第8章 水防計画(PDF:1655KB)

第8章 水防計画
第8章
水防計画
第1節 総則
1
目的
本計画は、水防法(昭和24年法律第193号、以下「法」という。)第7条第1項の規定
に基づき、本町における水防事務の調整及びその円滑な実施のために必要な事項を規定し、洪
水、津波又は高潮に際し、水災を警戒し、防御し、及びこれによる被害を軽減し、もって公共
の安全を保持することを目的とする。
2
用語
標記
水防管理団体
指定水防管理
団体
水防管理者
消防機関
消防機関の長
水防団
量水標管理者
説明
水防の責任を有する町又は水防に関する事務を共同に処理する水防事務組
合、若しくは水害予防組合をいう(法第2条第1項)。
水防上公共の安全に重大な関係のある水防管理団体として知事が指定した
ものをいう(法第4条)
。
水防管理団体である町の長又は水防事務組合の管理者、若しくは長、若し
くは水害予防組合の管理者をいう(法第2条第2項)。
消防組織法(昭和22年法律第226号)第9条に規定する消防の機関(消
防本部、消防署及び消防団)をいう(法第2条第3項)
。
消防本部を置く市町村にあっては消防長を、消防本部を置かない町にあっ
ては消防団の長をいう(法第2条第4項)。
法第6条に規定する水防団をいう。
量水標、験潮儀その他の水位観測施設の管理者をいう(法第2条第6項、
法第10条第3項)
。
法人その他これに準ずるものとして、国土交通省令で定める団体で、水防
水防協力団体
業務を適正かつ確実に行うことができると認めて、水防管理者が指定した
団体をいう(法第36条第1項)。
国土交通大臣又は知事が、洪水、津波又は高潮により国民経済上重大又は
相当な損害が生じるおそれがあると認めて指定した河川、湖沼又は海岸(水
水防警報
防警報河川等)について、洪水、津波又は高潮によって災害が起こるおそ
れがあるとき、水防を行う必要がある旨を警告して行う発表をいう(法第
2条第7項、法第16条)
。
水防団待機水位
(通報水位)
洪水、津波又は高潮のおそれがある場合に、関係者に通報しなければなら
ない水位であり、量水標の設置されている地点ごとに知事が定めるもので、
各水防機関が水防体制に入る水位(法第12条第1項に規定される通報水
387
第8章 水防計画
位(指定水位)
)をいう。
はん濫注意水位
(警戒水位)
避難判断水位
(道管理河川/
特別警戒水位)
水防団待機水位(通報水位)を超える水位であって、洪水、津波又は高潮
による災害の発生を警戒すべきものとして国土交通大臣又は都道府県知事
が定める水位をいう(法第12条第2項に規定される警戒水位)
。
北海道知事が定める河川において、はん濫注意水位(警戒水位)を超える
水位であって洪水による災害の発生を特に警戒すべき水位、 町長の避難勧
告等の発令判断の目安、 住民の避難判断の参考となる水位をいう(法第1
3条第 1 項及び第 2 項に規定される特別警戒水位)
。
はん濫危険水位
北海道知事が指定した河川においては、洪水により相当の家屋浸水等の被
(道管理河川)
害を生じるはん濫のおそれがある水位をいう。
法第13条第1項及び法第2項に定める洪水による災害の発生を特に警戒
すべき水位。
特別警戒区域
北海道知事が指定した河川においては、避難判断水位に相当し、指定した
水位周知河川においてこの水位に到達したときは、水位到達情報を発表し
なければならない。
重要水防箇所
3
過去の洪水で堤防が損壊した箇所等、洪水時に堤防が損壊するおそれが高
く、厳重な警戒が必要な箇所をいう。
水防の責任及び処理すべき事務又は業務の大綱
法に定める水防に関係のある機関等の水防の責任及び処理すべき事務又は業務の大綱は次
のとおりである。
1 水防の責任
町は、その区域における水防を十分に果たす責任を有する。(法第3条)
2 処理すべき事務又は大網
(1)水防管理団体(町)
事務又は業務の大網
1,水防団の設置 (法第5条)
2,平常時における河川等の巡視 (法第9条)
3,水防団及び消防機関の出動準備又は出動(法第17条)
4,警戒区域の設定(法第21条)
5,警察官の援助の要求(法第22条)
6,他の水防管理者又は市町村長、若しくは消防長への応援要請 (法第23条)
7,堤防決壊等の通報、決壊後の措置(法第25条、法第26条)
8,避難のための立ち退きの指示 (法第29条)
9,水防協力団体の指定 (法第36条)
388
第8章 水防計画
(2)北海道
事務又は業務の大網
1,指定水防管理団体の指定(法第4条)
2,水防計画の策定及び要旨の公表(法第7条第1項及び第4項)
3,水防管理団体が行う水防への協力(河川法第22条の2)
4,気象予報及び警報の伝達(法第10条第3項)
5,洪水予報の発表及び通知 (法第10条第3項、第11条第1項、第13条の
2)
6,水位の通報及び公表(法第12条)
7,水位情報の通知及び周知(法第13条第2項及び第3項、第13条の2)
8,浸水想定区域の指定、公表及び通知(法第14条第1項、第2項及び第3項)
9,水防警報の発表及び通知(法第16条第1項、第2項及び第3項)
10,避難のための立ち退きの指示(法第29条)
11,緊急時の水防管理者、水防団長又は消防機関の長への指示(法第30条)
12,水防に関する勧告及び助言(法第48条)
(3)町防災会議
事務又は業務の大網
1,円滑かつ迅速な避難を確保するための措置(法第15条)
(4)気象庁
事務又は業務の大網
1,気象予報及び警報の通知(法第10条第1項、 気象業務法第14条の2第1
項)
2,洪水予報の発表及び通知(法第10条第1項及び第2項、 法第11条第1項
並びに気象業務法第14条の2第2項及び第3項)
(5)量水標管理者
事務又は業務の大網
1,水位の通報及び公表 (法第12条第1項及び第2項)
(6)居住者等
事務又は業務の大網
1,水防活動への従事(法第24条)
389
第8章 水防計画
3 津波における留意事項
津波は、発生地点から当該沿岸までの距離に応じて「遠地津波」と「近地津波」に分類して
