(公社)日本医療 社会福祉協会ニュース

(公社)日本医療社会福祉協会ニュース No.H27-4 2016.1.31
NEWS
(公社)日本医療
社会福祉協会ニュース
IATION OF SOCIAL WORKERS IN HEALT
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No.H27-4 2016.1.31
Topics 認定医療社会福祉士を取得しましょう!
会長 早坂 由美子
先日、イギリスのオクスフォー
MSW の経験を持ち、研修参加等
要望をしていくことも可能だと思
ド大学マイケルAオズボーン准教
の一定の条件を満たした方に対し
います。認定の新規申請について
授の「未来の雇用」という論文で
て当協会で認定しているもので
は第7期(申請期間2016年4月1
「10年後に生き残る職業」の一つ
す。認定の目的は専門職としての
日~2017年1月10日)までは都道
としてソーシャルワーカーがあげ
質の向上です。ソーシャルワーク
府県協会の研修などが幅広に認め
られている記事を読みました。将
は実践に基づいた学問ですので、
られる経過措置期間となっていま
来はコンピューターが数多くの仕
経験は大きな要素となりますが、
す。(経過措置は第7期で終了で
事をするようになる一方で、人間
ただ経験年数を重ねるだけで専門
す。)また第1期認定者の更新も
のソフトな部分のニーズは高まる
職と言えるでしょうか。ソーシャ
始まっています。是非とも条件を
と言うのです。
ルワーカーである私たちは、日々
満たす多くの方々に新規取得、お
それを受け、私の会長としての
変化している社会情勢に敏感にな
よび更新をしていただきたいと思
今年の目標は、
「将来に向け保健
り、その中で生活をしているクラ
います。
医療分野のソーシャルワーカー
イエントの福祉を守り、エンパワ
また当協会や都道府県協会など
(以下:MSW)の質の担保を目指
メントを支えないといけません。
の専門職団体への入会について
し、認定医療社会福祉士を500人
そのためには私たち自身の自己研
も、お知り合いでまだ入会してい
超にする。
」ということをあげた
鑚とミクロからメゾ、マクロへと
ない方がいらしたら、是非入会を
いと思います。ご存知のように認
視野を広げ、社会貢献、活動をす
勧めてください(但しそれぞれの
定医療社会福祉士は、5年以上の
る意識を持つことはとても大切な
団体の入会条件があります)。現
ことです。認定医療社会福祉士を
在、MSW として働いている方々
目指すことはその一歩になると思
は全国で約20000人ですが、その
います。
うち専門職団体の会員は、当協会
CONTENTS
Topics
認定医療社会福祉士を取得しましょう! 1
「救急認定ソーシャルワーカー認定
機構」が設立されました
2
2016年度全国大会のご案内②
3
都道府県協会からのメッセージ㉝ 4
会員リレー㉖
5
東日本大震災後、4回目のお正月を
迎えて
5
各部・各担当チーム活動報告
6
研修インフォメーション
11
あなたに贈るこの1冊③
12
会員の皆様からはよく「認定を
の会員が約5000人、都道府県の協
取るとどんなメリットがある
会のみの会員が約5000人と合わせ
の?」と聞かれます。今はそれに
ても約半数です。「10年後に生き
よる制度に基づく報酬などはあり
残る職業」の専門性を高めるため
ません。しかしある程度の人数が
にできることから一緒に取り組ん
全国的に存在するようになれば、
でいきましょう。
より社会的認知も得られ、様々な
1
(公社)日本医療社会福祉協会ニュース No.H27-4 2016.1.31
「救急認定ソーシャルワーカー認定機構」
が設立されました
国立病院機構 大阪医療センター 太田 裕子
平成27年11月17日、日本医療社会福祉学会と日本臨床救急医学会を構成団体に、当協会と日本精神保健福祉士
協会を協力団体として、「救急認定ソーシャルワーカー認定機構」が設立されました。
本機構は、救急医療現場におけるソーシャルワーク実践に必要な知識及び技術を有するソーシャルワーカーを
養成し、統一した基準の下にその認定を行うことで、救急医療の質の向上および人間の福利(ウェルビーイング)
の増進に貢献することを目的としています。
現在、下表の本機構理事を中心に、平成29年4月に第1回の救急認定ソーシャルワーカー登録を目指し、平成
28年度中の研修開催や試験実施の準備をしています。
理事
代表
役職 氏名
副代表理事
所属
推薦団体
岡本 民夫
同志社大学
日本医療社会
福祉学会
笹岡 眞弓
文京学院大学
日本医療社会
福祉学会
理 事
水溜 丹都子 神戸赤十字病院
