【これまでの医療人材サービス業界について】 1) メディカル・コンシェルジュ以前 医療人材サービスは、意外と歴史は古く看護婦家政婦紹介所に起源を求めれば 60 年以上の歴史があり、現在の形態に近い人材サービスとなってからも 20 年 以上の年月が経っています。 とは言うものの当社が創業する平成 12 年以前、医療の人材サービスの業界が十 分に栄えていたかと問えば、そうとは言えない状況でした。 その理由として、 ① 医療界の人材流通は医師であれば大学病院医局、看護師であればハローワー クや看護協会に偏在していて、また求人求職情報そのものが口コミで伝達さ れる事が多く、情報や人材の流動性そのものが枯渇していた。 ② 古くからある医療系人材企業の多くは、小規模で古い慣習に囚われていた上 に起業家精神に乏しく、医療系の人材ビジネスを発展させていこうという気 概に乏しく自分達が食べていければ良いやと言った感で、業界を発展させて いこうという考えが無かった。 ③ 制度や許認可の規制が多く企業活動が制限されていた。 等が理由に挙げられたと思います。 しかしメディカル・コンシェルジュが創業する以前、吉村相談役はこの医療人 材サービス業界の長期間に亘る停滞は、医局や看護協会と言った既得権益者の 存在や制度の膠着が根源的な問題ではなく、従来型企業に於ける起業家精神の 欠落こそが一番の原因であると見抜き、起業家精神を持って医療人材サービス 業界の改革にあたれば、そういった既得権益者や制度の問題は時代の要請によ って、いずれ自然に解決していくと先見の明をもって説かれました。 それには、それまでの業界の人入れ稼業的な風潮から脱却し、 「医療人材サービ スの新たなるステータスを確立する」気概をもって起業する必要性を熱心に説 かれました。そしてこの人材ビジネスの要諦は「信頼の輪(和)を広げる」事 に尽きると説かれました。 その当時創業の為に準備をしていた私は、相談役の説かれる意味を漠然と「お っしゃる通りだろうな。」と理解しようとしつつも、今思えばその本意を深く理 解する事が出来ていませんでした。今となっては恥ずかしい事ですが松永や高 橋と「そうは言っても人材ビジネスの他社との差別化は難しい」などと寝ぼけ た事を話し合っていました。自分達自身でパソナ等の古い慣習を批判しながら、 その実自分達がその古い慣習に囚われていた事に気が付くのはずっと後になっ てからの事です。 それでも吉村相談役が根気強く、何度も何度もその本質を説いてくださったの で、今日我々があるのだと感謝しています。それほどまでに本質を勘違いして いた我々を導くには、想像を絶するご苦労を相談役にお掛けしたであろうと思 い、本当に恥ずかしい限りです。今日の当社の発展を見るにつけ、創業当時の 我々の感覚では絶対に現在の当社は存在しなかったであろうと思い、そのため に相談役の心労やご苦労を思うと大変辛く感じます。 2) メディカル・コンシェルジュ以降 当社は恵比寿駅西口、恵比寿神社前の約 20 坪の事務所で創業しました。 創業間もない頃は、インターネットの通信料等の大幅値下げ等でインターネッ トが一般に急速に浸透しつつある頃でしたので、一般の会社で自社のホームペ ージを持っていない会社も多くあり、持っていたとしても本当に初歩的な手作 りホームページの会社が殆どでした。名のある超大手企業のホームページであ っても状況は変わらないといった雰囲気でした。 当社も当初、登録募集は紙媒体のみで行いインターネットは全く使わず、営業 活動もそれまで松永や高橋がパソナ時代に培った経験に拠るところばかりで、 「革新的!」という状態からは程遠く、むしろ旧弊を引き継いで行っている感 じでした。 しかしながらそんな方法でも登録者や依頼は次々に舞い込み、少人数でやって いましたので、それこそ日々追われる様に過ぎていっていました。 吉村相談役は、そんな私達を見て大きな懸念を抱かれていました。それは、 「今 は外部環境に恵まれて追い風に乗っているが、幹部がこのままではいずれ行き 詰る時が来る」という懸念です。 その頃から根気強く我々に基本精神を説き、 「基本精神を何よりも大切にしなけ ればいずれ行き詰る」と何度も何度も説いて下さりました。 吉村相談役からそう説かれ、当時の私達は相談役に仰って頂く事についていく のがやっとの事で、その本質を理解しているとは言い難い状態だったと思いま す。