研究活動に関するハンドブック[日本語版]

研究活動に関する
ハンドブック
国立大学法人北海道大学
平成27年3月 作成
-
目
次
はじめに ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
1
研究費の不正使用防止
(1) 研究費の使用に関する行動規範 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3
(2) 禁止事項 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4
(3) 研究費の種類 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6
※(4)
競争的研究費の種類・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7
※(5) 研究費の交付前使用に係る立替 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9
※(6) 科研費の繰越 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10
(7) 教員の会計職務の権限 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12
(8) 契約(発注)制度 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13
(9)
立替払 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14
(10) コーポレートカードの活用 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・15
(11) 納品物品の現物確認 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・16
(12) 研究補助者の雇用 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・17
(13) 謝金 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・18
(14) 旅費 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・19
(15) 物品管理 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20
(16) 図書の購入 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・21
2
研究活動上の不正行為防止
(1) 科学者の行動規範 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・22
(2)
社会における研究行為の責務・・・・・・・・・・・・・・・・・・・24
(3)
研究の価値と責任・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・25
(4)
共同研究・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・26
(5)
研究の自由と守るべきもの・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・29
(6)
研究活動上の不正行為・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・32
(7)
後進の指導・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・34
3
不正使用・不正行為に対する処分 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・35
4
申立て窓口・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・37
※のついた項目は公的研究費に特化した内容になっていますが,その他の項目については,
全ての経費の使用に該当します。
-
はじめに
●
このハンドブックは,国を始めとした研究活動に関する複雑なルールをできるだ
けわかりやすく記載し,教職員の方々の理解を深めてもらう目的で作成しました。
※ 本ハンドブックに記載の会計ルールは,研究費に限らず,教育・研究・診療等,
本学で使用する全ての経費についても同様の取り扱いとなります。
●
本ハンドブックは研究室等に常備していただき,教員のみならず,学生への指導
の際にもご活用いただければ幸いです。
● 本学では,研究費の不正使用及び研究活動上の不正行為の防止に関する事項につ
いては,研究戦略室で所掌しており,改めて言うまでもなく,不正使用及び不正行
為は決して行ってはいけないことです。
特に,公的研究費は国民の税金を原資としていること,教職員が取得した研究費
であっても大学に管理責任があること,また,研究上の不正行為は社会からの研究
者に対する信頼を著しく裏切る行為であることから,当室としては,今後も研修の
実施等,研究費の不正・不適切な使用や研究上の不正行為を防止するための取り組
みを実施していく予定ですので,教職員の皆様におかれましては,ご理解とご協力
をお願いいたします。
北海道大学研究戦略室長
川 端 和 重
【研究費不正使用防止管理体制】
各部局等における研究
費の運営・管理について
は,コンプライアンス推
進責任者(部局等の長)
が実質的な責任と権限
を持っており,研究費の
不正使用を防止するた
めの適切な措置を講じ
る責を担います。
国立大学法人北海道大学における研究費不正使用防止管理体制
監査結果についての意見
総 長
直轄組織
監
事
連携
監事監査
監査室
連携
会計監査人
連携
防止計画推進部署
[研究戦略室] 室長
理 事
統括管理責任者
連携
防止計画実行の指示
内部監査
会計監査人監査
最高管理責任者
実施状況の報告
実施状況の報告
連携
部局等
事務局各部
研究推進部
管理運営・防止計画の実行
部局等の長
専攻長
専攻長
・
・
・
総務企画部
コンプライアンス推進責任者
コンプライアンス推進副責任者
財務部
専攻長
研究費管理
事務長
事 務 部 門
連携
具体策の実施,受講管理・指導,モニタリング・改善指導
【教職員及び関係者】 教育研究等の日常業務遂行
管理体制の構築
運営・管理環境の整備
○ルールの明確化・統一化
○職務権限の明確化
○関係者の意識向上
○告発等の取扱い,調査及び懲戒に
関する規程の整備及び運用の透明化
運営・管理活動
○予算執行状況の検証
○発注段階での支出財源の特定
○業者との癒着防止対策
○発注・検収業務体制の整備
○雇用者の勤務状況確認体制の整備
○物品の適切な管理
○出張計画の実行状況の確認体制の整備
情報発信・共有化の促進
○相談窓口の設置
○不正への取組に関する方針等の公表
※「国立大学法人北海道大学研究費不正使用防止計画」より抜粋
(本学では,文部科学省が制定した「研究機関における公的研究費の管理・監査のガイドライン」
に基づき,不正使用を防止する体制を整備しています。)
- 1 -
【研究活動上の不正行為防止管理体制】
各部局等における研究
上の倫理教育について
は,研究倫理教育責任者
(部局等の長)が実質的
な責任と権限を持って
おり,研究活動上の不正
行為を防止するための
適切な措置を講じる責
を担います。
国立大学法人北海道大学における研究活動上の不正行為防止管理体制
総 長
不正行為対応最高管理責任者
実施状況の報告
研究倫理教育
推進部署
[研究戦略室] 室長
不正行為対応
統括管理責任者
理 事
研究倫理教育の提供
実施状況の報告
連携
部局等
事務局各部
研究倫理教育の実行
研究推進部
部局等の長
研究倫理教育責任者
財務部
専攻長
専攻長
・
・
・
総務企画部
専攻長
事 務 部 門
連携
具体策の実施,研修受講管理・指導,モニタリング
【教職員,学生及び関係者】 教育研究等の日常業務遂行
教育体制の構築
運営・管理環境の整備
情報発信・共有化の促進
○関係者の意識向上
○告発等の取扱い,調査及び懲戒に
関する規程の整備及び運用の透明化
○相談窓口の設置
○不正への取組に関する方針等の公表
※「国立大学法人北海道大学研究活動上の不正行為に関する規程」に基づく体制図
(本学では,文部科学省が制定した「研究活動における不正行為への対応等に関するガイドライン」
に基づき,研究活動上の不正行為を防止する体制を整備しています。)
- 2 -
1 研究費の不正使用防止
(1)研究費の使用に関する行動規範
●
本学教職員の研究費の不正使用防止に関することは,「北海道大学における公的
研究費の使用に関する行動規範」や,「国立大学法人北海道大学における研究費の
不正使用に関する規程」,
「国立大学法人北海道大学研究費不正使用防止計画」に定
められ,利害関係に関することは「国立大学法人北海道大学役職員倫理規程」等で
定められていますが,特に次のことを常に意識して行動してください。
①
公的研究費が大学の管理する公的な資金であることを認識し,公正かつ効率的
に使用しなければならない。
② 公的研究費の使用に当たり,関係する法令・通知及び本学が定める規程等,並
びに事務処理手続き及び使用ルールを遵守しなければならない。
③ 公的研究費の計画的かつ適正な使用に努めるとともに,研究活動の特性を理解
し,効率的かつ適正な事務処理を行わなければならない。
④ 相互の理解と緊密な連携を図り,協力して公的研究費の不正使用を未然に防止
するよう努めなければならない。
⑤ 公的研究費の使用に当たり取引業者との関係において,国民の不信や疑惑を招
くことのないよう公正に行動しなければならない。
⑥ 公的研究費の取扱いに関する研修等に積極的に参加し,関係法令等の知識習得,
事務処理手続き及び使用ルールの理解に努めなければならない。
⑦ 利害関係者から金銭・物品等の贈与を受けること,許可を得ずに物品・研究機
器等を無償で借りること,役務の無償提供を受けること等,国民の不信や疑惑を
招くおそれのある行為はしない。
⑧ 研究費の不正使用を,行わない!させない!黙認しない!
