マンスリー投資情報 3月号;pdf

マンスリー
投資情報
2015
MARCH
3
CONTENTS
■投資環境
経済動向 ……………………………………
3
市場動向 ……………………………………
9
■投資行動
国内債券 ……………………………………
11
国内株式 ……………………………………
12
外国債券 ……………………………………
13
外国株式 ……………………………………
14
アセットアロケーション …………………
15
海外情報 ……………………………………
16
AD092B-14-0325
◆ ご注意いただきたいこと(必ずご覧ください) ◆
企業年金制度(厚生年金基金制度、確定給付企業年金制度、非適格退職年金制度など)にかか
る年金信託契約等については以下の内容を十分にお読みください。
 年金信託契約に関するリスク
○ 年金信託契約では、お客さまの信託財産を各種の年金投資基金信託受益権等を通して、ま
たは直接に、投資対象である株式、公社債、外貨建て証券、不動産等に投資し、または貸
付金として貸し付けるなどして運用します。これら投資対象は価格変動を伴うため、以下
のような場合に元本の欠損が生じるおそれがあります。
・ 株式相場、金利水準、為替相場、不動産相場、商品相場、その他金融商品市場における株
価指数等の指標の変動に伴い、運用対象である有価証券等(投資信託、投資証券、預託証
券、受益証券発行信託の受益証券等も含む。以下同じ。
)の価格が変動する場合
・ 有価証券等の発行者や保証会社等、または貸付金や貸付有価証券(現金担保の再運用を含
む)の貸出・運用先の業務や財産状況の変化に伴い運用対象である有価証券等の価格が変
動する場合
・ 一般信用取引の取引相手となる証券会社の業務や財産の状況に変化が生じた場合
○ 為替オーバーレイ運用および一般信用取引では、売り建てた通貨や株式の価格が予想とは
反対に変化したときの損失が限定されていません。
 年金信託契約のお客さまにご負担いただく費用
お客さまには、信託契約に基づき①および②の費用を、業務委託契約等に基づき③の費用をそ
れぞれの費用に係る消費税等と共にご負担いただきます。なお、これらの費用は信託財産の中
からいただくか、またはお客さまにご請求します。
(費用の詳細については弊社にお問い合わせ
ください)
①信託契約期間中にご負担いただく費用
項目
内容
信託報酬
信託財産に対して信託報酬率を乗じて計算します。信託報酬率は、
(信託財産の運用・管 お客さまからご提示いただく信託財産の運用指針、信託財産額等
理にかかる費用)
に応じて個別に決定するため記載することができません。
投資対象に係る手数 ヘッジファンド、ファンド・オブ・ヘッジファンズ等への投資に
料等
あたっては、当該ファンド等の組成費用、信託報酬等がかかる場
合があります。また、投資事業有限責任組合や匿名組合等への出
資にあたっては、組合等の監査費用、売買手数料、郵送費、振込
手数料、弁護士費用等がかかる場合があります。
これらの手数料等は種類が多岐に亘り、また運用状況等により異
なるため、事前に料率、上限額またはその計算方法の概要等を記
載することができません。
信託事務の処理に要 有価証券売買委託手数料、株式分割手数料、名義書換手数料、外
する手数料等
国証券の取得管理費用、有価証券保管手数料、信託財産留保金そ
の他費用が発生しますが、これらは信託財産の運用状況、保管状
況等により異なるため、事前に料率、上限額またはその計算方法
の概要等を記載することができません。
りそな銀行
マンスリー投資情報3月号
- 1 -
②信託契約解除時にご負担いただく費用
早期解除手数料
契約締結の日から最長5年以内(契約種別により異なります)に
契約の解除の申し出があった場合には、契約解除日における信託
財産に対して、6.0%を上限とする料率を乗じて計算する早期解除
手数料をご負担いただきます。
③その他年金制度の運営等に関してご負担いただく費用
弊社がお客さまの年金制度の幹事受託機関として年金制度の管理や資金のとりまとめを担当
する場合には、委託を受ける業務の内容に応じて手数料をご負担いただきます。この手数料
は委託を受ける業務の内容により異なるため、事前に料率、上限額またはその計算方法の概
要等を記載することができません。
 年金信託契約に関してご注意いただきたい事項
・ 年金信託は、元本及び収益が保証されていない実績配当型の商品であり、損益はすべてお
客さま等に帰属します。また、本商品は預金保険の適用は受けません。
・ 弊社は正当な事由があるときは、お客さまに対する 1 ヶ月前の予告により受託者の任を辞
することができます。また、信託目的の達成または信託事務の遂行が著しく困難になった
場合には、お客さまへの通知により信託契約は終了します。
・ 新株予約権、取得請求権等が付された上場有価証券等ならびにオプション等一部の派生商
品については権利行使期間に制限があります。また、貸株取引の対象株式は議決権行使に
制限を受ける場合があります。
・ 投資事業有限責任組合や匿名組合等に出資する場合、出資持分の譲渡や担保差入れは当該
組合等の運営者(無限責任組合員等)の事前の同意を要する等の制約を受けることがあり
ます。
・ ファンド・オブ・ヘッジファンズ等は解約通知をいただいてから資金化までに 6 ヶ月程度
を要することがあります。
・ 為替オーバーレイ運用および国内株式ならびに外国株式のエンハンスト・アクティブ運用
では、為替オーバーレイの対象資産残高、および国内株式ならびに外国株式の投資元本を
上回る取引を行うことがあります。
商 号 等:株式会社りそな銀行
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- 2 -
経済動向(2月のレビュー)
日本:景気は緩やかに改善
日本の景気は、生産・輸出関連指標を中心に緩やかに回復しています。
1月の実質輸出は前月比+5.0%と大幅に上昇し、2ヶ月連続の上昇となりました。輸出は、リーマンショック
前の08年夏頃の水準まで回復してきています。実質輸入は前月比+2.2%と3ヶ月連続で上昇し、国内需要が
