21世紀に生きる日本人のための浄土思想を求めて;pdf

「 日本人の宗教性(霊性)は回復するか?」
『21世紀に生きる日本人のための浄土思想を求めて』 第3回 出版記念講演会
冠省 2年前の平成 25 年 1 月に、表記の拙著を如月出版から上梓いたしました。この
2年間、拙著は全国的にかなりの話題を呼びましたが、未だに混迷を抜け出せないこの国
が行くべき道の燭光すらも示すことができていません。自分の非力を強く感じています。
昨年の元旦、そんな大それたことを望む前に、自ら第一歩を踏み出してみようと考え、3
月 23 日に 拙著の「ローカル・ベストセラー達成記念 講演会」をアミュゼ柏で行いました。
私は、「このような抹香くさい講演会をしても 出席者は 15 名が せいぜいだろう」と思っ
ておりました。ところが、予期に反して 90 名近い方々がご出席下さいました。これには
本当に驚きました。形には見えないものの、今 この国が大きく変わろうとしているのだな
あと強く感じました。
講演後、「第2回は いつされますか?」という電話をいただくようになり、浄土思想の
講演を半年 1 回ペースのシリーズで行うことといたしました。第2回を 昨年 9 月 23 日に
行ないましたところ、70 名の方々にご出席いただきました。政治を職業としていて片手間
で宗教を学んできた者の講演に、少なからぬ方々がお集まり下さることを不思議に思いま
す。第1回は テーマを特に決めず、私がこのような書物を出版するようになった背景を、
私の半生を明らかにしながら語らせていただきました。第2回はテーマを「人は本当に救
われるのか? 人は何によって救われるのか? 自力か? 他力か?」に定めて行ないました。
第3回のテーマは、表記にあります通り「日本人の宗教性(霊性)は回復するか?」と
いたしました。バブル崩壊と同時に 政治の世界に身をおいてきた私には、わが国の ここ
25年来の混迷は 経済政策の失敗から来るものでも、政治の腐敗から来るものでもなく、
国民自身の霊性の喪失から来るものだと見えるようになりました。政府は金融緩和・財政
出動を矢継ぎ早に行なっておりますが、景気は一向によくなりません。それは少子化で国
内市場が縮小しているからです。政府も子育て対策を連発していますが、出生率は向上し
ません。日本人の心から「子供は天からの授かりもの」という観念が失われているからで
す。新出生前診断などで、人間が生まれてくる生命を選別するようにもなってしまいまし
た。これでは出生率が向上するはずはありません。
(岩波文庫)
※ 世界に日本の禅と浄土思想を広く紹介した 鈴木大拙は、彼の不朽の名著『日本的霊性』
で、霊性を 宗教性の代用語として使うと同時に、そこに深い人間の本質論を込めています。私も 同じ
意味で 霊性と言う言葉を使います。
この問題は 極めて重要です。もし 日本人が 本来的に霊性の希薄な民族であれば、政治
が今後いかなる努力をしても、この国は不可逆的な下降線をたどって行くしかありません。
ならば、今 ここで立ち止まって 日本人の霊性を吟味してかからなければなりません。
私は 昨年、この問題を考えるに当って名著に出会いました。それは柳宗悦の『南無阿弥
陀仏』(岩波文庫)です。彼は、大乗仏教最大の眼目である万人済度を謳う浄土思想は、
日本で高度に発展した思想であると述べ、日本における浄土思想は、法然・親鸞を経て、
一遍(時宗の開祖)において最高度に純化されたとしています。
私は 昨年 11 月、比叡山東塔を訪ねました。そこには 比叡山ゆかりの宗教家の姿が西塔
に至る参道に看板で描かれていました。その一つに、全国を行脚して京都に戻ってきた一
遍を 民衆が背負って狂喜して歓迎する姿が描かれていました。私は「日本人の霊性が か
くも豊かな時代があったのか!」と驚きました。ならば、日本人を 本来的に霊性に欠ける
民族と諦めるのではなく、いかにして日本人の霊性を回復するかを考えなければならない
と思いました。
第3回の講演までには 10ヶ月ほどの時間がありますので、全力を傾けて この問題を
探究し、皆様に その成果を披露させていただきます。奮ってのご参加をお待ちしています。
敬具
平成 27 年 新春
上橋 泉
〒277-0831 柏市根戸 467-119
電話:04-7134-1237
――― 講演会の次第 ―――
日時:平成 27 年 11 月7日(土)
開場 午後 1 時 30 分
開演 2 時 00 分
閉会 4 時 00 分
会場:アミュゼ柏 の「プラザ」 (柏駅東口「そごう」と「スカイプラザ」に はさまれた広い通
りを直進、デイリヤマザキのコンビニがある交差点を左折、50m進むと 右手の
総ガラス張りの建物が アミュゼ柏です。 電話;04-7164-4552 )
※アミュゼ柏には、駐輪場(自転車・バイク) しか ありません。
会費:無料
出席のご連絡:資料の準備の為、上橋 泉事務所まで ご連絡いただけると助かります。
連絡先:上橋 泉事務所
FAX:04-7134-1776
メール:[email protected]
<第 1 回並びに第 2 回講演の動画の案内>
第一回の講演が YOUTUBE に 全部載りました。二時間に亘る講演が 全部アップロード
されています。サイトは以下の通りです
https://www.youtube.com/watch?v=WMt5hUXQEFA&feature=youtu.be です。
録音スイッチを早めに入れたので、最初の 3 分 58 秒は 講演に入っていません。会場の
雑談が録音されているだけです。アイコンを 3 分 58 秒に進めて聞いて下さい。
第二回講演の YOUTUBE サイトへは、以下の手順でアプローチして下さい。
① 「如月出版のホームページ」を検索して、開いて下さい。
② 上橋泉の顔写真と拙著「21 世紀に生きる日本人のための浄土思想を求めて」の写真
が載ったコラムがあります。
③ そのコラムに「2014 年 9/23 アミュゼ柏で・・・・・・・アップロードされました」
との囲みがあります。その囲みをクリックして下さい。