Basic Manual - 株式会社バイオデント

Basic Manual
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1. はじめに
ISA(イミディエート・サージカル・アンカー)は 2004 年より販売を開始した、日本製セルフドリリングでは
国内唯一の歯科矯正用アンカースクリューです。(2015 年 3 月現在)
また、ISA は日本大学歯学部矯正科の協力を得て、エビデンスを基に開発・設計され、現在全国の歯科医院様
にご使用いただいております。
本書は「ISA アンカースクリュー」を正しく有効にご使用いただくため作成しました。
ご使用になる際は一般社団法人日本矯正歯科学会が発行する「歯科矯正用アンカースクリューガイドライン」
、
本マニュアル及び添付文書をお読みになりご使用下さい。
準備する器材
■
基本セット
スクリューケース
トルクドライバー
ヘキサゴン
ヘキサゴン
(スクリュースタンド)
B35-132(B35-133)
(BD ハンドル)
B35-134(B35-131)
ドライバーチップ ISA 用
ドライバーチップ CA ISA 用
B35-137
B35-138
( )
( )
ドリルΦ 1.5
マシーンマニュアル
(口蓋正中用)
IP040-06002
コンバーター
IP020-27004
注射器
麻酔液
ガーゼ、ワッテ
ミラー× 1~2 本
探針
ペリオプローブ
ドリルΦ 1.3(下顎用)
DT-TE73111650
■
ラチェットレンチ
Y30-496
その他器材
ピンセット
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2. 各種器材
ISA Advance
径
2.1mm
Φ 1.6
スクリュー
長さ
切れの良いカッティングエンド
トルクドライバー/ヘキサゴンドライバーチップ
Φ 2.0
BD ハンドル/ヘキサゴンドライバーチップ
チップをセット後、ホルダーをしっかり戻す
使用部位:頬舌唇側歯槽部 他
ドライバーチップをセット
電動ドライバー
ドライバーチップをセット後、ホルダーを戻す
使用部位:正中口蓋/口蓋歯槽部 他
コントラヘッドへの取り付け方法は
各社のマニュアルをご確認ください
ラチェットレンチ
三つのパーツを組み立ててご使用ください
+
+
ヘキサゴンドライバーチップ CA ISA 用 マシーンマニュアルコンバーター
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コード番号
P16-6A
P16-8A
P16-10A
P20-4A
P20-6A
P20-8A
使用部位:頬舌唇側歯槽部 他
チップホルダーを引く
ドライバーチップホルダーをゆるめる
長さ
6mm
8mm
10mm
4mm
6mm
8mm
ラチェットレンチ
3. アンカースクリューの選択(推奨例)
※個々の症例にてご判断をお願いいたします
❿
❾
10-12mm
❷ ❸
6-8mm
❻
❺
⓬
❶
❹
❽
6-8mm
10-12mm
■
❼
⓫
埋入部位と使用器具(付着歯肉への埋入)
埋入部位
口蓋正中部 ❶ 5 番近心~ 6 番遠心
❷ 頬側 5 ~ 6 間
上顎
下顎
❸ 頬側 6 ~ 7 間
歯槽部
歯槽骨
❹ 口蓋側 5 ~ 6 間
❺ 口蓋側 6 ~ 7 間
❻ 脆弱歯槽部
❼ 頬側 5 ~ 6 間
❽ 頬側 6 ~ 7 間
推奨 ISA 径/長さ ドリルの有無/径
Φ 2.0 / 6mm
Φ 1.5
Φ 1.6 / 6mm
Φ 1.6 / 8mm
Φ 1.6 / 8mm
Φ 1.6 / 10mm
Φ 2.0 / 8mm
Φ 1.6 / 6mm
Φ 1.6 / 8mm
無
Ti- フック
ー
PLAS
○
ショート
又は
ー
ロング
Φ 1.3
(インダイレクトアンカレッジ)
※骨の厚みによってはドリルが必要な場合があります。
■
埋入部位と使用器具(可動粘膜部への埋入)
埋入部位
上顎
歯槽部
❾ 歯槽部 可動粘膜部
❿ 脆弱歯槽部 可動粘膜部
歯槽部
⓫ 歯槽部 可動粘膜部
その他
⓬頬側棚
下顎
推奨 ISA 径/長さ ドリルの有無/径
Φ 1.6 / 6mm
無
Φ 1.6 / 8mm
Φ 2.0 / 8mm
Φ 1.6 / 6mm
Φ 1.6 / 8mm
Φ 1.6 / 6mm
Φ 1.3
Φ 1.6 / 8mm
Φ 1.6 / 10mm
Ti- フック
切開
