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全員協議会資料
資料1
平成28年1月22日
茅ヶ崎市緑の保全及び緑化の推進に関する条例の見直しの
考え方について【素案】
◇見直しの背景・目的
「茅ヶ崎市緑の保全及び緑化の推進に関する条例」は、昭和49年4月1日に施行されま
したが、条例制定後も市街化の進行に伴い、大規模な樹林地が開発されるなど、本市の自然
環境が失われつつあります。
このような状況のもと、平成21年に策定された「茅ヶ崎市みどりの基本計画」に条例の
見直しを優先施策として位置づけるとともに、「茅ヶ崎市環境基本計画(2011年版)」に
自然環境の保全に向けた条例の制定を重点施策として位置づけました。
これらを受け、本市のみどりを保全、再生、創出し次世代に継承することを目的として、
都市緑地法に位置づけられた制度や市独自のみどりの保全制度を活用した条例へと見直しを
行うものです。
◇条例の見直しによる市民の皆様が得られる主な効果
・市民の皆様の憩いの場としてのみどりを市街地に増やすことが可能となります。
・優れた景観を形成する、市街地のスポット的なみどりの保全が可能となります。
・みどりの創出に際し、沿道への植栽を誘導することで、みどりの豊かさを実感できるま
ち並みを増やし、日常生活に潤いを与えることが期待されます。
・自然的環境が豊かな地区を保全できることが期待されます。
・みどりと触れ合える場所や生き物の生育環境となる場所を増やすことが可能となります。
◇条例の位置づけ
本条例の見直しは、茅ヶ崎市環境基本条例・茅ヶ崎市土地利用基本条例の目的を達成する
ために、みどりに関する分野において必要な事項を位置付けることを目的とします。
茅ヶ崎市環境基本条例
第 1 条(目的)
この条例は、環境の保全及び創造に関する基本理念を定め、並びに市、市民、事業者
及び滞在者の責務を明らかにするとともに、環境の保全及び創造に関する施策の基本的
な事項を定めることにより、その施策を総合的かつ計画的に推進し、もって現在及び将
来の市民の健康で文化的な生活の確保に寄与することを目的とする。
茅ヶ崎市土地利用基本条例
第 1 条(目的)
この条例は、茅ヶ崎市における土地利用の基本理念及び基本原則を定めることにより、
茅ヶ崎市における土地利用に関係する計画及び条例と相まって、適正かつ合理的な土地
利用を図り、もって快適で魅力ある生活環境の創造及び地域社会の健全な発展を図るこ
とを目的とする。
◇他の条例との連携
茅ヶ崎市のみどりを保全・再生・創出するため、本条例の見直しにおいては、他の関
連する条例との連携を図ることとします。なお、開発行為に伴う緑化基準については、
本条例の見直しに合わせて緑化基準の適用範囲を拡大します。
1
◇茅ヶ崎市緑の保全及び緑化の推進に関する条例の見直し後の考え方
見直し後の項目を、みどりの保全・再生・創出という視点からまとめ、それぞれどの
ような項目を規定するかをご説明します。
第1
総
則
1 目的
2 みどりの定義
3 基本理念
4 責務
5 みどりの基本計画
第2
保全・再生
1 みどりの保全地区
2 市民緑地
3 保存樹林等
第3
創
出
1 特定開発事業における緑化基準
※従来どおり「※茅ヶ崎市のまちづくりにおける手続き及び基準等に関する条例」に位置付
けますが、本条例の見直しに合わせて適用範囲の拡大を図ります。
第4
支
援
1 みどりの管理協定
2 みどりの保全地区に関する支援
3 市民緑地に関する支援
4 保存樹林等に関する支援
第5
措置(雑則・罰則)
1 雑則
2 罰則
※みどりの創出に関する施策のうち、緑地の保全、整備等の確保目標は本条例に基づき策定
が義務付けられるみどりの基本計画に示されることとなります。
※「茅ヶ崎市のまちづくりにおける手続き及び基準等に関する条例」は、茅ヶ崎市の一定規
模以上の建築・開発行為に対し、必要な手続き等を定め、秩序あるまちづくりの促進・良好
な都市環境を形成するために定められている条例です。
2
第1
1
総則
目的
みどりの条例の見直しにおいては、市が有するおおらかで豊かな自然環境やいきものの生活
空間を構成するみどり、固有の歴史と文化が息づくみどりを茅ヶ崎市らしい魅力あるみどり
