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軽々と越境する文化
「角川国際動漫教育」
で、生徒の
イラストにアドバイスする講師の
越村華子さん
(手前)
=台北市
文化は軽々と国を超える。
日本の若い読者をと
りこにしているライトノベルは
「軽小説」
と 名 前を
変え、
中国語圏でも愛読されている。
翻訳ではなく、
オリジナルの軽 小 説 を 執 筆する現 地の作 家も登
場。
漫 画 家や作 家を養 成する専門 学 校も、
日 本の
出版社の手によって台湾に生まれた。
作 品を 輸 出
するだけが
「クールジャパン」
ではない。
日本が起源
の新たな文化がアジア各地で芽生え始めている。
「 刀 剣 神 域( ソ ー ド という 言 葉で定 着した ベル を 翻 訳 、刊 行 し 、
アー ト・オ ンライ ン)」 日 本 の ライ ト ノ ベル 。 シェアを激しく争う。本
界?( 問 題 児 た ち が 異 が翻訳作品の刊行を始 の日 本 よ り 大 き め 。た
「問 題 児 童 都 来 自 異 世 2003 年に台湾角川 のサイズは文 庫が主 流
ターを 配 した カラフル
世界から来るそうです め 、売 り 上 げ を 伸 ばし だ 、美 少 女 キ ャ ラ ク
よ?)」
「魔 技 科 的 剣 士 てきた。
与 召 喚 魔 王( 魔 技 科の 台 北 中 心 部 。高 級 ブ な表紙は同じだ。
剣 士と召 喚 魔 王 )」 …
。 テ ィッ ク も 入 店 す る 台湾では年間約70
台北市内の書店に足を ショッピ ン グモ ー ル 5 0 点 刊 行 さ れ る 軽 小
踏 み 入 れると 、日 本で 階に紀伊国屋書店台北 説 。女 性 向 けには 台 湾
実 力 はあっても 表 現で 目 を 付 け たのが 、日 本
「先端」
「東立」
「 青 メ ン ト を 請 け 負 い、デ 日 本の作 家が書いた物 A W A だ 。漫 画 やイ ラ
界 が ある 。各 国の若 者
エ ー タ ー る」と力を込めた。
家 、ク リ る。そのことに意義があ
望 す る 作 てアジア全 体に流 通 す
い!」と 熱 が日本の出版社を通じ
「書きた がつくった 漫 画 や 小 説
買える。
中 国 で も ク ー ル ジャパンには 限
れ た 本 は の作 品 を 売 る だ けの
け、刊行さ 也 社 長( 4 5 )は「日 本
の古賀鉄
画 も 手 が デミー(東京)
当 す る 漫 カワ・コンテンツ・アカ
作 画 を 担 学校を運営するカド
台 湾 人 が 10校開く計画だ。
作を書き、 港 な ど 、アジア 各 国 に
本 人 が 原 ン ガ ポ ー ル や タイ 、香
小 説 。日 北 に 開いた 。今 後 も シ
添 え た 軽 漫教育」を昨年9月、台
ラ ス ト を 専 門 学 校「角 川 国 際 動
中国語圏で
「軽小説」 文」 …
。日 本のライトノ ビューを 後 押 し する 王 語 に、自 社 で 抱 える 台 ス ト 、軽 小 説 な ど サ ブ
湾 人 が イ カルチャーに特 化 した
繁体字が躍っている。
と見 慣れない中 国 語の 角川」に、現地の出版社 台 北で作 家のマネ ジ きる場がない」と語る。 の出版大手KADOK
「台 湾 心だ。
く。画 数 が多 く、ちょっ 小 説がぎっしり。
ベル の 表 紙 が 目 に 付 央の棚には中 国 語の軽 が 、日 本の翻 訳 作 が 中 湾 には 雑 誌 が 少 な く 、 各国に大勢いる。そこに
もおなじみのライトノ 微 風 店 が ある 。店の中 オ リ ジ ナ ル 作 も あ る 士 豪 さん(3 8 )は「台 の卵 は 、台 湾 を は じ め
軽小説がずらりと並ぶ紀伊国
屋書店台北微風店=台北市
「角川国際動漫教育」で授
業 を終え 、談 笑 する漫 画
コースの生徒たち=台北市
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第 558 号
April 3rd week, 2015
【 巻頭特集 】記事・写真:共同通信
記事・写真
提供
共同通信
台湾の作家、
逸清さん
「学園ものや恋愛ものと
いう若者に合う題材で
漫画にも映画にもなる
軽 小 説は、国を超えて
受け入れられやすい」
と
語る逸清さん=台北市
「 顔 が 少 し 大 きい」
「涼 宮ハルヒの憂 鬱」で 超 えてみんなに受 け入 ません」。高 村さんの声 高 村 さ ん は「 ライ バ る 。
ルを育ててどうする、
と 「キャラクターの設定を
し た 。日 本の小 説 は 昔 れられるのが軽 小 説で が響く。
林師卿さん(13)
は も 思いま す が 、台 湾 に 服 装に生かして」。アド
か ら 好 きで 、田 中 芳 樹 すからね。
さ んのS F「 銀 河 英 雄 イーチン 7 5 年生 最年少の中学2 年生の は台 湾の人にしか描 け バイスする講 師の越 村
…
は日本
伝 説」や 村 上 春 樹 さん まれ。10年、台湾角川 女 の子 。勉 強 中 とい う ない物語があるはず。そ 華子さん(25)
