(平成26年度)【本所】(PDF:386KB);pdf

プレスリリース
平成27年3月26日
独立行政法人
家畜改良センター
広域後代検定に係る共同利用種雄牛の能力評価結果について
1
農林水産省では、肉用牛の優良種雄牛を作出・利用するため、肉用牛の広域後代
検定を推進しており、これまで20道県の参加を得て、平成14年度から25年度
までに641頭の検定が終了しました。
2
家畜改良センターでは、この広域後代検定に係る能力評価を毎年実施しています
が、この度、新たに能力評価結果が判明した36頭のうち、5頭が新規に共同利用
種雄牛として選定されましたので、その評価結果を公表します。
3
概要を添付致しますが、詳細につきましては、家畜改良センターのホームページ
(http://www.nlbc.go.jp/)の「遺伝的能力評価」に掲載しておりますので、ご参
照下さい。
お問い合わせ先
独立行政法人家畜改良センター改良部情報分析課
担当者:小松田、細野
電
話:0248-25-4904(直通)
FAX:0248-25-3982
URL:(http://www.nlbc.go.jp/)
『日本の畜産 改良と技術で育てます』
平成27年3月26日
広域後代検定に係る共同利用種雄牛の能力評価結果について
1.広域後代検定頭数及び共同利用種雄牛の概要
広域後代検定は20道県において実施されており、平成14年度から25年度までに
641頭(新規36頭)の検定が終了しています。(独)家畜改良センターでは、これら
の検定成績を基に育種価評価(遺伝的能力評価)を毎年実施しており、今回の評価結果
により、新たに5頭が共同利用種雄牛として選定され、合計113頭となりました。平
成23年度以降に選定された共同利用種雄牛の概要、能力評価値及び遺伝子保有始祖個
体は(表-1)のとおりです。なお、平成23年度に評価方法が変更されたことから、
当該年度以降の評価結果のみを公表しています。
注1)育種価とは、親から子へ伝えられる平均的な遺伝的能力の価値であり、親の育種
価の1/2が後代に伝達。広域後代検定では、20道県の広域後代検定成績を基に、
県域を越えた遺伝的能力評価を(独)家畜改良センターで実施して算出。評価対象
の集団が異なるため、各道県で算出されている育種価とは比較不可。今回推定した
育種価は、平成14年度評価終了分の種雄牛の平均が 0 となるよう補正。
2)正確度とは、予測された育種価が真の育種価をどの程度正確に反映しているかを
表す値。両者間の相関係数。
3)遺伝子保有始祖個体は、遺伝的多様性の確保の観点から重要な系統と位置付けら
れる各系統の始祖個体である「茂金波」号(熊波系)、「栄光」号(栄光系)のう
ち、遺伝子を保有する確率が10%以上となった個体名、または、「第六藤良」号
(藤良系)、「第三八の一岩田」号(38岩田系)、「城清」号及び「奥城土井」
号(城崎系)のうち、遺伝子を保有する確率が5%以上となった個体名を表示。
○ 共同利用種雄牛の概要、能力評価値及び遺伝子保有始祖個体(表-1)
評価時期
23
〃
〃
〃
24
〃
〃
〃
〃
〃
〃
〃
〃
25
〃
〃
〃
〃
〃
〃
〃
26
〃
〃
〃
〃
名号
雪乃花
勝隼茂
糸晴茂
安茂晴
優福栄
義平福
大景福
百合花
東茂晴
茂高福
安平栄
湯布安平
勝群星
古都乃花
月山桜
忠勝美
高百合
百合風
安平久
北盛栄
金太郎3
花金幸
山根雲
晴吉
福姫晴
春花国
登録番号
黒原4922
黒原4850
黒原4952
黒原4954
黒14419
黒原5055
黒原5011
黒14348
黒14381
黒14278
黒原4953
黒原5003
黒原4853
黒原5211
黒原5214
黒原4943
黒原5303
黒14453
黒14454
黒14533
黒原5271
黒原5308
黒原5310
黒原5270
黒原5272
黒原5188
父牛
第1花国
平茂勝
平茂晴
平茂晴
福栄
義安福
景平勝
百合茂
平茂晴
第3原茂
福栄
安平
勝海邦
第1花国
来待招福
茂勝
百合茂
百合茂
安福久
第5北盛
平茂勝
第1花国
第5八雲
平茂晴
平茂晴
第1花国
母の父牛
所有県
福桜(宮崎)
第5隼福
糸晴(佐賀)
安平
丸優
平茂勝
福桜(宮崎)
茂重桜
北国7の8
神高福
安平
安福(岐阜)
北国7の8
平茂勝
福桜(宮崎)
平茂勝
安福栄
金幸
安平
美津福
金幸
金幸
第3原茂
平茂勝
糸晴美
安福165の9
岩手県
福島県
長崎県
長崎県
青森県
秋田県
岐阜県
島根県
山口県
佐賀県
長崎県
大分県
沖縄県
岩手県
岩手県
宮城県
福島県
鳥取県
鳥取県
岡山県
長崎県
岩手県
岩手県
長崎県
長崎県
熊本県
1
枝肉重量(kg)
日齢枝肉重量(kg/day) 遺伝子保有