回復していることが伺えます。
2月の製造業PMIは51.6となり、前月からやや低下したものの、9ヶ月連続で50を上回りました。また、1月
の鉱工業生産指数は前月比+4.0%と2ヶ月連続で上昇しました。増税前の駆け込み需要による生産のピーク
時を除くと、震災前の水準まで回復してきています。1月の実績値に、先行き2ヶ月分の予測調査を機械的に
当てはめると、1-3月期は前期比+3.4%となる計算です。また、景気が堅調な米国向けを中心に実質輸出
が回復していること等から、生産は今後も緩やかに増加すると考えられます。
設備投資関連指標も改善しています。1月の資本財(除く輸送機械)出荷指数は前月比+12.8%、12月の
コア機械受注は前月比+8.3%となりました。法人企業景気予測調査の設備判断BSI(大企業全産業)の先行
き予測(3月及び6月)が依然「不足」を示していることからも、設備投資は今後増加していくと考えられます。
物価上昇率は鈍化しています。12月の全国コアCPIは前年比+2.2%、消費増税除くベースでは同+0.2%と
なりました。1月の決定会合の議事録によると、日銀は昨年10月の展望レポートの見通しと比べて物価が下振
れているとの認識を持っています。しかし、物価の基調的な動きに変化は生じておらず、今後着実に高まって
いくとの見方を維持しており、追加緩和の実施は暫くないものと考えられます。
1月の景気ウォッチャー調査は、現状判断DIが2ヶ月連続で改善したものの、依然として50を下回っていま
す。企業動向や雇用関連が上昇した一方で、家計動向が低下しました。先行き判断DIは5ヶ月振りに50を回
復したものの、内閣府は景気の判断を「回復に弱さがみられる」と前月から据え置いています。
<製造業PMI:2月>
<鉱工業生産指数:1月>
(2010年=100)
(DI、%)
115
60
110
55
予測指数
105
50
100
95
45
90
40
10
11
12
13
14
85
15
10
2月は51.6と前月から低下。50台前半で横這い
推移継続。
11
12
13
14
15
前月比+4.0%と2ヶ月連続で上昇。先行き予測指
数は2月:前月比+0.2%、3月:同マイナス3.2%。
<実質輸出入:1月>
<機械受注(12月)と資本財出荷:1月>
(2010
(2010年=100)
(億円)
130
10,500
120
9,500
110
140
120
8,500
100
100
7,500
90
実質輸出
実質輸入
80
80
6,500
70
コア機械受注(左軸)
資本財出荷(除く輸送機械)(右軸)
5,500
10
11
12
13
14
15
10
輸出は前月比+5.0%で2ヶ月連続、輸入は同
+2.2%と3ヶ月連続で上昇。
11
12
13
14
60
15
12月機械受注は前月比+8.3%、1月資本財出荷は
同+12.8%といずれも大幅に上昇。
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- 3 -
<実質消費支出:1月>
<求人倍率:1月>
(倍)
(前年比、%)
1.9
10
有効求人倍率
新規求人倍率
5
1.4
0
0.9
-5
0.4
-10
10
11
12
13
14
00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15
15
前年比-5.1%と、10ヶ月連続のマイナス。消費
増税前の駆け込み需要の反動が依然として影響。
有効求人倍率は1.14倍、新規求人倍率は1.77倍と
緩やかに改善傾向。
<コアCPI:1月(全国)、2月(東京都区部)>
<国内企業物価(除く消費税):1月>
(前年比、%)
(前年比、%)
4
3
東京都区部
3
2
全国
2
1
1
0
0
-1
-1
-2
-2
-3
-3
10
11
12
13
14
-4
15
10
11
12
13
14
15
全国コアCPIは前年比+2.2%(消費増税除く
ベース:同+0.2%)と伸び率鈍化。
企業物価は原油安の影響を受けて前年比-2.4%と
大きく下落。
<景気ウォッチャー調査:1月>
<新設住宅着工戸数:1月>
60
(年率、千戸)
(DI)
1,150
55
1,050
50
950
45
40
850
35
750
現状判断DI
30
先行き判断DI
650
25
10
11
12
13
14
10
15
先行きDIは50.0、現状判断DIは45.6と前月から
改善。
11
12
13
14
15
前月比-2.2%と下落したが、着工戸数は横這いが
継続。
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- 4 -
米国:1Qの成長率は+2.0%程度に減速
今月の経済指標は、雇用統計が労働市場の改善基調継続を示したものの、その他のマクロデータは
弱めの内容でした。雇用の改善を背景に個人消費は堅調に推移すると予想されることから景気の下振
れリスクは限定的ですが、1-3月期の成長率は年率+2.0%程度に留まる見通しです。
2月の雇用統計では、非農業部門雇用者数が前月から+29.5万人増加し、失業率も5.5%と08年5月
以来の水準に低下するなど、労働市場の着実な改善を示唆する内容でした。雇用の増加ペースは加速
しており、雇用の伸びを6ヶ月平均で均してみると2月は+29.3万人と15年振りの高水準となりまし
た。名目賃金(時給)は前年比+2.0%とこれまでのレンジに留まっているものの、飲食業での賃上げ
が報道されるなど限界的には賃金上昇の兆し顕在化しており、今後賃金上昇圧力は徐々に広がる見通
しです。
なお、その他主要指標については、ISM製造業指数が4ヶ月連続で低下し、雇用回復+ガソリン
安で期待された個人消費についても、このところやや低調な推移が続いています。設備投資の先行指
標であるコア資本財受注は4ヶ月連続で減少した後、1月も前月比+0.5%と微増に留まりました。
こうした中、イエレンFRB議長は2月24-25日の議会証言において、改めて利上げの可能性に言
及したもののそのタイミングについてはこれまで同様慎重なスタンスを維持したことから、マーケッ
