M-シリーズ 操作説明書(日本語)

M-Series
432-0003-00-10
改訂 140
2011 年 1 月
操作説明書
© FLIR Systems, Inc., 2010. すべての国での無断複製転載を禁ず。FLIR Systems, Inc. の書面によ
る事前の許可なく、本書全体またはその一部を、いかなる電子メディアまたは機械が読み取りできる
形式に複写、コピー印刷、翻訳、または伝送することを禁じます。
本書に記載された製品に表示される名称および記号は FLIR Systems, Inc. および・または関連会社
の登録商標または商標です。本書にて参照されるその他の商標、商用名、または社名は識別のみを目
的に使用されており、各所有者の所有物です。
この製品は特許権、意匠権、出願中の特許権、または出願中の意匠権により保護されています。
M-Series 赤外線画像システムは、米国輸出法によって管理されています。このシステムには、海外
での販売や輸送が許可された特別バージョンがあります。不明点がある場合は、フリアーシステムズ
ジャパン株式会社 にお問い合わせください。
フリアーシステムズジャパン株式会社
〒 141-0021
東京都品川区上大崎 2-13-17
目黒東急ビル 5F
電話:03-6721-6648
FAX:03-6721-7946
www.flir.com/cvs
文書番号 : 432-0003-00-10、バージョン 140
文書履歴
改訂
日付
コメント
100
2009 年 6 月
初版発行
110
2010 年 2 月
M-320L および M-324XP のリリースと若干の変更
120
2010 年 3 月
若干の訂正と明確化
130
2010 年 12 月
M-625XP、M-324L、および M-625L のリリース
M-320L と M-626L の置き換え
140
2011 年 1 月
若干の訂正
この資料は、FLIR テクノロジー レベル 1 として管理されています。この資料に記載されている情報は、米国輸出管理規
則 (EAR) によって輸出を規制される軍民両用製品に関連しています。本書に記載されている FLIR の企業秘密は、法律に
よって公開が制限されます。米国の法律に反する転用は禁止されています。外国の個人または団体への輸出または譲渡に
は、特に禁止されていない限り、事前に米国商務省の認可は必要ありません。
内容
警告および注意 ........................................................................ 6
システムの説明 ........................................................................ 7
カメラ ビデオ オプション ......................................................... 8
複数のカメラおよび JCU オプション .......................................... 9
JCU の概要............................................................................. 9
ビデオ表示............................................................................ 12
ビデオ画面のアイコン............................................................ 12
シーン アイコン .................................................................. 13
システムの起動 ...................................................................... 15
起動プロセス ....................................................................... 15
M-Series ビデオ .................................................................. 19
JCU 電源メニュー .................................................................. 20
電源メニューへのアクセス ...................................................... 20
出荷時のデフォルト設定........................................................... 22
システムの操作と構成 ............................................................. 25
JCU のボタンを使用した操作 / 構成 ........................................... 26
構成メニュー ......................................................................... 28
[Video Setup] メニュー ......................................................... 29
Set Symbology.................................................................... 31
User Programmable Button ................................................. 32
System Setup..................................................................... 33
About/Help........................................................................ 38
システムのリセット機能........................................................... 40
JCU のリセット ................................................................... 40
カメラのリセット ................................................................. 40
操作のヒント ......................................................................... 41
トラブルシューティングのヒント ............................................... 42
画面上のメッセージ .............................................................. 45
出荷時のネットワーク設定の復元 ............................................. 46
M-Series の IP インターフェースおよび PC の操作 ....................... 47
M-Series Web コントロール .................................................. 48
Web コントロールの機能 ....................................................... 49
UPnP 構成.......................................................................... 53
ネットワーク設定 ................................................................... 57
カスタム ネットワーク アプリケーション..................................... 60
432-0003-00-10 改訂 140 M-Series 操作説明書
3
用語集
4
略語 / 用語
定義
AGC
自動ゲイン調整 (Automatic Gain Control)
ANSI
米国国家規格協会 (American National Standards Institute)
API
アプリケーション プログラミング インターフェース
(Application Programming Interface)
EAR
輸出管理規則 (Export Administration Regulations)
EMI
電磁妨害 (Electromagnetic Interference)
FFC
フラット フィールド補正 (Flat Field Correction)
FLIR
前方監視赤外線 (Forward Looking Infrared)
ICD
インターフェース管理情報 (Interface Control Document)
IEC
国際電気標準会議 (International Electrotechnical Commission)
IEEE
米国電気電子技術者協会
(Institute of Electrical and Electronics Engineers)
IR
赤外線 (Infrared)
JCU
ジョイスティック コントロール ユニット (Joystick Control Unit)
NMEA
全米船舶用電子機器協会 (National Marine Electronics Association)
P/T
パン / チルト (Pan/Tilt)
PoE
イーサネットを介した電源供給 (Power over Ethernet)
SCTE
CATV 通信技術者協会 (Society of Cable Telecommunications Engineers)
SDK
ソフトウェア開発キット (Software Developer's Kit)
VDC
ボルト (DC: 直流 )
VIS
可視光 (Visible)
432-0003-00-10 改訂 140 M-Series 操作説明書
第 1 章
M-Series システムの説明
M-Series 赤外線画像システムをお買い上げいただきありがとうございます。
このマニュアルでは、M-Series カメラの操作方法について説明します。サポート
が必要になった場合や、このマニュアルで取り上げられていない疑問がある場
合は、フリアーシステムズジャパン株式会社 サポート担当(電話:03-62775681)までお問い合わせください。
このマニュアルでは、次のトピックについて説明します。
• システムの説明
• システムの起動
• 構成メニュー
• 操作のヒント
カメラの設置方法については、
「M-Series 設置ガイド」(FLIR Doc.# 432-000300-12) を参照してください。
432-0003-00-10 改訂 140 M-Series 操作説明書
5
警告および注意
安全のため、また M-Series システムが最良のパフォーマンスで動作するために
も、M-Series カメラ システムの取り扱い、操作時にはこのマニュアルの警告と
注意に常に従ってください。
警告 : このマニュアルでは、負傷や死亡につながるおそれのある危険な電圧、電
流、温度などの条件、または装置の使用に関連して、そのような危険が発生する
可能性がある場合は、「警告」という通知を掲載しています。
注意 : 注意を怠ると装置の損傷につながるおそれがある場合は、「注意」という
通知を掲載しています。
注 : 装置を理解および操作するうえで特に重要な情報については、「注」という
通知によってユーザーに注意を促します。
警告および注意
警告 : M-Series 画像システムは、プライマリ ナビゲーション システムとして使
用しないでください。他のナビゲーション支援システムおよびプライマリの手動
ナビゲーション システムと組み合わせて使用してください。
警告 : 不十分なワイヤ ゲージを使用すると、火災につながるおそれがあります。
注意 : どのような理由があっても M-Series カメラ ユニットを開けないでくだ
さい。カメラを分解すると ( カバーの取り外しも含む )、修復不可能な損傷が生
じるおそれがあり、保証は無効になります。
注意 : M-Series のカメラ光学系に指紋を付けないように注意してください。
注意 : M-Series は、公称 12 ∼ 24V DC、最大 5 アンペアの電源を必要としま
す。絶対電圧範囲は 10 ∼ 32V DC です。指定された入力電圧または温度の範
囲外でカメラを動作させると、修復不可能な損傷が生じるおそれがあります。
注 : M-Series 赤外線画像システムは輸出規制品目です。米国外への輸出前に、米
国政府の認可を受ける必要があります。
本機は、電子廃棄物として処理する必要があります。適切な廃棄を行うために製
品を FLIR に返却する方法については、お近くの FLIR 代理店にお問い合わせく
ださい。
6
432-0003-00-10 改訂 140 M-Series 操作説明書
システムの説明
システムの説明
M-Series は、海事用の赤外線画像システムであり、ほとんどの船舶で使用でき
ます。システムには、シングル カメラ モデル (1 台の赤外線画像カメラを搭載 )
とデュアル カメラ モデル ( 赤外線画像カメラと可視光カメラの両方を搭載 ) と
いう、2 種類の構成が用意されています。
赤外線 (IR) カメラを使用することで、夜間やまったく光の
ない状況でも、温度差に基づいた画像処理が行われます。赤
外線カメラは熱赤外線エネルギーに反応するため、完全な
暗闇でも鮮明なビデオ画像を得ることができます。
デュアル カメラ モデルの場合、日中や微光環境では内蔵の
可視光カメラによって白黒 ( グレースケール ) 画像が提供さ
れます。また、夕暮れ時や沿岸部、港湾の入り口など、微
光環境では高度なナビゲーション機能を使用できます。
夜間の赤外線画像
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デュアル カメラ
M-Series は、ジンバル アセンブリ1 ( パン / チルト カメラ (赤外および可視画像)
ユニットとも呼ばれます ) およびジョイスティック コント
ロール ユニット (JCU) という 2 つのメイン コンポーネン
トで構成されています。このマニュアルでは、
「カメラ」という
用語は、使用されている文脈に応じて、カメラ ユニット /
ジンバル アセンブリ全体を指す場合、または赤外線カメラ
あるいは可視光カメラのいずれかを具体的に指す場合があ
ります。
M-Series のジンバルと JCU はネットワーク デバイスで
あり、イーサネットで相互に接続されています。構成によっ シングル カメラ
ては、追加のカメラや JCU が使用され、そのようなコン (赤外画像のみ)
ポーネントを相互接続するために Power Over Ethernet ス
イッチなどのネットワーク機器が使用される場合があります。
M-Series ジンバル アセンブリ
䊔䊷䉴
ジンバル アセンブリ
ジンバル アセンブリにはパン / チルト メカニズムが組み込まれており、カメラを
連続して方位角に 360° 回転させたり、上下に +/- 90° チルトしたりできます。
また、M-Series 画像センサーは、ジンバル アセンブリのボールに組み込まれて
います。
赤外線カメラには、長波長赤外線 (LWIR) 熱エネルギーに反応する非冷却酸化バ