の作 品 な ん か を 、よ く 主 催のコンクールで金 日 本 語で「 漫 画 家 に な れを 読 んでみたい」。2 企 業に所 属 するイラス
デビュー目指し教室に熱
「勉強したら夢かなう」
( 2 6 )は「日 本には す もあるという。
意気込む。
で も あ る 荘 汶 錡 さ ん デ ビューに至る 可 能 性 クタ ー を 描 き ま す 」と
な」とはにかんだ。声 優 の審査会にかけられる。 もっとかっこいいキャラ
読んでいました。
賞 受 賞 。中 学の美 術 教 り たい。自 分 の作 品 が 年のコースを 終 えた 生 ト レー タ ー 。生 徒 の卜
台湾と日本で書き方 師 を 務 める 傍 ら 、軽 小 日 本でも読 まれた らい 徒の卒 業 制 作 は 、K A 令 潔 さん( 2 5 )は「絵
に大 きな 違いはないと 説の創作を続けている。 い。アニ メ も 作 り た い DOK AW Aグループ の 仕 事 に 憧 れてい た 。
思 う 。た だ 台 湾 オ リ ジ
ナ ルの 作 品 は 、物 語 の
雰囲気や背景に中国語
話した。
ようになってほしい」と
でご 飯 が 食べていける
一人でも 多 くイ ラスト
ばらしいアニメや 漫 画 隣 の教 室 では 、カ ー 越 村 さ ん は「 流 行 に
圏の文 化の影 響が色 濃
く出る。戦いの場面には 「勉強したら、自分の が ある け ど 、台 湾 のオ ド ゲ ー ム の イ ラ ス ト ぶれない基 礎 力やクラ
カンフーが登 場したり 夢 がかな う 。私 は 漫 画 リジナル作 品はなかな レーターコースの授 業 イ ア ン ト とのコ ミュニ
する 。中 国の武 俠 小 説 家になりたい」
「もっと か出てこない。まずは台 中 。日 本 での需 要 が 高 ケーション方法を教え、
の流れですね。
もっと 、かっこいいキャ 湾 で 自 分 の 考 え た ス いた め 、設 置 さ れ た 特
男の子 向けの軽 小 説 ラクターを描きたい」 ト ー リ ー を ア ニ メ 化 別 ク ラス だ 。選 抜 さ れ
いつか世界中で見て た 1 3 人 がパソコンの
は読んでもらうのが難 生徒の言葉から熱気 し、
画 面 を 真 剣 に 見つ め
しい。台湾の男の子はイ が ほ と ば しる 。台 北 駅 ほしい」と前向きだ。
ンター ネット で日 本の 近くにあるK ADOK
漫 画やアニメを見て好 A W Aの専 門 学 校「角
説 も 読 む 。でも 台 湾 オ 1 2 5 人 は、募 集 1 カ
きになって、原作の軽小 川国際動漫教育」。定員
リジナルの軽 小 説はア 月 半 で 埋 まった 。現 在
ニメにならないから、彼 の漫 画とイ ラストに加
ら が 触 れる きっか け が え 、声 優 、小 説 の 授 業
ない。日 本 の作 品 が 主 も 今 後 、順 次 始 まる 予
流というイメージはな 定だ。
よ ぶ 集 中 講 義 。漫 画
てもらえたらうれしい。 かみ』。話の出 だしのこ
日 本 の 小 説 で す いいものであれば、売 とです。読 者に『先の展
ないと思いました。
『つ
ら 軽 小 説 を 書 くしか 説がどんなものか、知っ 品だと1ページ目が
れにくいのです。だか れるこ と 。台 湾 の軽 小 「全部で8ページの作
るのは難しい。注目さ みは日本語版が刊行さ れ先にと話しかける。
一番の望 師やアシスタントに、わ
は 漫 画 で デ ビュー す ケット 。でも 、
力 的 。それに、台 湾で きます。中国もいいマー 生 徒の手 が 挙 がる 。講
ス ト が一緒 なのも 魅 の読 者からも感 想が届 が終 わるとあ ちこちで
し言葉が多くて、
イラ 文 投 稿 サイ ト )で 中 国 0 代の姿 も ある 。説 明
デアが入れやすく、話 ている。微 博(中 国 版 短 20 歳前後を中心に3
ても自由。自分のアイ 中国でも簡体字版が出 いる。最年少は中学生。
軽 小 説 は 文 章 がとっ な り ま す。私 の作 品 は 人の生 徒 が 聞 き 入って
を描いていましたが、 意 見 。創 作 のヒント に ( 3 5 )の説 明に、2 8
した。それまでは漫画 イス ブックな どで届 く 漫 画 家の高 村しづさん
いん だ ろ う と 思いま 励みは、読者からフェ コースの講 師 を 務 める
れたとき、なんて面白 です。
日 本の軽 小 説に触 かなか 変 え られないの 週末の計6 時間にお
台湾で刊行されている軽小説「涼宮ハルヒ」
シリーズの翻訳版
って気持
か? 最初に読んだ軽 れ行 きは日 本の作 品に 開が気になる』
小説は、谷川流さんの 負 け ないと 思 う 。国 を ちにさせなければなり
「角川国際動漫教育」
の授業で生徒に説明する講師の高村しづさん
(右端)
=台北市
「とっても自由、魅力的」
記事・写真:共同通信【 巻頭特集 】
April 3rd week, 2015
第 558 号
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