考えられる。遠地津波の場合は、原因となる地震発生からある程度時間が経過した後、津波が
襲来する。近地津波の場合は、 原因となる地震発生から短時間のうちに津波が襲来する。従
って、水防活動及び水防団員(消防団員)自身の避難に利用可能な時間は異なる。
遠地津波で襲来まで時間がある場合は、正確な情報収集、水防活動、避難誘導等が可能なこ
とがある。しかし、近地津波で、かつ安全な場所への避難場所までの所要時間がかかる場合は、
水防団員(消防団員)自身の避難以外の行動が取れないことが多い。従って、あくまでも水防
団員(消防団員)自身の避難時間を確保したうえで、避難誘導や水防活動を実施しなければな
らない。
4 安全配慮
洪水、津波又は高潮のいずれにおいても、水防団(消防団)自身の安全確保に留意して水防
活動を実施するものとする。避難誘導や水防作業の際も、水防団員(消防団員)自身の安全は
確保しなければならない。
また、水防管理団体の長は、水防団員(消防団員)自身の安全確保に留意した水防計画を定
めなければならない。水防団(消防団)自身の安全確保のために配慮すべき事項は次のとおり
とする。
安全確保のために配慮すべき事項(案)
1,水防活動時にはライフジャケットを着用する。
2,水防活動時の安否確認を可能にするため、通常のものが不通の場合でも利用可能
な通信機器を携行する。
3,水防活動には、ラジオを携行する等、最新の気象情報を入手可能な状態で実施す
る。
4,指揮者は、水防活動が長時間にわたるときは、疲労に起因する事故を防止するた
め団員を随時交代させる。
5,水防活動を行う範囲に応じて監視員を適宜配置する。
6,指揮者又は監視員は、現場状況の把握に努め、水防団員(消防団員)の安全を確
保するため必要に応じ、速やかに避難を含む具体的な指示や注意を行う。
7,指揮者は、水防団員(消防団員)等の安全確保のため、予め活動可能な時間等を
水防団員(消防団員)等へ周知し、共有しなければならない。
8,指揮者は、活動中の不測の事態に備え、避難方法、避難場所、避難を指示する合
図等を事前に徹底する。
9,出水期前に、水防団員(消防団員)を対象とした安全確保のための研修を実施す
る。
390
第8章 水防計画
5 居住者等の義務
町の区域内に居住する者、又は水防の現場にある者は、水防管理者(町長)、鹿部消防署長か
ら、水防に従事することを求められたときは、これに従うものとする。
391
第8章 水防計画
第2節 予報及び警報等の伝達
1
水防活動に用いられる予報及び警報等の種類等
水防活動に用いられる予報及び警報等の種類及び発表機関等は、次のとおりである。
区分
種類
発表機関
摘要
気象予報警報
大雨注意報・大雨警報
気象官署
一般向け注意報及び警報の
法第10条第1項
高潮注意報・高潮警報
(函館地方気象
発表をもって代える
気象業務法第14条の2第1項
洪水注意報・洪水警報
台)
津波注意報・津波警報
1 水防活動の利用に適合する予報及び警報等
水防活動の利用に適合する注意報及び警報の種類と対応する一般の利用に適合する注意、警
報及び特別警報の種類並びに内容は次のとおりである。
水防活動の利用に
一般の利用に適合する
適合する注意報・警報
注意報・警報・特別警報
水防活動用
気象注意報
水防活動用
津波注意報
水防活動用
高潮注意報
水防活動用
洪水注意報
大雨注意報
津波注意報
高潮注意報
洪水注意報
大雨警報
水防活動用
気象警報
内容
風雨、大雨等によって水害が起こるおそれがある
場合に、その旨を注意して行う予報
津波により沿岸部において災害が発生するおそれ
があると予想したときに発表する予報
台風等による海面の異常上昇の有無及び程度につ
いて注意を喚起するために行う予報
洪水によって水害が起こるおそれがある場合に、
その旨を注意して行う予報
暴風雨、大雨等によって重大な水害が起こるおそ
れがある場合に、その旨を警告して行う予報
暴風雨、 大雨等によって重大な水害が起こるおそ
大雨特別警報
れが著しく大きい場合に、その旨を警告して行う
予報
津波警報
水防活動用
津波警報
暴風雨、大雨等によって重大な水害が起こるおそ
れがある場合に、その旨を警告して行う予報
暴風雨、大雨等によって重大な水害が起こるおそ
津波特別警報
れが著しく大きい場合に、その旨を警告して行う
予報
台風等による海面の異常上昇によって重大な水害
高潮警報
が起こるおそれがある場合に、その旨を警告して
行う予報
水防活動用
高潮警報
台風等による海面の異常上昇によって重大な水害
高潮特別警報
が起こるおそれが著しく大きい場合に、その旨を
警告して行う予報
水防活動用
洪水警報
洪水警報
洪水によって重大な水害が起こるおそれがある場
合に、その旨を警告して行う予報
392
第8章 水防計画
2 気象情報の種類
気象情報の種類は、次のとおりである。
(1)地方情報、府県気象情報
気象情報とは、 気象業務法第11条及び気象官署予報業務規則第47条に明記されている
とおり、観測結果や予報事項に関する情報を発表し、防災関係機関や住民が円滑な防災活動を
実施できるよう、 公衆の利便を増進することを目的とする情報。
気象の予報等について、 警報 ・ 注意報に先立って予告的に注意を喚起する場合や、 警報 ・
注意報が発表された後の経過や予想、防災上の注意を補完的に解説する場合等に発表する情報。
(2)台風に関する気象情報
北海道地方への台風の影響が予想される場合に、住民に対して、台風の状況の周知と防災対
策の必要性を喚起することを目的として発表する情報。
(3)記録的短時間大雨情報
府県予報区内で、 数年に一度程度しか発生しないような短時間の大雨を観測(地上の雨量
計による観測又は解析 (気象レーダーと地上の雨量計を組み合わせた分析)したときに、府
県気象情報の一種として発表する情報。
(4)土砂災害警戒情報
「大雨警報(土砂災害)
」発表中に、大雨による土砂災害発生の危険度が高まったとき、町
が避難勧告等を発令する際の判断や住民の自主避難の参考となるよう、道と気象庁が共同で発
表する防災情報。