として次世代に引き継ぐために、基本理念、責務、必要な事項を位置付け、市民の健康で安
全で文化的な生活の確保を目的とします。
2
みどりの定義
対象となるみどりとは
(1) 樹林地:
土地の大部分について樹木が生育している一団の土地であり竹林も含まれます。
(2) 草 地:
土地の大部分が草で被われている土地。
(3) 水辺地:
池沼、河川、海、湿地等の水面を含むそれらの周辺の地域(砂浜・河川敷等)も含まれ
ます。
(4) 農 地:耕作の目的に供される土地をいいます。
(5) その他樹木、草花等の存在する自然的環境を有する土地
【解説】
(5)に関して、具体的に公園、広場、庭、街路樹、壁面緑化、屋上緑化等をいいます。
3
基本理念
本条例の見直しにおいて、4つの基本理念を位置付けることとします。
(1) みどりは人間及びいきものの存続基盤であるとともに限りあるかけがえのないもので
あり、次世代へ引き継ぐべきであるという認識を持つこと。
(2) みどりの保全・再生・創出をする際は、その地域の生物多様性に配慮しなければなら
ないこと。
(3) 良好な都市の形成を図るようにみどりの保全・再生・創出を行うこと。
(4) 市・市民及び事業者が連携・協力して行うこと。
【解説】
ア みどりは、人間及びいきものの存続基盤であるととらえ、次世代へ引き継ぐ必要があ
るとの認識に立つことが重要と考えます。
3
イ みどりの保全・再生・創出に関しては生物多様性に配慮して進める必要があります。
ウ 本条例の目的である「健康で文化的な生活」をおくることができる都市の形成を目指
して、環境保全や防災などのみどりの各機能が十分に発揮されるように保全、再生、
創出が行われなければなりません。
エ 市、市民及び事業者が、各立場で連携及び協力しながら、多様化したみどりの課題に
取り組むことが重要です。
4
責務
みどりの保全・再生及び創出に関する基本理念の実現のために取り組む、市・市民・事業
者の立場と責務を明らかにするものです。
【解説】
(1)(市の責務)
ア みどりの保全・再生及び創出に関する施策の立案及び実施。
イ 市民、事業者への情報の発信や、普及、周知、啓発活動の実施。
ウ 市内のみどりに関する状況を把握すること。
エ 国並びに他の地方公共団体との連携及び協力。
(2)(市民の責務)
ア みどりの保全・再生及び創出に自ら取り組むこと。
イ 市の実施するみどりの保全・再生・創出に関する施策に協力すること。
(3)(事業者の責務)
ア 事業者はその事業活動を行うに当たって、みどりの保全・再生及び創出を自ら取り
組むこと。
イ 事業者はその事業活動を行うに当たって、市の実施するみどりの保全・再生・創出
に関する施策に協力すること。
5
みどりの基本計画
(1) 都市緑地法に基づくみどりの基本計画を策定し、推進すること。
(2) みどりの基本計画の策定及び変更にあたって、みどり審議会の意見を聞くこと。
(3) みどりの基本計画を策定及び変更した場合は、速やかに公表すること。
【解説】
ア 都市緑地法において任意の法定計画であり、条例の見直しにおいて策定を義務づけます。
イ みどりの基本計画の策定及び変更について、みどり審議会から意見を聞くことを条例に
位置づけます。なお、市民の皆様の意見の反映については市民参加条例をふまえて対応
していきます。
ウ 茅ヶ崎市は「みどりの基本計画」を策定した後は、みどりの基本計画に定められてい
る各施策を推進していきます。
エ 上記に示すとおり、速やかに市民に対して公表します。
4
第2
1
保全・再生
みどりの保全地区
市民にとって潤いや癒しをもたらすみどりを保全するための施策として、特別緑地保全地
区や市民緑地制度、その他の制度で保全することが困難である土地を保全するための、市独
自の保全制度を本条例に位置付けることを検討します。
所有者からの届出や、優遇措置などを組み合わせた制度を想定しています。
【解説】
都市緑地法、その他法令に、特段位置づけのされていない本条例独自の制度です。
「みどりの保全地区」として市民にとって、潤いや癒しを与えるみどりを一体として保全
する必要があるため、本条例に新たに位置づけを検討します。
