平成27年4月1日 市長記者会見資料 平成27年度 市政運営方針 平成27年4月 久 留 米 市 Ⅰ 基本方針 1 基本認識 現 在 、我 が国 は、人 口 減 少 の本 格 化 と高 齢 化 の急 速 な進 行 という時 代 の転 換 期 にあって、デフレからの脱 却 と経 済 の再 生 、社 会 保 障 の維 持 と財 政 健 全 化 、貧 困 問 題、東日本大震災からの復興、TPP交渉など多くの困難な課題に直面している。 特 に、人口 減 少 に対 する危 機 感 は全 国 的 に広 がっており、国においては、平 成 2 6年に「まち・ひと・しごと創生法」を制定し、「まち・ひと・しごと創生長期ビジョン」及び 「総合戦略」を決定するとともに、地方自治体に対しても、地域の実情に応じたまち・ ひと・しごとの創生に関する施策の展開を求めている。 そのような時 代 の潮 流 や社 会 経 済 環 境 の中 で、現 在 の久 留 米 市 は、将 来 にわた って県 南 の中 核 都 市 として発 展 し、住 民 福 祉 の増 進 を図 れる持続 可 能 な地 域 社 会 であり続けることができるのか、重 要 な局 面 を迎 えている。久 留 米 市 では、そのような 認 識 のもとで、平成27年度を始期 とする「久留米市新総合計画第3次基本計画 」を 策定したところである。 第 3次 基 本 計 画 は、広 域 合 併 の成 果 を基 礎 として、新 総 合 計 画 の仕 上 げに向 け た“新たな躍動への実践期”と位置付けている。 平成27年度は、その第3次基本計画の初年度であるとともに、まち・ひと・しごと創 生法を踏まえた人口減少と地域経済の縮小に立ち向かう、極めて重要な年である。 また、第3次基本計画の最大の推進力となる「久留米シティプラザ」もいよいよ完成 を迎えることとなる。 将 来 への展 望 と中 長 期 的 な行 財 政 環 境 の変 化 を見 据 えて、「選 択 と集 中 」による 施 策 の重 点 化 を図 り、人 々が集 い、幸 せを感 じ、持 続 的 に発 展 する久 留 米 市 づくり に向けて、「新たな一歩」を踏み出す1年とする。 1 2 基本姿勢 久留米市を取り巻く厳しい行財政環境の中にあっても、将来へ持続的発展が可能 な都市づくりに向けて、より選択と集中を徹底した戦略性の発揮と、市民との協働によ る取り組みを進め、持てる資源を最大限に生かしながら、積極的な市政運営を行わな ければならない。 このための指針として、重点的に取り組む施策の方向性や目指す都市の姿等を示 した「中期市政運営方針」に基づき、刻々と変化する行財政環境も踏まえながら、久 留米市の実情に即した「一人ひとりを大切に 安心、活力に満ちた久留米づくり」を 進める。 (1) まちづくりの基本的視点(三つのキーワード) ○「 人 」 … 一人ひとりを大切にした人本位のまちづくり ○「安心」 … みんなが安全に安心して暮らせるまちづくり ○「活力」 … 県南の中核都市にふさわしい活力、賑わいづくり (2) まちづくりの目標 市民がこの地に誇りと愛着を持って住み続けたいと思えるまちづくり -「日本一住みやすいまち・久留米」 (3) 市政運営の基本的態度 市民、地域、団体など地域の力を結集した「協働によるまちづくり」 2 Ⅱ 平成27年度の重点課題 平成27年度は、第3次基本計画をはじめ、多くの計画の初年度であるとともに、人口 減少と地域経済縮小の克服に向けた取り組みに着手する年であり、将来を見据え、 人々が集い、持続的な発展が可能となる久留米づくりを市民とともに進めていく。 予算は、国の「まち・ひと・しごと創生法」の趣旨を踏まえ、平成 27 年度予算と平成 26 年度 3 月補正予算を一体的に編成したところであり、時期を失せず、効果的で的確な執 行に取り組む。 1 久留米市まち・ひと・しごと創生総合戦略の策定 第3次基本計画に掲げる、人口 305 千人の維持を戦略的に進めるため、平成 26 年度 に策定した、「久留米市まち・ひと・しごと創生総合戦略(暫定版)」による取り組みを推進 しつつ、平成 27 年度中には、関係機関等の多様な意見を反映した確定版を策定し、全 市的な取り組みの展開を図る。 