降雨から予測可能な土砂災害のうち、避難勧告等の災害応急対応が必要な土石流や集中的に
発生する急傾斜地崩壊を対象 (技術的に予測が困難である地すべり等は、土砂災害警戒情報
の発表対象外)
。
(5)竜巻注意情報
積乱雲の下で発生する竜巻、ダウンバースト等による激しい突風に対して注意を呼びかける
情報で、雷注意報が発表されている状況下において竜巻等の激しい突風の発生する可能性が高
まった時に発表する情報。情報の有効期間は、発表から1時間である。
これらの各種気象情報のうち、次のものを水防活動に利用する。
ア
台風に関する気象情報
イ
大雨に関する気象情報
ウ
記録的短時間大雨情報
エ
その他、水防活動に密接に関連する気象情報
393
第8章 水防計画
3 水防活動利用に適合する予報及び警報の伝達
知事は、札幌管区気象台から気象、津波、高潮及び洪水について水防活動を必要とする予報
及び警報の通知を受けたときは、関係水防管理者等に通知するものとする。その通知を受けた
水防管理者は、鹿部消防署・水防団(消防団)に周知するとともに、報道機関等の協力のもと、
一般住民に周知する。
水防活動の利用に適合する予報及び警報の伝達系統図は、次のとおりとなる。
2
洪水予報
水位観測所及び雨量観測所の所在地、洪水予報等について次のとおりとなる。
1 水位観測所と雨量観測所の所在地
観測所の種類
水位観測所
雨量観測所
観測所名
所管
備考
折戸川
渡島総合振興局函館建設管理部
河川
鹿部
渡島総合振興局函館建設管理部
河川
鹿部消防署
町
駒ヶ岳火山観測システム
北海道
鹿部浄水場
町
394
第8章 水防計画
2 洪水予報の種類・危険レベル・水位名称
洪水の危険
洪水予報
のレベル
の種類
レベル5
洪水警報
レベル4
洪水警報
(危険)
水位の名称
発表する情報
発表基準
(予報文の標題)
(はん濫発生) ○○川はん濫発生情報
はん濫が発生したとき
はん濫危険水
はん濫危険水位に到達
位
○○川はん濫危険情報
したとき
避難判断水位に到達し、
さらに上昇するおそれ
避難判断水位
レベル3
洪水警報
(警戒)
(特別警戒水
があるとき、あるいは水
○○川はん濫警戒情報
位予測に基づきはん濫
位)
危険水位に到達すると
見込まれたとき
レベル2
洪水注意報
(注意)
レベル1
(発表なし)
はん濫注意水
はん濫注意水位に到達
位
し、さらに上昇するおそ
(警戒水位)
れがあるとき
水防団待機水
位
(発表なし)
3 町・住民に求められる行動
洪水の危険
水位の名称
のレベル
レベル5
レベル4
(危険)
発表する情報
(はん濫発生)
○○川はん濫発生情報
はん濫危険水位
○○川はん濫危険情報
レベル3
避難判断水位
(警戒)
(特別警戒水位)
求められる行動
(予報文の標題)
○○川はん濫警戒情報
逃げ遅れた住民の救助等新たにはん濫
が及ぶ区域の住民の避難誘導
住民の避難完了
・町は避難勧告等の発令を判断
・住民は避難を判断
・町は避難準備情報(避難準備情報)
レベル2
はん濫注意水位
(注意)
(警戒水位)
○○川はん濫注意情報
発令を判断
・住民ははん濫に関する情報に注意
・水防団出動
レベル1
水防団待機水位
(発表なし)
水防団(消防団)待機
4 水位観測所における水防活動基準水位
観測
所名
河川名
所在地
水防団
待機水位(m)
はん濫
注意水位(m)
避難判断
水位(m)
はん濫危険
水位(m)
折戸川
折戸川
本別369番
2地先河川敷
1.58
2.48
-
3.48
395
第8章 水防計画
3
水防警報
知事が指定した河川について水防警報をしたときは関係水防管理者その他水防に関係のあ
る機関に通知するものとする。
1 安全管理の原則
水防警報は、洪水、津波又は高潮によって災害が発生するおそれがあるとき、水防を行う必
要がある旨を警告するものであるが、津波の発生時における水防活動その他危険を伴う水防活
動に当たっては、従事する者の安全の確保が図られるように配慮されたものでなければならな
い。
そのため、水防警報の内容においても水防活動に従事する者の安全確保を念頭において通知
するものとする。なお、津波到達時間が短く、津波到達までに水防警報が通知されない場合等
であっても、水防活動に従事する者の安全確保を図るものとする。
2 洪水・高潮時の河川に関する水防警報
(1)水防警報の種類、内容及び発表基準
知事が指定した河川について水防警報をしたときは、関係水防管理者その他水防に関係のあ
る機関に通知するものとする。
水防警報の種類、内容及び発表基準は、次のとおりである。
396
第8章 水防計画
ア
河川における水防警報
種類
待機
内容
発表基準
不意の出水あるいは水位の再上昇等が予想され
気象予報・警報等又は河川状
る場合に状況に応じて直ちに水防機関が出動で
況により、特に必要と認める
きるように待機する必要がある旨を警告するも
とき。
の。
水防機関の出動期間が長引くような場合に出動
人員を減らしてもさしつかえないが、水防活動を
やめることはできない旨を警告するもの。
準備
水防に関する情報連絡、水防資機材の整備、水門
雨量、水位、流量その他の河
機能等の点検、通信及び輸送の確保等に努めると
川状況により必要と認めると
ともに、水防機関に出動の準備をさせる必要があ
き。
る旨を警告するもの。
水防機関が出動する必要がある旨を警告するも
河川はん濫注意情報等によ
の。
り、又は水位、流量その他の
出動
河川状況によりはん濫注意水
位に達し、なお上昇のおそれ
があるとき。
指示
水位、滞水時間その他水防活動上必要な状況を明
河川はん濫警戒情報等によ
示するとともに越水(堤防から水があふれる)、
り、又は、既にはん濫注意水
漏水、堤防斜面の崩れ、亀裂、その他河川状況に
位を越え災害のおそれがある
より警戒を必要とする事項を指摘して警告する
とき。
もの。
解除
水防活動を必要とする出水状況が解消した旨、又
はん濫注意水位以下に下降し
は当該基準水位観測所名による一連の水防警報
たとき、又ははん濫注意水位
を解除する旨を通告するもの。
