Page 1 Page 2 。T感作血球の免疫学的研究 Middーebr。。k

Title
OT 感作血球の免疫学的研究: 第6報 Middlebrook-Dubos 反応の基礎的
条件に関する研究 [第1篇] 感作原としての OT の検討
Author(s)
西東, 利男; 小西, 健一; 不室, 徳治; 登谷, 栄作; 宮森, 正孝
Citation
金沢大学結核研究所年報 = Annual report of the Research Institute of
Tuberculosis, Kanazawa University, 16(1): 43-49
Issue Date
1958-06-20
Type
Departmental Bulletin Paper
Text version
publisher
URL
http://hdl.handle.net/2297/41212
Right
*KURAに登録されているコンテンツの著作権は,執筆者,出版社(学協会)などが有します。
*KURAに登録されているコンテンツの利用については,著作権法に規定されている私的使用や引用などの範囲内で行ってください。
*著作権法に規定されている私的使用や引用などの範囲を超える利用を行う場合には,著作権者の許諾を得てください。ただし,著作権者
から著作権等管理事業者(学術著作権協会,日本著作出版権管理システムなど)に権利委託されているコンテンツの利用手続については
,各著作権等管理事業者に確認してください。
http://dspace.lib.kanazawa-u.ac.jp/dspace/
43
OT感作血球の免疫学的研究
第 6 報
Middlebrook-Dubos反応の基礎的条件に関する研究
第 1 編
感作原としてのOTの検討
金沢大学結核研究所細菌免疫部(主任:柿下正道教授)
西 東 利 男
小 西 健
不 室 徳 治
登 谷 栄 作
宮 森 正 孝
(受付:昭和33年1月6日)
近時私達が行っているOT感作血球の免疫学
るOTにしばしば遭遇するので,同一方法で得
的研究においては常時同一感作状態の血球を用
られた結核菌の各株の培養LotごとのOTに
いることが最も望ましい.しかるに感作血球の
ついて2,3の基礎的観察を試みた.
作製に際して赤血球の凝集または溶血を招来す
その要旨を摘記すると次のごとくである.
IOTの血球凝集,溶血性ならびに抗補体性の検討
血球感作に際してOTに凝集性および溶血性くで同一株においてもLotの相違によって凝
があれば感作原として使用に耐えないことは明集性あるいは溶血性をもち,かつ抗補体性も種
らかであり,また補体結合反応を行うに当って々であることが知られる.ここで血球に対する
はその抗補体性が問題となる.よって私達は6自然凝集性と感作能との関連性について検討す
頭の健常無処置ウサギの血球を用いて型のごとるためOT-H37Rv中自然凝集性を有するLot
く')OTで感作する処置を行い,各種OT(下欄No.25を用いて次のごとき観察を試みた.
※記載菌株のSauton培地8週間培養ろ液からすなわちLotNo、25の10倍稀釈液30mlを
常法に準じて調製したもので0.5%にPhenolを3等分し,そのうち二つには血球の遠沈洗浄沈
加えてある)の凝集性および溶血性を検すると査を0.5mlずつ加えてそれぞれ2時間および
ともに溶血系(ヤギ血球,それに対するヘモリ10分間型のごとく感作し,他の一つには同じく
ジンおよびモルモット血清)を用いてそれらの0.5mlの血球沈査を加え10分間37。Cに保った
抗補体性を検索した,その成績は第1表のごと後遠心し沈査血球を捨ててその上清に再び0.5
44
西東・小西・不室・登谷・宮森
mlの血球沈査を加えて30分感作し,以上3種稀釈OTの使用によって自然凝集を避けること
の感作血球浮遊液を作り反応に供した.その結・が可能と思われたが溶血反応は著しく低下し
果溶血反応は自然凝集素になんら関係なく血球た.(第2表)
感作の程度において認められたが,凝集反応でなお凝集性も溶血性も示さなかったOTにつ
は自然凝集素を吸収する必要があった.又高度いて次の検討を行った.
Ⅱ透析,Phenol添加,Mersonin添加がOTの血球感作能
およびOT感作血球凝集反応阻止能に及ぼす影響
OTは通常0.5%の割にPhenolを加えて氷れ0.5%にPhenolおよび0.01%にMersonin
室内に保存されてし、るが,近時防腐剤としてを加え,これら三者間の血球感作能ならびに
Mersoninがしばしば用いられているので,こOT感作血球凝集反応阻止能を比較した.しか
こではOT-H37Rvの同-Lotを3分し,一してその成績にはほとんど異なるところがなか
つは一夜蒸留水中で透析し他の二つにはそれぞつた.
III各種OTのOT感桐血球凝集反応阻止能の比較
OT-H37Rv感作血球と同免疫血清1)を用い能を比較するとOT-H37Rvが最も強く,OTて各種OTの血球凝集反応阻止試験を行った.H2,OT-AB,OT-H37Raはこれに次ぎ,
その結果同一株のOTでもLotが異なればOT-Bovは弱く,OT-BCGが最も弱かった.