縫合
ショート
又は
ロング
2 ~ 3mm
不要
10mm
要
(インダイレクトアンカレッジ)
ロング
※骨の厚みによってはドリルが必要な場合があります。
※ ❻❿は同部位にて埋入時、骨質が脆弱な場合の推奨となります。
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4. 器材の滅菌
※注意 「ISA アンカースクリュー」は未滅菌の状態で出荷されます。ご使用前
に必ず関連器具と同様に滅菌して下さい。
■オートクレーブ滅菌(121℃で 20 分~ 30 分)
■滅菌後はパッケージにサインが出ます。
5. 口腔内消毒/麻酔
■ 口腔内消毒
手術部位を清潔に保つため、口腔内を消毒します。
・イソジン/塩化ベンザルコニウム液を使用するのが一般的です。
■ 麻酔
浸潤麻酔を行います。歯根膜に知覚を残す目的で麻酔
量は 0.3cc 程度にします。
(表面麻酔を併用することをお勧めいたします。)
■ 埋入部位印記
ブラケットスロット、または最大豊隆ラインから目的
の位置にプローブを使用して埋入位置を印記します。
探針を使用して埋入位置を更に明確にします。
印記した部位がコンタクト直下に位置しているか確認
することが大切です。
*探針を使用するのは省略可
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6. アンカースクリューの植立
滅菌済みの ISA パッケージを開封して、アンカースクリューに直接触れることなく、専用ドライバーにて セットします。
①スタンドを使用した場合
①滅菌バッグの場合
埋入方向を確認しながら、適正トルク5N・cm ~ 10N・cm でゆっくりと埋入します。
埋入トルクを確認できるドライバーを推奨します。
B35-134 トルクドライバー 標準価格 ¥39,600(税別)
トレーサビリティ
本品にはカルテシールが付いています。これによって患者さんに
使用した製品の特定ができます。
①レントゲン ②患者さんカルテ ③患者さん報告書 等にご使用下さい。
※注意
・埋入時、強い抵抗がある場合は、無理をせずに誘導孔(プレドリリング)を形成して下さい。
・歯根への干渉が疑われる場合はただちに撤去し、埋入部位を変更して下さい。
(歯科矯正用アンカースクリューガイドライン参照)
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■ 切開
埋入部位によって歯肉切開が必要な場合があります。
(切開の量:目安)
❶歯槽部可動粘膜
❷キーリッジ可動粘膜
❸梨状孔下縁
2mm~3mm
10mm~15mm
10mm~15mm
口腔内を消毒し、可動粘膜部に浸潤麻酔をします。
埋入位置から目的とする方向に必要量の切開をし、
埋入部を剥離します。
可動粘膜 / キーリッジ
2
1
❸
梨状孔下縁
■ ドリリング
部位・骨質によってツイストドリルによる誘導孔作成が必要な場合があります。
口蓋正中
下顎歯槽骨
※注意
骨の発熱を防ぐ為、生理食塩水を注入すること。
・歯根への干渉を防ぐ為、骨面に対し 30~60°傾斜させて誘導孔を形成する。
・エンジン回転数 500 ~ 800rpm
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7. 関連製品
Ti- フック
■ 種類
名称
ショート
ロング
サイズ
A: Φ 1.9 / B:7.5mm
A: Φ 1.3 / B:14.5mm
コード番号
B35-061
B35-062
使用できる Ti- フック
Ti- フックの
ショート
ロング
Φ 1.6
○
○
Φ 2.0
○
×
ISA 種類
B
A
種類
■ 使用方法
プライヤー等を用いて、曲げて使用します。
・牽引の際フックとして使用できます。
・インダイレクトアンカレッジとして使用できます。
Ti - フック(ロング)を直接歯牙へボンディングして固定源にします。
●臼歯のアップライト例
治療前
治療後
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PLAS
■ 種類
レバーアームサイズ
Φ 0.9
Φ 1.2
コード番号
B35-210
B35-211
PLAS(パラタル・レバー・アーム・システム)はクリップ部を有する歯列矯正用ワイヤーです。
クリップ部を利用した応用例を紹介致します。(特許 第 5660507 号)