ナジウム (VOx) 検出素子が使用されており、カメラを向けた方向にある原子また
は分子の動きによって発生する熱エネルギーに反応します。この熱エネルギー
は、氷山などの冷たい物体を含め、あらゆる物体から放出 ( または放射 ) されて
います。
1 ジンバルとは回転台の一種であり、1 つの軸を中心として物体 ( 船舶のコンパスなど ) を
回転させることができます。
432-0003-00-10 改訂 140 M-Series 操作説明書
7
システムの説明
ジョイスティック コントロール ユニット (JCU)
JCU は、カメラの電源投入またはスタンバイ モードへの移行、カメラのパン
( 回転 ) およびチルト操作、画面上のメニューによるカメラ設定の構成を実行す
る目的で使用します。JCU は、イーサネットによってカメラに接続されていま
す。また、この接続を使用して JCU に電力が供給されています。
JCU には、さまざまなボタンや LCD 画面に加え、「パック」と呼ばれるジョイ
スティックが用意されています。このパックを使用して、パン / チルト動作を制
御したり、画面上のメニューを操作したりします。パックは、両方向への回転や
前後左右への移動に加え、押下 ( ボタンと同様の操作 ) や引き上げが可能です。
ジョイスティック コン
トロール ユニット
その他のコンポーネント
設置方法によっては、追加のカメラや JCU、ビデオ機器、ネットワーク機器な
ど、その他のコンポーネントによってシステムが構成される場合があります。単
順な構成では、イーサネット ケーブルを使用して JCU をカメラに直接接続しま
すが、複雑な構成の場合は、ネットワーク スイッチを使用して、カメラと JCU を
相互接続します。ネットワーク スイッチが Power over Ethernet (PoE) に対応
していない場合は、PoE インジェクタを使用して JCU に電力を供給できます。
FLIR PoE インジェクタは、M-Series カメラの販売元から入手できます。
JCU、PoE 機器、ビデオ配信増幅器、ケーブル、コネクタ、取り付け器具など、
利用可能なアクセサリの詳細については、弊社電話:03-6277-5681 までおか
けいただき、お問い合わせください。
カメラ ビデオ オプション
M-Series カメラにはビデオ ケーブル (「IR」というラベルが付いています ) が
付属しており、赤外線カメラからコンポジット ( アナログ ) ビデオ信号を伝送す
る目的で使用します。また、デュアル カメラ モデルの場合は別のビデオ ケーブ
ル (「VIS/IR」というラベルが付いています ) も付属しており、赤外線カメラま
たは微光 ( 可視光 ) カメラのいずれかからビデオ信号を伝送するために使用しま
す。これは、JCU からの切り替えが可能です。
このため、デュアル カメラから伝送されたビデオは、1 台または 2 台のディス
プレイに表示できます。1 台のディスプレイと 1 本のビデオ入力だけを使用でき
る場合は、
「VIS/IR」というラベルのケーブルをディスプレイに接続します。ディ
スプレイに複数のビデオ入力が用意されている場合は、両方のビデオ ケーブルを
1 台のディスプレイに接続できます。このような設置方法の場合、赤外線カメラ
と可視光カメラのビデオ チャネルの切り替えは、JCU ではなくディスプレイ コン
トロールを使用して実行します。
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432-0003-00-10 改訂 140 M-Series 操作説明書
JCU の概要
ボール アップ / ボール ダウン
多くの場合、M-Series は、パン / チルト ベースがカメラの下にある上向きの状
態で取り付け面に取り付けられます (「ボール アップ」方向と呼ばれます )。ま
た、状況によっては、上下を逆にした吊り下げた状態でユニットを取り付けるこ
ともできます (「ボール ダウン」)。ボール ダウンで取り付ける場合は、ビデオ
が正しく表示され、パン / チルト制御を適切に操作できるように、カメラをボー
ル ダウン モードに設定する必要があります ( カメラの設定方法については、
「シ
ステムの操作と構成」セクションを参照してください )。
上向き取り付け
( ボール アップ )
特に指示されていない限り、このマニュアルに記載されている情報は、上向きに
取り付けた状態を想定したものです。ボール ダウン構成の詳細については、「構
成メニュー」セクションを参照してください。
複数のカメラおよび JCU オプション
複数の JCU を使用してカメラを制御したり、複数のディスプレイを使用してビ
デオを表示したりできます。また、1 台の JCU を使用して複数のカメラを制御
することもできます。
下向き取り付け
( ボール ダウン )
電源/DIM
Menu
Scene
ディスプレイ
User
多くの場合、JCU でカメラ位置 ( パンおよびチルト ) を変更しながらビデオを表
示できるように、JCU とビデオ モニターは近い場所に 1 組で設置します。
JCU は、付属の二重シールド イーサネット ケーブルを使用して、カメラに直接
接続できます。この場合、JCU の電力はカメラから供給されます。また、カメラ
と JCU は、イーサネット スイッチを経由して接続することもできます。この場
合、複数のカメラや JCU を使用することができ、JCU の電力はイーサネットか
ら供給されます。そのため、PoE インジェクタまたは PoE スイッチが必要にな
ります。
1 台の JCU で複数のカメラを制御する場合、ユーザーは、制御対象のカメラを
JCU のメニューで選択できます。JCU の LCD ディスプレイには、現在選択され
ているカメラの名前が表示されます。システムに複数の JCU が設置されている
場合、カメラは、システム内のどの JCU のコマンドにも反応します。
Home
JCU の概要
Color
パック
JCU は、M-Series カメラを制御する主な手段として機能し、カメラの移動 ( パン
またはチルト )、カメラの電子ズーム ( 拡大 / 縮小 )、赤外線カメラと可視光カメ
ラの切り替え、画質の調整、画面上のメニューへのアクセスを実行する目的で使
用できます。
ジョイスティック コントロール ユニット
432-0003-00-10 改訂 140 M-Series 操作説明書
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JCU の概要
このセクションでは、JCU に用意されているボタンなどの各機能について簡単
に説明します。各ボタンとその機能の詳細については、このマニュアルの後続の
セクションで説明します。
電源 /DIM
電源ボタンは、カメラを起動するために使用します。このボタンを押すと、カ
メラがスタンバイ モードから電源オンに移行します。また、カメラをスタンバ
イ モードに戻す場合もこのボタンを使用します。電源ボタンについては、「シ
ステムの起動」セクションで詳細に説明します。
電源ボタンは、JCU 表示の明るさのレベルを選択する場合にも使用します。JCU の
コントロール類は、夜間でも見やすいようにバックライトで照らされています。
このボタンを使用して、JCU のバックライトの明るさを見やすいレベルに調整
できます。明るさのレベルは 4 段階で、ボタンを押すたびに順番に切り替わり
ます。
MENU
MENU ボタンは、画面上のメニューを表示または非表示にするために使用しま
す。画面上のメニューが表示されている場合は、ジョイスティック パックを使
用してメニューを操作したり、各種メニュー項目を選択したりできます。画面上
のメニューについては、「構成メニュー」セクションで説明します。
USER
USER ボタンは、プログラム可能なワンタッチ ボタンです。よく使用する設定
や機能にすばやくアクセスする目的で使用します。デフォルトでは、[Invert
Video Polarity] ( ビデオ極性の反転 ) に設定されています。
SCENE
SCENE ボタンを使用すると、あらかじめ構成された一連の画像設定を順に切り
替えることができます。このボタンを使用して、条件ごとに最適な設定を選択し
ます。SCENE ボタンを使用してビデオを最適化する方法の詳細については、
「JCU のボタンを使用した操作 / 構成」セクションを参照してください。
COLOR
COLOR ボタンを押すと、赤外線カメラのビデオがグレースケール モードまたは
カラー モードに切り替わります。夜間の暗闇で表示する場合、出荷時のモード
設定では、ユーザーの暗視能力を最適な状態に保つために赤いビデオ画像が使用
されます。デフォルトの色設定は、ユーザーが選択できます。
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432-0003-00-10 改訂 140 M-Series 操作説明書
JCU の概要
HOME
HOME ボタンは、カメラをホーム位置に移動したり、特定の位置をホーム位置と
して選択したりする目的で使用します。ホーム位置はプログラム可能なプリセッ
ト位置で、通常は基準位置として使用できるように、まっすぐ前方を向いた水平
位置に設定します。
JCU パック
JCU パックは、ジョイスティックと同様に機能し、前後左右に動かしたり、両方
向に回転したりできます。また、マウス クリックのように押下したり、引き上げ
たりすることもできます。JCU パックは、カメラのパン / チルト位置を移動した
り、画面上のメニューを操作したりする目的で使用します。
パックを使用して M-Series カメラを左右に旋回したり、上下にチルトしたりし
ます。
パン - パックを左回りに回転させる ( ひねる ) と、M-Series が左に旋回します。
右回りに回転させると、M-Series が右に旋回します。
チルト - パックを前に ( 船主側に ) 押すと、カメラが下に傾きます。手前に ( 船尾
側に ) 引くと、カメラが上に傾きます。
ズーム - 1 秒間押し続けると IR カメラの 2X 電子ズームがオンになり、2 秒間
押し続けると 4X ズームがオンになります (M-6xx モデルのみ )。また、パックを
引き上げると 2X ズームに戻り、もう一度引き上げるとズームなしに戻ります。
微光 ( 可視光 ) カメラでは、ズーム機能を使用できません。
フリーズ - IR ビデオを一時的に停止し、現在の画像を画面上でフリーズ ( 静止 )
させるには、ダブルクリックします ( すばやく 2 回押します )。JCU で別の操作を
実行する ( パックを動かしたりボタンを押したりする ) と、画像のフリーズが解
除されます。
パックにはプロポーショナル コントロールが採用されているため、回転させる速
度や中心から移動させる速度が速いほど、カメラの動きも速くなります。
JCU ディスプレイ
電源がオンの状態の JCU
( 表示およびボタンがバックライト
で照らされた状態 )
通常、JCU ディスプレイには、JCU が接続されているカメラの名前が表示され
ます。また、さまざまな JCU のステータス メッセージや、電源ボタンを押し続
けた場合に電源メニューにアクセスルまでのカウントダウン (3、2、1、0) も表
示されます。
432-0003-00-10 改訂 140 M-Series 操作説明書
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ビデオ表示
ビデオ表示
M-Series 熱画像撮影装置は、通常のカメラのように可視光線から画像を生成す
るのではなく、熱赤外線エネルギーを使用して画像を生成します。わずかな温度
差を感知し、その差に基づいて画像を生成します。
赤外線カメラがホワイト ホット モードの場合、シーンの中で温度が高いものは
白や薄いグレーで表示され、温度が低いものは黒や濃いグレーで表示されます
( ビデオ極性を切り替えると、白と黒が反転します )。
ビデオ画面のアイコン
以降のセクションでは、カメラの設定や押している JCU のボタンに応じて画面
に表示される記号について、簡単に説明します。
注 : 記号およびメニュー機能は、赤外線画像でのみ使用できます。
アイコンには、常に画面に表示されるものの他に、一時的に表示されるもの、ま
たは特定の機能を有効にした場合のみ表示されるものがあります。表示するアイ
コンまたは表示しないアイコンを制御するために、複数の構成設定が用意されて
います。各設定および画面上のメニューの詳細な説明については、「システムの
操作と構成」セクションを参照してください。
下の図は、いくつかのアイコンと画面上のメニューが表示された画面の例を示し
たものです。
画面上のメ
ニュー
リアビュー
アイコン
位置表示
12
JCU アイコン
PC アイコン
シーン アイコン
432-0003-00-10 改訂 140 M-Series 操作説明書
ビデオ表示
画面上のメニュー
画面上のメニューは、MENU ボタンを押すと表示されます。メニュー項目は、
ジョイスティック パックを使用して選択します。もう一度 MENU ボタンを押す
と、メニューが画面に表示されなくなります。
位置表示
方位角表示には、船舶との相対によるカメラの方位角 ( 方向 ) が表示されます。陰
影の付いた三角形は、カメラのおおよその視野 (FOV) を表しています。
JCU アイコン
単一の JCU アイコンは、カメラに現在接続されている JCU が 1 台だけである
ことを示します。複数の JCU が検出された場合は、複数の JCU を示すアイコン
が画面に表示されます。
PC アイコン
PC アイコンは、カメラが接続されているネットワークに PC が存在することを
示します。FLIR では、船舶用電子機器のインテグレーターが、M-Series 赤外線
カメラなどの船舶用電子機器を組み込んだネットワークを構築するためのカス
タム ソフトウェア アプリケーションを開発できるように、ソフトウェア開発
キット (SDK) を提供しています。詳細については、カメラを購入した FLIR 販売
店にお問い合わせいただくか、FLIR に直接お問い合わせください
( 電話 : 03-6277-5681)。
シーン アイコン
Day Running
Night Running
Man Overboard
Night Docking
SCENE ボタンを押すと、プリセットされた 4 種類の自動ゲイン制御 (AGC) 設定
が切り替わります。4 種類のプリセットを切り替えることで、画像のゲインおよ
びレベル設定が変化します。バランスの取れた高品質な画像を提供するため、
SCENE の設定にかかわらず、赤外線カメラはシーンに合わせて自動的に調整さ
れます。ただし、状況によっては、デフォルトよりもコントラストに強弱を付け
た画像のほうが適している場合もあります。そのような場合は、SCENE ボタンを
押すことで微調整することができます。
どの設定を使用すべきかは、個人的な好みと環境的条件によって異なります。日
中に開放水域で動作させている場合でも、[Man Overboard] 設定のほうが見やす
い場合も考えられます。
432-0003-00-10 改訂 140 M-Series 操作説明書
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ビデオ表示
リアビュー アイコン
リアビュー アイコンは、[System Settings] メニューで [Rearview Mode] オプ
ションが選択されていることを示します。リアビュー設定では、ビデオ画像の左
右が水平方向に反転されます。ディスプレイに表示される画像は、自動車のバッ
クミラーに映し出される景色と同じです。船尾から右舷側に遠ざかる物体は、ビ
デオの右側に表示されます。
ホーム アイコン
ホーム アイコンは、カメラがホーム位置にあることを示すために一時的に表示
されます。新しいホーム位置が設定されると、このアイコンが点滅します。
ズーム (2X or 4X2 )
パックを押し続けると、赤外線カメラが 2X 拡大のデジタル ズームに切り替わ
ります。また、もう一度押し続けると、赤外線カメラが 4X 拡大のデジタル ズー