トではややハト派的な内容との見方が広がりました。
<非農業部門雇用者数:2月>
(前月差、千人)
500
<鉱工業生産:1月>
110
(%)
5.0
非農業部門雇用者数(左軸)
400
95
6.5
90
7.0
200
85
7.5
80
8.0
100
75
8.5
0
70
9.0
-100
65
9.5
11
12
13
14
設備稼働率(%)
100
6.0
300
鉱工業生産(2007年=100)
105
5.5
失業率(右軸、逆目盛)
09
15
10
11
12
13
14
15
雇用者数は+29.5万人増加し、失業率は08年5
月以来の水準に低下。
1月の鉱工業生産は、前月比+0.2%と2ヶ月振りに
増加したものの、拡大ペースは鈍化。
<ISM製造業景況感指数:2月>
<耐久財受注:1月>
(10億ドル)
320
70
(10億ドル)
75
300
65
70
280
60
260
65
240
55
60
220
50
200
総合指数
45
新規受注指数
11
55
コア資本財受注(右軸)
160
40
10
耐久財受注(左軸)
180
12
13
14
50
10
15
総合指数、新規受注共に4ヶ月連続で悪化。西海
岸の港湾ストが製造業に悪影響。
11
12
13
14
15
コア資本財受注はやや弱めの動きが続いており、1
月は前月比+0.6%と5ヶ月振りにプラス。
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- 5 -
<小売売上高(除く自動車、名目):1月>
<ミシガン大学消費者センチメント指数:2月>
(1966年1Q=100)
(前月比、%)
1.5
105
1.0
95
0.5
85
0.0
75
-0.5
65
-1.0
55
消費者センチメント指数
期待指数
45
-1.5
11
12
13
14
10
15
11
12
13
14
15
2ヶ月連続で前月比マイナス0.9%。ガソリン価格
の低下等が影響。
消費者センチメントは小幅下落。ガソリン価格の上昇
が影響。
<消費者物価指数:1月>
<ISM非製造業指数:2月>
(前年比、%)
65
5
60
4
3
55
2
50
1
総合指数
0
45
-1
総合指数
新規受注指数
コア指数
40
-2
10
11
12
13
14
10
15
エネルギー価格の下落で総合指数は前年比マイ
ナス0.1%と、09年10月以来のマイナス。
11
12
13
14
15
内需堅調を反映し総合指数は+0.2ポイント改善。但
し、新規受注は悪化。
<建築着工件数:1月>
<中古住宅販売戸数:1月>
(年率、千戸)
(年率、千戸)
1,200
6,000
1,100
5,500
1,000
5,000
900
800
4,500
700
4,000
600
3,500
500
400
3,000
09
10
11
12
13
14
09
15
一進一退が続いており、1月は前月比マイナス
2.0%と2ヶ月振りに減少。
10
11
12
13
14
15
前月比マイナス4.9%と2ヶ月振りに減少。在庫水準
の低下などが影響の可能性。
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- 6 -
ユーロ圏:景気は循環的に持ち直し
ユーロ圏では、ユーロ安やエネルギー価格の低下等を背景に比較的堅調な経済指標が続いていま
す。実際、各経済指標と事前予想との違い(乖離幅)を指数化したサプライズインデックスは2月に
入りプラスに転じています(実績が予想を上回る状況が続いています)。3月以降はECBの量的緩
和策も景気を下支えすることから、当面は景気回復が続く見通しです。
10-12月期のユーロ圏の成長率は前期比+0.3%と前期(同+0.2%)から緩やかに加速しました。
ユーロ圏のPMIコンポジット(製造業+サービス業)の1-2月平均値は52.9と10-12月平均の
51.5から1.4ポイント改善していることから、1-3月期も前期を上回る成長率が期待できます。ま
た、ECBの金融緩和の効果でマネーサプライ(M3)の伸び率は加速が続いており、1月は前年比
+4.3%と09年4月以来の高い伸びとなりました。
更に、1月の失業率は11.2%と前月から0.1ポイント低下するなど、雇用も改善しています。消費
者センチメントが改善し、それを背景に個人消費も持ち直しており、1月の小売売上は前年比+3.2%
と07年3月以来の高い伸びとなりました。2月のCPI(総合)は前年比マイナス0.3%とマイナス
圏での推移が続いていますが、原油安一服、ユーロ安、内需持ち直しの効果でCPIは徐々にマイナ
ス幅を縮小し、デフレ懸念は先行き後退する見通しです。
<独Ifo景況感指数:2月>
<マネーサプライ(M3):1月>
(前年比、%)
(2005=100)
120
6
115
5
4
110
3
105
2
100
1
95
0
90
-1
10
11
12
13
14
15
10
11
12
13
14
15
2月は前月からほぼ横ばい。上昇傾向が続く
見通し。
前年比+4.3%と9ヶ月連続で伸び率加速。景気
の先行きに対してポジティブ。
<失業率:1月>
<消費者物価指数:2月>
(%)
(前年比、%)
3.5
30
13
12
3.0
25
11
2.5
10
2.0
20
9
1.5
8
ユーロ圏
ドイツ
ギリシャ(右軸)
7
フランス
スペイン(右軸)
6
1.0
15
0.5
0.0
10
総合
-0.5
5
10
11
12
13
14
コア
-1.0
5
4
10
15
ユーロ圏の失業率は11.2%と引き続き高水準なが
ら、緩やかに改善。
11
12
13
14
15
総合指数は前年比マイナス幅が縮小したもの
の、3ヶ月連続で前年割れ。
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- 7 -
中国:景気減速継続
中国景気の減速が止まりません。景気下振れリスクが高まれば、金融緩和や財政出動等、政策対応が打ち
出されるため、景気の失速は予想していないものの、景気は緩やかな減速傾向を辿っています。