以上であっても水防作業を必
要とする河川状況が解消した
と認めるとき。
※地震による堤防の漏水、沈下等の場合又は津波の場合は、上記に準じて水防警報を発表す
る。
397
第8章 水防計画
イ 海岸における水防警報
種類
内容
発表基準
波浪の発達により越波が懸念される場合に、状況
気象・波浪状況等により待機
に応じて直ちに水防機関が出動できるように待
及び準備の必要を認めると
待機・準備 機及び出動の準備がある旨を警告するもの。水防
き。
に関する情報連絡、水防資機材の整備、水門機能
等の点検、通信及び輸送の確保等に努める。
出動
水防機関が出動する必要がある旨を警告するも
気象・波浪状況・CCTV等
の。
により越波が起こるおそれが
<活動内容>
あるとき。
・海岸巡視、避難誘導、土のう積み
・排水ポンプ作業等
距離確保
準備
距離確保
距離確保
解除
激しい越波が発生する危険が迫っていることを
気象・波浪状況・CCTV等
警告するとともに、身の安全を確保しつつ水防活
により越波の発生が迫ってき
動を行うことの準備を指示するもの。
たとき。
激しい越波の発生を警告するとともに、身の安全
気象・波浪状況・CCTV等
を十分に確保できるよう海岸からの距離を確保
により越波発生が確認あるい
しながら、水防活動を行う旨を指示するもの。
は判断されるとき。
激しい越波のおそれが無くなった旨の通知及び
気象・波浪状況・CCTV等
水防活動が必要な箇所及び状況を示し、その対応
により越波の発生あるいはお
策を指示するもの。
それがなくなり、 距離確保の
必要がなくなったとき。
水防活動を必要とする状況が解消した旨及び一
気象・波浪状況・CCTV等
連の水防警報を解除する旨を通告するもの。
により越波の発生あるいはお
それがなくなり、 災害に対す
解除
る水防作業を必要とする状況
が解消したと認められると
き。
398
第8章 水防計画
ウ 津波に関する水防警報
種類
待機
出動
内容
発表基準
水防団員(消防団員)の安全を確保した上で待機
津波警報が発表される等必要
する必要がある旨を警告するもの。
と認めるとき。
水防機関が出動する必要がある旨を警告するも
津波警報が解除される等、水
の。
防作業が安全に行える状態
で、かつ必要と認めるとき。
水防活動の必要が解消した旨を通告するもの。
巡視等により被害が確認され
なかったとき、又は応急復旧
解除
等が終了したとき等、水防作
業を必要とする河川状況が解
消したと認めるとき。
399
第8章 水防計画
第3節 雨量・水位等の通報・公表
1
水位の通報・公表
1 水位の通報
道は、所管する観測所の水位が水防団待機水位 (通報水位)を超えるときは、その水位
を国土交通省「川の防災情報」
、
「市町村向け川の防災情報」ホームページに掲載することに
より関係機関に通報するものとする。
2 障害時の水位の通報
道は、所管する観測所の水位が次の各号のいずれかに該当し、回線途絶等の事由により上
記ホームページに観測値を掲載できないときは、水位等通報系統図に定める関係機関に通報
するものとする。
通報は電話又は防災行政無線により行うものとし、これにより難いときはファクシミリ又
は電子メールにより行う。
(1)水防団待機水位(通報水位)に達したとき
(2)はん濫注意水位(警戒水位)に達したとき
(3)はん濫注意水位(警戒水位)を超え、再びはん濫注意水位(警戒水位)となるまでの
毎正時
(4)はん濫注意水位(警戒水位)以下になったとき
(5)水防団待機水位(通報水位)以下になったとき
(6)上記の各号以外に急激な水位の変動があったとき
3 水位の公表
道は、管理する観測所の水位のデータを国土交通省「川の防災情報」及び市町村向け「川の
防災情報」ホームページに掲載することにより常時公表するものとする。
情報システムによる河川水位の観測情報は、最短10分ごとに速報値として更新されている。
法第12条第2項の規定により、水位がはん濫注意水位(警戒水位)を超えるときの公表は、
前記ホームページに「河川名・水位観測所名・所在地・水位状況等」を掲載することにより行
うものとする。
ホームページ名
国土交通省「川の防災情報」
国土交通省 市町村向け
URL
備考
http://www.river.go.jp/
http://www.i.river.go.jp/
携帯電話用
http://city.river.go.jp/
・ID・パスワードにより利
「川の防災情報」
用
・携帯電話用有り
400
第8章 水防計画
4 水位等通報系統図
道の水位等通報系統図は、次のとおりとなる。
2
雨量の通報
1 雨量の通報
道は所管する観測所の雨量を国土交通省「川の防災情報」及び「市町村向け川の防災情報」
ホームページに掲載することにより関係機関に通報するものとする。
2 障害時の雨量の通報
道は、所管する観測所の雨量が次の各号のいずれかに該当し、回線途絶等の事由により上記
ホームページに観測値を掲載できないときは、その雨量の状況を水位等通報系統図に定める関
係機関に通報するものとする。
通報は電話又は防災行政無線により行うものとし、これによりがたいときはファクシミリ又
は電子メールにより行う。
(1)降雨開始から24時間以内に60mm以上の降雨があったとき。
(2)1時間雨量が25mm(融雪期10mm)に達したとき。
401
第8章 水防計画
3
水防管理者等の情報収集
1 気象予報及び警報、雨量・水位情報等の収集
水防管理者又は水防に関係のある機関は、常に気象の状況に注意し、必要と認めるときは、
洪水予報、水防警報等の有無に関わらずインターネット、テレビ、ラジオ等により気象情報の
収集に努めるものとする。
水防管理者又は水防に関係ある機関は、水防活動の利用に適合する予報及び警報、洪水予報、
水防警報等が発表され、又は洪水及び高潮のおそれがあると認められる場合は、インターネッ
トにより公開されている市町村向けの気象庁「防災情報提供システム」や国土交通省「市町村
向け川の防災情報」