また、総合戦略(暫定版)の基本目標に掲げる「広域拠点の役割を果たす」ため、「連 携中枢都市圏」を形成し、「(仮称)久留米広域連携中枢都市圏ビジョン」の策定に取り 組む。 2 重点施策の推進 (1) 超高齢社会など時代を見据えた都市の構築 ① 超高齢社会に対応した都市づくり ネットワーク型のコンパクトな都市づくりのため、「立地適正化計画」の平成 28 年度 策定に向けて、中心拠点・地域生活拠点に必要な機能とその集積のための施策や幹 線道路の整備促進などの検討を進めるとともに、公共交通の利用促進などにも取り組 む。 また、地域での支え合いの仕組みづくりを進めるとともに、生活支援交通の充実や、 地域が取り組む買い物弱者対策への支援など、生活支援の充実を図る。 ② 未来を担う人づくり 平成 27 年度にスタートする「子ども・子育て支援新制度」に的確に対応するとともに、 結婚・出産に関する情報提供や子育てに関する総合相談窓口の設置、待機児童ゼ ロに向けた環境整備など、結婚から子育てまで切れ目のない支援に取り組む。 また、学力向上、不登校対策、家庭・地域・学校の連携強化に取り組むとともに、市 長と教育委員会との総合教育会議を設け、緊密な連携を図り、教育環境のさらなる整 備・充実に取り組む。 さらに、子どもの将来が家庭の経済状況によって左右されないよう、子どもへの就 学・学習支援など、子どもの貧困対策を進める。 3 (2) 幸せを実感できる市民生活の実現 ① 人権の尊重、男女共同参画のまちづくり 差別事件や虐待事件等から市民の人権を守るため、人権啓発をはじめ人権・同和 対策の一層の推進を図る。また、「第 3 次久留米市男女共同参画行動計画・第 2 期実 施計画」を策定し、女性の人材育成や就労支援、DV 対策、性犯罪被害者の支援の 充実などに取り組む。 ② 健康で安心して暮らせるまちづくり 市民の健康寿命の延伸に向け、地域や関係団体等との連携により、ラジオ体操や ウォーキングなど気軽に取り組める運動の普及を促進するとともに、健診を受診しや すい体制整備など効果的な生活習慣病予防に取り組む。 また、地域包括ケアシステム構築に向けた取り組みや、生活困窮者の自立に関す る相談支援の実施など、生活に密着した保健、福祉施策を充実する。 ③ 安全に暮らせるまちづくり セーフコミュニティによる国際基準の安全・安心のまちづくりをハード・ソフトの両面 から市民と協働で進める。 また、災害に強いインフラ整備を進めるとともに、地域における災害時要援護者の 支援体制の充実を図る。 さらに、新エネルギー政策の推進や、環境啓発・環境学習の拠点としても位置づけ る宮ノ陣クリーンセンターの平成 28 年度稼動に向けた整備を進める。 ④ 文化芸術、スポーツを活かしたまちづくり 平成 28 年春の久留米シティプラザ開館や、石橋美術館の市への運営移行に向け た準備を着実に進めるとともに、平成 27 年度を始期とする「久留米市文化芸術振興 基本計画」に基づき、音楽によるまちづくりや市民が主役になった多様な文化芸術活 動の支援など文化芸術の振興に取り組む。 また、県南におけるスポーツの拠点として、県と共同で、久留米総合スポーツセンタ ー体育館、武道場、弓道場の一体的整備に取り組むとともに、環境整備を含め生涯 を通じた健康づくりに向けた市民スポーツの振興などに取り組む。 (3) 住み続けたいと思える、住み続けられる地域社会の形成 ① 特長を活かした地域産業の元気づくり 平成 27 年度を始期とする「第 2 期久留米市食料・農業・農村基本計画」に基づき、 職業として選択できる魅力ある農業の実現を目指して、海外への販路拡大等による 久留米産農産物の販売力強化や、九州大学大学院農学研究院と連携した新たな農 業政策の構築などに取り組む。 