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サンセイランディック
(3277・東証 1 部)
2015 年 3 月 25 日
仕入れ競争は昨年後半から緩和しつつある
アップデートレポート
㈱ティー・アイ・ダヴリュ
堀部 吉胤
15/12 期業績は前期の仕入れ苦戦を受け踊り場になる見込み
14/12 期決算は、3Q 累計(1-9 月)決算発表時の業績予想修正を若干
上回って着地した。期初計画に対しては、売上高が 16.4 億円未達にな
った一方、良好な金融環境、不動産市況を受け、底地、居抜き物件の
販売価格が想定以上となったため、営業利益は逆に 1.4 億円上回った。
14/12 期の仕入高は、居抜き物件や大規模な底地で中小の戸建業者な
主要指標 2015/03/23 現在
どとの取得競争が激化した結果、46.1 億円(前期比 27.7%減)にとど
株
価
824 円
まった。ただし、中小の戸建業者は資金調達力に限界があることから、
993 円
(14/11/12)
515 円
(14/05/13)
昨年後半以降、仕入れ競争は緩和しているという。
発行済株式数
7,915,000 株
きたが、一旦、平準化は後退する。昨年 12 月の公募増資による希薄化
売 買 単 位
100 株
時 価 総 額
6,521 百万円
予 想 配 当
10.0 円
動化など既存事業の強化を図りつつ、これまでに培ってきた権利調整
87.18 円
ノウハウを活かした新規事業の確立を目指す。旧借地借家法に基づく
年初来高値
年初来安値
(
会
予 想
社
)
E P S
( ア ナ リ ス ト )
実 績
P B R
1.24 倍
15/12 期は前期の低調な仕入れを受け、前期比小幅営業増益にとどま
る見込み。特に上期が厳しく、近年、仕入れ・販売の平準化を進めて
を吸収し切れず、EPS は微減の見込み。
新 3 カ年計画では 3 年で純利益 1.5 倍を目指す
14/12 期決算とともに新 3 カ年計画を発表。引続き、主力の底地の流
底地は新たには創設されず、徐々に減少していくため、超長期的視点
に立ち将来に備えようという考え。新規事業として具体的には、①東
北の復興現場における権利調整、②木造住宅密集地域などにおける空
直前のレポート発行日
き家ビジネス、を掲げている。既存事業では、今年 1 月からの相続税
ベーシック
2014/05/13
アップデート
-
業
績
動
の課税強化を受け、仕入れ情報チャネルとして税理士との提携強化な
どを図る。17/12 期の純利益は 14/12 期比 1.5 倍を目指す方針。
売上高
百万円
向
前期比
%
営業利益
百万円
前期比
%
経常利益
百万円
前期比
%
当期純利益
百万円
前期比
%
EPS
円
2012/12 通 期
実
績
9,475
17.8
517
-31.0
436
-41.5
233
-47.5
33.80
2013/12 通 期
実
績
9,187
-3.0
919
77.9
809
85.3
455
95.4
66.04
2014/12 通 期
実
績
10,443
13.7
1,204
30.9
1,044
28.9
626
37.5
90.23
想
11,162
6.9 1,242
3.2 1,139
9.1
サマリー②(ゴシック・10.5 ポイント)
11,100
6.3 1,210
0.5 1,110
6.3
705
12.6
89.13
690
10.2
87.18
会
社
予
(2015 年 2 月発表)
2015/12 通 期
新・アナリスト予想
旧・アナリスト予想
(2014 年 5 月発表)
2016/12 通 期
アナリスト予想
アナリストレポート・プラットフォーム
13,500 10.7 1,400
16.7 1,200
20.0
720
20.0 104.35
※サブタイトルの位置は,サマリー①の分量により上下させる。
12,200
9.9 1,390
14.9 1,280
15.3
840
21.7 106.13
1
業
績
 14/12 期業績解説
仕入れ競争激化を
 会社概要
受け売上高は期初
計画を下回った
が、利益は逆に上
回った
14/12 期決算は、売上高 104 億円(前期比 13.7%増)
、営業利益 12.0 億円
(同 30.9%増)
、経常利益 10.4 億円(同 28.9%増)、純利益 6.2 億円(同
37.5%増)
。3Q 累計(1-9 月)決算発表時に期初業績予想が修正されていた
が、修正予想を若干上回って着地した。
期初予想に対しては、売上高が 16.4 億円下回った一方、営業利益は 1.4
