジタル証明書と呼ばれる暗号鍵を含んだ電子的な証明書を発行する機関のこと。
バーチャルリアリティ(VR: Virtual Reality):現実の世界とは異なる世界を体験するためのしくみ。
人間機械ダイレクトインタフェース。
モバイルサービス:携帯電話を用いた航空券予約、道路情報などをいう。
トランザクション記述言語:オンラインシステムでの処理手順を記述する言語。
イベント記述言語:XMLでのイベントを記述するX-GLを指す場合が多い。
レガシーデータメディア:ニューメディア以前のメディア。新聞、アナログ放送など。
ニューラルネットワーク:神経細胞をモデルにしたニューロンを構成素子とする回路網。
ユビキタス(ubiquitous):どこにでも当たりまえのようにある状態。 遍在。
137
[参考資料 D-6]
参考URLリスト
[ARIB]
http://www.arib.or.jp/
[オートIDセンター]
http://www.autoidcenter.org/japanese_main.asp
[BioAPI Consortium]
http://www.bioapi.org/
[バイオメトリクスセキュリティコンソーシアム]
http://www.bsc-japan.com/
[日本CATV技術協会]
http://www.catv.or.jp/jctea/std/kikaku616.HTM
[Common Criteria Project]
http://csrc.nist.gov/cc/
[CFA]
http://www.compactflash.org/
[コンテンツIDフォーラム]
http://www.cidf.org/
[Digital Video Broadcast]
http://www.dvb.org/latest.html
[Digital Home Working Group(DHWG)]
http://www.dhwg.org/
[オープン・eブック・フォーラム]
http://www.openebook.org/
[電子書籍ビジネスコンソーアム]
http://www.ebookjapan.org/
[エコネットコンソーシアム]
http://www.echonet.gr.jp/
[行政情報化推進各省庁連絡会議(事務局:総務省行政管理局)]
http://www.e-gov.go.jp/
[Embedded Linux Forum]
http://www.emblix.org/
[企業財務協議会]
http://www.enkt.org
138
[EPCglobal]
http://www.uc-council.org/epcglobal/
[FSG(Free Standard Group)]
http://www.freestandards.org/
[GGF(Global Grid Forum)]
http://www.gridforum.org/
[Globus project]
http://www.globus.org/ogsa/
[GSMA(GSM Association)]
http://www.gsmworld.com/
[HAVi推進協議会]
http://www.havi.org/
[医療情報標準化推進協議会]
http://helics.umin.ac.jp
[ICAO]
http://www.jalcrew.jp/jfu/dantai/icao/
[インターネットITS協議会]
http://www.internetits.org/ja/
[独)情報処理推進機構]
http://www.ipa.go.jp/
[独)情報処理推進機構 次世代暗号]
http://www.ipa.go.jp/security/index.html
[IPv6 センサネットワーキングコンソーシアム]
http://www.ipv6style.jp/jp/news/2003/0702_sens-sec_p.shtml
[ISMA]
http://www.isma.tv/
[ISSEA]
http://www.issea.org/
[ISTPA(International Security Trust & Privacy Association)]
http://www.istpa.org/
[電子情報技術産業協会ITセキュリティセンタ]
http://itsc.jeita.or.jp/
[itSMF JAPAN(ITサービスマネジメントフォーラム ジャパン)]
http://www.itsmf-japan.org/
[JAHIS(保健医療福祉情報システム工業会)]
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http://www.jahis.jp/
[日本インターネットプロバイダー協会]
http://www.jaipa.or.jp/
[日本セキュリティ監査協会]
http://www.jasa.jp/
[日本旅行業協会(JATA)]
http://www.jata-net.or.jp/
[社団法人ビジネス機械・情報システム産業協会(JBMIA)]
http://www.jbmia.or.jp/
[JEITA・標準化総合会議・自動認識及びデータ取得技術標準化委員会]
http://www.jeita.or.jp/
[ICカードシステム利用促進協議会]
http://www.jicsap.com/index.html
[リバティー・アライアンス]
http://projectliberty.org/
[CE Linuxフォーラム]
http://www.celinuxforum.org/
[DLC(デスクトップLinuxコンソーシアム)]
http://www.desktoplinuxconsortium.com/
[モバイルコンピューティング推進コンソーシアム(MCPC)]
http://www.mcpc-jp.org/
[商品トレーサビリティの向上に関する研究会中間報告]
http://www.meti.go.jp/kohosys/press/0003896/
[マルチメディアカード アソシエーション(MMCA)]
http://www.mmca.org/
[MULTOS推進協議会]
http://www.multos.gr.jp/
[NIST]
http://www.nist.gov/
[ニューメディア協議会]
http://www.nmda.or.jp/
[OASIS]
http://www.oasis-open.org/
[OMG(Object Management Group)]
http://www.omg.org/
140
[OSTA(Optical Storage Technology Association)]
http://www.osta.org/
[プライバシーマーク]