「みどりの保全地区」の指定・
解除に関しては、みどり審議会に諮ることとします。対象の地区は、特別緑地保全地区な
どの法律で保全のできない自然環境豊かな地区を想定しています。
「みどりの保全地区」の指定に際し、所有者からの届出、優遇措置などを組み合わせた制
度とし、所有者を対象に合意形成を図ることとします。
2
市民緑地
(1) 市民緑地制度は都市緑地法に位置づけられた制度です。制度の運用を行うために、本条
例に位置付けます。土地所有者や建築物などの所有者と地方公共団体等が契約を締結
し、緑地や緑化施設を公開する制度です。
(2) 都市計画区域内の 300 ㎡以上の土地又は人工地盤、建築物その他の工作物が対象とな
ります。また、特別緑地保全地区も市民緑地の対象となります。契約期間は 5 年以上で
す。
(3) 地方公共団体等が市民緑地の管理を行うことにより、管理の負担が軽減されます。
(4) 以下に示す優遇税制により、土地の所有コストを軽減できます。
ア 契約期間が 20 年以上等の要件に該当する場合、相続税が2割評価減となります。
イ 土地を地方公共団体に無償で貸し付けた場合には、土地の固定資産税及び都市計画税
が非課税となります。
【解説】
市民緑地制度を本条例に位置づけ、運用することにより、地域の人々が利用できる公
開された緑地が市民に提供され、市街地に残る貴重なみどりの保全を本市が行い、本条
例及び本条例施行規則に、市民緑地の設置、市民緑地内の行為の制限、禁止行為等を定
めることとします。市民緑地契約を行うことで、相続発生の際にも相続人全員の申出が
あれば20年以上の契約締結という要件を満たすことで相続税の評価額が2割減という
税の軽減措置があります。
5
3
保存樹林等
この制度は、みどり豊かなまちづくりを推進するために、一定の基準を満たす樹林地の
所有者に対し、固定資産税・都市計画税相当額に加え奨励金の支払いを交付しています。
管理は所有者が行っています。
今回、保存樹林の指定要件を緩和し、より多くの市街地の樹林地を指定する制度に改め
ます。
【解説】
本市は、市街地の500㎡以上の樹林を保存樹林に指定することで、市街地のまとま
った樹林の保全を図っています。所有者には固定資産税、都市計画税相当額に加え、奨
励金を支払うことで樹林の保全を支援しています。平成25年度より、まとまった樹林
の所有者を訪問し、保存樹林制度の活用を促し、市街化区域内のまとまった樹林地はほ
ぼ指定を終えました。今後、さらに制度の活用を進めていく上では、保存樹林の指定面
積を300㎡に下げ、より多くの樹林地を確保し、保全することが重要です。
同時に保存樹木制度については、みどり豊かなまちづくりを推進するために、一定の
基準を満たす樹木の所有者に対し、保全支援を行っています。本条例では、指定基準を
緩和し現行の基準に加え、高さ10m以上又は幹周り1m以上の3本以上の樹木の集団
も対象とします。
【現在の保存樹木の指定要件】
(1)地上高さ1.5mの高さにおける幹の周囲が1.5m以上であること。
(2)高さが15m以上であること。
(3)株立した樹木で幹周が3メートル以上であること。
(4)はん登性樹木で枝葉の面積が30㎡以上であること。
現在、市街地に残る大きな樹木は減少しており、開発等により伐採されてしまうこと
が多くあります。保存樹木制度の見直しにおいて、現行の指定要件に加え、高さ10m
以上または幹回り1m以上の3本以上の樹木の集団を指定できるよう、指定要件を拡大
します。指定要件を拡大することで、市街地にスポット的に残る樹木を保存する制度と
して位置付けます。対象は市街化区域とします。
また、本条例の見直しに合わせ、保存樹林・樹木制度は市街化区域を対象とし、街中
に残された貴重なみどりを保全する制度として活用し、新たに制度化する「みどりの保
全地区」を主に自然環境豊かなみどりを保全する制度として活用することで、制度の棲
み分けを図ります。
6
第3
創出
※ここでは、創出に関する施策である「茅ヶ崎市のまちづくりにおける手続き及び基準等に
関する条例」で見直しを行う緑化基準についてご説明します。
みどりの創出に関する施策のうち、緑地の保全、整備等の確保目標は本条例に基づき策定
