ISO 13850-非常停止-設計原則

ISO 13850
機械類の安全性 – 非常停止-設計原則
テュフラインランドジャパン株式会社
産業サービス部
杉田吉広
1
Presentation TÜV Rheinland
ISO 13850
内容
1. ISO 13850とは?
2. ISO 13850の改定履歴
3. ISO 13850の構成
4. ISO 13850の変更点
2
Presentation TÜV Rheinland
ISO 13850とは?
機械における非常停止の機能的要求事項及び設計原則を規定
タイプB2規格 – 安全防護物(例えば、両手操作制御装置、インタロック装置、圧
力検知装置、ガード)に関する規格
対象外の機械
- 非常停止を設けても、リスクが低減しない機械
- 手持ち機械及び手案内機械(hand-operated machines)
関連する規格
- IEC 60204-1
- 電気/電子技術を用いた非常停止機能の実現のための要求はIEC 60204-1
に記載
3
Presentation TÜV Rheinland
ISO 13850の改定履歴
1996年11月
第1版発行
2006年11月
第2版発行
2011年 第3版改訂作業開始 – WG8
2011年
- 3月ドイツがWD提案
- 6月NP回付
2012年11月 CD回付
2013年6月 2nd CD回付
2014年4月 DIS回付
2015年6月 FDIS回付 8月承認
- イタリア、スペインからコメントあり
2015年10月 第3版発行
4
Presentation TÜV Rheinland
ISO 13850の構成
1. 適用範囲
2. 引用規格
3. 用語及び定義
4. 安全要求事項
4.1 一般要求事項
4.2 作動条件、設置環境
4.3 非常停止機器
4.4 アクチュエータとして使用するワイヤ又はロープ
4.5 非常停止機器の予期しない作動の防止
4.6 ポータブル オペレータ コントロール ステーション
5
Presentation TÜV Rheinland
ISO 13850の変更点 - 1
Span of Control
3.6項 定義:特定の非常停止機器の制御下にある事前に決められた機械の部分
4.1.2項 要求事項:
- すべての関連する機械を停止させると新たな危険源が発生又は生産に不必要
な影響を与える場合
- スパン(範囲)の設定は機械類のレイアウトを考慮
- スパン(範囲)は明示する
例:
すべての機械範囲をカバーする場合
特定範囲の機械をカバーする場合
6
Presentation TÜV Rheinland
ISO 13850の変更点 - 1(2)
7
Presentation TÜV Rheinland
ISO 13850の変更点 - 2
4.1.3項 停止カテゴリー
IEC 60204-1改定中と整合
使用できる停止カテゴリーは0又は1
- 変更なし、但しカテゴリー2の説明は削除
8
Presentation TÜV Rheinland
ISO 13850の変更点 - 3
4.1.4項 非常停止機器の解除
解除は非常停止信号が出されたその機器に対する人間のアクションによる
解除による再起動は不可
解除による再起動の許可は可
Engagement > latching
Disengagement > unlatching
Latching/Unlatchingはボタンのみ
9
Presentation TÜV Rheinland
ISO 13850の変更点 - 4
4.1.5項 非常停止装置
ISO 13849-1/IEC 62061への適合
PLまたはSILの決定は非常停止機能の要求を考慮する。
- 但し最低要求はPLr=c又はSIL 1
関連規格への適合
- 電気装置:IEC 60204-1
- 液圧装置:ISO 4413
- 空圧装置:ISO 4414
改定中のIEC
60204-1 Ed.6、
、IEC 62745(開発中)への参照はない。
開発中)への参照はない。
改定中の
10
Presentation TÜV Rheinland
ISO 13850の変更点 - 5
4.3項 非常停止機器
タイプ
- 手のひらで簡単に操作できる押しボタン (マッシュルームタイプからの修正)
- ワイヤー、ロープ、バー
- ハンドル
- 保護カバーの無い足踏みペダル(他の解決策が適切ではない時)
位置要求
- すべてのオペレータコントロールステーション – 変更なし
- リスクアセスメントにより必要 – 変更なし、以下の例を記載