2月の製造業PMI(国家統計局版)は49.9 と、1月の49.8 から僅か0.1ポイントの上昇となりました。同PMI
のサブ・インデックスである新規受注の改善(50.2→50.4)はポジティブですが、輸出受注は50以下でほぼ変
わらず(48.4→48.5)、需要減速を背景とする在庫増により原材料在庫指数は上昇(47.3→48.2)しました。
景気減速、内需低迷を背景に物価の下押し圧力が強まっており、1月のCPIは総合指数が前年比+0.8%、
コア指数は同+1.2%とそれぞれ前月から0.7ポイントと0.1ポイント、伸び率が鈍化しました。生産者物価はマイ
ナス圏での推移が続いており、CPIは先行き一段と減速する公算です。また、1月の輸入は内需の弱さを反映
し同マイナス19.9%と09年5月以来の大幅なマイナスとなりました。
景気減速を受け、人民銀行は、2月4日に預金準備率を0.5ポイント引き下げた他、月末には0.25%の利下
げを発表しました。当社では、こうした一連の金融緩和に加えて、財政措置についても度々打ち出されている
ことから、先行き景気の減速ペースが大幅に早まる可能性は低いと予想しています。しかし、当局の間では信
用拡大に対する警戒感が強いことから大型の景気対策が打ち出される可能性は低く、今後打ち出される政策
もその主眼は景気減速ペースの緩和に留まるとみられます。
<製造業PMI:2月>
<サービス業PMI:2月>
(DI)
58
(DI)
60
(前年比、%)
25
56
59
20
58
54
15
57
52
56
10
50
55
5
48
46
0
53
-5
44
10
11
12
13
14
非製造業PMI
54
製造業PMI
鉱工業生産(右軸)
52
15
10
製造業PMIは2ヶ月連続で50割れ。
11
12
13
14
15
緩やかな減速傾向が続いているものの、2月は
53.9と前月から0.2ポイント改善。
<CPI:1月>
<輸出:1月>
(前年比、%)
(前年比、%)
7
100
6
輸出
80
5
輸入
60
4
3
40
2
20
1
0
0
総合
-1
-20
コア(除く食品・エネルギー)
-2
-40
-3
10
11
12
13
14
10
15
景気減速を背景に、総合指数は前年比+0.8%、
コア指数は同+1.2%と低調。
11
12
13
14
15
輸出入共に前年比マイナス。
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- 8 -
市場動向(2月のレビュー)
債券市場:日米長期金利は上昇、独長期金利はほぼ横這い
為替市場:ドル>ユーロ>円
米国の長期金利は月間で上昇しました。月初から中旬にかけ、堅調な米雇用統計を受けた利上げ観測
や原油価格の反発から金利は上昇しました。その後、18日公表の1月のFOMC議事録で「patient」
の文言削除に対して慎重な姿勢が見られたことや、24・25日の議会証言でイエレンFRB議長が利上
げを急がない姿勢を見せたことから、利上げ観測が後退して金利はやや低下しました。
ドイツの長期金利は月間でほぼ横這いでした。月初、ギリシャが金融支援の交渉に応じる姿勢を見
せ、ユーロ離脱懸念がやや後退したことで金利は上昇しました。その後、ギリシャが支援計画を拒否す
る姿勢を示したことや12月ユーロ圏鉱工業生産が軟調だったこと、ECBの量的緩和開始に向け国債
が買われたことから金利は低下しました。月末、ギリシャがEUとの資金支援の延長で合意したことで
金利はやや上昇しました。
国内金利は月間で上昇しました。月前半は原油価格上昇や米金利に追随して上昇しました。下旬にか
けては米国金利の低下や、好調な入札結果を受けた需給の改善で金利は低下しました。
為替市場では米金利上昇で円安ドル高が進行しました。ドル円は月前半に上昇後、横這いで推移し、
月間ではプラス1.8%となりました。ユーロドルは月間でマイナス0.8%でした。上旬から中旬にかけて
ほぼ横這いで推移した後、下旬はドイツ金利低下による欧米金利差拡大でユーロ安となりました。
<海外長期金利(10 年国債)>
<国内長期金利(10 年国債)>
(%)
0.60
0.55
0.50
0.45
0.40
0.35
0.30
0.25
0.20
0.15
0.10
(%)
2.8
2.4
2.0
1.6
1.2
0.8
0.4
0.0
9末
10末
11末
12末
1末
2末
国内金利は米金利に追随し、中旬にかけて
上昇した後、下旬には低下。
9末
米国
10末
12末
1末
2末
米国金利は堅調な雇用統計を受けて上昇
した後、米利上げ後ずれ観測でやや低下。
<ドル・円>
124
122
120
118
116
114
112
110
108
106
104
11末
ドイツ
<ユーロ・ドル>
1.30
(¥/$)
($/EUR)
1.26
1.22
1.18
1.14
1.10
9末
10末
11末
12末
1末
2末
前半に米金利上昇による円安ドル高が進行
した後、概ね横這いで推移。
9末
10末
11末
12末
1末
2末
月前半はほぼ横這い推移、その後、ドイツ
金利低下によるユーロ安進行。
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りそな銀行
マンスリ-投資情報3月号
- 9 -
市場動向(2月のレビュー)
株式市場:内外の主要市場で指数が上昇
国内市場では、TOPIXが+7.7%上昇しました。米国の14年4Qの実質GDPが市場予想を下回
り米国景気への懸念から下落して始まりました。しかし、原油価格が底打ちしたことで米株高となり
国内株式市場も上昇に転じました。25日に、国家公務員共済組合連合会が資産構成を見直し国内株式
の比率を25%に引き上げると発表したことも好感され、国内株式市場は上昇基調のままで終わりまし
た。
米国株式は、月を通じて上昇傾向が続き、S&P500は+5.5%上昇しました。月前半は、ロシア・ウ
クライナ問題の停戦合意など地政学リスクが和らいだことが好感されました。月後半は、ギリシャ債
務問題の進展やイエレンFRB議長の議会証言を受けて早期利上げ観測が後退したことで、相場は堅