億円、経常利益は 1.9 億円、純利益は 1.0 億円、それぞれ上回った。売上高
の未達は、戸建業者などとの仕入れ競争激化を受け、当期売上に寄与する上
期の仕入れが低調に推移したことによる。売上高の未達にもかかわらず利益
が上振れた主因は、不動産販売事業の粗利益率が 34.2%(前期比 1.2pt 減)
と期初の会社想定 30%程度を上回ったこと(同セグメントの粗利益率は単
体の粗利益率に相当)。これは、①良好な金融環境、不動産市況を受け、居
抜き物件が予想以上に高く売却できたこと、②期初の販売用不動産が例年以
上に潤沢だったため、底地の販売に関して時間をかけて借地権者との交渉に
臨むことができ、売り急ぎをせずに済んだこと、③期初に想定していた底地
の長期滞留案件のバルクセールを行わなかったこと(低収益ながら安定収益
が得られる底地に着目した個人投資家に利益が出る形での売却が徐々に進
捗しているため取りやめたもよう)
、④そもそも期初予想が保守的すぎたこ
と、などによる。建築事業は、ほぼ計画通りだった。
前期比で不動産販売事業の粗利益率が小幅に低下したのは、13/12 期は仕
入れ競争が激化する前の案件が売上に上がったことから出来すぎといえる
ほど利益率が高くなった反動による。底地、居抜き物件とも前期比では低下
したようだが、水準自体は平年に比べかなり高い。居抜き物件は、1Q(1-3
月)に高採算の大型案件(隣地の併合を伴うという個別要因があった)を売
上計上したほか、良好な金融環境、不動産市況を背景に戸建業者などに総じ
て高く売却することができた。通常、居抜き物件よりも底地の粗利益率が高
いが、14/12 期は同水準になったもよう。権利関係の調整を伴わない所有権
の粗利益率は通常 10~15%程度だが、14/12 期はこれを上回り、前期比でも
向上したもよう。ただし、売上構成比が低いため、大勢に大きな影響はない。
建築事業(子会社の One’s Life ホームで主にハイエンド戸建住宅を展開
している)は、13/12 期に不採算案件(初めて手掛けた大型木造老人ホーム)
の発生により 1.0 億円の営業赤字となったが、この不採算案件の剥落により
0.3 億円の営業黒字に浮上し、全体の増益に寄与した。
不動産販売事業の仕入れが低調で売上高は期初計画には届かなかったも
のの、期初の販売用不動産が潤沢だったことから前期比 2 桁増収を確保し、
増収効果と建築事業の黒字化から大幅増益となった。
アナリストレポート・プラットフォーム
2
業
績
14/12 期の仕入高は、期初目標の 80 億円に対し、わずか 46.1 億円(前期
仕入高は戸建業者
との競合激化によ
 会社概要
り、想定を大幅に
下回った
比 27.7%減)にとどまった。特に居抜き物件が 14.2 億円(同 36.7%減)と
大きく落ち込んだ。日銀の金融緩和を受けた戸建分譲用地の取得競争激化を
受け、戸建業者が権利関係の複雑な案件にまで手を出すようになったことに
よる。こうした中、当社では採算重視の姿勢を崩さず無理な取得には走らな
かった。期初の販売用不動産が潤沢だったことや、不動産市況の活況を受け、
想定以上の粗利益率を確保できる状況になったため、無理をしなかったとい
う面もある。
底地の仕入高は 27.6 億円(前期比 3.0%増)。区画数(借地権者数)は 427
区画(同 2.9%増)だった。例年、1 案件当りの区画数は平均 10 区画程度だ
が、大規模案件に恵まれず、小規模案件が多かったことからこれよりかなり
少なかったもよう。案件数としては、かなり増えたことになる。居抜き物件
に比べると景気、不動産市況の影響を受けにくいが、大規模画地については、
居抜き物件と同様、用地取得難に苦しむ戸建業者との競合が増えたようだ。
例年、
仕入れ情報のうち契約に結び付くのは 10%程度だが、
14/12 期は 7%
弱まで低下したもよう。
期中仕入高が低調だったため、14/12 期末の販売用不動産は 51.6 億円(前
期末比 11.7 億円減)と減少した。
ただし、当社と仕入れが競合する戸建業者は資金調達力が低い中小が多く、
昨年後半から仕入
れ競争が緩和し、
仕入高は回復に向
かいつつある
権利関係が複雑なものを仕入れると開発に時間を要するため、仕入れ余力が
乏しくなっているもよう。このため、昨年後半から仕入れ競争は緩和に向か
っているという。実際、下図のように 4Q(10-12 月)の回復が顕著になって
いる。契約済みで決済待ちの案件が相応にあるほか、大型案件も複数俎上に
載ってきているとしており、仕入れには明るさがみえてきた。