が義務付けられるみどりの基本計画に示されることとなります。
今回の条例の見直しに合わせて従来から位置付けのある開発行為に対する緑化基準につい
ては、まちづくり条例の特定開発事業にあたる共同住宅等の建築行為を行う場合に加え、特
定開発事業の敷地面積500㎡以上の専用住宅以外の建築を目的とした特定開発事業にあた
る案件を追加します。
現
行
共同住宅等を建築する行為の場合に、予定建築物の
敷地面積の15%(近隣商業・商業地域においては
10%)以上の緑化義務が生じます。
緑化(条例36条関係)
改正案
緑化の対象は共同住宅等を建築する行為に限定して
いましたが、共同住宅等以外の用途に供する建築物
(一戸建ての専用住宅のみの建築行為を除く)につ
いても、新たに緑化対象とします。
【解説】
一定規模以上の開発行為に対するみどりの創出に関しては、本条例で規定するのではなく、
現行どおり「茅ヶ崎市のまちづくりにおける手続き及び基準等に関する条例」に規定します。
過去10年間運用された結果、約55,000平方メートルにも及ぶみどりの創出がされた
という実績があり、事業者を規制し緑化を確実に行わせるという担保性の面から鑑みて、
「茅
ヶ崎市のまちづくりにおける手続き及び基準等に関する条例」に規定することが、みどりの
創出という点からより効果的です。また、みどりの創出に際し、沿道への植栽を誘導するこ
とで、みどりの豊かさを実感できるまち並みを増やし、日常生活に潤いを与えることが期待
されます。
※市が行う開発行為においては、特定開発事業を始めとした法令等に準拠するとともに、地
域のモデルとなる緑化を目指します。
7
第4
支援
※支援に関する内容は、他の項目を規定する際に盛り込まれることになり、すべての項目が
支援として独自に規定されるものではありません。ここでは支援の内容をご理解いただくた
め、抽出し説明しています。
1
みどりの管理協定
保存樹林、新しく制度化を予定しているみどりの保全地区等のみどりにおいて、管理が十
分に行われないためにみどりとしての機能が十分に発揮されず、みどりの荒廃、喪失が発生
し、みどりの適正な管理が行われないことを防ぐために、みどりの管理団体が土地所有者等
との間でみどりの管理のための協定(みどりの管理協定)を締結し、当該土地所有者等に代
わり、みどりの保全及び管理を行う制度を本条例に位置付けます。
(1) みどりの管理団体の指定
団体は、市内のみどりの保全及び緑化の推進を目的とした有志団体(ボランティア)を想
定しています。申請に対し、市が指定します。
(2)みどりの管理団体の業務
ア 管理協定に基づくみどりの管理
イ みどりの保全地区内での保全管理作業
ウ みどりの保全及び緑化の推進に関する情報収集と情報提供 助言及び指導。
(3)みどりの管理団体のメリット
ア 市から活動の支援(広報・ホームページでの周知等)
イ 活動にかかる、市から備品の支援等
2
みどりの保全地区
みどりの保全地区の所有者に奨励金の支払い等の優遇措置を講じます。
3
市民緑地
都市緑地法に基づく支援策を利用し支援します。
(1) 無償賃貸借契約による非課税
(2) 相続において、相続人全員の申し出により相続税評価額2割減
(20年以上の契約が条件となる)
(3) 市又は緑地管理機構の管理により、所有者の管理負担減
8
4
保存樹林等
保存樹林に関しては、下記のとおり既存の施策(助成)を見直し支援します。
助成額:固定資産税+都市計画税相当額+奨励金(500円/100㎡)
保存樹木に関しては下記のとおり既存の施策(助成)を見直し支援します。
(1)
1本につき
4,500 円
(2)
2 本目以降は 2,250 円
(3)
3本以上の集団の樹木
(半径10m以内にある樹木の集団については、1本 2,250 円)
助成の上限は30,000 円とします。
【解説】
みどりの管理協定制度については、都市緑地法の管理協定制度に基づかない茅ヶ崎市独
自の管理協定制度です。
土地所有者の高齢化等により、管理のできない保存樹林や、みどりの保全地区を管理の
対象といたします。
市民の皆様には、みどりの管理協定が条例に制度化されることで下記のメリットが生じます。
・保全管理されていない緑地をみどりの管理団体が管理することで、適正に管理された緑