日本臨床救急
医学会
溝端 康光
大阪市立大学大学院
日本臨床救急
医学会
伊藤 茂樹
石巻赤十字病院
日本臨床救急
医学会
太田 裕子
大阪医療センター
日本医療社会
福祉協会
岩尾 貴
日本精神保健福祉士協会
日本精神保健
福祉士協会
定光 大海
大阪医療センター
日本臨床救急
医学会
佐藤 圭介
帝京大学医学部附属病院
日本臨床救急
医学会
佐原 まち子 WITH 医療福祉実践研究所
日本医療社会
福祉学会
篠原 純史
日本医療社会
福祉学会
高崎総合医療センター
〇救急認定ソーシャルワーカー認定機構 設立シンポジウム・説明会のご案内
日 時:平成28年5月29日(日)10:00~11:30(9:30受付)
※第64回公益社団法人日本医療社会福祉協会全国大会(新潟大会)の翌日
会 場:新潟大学医学部内 「新潟医療人育成センター4階ホール」
(新潟県新潟市中央区旭町通一番町757番地)
※詳細は、会場のホームページをご参照下さい。 http://www. nuh. niigata-u. ac. jp/nmp/
参 加 費:500円(資料代として当日徴収いたします。)
定 員:200名(先着順。定員になり次第、締切とさせていただきます。)
申込方法:下記アドレスまで、参加希望者の「氏名・所属・連絡先(メールアドレス)」をご連絡下さい。
emergencysocialworker@gmail. com
申込締切:平成28年4月28日(木) ※定員に達した場合のみ、ご連絡させていただきます。
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(公社)日本医療社会福祉協会ニュース No.H27-4 2016.1.31
2016 年度全国大会のご案内②
第64回 公益社団法人日本医療社会福祉協会全国大会
第64回 公益社団法人日本医療社会福祉協会全国大会
第36回 日本医療社会事業学会
第36回 日本医療社会事業学会
2016
5
26 28
(木)
(土)
大会テーマ
生きる力に寄り添うソーシャルワーク
生きる力に寄り添うソーシャルワーク
∼現在・過去・未来∼
∼現在・過去・未来∼
会場:朱鷺メッセ(新潟県新潟市中央区万代島6−1)
会場:朱鷺メッセ(新潟県新潟市中央区万代島6−1)
新潟大会の開催まで残り半年を切りました。新潟県医療ソーシャルワーカー協会創設60周年の節目を飾る記念
事業ということもあり、先達が道を切り開き、一里塚を建てて下さったように、この大会が全国のソーシャル
ワーカーの新たな道標になることができるよう、実行委員が一丸となって企画しております。
今大会は新潟企画として、新潟水俣病被害者の会と、音楽家デュオ「エスペランサ」からご自身の闘病体験や、
偏見との闘い、その生活の中で涵養(かんよう)された“希望”や“勇気”について、謦咳に接する機会をセッ
ティングいたしました。これは、当協会が以前から取り組んできた「当事者の声を聴く」ということを、より多
くのソーシャルワーカーと共有したいという翹望(ぎょうぼう)からです。日々変わりゆく社会情勢や制度変革
の中で、我々ソーシャルワーカーは、時に目指すべき方向を見失ってしまうこともあるのではないでしょうか。
そんな時には、目の前のクライエントの声が原点に立ち戻るきっかけになるはずです。
師弟鼎談では、クライエントのライフヒストリーの聴き出し方を、日本福祉大学名誉教授の牧野忠康先生が参
加者の目の前で実演します。大会テーマである「生きる力に寄り添うソーシャルワーク~現在・過去・未来~」
の実践を見て感じて深めることで、明日からのソーシャルワークに活かせるヒントを受け取っていただければ幸
いです。
また、交流会では新潟らしさを全開に、皆様に「風景さえ美味しい、うるおいの新潟」を満喫していただける
よう、多彩な催しを企画中です。多くの皆様からのご参画をお待ちしております。
【水俣病語り部と阿賀のお地蔵さま】
【阿賀野川の雄大な流れと人々の暮らしの歴史】
< 大会ホームページ > http://www.knt.co.jp/ec/2016/jaswhs
大会概要がご覧いただけます
3
(公社)日本医療社会福祉協会ニュース No.H27-4 2016.1.31
都道府県協会からの
埼玉県医療社会事業協会からのメッセージ
会長 杉山 明伸
埼玉県医療社会事業協会は設立60周年を迎えてい
新法人として、協会のあり方は基本的に「これま
ます。この節目に私たちは公益社団法人へと衣替え
で通り」を維持していく予定です。現時点では事
いたしました。当協会は1956年3月に結成され、埼
務・財務手続きの煩雑さに難渋しているところです
玉で繰り広げられている数々の生活の営みを受けと
が、この先、公益性に合致するのなら、新たな事業