異なった阻止能をもつことが明らかにされた.これが型あるいは株特異性によるか否かにつ
(第3表)しかし全般として各種OTの阻止いては稿を改めて記述したい.
IV塔養週と感作能,阻止能との関係
H37Rv株のSauton培地2,4,6,8おた.(第4表)阻止能についても2,4,6週
よび10週培養ろ液から型のごとく調製したOTと週を追うにしたがって強くなり,6,8,10
の感作能を比較すると2週では弱く,4週では週では差がなかった.(第5表)
かなり強く,6,8および10週では差がなかっ
以上の知見から私達はOT感作血球免疫に関する研究において通常H37Rv株のSauton培地6
週以上の培養ろ液から作製したOTでその10倍稀釈液が血球を凝集または溶血させないもので一定
の阻止能を有するものに0.5%にPhenolを加えて保存し使用している.
文
献
1)Saito,T. andetal.:Jap.』・Tuberc.,3,75,1955.
※ 菌 種
ヒト型菌
ウシ型菌
B C G
培養菌株
H37Rv株
H37Ra株
H2株
青山B株
H2株SM耐性株
H2株のINA耐性株
X株
予研株
左の菌株のOTの略号
OT-H37Rv
OT-H37Ra
OT-H2
OT−AB'
OT-H2-SMR
OT-H2-INR
OT−Bov
OT-BCG
OT感作血球の免疫学的研究
45
I
−
−
種 類
’凝 集 性 及 溶 血 性 ’ 抗 補 体 性
m
㈱
ゞ
│
!
も
劃
5
4
1
5
8'
6
'
’ 62164 i
l
,
│
'
:
2
1
'
:
4
1
'
:
8
1
'
:
'
6
1
'
:
3
2
1
|●つ■ユ己■■ロー
帥Q
OTの
LN
第1表OTの血球凝集性,溶血性ならびに抗補体性の検討
q 色
31h
OIC
]’0
3 0 0 0 0 0 C
6IOI0IOIOIOIC
1 0 0 0 0 1 0 . 0
)''一AI
1 5 1 1 1 0 1 1
202′2ノ2f2ノ2′2
3 9 0 0 0 0 0 0
::I¥│:│:IMIJ
95
+
+
ー
’こ
一一
’
■■■■■■
一一一一
H冊一冊
什冊冊冊
什冊冊冊
1000
1000
1000
rOOO
1
454
12
0
OT-BCG
’
000
口11I
000
)1−Hf
−
註)i)欄内数値は被検血球とした健常無処置家兎No.で8
i
i
) 欄内の数値はOTの稀釈倍数.
i
i
i
)
欄内0は凝集,溶血ともになし,1'’1,2'’2,3'’3は凝集の強さを示しh',h
は溶血を示す.
i
v
) は1:50でなお溶血性あり,1:250で弱い凝集性があった.
v
) は1:250でなお強い凝集を示した.
’
I
吟
の
第2表血球凝集性を有するOTによる感作血球の凝集ならびに溶血反応
川の柵
溶 血 反 応
血 球 凝 集 反 応
’
1241:2.04t
]24192−01:4.U9t
│
'
:
4
,
0
9
6
1
#
c
一
一
一
一
’
’
:
│
Ⅱ■■■■■
1:10
0
分間.感作
、
│
2 2 2
2
2
ノ
1
1
′
1
ノ
+
+
+
+
+
+
:
│
十
十
’
十
0分間感作後の
清で30分間感
1;50
1:200
法2時間感作
雪澤,H睾胤易周
3
′
3
′
3
′
'
'
1
■■■■■’
−
ー
一’一
ノ I ⑨ ’ l o ノ 1 0 ノ | ワ ノ | ワ ダ
C;生食水
(i)および(ii)の欄は用いた抗血清の稀釈
抗血清;OT感作血球免疫血清を用いた,以下同じ
【〕|[
’
’
’
’
’
I
畷識・与且・針冊ヴ鯲蛎・叫辮
’
’
’
■
■
■
■
ロ
−
1
−
1
−
』
ー
’
OT感作血球の免疫学的研究
47
第3表各種OTのOT-H37Rv感作血球凝集反応阻止能の比較
閂
oCm︽函” ︻
門 司
●●
つめ国・︻叩 ︻
門 司
●●
ロ罰①
閂 門
●●
ロ因の
0 ● ● ●
つ@﹃
つめ
ロ寺
ロ函
o﹃
冤
露
篤
逵
● ● ● ●
I
c
]
c
。
c
。
"
命
國
崗
今
LO
角
’
I
7
0 0 0 0 0 1 ' 1 2 2 2
2 0 0 0
8
0 0 0 0 0 1 ノ 1 2 2 2
2 0 0 0
11
0 0 0 0 0 1 ノ 1 2 ' 2 2
2 0 0 0
13
0 0 0 0 0 1 ノ 1 2 2 2 2 0 0 0
16
0 0 0 0 1 ' 1 2 2 2 2
2 0 0 0
