全項目評価書(案)に対する意見募集の結果 評価書名 住民基本台帳ネットワークシステムに係る本人確認情報の管理及び提供等に関する事務 全 項目評価書 担当部署 総務局行政部振興企画課 意見募集期間 平成26年11月20日から平成26年12月19日までの間 意見募集方法 東京都公式ホームページ及び東京都第一本庁舎3階都民情報ルームにおいて全項目評価書を 公開し、電子メール、郵送及びFAXにて意見を受け付けた。 意見募集期間が 30日未満である場 期間短縮なし 合の理由 意見提出総数 2個人及び1団体より計17件 御意見の内容と御 御意見の内容及び御意見に対する東京都総務局行政部振興企画課の考え方は、別紙のとおり 意見に対する考え です。 方 別紙 項番 1 該当 ページ 該当箇所 御意見の内容 御意見に対する考え方 P.12 Ⅱ-5 都サーバに記録されている特定個人情報の、番号法第 19 条第 ご意見として承ります。 P.13 Ⅲ-5 12 号による提供について なお、住民基本台帳法(改正後。以下「住基法」という。)におい て、特定個人情報の提供先及び移転先については、下記のとお P.20 提供先として、地方公共団体情報システム機構、東京都の他 り定められています。 <提供先> の執行機関、住民しかあげられていません。 しかし番号法第 19 条第 12 号とその施行令第 26 条および別表 で、刑事事件捜査や破壊活動防止法、暴力団対策法、組織犯 罪対策法その他の広範な治安利用に特定個人情報の提供が認 ・地方公共団体情報システム機構(第 30 条の 7) ・都道府県の区域内の市町村の市町村長その他の執行機関 (第 30 条の 13 第 1 項) められ、法第 20 条で特定個人情報を収集し保管することが認め ・都道府県の他の執行機関(第 30 条の 15 第 2 項) られています。そして提供を受けた目的を達成するために必要 ・住民(第 30 条の 32) な限度で個人番号を利用できますが(法第 9 条 5)、その目的や 必要な限度を判断するのは警察や公安機関です。 <移転先> ・都道府県の他の部署(第 30 条の 15 第 1 項) この条文について内閣官房は、法令の規定に基づく調査手続 等において必要な資料の収集が阻害されないようためと説明し また、提供先については、都道府県の区域内の市町村の市町村 ています。番号法にはこれらの収集を限定する規定はなく、警 長その他の執行機関(第 30 条の 13 第 1 項)について評価書に 察、公安機関が必要と判断すれば収集・保管・利用・提供が可 反映します。 能です。収集した特定個人情報を、政府はたとえば破壊活動防 止法第 29 条に基づく公安調査庁と警察庁・都道府県警察との 間の情報交換も認められると国会で答弁しており、警察・公安機 関で個人番号によって名寄せ・突合しデータベース化することが 予想されます。 1 別紙 項番 該当 ページ 該当箇所 御意見の内容 御意見に対する考え方 この提供利用では、警察や公安調査庁が裁判所の令状もなし に個人情報を収集することが可能であり、これらの利用は特定個 人情報保護委員会のチェックの対象外で、またマイ・ポータルで 本人が利用状況を調べることもできないなど、番号法が規定した 個人情報保護措置は機能しません。 自治体も刑事訴訟法第 197 条の「捜査関係事項照会」をうけた 場合は、番号法 19 条第 12 号の刑事事件の捜査に該当するた めこれに応じて特定個人情報を回答(提供)することは可能であ ると、内閣官房は市民団体の質問に答えており、集約サーバー に記録保管する特定個人情報から提供される可能性がありま す。 しかし「評価書」ではこれら提供の記載はなく、リスク対策は「特 に力を入れている」となっているのに、まったく検討されていませ ん。 特定個人情報保護評価は、番号制度導入に伴う懸念に対し て、個人情報保護措置を講じることで懸念を払拭し国民・住民の 信頼を確保することを目的に行われるものです。 しかしもっとも国家管理への懸念(国家により個人の様々な個 人情報が「番号」をキーに名寄せ・突合されて一元管理されるの ではないかという懸念)がある警察・公安機関で利用され、個人 情報保護措置もないにもかかわらず、これらの提供を不正・不適 2 別紙 項番 該当 ページ 該当箇所 御意見の内容 御意見に対する考え方 切な提供ではないと考えているのならば、保護評価の目的は達 成されません。 