めつつ、先輩・同朋たちが一石ずつ実践を積み重ね
を展開することが比較的容易になることも承知して
てきました。1969年から社団法人の認可をいただい
います。昨今の社会保障制度や診療報酬の制限によ
ていましたが、2008年の一般社団・財団法人法施行
り、保健医療領域でソーシャルワークの独自性を発
により、2013年11月末までに新しい器への移行表明
揮するためには相当の創意工夫を必要としていま
を余儀なくされました。私たちは、私たちの日々の
す。保健医療機関という枠内では、この仕事を志し
活動ほど公益性の高いものはないと自負していまし
た時の想いを十分に表すことができない場面も増え
た。また、既に社団法人として、県民を対象とした
ていくのかもしれないと推察します。その時こそ、
医療福祉相談会を実施し、県単位・ブロック単位の
本協会という舞台で、会員が現実のとらわれから解
研修を一般にも開放して開催することにより、自ら
放されて知恵を出し合い、ソーシャルワークの理念
の資質向上とともに、県内の医療福祉の充実に幾ば
を業務に反映させ、結果として埼玉県民の生活の安
くかの寄与してきたつもりでしたので、公益社団へ
寧に少しでも貢献する事業を始められたらと願って
の変更を願いました。しかし、関係諸氏からは容易
います。しかし、本質的に最も大事なのは、会員一
な道ではないとの注意を頂戴しました。
人一人が“公益”に相応しいソーシャルワーカーで
あるかを問い、県民の期待に応えるべく鍛錬を続け
そこで、まずは理事が総務省主催の研修会等に参
ていくことだろうと自戒しています。
加して、この法律の理解に努めました。更に本制度
に詳しい弁護士・司法書士・税理士に相談する機会
も設け、いずれの方からも、定款や財務処理等の変
更が必要であるものの、制度改革の趣旨を素直に解
釈する限り、
「現状のままで公益社団法人への移行
が可能」との判断をいただきました。これに意を強
くし、理事会は殊更の事業追加や団体名変更などは
せず、公益社団を目指す手続きに入る決断をしまし
た。会員は総会・会報などで経過を知り、重ねて討
議し、県協会としての方針を選択しました。2012年
12月に正式申請し、修正を経て、2014年12月に県よ
り認定書を受領しました。当初の素朴な願いが叶っ
たことを素直に喜んでいる次第です。
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(公社)日本医療社会福祉協会ニュース No.H27-4 2016.1.31
会 員 リ レ ー 26
●前橋協立病院の紹介●
医療福祉相談室 佐藤 美奈子
前橋協立病院は、一般病床105床・回復期リハビリ病棟51床・療養型病棟33床の189床の病院です。
1952年に病床数8床の診療所からの創設以来、
「何時でも、何処でも、誰もが安心して受けられる医療」の実
現を目指して患者さんや地域の方々と共に歩み、現在の病床まで増床し発展しました。群馬県の県都である前橋
市の医療の特徴としては、地域医療支援病院が多い地域になっています。このような中で、当院は、創設以来の
医療提供の他、急性期医療からリハビリ、在宅医療に至る総合的な医療・福祉の提供を担う病院となっていま
す。特に、リハビリに力を入れ、回復期リハビリ病棟では地域医療連携パスで近隣の医療機関から多くの患者さ
んを受け入れています。
当院のソーシャルワーカーは4名です。同じ部屋に、訪問診療担当の
退院調整看護師2名、外来看護師長がいて、訪問診療につなぐ患者さん
や様々な問題を抱えた患者さんのことについてすぐに相談ができる環
境にあります。回復期リハビリ病棟には、ソーシャルワーカー1名を
専従配置し、入院時から他職種と共同し、患者さん・家族の生活の再
設計に向けて支援をしています。また「無料低額診療事業」にも取り
組んでいます。経済的な理由によって必要な医療を受けられなくて困っ
ている方からの相談を受けて、診療費用のことだけではなく、公的制度
や社会資源を活用し、生活の立て直しに向けての支援も行っています。
東日本大震災後、4回目のお正月を迎えて
災害支援チーム 石巻現地スタッフ 一同
2015年は仮設住宅から復興住宅への移行が進んだ1年となりました。
石巻市は、復興住宅を4,500戸整備する計画としており、今年度末には2,451戸の住宅が完成予定です。予定戸
数の半分以上が完成し、引っ越しも進んでいます。
しかし、昨年10月末現在で16,823人が未だ仮住まいをされています。これは石巻市全人口の10分の1以上にあ
たります。
住民は、安定した生活の場を決める事の困難さ、仮設住宅でできたコミュニティからまた新たなコミュニティ
