審査を終えて 小・中学生の部 ︻応募数︼ 星 安全教育研究所長 忠通 平成二十七年度交通安全ファミリー作文コンクールの小・中学生の部への応募総数は一万八千八百六十九点︵﹁小学生﹂ 二千八百三十五点、﹁中学生﹂一万六千三十四点︶を数えた。応募数を前年度と比較すると総数で千九百三十五点︵﹁小 学生﹂四百二点、﹁中学生﹂で千五百三十三点︶の減少となった。 都道府県ごとの応募状況を見ると、小学生の部においては、昨年同様茨城県の二百九十九点を筆頭に次いで愛知県、 岡山県の順位となっている。また中学生の部では愛知県︵二千百六十四点︶を第一位に滋賀県、千葉県が上位三位となり、 昨年の順位と若干の相違がみられた。 ︻審査過程︼ ﹁最終審査会︵七名の審査員構成︶﹂では、第一次︵予備︶審査を通過した小学生の部六十点︵各学年十点︶、中学生の 部三十点︵各学年十点︶の総数九十点が審査対象となった。 なお、各審査員は、送付された第一次︵予備︶審査通過作品︵前記総数九十点︶を事前に評価し、それぞれの評価結 果を携えて﹁最終審査会﹂に臨んだ。 87 ﹁最終審査会﹂においては、小・中学生各学年十点の中より各学年の﹁優秀作品﹂一点、﹁佳作﹂については、小学生 の部は、五点以内。中学生の部は、六点以内を基準に審査を行った。 次いで、各学年で﹁優秀作品﹂として選定された作品の中より小学生の部・中学生の部それぞれの中で、最も優秀と 評価された作品を﹁最優秀作品﹂︵内閣総理大臣賞︶として選定した。 なお、﹁最優秀作品﹂に選定された学年では、﹁佳作﹂の中より最も評価の高い作品を改めて﹁優秀作品﹂に再選定した。 ︻審査結果︼ 審査に先立ち、本年度作品についての全体印象、特徴などについて各審査員間で意見交換の時間が設けられた。 その中には、﹁自転車に係わる作品が多かった背景には、平成二十七年六月から施行された﹃自転車運転者講習制度﹄ が影響していたのではないか﹂や﹁タイトルに、もうひと工夫欲しい﹂などの発言がみられたことを特記する。 慎重な審査の結果、小学生の部の最優秀作品︵内閣総理大臣賞︶としては、四年生の加藤由萌さん︵宮城県︶の﹁自 分を守る﹃交通ルール﹄﹂が、また中学生の部では二年生の上村アレックス勉君︵岐阜県︶の作品﹁かっこいいとか悪い とかじゃなく﹂が選定された。 小学生の部、加藤さんの作品は、自分の不注意からの自転車事故の体験をとおして、一方だけがルールを守っても事 故を防ぐことはできないことを、会話文を交えて構成された点が高く評価された。 中学生の部、上村君の作品では、自転車事故体験後、ヘルメットに対する意識が変化していく状況が細かく描かれて おり、自分なりの事故分析を通して﹁腹立たちさ﹂が大きく影響している心理描写が高く評価された作品であった。 88 また、二年生の審査にあたっては、佳作六点以内の基準に対して妥当と評価された作品は四点となったことをここに 特記する。 最後に、最終審査にいたるまでの第一次︵予備︶審査での一万八千作品以上の膨大な応募作品の読み込みと絞込みを 頂いた事務局及び最終審査会において終始真剣かつ厳正な審査に当たられた審査員の方々に厚くお礼申し上げ、最終審 査の結果報告とする。 89
© Copyright 2024 ExpyDoc