森ヒルズリート投資法人

15-D-0032
2015 年 4 月 14 日
株式会社日本格付研究所(JCR)は、以下のとおり信用格付の結果を公表します。
森ヒルズリート投資法人
【据置】
長期発行体格付
格付の見通し
債券格付
発行登録債予備格付
(証券コード:3234)
AA−
安定的
AA−
AA−
■格付事由
(1) 06 年 2 月に設立され、11 月に東京証券取引所(不動産投資信託証券市場)に上場した総合型の J-REIT。
オフィスビルに重点をおくほか、住宅、商業施設等も投資対象とする。資産運用会社(AM)のスポンサ
ーは森ビル。現行ポートフォリオは全 10 物件、約 2,817 億円の資産規模となっており、
「六本木ビュータ
ワー」を除き、東京都心 5 区(特に港区)中心に所在し大規模かつハイスペックな仕様の物件、及び耐震
性の重視といった要件を満たした「プレミアム物件」(本投資法人の定義による)で占められている。
(2) 本投資法人は 15/1 期初に 2 年連続となる公募増資を実施し、「アークヒルズサウスタワー(全体の
25%)」及び「六本木ヒルズ森タワー(1 フロア:20 階)」をスポンサーから約 290 億円で取得した。ポ
ートフォリオについては 12/7 期末以降の各期末時点で 98%を超えている稼働率、安定的に推移している
平均賃料、15/1 期末時点で 4.0%の水準が確保されている NOI 利回り等のトラックレコードを積み上げて
いる。物件パイプラインを活用した外部成長に加え、テナントリーシング等の PM 業務、収益安定化を企
図した賃料固定型マスターリースの導入などの各局面においてスポンサーサポートが幅広く活用されてお
り、スポンサーグループとの強固な協働関係に基づく堅実な賃貸事業運営が安定したキャッシュフローの
確保に寄与しているものと JCR では考えている。財務面では上述の公募増資に伴い、資産総額ベースの
簿価 LTV が 14/7 期末の 47.9%から 15/1 期末では 44.1%へと低下した。またポートフォリオの含み損が
15/1 期末に解消し約 23 億円の含み益に転じたほか、有利子負債の平均残存年数の長期化、借入コスト
の低減等も進展していることから、財務の安定性は当面維持されるとみている。以上を踏まえ、格付を据
え置き、見通しを安定的とした。
(3) オフィスビル等の売買市場において厳しい物件取得環境が続いているとみられる中、本投資法人は引き続
き、優先交渉権を有するスポンサーの物件パイプラインの活用を軸とした外部成長を推進する方針である。
15/1 期末において上位 3 物件(アーク森ビル、六本木ヒルズ森タワー、赤坂溜池タワー)への集中度が
取得価格ベースで 58.1%、スポンサーへのテナント集中度が賃貸面積ベースで 79.5%と依然として相対
的に高い水準にあるものの、保有物件の立地や耐震性能も含めたスペック等の優位性からみて、物件やテ
ナント集中リスクの顕在化に対する懸念は足元で特段みられない。一方で外部成長に伴う物件やテナント
分散の進展によって、ポートフォリオの安定度は増すと想定される。引き続き、外部成長を中心にスポン
サーグループとの協業動向にも留意しつつ、ポートフォリオ強化に向けた各種施策の実施状況及びその成
果をフォローしていく。
(4) デット・ファイナンスでは主力 5 行を中心としたレンダーフォーメーションを維持している。上場時より
全額無担保・無保証での調達が実施されているほか、足元において金利固定化や返済期限の分散化への取
り組みもみられている。今後財務の安定性向上に向けては、有利子負債の一段の金利固定化や返済期限の
分散化、増資を含めた適切なレバレッジコントロールの継続等がポイントになると考えている。
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http://www.jcr.co.jp
【主な新規取得物件の概要】
アークヒルズサウスタワー
東京メトロ南北線「六本木一丁目」駅 3 番出入口に直結する、13 年 7 月に竣工した鉄骨・鉄骨鉄筋コン
クリート・鉄筋コンクリート造陸屋根地下 4 階付 20 階建の超高層複合オフィスビル。本投資法人は一棟の
建物及びその敷地の共有持分 25%を信託財産とする信託受益権を取得した。86 年に完成したアークヒルズ
の南の玄関口に位置しており、最寄駅から都心部主要ターミナルへのアクセスや、本物件から首都高速道
