野村不動産レジデンシャル投資法人;pdf

14-D-1014
2015 年 3 月 23 日
株式会社日本格付研究所(JCR)は、以下のとおり信用格付の結果を公表します。
野村不動産レジデンシャル投資法人
【据置】
長期発行体格付
格付の見通し
債券格付
(証券コード:3240)
AA
安定的
AA
■格付事由
(1) 06 年 8 月に設立され、07 年 2 月に東京証券取引所(不動産投資信託証券市場)に上場した賃貸住宅特化
型の J-REIT。資産運用会社(AM)のスポンサーは野村不動産ホールディングスである。現行ポートフォ
リオは全 153 物件で構成され、取得価格総額で約 1,656 億円の資産規模となっており、東京圏に所在する
単身者等を対象としたシングル・コンパクトタイプの物件を中心に構築されている。
(2) 本投資法人は、ポートフォリオの改善を企図した物件の入れ替えを継続的に進めている。14/11 期に「ア
ーバンステージ南行徳Ⅳ」を含む築 20 年超の 3 物件を売却した一方、14 年 12 月には「プライムアーバ
ン中目黒Ⅱ」ほか 2 物件を取得した。新規取得した 3 物件はいずれも最寄駅に程近く、比較的築浅のため
一定の競争力を有しているとみられ、ポートフォリオ改善への寄与が見込まれる。また、ポートフォリオ
の分散度の相対的な高さに加え、堅調に推移している稼働率(14/11 期末:96.2%)、賃料単価(同:
10,720 円/坪)及び NOI 利回り(同:5.2%)等のトラックレコードからみて、キャッシュフローの安定
性は確保されているものと JCR では考えている。財務面では、主に直近のキャップレートの低下に伴う
鑑定評価額の上昇や減価償却の進展により、ポートフォリオの含み損が 14/11 期末に解消し含み益に転じ
た。資産総額ベースの簿価 LTV は 14/5 期末の 53.4%から 14/11 期末に 52.7%へと緩やかに低下したが、
足元では上記 3 物件を借入金で取得したことにより 53%台後半に上昇していると想定される。だが、中
長期的には LTV 水準の低下を目指す計画であることから、この進捗を見定めていく必要があるものの、
当面の財務運営に関する懸念は特段みられない。以上を踏まえ、格付を据え置き、見通しを安定的とした。
(3) 賃貸住宅の売買市場において、物件取得環境が引き続き厳しいとみられる中、本投資法人は資産規模
2,000 億円の達成を中期的な目標として、物件入替戦略の継続に加えスポンサーサポートを活用しつつ、
特にスポンサーグループにおける分譲マンションの旗艦ブランドである「プラウド」を冠し企画・開発さ
れた賃貸マンション「プラウドフラット」を軸に、外部成長を進める方針である。足元において、スポン
サーの賃貸マンション開発事業は進捗している模様であるが、本投資法人による同ブランドの物件取得は
11 年 12 月以降実施されていないため、今後の協業動向には注目している。また、現行ポートフォリオの
中には、含み損が比較的大きい物件や築後 20 年超の一般的には経年物件とみなされるものも散見される。
引き続き、AM と野村不動産パートナーズを中心とした各 PM 会社との協働等による経年対応を含めた内
部成長等、ポートフォリオ強化施策の実施状況及び成果をフォローしていく。
(4) 金融機関取引では主力 3 行を中心としたレンダーフォーメーションを維持している。有利子負債は上場時
より全額無担保・無保証で調達され、返済期限の分散化、金利固定化等の取り組みも進められており、資
金調達面での懸念は足元で特段みられない。今後については、増資を含めた適切なレバレッジコントロー
ルの継続、平均残存年数の長期化等が財務の安定性向上に向けたポイントになるものと考えている。
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http://www.jcr.co.jp
【主な新規取得物件の概要】
プライムアーバン中目黒Ⅱ
東急東横線及び東京メトロ日比谷線の 2 路線が利用可能な「中目黒」駅徒歩 2 分に所在する、02 年 1 月
に竣工した鉄筋コンクリート造陸屋根 10 階建の店舗付賃貸マンション。店舗・事務所 2 戸を含めた総戸数
66 戸の住戸プランは 1R 及び 1LDK で構成され、単身者向け又は少人数世帯を対象とした間取りとなって
いる。
「中目黒」駅からは、
「渋谷」駅まで東急東横線の利用で約 4 分、「銀座」駅まで東京メトロ丸ノ内線
の利用で 18 分程度と、都心の商業・ビジネスエリアへの交通利便性は比較的良好。周辺はスーパー等の生
活利便施設の他、目黒川沿い等には飲食店舗・物販店舗が集積しており、住宅用途だけではなく商業用途
としても人気の高いエリアに立地しており、主なターゲットである単身者層等にとっての生活利便性は一
定の水準を満たしていると想定される。築後約 13 年の建物の設備・仕様は、周辺物件と比べ概ね標準的な
テナントニーズを充足しているものとみられる。経年相応の損耗等があるものの、管理会社による定期的
な巡回管理が行われており、維持管理の状態は概ね良好。15 年 1 月末時点の稼働率は 88.7%となっている。
取得日:14 年 12 月 19 日
取得価格:2,800 百万円
鑑定評価額:2,850 百万円(14 年 10 月末時点)
(担当)杉山 成夫・松田
■格付対象
発行体:野村不動産レジデンシャル投資法人
【据置】
対象