(百万円)
仕入高の四半期推移
3,500
3,000
2,500
2,000
所有権
居抜き物件
底地
1,500
1,000
500
0
1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q
11/12
12/12
1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q
13/12
14/12
(出所)決算短信、会社ヒアリングをもとにTIW作成
アナリストレポート・プラットフォーム
3
業
績
半期損益計算書
 会社概要
(単位)百万円
12/12
13/12
14/12
15/12CE
上期
下期
上期
下期
上期
下期 上期CE 下期CE
売上高
2,878 6,597 3,576 5,611 3,958 6,485
3,615
7,547
不動産販売
2,427 5,343 3,029 4,570 3,375 5,464
3,325
6,234
底地
1,271 2,494 1,816 1,874 1,350 2,784
na
na
居抜き物件
796 1,929
398 1,912 1,461 1,573
na
na
所有権
266
818
675
603
398
949
na
na
その他(地代収入等)
92
103
138
181
165
158
na
na
建築
432 1,240
528 1,060
583 1,021
290
1,313
その他
17
14
18
売上原価
2,151 4,909 2,696 3,558 2,409 4,645
na
na
売上総利益
727 1,687
879 2,054 1,548 1,840
na
na
25.3
25.6
24.6
36.6
39.1
28.4
na
na
販売管理費
885 1,012
983 1,030 1,001 1,183
na
na
営業利益
▲ 158
675 ▲ 103 1,022
547
657
66
1,176
不動産販売
164
811
375 1,205
878
901
na
na
建築
▲ 86
107 ▲ 217
113 ▲ 54
89
na
na
その他
▲ 6 ▲ 11
▲6
na
na
調整額
▲ 462 ▲ 256 ▲ 299 ▲ 277 ▲ 332
na
na
営業外収益
3
1
8
3
6
7
na
na
営業外費用
31
54
50
71
86
88
na
na
支払利息・支払手数料
30
53
43
51
61
44
na
na
経常利益
▲ 186
622 ▲ 145
954
467
577
17
1,122
特別利益
1
22
0
0
0
0
na
na
特別損失
1
16
0
0
0
0
na
na
税金等調整前当期純利益
▲ 186
628 ▲ 145
954
467
577
na
na
法人税等
▲ 63
272 ▲ 42
396
188
229
na
na
純利益
▲ 123
356 ▲ 102
557
278
348
7
698
(出所)決算短信
(注)CEは会社予想
2013年7月に子会社のサンセイコミュニティを吸収合併したことに伴い、13/12期下期から
その他事業は不動産販売事業のその他に移管
 15/12 期業績予想
15/12 期業績は
やや足踏みとなる
見込み
15/12 期会社業績予想は、売上高 111 億円(前期比 6.9%増)
、営業利益
12.4 億円(同 3.2%増)と小幅営業増益にとどまる計画。営業外損益が改善
する見込みで、経常利益は 11.3 億円(同 9.1%増)と営業利益に比べ伸び
率が高くなる見込み。営業外損益の改善は、①14/12 期の仕入れが低調だっ
たことや昨年 12 月に公募増資を実施し約 7.9 億円を調達したことから有利
子負債が減少していること、②東証 1 部上場関連費用約 0.3 億円の剥落、に
よる。
上期の会社業績予想は、売上高 36.1 億円(前年同期比 8.7%減)、営業利
15/12 期 は 再 び
下期偏重に
益 0.6 億円(同 87.9%減)
。仕入れ競争の激化を受け 3 頁のグラフのように
14/12 期 2~3Q(4-9 月)の仕入れが低調だったことから減収予想。前年上
期には非常に高採算の大型居抜き物件があった反動も加わり大幅減益予想。
当社では近年、組織改編などにより仕入れ、販売の平準化に注力し、成果
も現れつつあったが、平準化は一旦、後退を余儀なくされる。
アナリストレポート・プラットフォーム
4
業
績
不動産販売事業に相当する単体業績の会社予想は、売上高 95.5 億円(前
15/12 期会社業