育種価 正確度 育種価 正確度
始祖個体
66.979
0.94
0.088
0.94
第六藤良
66.381
0.88
0.084
0.89
栄光
57.290
0.89
0.079
0.89
第六藤良
45.019
0.92
0.062
0.93
栄光
52.999
0.92
0.067
0.92
茂金波
107.494
0.96
0.138
0.97 茂金波・栄光
99.910
0.92
0.127
0.92
栄光
88.845
0.94
0.123
0.94 茂金波・栄光・第六藤良
83.487
0.91
0.100
0.91 第六藤良・第三八の一岩田
53.541
0.92
0.073
0.92
栄光
60.102
0.90
0.079
0.90
茂金波
47.007
0.90
0.062
0.90
茂金波
87.777
0.94
0.121
0.94
栄光
77.017
0.91
0.087
0.91
第六藤良
73.435
0.89
0.105
0.90 茂金波・奥城土井
77.606
0.89
0.114
0.90 茂金波・栄光
59.883
0.87
0.067
0.88 茂金波・栄光
74.336
0.90
0.099
0.91 茂金波・栄光
34.854
0.91
0.049
0.92
茂金波
22.700
0.88
0.037
0.89
第六藤良
134.215
0.89
0.173
0.89
栄光
103.554
0.91
0.127
0.91 栄光・第六藤良
111.585
0.89
0.132
0.90
栄光
91.129
0.91
0.127
0.92
栄光
0.204
0.90
0.011
0.90 栄光・第六藤良
73.900
0.91
0.086
0.91
第六藤良
参考資料1
(参考)広域後代検定の仕組み
広域後代検定(参加20道県)
A県
検定結果の広域的評価
優良種雄牛
計画交配
候補♂子牛生産
直
接
検
定
候補種雄牛
(直接検定選抜牛)
全国
調
査
子
牛
生
産
広域参加県を含む
利用希望県に配布
し、各県の肉用牛改
良に活用
肥
育
枝肉成績
・増体、飼料
効率を調査
A県
広域参加県
2
(独)家畜改良センター
遺伝的能力評価を実施
基礎雌牛群
<選定条件>
B県
同期牛※
①検定成績が一定以上
②特定系統における遺伝子保
有確率の基準を満たすもの
③精液譲渡要望があるもの
選定
精液配布
共同利用種雄牛
優良種雄牛
C県
計画交配
候補♂子牛生産
直
接
検
定
・増体、飼料
効率を調査
基礎雌牛群
B県
広域参加県
候補種雄牛
(直接検定選抜牛)
調
査
子
牛
生
産
広域未参加県
枝肉成績
肥
育
※検定調査牛と共に肥育されている一般肥育牛(同期牛)
のうち、農家間で共通する種雄牛の産子の成績を含めて
評価をすることで、県間での種雄牛の能力を比較
参考資料2
後代検定実施道県(黒毛和種)
○北海道
○広域後代検定道県(20道県)
●地域後代検定県(3県)
○青森
合計23道県
秋田○
○岩手
3
山形○ ○宮城
○福島
島根○
○鳥取
山口○ ○広島 ○岡山 ●兵庫
○岐阜
○長野
○茨城
佐賀○
長崎○
○大分
熊本○
●宮崎
鹿児島●
○沖縄
※長野県は休止中
参考資料3
共同利用種雄牛の選定基準
1 4 生 畜 第 6 0 0 9 号
平成14年12月19日
生産局畜産部畜産技術課長通知
(最終改正 平成24年3月30日生畜第2764号)
より抜粋
共同利用種雄牛は、当該年度に能力評価を行った広域後代検定実施県の後代検定牛
を対象に、以下の①または②により選定された牛のうち、広域後代検定実施県等から
精液の利用希望があった種雄牛とする。
① 次の基準1または2の要件を満たす牛の中から、肉用牛に関する有識者で構成され
る肉用牛改良専門委員会が適当と認めた牛。
② ①にかかわらず、肉用牛改良専門委員会が特に必要と認めた牛。
基準1:遺伝的能力評価値
能力評価値が、枝肉重量、日齢枝肉重量のいずれかの形質において、今ま
でに広域後代検定で評価された種雄牛の中で上位 1/5 以内である牛。
基準2:特定形質系統の遺伝子保有確率
次の各系統のいずれかに属し、始祖個体の遺伝子を保有する確率が以下の
各基準以上である牛。
・ 城崎系(始祖個体「奥城土井」号又は「城清」号) 5%
・ 熊波系(始祖個体「茂金波」号)
10%
・ 栄光系(始祖個体「栄光」号)
10%
・ 藤良系(始祖個体「第六藤良」号)
5%
・ 38岩田系(始祖個体「第三十八の一岩田」号)
5%
ただし、肉用牛改良専門委員会が指定した種雄牛を血統に含む牛を除く。
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