「壁に囲まれた庭」がブランドを傷つける理由とオープン

「壁に囲まれた庭」がブランドを傷つける理由とオープンプラットフォームの将来性について
INTRODUCTION
はじめに
オープンウェブの急速な成長とデジタルデバイス利用の拡大は、広告業界の隆盛を促し、全世界における広告費は
2016年までに約6,000億ドルに達すると予想されています(1)。しかし、
この急速な成長の背後には、成長痛ともいうべ
き相応の苦難も存在しています。常にメディアに接続している状態から生み出される消費の出現は、従来の購入経路に
大きな影響を与えました。認知からロイヤリティに至る各段階は、
消費者のタッチポイントとエンゲージメントデータが複
雑に錯綜することにより形成されるようになったのです。その結果、
マーケターたちは、
様々な画面やチャネルを通じて効
果的な広告プログラムを開発・最適化する助けとなるオートメーションプラットフォームを一層求めるようになりました。
このマーケティングの機械化は、様々な方面で有益であることが証明されてきた一方で、広告テクノロジー環境の断片
化により、広告主がマーケティングの成果を俯瞰的に分析することは大変困難になりました。その結果生み出されたの
は、莫大なコストや、縦割りに貯め込まれた知見、調和しないデータセットです。しかし、効果的かつ顧客を中心とした
マーケティングを行うためには、
マーケターはあらゆるパートナーやチャネルを通じてインサイトを統合できる能力を有
していなければなりません。
本書は、
オープンデータの統合・広告在庫・クリエイティブの最適化・アトリビューション方式を利用した、
モジュール式
のアプローチであるオープンプラットフォームを採用する明確なメリットを理解していただくことを目的としています。
これは、機能とパートナーがあらかじめ決められており、柔軟性とポータビリティーが制限される閉鎖的な
「壁に囲まれ
た庭」戦略とは対照的な存在です。
本書でとりあげるキークエスチョン :
• 広告主がプラットフォームに求めるべきものは何か?
• マーケターが閉鎖的なプラットフォームを利用することにより失うものは何か?
• 広告に対するオープンアプローチが、
いかに急速に進化するメディア環境や変化し続ける
消費者行動を理解するための解決となるか?
AN OPEN PLATFORMS MANIFESTO
02
OPEN DATA
オープンデ ー タ
オーディエンスバイイングから効果測定に至るまで、
マーケティングプログラムのあらゆるフェーズにおいてデータは重
要な役割を担います。消費者がメディアに接する方法は無数に存在し、
その結果、広告主が収集し、分析に使うことの
できるデータポイントの宝庫が生み出されます。しかし、手元に膨大なデータが存在するにもかかわらず、広告主が迅
速かつ的確にそれらを扱う方法は限られています。
ブランドがデータパートナーを選ぶ必要性
データマネジメントとバイイングテクノロジーの発展に伴い、
ひ
とつの手法で全てを賄うという、従来の広告のもつ典型的なア
プローチが効果的でないことが明らかになりました。あらゆる
広告主は、固有のマーケティング目標を有しています。そのた
め、
カスタマイズされたオーディエンスセグメンテーションや、
垂直的もしくはチャネル特定の最適化、
そして手動データ操作
が不要のシームレスなレポートが可能となる、
フレキシブルな
データソースの必要性が増大しています。
閉鎖的なプラットフォームを利用している場合、広告主も代理
店も、自分たちが実際にどのようなパフォーマンスを行ってい
るかを一目で見ることはできません。閉鎖的なプラットフォー
ムでは、
クライアントはあらかじめ決められたデータベンダー
たちと手を組む必要があります。たとえば、データマネジメン
トプラットフォーム(DMP)やデマンドサイドプラットフォーム
(DSP)の組み合わせは、パフォーマンスや透明性のレベル、
キャンペーンの成功を測る評価基準のクオリティ (そして言う
までもなくポータビリティー )について影響を及ぼし得る存在
です。
その代わりとなるオープンプラットフォームでは、広告主は自分
たちの目標に向かう手助けとなるパートナーやデータソースを
査定・選択することができ、それらと共に現在の活動を合理化
し、
テクノロジーポートフォリオにおける戦術の抜けをカバーす
ることができます。ファーストパーティーデータ(広告主が独自
に集めた消費者データ)やセカンドパーティーデータ(オープン
プラットフォームのデータ)、
もしくはサードパーティーデータ
(別のブラットフォームパートナーからの外部データ)のいずれ
を利用する場合でも、
オープンプラットフォームではどのプロバ
イダーと手を組むかという点に関し、
いつの時点も広告主が自
由に決定を下すことが出来ます。
場合によっては、オープンプラットフォームプロバイダーが、広
告主とサードパーティーデータパートナー間の契約を補助する
こともあります。たとえば、
データ料金を適切に保つ際や、新た
な契約に関して交渉する際などです。全体として、