調に推移しました。
ドイツ株式は、前月から続伸し+6.6%上昇。月末にかけて史上最高値を更新し、11,401.66ポイント
で終了しました。1月下旬にECBが発表した量的緩和への期待感や、ギリシャへの金融支援の延長
が合意されたことが株式市場の追い風になりました。
香港株式は、2月中国HSBC製造業PMIの悪化などを背景に下落して始まりました。しかし、
景気減速を受けて中国人民銀行が追加緩和するとの期待から株価は反発し、香港ハンセン指数は+1.2
9%上昇して終わりました。
<TOPIX>
<S&P500>
1,550
2,150
2,100
1,450
2,050
1,350
2,000
1,950
1,250
1,900
1,150
1,850
9末
10末
11末
12末
1末
2末
堅調な欧米株式を追随、公的年金の国内株
式比率引き上げ発表も好感され上昇。
9末
10末
11末
12末
1末
2末
地政学リスク、FRBの早期利上げ観測の後
退などから株価は上昇。
<DAX>
<ハンセン(香港)>
11,600
11,200
10,800
10,400
10,000
9,600
9,200
8,800
8,400
25,000
24,500
24,000
23,500
23,000
22,500
9末
10末
11末
12末
1末
2末
ECBの量的緩和期待、ギリシャへの金融支
援延長などから株価は上昇。
9末
10末
11末
12末
1末
2末
中国人民銀行の追加緩和期待を背景に、
月中旬以降、株価は反発。
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りそな銀行
マンスリ-投資情報3月号
- 10 -
投資行動
国内債券 -公社債口Aファンド(満期構成調整)-
基準価格騰落率(%)
ベンチマーク騰落率(%)
超過収益率(%)
2015.01
2015.02
2015.03
0.01
▲ 0.52
0.03
▲ 0.56
▲ 0.02
0.03
四半期
▲ 0.51
▲ 0.53
0.02
通期
3.50
2.90
0.60
<2月の投資行動>
長期金利はボラティリティの高い展開、入札に応じて機動的に入替え
2月の10年債利回りは、3日の10年債入札が低調な結果に終わり、5日の30年債入札前には0.4%
まで上昇しましたが、良好な入札結果を受け一旦は低下に転じました。その後、米雇用統計の結果を
受けた米債安の展開に10年債は軟調に推移し、16日の第3Q-GDPのプラス発表後は0.45%まで上昇
しました。17日の20年債入札が順調に終了し、需給懸念後退から金利は低下に転じ、24日の40年債
入札の無難な結果、イエレンFRB議長の議会証言を好感した米債高の展開を受け、10年債利回りは
0.3%台前半まで低下し越月しました。イールドカーブはベア・スティープとなりました。
満期構成調整では、絶対金利が低いレベルで入札が続き、需給要因からボラテリティの高い展開
に、機動的な入替えを行いました。種類別では、事業債、円建外債の比率は現状維持としました。
修正デュレーションの推移
A ファンド
NOMURA BPI
8.50
8.00
7.50
7.00
満期別構成比の対ベンチマーク比の推移(%)
2014.12
2015.01
2015.02
6.50
6.00
10.0
5.50
5.0
5.00
2014.12
0.0
2015.01
2015.02
-5.0
-10.0
長期債
中期債
短期債
りそな銀行
マンスリー投資情報3月号
- 11 -
国内株式
<株式口Aファンド(市場型)>
基準価格騰落率(%)
ベンチマーク騰落率(%)
超過収益率(%)
2015.01
2015.02
2015.03
1.37
5.84
0.54
7.71
0.83
▲ 1.87
四半期
7.29
8.30
▲ 1.00
通期
30.68
28.05
2.63
<2月の投資行動>
株価が出遅れた好業績銘柄を購入
業績が好調にも関わらず、これまで
株価が低調であったメガバンクや生保
など金融株をウェイトアップしました。
7業種分類による業種構成比の対ベンチマーク推移(%)
2014.12
2015.01
2015.02
8
一方で、電機、機械や化学、運輸など
4
円安や原油安メリットが期待され株価
0
が堅調であった銘柄の保有比率を引き
-4
下げました。
-8
エレキ
情報通信
自動車・機械
建設・公益
金融
消費・サービス
素材
<株式口Fファンド(割安株-リサーチ)>
基準価格騰落率(%)
ベンチマーク騰落率(%)
超過収益率(%)
2015.01
2015.02
2015.03
0.25
8.14
0.54
7.71
▲ 0.29
0.42
四半期
8.40
8.30
0.11
通期
28.37
28.05
0.32
<2月の投資行動>
事業構造改革期待の高い銘柄に投資
割安な株価に放置された銘柄の中
で、割安状況の解消が見込まれる銘柄
へ投資しました。個別では、資産効率
7業種分類による業種構成比の対ベンチマーク推移(%)
2014.12
2015.01
2015.02
6
や収益性の改善に向けた取り組みが
3
見込まれる東芝、消化器やガンなど競
0
争力が高い疾患領域に絞り込んだ新薬
-3
開発戦略で収益回復が期待される武
-6
エレキ
情報通信
自動車・機械
建設・公益
金融
消費・サービス
素材
田薬品工業を購入しました。
<株式口Wファンド(グローバル企業)>
基準価格騰落率(%)
ベンチマーク騰落率(%)
超過収益率(%)
2015.01
2015.02
2015.03
▲ 0.51
6.81
0.54
7.71
▲ 1.05
▲ 0.91
四半期
6.26
8.30
▲ 2.04
通期
28.46
28.05
0.41
<2月の投資行動>
競争力の変化が期待できる銘柄に投資
競争力向上によりグローバルでの活
躍が期待できる企業の発掘に努めまし
た。個別では、CMOSセンサーの拡大
7業種分類による業種構成比の対ベンチマーク推移(%)
2014.12
2015.01
2015.02
10
など再成長への期待が高まったソ
5
ニー、堅調な国内事業に加え、アジア
