2.北部地域(PDF形式, 209.73KB)

【2】 北部地区 活動報告
発表者:荒⽊⽒(百合丘就労援助センター)、⼩崎⽒(百合丘就労援助センター)、
飯島⽒(多摩川あゆ⼯房)
■⼩崎⽒
(1)配布資料「多摩区⾃⽴⽀援協議会 就労委員会活動内容」の報告。
平成 23 年度から、「まず多摩地域でやれること」を基本理念として、これまで事例検討のみならず、幅
広い機関との連携のもと、就労⽀援に関する様々な取組を⾏ってきました。
(2)就労後は特に、就労⽣活上の⽀援が必要になってきます(年⾦、結婚など)。したがって、今回の川
崎市におけるコーディネート会議の形態を地域ごとの活動に分けた点は、時期に適っているといえます。
■飯島⽒
(1)川崎市の福祉の歴史として、「就労⽀援は、援助センターに。」という認識が続いてきて多くの福祉関係
者にとって、就労⽀援は「あっち側の課題」になっています。しかし、就労⽀援は、「対企業」だけではな
く、⽣活に踏み込み、医療機関とも連携し、家族との調整が求められるなど、就労⽣活全般を⽀援す
る必要があります。援助センター単独で、⽀援を継続することは不可能です。
(2)もう⼀つの課題は、「就労⽀援機関以外の事業所」が、就労⽀援機関と「同じ⼟俵で考える機会」が
本当に少なかったという川崎特有の問題点も挙げられます。
(3)まずは「多摩区として」、⾃分たちなりの課題を探そう、事例検討をしようと数年前から活動を⾏ってきま
したが、就労という課題を区単位で解決していく難しさを感じていました。就労先が「東京都や横浜市」
であったり、「多摩区以外」の地域の就労⽀援機関を利⽤していたりするケースは沢⼭あります。
(4)今年度に発⾜したエリアごとの事例検討会は、これまでに⼿つかずであった課題を解決する本当に良い
機会であり、この会を通じて、就労⽀援は「あっち側の問題」ではなく「こちら側にもできることがある」とい
う認識へと変えていく効果がありました。「就労⽀援は、地域⽀援」。今後は中堅職員にも参加をしても
らい、地域連携の発展を担ってもらいたいです。そして、区より⼤きいエリアで連携が図れることはとても
意味があり、これまでになかった価値があったと考えます。
■荒⽊⽒
伝えたいことは、飯島さんが代弁してくれました。次年度は、回数を増やし、実りある会にしていきます。
感じたこと(感想)
多摩区⾃⽴⽀援協議会就労部会について
・多摩区⾃⽴⽀援協議会は就労援助センターと就労⽀援事業所(とくに福祉)が連携を図り、⽣活⽀援と
就労⽀援をつなげることは⼤変有効なことだと思った。
・先⾏活動、素晴しい。多摩区で積み上げられたこと、ものすごくよい取り組みだと思う。
・多摩区は活発だと思った。区による差を感じた。
・⾃分の地区も会を重ねるごとに関係が深まれると⾃信につながった。
・事例検討会を持つことでネットワークができ、さらに深まっていると感じた。
事例検討会を通じたネットワーク作り
・事例検討は万能ツールか。
・⼩さな積み重ねの結果、課題が明確になり、⽀援ネットワークが確⽴されるのだと感じた。継続していくことが
⼤切。
・事例検討を通じて「課題の共有化」を⽬指すというのはよい視点と感じた。
・「⼀緒に考え合える⼟台ができる」という⾔葉が印象的。
・似たような事例に結びついた際、協⼒体制を築けているのが素晴しいと思った。
・就労者が抱えている問題の相談がもっと円滑にできるようになるといいなあと思う。
・「こんなことを相談していいのかな?」顔が⾒える関係だとスムーズに聞ける!
