富士山ビューポイント整備基本計画 第1章 富士山ビューポイント整備基本計画 1.中ノ倉展望台 1.1 現況及び課題 当該箇所の眺望地点、行動起点、アクセスルートの現況及び課題を次に示す。 項 目 眺望地点 現 況 【整備】 ・ 案内標識、転落防止柵、土留工が 山梨県により整備されている。 【管理】 ・ 山梨県が管理を行っている。 ・ ・ ・ 行動起点 アクセスルート 【整備】 ・ 本栖湖西岸の道路沿いに駐車場、 トイレ、案内標識、誘導標識が身 延町により整備されている。 ・ 周辺の本栖湖沿いには、比較的大 きな駐車場が整備されており、観 光バス等が訪れている。 【管理】 ・ 身延町が管理を行っている。 【整備】 ・ 登山道は山梨県により段差工等 が整備されており、劣化、危険等 が特に懸念される箇所はない。 ・ 分岐点、中間点において誘導標識 (方向指示板)が設置されている。 【管理】 ・ 山梨県が管理を行っている。 ・ ・ 課 題 転落防止柵の耐久性、安全性が懸念され る。さらに金属製柵のため自然公園らし さへの配慮が小さい。 眺望箇所のスペースが小さいため、土留 部に人の立ち入りが発生している。 眺望箇所や富士山の魅力を伝える解説標 識等が設置されていない。 簡易な誘導標識(整備者不明)であり、 劣化が著しい。 案内標識は、日本語標記のみであり、且 つコース案内や周辺の興味対象等の情報 がないため情報提供が不十分となってい る。 ・ 簡易な誘導標識(方向指示板)であり、 耐久性が懸念される。 ・ 誘導標識類は、日本語標記のみで情報提 供が不十分となっている。 ・ 誘導標識の整備者が不明である。 中ノ倉展望台からの眺望状況(H26.2.5 撮影) Ⅲ-1 【配置図】 【全景】 施設配置現況図(中ノ倉展望台) Ⅲ-2 1.2 眺望箇所の敷地分析 眺望箇所の土地所有、既存施設の整備・維持管理者の状況、権利制限関係、土地利用計画等の現況 及び課題を次に示す。 項 目 場所/土地所有者 公園事業名/現事業執行者 既存施設整備者 維持管理者 権利制限関係(法規制等状況) 現 況 山梨県身延町/山梨県県有林 本栖湖西岸園地/未決定・未執行 山梨県 山梨県、身延町 文化財保護法(名勝本栖湖) 保護規制計画での位置づけ 利用施設計画での位置づけ 第 2 種特別地域 本栖湖西岸園地 課 題 事業決定が未実施 整備内容に関する規制が厳 しいと想定される(文化庁と 協議必要) 整備方針:本栖湖に面し、雨ヶ岳等の山々 に囲まれた清閑な環境を活かした探勝のた めの園地として整備する。 その他計画等での位置づけ 【周辺】 本栖湖西岸野営場、本栖湖西岸宿舎、 本栖湖西岸園地、本栖湖周回線道路(車 道)、本栖集団施設地区 身延町景観計画(H24):眺望景観資源 1.3 想定される利用者の特性 比較的アクセスが容易であるが、ある程度の体力が必要なため、登山未経験者、初級登山者の利用 (属性:外国人・その他一般、形態:小規模団体、家族、個人)が想定される。 なお、自治体パンフレットやホームページ等で千円札の構図(岡田紅陽の写真撮影場所)として、 紹介されており、富士山の撮影スポットとして注目されている。 利用者属性 項 目 障 が い 者 高 齢 者 ・ 子 ど も 想定される利用者特性 利用形態 登山経験 外 国 人 ・ そ の 他 一 般 団 体 利 用 家 族 利 用 個 人 利 用 登 山 未 経 験 者 初 級 登 山 者 中 上 級 登 山 者 ● ● ● ● ● ● ● 注)ここで、定義する利用者属性の障がい者とは、「自然公園等施設技術指針」(平成 25 年 7 月、 環境省)の P.UD6 に示す肢体不自由者、視覚障がい者を想定する。また、利用者属性の高齢者・ 子ども、利用形態の団体利用等、登山経験の初級登山者等の区分は、「自然公園等施設技術指 針」(平成 25 年 7 月、環境省)の考え方(P.UD6、P.歩道 20)に準ずる。 Ⅲ-3 1.4 整備及び管理運営に関する基本方針 ■整備の目標 当該ビューポイントの魅力源である富士山、本栖湖(逆さ富士等含む)及び湖畔の山々や自 然の眺望、これら魅力源の解説や情報の提供によって、富士山の魅力(風景、自然、文化) を伝える施設を整備する。 ■整備水準 中低:自然探勝やある程度登山に必要な体力を有する人が利用するビューポイントとして、 自然環境の保全と良質な自然体験の確保に配慮した整備を行う。 ■整備及び管理運営方針 項 整備方針 目 維持管理方針 運営方針 内 容 【保護に係る事項】 ・ 眺望箇所の斜面地形を活かした整備を行い、極力改変を抑え、自然環境の保 全を図る。 ・ 眺望箇所及びその周辺の植生の荒廃や土壌の浸食を抑制するため、適切な利 用動線、眺望スペースを確保する。 【利用に係る事項】 ・ 当該箇所の魅力源(逆さ富士等の独特な自然の風景、千円札の構図、登拝・ 巡礼の場(本栖湖)等)に関する知識を得ることができる解説標識の整備を 行う。 ・ 外国人利用にも配慮し、標識類の多言語併記、ピクトグラムを活用した標識 類の整備を行う。 ・ 周辺のビューポイント(パノラマ台)や興味対象(本栖湖、園地、キャンプ 場、集団施設地区等)を含めた標識類の整備を行い、富士山地域全体の利用 促進を図る。 ・ 眺望箇所が急傾斜に位置することから、転落防止等の安全対策を実施する。 ただし、自然公園らしさを損なわないように自然素材をできる限り活用する。 ・ 既存の維持管理体制を踏まえた上で、環境省、山梨県、身延町で調整し、維 持管理を行うものとする。 ・ できる限り利用者の協力(ごみ拾い、土砂取り除き等)を含めた維持管理を 検討する。 ・ 魅力向上策として、ビューポイント巡り(中ノ倉展望台~パノラマ台)、ハイ キングの推奨等のプログラム提供、広報活動を行う。 Ⅲ-4 1.5 アクセス・動線計画 当該ビューポイントへのアクセスは、本栖湖西岸登山口を行動起点とする。 なお、ビューポイント巡りやハイキング推奨も考慮し、パノラマ台へのアクセスルートも含めるも のとする。 Ⅲ-5 1.6 基本計画平面図 1.7 基本整備施設一覧 項 目 現況 撤去 1 計画 改修 土留工(箇所) 1 転落防止柵(箇所) 1 1 段差工(箇所) 展望台(階段型)(箇所) 誘導標識(基) 案内標識(基) 解説標識(基) 資源名標識(基) 1 1 Ⅲ-6 新設 1 1 1 1 1 1 備 考 安全性上問題がなければ、できる限 り既設を利用し、修景的な化粧等を 行う できる限り既設を有効活用 1.8 整備イメージ図 整備イメージ図(中ノ倉展望台) Ⅲ-7 別添3 既存工作物 階段工 B=0.50 m 8 段 全体エリア 土砂止丸太筋工 L=3.8m 整地工 防護柵工(アルミ製)L=11.0m 概ねの測量想定範囲(予定) <既存工作物全体エリア丈量図>
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