しかしながら、その事も相談役は判っていらっしゃったと思いますが本当 に何度も根気強く我々を導いてくださりました。 私達はその様な状態でしたが、当社の評価は取引先や登録スタッフの方々など 各方面から本当に高く、私自身もお取引先からお褒め頂く事が度々ありました。 そんな時は「日頃相談役が仰って頂いている事は、本当に正しい事だな。結果 が正直に相談役が言われた通りに現れているのだな」と思い、相談役の言われ た事の真意に少し近づけた様な気がしました。 そして 2001 年に小泉内閣が発足すると、少しずつ様々な分野で規制緩和が行わ れてゆき、当社の関わる人材ビジネスの分野も例外ではなく規制緩和が行われ、 当社にとって非常に追い風になっていきました。 その頃小泉政権の目玉でもあった「構造改革特区」の担当として「民間からの 声を聞く」という趣旨の下、来社されたのがまだ経済産業省の官僚であった後 藤祐一先生、現当社顧問でした。 そのとき後藤先生と会談された吉村相談役は後藤先生の素養を見抜かれ、後に 当社が後藤先生を応援していく事になるのですが、この後藤先生と当社との関 係一つとっても、私が後藤先生と対応していただけでは、後藤先生も当社を気 に留める事もなかったであろうし、当社も後藤先生と深く関わって応援してい くという様な事はなかったと思います。 この様な人間関係一つとっても、吉村相談役の類稀なる先見の明と人間力によ って、当社に必要かつ不可欠な人脈が形成されていくことになります。 我々から見ると、相談役がさりげなくこういった事をこなしているように見え ますが、ひとたび「自分だったらどうなっていたか?」を自身に問うと、相談 役なくしては達成出来ない事ばかりで、その裏で我々の未熟ゆえにお掛けした ご苦労を思うと、本当にお恥ずかしい限りだと思います。 【当社が業界に与えた影響の数々】 1) 数々の新しい試みについて これから述べる、それまでの慣習を破って当社が始めた新しい試みに関しては 本当に数え切れない位のものがあります。そのうち幾つかを説明しますが、今 こうして聞くと「なんでそんな事を今更?」と思う様な、今となっては当たり 前の事もあります。でもそれは今だから当たり前と思えるのであって、当時と しては当社が異端であったものが当社の試みによって当たり前になって行った という事に他なりません。 ⅰ)会社の差別化について 先ほど述べた様に創業当初、松永や高橋と「人材サービスは差別化が難しい」 などと話し合っていました。今思うのなんと短絡的な発想だったかと恥ずかし い限りです。でも当時は一般論に囚われ、そんな風に考えていたのです。 しかしながら吉村相談役は「それは間違いだ。当社だからこそ!という差別化 は可能だし、しなくてはならない。他社と同じ様にやってどうする!自分達が この業界のあるべき姿を指し示す気概を持って事業に当らなければならない」 と説かれました。そして「人々への思いやり、社会への思いやり」を掲げ「思 いやりを持って信頼を勝ち取る」事を社是とされたのです。 その結果は、今の当社をみて確信出来る通りです。 この中に当社が他社と差別化されていないと感じている人はいないでしょうし、 登録スタッフや取引先の方々から、お褒めの言葉を頂いた経験も皆持っている と思います。 その原点は、「差別化が難しい」と嘆いていた私達を叱咤激励し勘違いを正し、 誇りある会社へと導く為に、その社風や文化を当社に根付かせてくれた吉村相 談役にあるのです。 ⅱ)ホームページとネット戦略について 創業間もない頃、インターネットが爆発的に社会に浸透していく頃、当社も始 めて会社のホームページ(HP)を作りました。 今の HP と比べると初歩的ではありましたが、それはそれで温かみのある、と ても評判の非常に良い HP でした。 当社の HP は当時のどの会社とも違う点がありました。 それはその頃の他社の HP と言えば、この業界に限らずどんな業界の会社の HP でも、紙の簡単な会社案内をウェブに載せた感じの無機質なものばかりでした。 当社 HP の特徴は、HP に会社の「顔」があったことです。 HP 上に当時まだ少なかった社員が顔写真を載せ、HP を訪れた人に直接語りか けていたのです。 