長期発行体格付
対象
第 1 回無担保投資法人債(特定投資
法人債間限定同順位特約付)
第 2 回無担保投資法人債(特定投資
法人債間限定同順位特約付)
格付
見通し
AA
安定的
発行額
発行日
償還期日
利率
格付
50 億円 2011 年 2 月 25 日
2016 年 2 月 25 日
1.21%
AA
50 億円 2012 年 2 月 24 日
2017 年 2 月 24 日
1.03%
AA
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http://www.jcr.co.jp
信康
格付提供方針に基づくその他開示事項
1. 信用格付を付与した年月日:2015 年 3 月 19 日
2. 信用格付の付与について代表して責任を有する者:藤本
主任格付アナリスト:杉山 成夫
幸一
3. 評価の前提・等級基準:
評価の前提および等級基準は、JCR のホームページ(http://www.jcr.co.jp)の「格付方針等」に「信用格付の種類
と記号の定義」
(2014 年 1 月 6 日)として掲載している。
4. 信用格付の付与にかかる方法の概要:
本件信用格付の付与にかかる方法(格付方法)の概要は、JCR のホームページ(http://www.jcr.co.jp)のストラク
チャード・ファイナンス「格付の方法」のページに、
「J-REIT」(2014 年 6 月 2 日)の信用格付の方法として掲載し
ている。
5. 格付関係者:
(発行体・債務者等)
野村不動産レジデンシャル投資法人
6. 本件信用格付の前提・意義・限界:
本件信用格付は、格付対象となる債務について約定通り履行される確実性の程度を等級をもって示すものである。
本件信用格付は、債務履行の確実性の程度に関しての JCR の現時点での総合的な意見の表明であり、当該確実性
の程度を完全に表示しているものではない。また、本件信用格付は、デフォルト率や損失の程度を予想するもので
はない。本件信用格付の評価の対象には、価格変動リスクや市場流動性リスクなど、債務履行の確実性の程度以外
の事項は含まれない。
本件信用格付は、格付対象の発行体の業績、規制などを含む業界環境などの変化に伴い見直され、変動する。ま
た、本件信用格付の付与にあたり利用した情報は、JCR が格付対象の発行体および正確で信頼すべき情報源から入
手したものであるが、当該情報には、人為的、機械的またはその他の理由により誤りが存在する可能性がある。
7. 本件信用格付に利用した主要な情報の概要および提供者:
・ 格付関係者が提供した監査済財務諸表
・ 格付関係者が提供した業績、経営方針などに関する資料および説明
8. 利用した主要な情報の品質を確保するために講じられた措置の概要:
JCR は、信用格付の審査の基礎をなす情報の品質確保についての方針を定めている。本件信用格付においては、
いずれかの格付関係者による表明保証もしくは対外公表、または担当格付アナリストによる検証など、当該方針が
求める要件を満たした情報を、審査の基礎をなす情報として利用した。
9. JCR に対して直近 1 年以内に講じられた監督上の措置:なし
■留意事項
本文書に記載された情報は、JCR が、発行体および正確で信頼すべき情報源から入手したものです。ただし、当該情報には、人為的、機械的、また
はその他の事由による誤りが存在する可能性があります。したがって、JCR は、明示的であると黙示的であるとを問わず、当該情報の正確性、結果、
的確性、適時性、完全性、市場性、特定の目的への適合性について、一切表明保証するものではなく、また、JCR は、当該情報の誤り、遺漏、また
は当該情報を使用した結果について、一切責任を負いません。JCR は、いかなる状況においても、当該情報のあらゆる使用から生じうる、機会損失、
金銭的損失を含むあらゆる種類の、特別損害、間接損害、付随的損害、派生的損害について、契約責任、不法行為責任、無過失責任その他責任原因
のいかんを問わず、また、当該損害が予見可能であると予見不可能であるとを問わず、一切責任を負いません。また、JCR の格付は意見の表明であ
って、事実の表明ではなく、信用リスクの判断や個別の債券、コマーシャルペーパー等の購入、売却、保有の意思決定に関して何らの推奨をするも
のでもありません。JCR の格付は、情報の変更、情報の不足その他の事由により変更、中断、または撤回されることがあります。格付は原則として
発行体より手数料をいただいて行っております。JCR の格付データを含め、本文書に係る一切の権利は、JCR が保有しています。JCR の格付データ
を含め、本文書の一部または全部を問わず、JCR に無断で複製、翻案、改変等をすることは禁じられています。
■NRSRO 登録状況
JCR は、米国証券取引委員会の定める NRSRO(Nationally Recognized Statistical Rating Organization)の 5 つの信用格付クラスのうち、以下の 4 クラ
スに登録しています。(1)金融機関、ブローカー・ディーラー、(2)保険会社、(3)一般事業法人、(4)政府・地方自治体。
■本件に関するお問い合わせ先
情報サービス部
TEL:03-3544-7013 FAX:03-3544-7026
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http://www.jcr.co.jp