⑨ 研究費の不正使用に加担しない!
【利害関係者とは】
・物品契約等を締結している事業者,契約の申込みをしようとしている事業者等
・本学への入学を志願する者,懲戒処分の対象となる学生及びその関係者
・本学に職員として採用を希望する者及びその関係者
- 3 -
(2)禁止事項
●
●
特に教職員が気を付けなければならない禁止事項は,以下の4点です。
実態を伴わない虚偽の書類を作成し,実態があったものとして大学に書類を提出
し,不正に研究費を支出させるこれらの行為は,たとえ私的流用がなくても研究費
の不正使用になります。
①
カラ発注(預け金)及び書類の書き換え
②
カラ給与
③
カラ謝金
④
カラ出張及び出張旅費の水増し請求
不正使用事例
①
カラ発注(預け金)及び書類の書き換え
◆
研究費が余ったため架空の発注を行い,支払われた研究費を業者に預け金と
して管理させ,翌年度以降に実験用消耗品等を納品させた。
◆ 研究費が不足して業者への支払いができないことを知りながら,業者に物品
等を納品させ,後日,架空取引を指示し,当該物品等の代金を支払った。
◆ 当該経費では執行できない什器類の購入や施設改修工事費用に充当するた
め,業者に取引実態と異なる虚偽の書類作成を指示し,大学に経費を支払わ
せた。
- 4 -
②
カラ給与
◆
研究協力者や学生等に支払う給与について,実際より多い作業時間を出勤簿
に記入して大学に請求し,研究費を不正に支出させた。
◆ 学生等に実態を伴わない給与を支出し,これを返還させ研究室の管理・運営
に必要な経費に使用した。
③
カラ謝金
◆
④
実態を伴わない謝金を大学に支出させた。
カラ出張及び出張旅費の水増し請求
◆ 実態を伴わない旅費を大学に支出させた。
◆ 他の機関から旅費の支給を受けたにも関わらず,大学に同じ旅行の旅費を請
求し,二重に旅費を受領した。
◆ 予定を変更して日帰りしたが,予定通り1泊2日の旅費を受領した。
◆ 出張を取りやめたにも関わらず,偽りの出張報告をして不正に旅費を受領し,
当該研究目的以外の出張に流用した。
◆ 私的な旅行(帰省,ゼミ旅行等)にも関わらず,大学に旅費を請求して受領
した。
◆ エコノミークラスの格安航空券を購入したにも関わらず,業者に正規運賃の
見積書及び請求書の作成を依頼して外国旅費を水増し請求し,大学院生等の国
内学会出席等に使用した。
- 5 -
(3)研究費の種類
●
研究費は,大きく分類して以下の3種類があります。
補助金(科研費等)
国及び独立行政法人等から配分
①
受託研究費(NEDO 等)
される研究資金(競争的資金等)
共同研究費
外部資金
受託研究費
財団法人及び民間企業等からの
共同研究費
②
研究資金
寄附金(寄附講座,助成金等(※))
大学自己資金 ③ 運営費交付金(文部科学省)等
(※)教育研究等の助成を目的とした寄附金の個人経理は禁止されており,大学に寄附しなけれ
ばなりません。
詳細は,会計業務マニュアル(学内限定)「6-3 寄附金」を参照してください。
http://north.finance.hokudai.ac.jp/~zaimu/
北海道大学HP→教職員向け→学内限定情報・システム→共通事務処理マニュアル→マニュアル→会計→6-3
【参考】競争的資金制度一覧(平成26年度)
上記①のうち,特に内閣府より「競争的資金」として定められている制度です。
府省名
内閣府
総務省
担当機関
制度名
食品安全委員会
食品健康影響評価技術研究事業
戦略的情報通信研究開発推進事業
本省
ICTイノベーション創出チャレンジプログラム
消防庁
本省/日本学術振興会(JSPS)
本省/科学技術振興機構(JST)
文部科学省
科学技術振興機構(JST)
本省
厚生労働省
農林水産省
医薬基盤研究所
本省
本省
経済産業省
新エネルギー・産業技術総合開発機
構(NEDO)
国土交通省
本省
環境省
本省
デジタル・ディバイド解消に向けた技術等研究開発
消防防災科学技術研究推進制度
科学研究費助成事業(科研費)
国家課題対応型研究開発推進事業
戦略的創造研究推進事業
研究成果展開事業
国際科学技術共同研究推進事業
厚生労働科学研究
オーファンドラッグ・オーファンデバイス研究開発
振興事業費
農林水産業・食品産業科学技術研究推進事業
ものづくり中小企業・小規模事業者等連携事業創造
促進事業
先導的産業技術創出事業
建設技術研究開発助成制度
交通運輸技術開発推進制度
環境研究総合推進費
競争的資金制度:http://www8.cao.go.jp/cstp/compefund/
- 6 -
(4)競争的研究費の種類
●
概算払いと額の確定
競争的資金等は,交付決定後,研究計画に基づいて積算された額を交付請求することがで
きますが,こうして受け入れた資金はあくまでも「概算払い」であり,事業年度の終了後に
交付元機関から使用内容のチェックを受けなければなりません(「額の確定」
)。
「額の確定」の結果,事業対象外とみなされた経費が発生した場合には,当該使用額を交
付元機関に返還しなければなりません。また,悪質な不正使用事案が判明した場合には,厳
しい処分が科せられる(「3.不正使用・不正行為に対する処分」を参照)ため,課題が採
択された時点で安心せず,後日チェックを受けることを念頭において適切に経費を使用する
ことが重要です。
※
経費の使用にあたって迷う事案がありましたら,所属部局等の事務へ相談してください。
公的研究費に関する相談窓口 http://www.hokudai.ac.jp/research/josei/soudan/
北海道大学HP→研究・産学連携→(補助金・助成金)競争的資金(公的研究費)に関する相談窓口
【参考】ある競争的資金についてのフロー
研究事業期間終了後,関連手続きが
1 月 応募
全て終了するまで半年以上かかる
4 月 交付内定
ことも!
