豊川市公共施設等総合管理計画 豊川市公共施設等総合管理計画及び公共施設中長期保全計画策定業務 公共施設等総合管理計画及び公共施設中長期保全計画策定業務 特記仕様書 Ⅰ.業務概要 1.業務名 豊川市公共施設等総合管理計画及び公共施設中長期保全計画策定業務 2.適用範囲 本仕様書は、豊川市(以下「発注者」という。)と受託者が行う「豊川市公共施設等総合管理計 画及び公共施設中長期保全計画策定業務」(以下「本業務」という。)に適用する。 3.目的 地方公共団体において、厳しい財政状況が続くなか、今後の人口減少等により公共施設等の利 用需要が変化していくことが予想されている。公共建築物や土木インフラ施設などの公共施設等 の維持管理・更新についても、財政負担を適切に軽減・平準化し、都市の持続的な発展を見据え た最適配置の実現が求められており、公共施設等の全体の状況(状態・配置・利用状況)を早急 に把握することが必要である。また、国民生活や社会経済活動を支える公共施設等の安全性や機 能を持続的に確保していくためには、人口動態・財政状況等を踏まえた長期的な視点をもって、 公共施設等の更新・統廃合・長寿命化を総合的かつ計画的に行うことが重要である。 本業務は、国土交通省の「インフラ長寿命化基本計画」や総務省「公共施設等総合管理計画の 策定にあたっての指針の策定について」の考え方を踏まえ、本市における公共施設等総合管理計 画を策定するものである。 さらに、公共建築物の基礎データとなる建築物の劣化状況、利用頻度、施設管理コストを把握 するとともに、平成 26 年度に実施した「豊川市公共施設適正配置計画」により決定したモデル地 区やリーディング事業等を踏まえ、公共施設長寿命化のため公共施設中長期保全計画を策定する ものである。 Ⅱ.公共施設等総合管理計画策定業務 1.所有施設等の現状把握 (1)公共施設等の現状把握 各種台帳・長寿命化計画等の既往調査・資料等を用いて、対象施設となる本市の公共建築物、 土木インフラ施設の総量(施設数や面積等)を把握するとともに、建築・供用年、経過年数等の データ整理状況を把握し、老朽化問題など公共施設等の現状を再整理する。 (2)人口の見通し検討 総合計画や都市計画マスタープラン、国立社会保障・人口問題研究所などの将来推計人口など を用いて、本市の総人口や年代別人口など将来人口の見通しについて分析する。 また、都市計画マスタープランの地域別構想や公共施設適正配置計画のエリア区分に基づき、 地域別人口のトレンド分析を行い、地域別将来人口の見通しについても把握する。 (3)財政収支の見込み検討 総務省の地方財政状況調査(財政力指数、経常収支比率、実質公債費比率、将来負担比率等) を用いて、本市の財政状況の動向把握及び他団体との比較を行う。 また、本市決算書を用いて公共建築物及び土木インフラ施設に関わる工事請負費や修繕費など の歳出額(3箇年)を種別分類毎に把握・整理する。 2.施設全体の管理方針の検討 (1)計画期間の検討 総合計画・都市計画マスタープランなどの上位・関連計画をもとに、地域の将来像や重点プロ ジェクト等の動向を把握するとともに、公共施設白書や公共施設適正配置計画及び土木インフラ 施設にかかる各種長寿命化計画などの計画期間・事業計画等の策定状況や内容等を踏まえ、公共 施設等総合管理計画で対象とする計画期間を設定する。 (2)全庁的な取組体制と情報共有方策の検討 公共施設等の管理に関する関係部署毎の取組状況や今年度実施しているファシリティマネジメ ント推進会議等を踏まえ、全庁的な取組体制のあり方を検討する。また、今後の施設全体の効率 的・効果的な管理の推進に向けて、情報共有方策のあり方についても検討する。 (3)公共施設等の現状や課題、基本認識の検討 ①施設毎に事後保全から予防保全による管理方法 公共建築物及び土木インフラ施設についてこれまでに整備した施設の更新に必要な維持管理・ 更新費用の試算を行う。この更新費用の試算にあたっては、更新試算条件の設定等を行いつつ、 施設毎に事後保全から予防保全による管理方法を検討した場合の概算費用を算出する。 ②将来の施設更新投資等の試算 また、人口や財政収支の見通しを踏まえつつ、更新費用の試算結果をもとに、公共施設等の新 設・更新や維持管理等のあり方や利用需要を踏まえた施設数等適正規模(整備量)などについて 検討し、施設全体の管理にかかる公共施設等の現状・課題についてとりまとめる。あわせて不足 する財政負担額を試算する。 なお、施設数や面積等の指標をもとに類似都市とのベンチマークによる比較検討を行い、本市 の公共施設等にかかる特性や実情を把握し、適正規模についても検討する。 (4)公共施設等の管理に関する基本的な考え方 公共施設の特性や各分野別の長寿命化計画、上位関連計画における将来像や取組状況を踏まえ、 統廃合、新設や長寿命化など更新等の考え方、安全性の確保のあり方など、所有する公共施設等 の管理方法についての基本的考え方を検討し、全庁横断的・包括的に取り組む総合型アセットマ ネジメントの方向性として以下の視点に基づきとりまとめる。なお、各方針の設定にあたっては、 財政負担を軽減・平準化するための数値目標の検討を行い、発注者との協議のもと、必要に応じ て設定するものとする。 ①点検・診断等の実施方針 公共建築物、土木インフラ施設それぞれについて点検・診断等の基本的な方針、点検・診断等 の結果を公共施設等総合管理計画、個別施設の計画に反映させるための考え方を検討する。 ②維持管理・修繕・更新等の実施方針 日常の維持管理・補修にあたっての方針を検討するとともに、以下についての方針を検討する。 ・予防保全の実施 ・施設類型ごとの長寿命化計画の策定 ・多様な主体との連携(PPP/PFIの活用についての基本的な方針) ・施設廃止を行う場合の基本的な方針 ③安全確保の実施方針 点検・診断等により危険箇所が発見された場合の対応方針、供用廃止した場合の施設の取り扱 いについての対応方針を検討する。 ④耐震化の実施方針 公共施設の耐震化にあたって、建築物耐震改修促進計画を踏まえながら方針を検討するととも に、BCP(業務継続計画)対策の強化を検討する。 ⑤長寿命化の実施方針 大規模改修による施設の用途転換、予防的補修の導入による長寿命化推進についての基本的な 方針を検討する。 ⑥統合や廃止の推進方針 公共施設の再編にあたり、公共施設適正配置計画を踏まえながら施設の統廃合、複合化、多機 能化、民間施設の活用等についての基本的な方針を検討する。 ⑦総合的かつ計画的な管理を実現するための体制の構築方針 職員に対する研修や組織体制等にあたっての方針を検討するとともに、以下についての方針を 検討する。 ・部局横断的な組織の構築 ・管財部局と営繕部局、財政部局との協力体制及び連携の強化 ・施設管理者の知識・技術の向上 ⑧進捗状況等のフォーローアップの実施方針 総合管理計画の進捗状況を踏まえた評価の実施方法について検討及びその評価を実施するとと もに、評価結果等の市民・議会への情報提供方法や公表のあり方について検討する。 3.施設類型ごとの基本方針 施設全体の管理に関する基本的な方針を踏まえ、 「公共建築物編」と「土木インフラ施設編」の 2編で構成する施設類型毎の具体的方針をとりまとめる。なお、施設類型ごとの記載項目は、施 設特性を踏まえ、個別施設計画との整合性に留意し、具体的にとりまとめる。 4.庁内検討会議の開催支援 (1)庁内検討会議の開催・支援 本市公共施設等総合管理計画の推進に向けて、部署横断的に組織された庁内検討会議(以下、 推進部会及び推進会議の2階層)の開催支援・資料説明を行い、各検討項目に対するヒアリング や意見交換を行うものとする。 ①推進部会運営補助 調査対象施設の担当課による推進部会(全4回)の運営補助を行う。 ②推進会議運営補助 公共施設等総合管理計画の策定に向けた推進会議(全4回)の運営補助を行う。 ※推進会議には学識者の出席(2回程度)を予定(助言料及び会場は発注者負担・提供) (2)今後の課題の整理 推進部会及び推進会議の各回におけるヒアリングや意見交換の結果を踏まえ、公共施設等総合 管理計画の推進に向けた今後の課題をとりまとめる。 5.ホームページ及びパブリックコメントの補助 計画策定の各段階におけるホームページでの情報発信及びパブリックコメントの実施に際して 必要な補助を行う。 6.報告書とりまとめ これまでの検討結果を踏まえ、関係部局の意向を反映した公共施設等総合管理計画を作成し、 報告書としてとりまとめる。 Ⅲ.公共施設中長期保全計画策定業務 公共施設中長期保全計画策定業務 1.本市の公共施設の現状と課題 (1)劣化状況等の把握 本市において過年度調査を行った簡易劣化診断調査、構造体耐久性調査の結果を活用し、本市 の公共施設の劣化状況について整理する。また、主要施設等は、劣化診断を行う。 ①既往調査に基づく公共施設の劣化の状況 ②主要施設等における現地劣化診断調査 「建築物点検マニュアル・同解説(財)建築保全センター」に示される点検内容の 6 部位(屋 根、外装、内装、機械設備、電気設備、屋外)のうち、公共施設の長寿命化の判定に必要となる 66 項目について損傷状況を目視点検する。 対象予定206施設428棟から、概ね築 30 年以上、構造RC造、面積500㎡以上の施設か ら、劣化診断を行う施設を25棟とする。 ③点検方法 対象となる25棟の劣化状況を、②主要施設等における現地劣化診断調査を踏まえ、点検を実 施するとともに、建物の外観写真を 2 方向から撮影する。 法定点検の対象施設は、直近の点検報告書や施設調書・カルテから施設状況を把握し、損傷箇所 を現地にて確認する。なお、学校等で同種の部屋(施設)が多数ある場合は、一室を抽出したサ ンプル点検とする。 内装点検は、外部損傷箇所が内部への影響の度合いを判定する重点調査とする。 (2)課題のまとめ 市が提供する既往資料(施設調書・カルテ)から、施設の利用・コスト状況等を把握するととも に、調査対象施設の担当課から構成される推進部会で、各施設の現状、問題点を確認する。 なお、調査した基礎資料のデータベース化を行うものとする。(基礎調査:施設名称、所在地、 建設年度、敷地面積、建物構造、床面積) (3)財政シミュレーション 歳入歳出の実績値を参考に、ある年度だけの特殊要因による数値は除外し、現行の制度が変わ らないものとして「平均増減率」による財政シミュレーションを行う。 2.中長期期保全計画の基本方針 (1)基本方針の検討 中長期期保全計画は、各施設の点検結果による健全度・優先度評価を踏まえ、建築物の長寿命化に 配慮した計画とする。 なお、対象施設206施設のうち、劣化調査をしていない施設は、劣化調査をした結果や過年度調査を もとに、劣化度などを推定し、評価する。 (2)計画期間の検討 劣化診断調査等を踏まえ、建築物の耐用年数に配慮した計画期間の検討を行う。(10年以上) (3)耐用年数の設定 劣化診断調査や既往の文献等を参考に構造種別ごとに長寿命化の目標とする耐用年数を設定する。 3.改修内容の検討 (1)検査周期の設定(建物・設備)及び項目 建築基準法に基づく法定点検を参考に検査周期及び項目の検討を行う。また、継続的及び効率的に 調査を行うため、調査項目を簡潔にまとめた調査票と劣化度等を判断するための基準等を整理した調査 要領を作成する。 (2)改修周期の設定(建物・設備)及び項目 建築物の長寿命化に配慮した改修周期及び項目の検討を行う。 