0 0 0 0 1 ' 2 ' 2 2 2 2
2 0 0 0
0 0 0 0 2 ’ 2 ノ 2 2 2 2
2 0 , 0 0
0 0 0 0 0 1 2 ' 2 2 2
2 0 . 0 0
OT-H37Rv
胤
雪
18
28
12
I
OT-H2
0 0 2 ′ 2 2 2 2 2
0 1 ノ 2 ' 2 2 2 2 2
360
15
10
2
OT-AB
│
:
:
:
:
0 0 1 ' 1 2 2 2 2
2 0 0 0
h O 1 ノ 2 ' 2 2 2 2
2 0 0 h
0 0 0 2 ' 2 ' 2 2 2
2 0 0 0
1 1 2 ' 2 2 2 2 2
2 0 . 0 0
0 0 0 1 ノ 1 2 2 2
2 0 . 0 0
■一通T
OT-H37Ra
OT-Bov
0 1 ′ 2 ' 2 2
2
2 2
2
2 2 20 0 0
1202'
OT=BCG
2 2 2 2 2 2
q唖恥勉
口
│
‘
‘
,
,
4 1 2 2 2 2 2 2 2 2
2 0 0 0
51hhl2'2222
2 0 0 h
14101′122222
2 0 0 0
稀釈血清十感作血球
生食水十感作血球
生食水十無感作血球
阻止原の最高濃度十無感作血球
西東・小西・不室・登谷・宮森
48
−
第4表培養週別OT−H37Rvの感作能
000
000
0000
0000
01r
000
3 ノ 2 2 1
0
│
,
。
0 0 0
1
ノ
0 0
’
22
0
2−0
22一
22−
3
000
0 0 0 0 0
0
23’
333
333
333
8
333
03
09
0
1
●●●●●
1●1
1
28
’
rrO
2 2 ノ 1 1
1;270
000
3'3'3′3′
1 ′ 0 0
1
1:90
00122
3 3 3 3
21−1川︲0
1:30
6
00.0
3 3 3 3
0
26
1810
0000−2
10232
211
1;270
2−0
1;90
1
4
’
』
対照︵生食水︶
−
1;30
24
−0−,
22坪坪
−0
3#
3/
33−0
J一
22〃−
0 333
y
3320
1:10
2
ダ
000
11
1
'
:
2
7
0
000−2
2220
1;90
’
4
00022220
00O
1:30
2
22
000−3
3220
2 2 2 2 ノ
1;10
つ函[︽ ぬ “ [
門
つCm︽ 函 ” [
閂
つめ函︽ ︻ ” [
司
門−1
胃
2−0
0 00
[一町
●●
詞
。守@
つ因め
oC[
つめ
ロ守
。函
つ﹃
釈倍 数 、
血清稀、 、
No.
、ゞ、濃度
、、、、感作原の
培養週
Lot
':2701ユユュ′,
0
一
3 3 ノ 3 ′ 2 1 0 0
1;30
3′3'3ノ3ノ
2 2 2 2 ノ
1:90
2 2 2 2
2 2 2 ' 1
1;270
1 1 0 0
0
8
0 0 0 0 0
00
3 3 ′ 3 ′ 2
00
J
21
−
0−3
ノ
333
33計
1:30
10
333
"
Ⅲ
J
33評
’
30
00
3 3 3 3
00
1;10
J1
ノ
ー
16
0 0 0
−
3′3ノ
22′
’
2 2 2 ′ 2 ′
1890
1:27011’
’
’
0 0
1 ノ 0 0
0 0 0 0 0 0 0
49
OT感作血球の免疫学的研究
第5表培養週別OT-H37Rvの阻止能
0 0
一
●
0
−
−
16
2 2 2
−
−
”
|
0 0 0 1 ノ
2 2 2
11
0−0
0−0
’
一
︵生食水︶
’ , ’
0 0 0 1 ′
対照 22
門
門
1
巾
2
8
1 ‘
ロ面︻︽ぬ”[
●●
つ@ぬ︽函叩︻
●●
● U
閂
つめ因︽︻叩胃
つ守℃
つ函の
0●
門
つ④門
つめ
●●
門
一
一
0
つ寺
○函
一
一
一
ILII■■■■日日■■■IIL日日巳■■■■■■■ロ■ⅡⅡ06ⅡB8pLⅡ■0001ⅡⅡⅡⅡⅡⅡⅡⅡ1日ⅡⅡⅡⅡⅡⅡ016句︲111lbⅡIIl0jpⅡ■ⅡⅡⅡⅡⅡⅡIⅡⅡ1日91
6
閂
0−0
26
一
2 4 1 4
つ[
2
釈、
止の、、、
原稀、、
阻、、
11
●
、培養週
tN
O
恥
22
●●
●●
門
I
2 2 2 2
0 0 0 0 0 0 1 ' │ 2 ' 2 2 2
81000000012'222
3.山』。。。。,,。』′
,
2
'
2 2 2
’
|
51
’'
,
’
0 0 0 0 0 0 0 1 1 2 ' 2 2