へ移る不安、入居の申込や引っ越しに伴う手続きや作業の大変さに向き合っています。そんな時に SW が共に
考え、支援する事で生活する力を取り戻していく方もいます。その人の生活を共にイメージし、実現できるよう
に一緒に動ける SW だからこそ、出来る支援があります。
震災から4年10ヶ月。少しずつ復興の兆しも見えており、お正月準備やご近所さんとのお茶っこなど新しい環
境の中で、
『日常の生活』を取り戻している一面も伺えます。
安定した暮らしの場があるから安心した生活が送れる。住民のみなさんがそんな生活を取り戻せるようにこれ
からも現地活動を行っていきます。
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(公社)日本医療社会福祉協会ニュース No.H27-4 2016.1.31
各
部・
各担当チーム活動
報 告
会長・副会長
(一社)日本社会福祉教育学校連盟創設 60 周年事業 関係団体懇談会報告
~ 2017 年 4 月 教育 3 団体の統合へ~
副会長 林 真紀
日本社会福祉教育学校連盟創設 60 周年事業が、2015 年 10 月 30 日(金)同志社大学で開催され、当協会からは、
会長の早坂、副会長の林が出席いたしました。日本ソーシャルワーク教育団体連絡協議会は、日本社会福祉教育学校連
盟(以下、学校連盟)
、日本社会福祉士養成校協会(社養協)
、日本精神保健福祉士養成校協会(精養協)で構成され、
福祉新聞等において報道されたように、2017 年 4 月に向けて統合を目指すことが各団体の総会で決議されています。
当日は福祉系大学経営者協議会も出席され、関係団体懇談会の席上、学校連盟 二木立会長より、統合に向けた経緯と
狙いが説明されました。懇談会には、当協会を含む社会福祉専門職団体協議会もオブザーバーとして参加いたしました。
学校連盟は、日本社会事業学校連盟を前身とする学術研究団体であり、創設当時は今の文科省が主管でした。社会福
祉士や精神保健福祉士の成立の後、厚労省を主管とする社養協や精養協が創設され、ソーシャルワーク教育を担う三団
体となりました。各団体が協力しながら歩んできた経過がありますが、昨今の社会福祉に求められる質の高さと教育の
課題を鑑み、三団体の力を結集し、発信力を強化することが急務となりました。また文科省、厚労省とわかれていまし
たが、法人体系の仕組みの変化が後押しにもなったようです。
関係団体懇談会では、オブザーバーである私たち専門職団体にも意見が求められ、実習教育やスーパービジョンの充実、
ならびに質の担保と人材の量的確保が現場でも大きな課題であることが述べられました。保健医療分野では、IPE、
IPW といった教育から現任に至る多職種連携教育は、もはや当たり前であり、教育団体と専門職団体の協力が不可欠で
あることを繰り返し、伝えております。
創設 60 周年記念事業では、このあと、学校連盟の歴代会長対談、夜は懇親会が行われ、繰り返し何度も、社会福祉
のおかれている状況に応えられる人材の養成、自分達がやるべきことを発信していかねばならないと強調されました。
調査研究部
調査研究部担当理事 山﨑 まどか
平成 28 年度診療報酬改定に向けて、当協会では「1.地域包括ケア病棟入院料、入院医療管理料の病棟における
社会福祉士専従配置加算」
、
「2.療養病棟における社会福祉士専従配置加算」
、
「3.救急医療管理加算を算定する場合、
その病院に社会福祉士が 50 床に一人以上配置されている場合の更なる加算」の創設について要望書を提出しました。
詳細はホームページ(http://www.jaswhs.or.jp/report/sw20150706.php)をご覧ください。
現在、中央社会保険医療協議会(中医協)では、
「急性期入院医療における機能分化について」
、
「退院支援の専従職員
配置について」
、
「療養病床のあり方」
、
「在宅医療における評価の見直し(同一建物居住者への訪問等)
」等が議論されて
います。当協会では前回同様、説明会を全国 6 ヶ所(北海道、東北、東京、関西、四国、九州)で開催予定です。診療
報酬改定後に実態調査も行う予定ですので、引き続きご協力を賜わりますようお願いいたします。
また、
「2015 年度人生の最終段階における意思決定支援研修会」では、多くの皆様にお申込み頂きありがとうござ
いました。来年度もこの人生の最終段階における意思決定支援研修会を開催すると共に 5 月の全国大会(新潟県)では
シンポジウムを行いますのでぜひお越しください。
6
(公社)日本医療社会福祉協会ニュース No.H27-4 2016.1.31
認定事業部
新年度から『スーパーバイザー養成認定研修』の受講要件が変わります!