 会社概要
績予想達成のため
には、上期の仕入
高が鍵を握る
期比 8.2%増)
、経常利益 11.0 億円(同 9.9%増)
。期初の販売用不動産 51.6
億円の中には販売が長期化しているもの、長期化するものもあるため、今期
の売上に立つのはこのうち 9 割程度、売上高に換算すると 60 億円弱になる
とみられる。今期の売上に寄与するのは概ね上期までに仕入れた案件になる
ため、単体の会社予想の売上高を達成するためには、上期に 30 億円強の仕
入れが必要と考えられる。既に契約済みの案件があること、仕入れ競争は先
述のようにやや緩和していること、大型案件が複数見込まれていることから
不可能な額ではないだろうが、達成には相当の努力が必要といえよう。
建築事業は前期比ほぼ横ばいの売上高計画。消費増税を受けて戸建住宅業
界では低調な受注が続いているが、当社はハイエンドの注文住宅に特化して
いるため消費増税の影響が小さく安定的に推移している。今年 1 月には駒沢
に展示場をオープンさせ富裕層向けの取組みを強化している。ただし、同セ
グメントの利益はまだ小さく、大勢への影響は余りない。
増収率に比べ、営業増益率が小幅にとどまる計画なのは、①居抜き物件の
先行投資費用が増
益率を抑制する見
込み
粗利益率の低下、②今年 1 月の仙台支店の開設や人員増などによる販管費の
増加、などによる。13/12 期、14/12 期と居抜き物件の粗利益率は不動産価
格が上昇局面にあったことや、個別要因による大型高採算案件があったこと
から非常に高くなっていたため、反動で小幅低下は避けられないもよう。
仙台支店の開設費用は 0.5 億円程度。仙台支店では被災地の復興支援に関
与していく方針。地権者をはじめとする多数の関係者の意見がまとまらず復
興の進捗が遅れている現場に当事者として参画し権利関係の調整を行って
いくことを企図している。直接土地を取得しない場合は、コンサルティング
フィーや仲介手数料の獲得を目指す。まだ、具体的な仕入れには至っていな
いが、底地が含まれる用地の取得の話が 2 件ほど進捗しているもよう。
公募増資による希薄化を増益でカバーし切れず、EPS は前期比微減となる
東証 1 部上場記念
配当 3 円を含め前
期比 4 円増配へ
予想。DPS は東証 1 部上場記念配当 3 円を含め前期比 4 円増配となる 10 円
とする予定。なお、14/12 期の DPS にも東証 2 部上場記念配当 3 円が含まれ
ている。この分については普通配当に切り替えたうえで、さらに普通配当と
して 1 円増配することになる(普通配当は 14/12 期 3 円→15/12 期予定 7 円
となる)。
アナリストレポート・プラットフォーム
5
業
績
15/12 期の TIW 業績予想は、概ね会社予想線とした。14/12 期に比べると
15/12 期業績の
アップサイドは乏し
 会社概要
いだろう
期中仕入れ期中販売の依存度が高く不確実性が高いことや、粗利益率の想定
が 14/12 期ほど保守的ではないとみられるため、アップサイドは乏しいと考
える。
 16/12 期業績予想
仕入れ競争の緩和
などを受けた今後
の仕入高の回復に
期待
16/12 期業績は、今後の仕入動向にかかっている。今年 1 月からの相続税
の課税強化を受け、底地所有者の相続税に対する関心は高まっている。底地
は相続税評価額の割に収益性が低いうえに流動性が極めて低く、物納も困難
という所有者にとって頭の痛い資産である。現状、底地の仕入れの 8 割程度
は相続発生後のようだが、相続発生前の仕入れの増加が期待される。仕入れ
情報チャネルとして不動産仲介業者に比べ成約率が際立って高い税理士と
の提携強化を図っていることも寄与しよう。昨年 12 月に東証 1 部上場とな
ったことも当社の知名度、信用度を高めることにつながると期待され、仕入
れ活動にプラスに働くと考えられる。14/12 期は極めて良好な金融環境が仇
となり、戸建業者などとの仕入れ競争が激化し、期待外れの仕入高に終わっ
たが、先述したように仕入れ競争は昨年後半から緩和傾向にあり、仕入高は
復調に向かうとみる。
居抜き物件を中心に粗利益率は前期比若干低下すると予想するが、販管費
の増加は緩やかなものとなろう。
以上を踏まえ、TIW 業績予想は、売上高 122 億円(前期比 9.9%増)、営業
利益 13.9 億円(同 14.9%増)とした。また、特別利益には 13/12 期に赤字
案件となった大型木造老人ホームの仕様変更等の追加費用負担に係る訴訟
に関し、和解金の計上の可能性を織り込んだ。