フレキシブ
ルなデータの適応性は、
プロバイダーが広告主のビジネスに加
わるうえでのモチベーションを高め、
結果として閉鎖的なプラッ
トフォームのパートナー関係では犠牲となっていた透明性を増
やし、間接費を減らすことにつながります。
データの保有を禁止事項ではなく
必須事項に
オープンプラットフォームアプローチにおけるもうひとつの大き
な利点は、広告主固有データのポータビリティー、
もしくはその
所有権の完全性が確保されることです。以前よりも多くの広告
主が自社でデータ購入機能を持つようになり、
おおよそ50%程
度のブランドや代理店が、独自のDMPを使用していると言われ
ています(2)。一般的に、
ハイレベルなキャンペーン報告を除き、
閉鎖的な環境では、
マーケターがプラットフォームを変更する
ことを選んだ場合に、別の場所へ持っていくため、
もしくは検証
のために、広告主がキャンペーンに適用したインサイトやセグメ
ンテーションを含むデータをエクスポートすることは制限され
てしまいます。言い換えると、閉鎖的なプラットフォームは、
自
分自身でデータを集積しているのです。
オープンプラットフォームであれば、広告主とテクノロジープ
ロバイダー間でキャンペーンデータやオーディエンスデータを
共有・やりとりすることができます。オフラインとオンラインの
消費者データを見渡すために、広告主がひとつかそれ以上の
データマネジメントプラットフォームを使用する場合、
オープン
プラットフォームはDMPのインサイトを含む広告主のデータを
取り込み、
それを最適な形で使用することができます。それに
加え、広告主は希望に応じて自社のデータを他のアクティベー
ションパートナーに共有することができます。また、
オープンプ
ラットフォームでは、広告主のデータをクロススクリーンデータ
や予測セグメントといった追加のオーディエンスバイイング機
能と組み合わせることができ、
より大規模なオーディエンスセグ
メンテーションや検証が可能となります。
EXAMPLE USE CASE:
CPG ADVERTISER
使用例:一 般 消 費 財ブランド
ある大手一般消費財ブランドが、消費者市場に新たな食
料製品を売り出そうとしており、
メッセージや提案内容を
地域に合わせたものにするため、あるスーパーと提携し
ようとしています。オープンプラットフォームは、
このブ
ランドとスーパーの双方からデータを取り込み、独自の
オーディエンスセグメントとターゲティング条件を作成。
当ブランドのすべてのパートナーやツールを通じて、
この
統合データを活用できるようにします。このブランドの
データアウトプットは、
プログラムに基づいた購入ツール
に限定されず、
ダイレクトメールや、
パーソナライゼーショ
ン、
クリエイティブ、
マーケティングのための最適化シス
テムなど、
他のシステムとも結びつきます。
AN OPEN PLATFORMS MANIFESTO
04
OPEN INVENTORY
オ ープンイン ベ ントリー
インベントリー(広告在庫)
は、
これまでブラックボックスの中の存在とされてきました。標準的なアドネットワークモデ
ルでは、広告在庫は買い手と売り手間の透明性が皆無かそれに等しい状態で扱われています。その結果、何が売れてい
るかという正確な情報や、広告在庫の品質、
そして広告がどこに掲載されているかということに関する広告主の認識も
限定されてしまいます。広告主は、特定のパブリッシャーによりまとめられた広告在庫の購入・取引に限定されてしまい、
その結果として、
どの種類の最適化もアドネットワークの都合で行われ、
その間、広告主は蚊帳の外で黙っていることに
なります。
パブリッシャーと同様、
広告主にとってもより良い取引
このモデルは買い手と売り手の間の溝を埋めるための
今日、
オープンテクノロジーを利用した、
より透明性の高いアプロー
チを支持する方向に進化しています。これら取引の自動化は、
メディアを購入する効率性とターゲティングの精度をより高め
ることで広告主に利益をもたらし、オーディエンスに関するイ
ンサイトやより高い利益を生むことを通じてパブリッシャーを
サポートします。エクスチェンジモデルの例として、
プログラマ
ティックダイレクト(ひとりの買い手とひとりの売り手の間にお
けるプログラムに基づいた広告売買)とプライベートマーケッ
トプレイス(エクスクルーシブな広告案件と広告在庫を、特定
のプレイヤー間だけでデータに基づき取引をするエクスチェン
ジ)の2つが挙げられます。これらの種類の取引は一般的なも
のになってきており、ある調査結果によると、2015年末まで
に総額64億ドルに達し、デジタルマーケティングのうち43%の
マーケットシェアを占めることになると予想されています(3)。
テクノロジーを通じて広告在庫により
高い価値を見出し、安全性を保証
フレキシブルなデータ統合に対する適応性と同様、
オープンプ
ラットフォームプロバイダーは、既存のパブリッシャーとの関係
を受け入れることも、新たなパブリッシャーを斡旋することもで
