日鶏協回覧板 クラスター事業について;pdf

日鶏協回覧板
平成 27 年 3 月 24 日
一般社団法人
日本養鶏協会
クラスター事業について
クラスター協議会の事業計画に基づくリース事業の各県での取り組み
クラスター協議会の事業計画に基づくリース事業は、本来27年度予算
(26年度補正を含む)として農水省が要求していた事業ですが、国の景気対
策もあり急遽全額(120億円)が26年度補正予算に繰り上げられました。
そして補正予算成立(2月3日)から3月末までの2カ月弱の短期間で申請受
付けから貸付決定まで事業を実施することが必要となりました。
クラスター事業計画を策定し、県知事の承認を得て、リース事業参加となり
ますが、養鶏の案件について、関係者も生産者もほとんど仕組を理解できない
中で、クラスター協議会の事業計画を2カ月という短期間で作ることは容易な
ことではなく、事業に参加できない生産者が少なからず出ているのが現状です。
そのような中にあっても県、市町村、県内養鶏団体と生産者が連携して、ク
ラスター協議会を迅速に立ち上げ生産者がリース事業に参加できた事例もあり
ますのでご参考までに。 以下、クラスター事業を円滑に立ち上げた事例と、
立上げられなかった事例を紹介致します。
1. 県養鶏協会が中心となりクラスター協議会を作った事例
(A 県養鶏クラスター推進協議会)
A 県養鶏クラスター推進協議会は、県養鶏協会(県畜産振興協会)が事務局
となり、協会会員生産者(20戸)、県、市、主要養鶏関係機関・団体・養鶏関
係会社を網羅して結成。
2月16日に県にクラスター計画を申請し、2月26日に承認。 クラスタ
ー計画は県畜産協会事務局が県と協議を行いつつ策定したため、養鶏関係の各
分野を網羅するよう計画されており、生産者が要望すれば殆どの機械がクラス
ター計画内に収まるようになっています。
生産者は面倒なクラスター計画づくりや構成員選びなどに特段煩わされるこ
ともなく、従来と同じリース機械の申請作業(見積書、リース会社との交渉等)
で可能なようになっています。 その結果、A 県からは5戸が脱落することもな
く日鶏協のリース事業に参加しております。
*同様な例として、E 県養鶏協会が事務局となり、リース事業を希望する県内養
鶏生産者4戸を構成員とする E 県養鶏クラスター協議会もあります。クラスタ
ー構成員は県養鶏協会、県畜産協会、養鶏農家4戸で、クラスター計画づくり、
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県への申請などは養鶏協会事務局が行っています。
2.
県庁畜産課が主導し畜種を問わず県内畜産農家800戸すべてを包含す
るクラスター協議会を作った事例
(B 県畜産振興クラスター協議会)
B 県では、県畜産課が主導して県内畜産機関、畜産団体、畜産生産者(800
戸)すべてをメンバーとした B 県畜産振興クラスター協議会を設立し、2月
24日に県の認可が下りました。
事務局は県畜産協会となりますが、実際は県庁畜産課が中心となり、クラス
ター計画づくり、申請事務などを支援している模様です。リース事業に参加希
望の生産者はクラスター計画づくりや、構成員選びに特段煩わされることなく、
従来のリース事業の手続と大差ない状況で進められております。
その結果、B 県からは3戸の生産者が脱落することなく日鶏協のリース事業に
参加しております。
3.
市町村が生産者のよき相談相手になりクラスターを作った事例
(C 県 D 市畜産クラスター協議会)
D 市農政課の担当者が、日本養鶏協会にリース事業を申請した3戸に、それ
ぞれ目的別にクラスター事業計画を策定し、構成員もそれぞれの目的別に合わ
せた構成。これも本来のクラスター事業の趣旨に忠実な方法です。
各クラスターの事務局はいずれも D 市農政課に置かれ、クラスター計画の作
成、県への申請など事務作業をすべて行っている様子です。D 市農政課担当者
は熱心で日鶏協に何回も電話、メールをしてきて、3戸のリース事業の成果目
標の作り方なども相談してきております。
その結果、3戸の生産者が脱落することなく事業に参加できております。
*C 県 D 市は養鶏密集地として有名であり、市農政課の対応・支援が当然とも
思えますが、同県内の養鶏地帯の他の市の農政課では、生産者の相談に積極的
に乗ってくれず、結果、クラスター事業に参加できなかった事例もあります。
4.
クラスター計画づくりに県や市町村、関係団体が協力してくれずクラ
スターを作れなかった事例
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今回のリース事業は補助率が従来の3分の1から2分のⅠの高補助率に
なったことにより、日鶏協への参加希望者の問合せが多く、希望額を合計す
ると日鶏協としては予算額の3倍にもなりました。しかし、今回のリース事
業はクラスター計画の県知事の承認を得られないと参加ができない、という
大きなハードルがありました。
そのため、リース事業の希望生産者が、県や市町村、関係畜産団体等に、
相談しても、「まだ国からよく説明を聞いていないのでよく分からない」と
の対応が非常に多かったと仄聞しています。
従って、本リース事業参加については、行政を含む地域の畜産関係各組
織の協力が得られるか否かが極めて重要となることが、改めて印象づけら
れました。
5.
株式会社の株式構成要件でリース事業に参加できなかった事例
従来のリース事業の参加要件は、「認定農業者であること」でありました
が、今回のリース事業の参加要件として、認定農業者にプラスして、農業者
保有の資本割合が発行株式の過半を超えていることが参加要件に加えられ
ました。 そのため食品会社系列、孵卵場系列などの大手生産者がリース事
業に参加できない事例が発生しました。
農業者100%出資の養鶏の株式会社が、100%出資して別に設立した
養鶏の別会社のリース事業の参加を希望しましたが、株式会社の出資が過半
数を超えているとされ、要件を満たされない事例とされたと仄聞しておりま
す。
以上のことを、次年度以降の事業参加の際の参考にして頂きたく、情報提供さ
せて頂きます。
なお、ご不明な点や困った点を検討されている養鶏関係者は、日鶏協にご相談
下さい。
【日鶏協回覧板】 発行者:一般社団法人 日本養鶏協会
〒104-0033 東京都中央区新川二丁目6番16号馬事畜産会館内 (5階)
TEL:(03)3297-5515 FAX:(03)3297-5519
発行日 2015 年 3 月 24 日
編集・発行責任者:島田博([email protected])
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