路出入口へのアクセスも良好な立地である。本物件は地下 2∼3 階に 136 台の駐車スペース、地下 1∼2 階
に商業施設、3 階にスモールオフィス、4∼20 階にオフィス、屋上には都心最大級の庭園を備えている。周
辺には「アーク森ビル」、「泉ガーデンタワー」、「六本木ティーキューブ」等の大規模オフィスビルや商業
施設のほか、高級レジデンス、各国大使館、コンサートホール、ホテル等が建ち並び、閑静かつ洗練され
た雰囲気を有するエリアとなっている。「アークヒルズ仙石山森タワー」が 12 年に竣工し、
「六本木三丁目
東地区第一種市街地再開発事業」が着工済みであるなど再開発ビルの建築が進んでおり、今後は上述の街
並みを維持しつつ、オフィスと住宅が共存していくものと想定される。建物スペックでは基準階オフィス
で約 570 坪の整形空間が確保されているほか、天井高 2,900mm プラス OA フロア 100mm(一部特殊階につ
いては天井高 3,000mm、OA フロア 300mm)
、外装ルーバーや Low-E ペアガラスの採用、専用部には自動調
光機能を搭載した LED 照明器具を使用等、環境への負荷軽減を企図した工夫が随所にみられる。また、大
地震でも構造に大きな損傷を与えないよう最新の制震システム(粘性体制震壁、粘弾性ダンパー及びアン
ボンドブレース)を採用し震災への対応能力も高いと想定されるため、海外企業も含めたテナントニーズ
を満たす一定水準の仕様・設備内容を有していると考えられる。築浅物件で維持管理の状態は良好であり、
15 年 3 月末時点の稼働率は 100%となっている。
取得日:14 年 8 月 1 日
取得価格:19,150 百万円
鑑定評価額:21,000 百万円(15 年 1 月末時点)
(担当)杉山 成夫・松田
■格付対象
発行体:森ヒルズリート投資法人
【据置】
対象
長期発行体格付
対象
第 4 回無担保投資法人債(特定投資
法人債間限定同順位特約付)
第 6 回無担保投資法人債(特定投資
法人債間限定同順位特約付)
第 7 回無担保投資法人債(特定投資
法人債間限定同順位特約付)
第 8 回無担保投資法人債(特定投資
法人債間限定同順位特約付)
第 9 回無担保投資法人債(特定投資
法人債間限定同順位特約付)
第 10 回無担保投資法人債(特定投
資法人債間限定同順位特約付)
第 11 回無担保投資法人債(特定投
資法人債間限定同順位特約付)
第 12 回無担保投資法人債(特定投
資法人債間限定同順位特約付)
対象
発行登録債
格付
見通し
AA-
安定的
発行額
発行日
償還期日
50 億円 2010 年 5 月 27 日
利率
格付
2015 年 5 月 27 日
1.95%
AA-
50 億円 2012 年 11 月 28 日 2015 年 11 月 27 日
0.78%
AA-
20 億円 2012 年 11 月 28 日 2017 年 11 月 28 日
0.97%
AA-
30 億円 2013 年 5 月 24 日
2018 年 5 月 24 日
0.85%
AA-
20 億円 2013 年 5 月 24 日
2020 年 5 月 22 日
1.26%
AA-
30 億円 2014 年 2 月 24 日
2019 年 2 月 22 日
0.414%
AA-
20 億円 2014 年 2 月 24 日
2021 年 2 月 24 日
0.688%
AA-
20 億円 2014 年 11 月 27 日 2024 年 11 月 27 日
0.865%
AA-
発行予定額
1,000 億円
発行予定期間
予備格付
2013 年 12 月 13 日から 2 年間
AA-
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http://www.jcr.co.jp
信康
格付提供方針に基づくその他開示事項
1. 信用格付を付与した年月日:2015 年 4 月 9 日
2. 信用格付の付与について代表して責任を有する者:藤本
主任格付アナリスト:杉山 成夫
幸一
3. 評価の前提・等級基準:
評価の前提および等級基準は、JCR のホームページ(http://www.jcr.co.jp)の「格付方針等」に「信用格付の種類
と記号の定義」
(2014 年 1 月 6 日)として掲載している。
4. 信用格付の付与にかかる方法の概要:
本件信用格付の付与にかかる方法の概要は、JCR のホームページ(http://www.jcr.co.jp)のストラクチャード・フ
ァイナンス「格付の方法」のページに、
「J-REIT」
(2014 年 6 月 2 日)の信用格付の方法として掲載している。
5. 格付関係者:
(発行体・債務者等)
森ヒルズリート投資法人
6. 本件信用格付の前提・意義・限界:
本件信用格付は、格付対象となる債務について約定通り履行される確実性の程度を等級をもって示すものである。
本件信用格付は、債務履行の確実性の程度に関しての JCR の現時点での総合的な意見の表明であり、当該確実性
の程度を完全に表示しているものではない。また、本件信用格付は、デフォルト率や損失の程度を予想するもので
はない。本件信用格付の評価の対象には、価格変動リスクや市場流動性リスクなど、債務履行の確実性の程度以外
の事項は含まれない。
本件信用格付は、格付対象の発行体の業績、規制などを含む業界環境などの変化に伴い見直され、変動する。ま
た、本件信用格付の付与にあたり利用した情報は、JCR が格付対象の発行体および正確で信頼すべき情報源から入
手したものであるが、当該情報には、人為的、機械的またはその他の理由により誤りが存在する可能性がある。
7. 本件信用格付に利用した主要な情報の概要および提供者:
・ 格付関係者が提供した監査済財務諸表
・ 格付関係者が提供した業績、経営方針などに関する資料および説明
8. 利用した主要な情報の品質を確保するために講じられた措置の概要:
JCR は、信用格付の審査の基礎をなす情報の品質確保についての方針を定めている。本件信用格付においては、
独立監査人による監査、発行体もしくは中立的な機関による対外公表、または担当格付アナリストによる検証など、
当該方針が求める要件を満たした情報を、審査の基礎をなす情報として利用した。
9. JCR に対して直近 1 年以内に講じられた監督上の措置:なし
■留意事項
本文書に記載された情報は、JCR が、発行体および正確で信頼すべき情報源から入手したものです。ただし、当該情報には、人為的、機械的、また
はその他の事由による誤りが存在する可能性があります。したがって、JCR は、明示的であると黙示的であるとを問わず、当該情報の正確性、結果、
的確性、適時性、完全性、市場性、特定の目的への適合性について、一切表明保証するものではなく、また、JCR は、当該情報の誤り、遺漏、また
は当該情報を使用した結果について、一切責任を負いません。JCR は、いかなる状況においても、当該情報のあらゆる使用から生じうる、機会損失、
金銭的損失を含むあらゆる種類の、特別損害、間接損害、付随的損害、派生的損害について、契約責任、不法行為責任、無過失責任その他責任原因
のいかんを問わず、また、当該損害が予見可能であると予見不可能であるとを問わず、一切責任を負いません。また、JCR の格付は意見の表明であ
って、事実の表明ではなく、信用リスクの判断や個別の債券、コマーシャルペーパー等の購入、売却、保有の意思決定に関して何らの推奨をするも
のでもありません。JCR の格付は、情報の変更、情報の不足その他の事由により変更、中断、または撤回されることがあります。格付は原則として
発行体より手数料をいただいて行っております。JCR の格付データを含め、本文書に係る一切の権利は、JCR が保有しています。JCR の格付データ
を含め、本文書の一部または全部を問わず、JCR に無断で複製、翻案、改変等をすることは禁じられています。
■用語解説
予備格付:予備格付とは、格付対象の重要な発行条件が確定していない段階で予備的な評価として付与する格付です。発行条件が確定した場合には
当該条件を確認し改めて格付を付与しますが、発行条件の内容等によっては、当該格付の水準は予備格付の水準と異なることがあります。
■NRSRO 登録状況
JCR は、米国証券取引委員会の定める NRSRO(Nationally Recognized Statistical Rating Organization)の 5 つの信用格付クラスのうち、以下の 4 クラ
スに登録しています。(1)金融機関、ブローカー・ディーラー、(2)保険会社、(3)一般事業法人、(4)政府・地方自治体。
■本件に関するお問い合わせ先
情報サービス部
TEL:03-3544-7013 FAX:03-3544-7026
3/3
http://www.jcr.co.jp