今では多くの会社の HP でも、担当する社員が顔写真つきで業務やサービスの 案内をしていますから、特別な事と思う人はいないかも知れませんが、当時そ んな事をしている会社は1社もなかったのです。 ネットの自社 HP の活用方法が、どこも判っていなかったという事もあります。 そんな風潮でしたから当社内でもそうやって顔写真を載せる事に皆、抵抗感を 持っていました。しかし吉村相談役は、今後当社を広く知って頂く為に要とな る HP が、無機質で会社の顔の見えない HP であっては決してならない!と説 き、誰が語っているのか判るように、自信と誇りを持って掲載するべきだ!と 我々を導いて下さいました。 そうして社員1人1人が HP 上で語りかけ、会社の顔の見えるとても温かみの ある HP が出来上がったのです。 その後、業界でも多くの会社が追随するようになりましたが、それはもちろん 当社の HP を見て、その評判の良さや、その温かみと及ぼす効果を考えた時に 「掲載するべきだ」と判断したからだと思います。 これも当時、吉村相談役が先見の明をもって打ち出した、当社独自のネット戦 略の原点です。 ⅲ)入浴キャンペーン 当社の大事なお仕事の中に、巡回入浴のお仕事があります。 皆さんご存知の様に、巡回入浴のお仕事は肉体的に大変で、看護師がなかなか 行きたがらないお仕事の一つでした。また一度も巡回入浴に行ったことのない 看護師の方でさえ、友人看護師から話だけ聞いていて毛嫌いしているという現 状がありました。 しかし一方でこの高齢化社会の中で社会貢献度の大変高い、とても意義のある お仕事である事は疑い様のない事実です。 当時当社でも、巡回入浴のアレンジはとても大変で決定率もなかなか上がって いかないという現状がありました。 人材流動の革新を担っているはずの我々自身「巡回入浴は難しい」と嘆いてい るような状態でした。 そんな時、吉村相談役がむしろ「入浴キャンペーン」を打ち出して、当社の社 会貢献に向けた姿勢を強く打ち出し、看護師さんから理解と協力を得たらどう だ!当社がその様な姿勢を見せて、NO という看護師さんはいないはずだ!と仰 って頂きました。 我々自身そう打ち出された当初、 「でもやはり、巡回入浴はそれでも難しいので はないか?」などと考えていましたが、実際に入浴キャンペーンを開催したら 50 名超の看護師の方から反応があり、当時の当社の規模からすると大反響を頂 く事が出来ました。 これまで単に毛嫌いして巡回入浴のお仕事に行った事のなかった何人もの看護 師さんが、キャンペーンを期に行ってくれるようになりました。 看護師さんというのは、もともと患者さんや、病気で困っている人のお世話を して、感謝される事によってモチベートされ、更に仕事に打ち込むという様な 方が多いのです。 当社の入浴キャンペーンによって、巡回入浴のお仕事の意義を痛切に感じ、意 気に燃え、看護師の方々が本来持っている、 「看護する心」を改めて認識して当 社に感謝してくださる看護師さんや「始めて巡回入浴の仕事をしてみてとても 良かった」と言ってくださる看護師さんが多くいらっしゃいました。 また取引先の巡回入浴サービス会社の方からも、当社から多くの素晴らしい看 護師さんが来てくれた!ととても喜ばれました。 「入浴キャンペーン」によって当社は、看護師・クライアント双方からの厚い 信頼を頂くことが出来たのです。 この様に吉村相談役は、我々が囚われていた「巡回入浴は難しい」という固定 概念を打破し、現在では多くの取引先からとても感謝される、巡回入浴サービ スへの人材供給の礎ともいえる環境を整備して下さいました。それが現在当社 の配置する看護師さんが何十万人というご老人のお世話をしている現状の基礎 となったのです。 ⅳ)年俸制について 現在当社の給与は年俸制をとっています。 この年俸制という制度が当社において、他に例をみない成功を収め機能してい るのは吉村相談役のお陰です。 我が国において 2005 年頃経団連が「ホワイトカラーエクゼンプション」と言っ て提言を行ったりしたりしましたが、制度としては根付きませんでした。 当社においては、吉村相談役が「頑張った者が報われる」報酬制度を!という 事で熟考され当初は既存社員を中心に試験的に導入され、後に新卒社員へも適 用される様になりました。 