0
への事業展開で成長加速が見込まれ
-5
るセコムなどを新規で組み入れました。
-10
エレキ
情報通信
自動車・機械
建設・公益
金融
消費・サービス
素材
りそな銀行
マンスリー投資情報3月号
- 12 -
外国債券 -外貨建証券口Aファンド(外国債券アクティブ)-
基準価格騰落率(%)
ベンチマーク騰落率(%)
超過収益率(%)
2015.01
2015.02
2015.03
▲ 1.93
0.81
▲ 2.99
1.00
1.06
▲ 0.19
四半期
▲ 1.14
▲ 2.02
0.88
通期
16.01
13.49
2.51
<2月の投資行動>
デュレーションは長期化を継続、通貨配分は米ドルを中立近辺に移行
2月の米国長期金利は上昇しました。雇用が予想を
通貨別構成比
その他
通貨
5%
上回る改善を示すなか、FRBによる年内利上げ開始観
測などもはたらいて、1.64%で始まった米10年金利は
上昇、中旬には2%を上回る水準で推移しました。その
後、イエレンFRB議長による議会証言が、早期利上げ
その他
欧州
2%
を示唆するものではなかったと受けとめられて、金利は
やや低下、1.99%で月末を終えました。
為替市場では、ギリシャ支援問題の進捗をにらみな
がら、概ねレンジ内で方向感の乏しい推移が続きまし
た。1.13で始まったユーロの対米ドルレートは、1.12で
月末を迎えました。
米ドル
41%
英ポンド
8%
ユーロ
44%
通貨構成比の対ベンチマーク推移(%)
2014.12
9.0
2015.01
2015.02
6.0
3.0
当月の投資は、米雇用統計を受け、米国を中心に一
0.0
旦デュレーションリスクを抑制しましたが、下旬にはイエ
-3.0
レン議長の議会証言などに基づき、利上げ織り込みが
-6.0
米ドル
やや過度と判断し、再度デュレーションを長期化しまし
英ポンド
ユーロ
た。通貨配分は、欧州の景気指標に底入れの兆しも見
られるなか、一方向の米ドル高は進みにくいと判断、米
ドルのオーバーウェイト幅を中立近辺まで縮小しまし
た。
デュレーション推移
A ファンド
満期別構成比の対ベンチマーク推移(米ドル、%)
2014.12
2015.01
2015.02
20.0
CitigroupWGBI
13.00
12.00
10.0
0.0
11.00
-10.0
10.00
-20.0
9.00
-30.0
短期債
中期債
長期債
超長期債
7.00
満期別構成比の対ベンチマーク推移(ユーロ、%)
2014.12
8.00
2015.01
2015.02
50.0
40.0
30.0
20.0
10.0
0.0
-10.0
-20.0
-30.0
6.00
5.00
4.00
米ドル
りそな銀行
英ポンド
201502
201501
201412
201502
201501
超長期債
201412
長期債
201502
中期債
201501
短期債
201412
3.00
ユーロ
マンスリー投資情報3月号
- 13 -
外国株式 -外貨建証券口Fファンド(外国株式アクティブ)-
基準価格騰落率(%)
ベンチマーク騰落率(%)
超過収益率(%)
2015.01
2015.02
2015.03
▲ 3.93
8.45
▲ 4.13
7.77
0.20
0.68
四半期
4.19
3.32
0.87
通期
26.39
25.39
1.00
<2月の投資行動>
地域配分は、欧米、他地域とも市場中立。個別銘柄では競争優位な銘柄を組み入れ
米欧株式市場は、1月の米国雇用統計などの経済指標が良好であったことやユーロ圏の2014年10-12
月期の実質GDPが市場予測を上回ったことなどが好感され上昇しました。米国では石油掘削装置稼働数
の大幅減少を受けて、NY原油市場(WTI先物)が急反発し、それを受けたエネルギー関連銘柄の上昇が相
場をけん引しました。また、ロシア・ウクライナ問題、新政権樹立後のギリシャ債務問題などに進展が見ら
れたことから相場を下支えしました。
こうした環境のなか、投資行動については、欧米経済の改善速度に温度差があるものの、株価動向に
大差はないとの判断から、米欧、他地域とも中立の地域配分を維持しました。また、銘柄選択においては
株価の方向性を注視しつつ、独自モデルを活用して割安な銘柄の組み入れを実施するとともに、企業訪問
を中心としたリサーチに基づき、競争優位による業績伸長が期待できる銘柄に投資を行いました。
国別構成比の対ベンチマーク推移(%)
0.5
0.4
0.3
0.2
0.1
0.0
-0.1
-0.2
-0.3
2014.12
米国
カナダ
2015.01
欧州
2015.02
香港
シンガポール
豪州
MSCI24業種分類による対ベンチマーク構成比の推移(%)
米国 : 主なオーバーウェイト5業種
欧州 : 主なオーバーウェイト5業種
素材
素材
小売り
ソフトウェア
保険
資本財
1月
テクノロジー
1月
商業サービス・用品
2月
2月
家庭用品
△9.0%
ヘルスケア
△6.0%
△3.0%
--
3.0%
6.0%
9.0%
△6.0%
△4.0%
△2.0%
--
2.0%
4.0%
欧州 : 主なアンダーウェイト5業種
米国 : 主なアンダーウェイト5業種
不動産
銀行
ソフトウェア
不動産
各種金融
医薬品・バイオ
1月
ヘルスケア
1月
エネルギー
2月
2月
エネルギー
△9.0%
6.0%
家庭用品
△6.0%
△3.0%
--
3.0%
6.0%
9.0%
りそな銀行
△6.0%
△4.0%
△2.0%
--
2.0%
4.0%
6.0%
マンスリー投資情報3月号
- 14 -
モデルポートフォリオ・アセットアロケーション
<モデルポートフォリオにおけるアセットアロケーションの概念図>
国内 債券
オー バー
ニュー トラ ル
アン ダー
国 内株 式
外 国債 券
外国 株式
高
低
高
低
高
低
<2月の資産配分方針 : 1月末時点の方針を維持>
(国内債券)
雇用環境の改善、4月以降増加に転じると見られる実質賃金、堅調な米国経済、原油安、3.5兆円規模の追加経済対策、など
を背景に、景気は引き続き持ち直していくと予想されます。一方、原油安が下押し要因として働くなかで、消費者物価上昇率が加