、一般向けの国土交通省「川の防災情報」、テレビ、ラジオ等を活用し、気
象、雨量、水位等必要な情報の収集に努めるものとする。
(1)市町村向け情報提供
ホームページ名称
URL
国土交通省「市町村向け川 http://city.river.go.jp/
の防災情報」
(携帯電話用あり)
(統一河川情報システム)
国土交通省
「海の防災情報」
気象庁
防災情報提供システム
http://www.mlit.go.jp/kowan/nowphas/
http://bosai.metinfo.go.jp/bousai/login
提供情報
1,雨量・水位情報
2,レーダー観測情報
3,水防警報
4,洪水予報
1,潮位
2,波高
1,気象情報
2,レーダー・アメダス
解析雨量
(注)貸与されたID・パスワードにより利用
(2)一般向け情報提供
ホームページ名称
国土交通省
「川の防災情報」
URL
http://www.river.go.jp/
http://i.river.go.jp/(携帯電話用)
北海道防災情報
http://www.bousai-hokkaido.jp/
(防災対策支援システム)
気象庁
http://www.jma.go.jp/
402
提供情報
1,雨量・水位情報
2,レーダー観測情報
3,水防警報
4,洪水予報等
1,気象情報
2,避難情報
3,道路情報
4,河川情報
5,メール配信サービス
1,気象情報
2,解析雨量
3,レーダーナウキャスト
4,潮位
5,波浪
第8章 水防計画
2 潮位の観測等
水防管理者は、高潮のおそれがあると認められるときは、風向、風速及び潮位を観測するも
のとする。
観測事項の主なものは、次のとおりである。
(1)風向、風速(平均)の概要
(2)潮位と防潮堤防の上端の高さとの差
(3)波高(潮位の高さの平均から波頭までの高さ)及び防潮堤の上端までの余裕
第4節 通信連絡
1
水防通信網の確保
1 通信連絡施設等の整備
水防管理団体及び道は、水災時においても通信連絡が迅速かつ確実に行われるよう通信連絡
施設等の整備強化に努めるものとする。
2 水防管理団体の通信施設
水防管理団体は、迅速な通信連絡を図るとともに電話不通時に備えて対策を講じておくもの
とする。
3 連絡責任者
水防管理団体及び水防に関係のある機関は、水防警報及び警報連絡等の重要性に鑑み、連絡
責任者を定め、その氏名をあらかじめ関係のある水防管理団体及び関係機関に通知しておくも
のとする。
2
電気通信設備による通信
一般電話の自動即時網が途絶した場合の通話は次によるものとする。
403
第8章 水防計画
1 災害時優先電話の利用
災害に伴う電話輻輳時においても、救援や公共の秩序のために必要な通信を優先的に接続出
来る災害時優先電話を使用する。
通話の内容
機関等
洪水、津波、高潮等が発生し、若しくは発生するおそれがある
・水防機関相互間
ことの通報又は警報、若しくは予防のため緊急を要する事項
・消防機関相互間
・水防機関と消防機関相互間
2 電報による通信
(1)非常扱いの電報
天災、事変その他の非常事態が発生し、又は発生するおそれがある場合の災害の予防、若し
くは救援、交通、通信、電力の供給の確保又は秩序の維持のために必要な内容を事項とする電
報。
(2)緊急扱いの電報
非常扱いの電報を除くほか、公共の利益のため緊急を要する事項を内容とする電報。
なお、非常扱いの電報は緊急扱いの電報より優先する。
(3) 非常・緊急電報の利用方法
ア 115番(局番無し)をダイヤルしNTTコミュニケータを呼び出す
イ NTTコミュニケータがでたら
・ 「非常又は緊急扱いの電報の申込み」と告げる
・ あらかじめ指定した登録電話番号と通話責任者名等を告げる
・ 届け先、通信文等を申し出る
404
第8章 水防計画
(4)電気通信事業法及び契約約款に定める電報内容、機関等
ア 非常扱いの電報は、次の事項を内容とする電報を次の機関等において発信し、又は配達
を受ける場合に限り取り扱う。
電報の内容
機関等
1,気象、水象、地象、若しくは地動の観測の報
気象機関相互間
告又は警報に関する事項
2,洪水、津波、高波等が発生し、若しくは、発
水防機関相互間
生するおそれがあることの通報又はその警告、 消防機関相互間
若しくは予防のための緊急を要する事項
水防・消防機関相互間
3,災害の予防又は救援のための緊急を要する事
項
消防機関相互間
災害救助機関相互間
消防・災害救助機関相互間
4,鉄道その他の交通施設(道路、港湾等を含む) 輸送の確保に直接関係がある機関相互間
の災害の予防又は復旧その他輸送の確保に関
し、緊急を要す事項
5,通信施設の災害の予防又は復旧その他通信の
通信の確保に直接関係がある機関相互間
確保に関し、緊急を要する事項
6,電力設備の災害の予防又は復旧その他電力供
給の確保に関し、緊急を要する事項
7,秩序の維持のため緊急を要する事項
電力の供給の確保に直接関係がある
機関相互間
警察機関相互間
防衛機関相互間
警察・防衛機関相互間
8,災害の予防又は救援に必要な事項
天災、事変その他の非常事態が発生し、又
は発生するおそれがある事を知った者と
前各欄に掲げる機関との間
イ 緊急扱いの電報は、次の事項を内容とする電報を次の機関等において発信し、又は配達を
受ける場合に限り取り扱う。
電報の内容
船舶内の傷病者の医療について指示を受け又
機関等
船舶と別に定めた病院相互間
は指示を与えるために必要な事項
405
第8章 水防計画
3
電気通信設備の優先利用等
法第27条第2項の規定により、北海道開発局長、知事、水防管理者、鹿部消防署長、水防
団長(消防団長)又はこれらの命を受けた者は、水防上緊急を要する通信のために、電気通信
事業者がその事業の用に供する電気通信設備を優先的に利用し、又は次に挙げる専用通信施設
を使用することができる。
(1)北海道総合行政情報ネットワーク
(2)北海道警察本部通信施設
(3)北海道旅客鉄道株式会社通信施設
(4)北海道電力株式会社通信施設
(5)北海道開発局通信施設
(6)第一管区海上保安本部通信施設