15/12 期の東証 1 部上場記念配当 3 円は普通配当とし、少なくとも 10 円
配当は維持すると考える。
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6
業
績
要約損益計算書、貸借対照表等
 会社概要
売上高
不動産販売
底地
居抜き物件
所有権
その他(地代収入等)
建築
その他
売上原価
売上総利益
販売管理費
営業利益
不動産販売
建築
その他
調整額
営業外収益
営業外費用
支払利息・支払手数料
経常利益
特別利益
特別損失
税金等調整前当期純利益
法人税等
純利益
総資産
現預金
販売用不動産
有利子負債
自己資本
(単位)百万円
単体
連結
07/12 08/12 09/12 10/12 11/12 12/12 13/12 14/12 15/12CE 15/12E 16/12E
8,133 8,176 5,990 7,414 8,042 9,475 9,187 10,443
11,162 11,100 12,200
8,133 8,176 4,816 6,057 6,886 7,770 7,599 8,839
9,559
9,490 10,550
3,333 3,873 3,049 3,393 4,378 3,765 3,690 4,134
na
4,600
5,190
2,098 3,566
507
881 1,990 2,725 2,310 3,034
na
3,150
3,400
2,492
562 1,082 1,556
281 1,084 1,278 1,347
na
1,400
1,600
208
174
177
225
235
195
319
323
na
340
360
- 1,148 1,333 1,121 1,672 1,588 1,604
1,603
1,610
1,650
25
23
34
31
na
na 4,265 5,166 5,557 7,060 6,254 7,054
na
7,560
8,390
na
na 1,724 2,248 2,484 2,414 2,933 3,388
na
3,540
3,810
na
na 1,417 1,593 1,735 1,897 2,013 2,184
na
2,330
2,420
na
na
306
654
749
517
919 1,204
1,242
1,210
1,390
- 1,098 1,207
975 1,580 1,779
na
1,830
2,040
19 ▲ 33
21 ▲ 104
35
na
50
70
- ▲ 14
▲ 7 ▲ 17
- ▲ 449 ▲ 416 ▲ 462 ▲ 555 ▲ 609
na ▲ 670 ▲ 720
na
na
29
25
135
4
11
13
na
20
20
na
na
72
140
138
85
121
174
na
120
130
na
na
70
118
102
83
94
105
na
90
100
577
468
263
539
746
436
809 1,044
1,139
1,110
1,280
na
na
7
2
54
23
0
0
na
0
80
na
na
15
8
4
17
0
0
na
0
0
na
na
255
533
796
442
809 1,044
na
1,110
1,360
na
na
109
232
352
209
354
417
na
420
520
317
254
143
301
444
233
455
626
705
690
840
6,560
na
na
na
1,691
4,371
na
na
na
1,940
4,143
745
2,048
1,270
2,102
6,801
892
4,618
3,139
2,398
6,085
1,155
3,698
1,880
3,240
7,092
859
4,834
2,598
3,432
8,918
1,185
6,346
3,780
3,867
8,792
2,275
5,166
2,410
5,261
na
na
na
na
na
売上総利益率(%)
na
na
28.8
30.3
30.9
25.5
31.9
32.4
na
売上高経常利益率(%)
na
na
4.4
7.3
9.3
4.6
8.8
10.0
10.2
ROA(%)
na
na
3.5
4.4
7.3
3.3
5.1
7.1
na
ROE(%)
18.7
13.1
6.8
12.6
13.7
6.8
11.8
11.9
na
自己資本比率(%)
25.8
44.4
50.7
35.3
53.2
48.4
43.4
59.8
na
D/Eレシオ(倍)
na
na