ムに切り替わります (M-6xx モードのみ )。パックを引き続けると、赤外線カメラ
が縮小ズームを行います。
標準 ( ズームなし )
2X ズーム
4X ズーム
画像のフリーズ
パックをダブルクリック (2 回連続して、すばやく押す ) するとフリーズされた
画像が表示され、ビデオが一時的に停止します。任意のボタンを押したり、パッ
クを動かしたりすると、ライブ ビデオに戻ります。この機能は、赤外線カメラ
でのみ使用できます。
2 4X ズームは、すべてのモードで使用できるわけではありません。
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432-0003-00-10 改訂 140 M-Series 操作説明書
第 2 章
M-Series システムの起動
システムの起動
M-Series カメラを動作させるには、LAN ネットワーク上の他のデバイスから
「wake」コマンドを受信する必要があります。このセクションでは、システムの
起動プロセスと各種カメラ モードについて説明します。
プロセスを開始するには、ビデオ モニター / ディスプレイの電源をオンにし、
ディスプレイのビデオ ソースとして M-Series 赤外線カメラを選択します。ほとん
どのマルチファンクション ディスプレイ (MFD) では、使用可能な複数の入力か
ら選択できるようになっています。
通常、M-Series システムは回路ブレーカーを経由して電源に接続されており、シ
ステムのプライマリ「オン /オフ」スイッチとして機能します。カメラ自体にオン /
オフ スイッチはありませんが、JCU に電源スイッチが用意されており、カメラ
の状態を制御する目的で使用されます。
カメラに通電している場合は、起動、スタンバイ、電源オンのいずれかの状態に
なります。カメラの電源は、回路ブレーカーがオフにならない限りオフになりま
せん。JCU の電源ボタンを使用してシステムを「電源オフ」にした場合、カメラ
は低電力のスタンバイ モードに移行し、wake コマンドを待機します。
起動プロセス
回路ブレーカーからシステムに電力が供給されると、カメラは最初に前後の回転
と上下のチルトを行うことで短時間のパン / チルト初期化処理を実行し、起動
シーケンスを開始します。
JCU に電力が供給されると、電源 /DIM ボタンのアンバーのライトが点灯しま
す。電源 /DIM ボタンを押すと、JCU はネットワーク上の M-Series カメラを検
索します。
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システムの起動
トラブルシューティングのヒント : iJCU に電力が供給されていない場合は、電
源がオンになっていない Power over Ethernet (PoE) スイッチに接続されてい
るか、PoE 電源を供給していないネットワーク スイッチ接続されている可能性
があります。
起動モード
以降のセクションでは、回路ブレーカー電力が供給され、カメラに電力が供給さ
れるとどのような動作が発生するのかについて説明します。カメラは約 55 秒
間、起動状態が保持されます。起動プロセスの間、モニターには、ライブ ビデ
オが一瞬だけ表示された後で起動画面とメッセージが表示されます。この状態
は、カメラがスタンバイ モードに移行するまで継続します。
最初に、左の図のような FLIR のスプラッシュ画面が表示されます。その後、次の
2 種類の重要な通知が示された別のスプラッシュ画面が表示されます。
警告 : M-Series 画像システムは、プライマリ ナビゲーション システムとして使
用しないでください。プライマリ ナビゲーション システムおよび他のナビゲー
ション支援システムと組み合わせて使用してください。
注 : M-Series 赤外線画像システムは輸出規制品目です。米国外への輸出前に、米
国政府の認可を受ける必要があります。
スプラッシュ画面が表示された後で、ビデオ画面には「Loading, please
1 というメッセージが表示されます。起動が完了するとライブ ビデオ
wait...」
が一瞬だけ表示された後で何も表示されなくなり、カメラがスタンバイ モード
に移行したことが示されます。また、カメラの光学系を保護するため、ジンバル
アセンブリはストウ位置に移動します。
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432-0003-00-10 改訂 140 M-Series 操作説明書
システムの起動
カメラの検出
システムの起動が完了した後で電源 /Dim ボタンを押すと、JCU はネットワーク
上で使用可能なすべてのカメラを自動的に検出します。カメラの初回起動時は、
JCU をカメラに関連付ける必要があります。JCU を初めてカメラに接続する場
合は、JCU のディスプレイに「Select Camera」と表示されます。使用可能な
カメラのリストをスクロールしてパックを押して (「クリック」して )、JCU ディ
スプレイに表示されているカメラを受け入れます。また、初回起動後は、最後に
リンクされていたカメラに自動的に接続します。
トラブルシューティングのヒント : JCU によってカメラが検出されない場合は、
JCU とカメラがネットワーク経由で相互に接続されていること、または 1 本の
ケーブルで直接接続されていることを確認してください。
カメラの起動中に電源 /Dim ボタンを押すと、JCU LCD 画面には、ネットワー
ク上でカメラが検出されるまで「Searching...」と表示されます。ネットワーク
上に複数のカメラが存在する場合、JCU はそれらのカメラをすべて検出するた
め、ユーザーがその中の 1 台を選択する必要があります。検出されたカメラのリ
ストは、パックを前後に移動することでスクロールできます。カメラを選択する
と、次回 JCU の電源をオンにしたときに、JCU は前回接続されていたカメラに
デフォルトで接続します。
注 : JCU ディスプレイに下向きの矢印 (V) が表示されている場合は、パックを下
( 船尾側 ) に動かすか時計回りに回転させることで、追加のメニュー項目にアクセ
スできることを示します。また、上向きの矢印 (^) は、ディスプレイに前回のメ
ニュー項目が表示されていて、他の項目にアクセスするには、パックを上 ( 船主
側 ) に動かすか反時計回りに回転させる必要があることを示します。二重の矢印
は、メニュー内を上下に移動できることを示します。
スタンバイ モード
起動シーケンスが完了すると、カメラは起動モードからスタンバイ モードに移行
します。スタンバイ モードでは、厳しい海の状況などでもカメラを所定に位置に
保つため、パン / チルト モーターが高出力モードで作動します。スタンバイ モード
では、カメラからはビデオ ケーブル経由でライブ ビデオ信号が提供されません。
また、ジンバル アセンブリは、JCU からのいかなるコマンドやボタン操作にも
反応しません ( 電源 /DIM ボタンを除く )。カメラの光学系を保護するため、カメ
ラ ボールはまっすぐ下を向いた状態になります。
注 : デュアル カメラの電源が投入
されると、最初に両方のチャネル
の IR ビデオが表示されます。前回
カメラの電源をオフにしたときに
可視光カメラが選択されていた場
合は、IR/VIS ビデオ チャネルが
可視光カメラに切り替わります。
1 ビデオ画面に表示されるメッセージの詳細については、
「システムの操作と構成」の章の
「トラブルシューティングのヒント」セクションを参照してください。
432-0003-00-10 改訂 140 M-Series 操作説明書
17
システムの起動
電源の投入
カメラの電源を投入するには、JCU の電源/DIM ボタンを 3 秒間押し続けます。
カメラは、スタンバイ モードから電源オンの状態に切り替わります。M-Series
のジンバル アセンブリが電源オン モードに移行すると、2 種類のスプラッシュ
画面が表示された後で、カメラからのライブ ビデオ映像がモニターに表示され
ます。カメラはホーム位置まで回転し、ボールはホーム位置まで上にチルトします。
また、画面には JCU アイコンが一時的に表示されます。JCU ディスプレイでは、
カメラの名前が一瞬点滅し、そのカメラが選択されていることが示されます。こ
こまでのプロセスが完了すると、カメラは JCU のボタン操作やジョイスティッ
ク パックの動きに反応するようになります。
電源の切断
カメラが電源オン モードのときに電源 /Dim ボタンを 2 秒以上押し続けると、
ディスプレイにカウントダウン (3、2、1、0) が表示されます。カウントダウン
が終了すると JCU は JCU 電源メニュー2 に移動し、ディスプレイに「v Power
Menu」と表示されます。ここでは、JCU パックを使用して、次のメニュー オプ
ションを選択できます。
Power Menu
Assign JCU
JCU Stndby?
Camera Stndby?
System Stndby?
Global Stndby?3
Calibrate JCU
Cancel
各メニュー項目については、この後の「JCU 電源メニュー」セクションで詳細
に説明します。
注 : JCU で [Camera Stndby?]、
[System Stndby?]、ま た は [Global
Stndby?] のいずれかを選択しても、カ
メラが完全にシャットダウンされるわけ
ではありません。カメラはスタンバイ
モードに移行し、モーターは動作状態を
維持します。このモードでは、JCU から
の「wake」コマンドを待機します。
[Camera Stndby?]、[System Stndby?]、または [Global Stndby?] のいず
れかのオプションを選択すると、カメラはストウ ( パーキング ) 位置に移動し、
スタンバイ モードに移行します。通常、ストウ位置では、カメラのレンズを保
護位置にするため、ボールが下向きに回転します。ストウ位置は、画面上の構成
メニューを使用して設定できます。
カメラを長期間にわたって使用しない場合で、電力を節約することが望ましい場
合は、まず上記の説明に従って、カメラの電源を JCU から切断することをお勧
めします。カメラの電源を JCU から切断すると、カメラはストウ位置になりま
す。その後で、システムの回路ブレーカーをオフにします。回路ブレーカーを
もう一度オンにすると、カメラは再度起動シーケンスを一通り実行します。
2 JCU 電源メニューの詳細については、「JCU 電源メニュー」セクションを参照してく
ださい。
3 [Global Stndby] は、複数の JCU が検出された場合のみ表示されます。
18
432-0003-00-10 改訂 140 M-Series 操作説明書
システムの起動
M-Series ビデオ
M-Series 赤外線カメラは、デフォルトでは「レッド ホット」モードで起動しま
す。多くの場合、明りがほとんどない、あるいはまったくない状況でシステムを
オンにすることになるため、オペレータの暗視能力を確保するうえでレッド ホッ
ト モードが役立ちます。ホワイト ホット表示モードを選択する場合は、JCU の
COLOR ボタンを押すだけで切り替えられます。また、構成メニューでは、シス
テムの電源投入ごとに使用するデフォルトの色設定を保存することもできます。
レッド ホット モード
ホワイト ホット モード
ここまでの操作により、システムの起動プロセスが完了し、問題がなければすぐ
に使用を開始できます。システムの使用方法、特に JCU ボタンとパックの操作
については、船舶が安定した状態で慣れておくことをお勧めします。まずは
SCENE、COLOR、USER の各ボタンの使用から始め、表示されるビデオにそれ
ぞれがどのような影響を与えるのかについて把握しておく必要があります。
432-0003-00-10 改訂 140 M-Series 操作説明書
19
JCU 電源メニュー
JCU 電源メニュー
JCU は、他の多くのジョイスティック デバイスよりも高度な装置です。独自の
マイクロプロセッサを備え、ネットワーク上の IP デバイスとの通信に対応して
います。システムの制御を支援するため、JCU には、JCU メッセージやメニュー
オプション、一般的なステータス情報を表示する LCD ディスプレイが装備され
ています。さまざまな JCU の機能には、一連のメニューからアクセスでき、各
メニュー項目は JCU ディスプレイでの選択が可能です。
JCU パックは、メニュー内で上下にスクロールするために使用します。また、
パックを押す ( クリックする ) ことで、メニュー項目を選択することができます。
JCU が電源メニュー モードの場合、HOME、COLOR、SCENE、USER といった
他の JCU ボタンは無効になります。
電源メニューへのアクセス
カメラが電源オン モードのときに電源 /DIM ボタンを押し続けると、JCU が
JCU 電源メニューに移行し、[v Power Menu] と表示されます。
JCU パックを使用して、次のメニュー オプションから選択できます。
Power Menu
Assign JCU
JCU Stndby?
Camera Stndby?
System Stndby?
Global Stndby?
Calibrate JCU
Cancel
これらの各オプションについては、以降で説明します。
注 : JCU ディスプレイに下向きの矢印 (V) が表示されている場合は、パックを
下 ( 船尾側 ) に動かすことで、追加のメニュー項目にアクセスできることを示し
ます。また、上向きの矢印 (^) は、ディスプレイに前回のメニュー項目が表示さ
れていて、他の項目にアクセスするには、パックを上 ( 船主側 ) に動かす必要が
あることを示します。二重の矢印は、メニュー内を上下に移動できることを示し
ます。
Power Menu
ディスプレイに [Power Menu] と表示されている場合は、電源メニューに移行
していることを示します。パックを使用して、他のメニュー オプションを下方
向にスクロールします。[Power Menu] を終了するには、[Cancel] までスクロー
ルします。
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432-0003-00-10 改訂 140 M-Series 操作説明書
JCU 電源メニュー
Assign JCU
[Assign JCU] 機能は、JCU をカメラに割り当てるために使用します。[Assign
JCU] 項目を選択すると、「v Select Camera」というプロンプトが表示されま
す。これは、パックを使用してリストをスクロールし、制御するカメラを選択で
きることを示します。目的のカメラ名がディスプレイに表示されたら、パックを
押してそのカメラを選択します。カメラ名が一時的に点滅し、そのカメラが選択
されたことが示されます。
JCU Stndby?
[JCU Stndby?] オプションを選択すると、ディスプレイに一時的に「Goodbye」
と表示され、コントロール類とディスプレイのバックライトがオフになります。
この状態の場合、JCU のボタンやパックを操作してもカメラを制御できません。
電源 /DIM ボタンは、JCU に電力が供給されている限り、バックライトが点灯
し続けます。JCU の電源を再度投入するには、電源 /DIM ボタンを押し続けます。
Camera Stndby?
[Camera Stndby?] オプションを選択すると、カメラはストウ ( パーキング ) 位
置に移動し、スタンバイ モードに移行します。通常、ストウ位置では、カメラの
光学系を保護位置にするため、ボールが下向きに回転します。ストウ位置は、画
面上の構成メニューを使用して設定できます。
JCU ディスプレイには、ユーザーに制御対象のカメラを選択するように要求する
プロンプトが表示されます。同じカメラを選択すると、カメラが電源オン モード
に戻ります。
System Stndby?