認定事業部担当理事 野口 百香
平成 24 年度から再スタートした『スーパーバイザー養成認定研修』ですが、この4年間で東京と関西を中心に7回開
催し、200 余名の会員に受講頂きました。
これまでは、
『経験年数 10 年以上』の現任者を受講の要件としてきましたが、バイジーの立場にある時期からスーパー
ビジョンの理解を深め、バイザーとバイジーが共通のスーパービジョンの認識が持てるように、新年度から『経験年数
10 年未満』の現任者にも参加できるように受講要件を変更します。
保健医療分野の現場では、医療政策や診療報酬の関係でソーシャルワーカーに課せられる任務が退院調整に偏重し、と
もすれば私達が医療現場に存在していることの意義を見失いかねません。また年々増加する業務に対し、新たに入職して
くる若いソーシャルワーカーには、即戦力として業務をこなすことが求められています。そんな疲弊しがちな現場におい
てソーシャルワーカーとしての業務の質を担保し、新人ソーシャルワーカーが守られ、自信をもって任務に当たれる環境
を用意するためには、現場において日常的にスーパービジョンを行える体制作りが欠かせません。是非、バイザーとバイ
ジーの方が一緒に参加してみて下さい。
なお 10 年以上の現任者には、これまで同様、修了証の他に当協会の会長名でスーパーバイザーとしての力量を有する
ことの証明として「推薦状」を発行します。そして「認定社会福祉士制度 経過措置期間におけるスーパーバイザー」と
して認定社会福祉士認証認定機構に登録申請を行うために受講が必須となっている『認定社会福祉士スーパービジョン説
明会』(3時間程度の講義やビデオ視聴と質疑応答、参加費無料)も、当協会主催で平成 28 年5月 29 日(日)に新潟
において開催しますので、併せて奮ってご参加下さい。
社会活動部
「医療基本法」制定に向けて、市民向けパンフレットを活用してください!
社会活動部担当理事 水溜 丹都子
「医療基本法」が目指すものは、患者の幸福追求権(憲法 13 条)や生存権(憲法 25 条)が実現できる医療制度の
確立です。医療基本法は、医療法や健康保険法、医師法などすべての医療関連法規に共通する本質的な理念や目的、原
則、方針などの根幹部分を規定し、その内容を統一的に再整理していく指導的な位置づけをもつものです。保健医療機
関におけるソーシャルワーカーのいくつかの業務は、医療ソーシャルワーカー業務指針(厚生労働省健康局長通知)や、
健康保険制度の診療報酬(厚生労働省告示、保険局長通知、保険局医療課長・歯科医療管理官連名通知)などに位置づ
けられるようになりました。しかし、保健医療機関における本質的な「福祉援助業務」については、制度上、いまだ明
確ではありません。その主たる要因は、
現状の医療関連の「法律」レベルで、福祉に根ざすわたしたちの援助業務はまっ
たく規定されていないからです。この本質的な「福祉援助業務」を医療領域でしっかりと根付かせ確立するためには、
医療基本法で明確にすることによって各種法律上に反映させていく必要があります。もしも医療基本法にこの部分がな
いまま成立したとしたら、
「福祉援助業務」は医療に根付く土壌を持たないことになってしまいます。
当会は「患者の権利法をつくる会」の活動に参画し、患者の権利が適切に実現できる医療現場の基盤づくりを目指す
中で、
「福祉援助業務」の根付く土壌が明記された医療基本法の制定を求めてきました。そして、市民向けパンフレット
では、
「私たちが考える「医療基本法案」はこうです!」の第一番目に、医療が目指す「健康」は身体的や精神的だけで
はなく社会的に良好な状態(ソーシャルウエルビーイング)を含むものである、という WHO 憲章の定義を明記してい
ます(5頁)
。このようなソーシャルウエルビーイングの視点を含む「医療」をめざそうとする医療基本法の制定に向け
て、この市民向けパンレットを活用していただき、社会的な啓発にぜひご協力くださいますようお願いいたします。
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(公社)日本医療社会福祉協会ニュース No.H27-4 2016.1.31
総務部
至急!会員システムサイトにご登録ください
(会員情報の管理・変更と会員名簿の閲覧が可能になります)
総務部長 飯島 望
◎ホームページ上で会員登録の変更・管理及び、会員検索・会員リストの閲覧を行うことができます。
これまで会員情報変更等の管理は、
必要書類をご記入いただき事務局に郵送することで手続きしていました。しかし、
これではタイムリーな登録変更が行えず、会員名簿への反映は 2 年に 1 度の発行時になっていました。
そこで、これを改善するため、ホームページ上に「会員システムサイト」を開設し、会員個人にログイン登録してい
ただくことでご自分の会員情報を変更・管理できるようにしました。
またこのサイトでは、
「会員リストの閲覧」や「会員の検索」、
「会員の所属する施設の検索」等を行うことができ、
「会
員リストの閲覧」ではリストをダウンロードすることができますので、最新の会員名簿としてご自分のパソコン等に保
管することができます(ダウンロードには改めて ID とパスワードの入力が必要です)。
また今後は、会員登録情報と研修参加状況を紐付けすることで、自分がどの研修に参加したかを確認できる様、シス
テムを構築する予定です。構築は次年度以降になりますので、詳しい内容が決まり次第、協会ニュース等でお知らせい
たします。
このシステムは、
会員の皆様に登録していただくことで円滑に運用できます。まだログイン登録のお済みでない方は、
早急にご登録ください。
※上記をご利用いただくには、
「会員システムサイト」にてログイン ID、パスワードを設定していただく必要があります。
詳しくは、協会ホームページから「会員システムサイト設置について」をご確認ください。
http://www.jaswhs.or.jp/
なお、止むを得ず登録を行えない場合は、協会事務局にメールもしくは電話、FAX にてご連絡ください。
組織運営部
副会長・組織運営部長 木川 幸一
全国大会について
2016 年第 64 回全国大会(にいがた)の事前参加登録は2月 22 日から4月8日までを予定しています。申込み
方法、プログラムについては全国大会ホームページをご覧ください。
第 64 回日本医療社会福祉協会全国大会ホームページ
http://www.knt.co.jp/ec/2016/jaswhs/outline.html
2017 年第 65 回全国大会の開催地は、北海道札幌市に決定しました。2018 年第 66 回開催地は会長会を通じて
募集中です。地元 MSW 協会へご要望をお伝えください!!