■主な使用材料
ISA Advance Φ 2.0 / 6mm P20-6A
2本
PLAS Φ 0.9(Φ 1.2)
B35-210(B35-211)
1本
ドリル Φ 1.5
IP040-06002
1本
結紮用モジュール(チェーンエラスティック)
A854-279
数個
セパレーティングプライヤー
Y22-551
1本
【口蓋へのドリル】
ドリルの回転数は 500 ~ 800 回転、注水下で処置する。
【埋入位置の目安】
①遠心側のスクリュー埋入部は6,7番のコンタクトの位置を目安にする。その部分から 6mm ~ 9mm 近心に 2 本目のスク
リューを埋入する。
② 25 歳以上であれば口蓋正中に埋入可能であるが、若年層の場合は 1mm ~ 2mm 側方に埋入する。2mm 以上になると鼻腔
に抜けてしまうことがあるため注意が必要。 ③遠心移動させる症例ではⅡ級の強い側に寄せて埋入する。
→そうすることでアームが短くなり、ワイヤー剛性が高くなるため、より有効にアームを使用することができる。
(ポイント!遠心側のスクリュー埋入部位について)
正面からアプローチするため、6,7 コンタクト位置よりも遠心(奥)に埋入される傾向があると報告を受けました。奥過ぎると「軟
口蓋に近づくこと」・「食べ物を飲み込む際の舌圧」が原因で、脱離率が上がる事が予想されます。
ですので、口蓋粘膜上に外科用マーカーやプローブ等 で埋入位置を印記し、しっかり埋入位置を事前にご確認ください。6
番近遠心センターを目安にすると良いようです。
若年層の場合
正中から1mm~
2mm側方に避ける
6mm~
9mm
遠心側スクリューは6、
7番のコンタクト位置を
目安に
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【ドリリング】
①Φ 1.5 のドリルを使用します。
スクリューの長さが 6mm、口蓋粘膜の厚みが約 1mm とすると、7mm の
ドリリングが必要になります。
②あらかじめドリルの 7mm の箇所にモジュールなどでマーキングをして
おくと便利です。
モジュール
③埋入位置にも、あらかじめプローブ等で目印をつけておくと便利です。
④連続して2か所のドリリングすることをお勧めします。
1本ずつ埋入すると、スクリューヘッドが左右にズレるなど、PLAS が適用できなくなる場合があります。
⑤ドリリングの際、埋入点にツイストドリルを置いてから回転させると
2か所連続して
ドリリングを行う
ツイストドリルが滑ってしまいます。埋入点に近づけ、あらかじめ
回転させた状態で埋入点にドリリングして下さい。
また、必ず注水下で行って下さい。
【スクリュー埋入】
①スクリュー落下で誤飲・誤嚥を防ぐため、しっかりとキャリングしたことを確認してから埋入して下さい。
②埋入の際は電動ドライバー、ラチェットレンチの使用をおすすめします。
③スクリューヘッドを少し浮かせて埋入しておくと、歯肉が盛り上がった場合でも、PLAS の装着部分が埋もれません。
↔
埋入されたスクリューが多少傾いていても問題ありません。
0.5mm
0.5mm 程度離して植立する
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④ ISA アドバンス埋入後はスクリュー脱落による誤飲・誤嚥の可能性も考慮し、リガチャーワイヤーで結紮しておきます。
【レバーアームの屈曲】
①あらかじめ採取していた模型上でレバーアームの屈曲をします。
口蓋の形状に合わせて屈曲し、フックの高さを引きたい位置に設定して下さい。
大臼歯の遠心移動をする際、PLAS クリップは近心方向に向きます。近心移動の際はその逆になります。
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1
2
口蓋に合わせて屈曲
模型上で試適①
3
4
模型上で試適②
フックの位置を確認
5
6
フックを屈曲
調整完了
【PLAS セット】
①着脱はセパレーティングプライヤーが使用できます。
クリップ部を強く広げすぎると、永久変形してしまうので注意が必要です。
②装着する時は遠心部をしっかりと固定して、次にクリップ近心部でスクリューを
挟み込みます。
遠心部しっかりと固定
この部分で固定されるので
近心方向にフィットさせてください。
クリップ近心部でしっかりと固定
③モジュールをかけると脱落を防ぐことができます