4.改修等の LCC の試算 2.中長期保全計画の基本方針、3.改修内容の検討及び公共施設適正配置計画等を踏まえ、長寿 命化対策前・後の縮減効果、単年度あたりの縮減額を算出し、財政負担の平準化を考慮した実施時期を 検討する。 (1)平準化手法の検討 単年度当たりの縮減額を算出するため、ライフサイクルコストを踏まえ平準化手法を検討する。検討に あたっては、本市の保有する公共施設を適切に維持保全するコストを把握した上で、今後の財政見込み 等を考慮して、縮減額及び平準化手法を設定する。 (2)優先度評価項目及び評価基準の検討 今後の財政見込み等を踏まえ、優先的に実施する維持保全工事の公平性を担保するため、優先度評 価項目及び評価基準を設定する。 5.今後の展開 本業務において策定した中長期保全計画と公共施設適正配置計画を踏まえ、保全実施計画書を示 す。 (1)保全計画実施計画書の作成 4.改修等の LCC の試算を踏まえ、今後15年間(5期)に実施すべき保全工事を抽出し、年度別保全 費用を算定する。保全実施計画書の作成では、今後3年間(1期)の保全実施計画書を施設ごとに作成 する。なお、3年間を第1期とする。 (2)計画推進の課題 保全実施計画書の作成を踏まえ、計画の進行管理や推進体制を検討する。 (3)とりまとめ 対象施設の保全計画をまとめた全体計画書を作成する。とりまとめにあたっては、全体の状況が把握し やすいような構成・レイアウト等を検討し、公表することを考慮して、市民にもわかりやすいものとする。 6.推進部会運営補助 調査対象施設の担当課による推進部会(全4回)の運営補助を行う。 7.推進会議運営補助 公共施設中長期保全計画の策定に向けた推進会議(全4回)の運営補助を行う。 ※推進会議には学識者の出席(2回)を予定(助言料及び会場は発注者負担・提供) 8.ホームページ及びパブリックコメントの補助 計画策定の各段階におけるホームページでの情報発信及びパブリックコメントの実施に際して 必要な補助を行う。 Ⅲ.成果品等 1.納入成果品 納入成果品は下記のとおりとする。 ・成果品(A4) :原稿一式、バインダー綴じ(3部) ・公共施設等総合管理計画報告書(A4)本編 :70 頁程度(20部)カラー 製本 ・公共施設等総合管理計画報告書(A4)概要版 :10 頁程度(20部)カラー 製本 ・公共施設等総合管理計画報告書(A4)本編 :70 頁程度(100部)カラー、パブ リックコメント用(実施時納品) ・公共施設中長期保全計画報告書(A4)本編 :50 頁程度(20部)カラー 製本 ・公共施設中長期保全計画報告書(A4又)概要版 :10 頁程度(20部)カラー 製本 ・公共施設中長期保全計画報告書(A4)本編 :50 頁程度(100部)カラー、パブ リックコメント用(実施時納品) ・関係資料一式(A4) :ファイル綴じ(1部) ・上記電子データ :CD-R(1部) 2.貸与資料 ・豊川市公共施設白書(平成25年3月策定) 関係電子データ一式(Excel・Word ファイル) ・豊川市公共施設の削減目標及び用途別における施設の方向性(平成26年3月策定) 関係電子データ一式(Excel・Word ファイル) ・豊川市公共施設適正配置計画(平成26年度策定予定) 関係電子データ一式(Excel・Word ファイル) 3.期間 契約締結の日から平成28年3月18日(金)まで 4.委託費用 17,600千円以内(消費税及び地方消費税を含む) 5.その他 本特記仕様書に定めのない事項について疑義が生じた場合には、発注者と受託者が協議の上こ れを定め、業務を円滑に実施すること。
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