全国大会協賛募集のお願い
今回の全国大会より会員皆様から抄録に掲載する協賛広告を御願いすることに致しました。応募方法はニュースに同
封しました協賛募集要項をご確認いただいて、全国大会の趣旨へのご賛同と所属機関からの広告のご掲載、寄付支援に
ついて御検討をお願い申し上げます。
フレッシュ医療ソーシャルワーカー1日研修について
入職後2年未満の医療ソーシャルワーカーを対象としたフレッシュ研修の 2016 年開催地は、東京、大阪に加え、
初四国!香川の3会場開催を予定しています。詳細決まり次第、協会ホームページに掲載します。同期の仲間との交流
もあります!四国中国地区のフレッシュさんの参加をお待ちしております!!
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(公社)日本医療社会福祉協会ニュース No.H27-4 2016.1.31
会長会 第 16 回会議報告
都道府県協会によるメゾ・マクロ実践
─地域包括ケアへのアプローチ
全国医療ソーシャルワーカー協会会長会 代表 藤田 譲
去る 11 月 28 日、会長会第 16 回会議を
大阪にて開催いたしました。今回、48 協会
が揃ったところで改めて「会長会のあり方」
を会長会役員会で議論する中で、
「共通して
抱えている課題解決を促進することで、それ
ぞれの協会をエンパワーしていく役割」を会
長会が果たしていければ・・・という方向性
を提起することにしました。さらに、机上の
論理だけではつまらないだろうと、「こんな
会長会をやってみよう!」と「地域包括ケア
に協会としていかに取り組むか?」をテーマ
にした企画を準備してみました。
参加者は 38 協会から 47 名。中には複数で参加してくださった協会もありました。当日、3名の方にご協力をお願
いし、具体的な取組みをご紹介いただきながら、ワークショップのような感じでグループ討論を重ねていき「自分たち
の協会で何をしていけば良いか?」をみっちり考えました。途中、煮詰まったり行き詰ったりしたところもあり、不完
全燃焼だった参加者もおられたかもしれませんが、参加者からのフィードバックは概ね良好でホッと胸をなでおろして
います。
「協会の課題」
「今の医療ソーシャルワークのトピック」については、
各協会や個々の MSW でも取り組んでいることでしょう。それぞれは
学会発表や論文、また普段のつながりを通して情報を得てきたのがこ
れまでのパターンでした。ただ情報がなかったり、あっても不十分な
ために、普段の取り組みにまで落とし込めていないことも少なくない
かと思います。そこをフォローしていけば、全国各地での医療ソーシャ
ルワークを後押しすることにもなるでしょう。
もちろん、1回2回の会議で、48 協会すべてで目に見える成果が
得られるわけではありません。今回のような取り組みを会長会でコツ
コツと積み重ねていくとともに、各協会での普段の活動の中でも会長
会で得られたものを育てていけば、大きな実りを手にすることができ
るでしょう。
会員の皆様には、日本協会だけでなく、地元の都道府県協会の活動
にも可能な限りのご支援ご協力をよろしくお願い申し上げます。
え!?地元の MSW 協会には加入していないですって!そんなん言
わんと、両方入会してくださいね!!