5 月 交付決定
5 月 実績報告
交付元機関の担当者が調査に本学
8 月 額の確定調査
を訪れ,伝票等を全件確認する事
12 月 額の確定
業もあります。
●
1 月 返還手続き
使用が制限されるものとは
競争的資金等は国民の税金を財源としていますので,その使用にあたっては公正かつ最小
の費用で最大の効果を目指さなければなりません。制度は異なっても,この根本的な考え方
は同じです。
しかしながら,細かい使用ルールは制度ごとに定められていて,実際には根本的な考え方
の解釈に温度差があるため,一概には使用の可否を論じることができない部分もあります。
そのため,経費の使用にあたっては,該当制度の最新の交付要領・交付条件・Q&A 等を確認
してください。
次頁では,参考までに競争的資金等(直接経費)の主な使用制限と,各制度で対応の異な
る事例の一端を例示します。
- 7 -
【参考】競争的資金等(直接経費)の主な使用制限
① 他の経費との混同(合算)使用
明確に各事業の負担額を切り分けることができる場合は,当該事業分の経費負担が認められます
が,切り分けをせずに複数の競争的資金等を混同(合算)して使用することは,原則できません。
ただし,研究費の種類によっては,一定の条件を満たすことで合算使用が可能となる場合もあり
ます。
② 目的外使用
競争的資金等で使用できる経費は,研究課題の遂行に直接必要な経費及び研究成果の取りまとめ
に必要な経費のみです。例えば,非常勤職員等を競争的資金等で雇用した場合,当該事業以外の業
務に従事させることはできません。
③ 研究期間外の使用
競争的資金等は,補助金の交付内定日や受託研究の研究期間の開始日等,それぞれのルールで定
められた日以降から使用可能となります。それ以前に使用(発注)した経費に充てることはできま
せん。また,年度末(研究期間の最終日)までに納品・検収が行われ,事業のために使用したもの
でなければ経費として認められません。
仮に年度末までに納品・検収がされていたとしても,研究期間内に使用しきれないと思われる大
量の消耗品の購入等は「予算消化のための購入」とみなされ,補助対象経費として認められません。
従って,年度末に集中しないよう計画的な経費の使用に努めてください。
また,事業期間終了後も資産価値が長期間に渡って残存するもの(不動産の取得,建物等施設の
建設・改修)については,使用が認められません。
④ その他
酒・たばこ等の嗜好品は購入できません。また,間接経費で支出することが適切なものには支出
できません。なお,制度ごとに対応は異なりますが,採択された研究の遂行上,必要となる文房具
類・事務用機器類・什器類等について,購入できる場合もあります。
【参考】各制度で対応の異なる事例
科学研究費助成事業
(文科省・JSPS)
厚生労働科学研究費
先導的産業技術創
補助金
出事業(NEDO)
例1)合算使用
使途に制限のない資
○
×
×
×
×
金との合算使用
例2)物品費
△
直接事業に必要
コピー機・什器等
である旨,要説明
例3)人件費・謝金
RAに係る経費
△
○
○
大学院生・大学生等
就学者の雇用は不可
- 8 -
(5)研究費の交付前使用に係る立替
● 研究(事業)の円滑な推進を図るため,研究費が交付されるまでの間,本学の資
金をもって一時的に立て替えることができます。
交付内定
(事業開始)
入金
立替
交付された資金
研究期間
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
1月 2月
3月
常時物品の購入等が可能!!
※
研究費の立替を希望する場合は,所属部局等の事務へ相談してください。
【留意点】
・相手方が民間企業の場合には,原則として立替はできません。
・立替を行った研究費が交付されなかった場合は,当該金額について返還していた
だきます。
・科研費の立替について,当該年度に提出しなければならない「研究成果報告書」
又は「研究経過報告書」を,提出期限までに提出しなかった場合は,当該年度の
立替を停止します。
- 9 -
(6)科研費の繰越
●
科学研究費助成事業(科研費)には,
「科学研究費補助金(補助金分)」と「学術
研究助成基金助成金(基金分)」の2つの制度があり,それぞれの制度で以下のよ
うにルールが異なります。
「補助金分」
「基金分」
交付決定
研究期間全体を通じた複数年度の交
付決定
単年度ごとの交付決定
研究費の受入
<毎年度>
交付決定後に毎年度,当該年度分の研
究費を受入
<初年度>
交付決定後に,初年度分の研究費の
み受入
<2年度目以降>
年度当初に,当該年度分の研究費を
受入
年度をまたいだ
物品の調達
研究費の
前倒し使用
物品の納入は,年度末の3月31日ま
でに終了しなければならず,年度をまた
いだ研究費の使用は不可
補助事業期間内であれば,年度をま
たいだ物品の調達が可能
研究が加速し,前倒し使用を希望する
場合,
「調整金」にて前倒し使用(追加
配分)が可能
※研究期間の短縮不可,変更交付内定
後から立替使用可能
研究上の必要に応じて,研究費の前
倒し使用が可能
※補助事業期間の短縮不可,申請書
提出後から立替使用可能
研究費の翌年度使用
■繰越
<理由>
事前に予想し得なかった,やむを得な
い理由のみ
<手続>
事前の繰越手続が必要(次頁参照)
<翌年度の研究費との合算>
繰越が認められても,翌年度の研究費
との合算使用は不可
■調整金
研究費の未使用額全額を上限として,
翌年度の研究費に加えて使用可能(次
頁参照)
- 10 -
■繰越
<理由>
理由を限定せずに翌年度使用が可能
<手続>
事前の繰越手続は不要(年度ごとに
研究費の使用状況を事後報告)
※補助事業期間を延長する場合は事
前の手続が必要
<翌年度の研究費との合算>
翌年度の研究費との合算使用が可能
●
科研費(補助金分)について,研究を遂行していく過程で外部的要因(未然に
回避することができないやむを得ない状況)により,当初の研究計画を変更して,
研究期間を翌年度まで延長する場合に,文部科学省へ繰越の申請を行い,承認を得
た上で,研究費を翌年度に繰り越すことができます。
翌年度に繰り越すことができるのは,計画の変更に伴い,翌年度に使用する必要
がある研究費です。なお,研究計画の終了後に余った研究費(余剰金)や,誠実に
補助事業を遂行しなかった結果,年度内に執行できなかったことが明らかな場合等
は,繰越の対象にはなりません。
繰越事由
① 研究に際しての事前調査の困難
想定外の事由により,事前調査の見直し等が必要な場合
② 研究方式の決定の困難
想定外の事由により,新たな研究方式の採用が必要となった場合
③ 計画に関する諸条件
予期せぬ問題が発生し,解決するまで,研究の延期が必要となった場合
例:研究協力者(機関)の事情,学会等の事情,機器の故障等
④ 資材の入手難
予期せぬ外的要因により,計画通りに研究用資材を入手できなくなった場合
⑤ 相手国の事情
研究に関係する相手国における想定外の事情により,当初計画を延期又は中断することが
必要となった場合。
⑥ 気象の関係
豪雨や豪雪等の例年とは異なる気象により,当初計画の延期又は中断が必要となった場合
科研費(補助金分)の繰越は,手続きが煩雑だと思われがちですが,研究者が作成する書類
は,基本的に,
「繰越(翌債)を必要とする理由書(様式C-26)」1枚で,事実関係や理由
を明確に示す等のポイントをしっかりと押さえれば,書類の作成が大きな負担となることはあ
りません。
留意事項
・繰越された研究費について,翌々年度に再度繰り越すことはできません。
・研究期間の初年度や最終年度であっても,繰越事由に該当するものであれば,繰
越は可能です。
・同一の研究課題であっても,前年度から繰越が認められた研究費と当該年度の研
究費は,別々の補助事業であるため,両者を合算して使用することはできません。
・繰越申請を行う場合は,交付決定後の事由に基づいて申請してください。
●
科研費(補助金分)について,上記の繰越制度の要件に合致せず繰越できない研
究費の未使用額が5万円以上あった場合,所定の申請書を提出し,未使用額全額を
上限として翌年度の研究費に加えて使用することができます。
- 11 -
(7)教員の会計職務の権限
●
本学の財務及び会計に関する業務は,規則上,総長が統括しており,業務ごとに
総長から教職員へ権限が委任されています。
受任者は,これらの業務に係る責任を負うことを認識し,確実に遂行しなければ
なりません。
●
教員に対して委任されている主な業務として,契約,検査があります。
○
契約…教員発注可能な範囲(「1.