きます。オートメーテッドギャランティ、
アップフロント、
プライ
ベートマーケットプレイスを介する取引などの構造に関わらず、
オープンプラットフォームは広告主が広告在庫の提供元との
間に築いた既成取引を考慮し、容易にアクセスしたり、
ひとつに
まとめられたりするようにします。もしくは、オープンプラット
フォームを通じて広告在庫を購入することで、広告主は様々な
提供元から指定の、
あるいは未指定の広告在庫を購入し、
自分
たちの目標に対して 広告在庫を精査・タグ付け・分類・最適化
することができます。プライバシーや消費者保護に関する厳格
な規制を尊重するため、
マーケターはどのようにオーディエン
スをターゲティングし、
どこに広告を出稿するかについて責任
を持てることが重要です。
広告在庫をオープンなものにするというアプローチは、
このよ
うな保護のための仕組みである一方、
あらゆるキャンペーンを
通じて強力なプログラムに基づく最適化エンジンを活用しつ
つ、
より良く、
より高効率の意思決定と広告掲載先のマネジメン
ト力をもたらします。このアプローチにより、最終的に買い手
にも売り手にも、出費に対してより高い価値と有用性がもたら
されることとなります。これらは、閉鎖的なプラットフォームか
らは得られないものです。
EXAMPLE USE CASE:
FINANCIAL ADVERTISER
使用例:金融ブランド広告主
ある金融ブランドが、複数のデバイスやチャネルを通じて広告を展開しようとしています。当ブランドは、
どこに出稿し、
誰にメッセージが届くかに関して敏感であり、
どのURLに広告が表示されるのかを正確に知りたがっています。それに
加え、
この金融機関は出稿に最も適している金融系のサイトがあらかじめまとめてあるリストも保有しています。オープ
ンプラットフォームは、
このブランドに対し(URLレベルで)どこに広告が表示されるかということや、
ひとつひとつの広
告に対してどの程度掲載料を支払ったかに関して完全な透明性をもたらします。また、
このプラットフォームが有する広
告在庫プールの内部か外部かということに関わらず、広告在庫のプライベートマーケットプレイスに対する取り組みの可
能性を広告主に与えます。
AN OPEN PLATFORMS MANIFESTO
06
OPEN CREATIVE
OPTIMIZATION
オープンなクリエイティブ最 適化
世界中の480名以上のCMOや上級マーケティング幹部に対して2014年末に行われたエコノ
ミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)による調査の結果、
マーケティングの幹部たちが今
後3 ~ 5年間に最優先するものの中に、
クリエイティブのイノベーションがあることが判明し
ました。彼らが所属する企業がテクノロジー分野の投資を増やす見込みが高い分野として、
約20%がクリエイティブとデザインを挙げています(4)。別の調査によると、買い手と売り手の
49%が、
プログラムを通じて消費者をターゲティングできることが広告のクリエイティブやス
トーリーテリングの新たな形態につながっていると述べ、
テクノロジーは科学においてそうであ
るように、広告のアートワークにおいても必要不可欠な存在であると主張しています(5)。
消費者体験をリアルタイムでインテリジェントに変化させる
プログラムに基づいたテクノロジーが示してきたように、消費者の興味に合わせた広告は、対象を定めず
に届けることを目的としたものよりも有効に機能します。クリエイティブの最適化は、
それをもう一歩先
へと進めます。データと分析に支えられた予測最適化は、
モバイル・デスクトップ・動画をまたいで機能し、
ユーザーレベルで最善のパフォーマンスをするリッチでインタラクティブなディスプレイ広告を、
パブリッ
シャーと広告主が最大限に活用できるようにします。マーケターは、
これらのダイナミックなクリエイティ
ブを、
クリック回数を増やすためだけでなく、
自分たちの目標の過程にある様々な評価基準のために改善
することが出来るのです。それは、広告主のニーズやキャンペーンのKPIに基づいたエンゲージメントで
も、
ソーシャルシェアの数でも構いません。
閉鎖的なプラットフォームとは異なり、
オープンプラットフォームでは、広告主がデータセグメンテーショ
ンとアクティベーションをもたらすために、
クリエイティブ資産のすべてをインポートすることが可能とな
ります。つまり、
クライアントのためにオープンプラットフォームが実施するどのクリエイティブも、
あら
ゆるデータパートナーからのリアルタイムインプットに基づいて修正され得るのです。オープンな環境で
ダイナミックなクリエイティブ最適化プラットフォームを使用する場合、
そのオープンプラットフォームの
様々な要素から得られたデータやインサイトは集められて適用され、様々なDSP・アドサーバー・その他
チャネル上で展開されるデータドリブン型の広告は、発展的に展開していきます。このチャネル・フォー