(7)自衛隊通信施設
4
通信連絡系統図
水防を実施するための道及び関係機関の通信連絡系統は、次のとおりとなる。
406
第8章 水防計画
第5節 水防施設及び輸送
1
水防資機材の配置及び調達先
町は年次計画を定め、水防用資機材の整備を図ることとし、常に一定資材を準備しておくも
のとする。このほか、事前に町内の資材業者及び土木建設業者と協議し、緊急時に調達しうる
数量等を確認して災害に備えておくものとする。
1 水防資機材庫
所在地
鹿部町字宮浜289番地1
所有者
鹿部町
2 在庫状況
品名
数量
土嚢用袋
2,400枚
スコップ
14丁
ロープ・縄類
2ケ
携帯照明器
3ケ
水中ポンプ
1台
小型発電機
5台
大型発電機
2台
3 資材の調達先
調達先
所在地
電話番号
鹿部漁業協同組合
字宮浜323番地
7-2311
2
備
考
水防用土砂の採取、堆積
町は、有事に備え土砂採取場を調査し、又は土砂を必要な場所に堆積し、水防活動に必要な
土砂を確保するものとする。
3
輸送の確保
1 水防管理者の措置
水防管理者は、水防資機材の調達及び作業員等の輸送を確保するため、経路等についてあ
らかじめ調査し、万全の措置を講じておくものとする。
407
第8章 水防計画
2 輸送計画
水防の規模、状況等により、他の機関の輸送力を必要とする場合は、第5章第10節「輸
送計画」に定めるところにより必要な措置を講ずるものとする。
408
第8章 水防計画
第6節 巡視、警戒及び重要水防箇所
1
巡視及び警戒
1 常時監視
町は、巡視責任者を定め、担当水防区域内の河川等を巡視させるものとする。巡視責任者は、
水防上危険であると認められる箇所を発見したときは、直ちに町に報告するものとし、町は管
理河川等以外については、当該河川等の管理者に連絡し必要な措置を求めるものとする。地域
別巡視責任者は、第5章第1節「災害情報収集・伝達計画」の地域別情報連絡責任者とする。
2 非常警戒
建設水道対策部は、水防管理者が非常配備を指令したときは、町内の水防区域内を巡視し、
監視警戒を厳重に行い、異常を発見したときは直ちに水防管理者に報告するものとし、水防管
理者は速やかに当該河川管理者に連絡するとともに、水防作業を実施するものとする。
監視警戒に当たり、特に留意する事項は次のとおりである。
(1)居住地側堤防斜面の漏水又は堤防内の浸透水の飽和による亀裂及び崩れ
(2)川側堤防斜面で水当たりの強い場所の亀裂又は一部流出(崩壊)
(3)堤防上面の亀裂又は沈下
(4)堤防から水があふれている状況
(5)橋梁その他の構築物と取付部分の異常
2
重要水防箇所
本町の区域内の河川等で水防上特に重要な警戒防御区域は、第4章第1節「重要警戒区域及
び整備計画」のとおりとし、随時区域内の河川等の巡視を行うとともに、特に出水期前及び洪
水経過後においては、河川管理者と合同で巡視を行い、重要水防箇所等の実態を把握しておく
ものとする。
409
第8章 水防計画
第7節 水防組織
1
水防管理団体の水防組織
町は、第3章第2節「災害対策本部」に定めるところに準じ、水防に関する事務を処理する
ものとし、水防事務の総括は総務・防災対策部において行うものとする。
また、地域分担については、第5章第1節「災害情報収集・伝達計画」3地域別情報連絡責
任者表中の地域区分とする。
第8節 水防活動
1
水防管理団体の非常配備体制
町は、次による非常配備体制により、水防活動を行うものとする。なお、災害対策本部が
設置されたときは、第3章第2節「災害対策本部」による非常配備体制により処理するもの
とする。
(1)非常配備による基準
第3章第2節「災害対策本部」に定める非常配備に関する基準のとおりとする。
(2)非常配備を指令したときの措置
町は、非常配備を指令したときは、水防に関係のある機関に通知するとともに、渡島総合
振興局長に報告するものとする。
2
消防機関及び水防団(消防団)の非常配備体制
法第17条の規定により、水防管理者は、水防警報が発せられたとき、水位がはん濫注意水
位(警戒水位)に達したとき、その他水防上必要があると認められるときは、鹿部消防署及び
水防団(消防団)を出動させ、又は出動の準備をさせるものとする。
その基準はおおむね次のとおりである。
(1)出動準備
水防管理者は次の場合、鹿部消防署及び水防団(消防団)に対し出動準備をさせるものとす
る。
ア 水防活動の利用に適合する予報及び警報の発表があり、洪水、高潮等の危険が予想さ
れるとき。
イ 水防警報により待機又は準備の指令が発令されたとき。
ウ 河川の水位が水防団待機水位(通報水位)に達して、なお上昇のおそれがあって、か
410
第8章 水防計画
つ出動の必要が予測されるとき。
エ
その他気象状況等により洪水、高潮の危険が予想されるとき。
オ
上記のほか、水防管理者が水防上必要があると認めるとき。
(2)出動
水防管理者は、次の場合は、直ちに鹿部消防署及び水防団(消防団)を、出動させ、警戒配
置につかせるものとする。
ア
水防警報により出動の指令が発令されたとき。
イ
河川の水位がはん濫注意水位(警戒水位)に達し、なお上昇のおそれがあり、危険を
予知したとき。
3
ウ
潮位が上昇して被害のおそれがあるとき。
エ
緊急にその必要があるとして知事からの指示があったとき。
オ
上記のほか、水防管理者が水防上必要があると認めるとき。
警戒区域
1 警戒区域の設定
水防団長(消防団長)、水防団員(消防団員)又は消防機関に属する者は、水防上緊急の必
要がある場所に警戒区域を設定し、水防関係者以外の者に対して、その区域への立入りを禁止
し、若しくは制限し、又はその区域から退去を命ずることができる。
(法第21条、昭和24年法律第193号)
2 警察官の警戒区域の設定
前項の場所においては、水防団長(消防団長)、水防団員(消防団員)又は消防機関に属す
る者がいないとき、又はこれらの者の要求があったときは、警察官は、水防団長(消防団長)
、
水防団員(消防団員)又は消防機関に属する者の職権を行うことができるものとする。
4
水防作業
