産業アウトルック２０１６年１～３月期１５．不動産長瀬礼紗トピック：大型マンション等の建替えに係る規制緩和を盛り込んだ改正法案が提出される予定。建替え需要増が期待される現在、大型マンションや団地の建替えに係る規制緩和を盛り込んだ都市再生特別措置法の改正が検討されており、近く法案が提出される見通しです。都市の再開発との位置づけで建替えを認めることにより特例的に合意要件を低く設定する他、税優遇を受けられる制度も拡充し、従来からネックとなっていた住民の合意形成へのハードルを下げる内容となっており、建替え需要の増加が期待されています。住宅市場動向：相続税対策や消費税増税後の反動減からの回復によりプラス 2015年度第2四半期の住宅着工戸数は、貸家が引き続き堅調な上、持家も消費税増税後の反動減から回復してきており、23.6万戸(前年同期比+6.2%)と2四半期連続で前年同期比プラスで推移しています。オフィスビル賃貸市場：東京圏は、空室率は7 年ぶりの水準まで低下、賃料も引き続き改善。大阪圏も未だ高水準ながら空室率は低下、賃料も緩やかに上昇 2015年度第2四半期のオフィスビル賃貸市場は、東京都心5区で人員増強に伴う増床等のニーズが引き続き強く、平均空室率は4.7%(前年同期比▲0.5%p)と 2008年以来7年ぶりに5%を下回る水準まで低下し、賃料も17,517円/月坪(同 +191円)へと上昇しました。大阪主要6地区は、前四半期に新規供給された物件の入居が進んだことで、平均空室率は8.3%(同▲0.3%p)に低下、賃料は11,139 円/月坪(同+5円)へと微増しました。大手5社業績見通し：上期は堅調な賃貸事業が業績を牽引し、増収増益。通期予想も期初予想から上方修正され増収増益の見通し不動産大手5社の2015年度上期業績は、賃貸事業で堅調な需要を背景にオフィスビルや商業施設で賃料引上げが進んでいることや、住宅事業でも相続税対策として賃貸住宅の販売が拡大した他、分譲マンションが都心高額物件を中心に好調で期初想定を上回って増収増益となりました。下期も引き続き堅調な状況が見込まれ、通期予想は期初段階では前期にあった物件売却益の剥落等で増収減益となっていましたが、増収増益の見通しに上方修正されています。全国住宅着工戸数首都圏・近畿圏マンション販売動向 (千戸) 持家(左軸) 貸家(左軸) 300 分譲(左軸) 前年同期比(右軸) 首都圏供給戸数(左軸) 首都圏初月契約率(右軸) (千戸) 200 +40% 25 近畿圏供給戸数(左軸) 近畿圏初月契約率(右軸) 90% 20 80% 15 70% 10 60% 5 50% +20% 100 0% 0 12/2Q 4Q 13/2Q 4Q 14/2Q 4Q -20% 15/2Q (年度) 0 12/2Q (出所)国土交通省資料より弊行作成東京都心5区平均募集賃料(左軸) 大阪主要6地区平均募集賃料(左軸) 東京都心5区平均空室率(右軸) 大阪主要6地区平均空室率(右軸) 20 13/2Q 4Q 14/2Q 4Q 40% 15/2Q (年度) (出所)不動産経済研究所資料より弊行作成不動産大手５社(注)合算業績オフィスビル募集賃料・空室率(注) (千円/月･坪) 4Q (兆円) (兆円) 売上高(左軸) 9 1.0 経常利益(右軸) 12% 0.8 10% 6 15 0.6 8% 10 6% 0.4 3 4% 0.2 5 2% 0 12/2Q 4Q 13/2Q 4Q 14/2Q 4Q 0 0 15/2Q (年度) 06 07 08 09 10 11 12 13 14 0 15 14 15 (予) 上期上期 (年度) (出所)各社決算短信より弊行作成 (注)三井不動産､三菱地所､住友不動産､積水ハウス､大和ハウス工業 (出所)三鬼商事資料より弊行作成 (注)空室率は各期間の最終月の数値本資料は、情報提供を目的に作成されたものであり、何らかの取引を誘引することを目的としたものではありません。本資料は、作成日時点で弊行が一般に信頼できると思われる資料に基づいて作成されたものですが、情報の正確性・完全性を弊行で保証する性格のものではありません。また、本資料の情報の内容は、経済情勢等の変化により変更されることがありますので、ご了承ください。ご利用に際しては、お客さまご自身の判断にてお取扱いくださいますようお願い致します。本資料の一部または全部を、電子的または機械的な手段を問わず、無断での複製または転送等することを禁じております。 -1- Copyright © 2016 Sumitomo Mitsui Banking Corporation. All Rights Reserved.