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(公社)日本医療社会福祉協会ニュース No.H27-4 2016.1.31
事務局
事務局からのお知らせ
事務局長 中川 功
◇理事会報告
ホームページ(協会各部→理事会)に各理事会の開催概要を掲載しておりますので、ご覧ください。
◇会員数について
正会員 5,047 名 賛助会員(個人)205 名 賛助会員(団体)24 団体 合計 5,276(2016 年1月 20 日現在)
◇事務局からのお願い
・会員の皆様のうち、氏名、所属(退職を含む)
、連絡先等が変更になった方は、至急事務局に変更届をご提出ください。
変更届はホームページに「会員情報変更届」
(PDF)を添付しておりますのでご利用ください。
< 団体の賛助会員会費ご請求について >
2015 年社員総会におきまして協会の財政基盤の充実を図るために「会費に関する定款補則」が変更されました。
これまで賛助会員のうちの団体(法人)については、一律年額 15,000 円(入会金なし)のご負担をいただいており
ましたが、この改定により「1口 年額 15,000 円(入会金なし)
」となりました。今後は、病院などの団体・企業
の規模に応じて、ご入会時またはご入会後に複数口の会費ご負担をいただくことが可能となりました。
団体の賛助会員のみまさには、近々に 2016 年度賛助会員会費のご請求書をお送りさせていただきます。その際に
ご請求金額は 2015 年度と同額とさせていただきますが、前記のとおり増額(複数口)の変更も可能でございますので、
ご協力をいただけます場合には、事務局までご連絡ください。
なお、個人の賛助会員会費(年額 11,000 円・入会金なし)に変更はございません。
皆様のご理解とご協力をお願いいたします。
研修部
「2015 年度 研修講師のためのセミナー」締切迫る!!
研修部担当理事 保科 健
組織内或いは都道府県県協会等で講師を担うソーシャルワーカーの皆さんは試行錯誤を繰り返しながら日々ご自身の
講義について研鑽を行っていると思います。しかし、上手く実践を伝えられなかったり、なかなか受講者の反応が掴め
なかったりと悩みは尽きません。本研修は、プレゼンテーションの技術を学ぶことで、より効果を高め、実りある講義
方法を習得することに繋がります。
また、これまで講師を担っていない方や具体的に担う予定がない方にとっても役に立つ内容です。我々は日常の業務
の中で、他者へ報告する、伝達する機会が少なくありません。学会での演題発表や院内での実績報告、地域会議等での
プレゼンテーションなど幅が広く、講義の機会だけとは限らないのです。
2011 ~ 2012 年度に続き、大島武先生を迎え、プレゼンテーション技術について演習を交えて学べるよう企画し
ました。大島先生は、人を引きつける魅せ方・伝え方を非常にわかりやすく教えて下さいます。
ソーシャルワークの実践をより多くの人々に効果的に伝えて行くためにも、多くの皆様のご参加をお待ちしています。
なお、2016 年度は本研修の開催予定はありません。
【開 催 日】2016 年 3 月 27 日(日)10:00 ~ 16:30
【会 場】KFC Rooms(東京都墨田区横網 1 丁目 6 番 1 号)
【対 象 者】講師を担うソーシャルワーク実践者・または教育的な立場にある方。
※ 2011 年・2012 年度の研修講師のためのセミナー受講者は対象外です。
【受 講 費】正会員・賛助会員(個人)7,000 円 賛助会員(団体)・非会員 14,000 円
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(公社)日本医療社会福祉協会ニュース No.H27-4 2016.1.31
順次受付開始!プログラムは、ホームページでご確認ください。
会員システムサイトより研修申込すると、入力項目が軽減されるようになります。
この機会に会員システムサイトをご活用ください。
面接技術~ソリューション・フォーカスト・アプローチ~
【開 催 日】2016年5月1日(日)
・5月29日(日)・6月26日(日)10:00~16:30
【会 場】KFC Rooms & Hall 2nd(東京都墨田区横網1丁目6番1号)
【対 象 者】経験3年以上の現任の保健医療分野のソーシャルワーカーが望ましい。
【受講要件】全3回を受講できること
【募集人数】50名
【受 講 費】正会員・賛助会員(個人)21,000円 賛助会員(団体)・非会員42,000円
【申込受付】2016年1月25日(月)~2月26日(金)先着順で定員になり次第締め切ります
スーパービジョン
【開 催 日】2016年6月5日(日)10:00~16:30(予定)
【会 場】京都リサーチパーク西地区(京都府京都市下京区中堂寺粟田町93)
【対 象 者】スーパービジョンについて学びたい保健医療分野のソーシャルワーカー。
【募集人数】50名
【受 講 費】正会員・賛助会員(個人)7,000円 賛助会員(団体)・非会員14,000円
【申込受付】2016年2月22日(月)~3月25日(金)先着順で定員になり次第締め切ります
記録 ~プロセスからプログレス記録へ~
【開 催 日】2016年7月9日(土)10:00~16:30(予定)