0.6
1.3
0.6
0.8
1.0
0.5
na
ネットD/Eレシオ(倍)
na
na
0.2
0.9
0.2
0.5
0.7
0.0
na
(出所)決算短信、目論見書、会社ヒアリング
(注)CEは会社予想、EはTIW予想
2013年7月に子会社のサンセイコミュニティを吸収合併したことに伴い、13/12期からその他事業の売上高は
不動産販売事業のその他に移管
ROA、ROEは期末総資産、期末自己資本をもとに算出
アナリストレポート・プラットフォーム
(単位)百万円
9,300 10,000
1,700
1,300
6,100
7,100
2,800
3,400
5,872
6,633
31.9
10.0
7.4
11.8
63.1
0.5
0.2
31.2
10.5
8.4
12.7
66.3
0.5
0.3
7
特
記
事
項
 昨年 12 月に東証 1 部上場に合わせて公募増資を実施
昨年 12 月に東証
1 部上場に合わせ
公募増資を実施
昨年 12 月 1 日に 100 万株の公募増資と東証 1 部指定承認を同時に発表。
東証 1 部への指定替えに合わせて公募増資を行うことは、希薄化を嫌気した
株価下落を緩和することができるため、よくある手法。
公募価格は 845 円。手取額約 7.9 億円の使途は、①仙台支店の開設資金
0.5 億円(内装工事費、設備費、広告宣伝費等)
、②底地や居抜き物件など
の仕入れ資金。公募増資、期間利益の積み上げ、低調な仕入れを受け、14/12
期末の自己資本比率は 59.8%(前期末比 16.4pt 増)まで高まった。
当社は 2011 年 12 月 13 日に JASDAQ に上場。2014 年 1 月 30 日の東証 2 部
への市場変更を経て、同年 12 月 18 日に 1 年足らずで東証 1 部に昇格した。
東証 1 部上場企業になったことによる信用度の向上は、仕入れ、販売、資金
調達などにプラスに働くと期待される。
 新 3 カ年計画では、空き家ビジネスなど新規事業の確立を目指す
新 3 カ年計画を発
表
タイトル(2行)
14/12 期決算発表と合わせ、17/12 期までの新 3 カ年計画を発表。引続き
主力の底地の流動化など既存事業の強化を図ることに加え、これまでに培っ
た権利調整ノウハウを活かした新たな事業展開を目指す。旧借地借家法に基
づく借地権・底地は新たには創設されないため、底地の市場は徐々に縮小し
ていく。今年 2 月 26 日に発表された総務省の住宅・土地統計調査によると
2013 年 10 月 1 日現在の旧借地借家法に基づく借地権の総数は約 103 万件
(世
帯)
。5 年毎の調査であり、前回調査の 2008 年からは約 13 万件減少した。
業界トップの当社でも 14/12 期の仕入れ件数はわずか 427 件(販売件数は
306 件)に過ぎず、まだ市場の先細り、消滅を心配する段階ではないが、
「100
年続く企業」という超長期の視点から新規事業の確立を目指す。
新規事業は、具体的には、①新設の仙台支店における東北の復興現場での
権利調整、②木造住宅密集地域(木密地域)などでの空き家ビジネス、を掲
げている。①は 5 頁で既述した通り。②については、空き家が混在している
木密地域などで、空き家の所有者を探し出し権利者の意向、地域住民の意向
を確かめながら、場合によっては空き家を買取り、周辺の一体再開発を行っ
たりすることを想定している。八王子などで具体的な案件があるという。
新 3 カ年計画には、計数目標は明示されていないが、決算説明会において
3 年で純利益 1.5
倍を目指す
17/12 期の純利益は 14/12 期比 1.5 倍を目指すとしている。約 9.4 億円の目
標ということになる。旧 3 カ年計画(12/12 期~14/12 期)でも純利益は 3
年で 1.5 倍を目指していた。結果は、14/12 期の純利益 6.2 億円(11/12 期
比 1.41 倍)だった。
アナリストレポート・プラットフォーム
8
(出所)㈱QUICK
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2012/12
株 価 推 移
2013/12
2015/12 予
(アナリスト)
2014/12
株価(年間高値)
円
514
888
993
-
株価(年間安値)
円
172
306
515
-
月間平均出来高
百株
7,616.33
8,730.33
9,484.83
-
売
上
高
百万円
9,475
9,187
10,443
11,100
営
業
利
益
百万円
517
919
1,204