水防工法を必要とする異常事態が発生したときは、被害を未然に防止し、又は被害の拡大を
防ぐため、堤防の構造、流速、護岸の状態等を考慮して最も適切な工法を選択し、迅速的確に
作業を実施するものとする。
水防工法は、木流し、シート張り、月の輪、積土のう、改良積土のう等とし、具体的な工法
は別に示すものとする。
411
第8章 水防計画
5
避難のための立退き
1 避難のための立退き
災害による避難のための立退きの指示等は、次に定めるもののほか第5章第6節「避難対策
計画」の定めるものとする。
(1)法第29条の規定により、洪水、津波又は高潮のはん濫により著しい危険が切迫してい
ると認められるときは、知事、その命を受けた道の職員又は水防管理者は、必要と認め
る区域の居住者に対し、避難のため立ち退くべきことを指示することができる。
水防管理者が指示をする場合においては、当該区域を管轄する警察署長にその旨を通知
するものとする。
(2)水防管理者は、避難のための立ち退きを指示した場合は、その状況を渡島総合振興局長
に速やかに報告するものとする。
(3)水防管理者は、あらかじめ危険が予想される区域について、避難計画を作成し、避難場
所、避難経路その他必要な事項を定め一般に周知しておくものとする。
2 避難者の輸送
避難者の輸送は、第5章第10節「輸送計画」によるものとする。
3 避難場所の指定
避難場所は、第5章第6節「避難対策計画」によるものとする。
4 非常輸送
非常の場合の資機材、人員等の輸送は、第5章第10節「輸送計画」によるものとする。
6
決壊・越流通報
1 決壊・越流の通報
法第25条の規定により、水防に際し、堤防、ダムその他の施設が決壊したときは、又は越
水、溢水、若しくは異常な漏水が発生したときは、水防管理者、鹿部消防署長、水防団長(消
防団長)は直ちに一般住民、関係機関及び隣接市町村に通報するものとする。
412
第8章 水防計画
2 堤防等の決壊・越水通報系統図
堤防等の決壊・越水通報系統図は次のとおりである。
(注)鹿部消防署長、水防団長(消防団長)は、水防管理者が現場に所在せず、緊急に通報す
る必要があると判断した時は、上記通報図に準じ、通報を行うものとする。
3 決壊・越水後の措置
法第26条の規定により、堤防その他の施設が決壊・越水したときにおいても、水防管理者、
鹿部消防署長、水防団長(消防団長)及び水防協力団体の代表者は、できる限りはん濫による
被害が拡大しないよう努めるものとする。
7
水防解除
水防管理者は、水位がはん濫注意水位以下に減じ、かつ危険がなくなったとき、津波又は高
潮のおそれがなくなったときは、水防の非常配備体制を解除し、これを一般に周知するととも
に関係機関に通知するものとする。
413
第8章 水防計画
第9節 協力及び応援
1
河川管理者の協力
河川管理者は、自らの業務等に照らし可能な範囲で、水防管理団体が行う水防のための活動
に次の協力を行う。
(1)知事の協力
ア 水防管理団体に対して、河川に関する情報(道管理河川の水位、河川管理施設の操作状
況に関する情報)の提供
イ 重要水防箇所の合同点検の実施
ウ 水防管理団体が行う水防訓練及び水防技術講習会への参加
エ 水防管理団体及び水防協力団体の備蓄資機材が不足するような緊急事態に際して、河川
管理者の備蓄資機材の貸与
2
水防管理団体相互間の応援
法第23条第1項の規定により、水防のため緊急の必要があるときは、水防管理者は、他の
水防管理者又は市町村長、若しくは消防長に対して応援を求めることができる。
応援を求められた水防管理者又は市町村長、若しくは消防長は、自らの水防に支障がない限
りその求めに応じるものとする。
法第23条第2項の規定により、応援のため派遣された者は、水防について応援を求めた水
防管理者の所轄のもとに行動するものとする。
水防管理者は法第23条第1項の規定による応援が円滑かつ迅速に行われるよう、あらかじ
め隣接の水防管理者等と相互に協定しておくものとする。
3
警察官の援助の要求
法第22条の規定により、水防管理者は、水防のため必要があると認めるときは、警察署長
に対して、警察官の出動を求めることができる。
その方法等については、あらかじめ当該水防管理団体の区域を管轄する警察署長と協議して
おくものとする。
4
自衛隊の災害派遣の要請の要求
自衛隊法(昭和29年法律第165号)第83条第 1 項の規定により、水防管理者は、災害
に際し、自らの能力で処理することが困難な事態が予想されるときは、第5章第31節「自衛
隊派遣要請及び派遣活動計画」に定めるところにより、知事(渡島総合振興局長)に自衛隊の
災害派遣の要請を要求することができる。
派遣要請に当たっては次の事項を明らかにするものとする。
414
第8章 水防計画
(1)災害の状況及び派遣を要請する事由
(2)派遣を希望する期間
(3)派遣を希望する区域及び活動内容
(4)派遣部隊が展開できる場所
(5)派遣部隊との連絡方法、その他参考となるべき事項
415
第8章 水防計画
第10節 水防信号、水防標識及び身分証票
1
水防信号
水防信号は、水防法第20条の規定により次のとおりとする。
方法
警
区分
●
警戒信号
鐘
第1信号
休止
●
休止
●
休止
●―●―●
第2信号
難
乱
立ち退き
2
5秒 6秒
●―休止
5秒 6秒
●―休止
5秒 6秒
●―休止
10 秒 5 秒 10 秒 5 秒 10 秒 5 秒
●―休止 ●―休止 ●―休止
●―●―●―●
危険信号
打
要
た時及び気象台から気
象の通報を受けたとき
●―●―●
●―●―●―●
摘
はん濫注意水位に達し
5 秒 15 秒 5 秒 15 秒 5 秒 15 秒
●―休止 ●―休止 ●―休止
●―●―●―●
出動
備考
イ レ ン
●―●―●
出動
避
サ
1分 5秒
1分 5秒
●―休止
●―休止
町及び消防機関に属す
る者全員が出動すると
き
町の区域内に居住する
者が出動するとき
必要を認める区域内の
居住者に避難のため立
退きを知らせるとき
1 信号は、適宜の時間継続すること。