【会 場】北海道札幌市予定
【対 象 者】記録について学びたい保健医療分野のソーシャルワーカー。
【募集人数】70名
【受 講 費】正会員・賛助会員(個人)7,000円 賛助会員(団体)・非会員14,000円
【申込受付】2016年2月29日(月)~4月1日(金)先着順で定員になり次第締め切ります
医療ソーシャルワーカー基幹研修Ⅱ【東京会場】
【開 催 日】2016年7月16日(土)~7月18日(月)
【会 場】KFC Hall 2nd(東京都墨田区横網1丁目6番1号)
【対 象 者】保健医療分野のソーシャルワーカーの実務経験3年以上の現任者。
【募集人数】70名
【受 講 費】正会員・賛助会員(個人)25,000円 賛助会員(団体)・非会員45,000円
【申込受付】2016年4月4日(月)~5月6日(金)先着順で定員になり次第締め切ります
ソーシャルワークにおける臨床倫理
【開 催 日】2016年7月23日(土)10:00~16:30(予定)
【会 場】KFC Hall 2nd(東京都墨田区横網1丁目6番1号)
【対 象 者】保健医療分野で実践を行っているソーシャルワーカー
【募集人数】50名
【受 講 費】正会員・賛助会員(個人)7,000円 賛助会員(団体)・非会員14,000円
【申込受付】2016年4月11日(月)~5月13日(金)先着順で定員になり次第締め切ります
医療ソーシャルワーカー基幹研修I【東京会場】
(第74回医療ソーシャルワーカー初任者講習会)
【開 催 日】2016年8月10日(水)~8月14日(日)
【会 場】KFC Rooms(東京都墨田区横網1丁目6番1号)
【受講資格】現に保健医療分野のソーシャルワーカーとして従事する者であって、2017年3月末現在において
実務経験3年未満の者。
【募集人数】100名
【受 講 費】正会員・賛助会員(個人)38,000円 賛助会員(団体)・非会員58,000円
【申込期間】2016年4月18日(月)~5月20日(金)応募多数の場合は選考となります
当協会ホームページの研修情報、または研修スケジュールの受講申込書フォームに必要事項をご記入の
研修の申込方法 上、お申込みください。
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(公社)日本医療社会福祉協会ニュース No.H27-4 2016.1.31
あなたに贈るこの
あなたに贈るこの1
1冊
冊③
③
著者 南彩子,武田加代子
『ソーシャルワーク専門職性自己評価』 (相川書房)
兵庫医科大学 地域総合医療学 ささやま医療センター 大松 重宏
私はミニマリストではないのだが、かなりの数の書籍を整理する必要に迫られた。どうしても手元に残した
かった中の一冊が本書で、ここ10年の間に何度も読み返したため頁が黒ずんでいる。
最近、地元の高校生にソーシャルワーカーについて話す機会が与えられ、準備のため本書のページを繰った。
「専門職性」とは何か、恥ずかしながら未だに悩む自分がいた。高校生を煙に巻くことだけは避けたい、そう思っ
て「ソーシャルワーカーとは?」と自問自答するに至った。
本文中にもあるように「レベルの高いソーシャルワーカーとは?」と問われたら、皆さんはどう答えるだろう
か。医療分野のソーシャルワーカーであれば、きっと自分なりの答えを持っているだろう。大切なのは、社会福
祉専門職としての共通言語を獲得した上で、他分野の専門職だけでなく高校生にも理解できるように、分かりや
すく語る手段を身に付けることだろう。
ところで、私たちは対外的な場であっても名称独占の資格である「社会福祉士」と名乗らないことが多い(私
自身もこの文章の中で迷いながら書いている)
。これは、専門職性に何やら曖昧さが排除できないからではない
か。ソーシャルワークの「専門職性」とは何か、その答えに出会えるのが本書である。二人の著者は研究者であ
り教育者であるとともに、根底には実践者としての確立したアイデン
ティティーの存在がひしひしと伝わってくる。本書を若い仲間たちには
無論のこと、大切な人材の成長プロセスに伴走している仲間たちにも是
非お薦めしたい。
【目次】
第1部 ソーシャルワークの専門職性と自己評価
第1章 ソーシャルワークにおける専門職性
第2章 ソーシャルワークの専門職性自己評価の方法
─本書の使い方─
第3章 自己評価のためのガイドライン
第2部 自己評価尺度開発に至る研究経過
第4章 専門職性研究の系譜
第5章 Social Work Proficiency Inventory 作成にいたる研究経過
2004年発行
(2,200円+税)
このコーナーでは、ソーシャルワークの専門書として、また関係職種や一般市民にソーシャルワークを語るときに役立つ書籍
を紹介します。執筆はリレー方式で紹介いただいています。
全国の会員の皆さんの心にフィットする1冊が見つかれば幸いです。
発行/お問い合わせ
公益社団法人
日本医療社会福祉協会
〒162-0065 東京都新宿区住吉町8-20 四谷ヂンゴビル2F
TEL:03-5366-1057 FAX:03-5366-1058 E-mail:[email protected] URL:http://www.jaswhs.or.jp/
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