1,210
経
常
利
益
百万円
436
809
1,044
1,110
百万円
233
455
626
690
業 績 推 移
当 期 純 利 益
E
P
S
円
33.80
66.04
90.23
87.18
R
O
E
%
7.0
12.5
13.7
11.8
流動資産合計
百万円
6,256
8,023
7,835
-
固定資産合計
百万円
836
895
957
-
資
百万円
7,092
8,918
8,792
-
産
合
計
貸借対照表
流動負債合計
百万円
3,097
4,586
3,164
-
主 要 項 目
固定負債合計
百万円
562
464
366
-
負
百万円
3,659
5,051
3,531
-
株主資本合計
百万円
3,432
3,867
5,261
-
純 資 産 合 計
百万円
3,432
3,867
5,261
-
営業活動による CF
百万円
-952
-664
1,761
-
投資活動による CF
百万円
-15
-175
-110
-
財務活動による CF
百万円
692
1,136
-611
-
現金及び現金同等
物の期末残高
百万円
792
1,089
2,127
-
キャッシュフ
ロー計算書
主 要 項 目
債
合
計
アナリストレポート・プラットフォーム
9
リ
ス
ク
分
事
業

関 会社概要
す る リ
析
に
ス ク
 事業に関するリスク

金融機関の不動産融資姿勢が厳しくなり、居抜き物件の主な売却先で
ある戸建業者の資金調達が難しくなった場合、販売価格が低下し利益
率が悪化したり、販売が長期化する恐れがある。

底地は流動性の低さから担保価値が低く、金融機関からの借入れ金利
はかなり高い。

相続税の物納要件が緩和された場合、相続に絡む底地の仕入れ機会が
減少する可能性(国の財政状況からみてかかる事態は考えにくい)。

旧借地借家法に基づく借地権・底地は新たには創設されないため、超
長期的には旧法に基づく底地は借地権との併合の進捗とともに徐々
に消滅に向かう。

新規参入の増加などによる底地や居抜き物件の取得競争激化。

借地権者の高齢化により、底地取得のための住宅ローンが借りられな
いケースが増加する可能性。
業
関
す
界
る リ
に
ス ク
 業界に関するリスク

上昇。

アナリストレポート・プラットフォーム
金融緩和縮小、財政悪化、米国利上げ、景気回復などによる長期金利
欧州債務危機の再燃などによる資金調達環境の悪化。
10
デ ィ ス ク レ ー マ ー
1.本レポートは、株式会社東京証券取引所(以下「東証」といいます。
)が実施する「アナリストレポー
ト・プラットフォーム」を利用して作成されたものであり、東証が作成したものではありません。
 会社概要
2.本レポートは、本レポートの対象となる企業が、その作成費用を支払うことを約束することにより作
成されたものであり、その作成費用は、当該企業が東証に支払った金額すべてが、東証から株式会社テ
ィー・アイ・ダヴリュ(以下「レポート作成会社」といいます。
)に支払われています。
3.本レポートは、東証によるレビューや承認を受けておりません(ただし、東証が文面上から明らかに
誤りがある場合や適当でない場合にレポート作成会社に対して指摘を行うことを妨げるものではありま
せん)
。
4.レポート作成会社及び担当アナリストには、この資料に記載された企業との間に本レポートに表示さ
れる重大な利益相反以外の重大な利益相反の関係はありません。
5.本レポートは、投資判断の参考となる情報の提供を唯一の目的として作成されたもので、有価証券の
取引及びその他の取引の勧誘又は誘引を目的とするものではありません。有価証券の取引には、相場変
動その他の要因により、損失が生じるおそれがあります。また、本レポートの対象となる企業は、投資
の知識・経験、財産の状況及び投資目的が異なるすべての投資者の方々に、投資対象として、一律に適
合するとは限りません。銘柄の選択、投資判断の最終決定は、投資者ご自身の判断でなされるようにお
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6.本レポート作成にあたり、レポート作成会社は本レポートの対象となる企業との面会等を通じて、当
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8.本レポートの著作権は、レポート作成会社に帰属しますが、レポート作成会社は、本レポートの著作
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