就労⽀援と⽣活⽀援
・事業所の壁を越えて、それぞれが⾃分ごととしてとらえ相互に⽀援しあうことが必要だ。
・就労⽀援と福祉の役割分担や壁についてのディスカッションは意味がありそう。
・就労している⼈にも⽣活や家族、医療…課題が共通していること、考えれば当たり前の事だが、ネットワーク
の基盤にしていくことなのだと感じた。連携は絶対必要だと感じた。
・就労という課題から、家庭、医療などの課題もみえて、多⽅⾯での連携、⽀援が必要だ。
・就労⽀援も⽣活⽀援も同じ⼟俵(事例)で話をできたほうが認識が深まると思う。
・就職決定はゴールではなく⽀援の始まりだと思う。定着⽀援のためには就労のみならずプライベート⾯も含め
たトータル⽀援をやらざるを得ないのが現状。
広域ネットワークの形成
・就労という課題を区単位で考えることは困難との意識はそのとおりと思う。
・顔の⾒える関係作りも、川崎市内だけでなく利⽤者に合わせた地域のネットワークが必要だと感じた。居住エ
リアと就労エリアが異なる場合は多いと思う。今後、発展?
その他、発表について
・企業との連携のとり⽅よりも本⼈や⽀援者⾃⾝が就労⽀援で⼤切なことや仕組みを知るといった原点から⾏
うことや、フォローなど幅広いことを⾏っている現状を知ることができてよかった。
・全体を通してわかりやすい発表で素晴しいと思った。
聞いてみたいこと(質問)
Q.事例検討の内容がどういうものであったか。
A.「就労後のほうが⽣活上の悩みが⼤きく関係機関との協⼒体制を築きたい」との⽬的で検討されました。
ご家庭の事情で独居の話が出ているが、就労援助センターだけで対応するのではなく相談⽀援センター
がポイントで関わること、紹介だけでなくお互いに⾯談の場に同席するなど利⽤者と紹介先の関係作りを
⼿伝うなどの意⾒が出され、お互いに依頼、相談をしていければといった話し合いがされました。
Q.事例検討によってどのような気持ちの変化があったか。
A.(事例を提出した⽴場として)課題を共有してもらえるので気持ちが楽になり、違った視点・⽴場からの
アドバイスで、即解決に⾄らなくても光が⾒えました。他の事例等でも相談しやすくなりました。
Q.援助センターの事例、どう取り組んでいるのか
A.4 ⽉ 23 ⽇に北部地区の平成 27 年度事例検討会第 1 回として百合丘就労援助センターの報告会を
⾏います。今回は市内全域に呼びかけますのでぜひご参加ください。
Q.⾃⽴⽀援協議会と就労⽀援部会の今後の⽅向性はどう考えているか。
A.多摩区⾃⽴⽀援協議会就労部会の活動は今年度で終了し、今回の事例検討会に発展した形で継
続していきます。
Q.福祉と就労、同じ⼟俵で考えられるようになったことはよいこと。今後これをどう広げていったらいいと考
えているか。就労後の⽣活⽀援はどのような流れでサポートしていけばよいなど話ができたか。
A.福祉、就労の線引きはできず、働き続けると⽣活⽀援の割合が⼤きくなっていくようです。関係機関が集
まって役割分担を話し合う、模索する場があるのが⼤事だと思います。また、お互いに他機関に紹介する
場合、アセスメント(課題整理)をしっかりしていくとスムーズだと思います。
今後の展開について提案、要望、応援メッセージ
提案・要望
・ネットワークについて考える際、圏域を意識することで⽀援対象や社会資源、制度までがクリアになっていくの
ではないか。
・事例検討会を重ねることにより、就労側、福祉側共通する悩みが⾒えたことは素晴しい。今後も続けていた
だきたい。
応援メッセージ
・就労⽀援と⽣活⽀援は別々の⽀援⽅法ではない。⽣活⽀援が重要であることがわかった。
・就労側から⾔えば、福祉は遠い⼭の向こうだったので、これから勉強します。
・⽀援者側の「⼼のバリアフリー」とても⼤切ですね。⼤変共感した。
・北部地区の連携を深めたいと思います。
・⾃⽴⽀援協議会とのかかわりを我々の区でも⾏っていきたい。