モジュールをかける
【クリップ調整方法】
開いてしまったクリップはスリージョーで調整ができます。
スリージョーでかしめる
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7. アフターケア
■ 術後の投薬
・抗生物質 → 感染防止
・痛み止め → 付着歯肉部への埋入は痛みが少ないこともありますが、
状況により投薬します。
■ 患者さんへの注意
・手指、舌等でアンカースクリューに力を加えない。
・術後数日間は洗口剤を使用し、その後は軽くブラッシングする。
・硬いもの、ガム等の粘着性の高い食品を控えるように指導をする。
・スクリューの動揺・痛み・その他変化があったら、歯科医師に相談する。
8. 撤去
・植立部位に表面麻酔を施す。
・ドライバーを逆回転することにより撤去する。
※ほとんどの場合は容易に撤去が可能です。
※注意
・アンカースクリュー頭部を粘膜が覆うような場合は、浸潤麻酔を施した後、切開して撤去する。
・撤去後、縫合をする。
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歯科矯正用アンカースクリュー使用に関する 患者さん同意書
アンカースクリューって何?
従来の矯正治療では、歯を効率的に動かす目的で、図 ( → ) のようなヘッド
ギヤなどの顎外固定装置が多く使われてきました。しかし、治療が成功す
るかどうかは、患者さんがこの装置を使うかどうかに関わっており、また、
使用時間が限られるため、医師の思うように効率的に歯を動かすことが困
難でした。
そこで、図 ( ← ) のような歯科矯正用アンカースクリューが開発されました。
これは、生体への害が無く、骨との親和性が高いチタン合金という材質で
作られており、一生涯体内に埋設する人工関節などにも応用されています。
スクリュー埋入後の注意点
埋入後は、化膿止めと痛み止めのお薬が出ますので医師の指示に従って飲んで下さい。ほとんどの場合、術
後に痛みがでることはありません。万一痛むようでしたら、痛み止めを飲むようにして下さい。
術後 2 週間は、スクリュー周囲のブラッシングは避け ( 他の部位は良く磨いて下さい )、硬い食べ物やガム
も摂らないようにし、スクリューに力がかからないように注意して下さい。食事中のスクリューへの過度の負
荷が、スクリュー脱落の原因です。スクリューを指で触るなどの行為は絶対に行わないで下さい。
術後2週間を過ぎたら、スクリュー周囲にも歯ブラシを軽く当てて歯垢を良く落として下さい。電動の歯ブ
ラシは使用しないで下さい。
十分に注意しても、骨の硬さ、体質によってスクリューが脱落する場合があります。その場合はもう一度植
えなおします。また稀ですが、体質的にどうしてもスクリューが付かないときは、他の装置に切り替える場合
もありますので、その際はご了承下さい。治療後はスクリューを除去しますが、ほとんど痛みも無く、簡単に
取り外すことができます。
矯正治療においては、このスクリューを図 ( → ) のように顎の骨に植え、こ
れを固定源として歯を移動するため、歯を効率的に移動できるようになり
ました。
以上の注意点を理解し、歯科矯正用アンカースクリューを使用した矯正治療を受けることに同意いたします。
年 月 日
患者様氏名 印
患者様保護者氏名 印
高度 医療機器承認番号 22500BZX00140000 管理 医療機器認証番号 225AGBZX00034000 221AGB2X00198000 20300BZY01012000 224ALBZX00012000 一般 医療機器届出番号 13B1X00053P00006 11B1X1000658D901 13B1X00053B00027 13B1X00053P00007 11B1X1000639D107
11B1X1000658D701 11B1X1000658D801 13B2X00094000122 医療機器承認番号 22000BZX00504000 特定保守
製造販売
株式会社バイオデント
〒 116-0013 東京都荒川区西日暮里 2-33-19 YDM 日暮里ビル
TEL 03-5604-0980 FAX 03-3801-7560
Email : [email protected] http://biodent.co.jp/
第 4 版 2015 年 7 月
0120-49-0980
※携帯・PHS からもご利用になれます。