(8)契約(発注)制度」参照)のものに限
り,教員が発注することを認めています。
○
検査…発注した内容に適合しているかについて,当該教員が仕様書等の関係書
類に基づき確認を行います。
関係規則・規程
<国立大学法人北海道大学会計規則>
第4条(財 務 及 び 会 計 の 統 括 )
本学の財務及び会計に関する業務は,総長が統括する。
第5条(職 務 権 限 の 委 任 )
総長は,本学の財務及び会計に関する業務について,その処理に係る職務
権限を本学の理事又は職員に委任することができる。
<国立大学法人北海道大学における財務及び会計に関する職務権限規程>
第3条(職 務 権 限 の 委 任 )
財 務 及 び 会 計 に 関 す る 職 務 権 限 の 委 任 に つ い て は ,別 表 第 1( ※ )の と お り
とする。
第4条(職 務 権 限 及 び 責 任 )
前 条 の 規 定 に よ り 委 任 さ れ た 者 (以 下 「 受 任 者 」 と い う 。 )は , 自 ら の 職 務 権
限の行使又は不行使の結果について責任を負わなければならないことを十分
に認識し,確実にその職務を遂行しなければならない。
(※)別表第1において,業務ごとの権限者を定めており,教員については,
「契約」
「検査」
についての権限が委任されています。
- 12 -
(8)契約(発注)制度
●
本学が行う契約
【金銭の支払が伴う契約】
【支払も収入も伴わない契約】
受託研究・共同研究
物品購入
役務提供
【金銭の収入が伴う契約】
etc
売払い
etc
物品の寄附(贈与)
使用貸借
etc
※特に『金銭の支払が伴う契約』に
ついて注意してください。
●
契約方式
本学における契約は競争を原則としています。ただし,例外的に随意契約が認めら
れる場合があります。
※
詳細は,会計業務マニュアル(学内限定)
「5-2 契約の原則及び種別」を参照してください。
http://north.finance.hokudai.ac.jp/~zaimu/
北海道大学HP→教職員向け→学内限定情報・システム→共通事務処理マニュアル→マニュアル→会計→5-2
※
随意契約する場合でも,価格が適正であるか市場調査等をする必要があります。
※
受け入れる外部資金によっては,取り扱いが異なることがあります。
●
教員発注について
発注は本来,契約担当部署で行うのが原則ですが,100 万円未満の契約で,教育研究
上迅速に手配しなくては支障がある場合は,教員による発注を認めております。
教員発注できるのは,指定された取引先に限ります。
また,他の発注方法として,北大 Web 購買サイト(電子購買システム)による発注が
できます。当サイトは,平成 27 年3月 17 日より全学利用を開始し,事務用品・生活用
品・電化製品・理化学実験用品が発注できます。また,平成 27 年4月以降には,試薬・
書籍・電子部品等が発注できる予定です。
※
詳細は,教職員向け調達情報(学内限定)の「教員等発注」を参照してください。
http://north.finance.hokudai.ac.jp/~chotatsu/gakunai/index02.html
北海道大学HP→教職員向け→教職員向け調達情報→教員等発注
● 教員発注する場合の留意点
・故意に 100 万円未満に分割して発注することはできません。
(100 万円以上の契約案件は所属部局等の事務へ相談してください。
)
・特定の業者に偏った発注はしないでください。
・年度末に大量の消耗品を購入することは避けてください。
※
いずれも過去の額の確定調査等で指摘された事項で,場合によっては返還を求められます
- 13 -
(9)立替払
● 本学の教職員が教育研究等の業務遂行のため,1件の契約金額が50万円未満
で,緊急に店頭等で物品の購入,借入,その他の契約を行い,代金を支払った場合
は,その代金を請求することができます。
特に注意しなければならない遵守事項
○
立替払は業務上やむを得ない場合のみの手段
※
安易に店頭購入や WEB サイトでの購入はしない。
○ 立替払後,速やかに立替払請求書等を提出
○ 掛売り(代金を後払いで売ること)での取引が可能な業者への利用は不可
立替払請求の流れ・手順
・領収書は,宛名,日付入りのものを徴収
・ポイントカード等は使用しない
・カードによる支払ができる場合はコーポレート
カード(「1.(10)コーポレートカードの活用」
参照)を使用
①立替払で購入
研究者
財務会計
システムによる
②立替払請求
③支払
【提出書類】
・購入依頼書
・立替払請求書兼
コーポレートカード精算書
・内訳のわかる領収書・レシート等
※物品の納品書には第三者確認
※立替払後,速やかに
店舗
!!注意!!
○学会等の参加費に食事代・宿泊費等が含まれて
いる場合
金額が明記されているか?
NO
【部局等事務室及び財務部調達課】
・提出書類のチェック
・支払手続き
※
学会等事務局に内訳を確認
金額が確認できるか?
YES
YES
参加費から食事代・宿
泊費等を差し引いた額
を請求
NO
参加費全額を請求
※旅費(日当・宿泊料)で
調整(減額)が必要
他にも様々なルールがあります。詳細は,教職員向け調達情報(学内限定)
「立替払等」を参照
してください。
http://north.finance.hokudai.ac.jp/~chotatsu/gakunai/index02.html
北海道大学HP→教職員向け→教職員向け調達情報→立替払等
- 14 -
(10)コーポレートカードの活用
●
本学では,「立替払による一時的な個人負担の軽減」,「立替払請求者及び取引先
に支払う際に生じていた振込手数料の削減」,「大学債務の早期認識」を図るため,
コーポレートカードを導入しています。
特に注意しなければならない遵守事項
○
外部資金等(執行期限に定めのある経費)での利用についての利用制限
※ 3月末までに支払を終了させなければならない経費のカード利用期限
→1月末日(支払期限が異なる経費の場合は,カード利用期限も異なるので注意!)
※ 執行期限に定めのない経費でのカード利用については,3月末日までに経費精算請求
○
掛売り(代金を後払いで売ること)での取引が可能な業者への利用は不可
コーポレートカード利用の流れ・手順
①コーポレートカードで購入
研究者
②仕訳処理
・公費利用分
③経費精算請求
利用明細請求仕訳サービスにより,下記
期日までに行わなかった場合は,カード
利用代金の全額が私費利用分として処
理されます。
【仕訳処理期限】
・月の初日~10 日までのカード利用
→翌月末日
・月の 11 日~末日までのカード利用
→翌々月の末日
【提出書類】
・購入依頼書
・立替払請求書兼コーポレートカード精算書
・利用控・領収書
財務会計
・関係証拠書類
システムによる
※物品の納品書には第三者確認
※カード利用後,速やかに
店舗
(VISA 又は Master 加盟店)
!!注意!!
○利用明細請求仕訳を忘れずに!
(公費利用分と私費利用分が混在する
場合は,公私の仕訳を正確に行ってく
ださい。
)
【部局等事務室及び財務部調達課】
④支払
・提出書類のチェック
カード会社
・支払手続き
※
他にも様々なルールがあります。詳細は,教職員向け調達情報(学内限定)
「立替払等」を参照
してください。
http://north.finance.hokudai.ac.jp/~chotatsu/gakunai/index02.html
北海道大学HP→教職員向け→教職員向け調達情報→立替払等
- 15 -
(11)納品物品の現物確認
●
取引先より本学に納品される物品等は原則,納品検収センターで現物確認をする
こととしています。
研究費の不正使用防止に係る納品物品の確認体制強化のため,平成26年4月よ
り,以下の取り組みを実施しています。
○ 納品検収センターを経由しない納品物品(宅配便によるメーカ-等からの直
送,店舗購入並びに立替払及びコーポレートカード払分)は,発注した教員と
異なる第三者の教職員が現物を確認し,納品書に押印等をすることを義務付け
○ 納品検収センターにおける納品物品へのマーキング
○ 調達課職員による納品後の随時確認の強化(納品場所での使用状況の確認)
○ 資産管理対象物品のシリアル番号による管理
納品物品の使用状況確認のため,調達課職員が研究室等にお伺いする場合がありますので,
ご協力をお願いいたします。
- 16 -
(12)研究補助者の雇用
●
本学には様々な職種の職員がいますが,ここでは学生等の研究補助者(短期支援
員)の雇用について説明します。
特に注意しなければならない遵守事項
○
学生等に対する業務内容・期間・単価等の説明,及び業務への従事意
思の確認
○ 雇用申請書等の採用時必要書類の事前提出
○ 労働条件通知書に記載の業務以外は禁止
○ 勤務実態の把握・確認及び業務終了後の出勤簿提出
給与支給の流れ・手順
給与:雇用契約のもとに支払われる報酬(使用従属関係あり)
事業実施者
①業務内容等の説明及び従事意思確認
従事者
④業務実施
・勤務実態の把握・確認
・研究者(事業実施者)
は,学生等の勤務日
時を把握し,出勤簿
との整合性を確認し
てください。
研究者
・出勤簿に押印
⑤出勤簿提出
③発令及び
労働条件
通知書の
⑥給与支給
※遅くても勤務月の翌月
1日を目途に提出
※給与は勤務月
の翌月に支給
(提出期限は所属部局等の事務
へ確認してください。)
送付
【部局等事務室】
・出勤簿チェック
・給与支給手続き
・雇用申請書等,採用時提出書類のチェック
②雇用申請書等
・発令及び労働条件通知書作成
の事前提出
- 17 -
学生等
(13)謝金
● 謝金:雇用契約を結ぶ必要がない場合に支払われる報酬(使用従属関係なし)
※
講演,会議出席,指導・助言,原稿執筆,通訳,翻訳等があげられるが,指揮命令関係が生
じる等,使用従属関係がある場合は,研究補助者等として雇用(
「1.