[System Stndby?] オプションを選択すると、上記で説明されているように、
JCU とカメラの両方の電源がオフになります。
Global Stndby?
グローバル スタンバイは、JCU から送信されるコマンドで、検出されたすべて
のカメラと JCU の電源が切断されます。この機能は、システムの回路ブレーカーを
使用して電力を遮断する前に、すべてのカメラ ( ストウ位置に戻す ) と JCU を適
切にシャットダウンする目的で使用します。[Global Stndby?] を選択すると、
すべての JCU とネットワーク上で検出されたカメラがスタンバイ モードに移行
します。グローバル スタンバイは、SCENE、COLOR、HOME の各ボタンを同時
に 3 秒間押して実行することもできます。
Calibrate JCU
[Calibrate JCU] 機能は、JCU パックをキャリブレーションするために使用し
ます。この機能は、パックを左に押した場合と右に押した場合、または回転させ
る方向によってカメラの反応速度が異なる場合などに使用します。JCU ディスプ
432-0003-00-10 改訂 140 M-Series 操作説明書
21
出荷時のデフォルト設定
レイには、パックを特定の方向に動かしたり回転させたりするように指示が表示
されます。これにより、デバイスのキャリブレーションが実施されます。
キャリブレーション時は、パックを各方向にそれぞれいっぱいまで動かすように
指示されます。この操作が完了してパックを押すと、次の手順に移動します。た
とえば、
「Rotate CW/CCW」と表示された場合は、パックを時計回りにいっぱ
いまで回転させてから、反時計回りにいっぱいまで回転させる必要があることを
示します。両方向への操作が完了したら、パックを押して続行します。
Cancel
[Cancel] オプションを選択すると、JCU が電源メニューを終了し、通常の状態
に戻ります。
出荷時のデフォルト設定
次の表は、M-Series 構成オプションの出荷時のデフォルト設定を示したものです。
表 1.
オプション
o
o
ホーム位置
0 ( 方位角 )、0 ( 上下 )
ストウ位置
0o ( 方位角 )、-90o ( 上下 )
シーン
Night Running
熱を表す色のデフォルト
赤
極性
レッド ホット、ブラック
コールド
Invert Video Polarity
( ビデオ極性の反転 )
USER ボタン
カラー赤外線ビデオ
記号
22
出荷時のデフォルト
有効
Display Minimal Icons
( 最小限のアイコンを表示 )
ボール ダウンでの取り
付け
無効
エアクラフト ジョイス
ティック
無効
回転させてパン
有効
高電力スタンバイ
有効
高モーター トルク
有効
リアビュー モード
無効
432-0003-00-10 改訂 140 M-Series 操作説明書
コメント
出荷時のデフォルト設定
表 1.
オプション
出荷時のデフォルト
コメント
カメラ名
モデル番号に続けてシリア
ル番号 ( 変動 )
例:
VIS/IR ビデオ信号
( デュアル カメラ
モデルのみ )
IR ( 赤外線 )
ネットワークの構成
ダイナミック
432-0003-00-10 改訂 140 M-Series 操作説明書
M-625XP A01234
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出荷時のデフォルト設定
24
432-0003-00-10 改訂 140 M-Series 操作説明書
第 3 章
システムの操作と構成
システムの操作と構成
このセクションでは、カメラ システムの操作に関する追加情報を提供し、システ
ム オプションの構成方法について説明します。M-Series カメラは、出荷時の設
定を変更しなくても動作します。ただし、使用者の目的に合わせた設定を行った
り、さまざまな状況で最適なパフォーマンスを引き出したりするためにカメラを
構成することができます。このセクションでは、JCU およびメニューの各種設定
について説明します。
一部の構成設定は、JCU のボタンを押すことで直接
変更できますが、画面上の構成メニューにアクセスし
て変更しなければならない場合もあります。一部の
カメラの機能または設定は、画面上のメニュー設定や
JCU ボタンの使用方法に依存します。
特に、JCU の USER ボタンはプログラム可能であり、
よく使用する機能にすばやくアクセスするために使
用できます。このボタンを効果的に使用する方法につ
いては、
「User Programmable Button」セクションを
参照してください。
432-0003-00-10 改訂 140 M-Series 操作説明書
25
JCU のボタンを使用した操作 / 構成
JCU のボタンを使用した操作 / 構成
使用する JCU と操作 / 構成を行うカメラとの通信が確立していることを確認し
てください。必要に応じて JCU 電源メニューの [Assign JCU] 機能を使用し、
JCU を適切なカメラに接続します。
以降で説明するカメラの設定は、JCU のボタンで制御します。
COLOR
COLOR ボタンを押すと、赤外線カメラのビデオがグレースケール モードまたは
1 つ以上のカラー モードに切り替わります。夜間の暗闇で表示する場合、デフォ
ルトのカラー モードでは、ユーザーの暗視能力を最適な状態に保つために赤い
ビデオ画像が使用されます。ユーザーの好みによっては、他のいずれかの色設定
( またはカラー パレット ) が適している場合があります。
COLOR ボタンを押すと、各色設定に順番に切り替わります。COLOR ボタンの
機能は、ビデオ メニューにある画面上のメニュー設定に依存します。COLOR ボ
タンを押しても 2 種類の設定にしかアクセスできない場合 ( ホワイト ホットと
レッド ホット、またはブラック ホットとレッド コールドの切り替え ) は、
[Disable Color Thermal Video] メニュー項目が選択されている可能性がありま
す。詳細については、「構成メニュー」セクションを参照してください。
注 : USER ボタンは、デフォルトでは [Invert Video Polarity] 設定に割り当てら
れています。そのため、このボタンを押すと、赤外線画像がホワイト ホット
(COLOR 設定がアクティブの場合はレッド ホット ) からブラック ホットに切り
替わります。
HOME
HOME ボタンは、カメラをホーム位置に移動したり、特定の位置をホーム位置
として選択したりする目的で使用します。ホーム位置はプログラム可能なプリ
セット位置で、通常は基準位置として使用できるように、まっすぐ前方を向いた
水平位置に設定します。
ホーム位置を設定するには、パックを使用してカメラの視程範囲を調整し、
「ホーム」として設定する位置が中心に来るようにします。この状態で HOME ボ
タンを 3 秒間押し続けると画面上のホーム記号が点滅し、新しいホーム位置が
設定されたことが示されます。このホーム位置にカメラを移動する場合は、
HOME ボタンを押して、すぐに手を離します。また、このアイコンは HOME ボ
タンを押すと一時的に画面に表示されます。
注 : ホーム位置とストウ位置は異なります。ホーム位置とは、カメラの動作中に
最もよく使用する位置です。これに対して、ストウ位置とは、カメラを使用して
いないときにカメラの光学系を保護する目的で設定されている位置です。どちら
の位置もユーザーによる設定が可能です。ストウ位置の詳細については、「構成
メニュー」セクションを参照してください。
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432-0003-00-10 改訂 140 M-Series 操作説明書
JCU のボタンを使用した操作 / 構成
SCENE
SCENE ボタンを使用すると、あらかじめ構成された一連の画像設定を順に切り
替えることができます。このボタンを使用して、条件ごとに最適な設定を選択し
ます。
Day Running
Man Overboard
Night Running
Night Docking
M-Series は、ほとんどの条件に最適な高コントラストの画像を提供するため、変
化するシーンの条件に合わせて自動的に調整を行います。カメラには、特定の条
件 に 最 適 な 画 像 を 提 供 で き る よ う に、Night Running、Day Running、Man
Overboard、Night Docking という 4 種類のプリセット SCENE 設定が用意され
ています。
それぞれの名前は使用目的を表したものですが、港湾で Night Running が適して
いる場合があるなど、変化する環境条件によっては、ある設定が他の設定よりも
適している場合があります。さまざまな設定を試し、それぞれの環境条件に最適
な設定を見つけておくことをお勧めします。
デュアル カメラ モデルでは、SCENE ボタンを押し続けると、赤外線カメラと可
視光カメラ (VIS/IR ケーブルのビデオ信号 ) が切り替わります。
USER
USER ボタンは、プログラム可能なワンタッチ ボタンです。よく使用する設定や
機能にすばやくアクセスする目的で使用します。
USER ボタンを押し続けると、ボタンのプログラムに使用する画面上のメニュー
に 自 動 的 に 移 動 し ま す。こ の メ ニ ュ ー に は、MENU ボ タ ン を 押 し て [User
Programmable Button] 項目までスクロールすることでもアクセスできます。
注 : USER ボタンは、デフォルトでは [Invert Video Polarity] 設定に割り当てら
れています。そのため、このボタンを押すと、赤外線画像がホワイト ホット
(COLOR 設定がアクティブの場合はレッド ホット ) からブラック ホットに切り
替わります。
USER ボ タ ン の プ ロ グ ラ ミ ン グ の 詳 細 に つ い て は、「User Programmable
Button」セクションを参照してください。
432-0003-00-10 改訂 140 M-Series 操作説明書
27
構成メニュー
構成メニュー
多くの場合、出荷時のデフォルト設定を変更する必要はありません。ただし、
ユーザーの好みに合わせた設定を使用する場合は、画面上のメニューを使用して
一部の構成設定を変更することをお勧めします。設定によっては保存が可能であ
るため、電源を切った後でも設定内容が保持されます。その他の設定は、必要に
応じて構成します。
MENU
MENU ボタンは、画面上のメニューを表示または非表示にするために使用しま
す。画面上のメニューが表示されている場合は、ジョイスティック パックを使
用してメニューを操作したり、各種メニュー項目を選択したりできます。
メニューを操作するには、パックを使用してカーソルを上下に移動し、目的の選
択項目に合わせます ( パックは前後に移動したり、回転させたりできます )。選
択を行うには、パックを押す ( マウス クリックと同様の操作 ) か、パックを右に
移動します。変更が完了したら、MENU ボタンを押してメニューを終了します。
注 : 画面上のメニューは、赤外線カメラに対してのみ表示されます。可視光カメ
ラからのビデオに対しては表示されません。
MENU ボタンを押すと、次の図のような画面上のメニューが表示されます ( 赤
外線ビデオについてのみ )。
可視光の微光カメラの表示中に
MENU ボタンを押すと、メニューを表
示できるように、ビデオが赤外線ビデ
オに切り替わります。
現在選択されているメニュー項目は、濃い赤のバーで示されます。
28
432-0003-00-10 改訂 140 M-Series 操作説明書
構成メニュー
メ ニ ュ ー 項 目 が「Enable」と い う 単 語 で 始 ま っ て い る 場 合 (「Enable Color
Thermal Video」など )、そのオプションは現在無効になっています。この項目を
選択すると、そのオプションが有効になり、「Enable」という単語が「Disable」
に変化します。同様に、オプションが「Disable...」で始まっている場合は、そ
の メ ニ ュ ー 項 目 を 選 択 す る と オ プ シ ョ ン が 無 効 に な り、メ ニ ュ ー 項 目 が
「Enable...」に戻ります。
[Video Setup] メニュー
メイン メニュー ( 左側に表示 ) から [Video Setup] を選択すると、次の図のメ
ニューに移動します。
メインの画面上のメニュー
このメニューは、ビデオ構成オプションを設定する目的で使用します。
Set Thermal Color Default
[Set Thermal Color Default] を選択すると、現在の色設定がデフォルト値として
保存されます。この設定は、システムの起動時に使用されます。このメニュー項
目を選択すると、[Exit] を選択するまでの間、このメニュー項目が [Thermal Color
Default Saved] に変化します。
Set Video Polarity
この項目を選択すると、赤外線画像がホワイト ホット (COLOR 設定がアクティ
ブの場合はレッド ホット ) からブラック ホットに切り替わります。ホワイト
ホットとブラック ホットの違いは、次の図のとおりです ( ホワイト ホットが左、
ブラック ホットが右 )。ホワイト ホットまたはブラック ホットのどちらの表示
モードを使用するかは、好みの問題になります。さまざまな条件で各設定を試し、
どの設定が自分に適しているかを確認してください。
432-0003-00-10 改訂 140 M-Series 操作説明書
29
構成メニュー
注 : デフォルトでは、USER ボタンは [Invert Video Polarity] 設定に割り当てら
れており、ビデオの極性を切り替えるために使用できます。ただし、USER ボタン
の機能は、出荷時のデフォルト設定から別の機能に変更することができます。
USER ボ タ ン の プ ロ グ ラ ミ ン グ の 詳 細 に つ い て は、「User Programmable
Button」セクションを参照してください。
Enable (Disable) Color Thermal Video
多くのユーザーには、赤外線画像をグレースケールではなくカラーで表示させる
傾向があります。このメニュー項目を有効にすると、カメラで使用可能な 5 つ
のカラー パレットがすべて使用されます。この場合、JCU の COLOR ボタンを
押すと、5 種類の設定 (Greyscale、Red、Glowbow、Rainbow、Fusion) のすべ
てに順番に切り替わります。無効になっている場合は、3 種類のカラー パレッ
ト (Rainbow、Sepia、Fusion) が使用できなくなります。このオプションは、デ
フォルトで有効になっています。
Display Test Pattern
多くの場合、M-Series カメラから送信されるビデオは、ビデオの表示に使用す
るモニターを調整することで最適化できます。[Display Test Pattern] 機能は、
モニターをセットアップし、画像の細部やコントラストを最適な状態に保つのに