また、中小企業の経営安定化、新産業の創出・育成、戦略的な企業誘致などにより 経済の活性化を進めるとともに、若年者や女性の雇用環境の改善に取り組む。 4 ② 広域求心力づくり 平成 28 年春に開館する久留米シティプラザを核に様々な都市空間を活用し、中心 部の賑わい再生に向けた都市型交流拠点づくりを推進する。 また、平成 26 年度に策定した「久留米市観光・MICE戦略プラン」に基づき、地域 資源を活かした地域密着観光やアジアからの観光客誘致を戦略的に展開するなど、 観光・交流都市への飛躍を目指す。 さらに、県南地域の中核都市として、「圏域の経済成長のけん引」、「高次都市機能 の強化・充実」、「生活関連機能サービスの向上」による魅力ある圏域の構築を目指し、 近隣市町と「連携中枢都市圏」の形成に向けた取り組みを推進する。 (4) 大規模プロジェクト事業の推進 ① 久留米シティプラザ事業の推進 平成 28 年春の開館に向けた準備を着実に進めるとともに、市民の機運醸成のため の情報発信やプレ事業を積極的に展開する。 また、事業の実施や開館後の事業運営に多くの市民に参画いただけるよう、市民 や関係団体との連携強化や活動支援に取り組む。 さらに、「久留米市MICE誘致方針」に基づき、本市の特色を活かした MICE 誘致を 精力的に推進する。 ② 宮ノ陣クリーンセンターの整備と環境啓発学習の推進 平成 28 年度の稼動に向け、工場棟やリサイクル棟、環境交流プラザなど施設全体 の整備を着実に進める。 また、宮ノ陣クリーンセンターを環境啓発や学習・実践等の拠点として位置づけ、環 境啓発学習を積極的に推進する。 ③ セーフコミュニティの推進 交通安全、子どもの安全、高齢者の安全、犯罪・暴力の予防、自殺予防、防災を重 点6分野とした取り組みを、市民や関係機関・団体との連携・協働により推進する。 また、けがなどの発生状況や原因について調査・分析を行うことで予防の取り組み を進めるとともに、活動事例や効果などについて広報・啓発を行い、取り組みの定着 と裾野の拡大を図ることで、市民が安全に安心して暮らせるまちづくりを進める。 ④ 久留米総合スポーツセンターの再整備 平成 30 年度の供用開始に向けて久留米総合スポーツセンター内の体育館、武道 館、弓道場の一体的な改築を行うため、福岡県と連携して、実施設計等を行う。 また、(仮称)スポーツコンベンション誘致強化プロジェクト会議を設立し、2020 年東 京オリンピック・パラリンピック開催を見据えた、全国・九州規模のスポーツ大会やキャ ンプ地の誘致などを進める。 5 Ⅲ 平成27年度の主な取り組み 以上のような市政運営の基本的な考え方を踏まえ、中期市政運営方針に掲げる8つの重 点施策を軸とした施策を積極的に推進する。 (1) 超高齢社会など時代を見据えた都市の構築 ① 超高齢社会に対応した都市づくり ○ ネットワーク型のコンパクトな都市づくり ・ 中心拠点づくり、地域生活拠点づくり …立地適正化計画の検討、中心市街地地区都市再生プランの策定、空き家活用 リフォーム助成の実施 ・ 公共交通のネットワーク化、バリアフリー化の促進 …路線バスの社会実験の実施、バスロケーションシステムの設置 ・ 幹線道路の整備 …将来的な幹線道路網の検討、周辺自治体と連携した国・県への要望 ・ 自転車利用環境の整備 …くるめシンボルロードの自転車走行空間の整備、自転車利用促進イベントの実 施、コミュニティサイクルの運営 ・ 公共施設の総合的な管理 …公共施設の総合的・計画的な管理に関する計画の策定、複合化施設のモデル づくりの検討 ・ 定住誘導の推進 …転入ファミリー住宅取得補助、通勤定期利用補助、地域おこし協力隊による地 域の情報の発信の支援 ○ 支え合う、共助の仕組みづくり ・ 支え合いの仕組みづくり …高齢者の見守りネットワークの強化、地域でのサロン活動の拡大に向けた支援 ・ 子育て家庭の孤立防止 …校区ごとの「子ども見守り地域ネットワーク」の構築の促進 ・ 地域コミュニティ活動活性化の支援 …「まちづくり活動の手引き」等を利用した研修の実施 ・ 市民活動活性化の支援 …「キラリ輝く市民活動活性化補助金」による、様々な地域課題の解決や特色ある まちづくり活動への支援 ○ 高齢者の社会参画と買い物弱者対策など生活支援の充実 ・ 生涯現役のサポート …シルバー人材センターの機能の強化の検討 ・ 地域商業の活性化 …地域の商工会等が主体となった買い物弱者対策の検討 ・ 公共交通のネットワーク化の促進 …生活支援交通(よりみちバス)の導入 6 ② 未来を担う人づくり ○ 少子化対策の推進 ・ 結婚・妊娠・出産・子育て希望の支援 …若い世代への結婚・妊娠・出産に関する情報提供の実施、子ども・子育て支援 の総合相談窓口の設置 ・ 待機児童ゼロの体制構築 …保育所及び認定こども園の増改築などによる定員の増加 ・ 学童保育の推進 …入所児童数の増加に対応する学童保育所の整備 ・ 子ども発達の支援 …訪問療育事業の実施、保育所等への巡回相談や来所型の訓練事業の充実 ○ 生きる力を育む教育の充実・子どもの貧困対策 ・ 学力アップの推進 …小学校での少人数授業の実施、中学校での学力向上コーディネーター配置、 中学生を対象とした「くるめっ子塾」の設置 ・ いじめ・不登校への対策 …小学校への生徒指導サポーターの配置、中学校での校内適応指導教室の設 置、「久留米市いじめ防止基本方針」による取組の推進 ・ コミュニティ・スクール(久留米版)の推進 …家庭・地域及び学校との協働による教育課題の解消に向けた活動の充実・強化 ・ 学校施設の整備 …老朽化した学校施設の改築、長寿命化に向けた学校施設の改修 (2) 幸せを実感できる市民生活の実現 ① 人権の尊重、男女共同参画のまちづくり ○ 人権の尊重と人権擁護の地域づくり ・ 人権教育、啓発の推進 …各中学校区「人権のまちづくり推進協議会」間の情報共有化 ・ 人権擁護対策の推進 …児童虐待を防止するため、子ども見守り地域ネットワークの構築 ○ 男女共同参画の推進 ・ 女性の就労環境の整備 …仕事と子育ての両立や女性の活躍推進のため環境整備 ・ 人権擁護対策の推進 …急性期の性暴力被害者に対するワンストップ機能を持った支援制の構築 7 ② 健康で安心して暮らせるまちづくり ○ 健康寿命の延伸 ・ 健康生活の促進 …ラジオ体操やウォーキング等の自発的な健康づくり活動への支援、健診の予約 受付を行うコールセンターの設置、コンビニと連携した健診の実施 ・ 自転車利用の促進 …コミュニティサイクルや自転車走行空間の整備 ○ 保健、福祉の充実 ・ 地域包括ケアシステムの推進 …高齢者が可能な限り地域で暮らせるための地域包括ケアシステムの構築 ・ 障害者権利擁護の推進 …障害者差別解消法施行に向けた法の普及啓発、障害者虐待防止対策 ・ 生活困窮者の自立支援 …生活困窮者の自立に関する相談支援や住宅確保給付金の支給 ③ 安全に暮らせるまちづくり ○ 国際基準の安全、安心のまちづくり ・ セーフコミュニティの推進 …国際認証「セーフコミュニティ」の推進による安全・安心なまちづくり ・ 地域の体感治安の向上 …防犯灯設置費の全額補助、街頭防犯カメラ設置、全市的な暴力団排除の取り 組み、暴力追放運動や自主防犯活動への支援 ・ 地域医療の連携 …重症患者の救命率の向上や後遺症の軽減を図る、ドクターカーの試験運行 ○ 災害に強い都市づくり ・ 防災・減災対策 …防災行政無線や緊急告知 FM ラジオの整備、自主防災組織の育成支援、指定 避難所への表示板の設置 ・ 市街地の浸水対策 …集中的な豪雨などによる浸水被害の軽減へ向けた、内水ハザードマップの作 成 ・ 災害時要援護者支援 …地域における災害時要援護者の支援体制の充実 ○ 環境問題への対策強化 ・ 宮ノ陣クリーンセンターの整備 …高度な安全性と安定性を確保した循環型ごみ処理施設及び環境啓発・環境学 習の拠点となる環境交流プラザ、リサイクル棟の建設 ・ 新エネルギー政策の推進 …住宅用エネルギーシステム(エネファーム)導入支援、新たなエネルギー資源 の活用に向けた調査・研究 8 ④ 文化芸術、スポーツを活かしたまちづくり ○ 文化芸術の振興 ・ 文化芸術を活かしたまちづくり …新たな市立美術館のビジョン・コンセプトの実現に向けた美術品の収集と運営 体制の構築 ・ 音楽によるまちづくり …音楽イベントの実施やミュージシャンの育成・支援 ○ スポーツの振興 ・ 市民スポーツの推進 …市民が主体的に取り組めるスポーツプログラムの開発・活用促進 ・ 久留米総合スポーツセンター内の体育館、武道場、弓道場の一体的整備 (3) 住み続けたいと思える、住み続けられる地域社会の形成 ① 特長を活かした地域産業の元気づくり ○ 職業として選択できる農業の実現 ・ 多様な農業の担い手の育成 …「経営力の強化・向上」に着目した各種支援策の実施 ・ 農産物販売力の強化 …農産物のブランド化や輸出促進、6 次産業化や農商工連携などの推進による 久留米産農産物の販売力強化 ・ 先駆的農業の推進 …大学や研究機関等との連携による新たな農業政策の構築 ・ みどりの里づくり …地域資源を活用した地域主体の体験交流イベントの支援や、地域経済活性化 策の実施に向けた検討 ○ 商工業の元気づくり ・ 新産業・新技術の創出育成 …医療・食品分野の関連産業の一層の成長・集積の促進 ・ 創業の支援 …インキュベーション機能の整備、関係機関のネットワークによる総合的な支援の実施 ・ 地域産業の育成 …経営支援のための金融支援や、産学金官の連携による新技術や新商品の開 発促進 ・ 国際経済交流の推進 …海外ビジネスコーディネーターの充実、海外見本市出展に対する補助拡充 ・ 産業集積戦略の推進 …藤光産業団地への企業誘致、中心市街地等へのオフィスの誘致、新たな産業 団地の整備の検討 ・ 多様な人材の活躍の支援 …キャリアコンサルタントを活用した就職支援、インターンシップ制度の普及促進 9 ② 広域求心力づくり ○ 都市型交流拠点づくり ・ まちなかの賑 わいづくり …人 、 も の 、 情 報 の 広 域 的 交 流 の 促 進 、 学 生 の ア イデアと 活 力 を活 か し た主 体 的 な賑 わいづくりの支 援 、出 前 公 演 やワークショップなどプレ事 業 や情 報 発 信 事 業 の実 施 ○ 観 光 ・交 流 都 市 へ の 飛 躍 ・ 多 彩 な地 域 資 源 を活 かした観 光 の推 進 …市 民 や関 係 団 体 との協 働 による地 域 密 着 観 光 の推 進 ・ MICE(マイス)誘 致 の推 進 …医学系や工学系の MICE の誘致、東京オリンピック・パラリンピックの開催等を ・ ・ ・ ・ ○ ・ ・ 見据えたスポーツ大会やキャンプ地の誘致の推進 くるめの魅 力 発 信 の推 進 …久留米市の知名度と良質な都市イメージの向上に向けた効果的な情報発信 歴 史 を活 かしたまちづくり …魅 力 ある地 域 資 源 を活 用 した歴 史 ルートの設 定 、歴 史 遺 産 等 の環 境 整備 緑 を活 かしたまちづくり …久 留 米 シティプラザ周 辺 の魅 力 ある緑 化 空 間 の整 備 歩 きたくなる道 の整 備 …歴 史 資 源 、文 化 施 設 、水 辺 空 間 などを活 かした歩 きたくなる道 の整 備 の全 体 計 画 を策 定 広域拠点都市づくり 連携中枢都市圏の推進 …首都圏からの移住促進や圏域の魅力などに関する情報受発信のための拠点 設置の検討をはじめとする、「連携中枢都市圏」の形成に向けたモデル構築事 業の実施 学術研究都市の推進 …市内高等教育機関や試験研究機関等の機能強化・充実の促進、医療や農業 分野などの政府関係機関等の誘致の検討 10 Ⅳ 行財政運営にあたって 1 基本姿勢 (1) 市政運営(協働によるまちづくり) 厳しさを増す行財政環境の中で、複雑、多様化する地域課題に対応し、市民生活 を維持、向上させていくには、時代に合った公共サービスや地域づくりを行政だけで なく、市民や団体等も自ら、あるいは行政や多様な主体と協力しながら担う、そのよう な地域社会を構築することが不可欠である。 