老朽建築物等実態調査結果について

防災・減災対策調査特別委員 会
平 成 27 年 2 月 23 日
都市整備部建築指導課
老朽建築物等実態調査結果について
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調査の目的
老朽建築物等が年々増加しており、近隣住民や歩行者に危害を与える恐れや、防犯上、
衛生上、周辺の良好な景観が損なわれることへの懸念などが全国的な社会的問題となっ
ている。
問題解決に向けた取り組みに対し、区民から自治体への期待が高まっており、今後の
具体的な取り組みを検討していくうえでの基礎資料とするため、区内全域の老朽建築物
等について実態調査を実施した。
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調査の時期
第1期:平成25年11月 5日から平成26年 3月14日(概ね環状 7 号線以南)
第2期:平成26年 4月22日から平成26年12月12日
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調査の対象建築物
調査対象建築物:
・独立住宅
・集合住宅(3階建て以下)
・商業系建築物(3階建て以下の小規模なもの)
・工業系建築物(3階建て以下の小規模なもの、倉庫運輸関係施設は除く)
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調査の方法
建築物の老朽危険度を外観目視により以下の4段階に分類した。あわせて、空き家の
判断も行った。
Aランク:倒壊や建築資材の飛散等の危険性が切迫しており、緊急度が極めて高い物件
Bランク:直ちに倒壊や建築資材の飛散等の危険性はないが、維持管理が行き届いてお
らず、損傷が激しい物件
Cランク:維持管理が行き届いておらず、損傷もみられるが、当面の危険性はない物件
Dランク:修繕がほとんど必要ないか、小規模の修繕により再利用が可能
5 調査の結果
 老朽建築物の危険度別割合
調査対象件数
: 76,868件(100.0%)
老朽危険度Aランク:
207件(
0.3%)
老朽危険度Bランク:
855件(
1.1%)
老朽危険度Cランク: 18,391件( 23.9%)
老朽危険度Dランク: 57,415件( 74.7%)
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
空き家の老朽危険度別割合
空き家件数
:
1,480件(100.0%)
老朽危険度Aランク:
127件(
8.6%)
老朽危険度Bランク:
300件( 20.3%)
老朽危険度Cランク:
706件( 47.7%)
老朽危険度Dランク:
347件( 23.4%)

老朽危険度別にみた空き家割合
全体の空き家割合:
1.9%(空き家件数/調査対象件数)
老朽危険度Aランク: 61.4%(老朽危険度Aランク空き家/老朽危険度Aランク)
老朽危険度Bランク: 35.1%(老朽危険度Bランク空き家/老朽危険度Bランク)
老朽危険度Cランク:
3.8%(老朽危険度Cランク空き家/老朽危険度Cランク)
老朽危険度Dランク:
0.6%(老朽危険度Dランク空き家/老朽危険度Dランク)
調査の考察
第1期調査範囲では、老朽危険度A及びBランクの危険度が高い物件は、旧中山道周
辺や大谷口地区で多く存在し、空き家も同じ地域で多く存在している。
第2期調査範囲では、老朽危険度A及びBランクの危険度が高い物件は、旧中山道周
辺や東武東上線沿いで多く存在し、空き家も同じ地域で多く存在している。
調査後の対応
調査により老朽危険度Aランクと判断された物件については、区職員が再確認と状況
を把握する作業を行っており、第1期調査分については終了し、15件が特に危険度が
高い物件と判断し重点観察物件とした。第2期調査分について現在同様の作業を進めて
いる途中です。
国の動きとして、
「空家等対策の推進に関する特別措置法」が平成26年11月27日
に公布され、今後、国により基本方針が出されるところである。
区としても、国の基本方針を熟知し、基本方針に即した空き家等対策を行うよう考え
ている。
また、
「板橋区老朽危険建物等に係る緊急安全対策工事実施要綱」を平成27年4月1
日から施行し、今後、老朽危険建物等の経過観察を行っていくなかで、危険度が増した
建物で放置された状態が改善されない場合に、区民及び通行人の生命、身体又は財産に
被害を与えるおそれがある物件のうち所有者等が工事を行えない時に板橋区が代わって、
危険な状態を軽減するために必要最低限度の措置を行っていく。