平成26年度 水道事業会計決算の概要

平成26年度
水道事業会計決算の概要
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平成28年(2016年)1⽉
札幌市水道局
1
公営企業会計について
○地方公営企業とは・・・
地方公共団体が経営する公益性の高い事業。
主として、税⾦ではなく、利⽤者からの料⾦収⼊により経営の経費を賄って
いる。札幌市では、水道・病院・中央卸売市場・軌道・⾼速電⾞・下水道の6
事業が該当する。
《公営企業会計の特色》
①
現⾦主義ではなく、発⽣主義である。
②
期間計算(費用配分)の考え方がある。
③
損益計算と資本取引の区分がある。
④
資産、負債及び資本の観念がある。
現⾦の収⽀にかかわらず経済活動の発⽣事実に基づき整理される。
その年度の収益の獲得につながったと考えられる部分だけが費用として整理される。
1年間の経営成績を表す収益的収⽀、施設の建設・改良等の事業費とその財源を表す資本的収⽀
の2つがある。
「資産」は資⾦の運用形態⽰し、「負債及び資本(将来の⽀払義務がある・ない)」は資⾦の調達
方法等を⽰す。
⑤
※資産=負債+資本
予算及び決算の双方を重視する。
歳出の抑制だけではなく、経済性の発揮が求められている。
・・・など
1
公営企業会計について
○収益的収支と
収益的収支と資本的収支
■収益的収⽀
・1年間の企業の経営活動に伴い、発⽣する収益と費用を表したもの。
→施設の運転・管理等、事業を運営するための費用とその財源。
→当年度の収益と費用を表す(黒字・赤字)
■資本的収⽀
・施設の建設などの⽀出の効果が次年度以降に及ぶものや、企業債の元⾦償
還などの⽀出とその財源となる収入を表したもの。
→施設を建設・整備するための支出と企業債の借入などの財源。
→翌年度以降の収益的収支に影響
○公営企業会計においては、資本的収支において収入が支出に対し不足する
ため、収益的収支からの損益勘定留保資金(減価償却費等)や利益で補てん
(穴埋め)することが一般的。
1
公営企業会計について
○収益的収支と
収益的収支と資本的収支の
資本的収支の関係 イメージ図
イメージ図
収益的収⽀
資本的収⽀
給水収益
収入
損益勘定留保資⾦等
他
⽀出
施設の
維持管理等
収入
他
純利益
減価償却費等
⽀出
施設の
建設・整備
企業債の
借入
他
企業債の
償還
2
決算のポイント
収⼊支出の概要
○収益的収支と
収益的収支と主な増減理由
・収入~給水収益の減少(有収水量の減少等による減)【▲8億円】
・支出~運営管理費の減少(請負工事費・委託料などの減少等による減)【▲29億円】
(消費税込、単位:億円)
区
分
平成26予算
平成26決算
比較増減
増減率
収益的収入
A
528
525
▲
3
▲
0.6%
収益的支出
B
378
344
▲
34
▲
9.0%
差引(純利益) A-B
150
181
31
20.4%
○資本的収支と
資本的収支と主な増減理由
・収入~企業債借入の減少(建設改良費の減少に伴う借入抑制による減)【▲10億円】
・支出~建設改良費の減少(請負工事費の減少等による減)【▲23億円】
(消費税込、単位:億円)
区
分
平成26予算
平成26決算
比較増減
増減率
資 本 的 収 入
A
54
45
▲
9
▲
16.9%
資 本 的 支 出
B
302
279
▲
23
▲
7.6%
▲ 248
▲ 234
差引(収支不足) A-B
14
5.6%
2
決算のポイント
二つの収支の総括
○収益的収支と
収益的収支と資本的収支を
資本的収支を踏まえた資金残高
まえた資金残高
・資本的収支は234億円の収支不足となるが、収益的収支差引(純利益)、当年度分損益
勘定留保資金等、過年度分内部留保資金で補てんした結果、平成26年度末資金残高は
150億円(うち水道施設更新積立金として96億円積立している。)となり、予算に対し
45億円好転した。
(消費税込、単位:億円)
区
分
平成26予算
平成26決算
比較増減
増減率
資本的収支差引 A
▲ 248
▲ 234
14
5.6%
収益的収支差引(純利益) B
150
181
31
20.4%
当年度分
損益勘定留保資金等
105
105
0
0.8%
7
52
45
706.7%
98
98
0
0%
合計(