http://privacymark.jp/
[通信・放送機構(学校インターネット)]
http://www.schoolnet.gr.jp/
[SDMLフォーラム]
http://www.libsdl.org/intro.jp/toc.html
[ユビキタスネットワーク時代における電子タグの高度利活用に関する調査研究会報告
(案)]
http://www.soumu.go.jp/s-news/2004/040223_2.html
[T-エンジンフォーラム(ユビキタスIDセンター)]
http://www.t-engine.org/
[TV anytime]
http://www.tv-anytime.org/workinggroups/wg-rmp.html
[ユニバーサルプラグアンドプレイフォーラム(UPnP)]
http://www.upnp.org/
[VICSセンター]
http://www.vics.or.jp/
[VoiceXML フォーラム]
http://www.voicexml.com/
[W3C]
http://www.w3.org/
[Web3Dコンソーシアム]
http://www.vrml.org/
[WIDEプロジェクト]
http://www.wide.ad.jp/index-j.html
[WS-I]
http://www.ws-i.org/
[HR-XMLコンソーシアム]
http://www.hr-xml.org/channels/select_language.htm
[XMLコンソーシアム]
http://www.xmlconsortium.org/
[郵政事業庁 ワンストップ行政サービスモデル]
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[宅内情報通信・放送高度化フォーラム]
http://www.dhf.gr.jp/
[1394協議会]
http://www.1394ta.org/
[デジタル情報家電のネットワーク化に関する調査研究会]
http://www.soumu.go.jp/
[流通システム開発センター]
http://www.dsri-dcc.jp/
<平成 16 年度抽出テーマ分>
[1-a.情報家電向けヒュ-マンインタフェース:INCITS]
http://www.incits.org/tc_home/v2.htm
[1-b.ユビキタス環境関係]
http://www.celinuxforum.org
http://www.uopf.org/
http://www.t-engine.org/japanese.html
http://www.ubin.jp/
http://uidcenter.org/japanese.html
[2-b.RFID関係]
http://www.astrec.jp
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[3-a.EA関係]
http://premium.nikkeibp.co.jp/e-gov/keyword/2003/key043.shtml
http://www-its.complex.eng.hokudai.ac.jp/lecture/data/lecture05-2.pdf
http://www.enterprise-architecture.info/Images/EA%20Survey/EA%20Survey%202004%20
IFEAD.PDF
[3-b.e-Passport関係]
http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/17/rls_0114c.html
http://www.icao.org/
http://www.ilo.org/public/english/bureau/inf/pr/2004/53.htm
http://www.npa.go.jp/koutsuu/menkyo3/ic_card.pdf
[4.e-Learning関係]
http://ltsc.ieee.org/
http://www.imsglobal.org/
142
http://www.aicc.org/
http://www.adlnet.org/
http://www.elc.or.jp/
http://www.alic.gr.jp/
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/16/07/04070601/001.htm
http://www.vsj.or.jp
http://www.vizgrid.org/jpn/vgsympo/
http://www.vizgrid.org/VizGrid2002.pdf
[5-a.食品トレーサビリティ関係]
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/kettei/040615honbun.pdf
[6-b.ノンPC機器のインターネット接続関係]
http://it.jeita.or.jp/eltech/report/2004/04-jou-7.html
http://www.jpo.go.jp/shiryou/pdf/gidou-houkoku/kaden.pdf
http://www.most.tohoku.ac.jp/lecture/it/7-30-03.pdf
http://www.ipa.go.jp/SPC/report/01fy-pro/homeerct/ehomestd/ehomestd.pdf
http://www.soumu.go.jp/s-news/2004/pdf/040827_11_b2_2.pdf
[8-a.個人情報保護関係]
http://www.istpa.org/
http://www.meti.go.jp/policy/it_policy/privacy/041012_hontai.pdf
http://privacymark.jp/
[9-c.OASISのバイオメトリクス関係]
http://www.oasis-open.org/committees/xcbf/
[11.ITサービスマネジメント関係]
http://www.itsmf-japan.org/
143
この事業は、競輪の補助金を受けて実施したものです。
平成 16 年度
IT 標 準 化 戦 略 委 員 会
成 果 報 告 書
平成 17 年 3 月
発行 財団法人 日 本 規 格 協 会
〒107-8440 東京都港区赤坂 4-1-24
電話(03)3592-1408
印刷 スタンダード・メンテナンス 株式会社
〒107-8440 東京都港区赤坂 4-1-24
日本規格協会ビル内
電話(03)3585-4558
-禁無断転載―