他社では中々上手く機能しない年俸制が、当社でとても良く機能している背景 は、吉村相談役が日々全国を回られ、一人一人の社員と向き合い、膝を交えて 話し合っているという、弛まない努力によるものです。他社ではそこが叶わな いので、上手く根付かず機能しないのだと思います。 経済の低迷から、金融機関をはじめとする大手企業では迷走している感がある 報酬制度ですが、当社の年俸制度は個人の評価を適切に行う上で画期的なプラ ンだと思います。 ⅴ)スタッフの社会保険加入について 当社創業当時の人材ビジネス全体の問題として、スタッフの社会保険加入の問 題がありました。 スタッフの社会保険加入は会社の収益圧迫要因として捉えて、パソナなどでは なるべく社会保険加入について触れず、加入を先延ばしにしたり見送ったりさ せる事が常習的に行われていました。 当社では創業の頃、松永・高橋がパソナ出身者であった事もあり、そのパソナ の悪弊を引き継ごうとしていました。 しかしその時に吉村相談役から、 「スタッフさんの為を思いまた、当社の社会的 使命を思った時に、その様な事があってはならない!」とお叱りを受け、当社 では当初より加入要件に達しているスタッフさんには、社が率先して 100%加入 を促し実践して来ました。 その後、パソナ等大手人材派遣会社のスタッフの社会保険加入問題が社会問題 となった際にも、当社では当初より 100%加入を実践していたと誰に対しても胸 を張ることが出来たのです。 もし吉村相談役のお叱りがなく、我々だけで決めていたら、パソナの悪習を引 き継ぎ、その様な悪い習慣を社に根付かせてしまったと思うと大変怖い思いが 致します。 またある時、当社の臨床検査技師の川名子さんという女性が、当社のお仕事の 帰りに夕食の買い物に立ち寄り、その後帰宅途中で暴走してきた自転車と衝突 し亡くなってしまうという痛ましい事故が発生致しました。 川名子さんは当時 40 代後半の女性で、小さなお子さんが 4 人もいらっしゃいま した。 その事故の一報を受けた際、吉村相談役は即座に私を呼び寄せ共に、まだ集中 治療室にいた川名子さんを共に見舞い、川名子さんのご主人に「ご登録頂いて いた会社として、出来る限りの事をします」と約束しました。 しかしながらその後、残念な事に川名子さんは集中治療室から元気な姿で出る 事はなかったのです。 そこで通常であれば、お亡くなりになってしまった以上、その後は登録頂いて いた会社としてはそれ以上出来る事はあまりないのです。 この案件に関して社会保険労務士は「労災の適用は難しい」と言われていたの ですが、吉村相談役は「正義がどこにあるのか、考えて対応してくれ!」と交 渉し、社労士をして「ここまでスタッフの為にする会社はありません」と言わ しめる程、思いやりある親切な対応を致しました。 不幸にも川名子さんが遭遇した事故被害に関して、当社は法令上全く責任もな かったのですが、吉村相談役は当社の標榜する思いやり精神を体現し、当社の 姿勢を自ら示して下さいました。 その後しばらくして川名子さんのご主人と、実のお父様がご来社され、当社の 親身になった思いやりある対応に深く感謝を述べて下さいました。 このような対応は、未経験であった私達では不可能であった事と思います。 また来年 4 月に神田桃佳さんという、ハンディキャップを背負った新卒生が入 社します。彼女は身体的なハンディキャップはありますが、とても優秀で強い 心を持っている素晴らしい子です。 神田さんと初めて面談した際に吉村相談役は、 「彼女が当社を選んで入社してく れる事になれば、救世主となる人材になるかもしれない」と仰っていました。 「社会への思いやり、人々への思いやり」をテーマとする当社が、今後福祉分 野へ新しい取組みをするきっかけを彼女が与えてくれるかもしれません。 ⅵ)慰労パーティについて 当社ご登録のスタッフが楽しみにしているイベントの一つとして、慰労パーテ ィがあります。 これも従来の、売りっぱなし、やりっぱなしの人材紹介会社のスタッフと会社 の関係からは考えられないイベントです。 吉村相談役のオリジナリティ溢れる発想で、当社では創業初期より始め、ベス トコンシェルジュの発表などを通じて、スタッフさんの当社への帰属意識や登 録している事への意義を高め、当社とスタッフさんの関係強化に大変役立って います。 