合計 ( 資金残高)
資金残高 ) D+E
105
150
45
43.3%
水道施設更新積立金
40
96
56
140.0%
上 記 以 外 の 額
65
54
▲ 11
▲ 16.4%
C
当年度資金残高 D=A+B+C
過 年 度 分
内 部 留 保 資 金
※
E
平成26予算は平成25決算置換後の額である。
3
平成26年度決算の姿
収益的収支(消費税込)
(億円)
収益的収入
525
500
400
300
200
収益的⽀出
344
純利益 181
給水収益
401
水道料⾦
職員給与費 37
運営管理費 137
施設の維持管理等に
係る費⽤
減価償却費等
100
その他 124
企業債利息などの
営業外費⽤や、
特別損失など
128
支払利息・その他 42
0
収入
⽀出
3
平成26年度決算の姿
資本的収支(消費税込)
300
(億円)
資本的収入
収益的収⽀差引(純利益)や減価償却費等
の内部留保資⾦で補てん(⽳埋め)
45
建設改良費
250
200
資本的⽀出 279
収⽀不⾜額
234
134
施設の建設・改良等
に要する費⽤
150
企業債償還⾦
100
105
50
0
加入⾦・補助⾦等
企業債 20
収入
25
水道施設更新積⽴運用⾦ 40
⽀出
3
平成26年度決算の姿
収益的収支(消費税込)の推移
550
500
450
400
収益的収⼊
(億円)
525
収益的支出
457 456 451 447
441 438 432
350
411
430 424 426
396
381 376
300
454
426 425 421
361
359 350
344
344
H23
H26 H27予
250
200
H16
H17
H18
H19
H20
H21
H22
H24
H25
※H26から新会計基準を適⽤している。
※H26の収⼊には、会計基準の⾒直しによる修繕引当⾦取崩の影響額 約75億円を含む。
3
平成26年度決算の姿
資本的収支(消費税込)の推移
(億円)
資本的収⼊
350
287
300
250
224
246
資本的支出
224
208 207
279
220 214
228
322
244
200
130
150
100
72
95
93
60
50
50
49
52
48
44
40
H20
H21
H22
H23
H24
H25
45
0
H16
H17
H18
H19
H26 H27予
※H26から新会計基準を適⽤している。
※H17の収⼊・支出には、企業債の借換による影響額 約23億円を含む。
※H18の収⼊・支出には、企業債の借換による影響額 約55億円を含む。
4 主要事業
【1
水源の保全】
水源の確保や水源の保全・水質管理の強化を図ることにより、これからも安全
で良質な水の供給を目指す。
〇豊平川水道水源水質保全事業
・・・水管橋の新設工事(下部工)など
・・・事業費 3億円
【図表】豊平川水道水源水質保全事業
豊平川水道水源水質保全事業
◆事業期間・・・平成17〜32年度
◆総事業費・・・約 187億円
4 主要事業
【2
経年劣化対策】
水道施設の計画的・効率的な整備・維持管理を進め、故障や事故の発⽣を未然
に防止することで水道施設の機能を保全する。
〇配水管更新事業
・・・配水管更新計画に基づき49.2㎞を更新
・・・事業費 39億円
◆事業期間・・・第1期 平成25〜36年度
◆事業延⻑・・・約704km
◆総事業費・・・約550億円
※ 平成26年度末配水管総延⻑ 5,934km
【図表】配水管の年度別布設延長
4 主要事業
【3
災害対策】
水道施設の耐震性を向上させることで、災害に強い水道システムを構築し、安
全安定給水を確保する。
【図表】送水管布設位置図
〇白川第3送水管新設事業
・・・山岳部のシールド工事など
・・・事業費 16億円
◆事業期間・・・平成15〜30年度
◆総事業費・・・約256億円
〇耐震化事業
・・・水道施設耐震化事業
(平岸配水池、南沢第3配水池)
・・・災害時重要管路耐震化事業
(救急告⽰医療機関6カ所、透析医療機関6カ所)
・・・幹線連続耐震化事業 2.0km
(⻄13丁目、北栄、東北通、平岸連絡、平岸第1)
・・・事業費 32億円
〇緊急貯水槽整備事業
・・・白石区複合庁舎、平岸小学校、発寒中学校
・・・事業費 3億円
【図表】緊急貯水槽のイメージ図