便利です。
[Display Test Pattern] 項目を選択すると [Toggle Test Pattern] メニューが表
示され、パックを押してテスト パターンを選択するように要求されます。パッ
クを繰り返し押すと、4 種類のテスト パターンが順番に表示されます。
テスト パターンが表示されたら、最適な画像が得られるようにモニターの明る
さとコントラストを調整できます。
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432-0003-00-10 改訂 140 M-Series 操作説明書
構成メニュー
Set Symbology
メイン メニュー ( 左側に表示 ) から [Set Symbology] を選択すると、次の図のメ
ニューに移動します。
メインの画面上のメニュー
アイコンの表示
PC アイコンおよび JCU アイコンは、最初の 2 つのメニュー項目を使用して有
効または無効にできます。
注 : PC アイコンは、ネットワーク上で PC が検出された場合のみ使用できます。
画面上のその他のアイコンは、メニューから 3 つの設定 ([Display All Icons]、
[Display Minimal Icons]、[Hide All Icons]) のいずれかを選択することで制御でき
ます。デフォルトの設定は、[Display Minimal Icons] です。
Display All Icons
このメニュー項目を選択すると、画面上のすべてのアイコンが常に表示されま
す。一部のアイコンは、一時的にしか表示されません ( ホーム アイコンなど )。
Display Minimal Icons
最小限のアイコン モードが選択されている場合は、位置表示が継続的に画面に表
示されます。ホーム アイコンおよびシーン アイコンは 3 秒間だけ表示され、画
面から消えます。ズーム (2X および 4X1 )、リアビュー、画像のフリーズの各ア
イコンは、該当する各機能がアクティブの場合は常に表示されます。
Hide All Icons
このメニュー項目を選択すると、画面上のほとんどのアイコンが表示されなくな
ります。ただし、対応するコントロールがアクティブに使用されている場合は表
示されます。位置表示と FLIR のロゴは常に表示されます。
1 4X ズームは、すべてのモードで使用できるわけではありません。
432-0003-00-10 改訂 140 M-Series 操作説明書
31
構成メニュー
User Programmable Button
メイン メニュー ( 左側に表示 ) から [User Programmable Button] を選択する
と、次の図のメニューに移動します。
メインの画面上のメニュー
USER ボタンは、プログラム可能なワンタッチ ボタンです。よく使用する設定
や機能にすばやくアクセスする目的で使用します。このメニューを使用すること
で、USER ボタンを押したときに実行する機能を選択できます。選択できる選択
肢は 5 つです。デフォルトでは、[Invert Video Polarity] が選択されています。
現在アクティブな選択肢は、黒字で表示されます。
注 : USER ボタンを 3 秒間押し続け
て、このメニューを表示することもで
きます。
Man-Over-Board Settings - 赤外線カメラの設定が、[Man Overboard AGC]
になります。
Switch IR/VIS Video ( デュアル カメラ モデルでのみ使用できます ) - 「VIS/IR」
というラベルの付いたケーブルで伝送されるビデオ信号が、赤外線カメラまたは
可視光カメラに切り替わります。
トラブルシューティングのヒント : このモードを選択し、USER ボタンを押して
も、赤外線カメラから可視光カメラに表示が切り替わらない場合は、ディスプレ
イで適切な入力チャネルが選択されていることと、
「VIS/IR」というラベルの付
いたケーブルがディスプレイに接続されていることを確認してください。
Hide/Show All Icons - [Hide All Icons] 設定または [Show All Icons] 設定に切
り替わります ( 詳細については「Set Symbology」セクションを参照してください )。
Invert Video Polarity - 赤外線画像が、ホワイト ホット (COLOR 設定がアク
ティブの場合はレッド ホット ) またはブラック ホットに切り替わります。
Rearview Mode (Revert) - リアビュー モードが有効または無効になります。
有効の場合は、ビデオ画像が水平方向に反転します。リアビュー モードが有効
の場合は、バックミラーのアイコンが画面に表示されます。
Surveillance Mode - 監視カメラ モードを有効または無効にします。このモー
ドの動作の詳細については、
「Surveillance Mode」セクションを参照してください。
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432-0003-00-10 改訂 140 M-Series 操作説明書
構成メニュー
System Setup
メイン メニュー ( 左側に表示 ) から [System Setup] を選択すると、次の図のメ
ニューに移動します。
メインの画面上のメニュー
Enable (Disable) Ball-Down Installation
このメニュー項目は、カメラを上下逆さまの「ボール ダウン」構成で設置した場
合に有効にする必要があります。有効にしていない場合、モニターに表示される
ビデオ画像が上下逆さまに表示されます。最初にボール ダウン モードを有効に
するとカメラが 180 度回転し、カメラ ボールが反転します。このオプションは、
デフォルトで無効になっています。
Enable (Disable) Aircraft Joystick Mode
ジョイスティックは、「エアクラフト」または「ゲーミング」のいずれかのモー
ドで使用できます。どちらのモードを使用するかは、ユーザーの好みに合わせて
決定します。より自然な操作感が得られるほうを選択してください。Aircraft
Joystick (エアクラフト ジョイスティック) モードが有効の場合、ジョイスティッ
クを前に倒すとカメラが下向きにチルトします。無効の場合は、ジョイスティッ
クを前に倒すとカメラが上向きにチルトします。デフォルトでは、このモードは
無効になっています。
Enable (Disable) Twist-to-Pan Mode
このメニュー項目では、Twist-To-Pan ( 回転させてパン ) モードを有効または無効
にします。デフルトでは、JCU のパックは「回転させてパン」に設定されていま
す。このパック設定は、回転ではなく、左右に動かすことでカメラをパンする
ように変更することができます。また、「回転させてパン」を無効にすると、
ズーム機能も「左右に回転」に設定されます。
432-0003-00-10 改訂 140 M-Series 操作説明書
33
構成メニュー
Enable (Disable) High Power Standby
このメニュー項目では、カメラがスタンバイ モードのときに、パン / チルト モー
ターに供給される電力量を制御します。消費電力量とジンバル アセンブリが厳
しい状況でもカメラを所定の位置に保持する能力はトレードオフの関係にあり
ます。衝撃や振動によってジンバルが動いてしまうと、位置表示との整合性が取
れなくなり、場合によってはホーム位置を基準とした精度が損なわれる可能性が
あります。
High Power Standby ( 高電力スタンバイ ) モードは、高速で航行するモーター
ボートや強い衝撃を受ける環境、高い電力消費が許容される環境で有用なモード
です。
注 : デフォルトでは、High Power Standby ( 高電力スタンバイ ) モードが有効に
なっています。帆船など電力量が制限されている船舶では、高電力モードを無効
にしたほうがよい場合もあります。以下の「消費電力量」の表を参照してください。
注 : ジンバルが、JCU からのコマンドではなく衝撃や振動で動いてしまった場
合は、HOME ボタンを 4 回繰り返し押すことでカメラをリセットできます。
有効または無効を選択すると、選択内容を確定またはキャンセルするように要求
されます。
Enable (Disable) High Motor Torque
このメニュー項目では、カメラが電源オン モードのときに、パン / チルト モー
ターに供給される電力量を制御します。[High Power Standby] モード オプション
と同様に、使用するモーター トルク量についても、消費電力量とジンバル アセン
ブリが厳しい状況でもカメラを所定の位置に保持する能力はトレードオフの関
係にあります。また、低温環境では、システムが動作温度に到達し、カメラの準
備が完了するまでの時間と消費電力量はトレードオフの関係にあります。
High Motor Torque ( 高モーター トルク ) モードは、高速で航行するモーター
ボートや強い衝撃を受ける環境、高い電力消費が許容される環境で有用なモード
です。
注 : デフォルトでは、High Motor Torque ( 高モーター トルク ) モードが有効に
なっています。帆船など電力量が制限されている船舶では、高モーター トルクを
無効にしたほうがよい場合もあります。以下の「消費電力量」の表を参照してく
ださい。
注 : ジンバルが、JCU からのコマンドではなく衝撃や振動で動いてしまった場
合は、HOME ボタンを 4 回繰り返し押すことでカメラをリセットできます。
34
432-0003-00-10 改訂 140 M-Series 操作説明書
構成メニュー
有効または無効を選択すると、選択内容を確定またはキャンセルするように要
求されます。
表 1.
消費電力量
カメラの状態
カメラの設定
スタンバイ
高電力モード オン
デュアル
カメラ
22W
シングル
カメラ
17.4W
8W
7.4W
13W
13W
8W
7.4W
30W
19.4W
20W
16.5W
高トルク モード オン
スタンバイ
高電力モード オフ
高トルク モード オン
スタンバイ
高電力モード オン
高トルク モード オフ
スタンバイ
高電力モード オフ
高トルク モード オフ
起動
高電力モード オンまたはオフ
高トルク モード オン
起動
高電力モード オンまたはオフ
高トルク モード オフ
上記の消費電力量は、1 台の JCU がカメラに接続されていて、ウィンドウ ヒー
ターが作動していない場合を前提としています。デュアル カメラの場合はさらに
16W の電力が消費され、ウィンドウ ヒーターが作動した場合の最大消費電力量
は 46W 未満になります。シングル カメラの場合、ヒーターが作動するとさら
に 6.5W の電力が消費され、最大消費電力量は 26W 未満になります。
Enable (Disable) Rearview Mode
このメニュー項目では、リアビュー モードを有効または無効にします。リア
ビュー モードを有効にすると、ビデオ画像が水平方向に反転されます。ディスプ
レイに表示される画像は、自動車のバックミラーに映し出される景色と同じで
す。船尾から右舷側に遠ざかる物体は、ビデオの右側に表示されます。リアビュー
モードが有効の場合、画面にバックミラーのアイコンが表示されます。USER ボ
タンを設定して、リアビュー モードの有効 / 無効の切り替えに使用することがで
きます。
432-0003-00-10 改訂 140 M-Series 操作説明書
35
構成メニュー
Set Stow Position
[Set Stow Position] を選択すると、現在の位置 ( カメラの方位角と上下角 ) がス
トウ位置として保存されます。カメラは、電源をオフ ( スタンバイ モード ) にす
るとストウ位置に移動します。スタンバイ モードの詳細については、
「システム
の起動」セクションを参照してください。
注 : ストウ位置とホーム位置は異なります。ホーム位置とは、カメラの動作中に
最もよく使用する位置です。これに対して、ストウ位置とは、カメラを使用して
いないときにカメラの光学系を保護する目的で設定されている位置です。どちら
の位置もユーザーによる設定が可能です。ホーム位置の詳細については、「JCU
のボタンを使用した操作 / 構成」セクションを参照してください。
Name Camera
[Name Camera] では、カメラに新しい名前を付けることができます。[Name
Camera] 機能を選択すると現在の名前が画面に表示され、名前の最初の文字が
点滅します。文字を変更するには、パックを前後に動かすか回転させます。次の
文字を選択するには、パックを右に動かします。
使用できる文字は、アルファベット ( 大文字と小文字 )、数字 (0-9)、ハイフン記
号 (-) です。名前の入力が完了したら、パックを押して終了します。
次にカメラの名前を確定またはキャンセルして、変更を続行します。すべての作
業が完了したら、[Exit] を選択します。
Surveillance Mode
[Surveillance Mode] 項目を選択すると、次の図のメニューが表示されます。
36
432-0003-00-10 改訂 140 M-Series 操作説明書
構成メニュー
Surveillance Mode ( 監視カメラモード ) の有効または無効の切り替えは、[User
Programmable
Button]
でプログラミングできます
( 上 記 の「User
Programmable Button」セ ク シ ョ ン を 参 照 し て く だ さ い )。USER ボ タ ン を
[Surveillance Mode] の設定に割り当てると、USER ボタンを押すことで監視カ
メラ モードが有効になります。監視カメラ モードの場合、カメラは連続的に左
右にパンします。この動作は、監視カメラ モードを終了するまで、または JCU を
使用してカメラを動かすまで継続します。監視カメラモードは自動的に再開しま
せん。USER ボタンを押して、監視カメラモードを再度有効にする必要があります。
Scan Width
監視カメラモードでは、[Scan Width] によって、スキャンごとにカバーされる
水 平 方 向 の 方 位 角 ( パ ン ) の 範 囲 を 決 定 し ま す。選 択 で き る オ プ シ ョ ン は、
[Narrow]、[Medium]、[Wide] です。[Scan Width] を [Narrow] に設定すると、
カメラは中心から左に約
20o、右に約 20o の範囲でスキャンを行います。中心
注 : ス キ ャ ン パ タ ー ン の 中 心 は、
USER ボタンが押されたときのカメラ は、USER ボタンを押して決定されたカメラが向く方向です。[Medium] を選択
o
o
の向きによって決定されます。カメラ すると、中心から左右に 40 の範囲 ( 合計 80 ) でスキャンが行われます。
がホーム位置にあるときに USER ボ [Wide] の場合は、中心から左右に 80o の範囲 ( 合計 160o) でスキャンが行われ