このパーティも、発想から会場準備・余興の案・パーティ実施まですべての段 取りを吉村相談役が行ってくださっており、大変なご負担となっています。 スタッフさんからは大変好評を頂き、当社の姿勢を示す大変重要なイベントと なっていますが、相談役の大変なご負担になっているという事を忘れず、皆さ んも社の為に少しでも相談役のご負担を軽減出来る様、自分には何が出来るか を問い直して下さい。 ⅶ)新卒採用について 当社は当初社員の採用に関して、中途採用による経験者の採用という手法を取 っていました。 しかし吉村相談役の時流に対する慧眼と、 「将来当社を担って立つ人材を育成す るには、新卒採用を積極的に行っていくべきである」という着想の下、第 1 期 生の採用を当時の当社の規模としては大々的に行いました。 そして入社した新卒社員一人一人と真摯に向き合い、教育活動を率先して行っ て頂きながら、若い人材育成に偉大な尽力をなさって頂きました。 その後 1 期生 2 期生始め、新卒入社社員の活躍はご存知の通りで、現在の当社 を支える大きな原動力となっています。 それまで医療人材サービス会社で、例えば母体となっている親会社である大手 人材派遣会社が新卒採用を行い、配属先としてグループの医療系人材会社に入 社するというケースはありましたが、当社は独立系医療人材サービス会社で、 20 名を超える新卒採用を行った全国初の会社となりました。 医療という特殊な分野と、物ではなく人を扱うビジネスである。という理由で、 経験者の採用を優先する企業ばかりだったのです。 新卒採用するにはリスクが高いと一般的には思われていたのです。 現在新卒生の活躍ぶりを見ると、1 期生採用を決めて吉村相談役の英断は、本当 にすばらしく、私達だけでは決して出来る事はなかったとしみじみ感じます。 ⅷ)働く女性のあり方について 現在吉村相談役の着想により、 「働く女性のあり方」について当社女性社員自身 で考え提言出来る様になる取組みが始まっています。 当社は非常に女性社員の多い会社で、女性の活躍なくしては社の発展は有り得 ません。 男女共同参画時代が叫ばれて久しいですが、男女が平等な環境で働き活躍して いくにはやはり男性同様に、働く女性にも姿勢やあり方が問われる厳しい一面 があります。 一般の会社では、働く女性の権利は主張される事が多いですが、なかなかこの 姿勢やあり方まで踏み込んで、しかも女性社員が自ら問いかけていく取組みは 出来ていないと思います。 これも吉村相談役が会社の将来を思い、当社における女性社員の重要性に思い、 黒田さんを始めとする当社で活躍する女性社員に投げかけ実現出来た取組みで す。 2) 業界に与えた影響について この様な様々な当社の試みは、有形・無形に多くの影響を与えて来ました。 現在我々自身のビジネスフィールドを「医療人材サービス」と定義し、そう呼 んでいますが、当社以前の業界は人材サービスと呼べるような代物ではなく正 に「人入れ稼業」と呼ぶに相応しい、やりっぱなしの世界でした。それでも従 来型の多くの会社はやっていけたのです。 しかし当社出現以降は、吉村相談役の「人への思いやり、社会への思いやり」 の掛け声の下実践し、決め細やかなサービスで取引先・登録スタッフ各方面か らお褒めの言葉を頂き、過去に例のない業績の伸びを見せていく中、他社に於 いても姿勢を正さざるを得なくなっていったのです。 現在では旧習を捨てきれなかった企業は、名前を聞くこともなくなってしまい ました。 また当社の出現は、登録スタッフの皆さんにも変化を与えました。 判り易い例は、ドクターの登録です。 当社創業の頃より、医師紹介会社は既に存在していました。 しかしながら粗雑な企業ばかりで、登録する医師自身もそういった会社に登録 し、仕事を紹介してもらう事に後ろめたい気持ちを持っていた為、登録会社に 登録する医師は、医師のキャリアのメインストリートから外れてしまった、は ぐれた医師にすぎない!という雰囲気が、医師全体の中にもありました。 創業当初にご登録にいらっしゃったドクターの中には、そういった慣習を引き ずっていて、 「登録した事を口外しないでくれ」と頼む方も多くいらっしゃいま した。 