(12)研究補助者の雇用」
参照)し,雇用契約を結ぶ必要があります。
特に注意しなければならない遵守事項
○
○
○
業務実施者に対する業務内容・期間・単価等の説明,及び意思確認
謝金支給事前届出書等の事前提出
業務の監督・確認及び業務終了後の謝金支給依頼書等の提出
謝金支給の流れ・手順
業務依頼者
①業務を依頼し,業務実施の意思を確認
業務実施者
③業務実施
・業務の監督・確認
研究者
・謝金支給依頼書等の作成
④謝金支給依頼書
等の提出
※業務終了後,速やかに
②謝金支給事前届出書
等の提出
業務の確認(適宜)
【財務部経理課】
【部局等事務室
及び財務部経理課】
※業務実施の1週間前
⑤謝金支給
※謝金支給依頼書提出後,
おおよそ2~3週間後に
支給
・謝金支給依頼書等,提出
書類のチェック
・謝金支給手続き
・謝金支給事前届出書等,提出書類のチェック
※
詳細は,会計業務マニュアル(学内限定)
「6-2 謝金」を参照してください。
http://north.finance.hokudai.ac.jp/~zaimu/
北海道大学HP→教職員向け→学内限定情報・システム→共通事務処理マニュアル→マニュアル→会計→6-2
- 18 -
(14)旅費
● 教職員の出張について,本学の経費から旅費を受領する場合や,他機関から旅費
を受領する場合がありますが,ここでは本学の経費から旅費を受領する場合の手続
※旅費システムを使用※
きについて説明します。
特に注意しなければならない遵守事項
○ 事前の出張申請
○ 旅行完了報告による旅行完了の証明
○ 証拠書類による旅行実態の証明
!!注意!!
○出張の際に会議等で食事の提供を受けた場
合や,学会等の参加費に食事代が含まれている
場合は,『二重の利益享受』にならないよう,
旅費の調整が必要になります(「1.
(9)立替
払」参照)。
○他機関から旅費を受領する等,旅費支給先が
複数ある場合は,『旅費の二重受領』にならな
いよう,十分注意してください。
旅費受領の流れ・手順
・用務内容は具体的に記入して
ください。
(例:○○学会に参加し,
[研究
課題]に関する情報収集を行
う。)
出張者
①
②
出張
旅費システム上で
「出張申請」
研究者
旅費システム上で
の事実
(事前に申請)
出張申請時
「旅行命令の承認に
必要な書類」の提出
・出張日時の確認が
できる書類
(学会の案内等)
旅費
受領
「旅行完了報告」
(出張終了後,速やかに)
③
「支払等を証明する証拠書類」
の提出(領収書・搭乗半券等)
・旅費業務を委託している JTB
に航空券の手配を依頼した場
合,領収書の提出は不要ですが,
利用する航空会社の種類等によ
っては,半券の提出が必要な場
合があります。
・外部資金等の取
り扱いにより,書
面での出張報告
が求められてい
る場合は,旅費シ
ステムから「出張
報告書」を作成し
てください。
【部局等事務室】
【旅費業務センター(JTB)】
・申請内容,提出書類のチェック
・証拠書類による旅行実態の確認を行
い,旅費計算を行う
電子決裁により旅行命令者
(部局等の長)の承認を得る
(14)旅費
※
詳細は,会計業務マニュアル(学内限定)
「6-1 旅費」を参照してください。
http://north.finance.hokudai.ac.jp/~zaimu/
北海道大学HP→教職員向け→学内限定情報・システム→共通事務処理マニュアル→マニュアル→会計→6-1
- 19 -
(15)物品管理
●
研究費による購入や寄附受,又は他機関からの異動による無償譲渡等により本学
が取得した物品の所有権は,本学又は研究費の交付元に帰属することになりますの
で,個人の所有物ではないことに注意する必要があります。
また,物品の使用者は善良な管理者の注意をもって,物品を使用する義務を負い
ますが,物品の取得,管理,処分等に係る権限は各部局等の事務(部)長となって
いますので,下記の事項を使用者が行うことはできません。
なお,研究費とは,本学で管理する全ての経費のことをいい,また,物品とは備
品・消耗品を問わず全ての物品をいいます。
消耗品だからという理由で勝手に廃棄することはできません。試薬等の消耗品は,
使用することで機能や形が失われて消費されますが,財産的価値が残っている消耗
品(例えば,取得価額 10 万円未満のパソコン,タブレット端末機,デジタルカメ
ラ,ビデオカメラなど)は注意が必要です。
禁止事項
○
物品を私用に用いたり,退職に伴い持ち出すこと
○
物品を許可なく廃棄,又は処分すること
○
物品を許可なく他者へ譲渡,又は貸付すること
○
物品を許可なく異動先へ持ち出すこと
○
物品の使用者や設置場所を許可なく変更すること
○ 学外者の物品を許可なく借入(※1),寄附受(※2),又は異動元から
持ち込むこと
(※1)
デモンストレーションによる借入を含む
(※2)
試供品等の提供を含む
具体的な各種手続きについては,事前に所属部局等の事務へ相談してください。
※
禁止事項に違反した場合,国立大学法人北海道大学職員就業規則及び国立大
学法人北海道大学役職員倫理規程違反として処分の対象となることがありま
す。
- 20 -
(16)図書の購入
● 図書の購入と管理についても,物品等と同様に本学の会計ルールに基づき取り扱
います。ただし,物品等とは異なる点もあります。詳しくは,附属図書館ホームペ
ージの「図書購入依頼について」(学内限定)を参照してください。
http://www.lib.hokudai.ac.jp/web/book-order-help/
北海道大学HP
→
附属図書館
→
図書館 Web サービス
→
図書購入申込み → 利用方法
【図書の購入の流れ】
①教員発注(主要取引先のみ)
教員
書店
納品検収センター
消耗品は
書店が研究室へ納品
納品検収センターで
検収
②納品
備品は
図書館経由で
研究室へ納品
附属図書館
購入依頼を受けた図書を
①図書館 WEB サービスで
図書購入依頼
(主要取引先・一般取引先)
附属図書館が発注
管理課
図書受入担当
※発注先が一般取引先の場合は,消耗品も図書館経由の納品となります。
※発注又は購入依頼の際には備品・消耗品の区別を正確に伝えてください。
備品とする図書の判断基準
「取得時又は製本時における使用予定期間が 1 年以上のもの」
(「国立大学法人北海道大学固定資産管理規程」より抜粋)
雑誌の定期購読は,
図書の購入と扱いが異な
ります。
詳しくは,附属図書館
管理課雑誌受入担当まで
お問い合わせください。
各研究室等に所蔵されている図書が適正に管理されていることを確認するため,蔵書点検を
実施しています。
蔵書点検は,附属図書館職員が研究室にお伺いして実施する場合と教員にお願いする場合が
ありますので,ご協力をお願いいたします。
- 21 -
2 研究活動上の不正行為防止
(1)科学者の行動規範
●
本学は,科学者の行動規範を定めています。
北海道大学における科学者の行動規範
科学と科学研究は人類社会の平和と安全および公正で豊かな未来のため
にあり,科学・技術の発展と科学者の主体的な判断に基づく研究活動は,社
会からの信頼と負託を前提としてはじめて社会的認知を得ることができる。
それゆえ,科学者は研究活動においてその透明性を維持し,社会に対する説
明責任を果たすとともに,厳しく高い倫理観を要求されていることを常に自
覚しなければならない。ここでいう「科学者」とは,人文・社会科学から自