2 必要があれば、警鐘信号及びサイレン信号を併用することを妨げない。
3 危険が去ったときは、口頭伝達により周知させるものとする。
水防標識
法第18条の規定により、知事の定める水防のために出動する車両の標識は次のとおりであ
る。
3
水防管理団体の職員等の身分証票
法第49条第1項・第2項の規定により、水防団長(消防団長)、水防団員(消防団員)又
は消防機関に属する者が、水防計画を作成するため必要な土地に立ち入る場合には身分証票を
携帯するものとする。身分証票は道の身分証票に準じ水防管理者が定めるものとする。
416
第8章 水防計画
第11節 費用負担と公用負担
1
費用負担
1 費用負担
法第41条の規定により、水防管理団体の水防に要する費用は、当該水防管理団体が負担す
るものとする。法第23条第3項及び第4項の規定により、他の水防管理団体の応援のために
要した費用は、当該応援を求めた水防管理団体が負担するものとし、負担する費用の額及び負
担の方法は、応援を求めた水防管理団体と応援を求められた水防管理団体が協議して定めるも
のとする。
2 利益を受ける市町村の費用負担
法第42条第1項、第2項及び第3項の規定により、水防管理団体の水防によって、当該水
防管理団体の区域以外の市町村が著しく利益を受けるときは、当該水防に要する費用の一部は、
当該水防により著しく利益を受ける市町村が負担するものとする。
負担する費用の額及び負担の方法は、当該水防を行う水防管理団体と当該水防により著しく
利益を受ける市町村とが協議して定めるものとする。
当該協議が成立しないときは、水防管理団体は知事に斡旋を申請することができる。
2
公用負担
1 公用負担
法第28条第1項の規定により、水防のため緊急の必要があるときは、水防管理者、鹿部消
防署長又は水防団長(消防団長)は水防の現場において次の権限を行使することができる。
(1)必要な土地の一時使用
(2)土石、竹木その他の資材の使用、若しくは収用
(3)車両その他の運搬用機器の使用
(4)工作物その他の障害物の処分
2 公用負担権限委任証
公用負担を命ずる権限を行使する者は、水防管理者、鹿部消防署長又は水防団長(消防団長)
にあっては、その身分を示す証明書を、その他これらの者の委任を受けた者は、次に定める公
用負担権限委任証を携行し、必要がある場合は、これを提示しなければならない。
資料編:資料55
公用負担権限委任証
417
第8章 水防計画
3 公用負担命令票
公用負担を命ずる権限を行使する者は、次に定める公用負担命令票を2通作成し、その
1通を目的物の所有者、管理者又はこれに準ずる者に交付するものとする。
資料編:資料56 公用負担命令票
4 損失補償
法第28条第2項の規定により、水防管理団体は、公用負担の権限を行使することにより損
失を受けた者に対し、時価によりその損失を補償するものとする。
418
第8章 水防計画
第12節 水防報告
1
水防報告
水防管理者は、次に定める事態が発生したときは、速やかに渡島総合振興局長に報告するも
のとする。
(1)水防団(消防団)及び消防機関を出動させたとき
(2)他の水防管理団体に応援を求めたとき
(3)その他報告を必要と認める事態が発生したとき
2
水防活動実施報告
水防管理者は、水防活動が終結したときは、遅滞なく記録を整理し、次の調査対象期間ごと
に水防活動実施報告書を作成の上、所定の期日までに渡島総合振興局長に報告するものとする。
1月~ 5月
6月~ 7月
調査対象期間
8月~ 9月
10月~12月
水防活動
区
使
用 資
材
左のうち主要資材 25 万円以上
費
使用団体分
分
使
団体数
分
活動
主要
その他
延人員
資材
資材
人
円
円
計
団体数
円
前回まで
月分
小
計
累
計
水防管理団体分
前回まで
月分
小
計
累
計
419
用
資
材
主要
その他
資材
資材
円
円
費
備 考
計
円
第8章 水防計画
第13節 水防訓練
1
水防管理団体の水防訓練
法第35条の規定により、指定水防管理団体は、毎年水防団(消防団)、消防機関及び水防
協力団体の水防訓練を実施し水防技術の向上を図るものとする。
第14節 公務災害補償等
1
水防に従事した者の災害補償
法第24条の規定により水防に従事した者が水防に従事したことにより死亡し、負傷し、若
しくは病気にかかり、又は水防に従事したことによる負傷、若しくは病気により死亡し、若し
くは障害の状態となったときは、法第45条の規程に基づき、「市町村消防団員等公務災害補
償条例」
(昭和32年条例第1号)の定めるところにより補償するものとする。
第15節 退職報償金
法第6条の3の規定により、水防団長(消防団長)又は水防団員(消防団員)で非常勤のも
のが退職した場合においては、当該水防団長(消防団長)又は水防団員(消防団員)の属する
水防管理団体は、町又は水防事務組合にあっては条例で、その者(死亡による退職の場合には、
その者の遺族)に退職報償金を支給することができるものとする。
第16節 水防協力団体
1
水防協力団体の指定
法第36条第1項の規定により、水防管理者は、法人その他これに準ずるものとして、国土
交通省令で定める団体で、次項に規定する業務を適正かつ確実に行うことができると認められ
るものを、その申請により、水防協力団体として指定することができる。
法第36条第2項の規定により、水防管理者は、水防協力団体を指定したときは、当該水防
協力団体の名称、住所及び事務所の所在地を公示するものとする。
2
水防協力団体の業務
法第37条の規定により、水防協力団体は、次に挙げる業務を行うものとする。
(1)水防団(消防団)又は消防機関が行う水防上必要な監視、警戒その他の水防活動に協力
すること
420
第8章 水防計画
(2)水防に必要な器具、資材又は設備の保管及び提供すること
(3)水防に関する情報又は資料を収集し、提供すること
(4)水防に関する調査研究を行うこと
(5)水防に関する知識の普及及び啓発を行うこと
(6)前各号に掲げる業務に附帯する業務を行うこと
421