もちろん当社は企業として守秘義務がありますので、 「口外しないでくれ」と頼 まれなくても口外する事はないのですが、吉村相談役はドクターがそういう考 え方をする事こそが、この業界の病巣であると指摘され、当社に於いては「医 療人材サービスの新たなステータスを確立する」というテーマを掲げられ、社 をあげたスローガンとなりました。 その結果現在では、ドクターのみならず看護師を始めとする医療有資格者が当 社にご登録頂く事に誇りを持ってステータスを感じて頂けていると思います。 その顕著な例が「紹介キャンペーン」です。 毎年「紹介キャンペーン」を行えば、非常に目覚しい結果を出しているのは皆 さんが実感しているところだと思いますが、そもそもご登録して頂いている 方々が当社にお友達を紹介してくれるのは、誰だって、信頼のおけない会社に お友達を紹介するはずがありませんので、当社に信頼を頂いて「信頼の輪」が 広がっているからです。 当社ご登録スタッフの中で、紹介による登録人数割合が高いのは、もっと我々 が誇って良い事だと思いますし、このビジネスの本質を「信頼の輪」を広げる 事だと見抜き、当社にその風土を根付かせる為に不断の努力をされた吉村相談 役に感謝したいと改めて感じます。 【当社の恵まれた環境について】 1) 当社の恵まれた環境について この様に創業以降、社内的には未熟な我々を吉村相談役に見守って頂きながら、 ご苦労をお掛けっぱなしでしたし、現在も創業当初とステージは変わっても相 変わらずご心配をお掛けしていることには変わりありません。 しかしながら一歩社外に出て外部から当社を見れば、この医療人材サービス業 界に於いて、これまで過去に例をみない成長を遂げ、業界のリーディングカン パニーとして皆から注目され、また他社から目標とされる立派な企業であると いう事は、皆さんも異存のないところだと思います。 皆さんはそんな素晴らしい会社にいて、とても恵まれた環境の中で仕事をして いるという自覚を持ち、また自信も持って欲しいと思います。 恵まれた環境に驕ってはもちろんいけませんが、自信を持つことは大切だと思 います。 当社は医療人材サービス業のリーディングカンパニーとして、今後医療人材が どう流動し、それによって医療人材サービスはどの様に変化を遂げていくのか、 それを体現し指し示す使命のもとにいます。 そういう企業の一員として、自信と誇りを持って日々自分の責任を全うして欲 しいと思います。 2) 吉村相談役のご苦労について そしてその恵まれた環境を自覚すると同時に、この環境の裏には吉村相談役の 不断の経営努力があることを、私を始め皆さんも忘れてならないと思います。 先ほど述べました様に、当社は創業以来医療人材サービス業に様々な新しい試 みをし、提案し、医療人材流動化に一石を投じ続けてきました。 今では当たり前となって、皆さんがなんの疑問も感じていない事の中には、当 初わが社内においても、我々自身が旧習を引きずっていたものを、吉村相談役 が強い信念と牽引力で導き、現在があると言った事が数多くあります。 我々自身が未熟であるが為に、相談役にお掛けしたご苦労を私達自身が忘れて はいけないと思います。 当社の前例のない成長は偶然成長したのではありません。 当社のその成長の裏には、吉村相談役が日々全国拠点を回られ、それぞれの抱 える問題点や課題を見抜き、会社や社員への思いやりと、時には厳しい姿勢を 持って全社員を導いて下さっているからに他なりません。 そのお掛けしたご苦労を我々が自覚せず、我々自身で達成した気になっていて はいけません。 当社をこの様な立派な誇り高い会社に導いてくださった感謝の念を決して忘れ る事なく、日々それぞれの使命を全うしなくてはなりません。 そしてここにいる我々は、当社を背負って立つ重要な位置に居るわけですから、 これまでの当社の歴史を受け継ぎ、これから入社してくる新入社員に引き継い でいくと同時に、共に新しい 1 ページを築いて行かなくてはなりません。 その我々が、今述べた自覚なくして若い新入社員へ引き継いだなら、今後の当 社の発展があるはずがありません。 私を始めここにいる皆さんは、強い自覚と自信を持ってこの事を忘れずにいた いと思います。 今日はこれまでの社史を振り返り返り、こうして皆さんにお話する事により、 皆さんがより当社に対する自信を一層深める一助となれば大変嬉しいことと思 います。
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