然科学までを包含するすべての学術分野において,新たな知識を生み出す活
動,あるいは科学的な知識の利活用に従事する研究者,専門職業者を意味す
る。
こうした認識のもと,北海道大学は本学において研究活動を行うすべての
科学者が,日本学術会議が策定した「科学者の行動規範」(平成18年10
月3日制定 平成25年1月25日改訂)に基づき,研究活動を行うことを
宣言し,行動規範をここに定める。
1)科学者は,研究成果を論文等で公表することで,各自が果たした役割
に応じて功績の認知を得るとともに責任を負わなければならない。研究
の立案・計画・申請・実施・報告等の過程において,研究・調査データ
のねつ造,改ざん,盗用等の不正行為を行わず,またこれに加担しない。
2)科学者は,研究活動の透明性と説明責任を果たすために,実験や調査
の記録等の研究資料を適切に保存する。
3)科学者は,自らの行っている研究が社会の負託に応える重大な責務で
あることを強く自覚し,研究の実施,研究費の使用等にあたっては,法
令や関係規則を遵守する。
- 22 -
上記の他,以下も参照して下さい。
・日本学術会議
声明「科学者の行動規範-改訂版-」
http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-22-s168-1.pdf
・独立行政法人日本学術振興会
「科学の健全な発展のために-誠実な科学者の心得-(暫定版)
」
http://www.jsps.go.jp/pablications/data/rinri_j.pdf
・独立行政法人科学技術振興機構
研究者のみなさまへ~研究活動における不正行為の防止について~
http://www.jst.go.jp/researchintegrity/shiryo/pamph_for_researcher.pdf#zoom=75
- 23 -
(2)社会における研究行為の責務
●
科学の健全な発展を進めるためには,科学と社会の関係がより密接になっている
中において,科学者自らが研究活動を律するための研究倫理を確立する必要があり
ます。
科学者個人の自立性に依存する倫理として,
「科学者の責務」,
「公正な研究」,
「法
令の遵守」があります。
科学者の責務
科学者は,自分が生み出す専門知識や技術の質を担保する責任を持ち,さら
に自分の専門知識,技術,経験を活かして,人類の健康と福祉,社会の安全と
安寧,そして地球環境の持続性に貢献する責任を持っています。
科学者の意図に反して研究成果が悪用される可能性もあり,研究の両義性に
ついても認識する必要があります。
公正な研究
科学者は,研究成果を論文などで公表することで,各自が果たした役割に応
じて功績の認知を得ますが,同時に,論文の内容についても責任を負っていま
す。
科学研究の不正行為はあってはならないものであり,科学者は,責任ある研
究を実施し不正行為を防止できるような,公正を尊ぶ環境の確立と維持に向け
て貢献することも自分の重要な責務の一つであることを自覚する必要があり
ます。
法令の遵守
人間や動物を対象とした研究だけでなく,環境に影響を与えるおそれのある
研究,危険物を扱う研究など,さまざまな研究活動に関して,法令や規程,ガ
イドラインなどが定められているものがあります。関係する科学者は前もって
これらの研究に関する規程等を熟知し,適切な訓練を受け,それを遵守する必
要があります。
- 24 -
(3)研究の価値と責任
●
科学者は,自らが生み出す専門知識や技術の質を担保する責任を有し,さらに自
らの専門知識,技術,経験を活かして,人類の健康と福祉,社会の安全と安寧,そ
して地球環境の持続性に貢献するという責任を有しています。
研究の意義
科学者の知的な好奇心が,全ての研究活動の根底にあるのですが,特に現代
においては,研究から生みだされた知識や技術は,どのような分野のものでも,
社会や環境に影響を与える可能性を持っています。
研究を計画するに当たっては,科学と科学研究は社会と共に,そして社会の
ためにあるということについても念頭におき,自らの研究が,いかに人類の健
康と福祉,社会の安寧,そして地球環境の持続に貢献できるのかを真摯に考え
なければなりません。
研究の妥当性
研究には科学的な妥当性が必要です。研究の科学的な妥当性や独創性などを
確認するためには,先行研究を入念に調査・分析することは当然ですが,関連
する学会等が定める倫理綱領・行動規範などと,自分が計画している研究の目
的に整合性があるかどうかも見定めなければなりません。
- 25 -
(4)共同研究
●
最近は,研究室,研究機関,そして国境を越えた共同研究や,これまで考えられ
なかった分野の壁を越えた学際的な共同研究が増えてきています。共同研究におい
ては,個人の責任だけでなく,集団としての責任が求められます。
研究グループの代表責任者を決めること
機関の長が名目上の代表者となっている場合では,実際の研究責任者が不明
確になり,実質的に参加している科学者の個人研究の集合体でしかない共同研
究もないとは言えません。多様な科学者が参加する研究グループでは,すれ違
いが生じやすいだけに,全体を統合的に運営する責任者が必要です。
コミュニケーションを良くし、風通しのよい組織とすること
研究組織の規模が大きくなればなるだけ,意思疎通が難しくなり,情報や課
題の共有がおろそかになりがちです。企業と大学の共同研究に大学院生が参加
する研究は,研究成果発表の時期など相互の利益が一致しないこともあります
から,各メンバーはもちろんのこと,代表者をはじめとする中心となる科学者
は,組織のコミュニケーションを意識的に促進することが求められます。
役割分担と責任を明確にし、メンバー間で相互に理解しておくこと
共同研究者が具体的な取り決める事項として「ORI研究倫理入門
る研究者になるために」は,次の事項をあげています。
・プロジェクトの到達目標と想定される成果
・共同研究での各研究者の役割
・データの収集,蓄積,共有の方法
・研究計画を変更する方法
・発表原稿の執筆に責任を持つ人
・著者の順序と著者となる基準
・報告書や会議資料の提出に責任を持つ人
・共同研究について公式に説明する責任を持つ人
・知的財産権や所有権について解決する方法
・共同研究を変更する方法と終了の時期
- 26 -
責任あ
研究目標の明確化
共同研究に当たり,研究の目標の検討段階から共同研究者間でコミュニケー
ションをとるようにすべきであり,それは共同研究開始後に目標の変更を行う
際も同様です。
法令や指針等の理解
分野が異なる科学者が参加する場合,必ずしも,対象とする分野のガイドラ
インを熟知しているとは言えません。国際共同研究の場合には特に注意が必要
です。
研究記録の取り方、データ保存、利用方法等
研究データの扱いや帰属先は,研究資金や機関のルール,国によって異なり
ます。多様な関係者が参加する共同研究において特に重要です。
知的財産権の取り扱い
企業との共同研究においては,特許などの商品化につながる知的財産の帰属
について文書を取り交わす必要があります。それ以外にも共同研究者内部で特
許申請する可能性があり,各機関で定めるルールを確認することが必要です。
また,共同研究終了後にデータを利用した発表を行う場合のルールなどもあ
らかじめ決めておくと,トラブルを避けることができますので,共同研究開示
時点から合意を得ておくことが必要です。
成果発表のルールとオーサーシップ
オーサーシップは,当該研究への貢献を示し,科学者の業績となります。そ