タンが押された場合を除き、スキャン ます。
パターンはホーム位置を中心として設
定されるわけではありません。
Narrow
Medium
Wide
Scan Speed
監視カメラモードでは、[Scan Speed] によって、カメラが前後にスキャンを
行う速度を決定します。選択できるオプションは、[Fast]、[Medium]、[Slow] です。
注 : スキャン速度は、ズームの状態によって影響を受けます ( カメラがズームイン
している場合は、スキャン速度が遅くなります )。デフォルトのスキャン速度は
[Slow] です。3 種類の設定をすべて試し、各自の設置環境に最適な設定を特定し
てください。
432-0003-00-10 改訂 140 M-Series 操作説明書
37
構成メニュー
About/Help
メイン メニュー ( 左側に表示 ) から [About/Help] を選択すると、次の図のメ
ニューに移動します。
メインの画面上のメニュー
Video Icon Help Screens
[Video Icon Help Screens] を選択すると、画面上のアイコンの意味に関する説
明が表示されます。アイコンは 2 つの画面に表示されます。JCU パックを押す
と、ヘルプ画面が順番に切り替わります。
38
432-0003-00-10 改訂 140 M-Series 操作説明書
構成メニュー
Product Information
[Product Information] メニュー項目を選択すると、製品の情報が画面に表示され
ます。表示される情報は、カメラのモデル、シリアル番号、ソフトウェア リリー
ス情報などです。FLIR に問い合わせる場合は、この情報を控えておいてください。
[About/Help] メニュー
Contact FLIR
[About/Help] メニュー
[Contact FLIR] メニュー項目を選択すると、FLIR の連絡先情報が画面に表示され
ます。詳細な連絡先情報は、このマニュアルの裏表紙に掲載されています。FLIR
に問い合わせる場合は、製品情報を控えておいてください ( 上記を参照してくだ
さい )。
432-0003-00-10 改訂 140 M-Series 操作説明書
39
システムのリセット機能
Restore Factory Defaults
この項目を選択すると、M-Series が出荷時のデフォルト設定に戻ります。カメ
ラを出荷時のデフォルト設定に戻すかどうか、確認を要求されます。
[About/Help] メニュー
出荷時のデフォルト設定については、「出荷時のデフォルト設定」の表を参照し
てください。
システムのリセット機能
JCU のリセット
状況によっては、JCU のリセットが必要になる場合があります。このような場
合は、MENU ボタンと USER ボタンを 3 秒以上同時に押し続けることで JCU
がリセットされます。また、イーサネット接続を切断し、再度接続することで
JCU が一時的に電力を失い、リセットされます。
カメラのリセット
激しい衝撃や振動は、カメラのジンバル アセンブリが回転したりチルトしたり
する原因となり、位置表示が不正確になる原因となります。カメラをリセット
し、ジンバル アセンブリに一連の初期パン / チルト サイクルを実行させるには、
HOME ボタンを 4 回繰り返し押します。
注 : High Power Standby ( 高電力スタンバイ ) および High Motor Torque ( 高
モーター トルク ) の各設定は、高速航行時や海上が厳しい状況の場合にカメラ
が衝撃や振動に耐え、高い安定性を保つ目的で有効にすることができます。
40
432-0003-00-10 改訂 140 M-Series 操作説明書
操作のヒント
操作のヒント
M-Series に慣れてくると、物体に対する見方が変わってくるはずです。あらゆ
る物体を、目に映る形ではなく、
「熱的」な視点から捉えるようになることでしょう。
日没直後の、太陽で温められた物体は温かいものとして表示されますが、早朝に
なるとこのような物体は周囲よりも冷たいものとして表示されます。そのため、
ボール ダウンの場合などは、単に熱を持つ物体としてではなく、シーンの中での
微妙な違いに注意してください。
赤外線画像カメラは、元々軍事目的で開発されたものですが、現在では商業目的
のさまざまな用途で採用されており、照明の使用が現実的でない、あるいはコス
ト的に見合わない状況で利用されています。海事利用だけでなく、輸送やセキュ
リティ、消火活動、医療用途など、幅広い分野に最適な技術です。また、日中で
あっても、影がある状況や逆光など、従来のビデオ カメラでは十分な性能を発揮
できない環境で、視認能力の向上に貢献します。
M-Series カメラは、自然光や人工照明のない場合でも優れた暗視能力と状況認
識能力をもたらす、最先端の赤外線画像システムです。システムの使用方法は簡
単ですが、表示される画像の解釈方法とコントロール類の使用方法を習得するた
め、多少の時間を割いていただく必要があります。
モニターに表示される画像は、最初は通常の自然光の白黒ビデオのように見える
かもしれませんが、赤外線カメラに慣れてくると赤外線画像独特の特性を認識で
きるようになります。画像の解釈の仕方に関するヒントが、システムを最大限に
活用するのに役立つはずです。
赤外線カメラは、従来のカメラのように光を検知するのではなく、熱や温度の違
いを検知します。日中と夜間の操作を通してシステムを試験すると、通常であれ
ば画質の違いがわかるようになります。カメラは、視野内の物体からの識別可能
な放射におけるわずかな「差」を検知します。ホワイト ホット モードでは温か
い物体を白 ( もしくは明るいグレー ) で、冷たい物体を黒 ( もしくは暗いグレー )
で表示します。
赤外線画像カメラは、氷のような非常に冷たい物体であっても、あらゆる物体が
このカメラが「見る」ことのできる赤外線スペクトル ( 遠赤外線 (LWIR)) の範囲
内で熱エネルギーを放射しているという事実に基づいて作られたものです。した
がって、従来の暗視カメラとは異なり、赤外線カメラは実際の光源を必要としま
せん。反射されるエネルギーではなく、直接放射されるエネルギーに基づいて画
像が生成されます。
このため、船外機の部品などの熱い物体は白く ( 選択したビデオ画像モードに
よっては黒または赤 )、水たまりなどの冷たい物体は暗く ( または冷たく ) 表示さ
れます。見慣れた物体のある景色は、少し経験を積めば容易に解釈できます。カ
メラによって自動的に画像が最適化され、ほとんどの条件で最適なコントラスト
が得られます。
432-0003-00-10 改訂 140 M-Series 操作説明書
41
トラブルシューティングのヒント
フリアーシステムジャパン株式会社 は、赤外線画像カメラの性能と価値を最大
限に活用できるように、総合的なトレーニング コースを用意しています。FLIR
のトレーニングの詳細については、次の Web ページを参照してください。
http://www.flir.com/training.
M-Series の操作に関する質問、または製品に対するご意見については、
03-6277-5681 までお問い合わせください。
トラブルシューティングのヒント
モニターにビデオが表示されない
スタンバイ モードの場合、カメラからの映像は表示されません。カメラの電源
投入サイクルを実行し、JCU への接続を行う前にシステムが起動サイクルを完
了できるようにしてください。また、JCU がカメラに割り当てられていること
と、カメラの名前が JCU ディスプレイに表示されていること、カメラが JCU
からの入力 ( パン / チルト動作など ) に反応することを確認してください。
カメラが画像を生成しない場合は、カメラ側とディスプレイ側のビデオ接続を確
認してください。コネクターが正しく接続されているのにカメラが画像を生成し
ない場合は、カメラに電源が正常に供給されていること、および回路ブレーカー
が正しく設定されていることを確認してください。ヒューズが使用されている場
合は、ヒューズが飛んでいないことを確認してください。
それでもカメラが画像を生成しない場合は、カメラを入手した販売店または代理
店に問い合わせるか、FLIR に直接お問い合わせください ( 連絡先情報は、この
マニュアルの裏表紙に掲載されています )。
ビデオが赤外線または可視光に切り替わらない ( デュアル カメラ モデルのみ )
デュアル カメラ モデルでは、SCENE ボタンを押し続けることで、ディスプレ
イの映像を赤外線カメラまたは可視光カメラに切り替えることができます。ま
た、[User Programmable Button] モードが [Switch IR/VIS Video] に設定され
ている場合は、USER ボタンを押して切り替えることもできます。これらの操作
のどちらを実行しても赤外線カメラから可視光カメラに映像が切り替わらない
場合は、適切なディスプレイの入力チャネルが選択されていることと、
「VIS/IR」
というラベルの付いたケーブルがディスプレイに接続されていることを確認し
てください。
42
432-0003-00-10 改訂 140 M-Series 操作説明書
トラブルシューティングのヒント
画像にノイズがある
画像にノイズがあるのは大抵の場合、ケーブルの問題 ( 長すぎるまたは質が悪い )
か、ケーブルが別のデバイスから電磁干渉 (EMI) を受けていることが原因です。
同軸ケーブルには損失が付き物ですが、ケーブルが長くなったりワイヤ径が細く
なったりすれば損失も大きくなります。また、信号の周波数が高くなると損失も
顕著になります。残念ながらこれは、現在のあらゆるビデオ システムを悩ませて
いる、最も一般的で厄介な問題の 1 つです。
ケーブルの特性は多くの要因 ( 芯線の材質、誘電体、シールドの構造など ) によっ
て決まるため、特定の用途に合わせて慎重に選択する必要があります。さらに、
ケーブルの伝送特性は、ケーブルが配線される物理的環境と設置方法に影響され
ます。高品質のケーブルだけを使用し、環境に適合するケーブルを選んでください。
ケーブル コネクタの終端処理を確認してください。複数のアダプタを使用すると
接続品質が低下し、許容できないレベルのノイズが発生する場合があります。信
号を複数のモニターに分割する場合は、FLIR 製のビデオ配信増幅器を使用してく
ださい。
画像が暗すぎるか明るすぎる
M-Series 赤外線カメラでは、ほとんどの用途で優れた性能が証明された自動ゲ
イン制御 (AGC) 設定がデフォルトで使用されます。ただし、特定の環境では異な
る AGC 設定のほうが適している場合があります。たとえば、背景が非常に低温
であるとき ( 空など ) は、適切とされる使用範囲を超えることがあります。画像
の中で最も大きな部分を占める物体は、空や船舶などではなく、海になるように
してください。SCENE ボタンを使用して画像を調整する方法については、
「[Video
Setup] メニュー」セクションを参照してください。
時間によって性能が変わる
太陽の 1 日の周期のために、時間によってカメラの動作に違いが認められる場合
があります。カメラは温度の差に基づいて画像を生成することを念頭に置いてく
ださい。
他の時間に比べ、夜明け直前などの特定の時間には、画像内のすべての物体がほ
ぼ同じ温度になることがあります。これを日没直後の画像と比較してください。
日没直後には、画像内の物体が、日中の太陽の照射から吸収した熱エネルギーを
放射しています。一般に、画像内の物体の温度差が大きいほど、カメラは高コン
トラストの画像を生成できます。
また、あらゆる物体が水滴で覆われる霧の日や早朝など、物体が乾燥しておらず
湿っている場合も、性能が影響を受ける可能性があります。このような条件の場合、
カメラが覆われた水滴ではなく物体自体の温度を表示するのが困難になります。
432-0003-00-10 改訂 140 M-Series 操作説明書
43
トラブルシューティングのヒント
東向きまたは西向き
カメラを動作させるうえで、真東または真西を向いてしまうことがあるのは避け
られない場合があり、1 日の中で視野の範囲内に太陽が入ってしまう時間ができ
てしまう原因になる場合があります。意図的に太陽を表示させることは推奨しま
せんが、太陽に向けてもセンサーが修復不可能な損傷を受けるわけではありません。
実際、このような逆光環境では、従来のカメラよりも赤外線カメラのほうに大き
な利点があることも少なくありません。ただし、太陽によって、最終的に修正が
必要なアーチファクトが画像に生じる場合があり、カメラが元の状態に戻るまで
ある程度の時間がかかる場合があります。回復にかかる時間は、カメラが太陽光
に曝されていた時間の長さによって異なります。曝されていた時間が長いほど、
回復に必要な時間も長くなります。
画像が一時的にフリーズする
カメラには、画像を一時的にフリーズできる機能が用意されています。JCU パッ
クをダブルクリックする ( すばやく 2 回押す ) と、画像がフリーズします。画面
には、雪の結晶の形をした画像フリーズ アイコンが表示されます。JCU を使っ
てその他の操作を実行する ( パックを動かしたりボタンを押したりする ) と、画
像のフリーズが解除されます。
設計上、カメラの画像はフラット フィールド補正 (FFC) の周期に基づいて一時
的にフリーズします。カメラがフラット フィールド補正を実行している間、画
像は定期的に一瞬だけフリーズします。カメラ内でシャッターが作動し、一様な
温度のターゲットを生成します。これによって、カメラは周辺温度の変化につい
ての補正を行い、最適な画質で撮影できるようになります。FFC が作動する直前
に、小さな緑色の四角形が画面の左上に表示されます。
注 : COLOR ボタンを押し続けると、赤外線カメラが FFC 動作を実行します。
単一ネットワーク上の複数のカメラおよび JCU
単一のネットワーク上に、複数のカメラおよび JCU を接続することできます。
複数の JCU を使用して、特定の 1 台のカメラを制御することができます。この
カメラは、ネットワーク経由で受信した各 JCU のコマンドに、受信順に反応し
ます。ただし、個別の JCU から競合するコマンドが送信された場合 ( あるユー
ザーが左にパンし、別のユーザーが右にパンした場合など ) は、予期しない動作
が発生する可能性があります。一般的に、カメラは最後に受信したコマンドに反
応します。また、IP ネットワークが「ベスト エフォート」の配信プロトコルを
使用しているため、優先順位を設定することはできません。
44
432-0003-00-10 改訂 140 M-Series 操作説明書
トラブルシューティングのヒント
画面上のメッセージ
状況によっては、ステータス メッセージまたはアラート メッセージがビデオ画
面に表示されます。このセクションでは、表示される各メッセージと、それに対
応する適切なアクションについて説明します。
"Loading, please wait…"
カメラに電力が供給され、起動中であることを示します。アクションは必要あり
ません。カメラが動作を開始する準備が整うと、メッセージは消去されます。詳
細については、第 2 章「システムの起動」を参照してください。
"Reconnect network, now..."