- 出入り口
- 機械への干渉・介在が必要とされる場所(ホールド・トゥ・ランを使って操作
する場所
- 人と機械がアクセスする場所(ロード/アンロード)
- 推奨高さの記載
- 0.6-1.7m (作業面から)
11
Presentation TÜV Rheinland
ISO 13850の変更点 - 5 (2)
直接開路動作原則の適用 - 変更なし
- IEC 60947-5-5への適合 – 変更なし
- 直接開路動作の例として、IEC 60947-5-1 – 変更なし
非常停止機器はラッチされなくても非常停止信号を発生させなければならない。
キーの使用
- ラッチ状態の解除にキーを使用することは禁止されていないが、推奨されてい
ない。 (6should be avoided)
- もし使用するなら、
- 手の怪我を防止するために、機械のマニュアルにキーの正しい使い方を記載
- キーはアクチュエータの解除のためだけに使われることへの警告を用意
出展:ISO/TC199/WG8
N119
出展:
Emergency Stop Devices - (WG-2010.03 rev.2_EN)
12
Presentation TÜV Rheinland
ISO 13850の変更点 - 5(3)
表示
- テキスト又はシンボルでの表示(アクチュエータまたは背景)
- シンボルの場合はIEC 60417-5638を使用 – 変更なし
- 注として、ラッチ解除を示す矢印は非常停止機器の動作方向に誤解を与える可
能性あり。
13
Presentation TÜV Rheinland
ISO 13850の変更点 - 6
非常停止機器の予期しない作動の防止
非常停止機器の周囲にシュラウド(囲い)をつけないのが望ましいが、必要なら付け
ることもできる
まず、シュラウドを使用せずに予期しない作動(不注意による)の防止
- 設置位置
- 非常停止機器のタイプ、サイズ形状の選定
- 操作パネルからの凹み
それが現実的でないならシュラウドも可能
ただし、手のひらでの操作、予想される方向からのアクセスを妨害してはならない
14
Presentation TÜV Rheinland
ISO 13850の変更点 - 6(2)
出展:ISO/TC199/WG8
N119
出展:
Emergency Stop Devices - (WG-2010.03 rev.2_EN)
15
Presentation TÜV Rheinland
ISO 13850の変更点 - 6(3)
手のひらのサイズ
- 検討されたが記載なし
出展:DIN
33402-2:
:2005
出展:
16
Presentation TÜV Rheinland
ISO 13850の変更点 - 7
4.6項ポータブル オペレータ コントロール ステーション
4.6.1 機能
4.3.8項 取り外し可能又はケーブルレス オペレーターコントロールステーションに
非常停止機器が設置される場合、少なくともひとつの非常停止機器は常に存在しな
ければならない(例:固定された場所)
アクティブ/インアクティブ状態の明確化
- 色の変更
- 自動的にカバー
- 取り外し可能、ケーブルレス オペレーター コントロール ステーションの適切な
格納
17
Presentation TÜV Rheinland
ISO 13850の変更点 - 7 (2)
4.6.2 リセット
ケーブルレス・コントロールシステムの一部の中断または故障の後の電源の回復時
にケーブルレス非常停止のリセットになってはならない。
非常停止がケーブルレス・コントロールシステムによって起動した時、リセットはラッ
チ状態からの回復後のみ可能であること。
非常停止の範囲 (Span of control)が監視できないのであれば、ポータブル・コント
ロールシステムの非常停止アクチュエータの解除(ラッチ状態から)に加え、非常停
止状態が解除された理由を確かめるため、ひとつ以上の固定された追加のリセット
用機器が機械または機械近傍に用意されなければならない。
18
Presentation TÜV Rheinland
Thank you very much
お問い合わせ
新横浜本社
222-0033
横浜市港北区新横浜3-19-5
新横浜第二センタービル
横浜市港北区新横浜
045-470-1850 (TEL)
045-473-5221 (FAX)
www.jpn.tuv.com
19
Presentation TÜV Rheinland