速に転じるには暫く時間を要すると判断されます。上昇率2%の物価安定目標には遠く、日銀は10月に強化した「量的・質的緩
和」を継続すると予想されます。
長期金利は、景気の持ち直しや米国金利の反転(「外国債券」参照)を背景に、上昇傾向に移行していくと予想されます。しか
し、日銀の強力な資産購入策が抑制要因となるため、上昇幅は僅かなものに留まると予想されます。そうした金利見通しと他資
産の魅力度を考慮し、国内債券はアンダー低めを維持する方針としました。
(国内株式)
景気の持ち直し(「国内債券」参照)、ETFを含む日銀の強力な資産購入策、円安/ドル高傾向の持続(「外国債券」参照)、など
を背景に、株価は上昇傾向で推移すると予想されます。年金積立金管理運用独立行政法人における基本ポートフォリオと現実
の資産構成割合の乖離も需給面の下支え要因と判断され、国内株式はオーバー低めの魅力度を維持する方針としました。
(外国債券)
ギリシャの急進左派政権誕生にも拘らず他国の金融市場が総じて安定を保つなかで、ユーロ圏の景気は、堅調な米国が支え
る圏外経済動向、ユーロ安、原油安、などを背景に持ち直していくと予想されます。しかし、バランスシート調整圧力や労働コスト
調整圧力が残存し、ウクライナを巡る緊張も続くなかで、その動きは緩慢なものに留まると予想されます。
中国では過剰投資対策や綱紀粛正策が引き続き景気の重石になると予想されます。しかしその一方で、当局はミニ景気対策
を漸次強化しており、下振れリスクが強まる局面では、同様の小規模の措置が追加されると予想されます(2月は預金準備率引
き下げと利下げ、零細企業向け減税拡大を決定)。景気は鈍化気味に推移するものの、大幅下振れは回避すると予想されます。
以上のような外部環境の下で米国景気は、雇用環境の改善、株高の資産効果、原油安、設備稼働率の上昇、などを背景に、
内需主導で回復傾向を維持すると予想されます。足下の経済指標には企業部門中心に足踏み感が出ていますが、原油安のプ
ラスの影響が広がるにつれ(当初はエネルギー関連に打撃)、改善傾向に戻っていくと予想されます。そうしたなかでFRBは、利
上げ開始に向けた議論を進めていく(近いうちに「忍耐強くなれる」との表現を含むフォワードガイダンスを変更)と予想されます。
利上げを巡る思惑で市場のボラティリティは高まる可能性があります。しかし、フォワードガイダンスの変更に関し、イエレン議
長が「(変更後)数回の会合で必ず(FFレートの)目標レンジを引き上げると解釈されるべきではない」と発言するなど、FRBの慎
重な対応ぶりは変わっておらず、市場の動揺が深刻化する「政策ミス」のリスクは極めて小さいと判断されます(弊社では、6月F
OMCで利上げを決定と予想)。
米国長期金利は、FRBの利上げ開始に向けた議論などを背景に、上昇傾向に移行していくと予想されます。しかし、FRBが
政策ミスを犯すリスクは小さく、上昇ペースは緩やかなものに留まると予想されます。潜在成長率の低下に伴う実質均衡金利の
低下、期待インフレ率の低下、財政赤字縮小、なども金利上昇の抑制要因になると考えられます(欧州主要国の金利も概ね連動
するが、上昇幅は米>欧)。一方、為替市場は、FRB、日銀、ECBの政策姿勢が異なるなかで、引き続きドル高傾向で推移する
と予想されます。そうした金利・為替見通しと他資産の魅力度を考慮し、外国債券はニュートラル高めを維持する方針としました。
(外国株式)
堅調な米国景気が支えとなり、先進国を総じて見た景気は緩やかな回復傾向を維持すると予想されます。一方、金融環境は、
FRBの慎重な政策対応や(「外国債券」参照)、追加緩和に踏み切ったECB、日銀の政策姿勢を背景に、緩和的な状況が続い
ていくと予想されます。そうしたなかで外国株式は、総じて上昇傾向で推移すると予想され、ニュートラル高めの魅力度を維持す
る方針としました(上昇傾向ながら、その過程ではFRBの利上げを巡る思惑でボラティリティを増す場面を交えると想定され、日
銀が強力な資産購入策を継続する国内株対比では下位)。
2013年度
1Q
国
内
債
券
国
内
株
式
オーバー
ニュートラル
アンダー
オーバー
ニュートラル
アンダー
高
低
高
低
高
2Q
3Q
2014年度
4Q
1Q
2Q
3Q
2013年度
4Q
1Q
外
国
債
券
低
高
低
高
低
高
低
外
国
株
式
りそな銀行
オーバー
ニュートラル
アンダー
オーバー
ニュートラル
アンダー
2Q
3Q
2014年度
4Q
1Q
2Q
3Q
4Q
高
低
高
低
高
低
高
低
高
低
高
低
マンスリー投資情報3月号
- 15 -
海外情報
外国債券
モンドリアン・
インベストメント・
パートナーズ
外国株式
アメリカン・センチュリー・
インべストメント(ACI)
SRI(ESG)外国株投資
アムンディ
エマージング株式
シュローダー・
インベストメント・
マネジメント
2月のグローバル債券市場は軟調な推移となりました。 債券、通貨両市場で堅調であったの
は、ロシアやニュージーランド、一方で軟調に推移した国は南アフリカ、スイス、英国などでした。
債券市場では、ロシアの債券が、ここ数カ月間上昇し続けてきた金利が原油価格の安定化とと
もに反転し低下しました。ユーロ圏では、欧州中央銀行(ECB)による量的緩和の実施が近づく
に連れて、イタリア、スペインをはじめとする利回り低下余地の大きい周縁国の債券が好調に推
移しました。また、為替市場では、ロシア・ルーブルが上昇したほか、ニュージーランド・ドルが月
間で最も堅調に推移しました。ニュージーランド中銀総裁が月初に、現時点において利下げは想
定していないと示唆したことが好感され、先月末まで半年以上にかけて低下基調であったニュー
ジーランド・ドルは一転して上昇基調となりました。
主要先進国市場のなかで、米国では好調な雇用統計を受け、金融政策正常化にむけた利上
げの実施が近づいているとの観測が拡大するとともに利回りは中旬にかけ大きく上昇しました。
英国では、イングランド銀行(英中銀)がインフレ報告および政策委員会(MPC)議事録において
