第1章 計画策定にあたって(PDF:313KB)

第1章
第1章 計画策定にあたって
計画策定にあたって
1.計画策定の趣旨
近年、わが国において、少子化が急速に進行し、平成 25 年の合計特殊出生率*は 1.43 とな
っています。平成 17 年の合計特殊出生率 1.26 と比べて増加していますが、出産年齢の高年
齢化等が出生率を押し上げている一方、生涯未婚率の増加や出産する子どもの数の減少等が
課題となっており、結婚や出産・子育てに関する希望がかなう社会の実現に向けて、子ども・
子育て支援対策の継続的推進が求められています。また、核家族化の進展や地域コミュニテ
ィの希薄化により、日頃の子育てにおいて周囲の協力・支援を得ることが困難な状況であっ
たり、就労環境において、女性の就業率の上昇による共働き家庭が増加している反面、男性
の非正規雇用割合の増加や、仕事と子育ての両立の困難さから、出産を機に退職する女性が
少なからず存在しています。
これら子育て家庭を取り巻く、地域、就労等の環境の変化は、子育て家庭の孤立化や不安・
負担感の増加につながることからも、地域社会を含めた社会全体で子ども・子育てを支援し
ていくことが必要となっています。
このような状況の中で、国においては平成 15 年から少子化対策について法律の制定や計画
の実施に取り組んでおり、平成 24 年には、すべての子どもが健やかに成長することができる
社会をめざし、国や地域をあげて、子どもや子育て家庭を支援するため「子ども・子育て支
援法」、
「認定こども園法の一部を改正する法律」
、「関係法律の整備法に関する法律(児童福
祉法等の改正)
」のいわゆる「子ども・子育て関連3法」を制定し、平成 27 年4月からは、
それに基づく「子ども・子育て支援新制度」がはじまります。この制度は、家庭が子育てに
ついての第一義的責任を有するという基本的認識のもと、幼児期の学校教育や保育、地域の
子ども・子育て支援を総合的に推進し、子どもの視点に立った子ども・子育て施策の充実を
図ろうとしています。
三田市では、次世代育成支援対策推進法の趣旨を踏まえ、平成 17 年に「さんだっ子幸せ・
夢プラン」
(前期三田市次世代育成支援地域行動計画)
、平成 22 年にその継承計画となる「さ
んだっ子もっと幸せ・夢プラン」
(後期三田市次世代育成支援地域行動計画)を策定し、子ど
もの幸せを最優先にする視点を重要な位置づけとしながら様々な施策を実施しています。し
かし、本市においても、保育所の入所需要の高まりによる待機児童の増加や、少子化や地域
コミュニティの希薄化等の社会環境の変化等により、保護者が子育てについての悩みを身近
な人に相談できなかったり、子どもの育ちに大切な要素である多様な人とのかかわりや社会
体験の機会が減少したりしているなどの子育てにおける課題が顕在化しています。
今回、これらの動向や次世代育成支援対策推進法の延長を受け、子ども・子育て支援法の
基本理念及び子ども・子育て支援の意義やこれまで本市で取り組んできた次世代育成支援対
策を踏まえ、三田市の子ども一人ひとりが健やかに成長できる社会を実現することを目的に、
「三田市子ども・子育て支援事業計画」(以下、
「本計画」という。
)を策定しました。
*は、P139 に用語解説を掲載しています。
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2.計画の位置づけ
●子ども・子育て支援法に基づく計画
本計画は、子ども・子育て支援法第 61 条に基づく法定計画として策定するものであり、三
田市における教育・保育及び地域子ども・子育て支援事業の充実に向けた計画を定めるもの
です。
【子ども・子育て支援法第 61 条】
市町村は、基本指針に即して、5年を1期とする教育・保育及び地域子ども・子育て支援事業の提供体制の確保その他こ
の法律に基づく業務の円滑な実施に関する計画(以下「市町村子ども・子育て支援事業計画」という。)を定めるものとする。
●次世代育成支援対策推進法を踏まえた計画
本計画は、次世代育成支援対策推進法の延長に伴い、同法に基づく「三田市次世代育成支
援地域行動計画」の性質をもつ計画として位置づけています。また、本計画では概ね 18 歳ま
での子どもやその家族等に対する様々な分野の取組を総合的・一体的に進めるため、子ども・
若者育成支援に関する施策等についても含めていくものとします。
●第4次総合計画を上位計画とする市の子ども・子育てにかかる計画
本計画は、「三田まちづくり憲章」の理念に基づく、「第4次三田市総合計画」を上位計画
とし、
「三田市人権施策基本方針」を踏まえ、
「三田市教育振興基本計画」、
「健康さんだ 21 計
画」、
「三田市障害者福祉基本計画」
、
「三田市障害福祉計画」
、
「三田市男女共同参画計画」、
「三
田市地域福祉計画」等の分野別の計画とも整合を図り、分野横断的に子ども・子育て支援を
充実させていくものとします。
■関連計画との位置づけ
三田まちづくり憲章
まちの将来像
ひと・まち・自然が輝く三田
実現
第4次三田市総合計画
三田市人権施策基本方針
三
田
支市
援子
事ど
業も
計・
画子
育
て
連携
三田市教育振興基本計画
三田市男女共同参画計画
健康さんだ 21 計画
三田市地域福祉計画
三田市障害者福祉基本計画・
三田市障害福祉計画
その他、関連計画等
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3.計画の対象
本計画で対象とする子どもは、概ね0歳から 18 歳未満の乳幼児及び青少年とします。また、
子どもの保護者及び家族、それらを取り巻く地域社会すべてを対象とします。
4.計画の期間
「子ども・子育て支援法」では、市町村は平成 27 年度から5年を1期とした事業計画を定
めるものとしています。本計画は、平成 27 年度を初年度とし平成 31 年度までの5年間を計
画期間とします。
H22
H23
H24
H25
H26
H27
H28
H29
H30
H31
後期三田市次世代育成支援地域行動計画
三田市子ども・子育て支援事業計画
見直し・後継
5.計画策定の体制
●子ども審議会の設置及び審議を実施
本計画の策定にあたっては、子ども・子育てに関する総合的な検討を図るため、市民、学
識経験者、子ども・子育てに関する機関・団体等で構成された「三田市子ども審議会」を設
置し、計画内容の審議を行いました。
●アンケート調査を通じた市民ニーズの把握
本計画の策定に先立ち、保育ニーズや子育て支援サービスの利用状況や利用意向、子育て
世帯の生活実態、要望・意見等を把握するためにアンケート調査を実施しました。
●パブリックコメントを実施
本計画について、市民から幅広い意見募集のため、計画案に対するパブリックコメントを
実施し、市民の意見も反映しました。
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