のルール化は共同研究において極めて重要です。
オーサーシップの考え方は,研究分野によって異なりますので,異分野の科
学者参加する共同研究では,まずそれぞれの科学者が属する分野の考え方を共
有する必要があります。
- 27 -
大学院生と共同研究の位置
分野や研究室によって,大学院生の位置づけは異なりますが,研究目的や内
容,業務,役割分担について,教員と大学院生とが話し合い,信頼関係を築き,
共同研究の中で大学院生を成長させる視点が,指導教員のみならず,メンバー
全体に共有されることが必要です。
指導教員の一方的な見解の押し付けや大学院生のオリジナルの研究成果を
何の気なしに教員が自分の研究に使用することは大きな問題に発展します。
- 28 -
(5)研究の自由と守るべきもの
● 科学者の名の下に何をやってもよい,ということではありません。研究の自由は,
守るべきものを守る義務と責任を果たしてこそ保障されるものです。
守るべきもの
①
②
③
④
人類の健康と福祉に貢献すること
社会の安全と安寧に貢献すること
地球環境の持続性に貢献すること
研究環境の安全を確保すること
● 科学研究と産業が密接に連携する今日の社会において,科学者は複数の役割を担
う状況が生まれています。この複数の役割の間で,経済面での利益や損失などの利害
関係が生じるとき,科学にとって最も重要な価値である「客観性」に影響を与える,
あるいは,影響を与えるとみなされる状態を生むことがあります。これが利益相反で
す。
利益相反
研究を計画する際には,利益相反がないことを確認するか,利益相反がある
場合には,機関のルールや指針に従って,その開示を行うなど適切に対応する
必要があります。
利益相反とは,
「国立大学法人北海道大学利益相反マネジメント規程」により,以
下のようになっております。
第2条(定義)
教育及び研究に関する本学及び職員等としての責任と本学及び職員等が企業等と
の関係で得る利益又は責任が相反する次に掲げる状況をいう。
イ
職員等が産学官連携活動等によって利益(実施料収入,報酬,未公開株式等をい
う。ハにおいて同じ。)を得る行為と本学における教育及び研究に係る責任が相反
している状況
ロ
職員等が主に兼業活動により企業等に職務遂行責任を負い,かつ,本学におけ
る職務遂行の責任と企業等に対する職務遂行責任が相反している状況
ハ
本学が産学官連携活動等によって利益を得る行為と本学の社会的責任が相反し
ている状況
- 29 -
● 研究や教育のためであっても,規制対象の物品や技術を国外に持ち出した場合や,
例え国内であろうと技術を提供した場合,当該科学者とその所属機関は罰則の対象と
なります。
安全保障への配慮
国際的な安全保障の観点から,大量破壊兵器への転用の可能性がある貨物の
輸出や技術提供の管理については,世界の主要国間において国際的合意等に基
づき規制されています。日本では「外国為替及び外国貿易法」により安全保障
貿易管理が行われています。
安全保障輸出管理とは,
「国立大学法人北海道大学安全保障輸出管理規程」によ
り,以下のようになっております。
第2条(定義)
この規程において次の各号に掲げる用語の意義は,それぞれ当該各号に定めると
ころによる。
(1)
略
(2)
外為法等
外国為替及び外国貿易法(昭和 24 年法律第 228 号。次号において
「外為法」という。)及びこれに基づく政令,省令,通達等をいう。
(3)
技術の提供
外国における技術の提供若しくはこれを目的として行う特定
記録媒体等の輸出若しくは電気通信による情報の送信又は非居住者(外為法第
6 条第 1 項第 6 号に定める者をいう。)への技術の提供(非居住者へ再提供され
ることが明らかな居住者(外為法第 6 条第 1 項第 5 号に定める者をいう。)への
技術の提供を含む。)をいい,情報交換に伴うものを含む。
(4)
貨物の輸出
外国を仕向地として貨物を送付すること(貨物の国内における
送付で,外国を仕向地として送付されることが明らかなものを含む。)をいう。
(5)
輸出等
技術の提供又は貨物の輸出をいう。
(6)
輸出管理
(7)
特定重要貨物等
輸出等の取引の管理をいう。
外国為替令(昭和 55 年政令第 260 号)別表の 1 から 15 まで
の項の中欄に掲げる技術及び輸出貿易管理令(昭和 24 年政令第 378 号。第 11
号において「輸出令」という。)別表第 1 の 1 から 15 までの項の中欄に掲げる
貨物をいう。
- 30 -
(8)
該非判定
提供しようとする技術又は輸出しようとする貨物が,特定重要
貨物等に該当するかどうかを判定することをいう。
(9)
取引審査
該非判定の内容のほか,輸出等の取引の相手先又は相手先にお
ける用途の内容を審査し,本学として当該取引を行うかどうか又は当該取引
が経済産業大臣の許可を要するかどうかを判断することをいう。
(10)
核兵器等
核兵器,軍用の化学製剤若しくは細菌製剤若しくはこれらの散
布のための装置又はこれらを運搬することができるロケット若しくは無人航
空機であってその射程若しくは航続距離が 300 キロメートル以上のものをい
う。
(11) 通常兵器
輸出令別表第 1 の 1 の項の中欄に掲げる貨物(核兵器等に該当
するものを除く。)をいう。
(12) 開発等
開発,製造,使用又は貯蔵を行うことをいう。
- 31 -
(6)研究活動上の不正行為
● 本学では,研究活動上の不正行為について,「捏造」,「改ざん」,「盗用」,「二重
投稿」,「不適切なオーサーシップ」の五つを規定しています。
捏造
存在しないデータ,研究結果等を作成すること
改ざん
研究資料,機器及び過程を変更する操作を行い,データ,研究活動によって
得られた結果等を真正なものでないものに加工すること
盗用
他の者のアイデア,分析方法,解析方法,データ,研究結果,論文又は用語
を,当該者の了解又は適切な表示なく流用すること
二重投稿
他の学術誌等に既発表又は投稿中の論文と本質的に同じ論文を投稿すること
不適切なオーサーシップ
以下の全ての条件を満たすことがオーサーシップの条件である。
① 研究の構想・デザインや,データの取得・分析・解釈に実質的に寄与して
いること
② 論文の草稿執筆や重要な専門的内容について重要な校閲を行っていること
③ 出版原稿の最終版を承認していること
④ 論文の任意の箇所の正確性や誠実さについて疑義が指摘された際,調査が
適正に行われ疑義が解決されることを保証するため,研究のあらゆる側面に
ついて説明できることに同意していること
- 32 -
研究資料の保存
研究データ(実験ノート,実験記録,その他データ等),研究報告原稿並び
に発表記録等は,万が一,悪意の不正行為の申し立てがあった場合,不正行為
を疎明する資料となりますので,論文発表した研究資料のうち,文書や画像が
原則 10 年,標本などは原則 5 年の保存が必要です。
- 33 -
(7)後進の指導
● 科学研究は,それまで営々と積み上げられてきた知識の継承が前提となっていま
すが,研究を担う人を次の時代のために育てていくことも,科学の発展にとって,不
可欠であり,後進を指導することは現在の科学者にとっての大きな責任です。
メンターとしての指導責任
メンターは,
「科学者とは何であるか」,
「科学研究の目的とは何か」,
「それは
人類の福利にどのように貢献できるのか」といった,科学者の根源的な役割や
社会的責任に関わる問いを継続的に投げかけ,後進の科学者であるメンティー