マット・ソースをまたいだ学習内容の継続的な適用は、
フィードバックループと総合的により良く機能する
キャンペーンを生みだします。
このオープンアプローチにより、
ブランドは複数のメディアを通して別のクリエイティブを試すことや、
そ
の結果生じた知見に基づき最適化を行うこと、
そして測定可能な方法で継続することが可能となります。
EXAMPLE USE CASE:
ENTERTAINMENT ADVERTISER
使用例:エンターテイメント広告主
ある映画スタジオは、
より多くの映画ファンに新作映画を見に行ってもらうために、
ディスプレイ広告キャンペーンを実施
しようとしています。彼らは、
ユーザーのデスクトップやタブレットデバイス上でバナークリエイティブを表示させ、
その中
で現地の映画館の上映時間を示したいと考えています。それを実現するうえで、彼らは上映時間を供給するために映画チ
ケットパートナーと手を組み、
またダイナミックなクリエイティブを開発するためにリッチメディア・アドサーバーと手を組
みました。オープンプラットフォームは、
どのようなリッチメディアプラットフォームもアドサーバーとして受け入れ、
またク
リエイティブのメッセージを広告主のために最適化する助けとなるような、
ロケーション情報やその他のメディアデータを
提供するようなリッチメディア・アドサーバーとも連携できるのです。
AN OPEN PLATFORMS MANIFESTO
08
OPEN INSIGHTS
AND ATTRIBUTION
オープンなインサイトとアトリビューション
成人の60%が1日当たりに2台以上のデバイスを使用しており(6)、消費者のタッチポイントが数え切れないほど存在する
ことで、
マーケターは自分たちのメッセージが消費者に的確に伝わっているかどうかを一目で知ることが難しくなって
います。マーケティングパフォーマンスの各側面を評価するうえで、測定・解析プラットフォームを個別に使用すること
はできますが、
ブランドはすべてのチャネルを通じて顧客が購入へと至る経路を包括的に見る必要があります。測定に
まつわる技術上・実務上の複雑さに加え、
テクノロジーベンダーやパブリッシャーにとって、広告主のクロスチャネルパ
フォーマンスのインサイトをつなぎ合わせるインセンティブが皆無に等しいことから、広告主は反復可能な作業に変え
にくい比較をその都度行うという状況に陥っています。
測定を再定義 :
投資の効率性から投資の最適化へ
広告主は、
自分たちが最新のアトリビューションモデルを採用
していると考えることが多い一方で、すべてのチャネルに適切
に帰することができない従来のアトリビューション方式(ファー
ストタッチあるいはラストクリック)に依存している不完全な
データストーリーを眺めがちです。消費者行動とメディア投資
の価値を完全に理解するためには、
ブランドはアルゴリズムに
基づいたマルチタッチアトリビューション(Multi Touch Attribution:MTA)ソリューションが必要となります。これはオンラ
インとオフラインのコンバージョンへとつながるデバイスやメ
ディアの変動性を考慮し、費用・オーディエンス・フリークエン
シーキャップ・その他の重要な検討材料に関する、
データドリブ
ン型の偏りのない示唆をもたらします。
オープンプラットフォームは、測定プロキシから離れ、
オーディ
エンスに対するチャネル・デバイス・メッセージ・メディアタイ
プそれぞれのインパクトを直接的・客観的に評価するソリュー
ションへと形を変えながらシフトしていく存在です。さらに、
オープンプラットフォームはその間、
インサイトとメディアバイ
イングの最適化の双方に対して、
リアルタイムの機械学習デー
タを使行います。Forrester Researchは、最近行った主要クロ
スチャネル・アトリビューションプロバイダーに関する分析の中
で、
メディアバイイングと測定に関しては政教分離が重要であ
るとして、オープンプラットフォームの価値を強調しました(7)。
それに加え、
その報告書ではオンラインとオフラインの測定機
能を高度に改善した企業に対し、高い評価が与えられていまし
た。これらは、
いずれも
「壁に囲まれた庭」
の外でオフラインマー
ケティングチャネルを測定するのが困難であるため、マーケ
ターたちから否定されがちな存在です。
しかしながら、
ユーザー
のパーチェスファネルの各通過点は、いずれも欠くことのでき
ない役割を担っています。往々にして、関連性のあるインパクト
を測定するMTAソリューションなしでは、広告費はたやすく無
駄になってしまうことがあります。
ここでオープンプラットフォームの最大の利点のひとつが効果
を発揮します。閉鎖的なプラットフォームは、
デフォルトの状態
では、
オープンプラットフォームが行えるような同じ目的に基づ
いたマーケティング測定や分析を行うことができません。広告
主がモジュール式のプラットフォームを採用した場合、あらゆ
る広告テクノロジーパートナーの中から選んだマルチタッチ・ア