カメラが、イーサネット RJ45 コネクタでループバックの終端を検出し、出荷時
のデフォルトのネットワーク設定に戻ったことを示します2。イーサネットの
RJ45 ループバック終端アダプタを取り外してください。これにより、出荷時の
デフォルトのネットワーク構成 (DHCP によるダイナミック IP アドレス割り当
てを使用 ) に基づいてカメラが起動プロセスを継続します。
"Warming, please wait…
カメラが低温状態を検出し、十分な温度に到達するまでパン / チルト動作を実行
できないことを示します。カメラが動作温度まで自己加熱する間、待機してくだ
さい ( この処理にかかる時間は、外気温によって異なります )。カメラの動作準備
が整うと、メッセージが消去されます。
"High Temperature - Motor Halted"
カメラが過熱状態を検出し、内部のパン / チルト モーターを無効にしたことを示
します。カメラの温度が、許容されている動作温度の範囲内であることを確認し
てください。また、動作温度の範囲内になるまで、カメラを冷却してください。
"High Temp.- Shutdown System #"
カメラが過熱状態を検出し、シャットダウンが必要であることを示します。「#」
の部分には、5 秒間のカウントダウンが表示されます。カメラの温度が、許容さ
れている動作温度の範囲内であることを確認してください。また、カメラの電源を
切断し、動作温度の範囲内になるまで、カメラを冷却してください。問題が解決
しない場合は、FLIR にお問い合わせください。
2 RJ45 ループバック コネクタとネットワーク設定を出荷時のデフォルトに戻す方法の
詳細については、以降のセクションを参照してください。
432-0003-00-10 改訂 140 M-Series 操作説明書
45
トラブルシューティングのヒント
出荷時のネットワーク設定の復元
状況によっては、カメラのネットワーク設定を出荷時の設定に戻す必要がある場
合があります。システムからは、起動ごとにパケットが送信され、同一のパケッ
トが受信されたかどうかが確認されます。パケットの受信が検出された場合は、
カメラのイーサネット インターフェースに、カスタムのループバック コネクタ
が取り付けられていることを示します。ループバック パケットが検出されると、
カメラが出荷時のデフォルトに設定され、工場から出荷されたときと同様の構成
と動作に戻ります。
カスタムのループバック コネクタの仕様は、次の表のとおりです。
ピン番号
1
信号
送信 +
接続先のピン番号
3
2
送信 -
6
3
受信 +
1
4
未使用
適用なし
5
未使用
6
受信 -
適用なし
2
7
未使用
適用なし
8
未使用
適用なし
RJ45 ループバックの終端はピン 1 から 3、およびピン 2 から 6 に接続され
ます。その他のピンは接続されません。
46
432-0003-00-10 改訂 140 M-Series 操作説明書
第 4 章
M-Series IP インターフェース
M-Series の IP インターフェースおよび PC の操作
M-Series カメラと JCU はネットワーク デバイスであり、インターネット プロ
トコル (IP) を使用したイーサネット ネットワーク経由で通信を行います。カメ
ラの制御と構成には JCU を使用しますが、ネットワークに PC またはラップ
トップが接続されている場合は、Web ブラウザ1 を使用して同様の操作 ( および
さらに高度な構成 ) を実行することもできます。この IP インターフェースを使用
することで、船舶用電子機器のインテグレーターは、カメラと JCU の機能を他
の種類の船舶用電子機器に統合するカスタマイズされたアプリケーションを開
発できます。
この章では、Web ブラウザを使用して M-Series のカメラおよび JCU と通信を
行い、構成する方法について説明します。Nexus ソフトウェア開発キット (SDK) と
M-Series のカメラおよび JCU でサポートされている通信プロトコルの詳細に
ついては、FLIR に直接お問い合わせください。問い合わせ先は、03-6277-5681
です。
ほとんどの場合、M-Series カメラの設置で PC を使用する必要はありません。1
台または複数台の JCU を使用して、ネットワーク上のすべてのカメラを完全に
制御および構成できます。M-Series Web インターフェースは、ネットワーク上
に他のデバイスが設置されている複雑な環境や、カスタマイズが必要な場合に便
利です。
1 サポートされている Web ブラウザ : Microsoft Windows が動作する PC の
Microsoft Internet Explorer バージョン 7 または 8。Internet Explorer 8 は、互換
モードで動作するように設定する必要がある場合があります。
432-0003-00-10 改訂 140 M-Series 操作説明書
47
M-Series の IP インターフェースおよび PC の操作
M-Series Web コントロール
カメラおよび JCU と同じネットワークに PC が接続されている場合は、JCU を
使用した場合と同様に、PC を使用したシステムの制御および構成が可能です。
カメラ、JCU、および PC は、HTTP プロトコル経由で相互に通信できます。
一般的に、JCU で実行できる制御および機能は、Web インターフェースでも同
様に実行できます。下図のスクリーンショットで示されているように、ここまで
の各章で説明した JCU の機能とメニュー オプションは青いボックスで囲まれ
た Web リンクで表現され、複数のグループにまとめられています。リンクの上
にマウス カーソルを置くと、ハイライト表示されます ( テキストが白からグレー
に変化します )。
48
432-0003-00-10 改訂 140 M-Series 操作説明書
M-Series の IP インターフェースおよび PC の操作
Web コントロールの機能
多くの場合、Web コントロール ページの各リンクは、JCU での操作またはシス
テム メニューの項目に対応しています ( 次の表を参照 )。次の表は、出荷時のデ
フォルト設定が使用されていることを前提としています。各機能の詳細について
は、このマニュアルの各章に記載されている該当するセクションを参照してくだ
さい。
表 1.Web
リンクとそれに対応する JCU/ メニュー操作
Web コント
ロールのリンク
Pan and Tilt
Home
対応する操作
コメント
JCU: HOME
ボタンを押す
クリックし続けて、ホーム位置を設定
します。
Stop
監視カメラモードを含め、カメラのす
べての動作を停止します。対応する
JCU の機能はありません。
Camera
Controls
Active
JCU: 電源 /Dim
ボタンを押す
Standby
JCU: 電源 /Dim
ボタンを押し続け
る
Speed
( プルダウン )
Product
Information
パンおよびチルト動作の速度を制御し
ます。40、60、80 のいずれかを選
択できます。
メニュー :
[About/Help] >
[Product
Information] の順
に選択する
Network Setup
下記の例を参照してください。
後述の「ネットワーク設定」
セクションを参照してください。
Joystick
Control
Left
JCU: パックを左
に押す
Twist-To-Pan ( 回転させてパン ) モー
ドが有効の場合 ( デフォルト )、パッ
クを左右に押しても何も起りません。
Right
JCU: パックを右
に押す
Twist-To-Pan ( 回転させてパン ) モー
ドが無効の場合、左右にクリックする
ことで、カメラが左右にパンします。
432-0003-00-10 改訂 140 M-Series 操作説明書
49
M-Series の IP インターフェースおよび PC の操作
表 1.Web
リンクとそれに対応する JCU/ メニュー操作
Web コント
ロールのリンク
Twist -
対応する操作
コメント
JCU: パックを反
時計回りに回す
Twist-To-Pan ( 回転させてパン ) モー
ドが有効の場合 ( デフォルト )、パッ
クを回転させることで、カメラが左右
にパンします。
Twist +
JCU: パックを時
計回りに回す
Twist-To-Pan ( 回転させてパン ) モー
ドが無効の場合、パックを回転させる
と、IR カメラがズーム ( 拡大 / 縮小 )
します。
Down
JCU: パックを後
ろ ( ユーザー側 )
に引く
カメラのチルトを制御します ( 方向は
エアクラフト モードかどうかによっ
て異なります )。また、すべてのモー
ドでメニューの操作に使用します。
Up
JCU: パックを前
( ユーザーの反対
側 ) に押す
カメラのチルトを制御します ( 方向は
エアクラフト モードかどうかによっ
て異なります )。また、すべてのモー
ドでメニューの操作に使用します。
Press Puck
JCU: パックを
Twist-To-Pan ( 回転させてパン ) モー
JCU に向けて押す ドが有効の場合 ( デフォルト )、パッ
クを押すことで、IR カメラがズーム
( 拡大 ) します。
また、メニュー機能を使用している場
合は「入力」として機能します。
Pull Puck
JCU: パックを
JCU から引き上
げる
Twist-To-Pan ( 回転させてパン ) モー
ドが有効の場合 ( デフォルト )、パッ
クを引き上げることで、IR カメラが
ズーム ( 縮小 ) します。
Menu
JCU: MENU
ボタンを押す
JCU: USER
ボタンを押す
画面上のメニューを開いたり閉じたり
します。
User
Color
Scene
50
JCU: COLOR
ボタンを押す
JCU: SCENE
ボタンを押す
動作は、[User Programmable
Button] の設定によって異なります。
デフォルトでは、[Invert Video
Polarity] に設定されています。
一連の色設定を順番に表示します。
一連の色設定を順番に表示します。
デュアル カメラの場合は、クリック
したままにすることで、VIS/IR ビデ
オが IR または可視光カメラに切り替
わります。
432-0003-00-10 改訂 140 M-Series 操作説明書
M-Series の IP インターフェースおよび PC の操作
表 1.Web
リンクとそれに対応する JCU/ メニュー操作
Web コント
ロールのリンク
Freeze
対応する操作
コメント
JCU: パックをダ
ブルクリックする
( すばやく 2 回ク
リックする )
フリーズを解除するには、ページ上の
任意のリンクをクリックします
([Product Information] または
[Network Setup] を除く )。JCU で任
意のボタンをクリックするか、ジョイ
スティックを動かしてフリーズを解除
することもできます。
Zoom +
JCU: パックを下
向きに 1 秒間押
して、2X の電子
ズームをオンに
する
Zoom -
JCU: パックを引
き上げる
Menu Options
Display Minimal
Icons
メニュー : [Set
Symbology] >
[Display Minimal
Icons] の順に選
択する
Display All
Icons
メニュー :
[Set Symbology]
> [Display All
Icons] の順に選
択する
Hide All Icons
メニュー :
[Set Symbology]
> [Hide All Icons]
の順に選択する
Enable High
Power
メニュー :
[System Setup] >
[Enable High
Power Standby]
の順に選択する
Enable High
Torque
メニュー :
[System Setup] >
[Enable High
Motor Torque]
の順に選択する
432-0003-00-10 改訂 140 M-Series 操作説明書
51
M-Series の IP インターフェースおよび PC の操作
表 1.Web
リンクとそれに対応する JCU/ メニュー操作
Web コント
ロールのリンク
Set Stow
Position
コメント
メニュー : [System Setup] >
[Set Stow Position] の順に選択
する
Switch IR/VIS
JCU: SCENE
ボタンを押し続
ける
Set Default
Color
メニュー :
[Video Setup] >
[Set Thermal
Color Default] の
順に選択する
Switch Video
Polarity
メニュー: [Video
Setup] > [Set
Video Polarity] の
順に選択する
Start
Surveillance
Scan
JCU: USER
ボタンを押す
Switch Rearview Mode
メニュー :
[System Setup] >
[Enable (Disable)
Rearview Mode]
の順に選択する
テキスト
フィールド
Camera Name
52
対応する操作
この機能は、デュアル カメラの場合
のみ有効です。[User Programmable
Button] が [Switch IR/VIS Video] に
設定されている場合は、USER ボタンを
使用してチャネルを切り替えることも
できます。
[User Programmable Button] が
[Surveillance Mode] に設定されてい
る必要があります。スキャンを停止す
る に は、[Stop]、[Home]、ま た は
[Joystick Control] の中でカメラの動
きを制御するリンクをクリックします。
このフィールドにはカメラ名が表示さ
れます。このフィールドでは、カメラ
名を変更することはできません。カメ
ラの名前を設定 / 変更するには、メ
ニューから [System Setup] > [Name
Camera] 機能を選択します。
432-0003-00-10 改訂 140 M-Series 操作説明書
M-Series の IP インターフェースおよび PC の操作
表 1.Web
リンクとそれに対応する JCU/ メニュー操作
Web コント
ロールのリンク
TX
対応する操作
RX
コメント
FLIR ネットワーク アプリケーション
プログラミング インターフェース