(大学院生ら)との対話を通して,価値観の共有をはかり,
「科学者になること」
について指導する必要があります。
単なる「科学」教育ではなく,
「科学教育」を目指し,科学者が共有すべき価
値を健全な形で伝承し,社会からの信託の得られるプロフェッションとしての
科学者コミュニティの継続,発展に努める必要があります。
博士学生の指導と責任ある論文審査
指導教員は,博士学生が誠実な研究者として育つように十分な指導をしてい
く必要があります。
博士論文は研究論文の一つではありますが,博士論文が認められ博士の学位
が授与されるということは,誠実な科学者を養成する課程を修了したことの証
であり,博士の学位は世界中に通用することになります。そのため,その「質
の保証」には十分に意を配る必要があります。もし,質の保証が不十分なもの
になれば,学位を有する個々の科学者に対する信頼はもちろんのこと,科学研
究全体への信頼を傷つけることにもつながりかねません。
指導教員は,学位論文のテーマ設定から取りまとめに至るまで,きめ細かな
指導を行うことが必要ですし,論文の審査に当たっては,誠実な研究者として
の質の保証の責任を十分に認識し,透明性と公平性を持って審査に当たる必要
があります。
- 34 -
3 不正使用・不正行為に対する処分
●
研究費の不正使用及び研究活動上の不正行為があった場合,「個人」に対する処
分だけでなく,「研究機関」が交付元機関から処分を受けることがあります。
個人が受ける処分
【学内の処分】
国立大学法人北海道大学就業規則に基づき,懲戒処分(解雇,停職,出勤停止,減給,戒
告),又は訓告・厳重注意等の措置を受けます。
(「国立大学法人北海道大学における研究費の不正使用に関する規程」及び「国立大学法人北
海道大学における研究活動上の不正行為に関する規程」により,不正使用・不正行為があっ
た場合,合理的な理由のため公表を控える必要があると認めた場合を除き,速やかに調査結
果を公表するものとする。この場合において,公表する内容は,不正使用・不正行為に関与
した者の所属及び氏名,不正使用・不正行為の内容,公表時までに行った措置の内容,調査
委員の所属及び氏名並びに調査の方法及び手順とすることを基本とし,その他の情報につい
ても特に公表を控える必要があると認められる場合を除き,公表することになっています。)
【交付元機関からの処分】
競争的資金には,それぞれ制度ごとに応募資格停止,加算金を含めた資金返還等のペナル
ティが設けられています。詳細は,各競争的資金制度を確認してください。
(競争的資金の不正使用に係る応募制限)
不正使用及び不正受給に係る応募制限
の対象者
不正使用の程度
応募制限期間
10年
不正使用を行った研究者及びそれに共
謀した研究者
1.個人の利益を得るための私的流用
① 社会への影響が大きく,行
為の悪質性も高いと判断され
2.1.
るもの
以外 ② ①及び③以外のもの
③ 社会への影響が小さく,行
為の悪質性も低いと判断され
るもの
5年
2~4年
1年
偽りその他不正な手段により競争的資
金を受給した研究者及びそれに共謀した
研究者
5年
不正使用に直接関与していないが善管
注意義務に違反して使用を行った研究者
不正使用を
行った研究者の
応募制限期間の
半分(上限2
年,下限1年,
端数切り捨て)
善管注意義務違反とは?
自ら不正使用に関与していない場合でも,研究資金の管理責任者としての責務を全う
しなかった場合のこと。
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(競争的資金の不正行為に係る応募制限)
不正行為に係る応募制限の対象者
不正行為の程度
1.研究の当初から不正行為を
行うことを意図していた場合
など,特に悪質な者
不正
行為に 2.不正行為
関与し があった研
究に係る論
た者
文等の著者
当該論文等の
責任を負う著者
(監修責任者,
代表執筆者又は
これらのものと
同等の責任を負
うと認定された
もの)
10年
当該分野の研究の進展への影響や社会的影
響が大きく,又は行為の悪質性が高いと判断
されるもの
5~7年
当該分野の研究の進展への影響や社会的影
響が小さく,又は行為の悪質性が低いと判断
されるもの
3~5年
上記以外の著
者
3.1.及び2.を除く不正行
為に関与した者
不正行為に関与していないものの,不
正行為のあった研究に係る論文等の責任
を負う著者(監修責任者,代表執筆者又
はこれらの者と同等の責任を負うと認定
された者)
応募制限期間
2~3年
2~3年
当該分野の研究の進展への影響や社会的影
響が大きく,又は行為の悪質性が高いと判断
されるもの
2~3年
当該分野の研究の進展への影響や社会的影
響が小さく,又は行為の悪質性が低いと判断
されるもの
1~2年
【法律上の処分】
本学又は交付元機関から民事又は刑事告訴を受けることがあります。
研究機関が受ける処分
研究機関に対して,次のペナルティが科せられることがあります。
①
不正使用があった競争的資金において,事案に応じて,交付決定の取消し等,また,当
該競争的資金の一部または全部の返還。
②
不正行為が確認された研究活動に係る競争的資金において,事案に応じて,交付決定の
取消し等,また,当該競争的資金の一部または全部の返還。
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4 申立て窓口
●
本学では,以下のとおり研究活動上の不正行為及び研究費の不正使用に係る申立
て窓口を設置しています。
申立て窓口
名称:坂本・松田法律事務所
住所:〒060-0042
札幌市中央区大通西13丁目4番地レジディア大通公園3階
電話:011-251-3116
F A X:011-251-3118
面談受付時間:平日10:00~17:00
【申立ての方法】
申立ては,氏名,住所を明らかにして申立書を【面談(窓口へ持参)・郵送・FAX】
のうちいずれかの方法で申立て窓口に提出してください。
申立者は,それ以後の手続に氏名等の秘匿を希望することができます。
調査にあたっては,申立者に協力を求めることがあります。
申立て窓口:http://www.hokudai.ac.jp/research/injustice/contact/
北海道大学HP→研究・産学連携→研究活動上の不正行為及び研究費の不正使用への対応→研究活動上の
不正行為及び研究費の不正使用に係る申立て窓口
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「研究費の不正使用」,「研究活動上の不正行為」は,
学術研究に対する国民の信頼を損なうものです。
研究費の適正な執行・管理は,教職員の研究資金を守るためのものであり,また,
研究活動上のルールを理解することは,教職員の研究活動をより良いものとするため
に必要です。
このハンドブックは,教職員が大切な研究資金を適正に使用できること,並びに研
究過程で不正行為を行わないことを目的に作成したものですが,内容については改正
されることがあります。
北海道大学
研究戦略室
【このハンドブックに関する問い合わせ先】
北海道大学研究推進部研究振興企画課調査企画担当
TEL:011-706-2163
FAX:011-706-4873
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