また、地域に真に必要な政策を選択し、より効果的に推進していくには、様々な施 策の推進にあたって、計画段階からの協働による取り組みが重要である。そのような 観点から、協働によるまちづくりを市政運営の基本とする。 (2) 財政運営(積極的施策展開と健全財政の両立) 平成27年度は、第3次基本計画のスタートの年であり、まち・ひと・しごと創生総合 戦略にも本格的に取り組み、将来を見据え持続的に発展できる都市づくりを積極的 に進めなければならない。 一方で、現在の久留米市の財政状況は実質的な将来負担の少ない健全財政とな っているが、平成27年度からは地方交付税算定の特例である「合併算定替」が段階 的に縮減されるなど、中長期的な財政運営は厳しい状況が見込まれる。 市民生活の向上、地域の浮揚に必要な施策は将来を見据えて積極的に展開しつ つ、事業の選択と集中を進め、行財政改革の取り組みを徹底することにより、積極的 施策展開と健全財政の両立を図る。 (3) 組織運営(迅速性と的確性の両立) 少子高齢化に対応し、活力ある日本社会の維持を図るため、全国一律ではない、 地方の特性にあった魅力あるまちづくりが求められている。時代や地域の実情に合っ た政策を久留米市自らが考え判断し、時機を失することなく実行できるかが久留米市 の将来を大きく左右する時代を迎えている。 また、高齢化をはじめ社会環境の大きな変化から、地域課題がより複雑化、多様化 する中で、全体最適となる的確な施策展開が求められる課題が顕在化している。 「迅速性と的確性の両立」を組織運営の基本姿勢として、職員の資質向上と組織運 営体制の整備を進める。 (4) 人材育成(市民と郷土のために、自ら考え、行動する職員の育成) 市民の福祉を増進し、協働のまちづくりを進めていくためには、市民に信頼される 職員の育成が不可欠である。 職員一人ひとりが、市民の負託を受けて仕事を行っていることを忘れず、地方分権 を担う行政の専門集団であるという自覚を持ち、様々な行政課題に迅速且つ的確に 対応していくことが必要である。 市民と郷土のために、責任を持って自ら考え、行動する職員の育成を進める。 11 2 重点的取り組み (1) 「市民との協働の推進」 協働によるまちづくりへ向けては、市民活動をより活性化するとともに、協働に関す る市民と行政の相互理解を深め、市民活動をより活性化し、市民との協働を都市づく りの基盤として確立することが必要である。 「キラリ輝く市民活動活性化補助金」などの一層の活用を図りながら、地域課題の解 決に向けた創意工夫ある活動を促進するとともに、市民と行政の協働に関する理解と、 協働の理念や手法についての共有化を進める。 (2) (3) 「行財政改革の推進」 将来に向けて安定した行財政運営を行っていくため、平成 27 年度を初年度とする 行財政改革推進計画を着実に進める必要がある。 計画に掲げた、効果的で効率的な行政運営による「経営品質の向上」、持続可能 な財政運営に必要な財源の確保による「健全財政の確立」、公共施設全体の総合的 かつ計画的な管理による「公共施設管理の最適化」に向け、職員が一丸となり、知恵 を絞り工夫を凝らしながら、大胆かつ徹底した行財政改革に取り組む。 「総合調整機能及び各部門における企画調整、連携機能の強化」 多面的に捉えなければならない課題や組織横断的な課題が大きく増加しており、よ り効果的で効率的な施策を展開するには、縦割り行政の弊害の排除がより求められ ている。 各部門が市民の立場で考え、連携する総合行政の展開へ向けて、総合調整及び 各部門の企画調整機能の強化と各部・各課間の連携を進める。 (4) 「職員の地域づくりへの参画と協働の推進」 市民と行政が協働する地域社会を築いていくため、職員自らが、地域の一員である 自覚を持ち、地域づくりへ参画することを促進する。 また、様々な施策の推進にあたって、協働の担い手である多様な主体やその役割 に理解を深め、市民と行政の協力・協調関係の構築に努める。 12
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