トリビューションソリューションを多層的に使用し、何が効果
的であるかを明確に分析することが出来ます。オープンなマー
ケティング分析は、独自の評価基準の使用も可能にします。広
告主は与えられたプラットフォームで使用できるKPIに縛られ
ることなく、売上を伸ばす要因からブランド品質を高める要因
まで、
自分たちにとって特に重要な結果を最適化するための柔
軟性を手にすることができるのです。
EXAMPLE USE CASE:
RETAIL ADVERTISER
使用例:小売業ブランド広告主
あるオンラインの小売業者が、
オンラインの売上を向上させるために、複数のオフラインとデジタルのチャネルを通じて
データとメディア運営をしようとしています。メディア・ミックス・モデリング(Media-Mix-Modeling:MMM)とスタ
ティック・デジタル測定モデル
(Static Digital Measurement Model)
を別々に用いる代わりに、
当社はすべてのチャ
ネルのパフォーマンスを一目で確認できるようにアルゴリズムに基づいたマルチタッチアトリビューション測定モデル
(Multi-Touch Attribution Measurement Model)
を採用しようとしています。オープンプラットフォームは、分析
結果を内密なものとして隠すのではなく、
オンライン小売業者に対してアトリビューション機能を与え、実際のチャネル
別配信実績と、戦略上、各チャネルにどのような評価を与えているかに関する明確な視点を与えます。それに加え、
オー
プンプラットフォームは、外部の購入プラットフォームからのインサイトを自動的に取り込み、
自動最適化やインサイト
活用のスピードアップを可能にします。
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WHAT’S NEXT
次 世 代 を 担うプラットフォーム
結局のところ、
オープンプラットフォームと閉鎖的なプラットフォームはどちらも広告
主が消費者の予測をするうえで助けとなります。どちらのプラットフォームも、
ブラン
ドが様々なことを容易にできるように貢献してくれます。しかし、最終的にオープンプ
ラットフォームの実務上・財政上の利点は、
「壁に囲まれた庭」
の利点に勝ります。こ
のふたつの違いは明らかであり、
マーケターは広告パートナーを評価する際にそれを
理解する必要があります。
透明性や信頼性に関する問題に陥っている業界では、閉鎖的なプラットフォームを
稼働させている企業により行われた目に見えない行為が、広告のエコシステム全体に
とって不安の種のひとつとなります。マーケットに刺激を与え、消費者の購入パター
ンを変えるような、
テクノロジーの目覚ましい発達により、
あらゆる費用とタッチポイン
トは意義あるやり方で生かされなければなりません。オープンプラットフォームは、
テ
クノロジープロバイダーが生み出す結果にまつわる説明責任の領域に根付き、
ブラン
ドに対し成果や欠点に関するありのままの視点を与えます。価格の透明性に欠ける
ことに対する処置や、
クロスチャンネルのROIを計算する困難さを解消する手段にな
るなど、
オープンプラットフォームは広告主に対し、始めから終わりまでプログラムを
コントロールするための力を与えます。
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SOURCES
出典
(1) “Worldwide Ad Spending: Ad Spend Tool” eMarketer, 2015.
(2) “U.S. State of the Video Industry Report.” AOL, September 2014.
(3) Fisher, Lauren. “Digital Display Advertising: Nine Things to Know for 2015.” eMarketer, February 9, 2015.
(4) “ The rise of the marketer: Driving engagement, experience and revenue.” Economist Intelligence Unit,
January 28, 2015.
(5) “Programmatic Futures: Where Culture Meets Code (UK)” AOL, October 6, 2014.
(6) “Study: 60 Percent Of Adults Switch Screens During The Day.” Marketing Land, March 6, 2014.
(7) “Forrester Wave™: Cross-Channel Attribution Providers, Q4 2014.” Forrester, November 7, 2014.
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