(API) プロトコルを使用して送信され
るコマンドを表示する読み取り専用
フィールドです。
受信したコマンドについて、カメラの
確認応答を表示する読み取り専用
フィールドです。
UPnP 構成
Web インターフェースを使用するには、ユニバーサル プラグ アンド プレイ
(UPnP) を使用するように PC を設定しなければならない場合があります。多く
の PC では、この設定がアクティブになっていません。
ユニバーサル プラグ アンド プレイ
UPnP とは一連のネットワーク プロトコルであり、ネットワークの専門家が設定を
行うことなく、ネットワーク上のデバイスを自動的に接続できるようになります。
UPnP の目的は、ネットワークの実装とコンピュータ コンポーネントの設置を簡
素化することです。UPnP 互換デバイスであれば、任意のベンダーのデバイスを
動的にネットワークに接続して IP アドレスを取得し、デバイス名を通知し、要
求に応じてデバイスの機能を伝達することができます。また、他のデバイスの存
在と機能を検出することもできます。
UPnP デバイスは、ネットワークに接続すると、デバイスの情報やサポートされ
ているデバイスとサービスの種類が自動的に通知され、そのような種類のデバイ
スを認識するクライアントがすぐにそのデバイスを使用できるようになるとい
う点で、「プラグ アンド プレイ」です。
M-Series カメラと JCU は UPnP デバイスであるため、ネットワーク上での存
在がブロードキャストされます。UPnP ブロードキャストを受け入れるように設
定されている PC では、検出されたすべての UPnP デバイスが、[ マイ ネット
ワーク ] に表示されます。ただし、デフォルトでは、UPnP ブロードキャストを
受け入れるように設定されていません。
M-Series のカメラまたは JCU を検出するためには、コンピュータの UPnP を
有効にする必要があります。JCU およびカメラは、この同一のプロセスを使用し
て相互に接続します。
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M-Series の IP インターフェースおよび PC の操作
UPnP ユーザー インターフェースの有効化
場合によっては Windows によって UPnP デバイスが検出され、検出したデバ
イスを制御する独自のユーザー インターフェイスが提供される場合がありま
す。Windows Vista および Windows 7 では自動的にネットワーク デバイスが
検出され、[ ネットワーク ] ページに表示されます。UPnP デバイスが非表示の
場合は、画面の左上にプロンプトが表示され、非表示のデバイスを表示するかど
うかが尋ねられます。
Windows XP の場合は、次の手順に従って、オプションのユーザー インター
フェース (UI) コンポーネントをインストールできます。この UI コンポーネント
では、新たに検出されたデバイスに対してバルーン ヒントが表示され、[ マイ
ネットワーク ] フォルダの各デバイスにアイコンが示されます。UPnP UI を有効
にするには、次の手順に従います。
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1.
[ スタート ] をクリックして、[ コントロール パネル ] をクリックします。
2.
[ プログラムの追加と削除 ] をクリックし、[ プログラムの追加と削除 ] ダイ
アログ ボックスで [Windows コンポーネントの追加と削除 ] をクリックし
ます。
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M-Series の IP インターフェースおよび PC の操作
3.
Windows コンポーネント ウィザードで [ ネットワーク サービス ] をクリッ
クし、[ 詳細 ] をクリックして [UPnP ユーザー インターフェイス ] チェック
ボックスを選択します。
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M-Series の IP インターフェースおよび PC の操作
4.
[OK] をクリックして、Windows コンポーネント ウィザードの [ 次へ ] をク
リックします。Windows XP のインストール CD が必要になる場合があり
ます。
以上の作業が完了すると、UPnP 対応デバイスがネットワークに存在する場合
は、[ マイ ネットワーク ] を開いて表示できるようになります。ローカル ネット
ワークに UPnP デバイスが存在する場合は、デバイスの種類に基づいた汎用ア
イコンで表示されます。これ以降は、ネットワークに UPnP デバイスが接続さ
れると、システム トレイに一時的に通知アイコンが表示されます。このアイコン
が表示された場合は、[ マイ ネットワーク ] に移動すると新しいデバイスが表示
されます。アイコンをダブルクリックすると、Web ページが表示されます。
PC アイコン
M-Series ビデオ出力では、PC アイコンによって、カメラと接続されている PC
がネットワーク上に存在することが示されます。
JCU アイコン
単一の JCU アイコンは、カメラに現在接続されている JCU が 1 台だけである
ことを示します。複数の JCU が検出された場合は、複数の JCU を示すアイコン
が画面に表示されます。
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ネットワーク設定
ネットワーク設定
IP アドレス
デフォルトでは、カメラおよび JCU デバイスは、UPnP を通じて自動的に動的
IP アドレスを決定するように設定されています。また、既存のネットワークに合
わせた静的 IP アドレスを設定することもできます。
注 : JCU では、COLOR ボタンとパックを同時に押すと、IP アドレスが表示され
ます。IP アドレスが表示されるのは 3 秒間です。その後は、IP アドレスを要求
する前に表示されていたカメラ名またはシステムの状態の表示に戻ります。
注 : カメラの IP アドレスを JCU ディスプレイに表示することはできません。
[Network Setup] リンクを選択すると、カメラの IP アドレス、マスク、ゲート
ウェイが、下図のスクリーンショットのように表示されます。デフォルトでは、
[Dynamic] オプションが選択されています。
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ネットワーク設定
静的 IP アドレス
静的 IP アドレスを入力するには、[Dynamic] ではなく [Static] オプションを選
択します。画面が更新され、[IP]、[Mask]、[Gateway] の各フィールドがグレー
から白に変化し、ユーザーからの入力が可能であることが示されます。適切な情
報を入力したら、[Save] リンクをクリックします。
[Save] を選択すると次のような警告が表示され、ネットワーク スタックが再起
動されます。
注 : IP ア ド レ ス が 変 更 さ れ た 場
合、古い IP アドレスで開かれたブ
ラウザ ウィンドウは有効でなく
なります。
ブラウザに新しい静的 IP アドレ
スを入力するか、[ ネットワーク ]
(Win 7/Vista) または [ マイ ネッ
トワーク ] (Win XP) に戻ってカメ
ラ を 探 し ま す (UPnP ブ ロ ー ド
キャストは、静的 IP アドレスを使
用している場合でも、M-Series カ
メラに対して無効になることはあ
りません )。
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カメラが Static ( 静的 ) モードの場合、[Factory IP Defaults] リンクをクリック
すると、次の警告が表示されます。
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ネットワーク設定
JCU コントロール
JCU の Web ページでは、JCU に対して動的または静的 IP アドレスのオプションを
選択できます。これは、上記で説明したカメラの IP アドレス オプションと同じ
ようなものです。JCU を PC に接続するには、PoE パワー インジェクタが必要
であることに注意してください。電源が供給されていない場合、JCU を構成する
ことはできません。
注 : 将来的にソフトウェア アッ
プデートが利用できるように
なった場合は、ファームウェア
アップデート機能を使用してカ
メラにアップデートをロードで
きるようになります。詳細につ
いては、カメラを購入した FLIR
の 販 売 店 に 問 い 合 わ せ る か、
FLIR まで直接お問い合わせくだ
さい。連絡先電話番号は、
03-6277-5681 です。
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カスタム ネットワーク アプリケーション
カスタム ネットワーク アプリケーション
プログラマー / インテグレーター
レーダーなど、ネットワーク上に他のデバイスが存在する高度な設置環境では、
PC を使用することでより複雑な構成や柔軟性、カスタマイズ性が提供されま
す。このインターフェースは、主に設置者や販売店、さらにはシステム インテ
グレーターが、低レベルの構成オプションや処理中の実際のネットワーク コマン
ドに直接アクセスできるようにすることを目的としています。
特化された用途に対応するため、FLIR では Nexus ソフトウェア開発キット
(SDK) を用意しています。これは、船舶用電子機器のインテグレーターが、Nexus
通信プロトコルに基づいてカスタム ソフトウェア プログラムを作成できるよう
にすることを目的としたものです。この SDK は、FLIR M-Series 赤外線画像カ
メラとレーダーなど他の船舶用電子機器を高度なネットワークに導入するのを
支援するツールです。SDK によって FLIR Systems の赤外線画像カメラを使用
したアプリケーション プログラミングが推進され、カメラの機能と他のセン
サーおよび検出デバイスを組み合わせることができるため、高度な技術を十分に
活用することができます。
この SDK は、FLIR Network Systems の Web サイトから無料でダウンロード
できます。SDK は、Nexus アプリケーションの豊富な機能を使用した、SDK
ベースのアプリケーションを作成するのに役立ちます。また、この SDK には、
カメラのパン / チルト動作や個別のカメラ設定 ( ズーム、ゲイン制御など ) のほ
か、Nexus 対応カメラをオンボードの制御システムに統合できる強力かつ豊富
な機能を制御するアプリケーションの作成に対応したステップバイステップ ガ
イドが付属します。
興味をお持ちの方は、http://ns.flir.com/ の [FLIR Developers Network] タブ
から、SDK をダウンロードできます。ただし、新規ユーザーの場合は、開発者
として登録しなければ SDK にアクセスできません。登録リンクは Web サイト
に用意されており、どのファイルをダウンロードする場合でもアカウントが必要
になります。また、オプションのソフトウェア サポート パッケージも、このサ
イトから購入できます。詳細については、カメラを購入した FLIR の販売店に問
い合わせるか、FLIR まで直接お問い合わせください。問い合わせ先電話番号は、
03-6277-5681 です。
コマンド文字列
プログラマーおよびインテグレーター向けに、カメラとの間で送受信される実際
の コ マ ン ド 文 字 列 が、M-Series Web Control Web ペ ー ジ の 下 部 に あ る
[Command Strings] フィールドに表示されます。送信されたコマンドは [TX]
フィールドに表示され、受信されたコマンドは [RX] フィールドに表示されます。
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432-0003-00-10 改訂 140 M-Series 操作説明書
カスタム ネットワーク アプリケーション
送受信されるコマンドは、FLIR ネットワーク アプリケーション プログラミング
インターフェース (API) プロトコルと呼ばれる通信プロトコルの一部です。カス
タム ネットワーク アプリケーションの場合、このプロトコルを使用することで、
FLIR カメラと他の船舶用電子機器や他のソフトウェア アプリケーションを統合
することができます。
将来的には、Web Control Web ページの [TX]/[RX] フィールドを使用して、新
しいアプリケーションのテスト時に、実行中のコマンドを編集 / 変更しながら実
際にカメラを制御できるようになる予定です。
利用可能なリソース
赤外線画像カメラおよび FLIR 製品と他の船舶用電子機器との統合に関する詳細
な情報が必要な場合は、当社の Web サイトをご覧いただくか、アプリケーション
エキスパートにご相談ください。連絡先情報は、このマニュアルの裏表紙に記載
されています。
トレーニング
赤外線画像カメラや FLIR Certified Maritime Integrator (FCSMI) の資格取得に
ついて知識を深めたいユーザーを対象として、FLIR では無料のトレーニング
コースを用意しています。次のアドレスから、Infrared Training Center にアク
セスしてください。
http://www.flir.com/training
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カスタム ネットワーク アプリケーション
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<Default ? Font>
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NOTES
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フリアーシステムズジャパン株式会社
〒 141-0031
東京都品川区西五反田 3-6-20
西五反田アクセス 8F
電話:03-6277-5681
FAX:03-6277-5682
e-mail: [email protected]
www.flir.com/cvs