中長期的にインフレ率が上昇する見通しを強く示したため、利上げに対する観測が拡大し、英ポ
ンド高・債券安となりました。
クレジット市場では、全セクターが国債セクターをアウトパフォームし、中でも政府関連債が堅
調でした。資産担保証券は全ての証券種別が同デュレーションの国債セクターをアウトパフォー
ムしました。
2月のグローバル株式市場は堅調な推移となりました。
米国では、生産活動が活発化したことを背景に原油価格が安定化したことや、好調な雇用統
計、企業決算が発表されたことなどを株式市場が好感し、S&P500指数は過去最高値を更新しま
した。また欧州でも、ウクライナとロシアの間で停戦協定が合意され地政学リスクが後退したこと
や、ユーロ圏のGDP統計が予想に反して好結果となったことや、ギリシャ救済問題に関して債務
再編期限の延長合意でユーロ離脱の懸念が和らいだこと等を好感し、DAX指数(ドイツ)が過去最
高値を更新するなど総じて堅調に推移しました。
規模別では、中・小型株が大型株をアウトパフォームしました。業種別では、素材、一般消費財・
サービス、情報技術等が底堅く推移した一方で、公益事業、生活必需品、ヘルスケア等が軟調で
した。運用スタイル別ではグロースがバリューをアウトパフォームしました。
外国為替市場では、米ドルは対円で強含み、1ドル119.60円まで上昇しました。また、対ユーロ
でも米ドルが強含んで推移し、1.1200近辺まで上昇しました。コモディティ市場では、原油価格は
下落基調が一服し1バレル当たり49ドル近辺のレンジ圏の取引となっています。金価格は、1オ
ンス当たり1,210ドル近辺まで下落し先月の上昇分を吐き出す形となりました。
今回はSRI投資のトピック銘柄としてIBM(IBM US)を取り上げます。
IBMは、情報技術関連の企業であり主力事業はシステム、ソフトウェアの販売・管理です。社会
面(S)においては、情報を取り扱う業種であり管理する上で非常にリスクが高いと言えますが、
IBMは社内データ保護システムを構築しており、さらなる向上も図って開発を続けています。また、
雇用については、人材の多様性を重視した採用を行っており評価に値します。環境面(E)では、
1974年よりエネルギー消費と炭素排出量の年間3.5%削減を目標として効率的な企業活動に取り
組んでおり、昨年の実績削減量は6.5%と環境配慮の水準が高いことを評価しています。
2月のエマージング株式市場は堅調に推移しました。地域別では、アジア地域がインデックス
対比で軟調に推移しましたが、その他の地域は総じて堅調に推移しました。
アジア地域では、インドで月末に予算案の発表を控え内容への警戒感から株式市場は伸び悩
みました。一方で、台湾は、2014年10-12月期の実質GDP成長率が年率3.4%となり、予想を上
回ったことが好感され堅調に推移しました。また、インドネシアでは、市場予想に反して中央銀行
の利下げが実施され、株式市場の上昇を牽引する要因となりました。
欧州・中東地域ではロシア、ハンガリーが大幅に上昇しました。ロシアでは、下落が続いてい
た原油価格が一服したことで、市場は大幅上昇に転じました。ハンガリーでは、経済相が国内の
銀行に対する課税を半分に軽減する措置を示唆したため、銀行株を中心に上昇しました。一方
でトルコでは、中央銀行が政府からの利下げ圧力に屈する形で今年2回目の利下げを実施する
など、中央銀行の独立性と信頼感の欠落に対する懸念が拡大し、市場は大幅に下落しました。
ラテン・アメリカ地域はメキシコが堅調に推移しました。これはGDP成長率や各企業の売上高
成長率が予想通りの伸びを示しており、中でもウォルマート・デ・メキシコ(WALMEX MM)の四半
期決算が好調となり、増配を決定したことで株価は大幅に上昇、市場を牽引しました。
りそな銀行
マンスリー投資情報3月号
- 16 -
市場指数実績
国
短期
無担保コ-ルレ-ト(利回り%)
債券
15(平成27)年
15(平成27)年
14(平成26)年
前月中の
2014年度の
2月末
1月末
2月末
上昇率(%)
上昇率(%)
-
-
0.074
0.071
0.072
NOMURA-BPI総合
363.039
365.067
353.615
-0.56
2.90
株式
TOPIX(配当込)
2,085.33
1,935.98
1,625.22
7.71
28.05
海
債券
シティグループ世界国債インデックス
470.09
465.44
409.32
1.00
13.49
外
株式
MSCI KOKUSAIインデックス
2,602.74
2,415.12
2,050.54
7.77
25.39
内
(注) ・コールレートは無担保翌日もの
・TOPIXの上昇率は、指数の騰落率で配当を含んでいます
・ シティグループ世界国債インデックスは、日本を除く、円ベースの数値
・ MSCI KOKUSAIインデックスは、米ドルベースの公式指数をWMロイターレートにより円換算した税引前配当込みの指数
・ 上記の数字は市場指数であり、弊社が用いているベンチマークとは異なる場合もあります
グローバル株式市場
欧州
2月
FT100
(英国)
DAX
(ドイツ)
米国
2月
14年度
SP500
5.49%
12.40%
NYダウ
5.64%
10.18%
日本
2月
14年度
2.92%
5.28%
6.61%
19.32%
7.71% 28.05%
日経平均
6.36% 26.77%
アジア・オセアニア
2月
ハンセン
(香港)
ST指数
(シンガポール)
(注)上表の左列は前月中の上昇率、右列は2014年度の上昇率
(現地通貨ベース)
14年度
TOPIX
(配当込)
オールオーディナリーズ
(オーストラリア)
14年度
1.29% 12.06%
0.34%
6.72%
6.25%
9.17%
(出所)短資協会、野村證券、シティグループ証券、MSCI、WMロイターレート、日本経済新聞社、
株式については各取引所データの公表データに基づき当社作成
マンスリー投資情報 2015 3月号
発行:2015年3月
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