地として保全され、市街地の貴重なみどりの保全に繋がります。
・みどりの管理団体が緑地を管理することで、管理されていない屋敷林などが適正に管理
され、茅ヶ崎の昔ながらの邸園文化を再生し、実感することができます。
みどりの管理協定(1)については、地権者へ人的支援を行います。保全・再生に関する
各制度(2、3、4)に関しては、上記に定めるとおり支援を行います。
9
第5
1
措置(雑則・罰則)
雑則
「条例に必要な事項は、規則で定める」 という委任事項を検討しています。
2
罰則
対象は、市民緑地において条例に定める禁止事項を行った者に対し、過料を科すことを検
討しています。
【解説】
条例について必用な事項を規則で定めます。これは委任事項として条例に位置付けま
す。
罰則に関しては、市民緑地の禁止行為を行った者に対し、過料を科します。
罰則には「罰金」
、
「懲役」
、
「過料」の3種類があり、「罰金」及び「懲役」は市が検察
に告発し、刑事訴訟法の手続きに則り、裁判手続きを行うこととなります。
「過料」とは、
市長が過料の命令を下すものです。
市民緑地について条例に定める禁止行為を行ったものに対して過料に処す理由は、茅
ヶ崎市都市公園条例との整合性をとった結果です。
茅ヶ崎市都市公園条例とは、都市公園・市民緑地とその根拠法令は違いますが、土地
利用の主旨に関しては、開放し、一般市民が自由に利用でき、禁止行為も定められてい
るという性質から、利用形態は非常に似ていると判断できます。
都市公園も市民緑地も、一見市民が見ればその土地が公園なのか市民緑地なのかを理解
することは困難です。またその性質も非常に似ているという観点から、茅ヶ崎市都市公
園条例の過料の規定に沿い、市民緑地においても禁止行為を行った者に対して、過料に
処します。
また、当然のことながら市民緑地においてたとえば何者かが木を勝手に切ってしまえ
ば、民法上の損害賠償請求の対象となり、刑法上の器物損壊罪に該当する可能性があり
ます。
このような社会的制裁の上に、市の独自の制度に対して過料に処すということで、禁
止行為を行ったものに対して対応していきます。
10
「茅ヶ崎市緑の保全及び緑化の推進に関する条例」の見直しについて 【全体総括】 (素案)
旧
茅ヶ崎市緑の保全及び緑化の推進に関する条例(現行)
(目的)
第1条 この条例は、本市の緑の保全及び緑化の推進(以下「緑化
の推進等」という。)について基本的事項を定めることにより、市民の
健康で快適な生活環境の確保を図ることを目的とする。
第2条 (基本理念) 削除 (平8条例25)
(市長の責務)
第3条 市長は樹林地等が一体となって良好な自然環境を形成して
いる緑地の保全、及び公園、緑地、道路、学校、その他の公共施設
の緑化に努めるとともに、おおむね次の各号に掲げる事項に関し必
要な施策を実施するものとする。
(1)緑化の推進等の思想の普及に関すること。
(2)家庭、工場及び事業所の緑化の推進等に関すること。
(3)樹林又は樹木の保存に関すること
(4)この条例の目的を達成するため必要な事項に関すること
(市民及び事業者の責務)
第4条 市民及び事業者は、自ら使用する敷地内の緑化の推進等
に努めるとともに、市長が実施する施策に協力しなければならない。
(緑化の推進等の助成)
第5条 市長は、市民が行う緑化の推進等について必要な助言及び
指導を行うとともに、予算の範囲内で助成することができる。
新
茅ヶ崎市緑の保全及び緑化の推進に関する条例の構成(見直し後)
(みどりの定義)
・樹林地、草地、水辺地、農地、その他樹木草花等の存在する自然的環境を有
する土地
(みどりの定義)
(新規)
・都市緑地法の自然的環境という文言を用い、みどりの定義を整理しました。
(基本理念)
①みどりは、人間及びいきものを含む存続基盤であり、次世代へ引き継ぐべき
であるという認識を持つもの。
②みどりの保全・再生・創出をする際は、生物多様性に配慮する。
③良好な都市の形成を図るようにみどりの保全・再生・創出を行う。
④市・市民及び事業者が連携協力して行う。
(責務)
市、市民、及び事業者の責務を明確に位置付ける。
(みどりの基本計画)
1都市緑地法に基づくみどりの基本計画の策定を義務付ける。
2みどりの基本計画の策定及び変更について、みどり審議会から意見を聞く。
3みどりの基本計画の策定及び変更の際は、速やかに市民に公表。
(みどりの保全地区)
特別緑地保全地区・市民緑地制度等で保全できないみどり。特別緑地保全地
区周辺の点在しているみどりを、みどりの保全地区として指定する。指定はみど
り審議会からの意見を伺い進める。
第7条~第12条 保存樹林等に関する規定
(保存樹林制度)
・指定要件を300㎡以上の美観上優れた樹林とする。
(保存樹木制度)
・現行の指定要件に加えて、市街地のスポット的なみどりを保全する内容を追
加。
(みどりの管理協定)
・みどりの保全地区・保存樹林を対象に、管理困難な土地の所有者とみどりの
管理団体が協定を結ぶことで、みどりの管理の支援を行う。
みどりの創出の強化について【見直し後】
【創出】
※みどりの創出については、茅ヶ崎市のまちづくりにおける手続き及び基
準等に関する条例 の36条緑化の部分に関して、対象を共同住宅以外の
500平方メートル以上の事業所・店舗等の建築行為にも緑化の義務を設
けることとし、内容を強化します。
本条例の見直しの考え方(各制度について)
(目的)
(見直し)
・目的は、茅ヶ崎市環境基本条例、土地利用基本条例の目的を達成するた
めとして整理をしました。
(市民緑地制度)
・300㎡以上の土地所有者と市が賃貸借契約を締結し、市が管理。
昭和49年4月1日施行
資料2
(目的)
・みどりを次世代に引き継ぐために、市民の健康で文化的な生活の確保を目的
とする。
(保存樹林等の指定)
第6条 市長は、樹林又は樹木の保全を図るため必要があると認め
るときは、別に定める基準に該当する樹林等を保存樹林又は保存
樹木として指定することができる。
(委任)
第13条 この条例の施行について必要な事項は、市長が別に定め
る。
全員協議会資料
平成28年1月22日
(みどりの管理団体)
・市内のみどりの保全及び緑化の推進を目的とした有志団体を想定し、申請に
対し市が指定する。
(措置・雑則・罰則)
・委任 条例に必要な項目は規則で定める。
・過料 市民緑地の禁止事項に違反した者に関し,過料に処す。
(基本理念)
(新規)
・環境基本条例の制定時において「環境基本条例が環境の分野における
当市としての統一した方向性を示すものであり、その考え方は他の関連す
る条例を包括することとなり削除されましたが、生物多様性の重要性が社
会的に増したことを踏まえ、新たに基本理念を位置けました。
(責務)
(見直し)
・責務については、市・市民・事業者の3者にそれぞれの責務があり、明確
化します。
(みどりの基本計画)
(新規)
・みどりの基本計画は都市緑地法に定められた、任意の法定計画ですが
本条例の見直しにあわせて、策定を義務付け、策定・変更についてはみど
り審議会から意見を伺います。
(みどりの保全地区)
(新規)
・都市緑地法等に制度化されていない保全できないみどりを、市独自の保
全制度を創設し、保全します。対象、指定はみどり審議会からの意見を伺
い市が、指定を行います。
(市民緑地制度)
(新規)
・300㎡以上の土地所有者と市が賃貸借契約を締結し、市が管理すること
で所有者の管理の負担軽減につながります。また、開放的な緑地を市街地
に増やすことで市民の皆様にレクリエーション機能の場を多く設けることを
目的とします。
(保存樹林制度)
(見直し)
・現行の指定要件を500㎡から300㎡に緩和し、市街地のより多くの貴重
な樹林地を保全します。
(保存樹木制度)
(見直し)
・市街地に残るスポット的なみどりを保全することで、より小規模な樹木の
集団を保全します。
(みどりの管理協定)
(新規)
・今後、本市において高齢化等でみどりを管理することが困難な地権者が
増えると考えられるために、みどりの管理団体と地権者が協定を結び、み
どりの保全・管理を行う茅ヶ崎市独自の制度を創設します。
(みどりの管理団体)
(新規)
・みどりの管理協定を結び、みどりの保全・管理を行うボランティア団体を指
します。
【措置・雑則・罰則】
(新規)
・新たに創設する市民緑地制度に対して、市民緑地内で禁止行為を行った
者を過料に処します。