政府に対して、番号制度導入の趣旨に反するこれら警察・公 安機関の提供利用を禁止するよう求めるとともに、東京都として これらの利用の抑止、提供先での利用状況の把握等の個人情 報保護措置を実施してください。 2 P.12 Ⅱ-5 具体的には「住民サービスの向上と行政事務の効率化を図るた 提供先、移転先の記載方法について めに住民基本台帳ネットワークシステムの本人確認情報を利用 P.13 提供先を「東京都の他の執行機関」、移転先を「東京都の他の 部署」と一括していますが、「入手する特定個人情報の種類、使 する事務等を定める条例」の別表第1、別表第2及び別表第3に おいて定める事務で利用しています。 用目的・方法、安全管理措置等について国民・住民に分かりや すい説明を行い、その透明性を高める」という特定個人情報保 護評価の目的からは、個々の提供・移転先を明記すべきではな いでしょうか(先行して評価書を作成した栃木県ではそうなって います)。 これでは、具体的にどのように使われるのかわかりません。 3 P.17 Ⅲ-3 「特定個人情報保護評価指針の解説」(平成 26 年 11 月 11 日特 従業者が事務外で使用するリスクについて 定個人情報保護委員会)「別添4:特定個人情報保護評価書(全 リスク3: 従業者が事務外で使用するリスクについて、対策に 項目評価書)〔記載要領〕」によれば、「十分な対策を行っている 「特に力を入れている」としていますが、対策内容は、操作ログの と評価する場合には「十分である」を選択し、十分に行っていると 記録や担当者へのヒアリング、研修、誓約書の提出など一般的 は評価できず、まだ課題が残されていると評価する場合には「課 3 別紙 項番 該当 ページ 該当箇所 御意見の内容 御意見に対する考え方 なものでしかなく、これらの対策をしても不正利用は防止されて 題が残されている」を選択してください。評価実施機関としてこの いません。 リスクへの対策に特に積極的に取り組んでいる場合は、「特に力 今年8月には奈良県生駒市で住基ネットに従事する職員が不 を入れている」を選択」することとされています。 正に有名タレントの個人情報を検索した事件がありましたが、住 当該リスク対策に対する措置の内容及び上記の基準から「特に 基ネット全国センターは「一般人だったらひっかからなかった」と 力を入れている」に該当すると考えます。 答えたと報じられています。 しかもこの住基ネット全国センターが発見した経緯は、目視要 員がたまたま知っている有名人であったためと報じられています が、そうであるならそれはこの全国センターの要員が住基ネット 情報を自分の知っている有名人情報と私的に「データマッチン グ」したということであり、このチェックそのものが不正と言わざるを えません。 この事実をふまえるなら、事務外で使用するリスクについて「特 に力を入れている」ではなく「課題が残されている」にすべきで す。 4 P.11 Ⅱ-4 P.19 Ⅲ-4 直接本人確認情報に係わらない業務とは、建物等への入退室 委託、再委託のリスク対策について委託 管理、電源設備、機械設備の管理等となります。 集約センターの東京都サーバの運用・監視を地方公共団体情 また、「特定個人情報保護評価指針の解説」(平成 26 年 11 月 11 報システム機構に委託し、さらに再委託するとしており、この再委 日特定個人情報保護委員会)「別添4:特定個人情報保護評価 託については直接本人確認情報に係わらない事務とする、とな 書(全項目評価書)〔記載要領〕」によれば、「十分な対策を行っ っていますが、集約センターに記録されているのは本人確認情 ていると評価する場合には「十分である」を選択し、十分に行って 報であり、それに係わらない事務とは何でしょうか。 いるとは評価できず、まだ課題が残されていると評価する場合に 4 別紙 項番 該当 ページ 該当箇所 御意見の内容 御意見に対する考え方 再委託先のリスク対策については「特に力を入れて行ってい は「課題が残されている」を選択してください。評価実施機関とし る」とし、方法として特定個人情報の閲覧権限を付与していない てこのリスクへの対策に特に積極的に取り組んでいる場合は、 となっていますが、たとえばバックアップ作業やその保管を再委 「特に力を入れている」を選択」することとされています。 託する場合、保管先での不正利用等のリスクはこれでは防げな 評価書に記載のリスク対策の内容及び上記の基準から「特に力 いのではないでしょうか。住基ネットでは、バックアップデータの を入れている」に該当すると考えます。 紛失事件もありました。 番号法では、再委託先、再々委託先についても、東京都が責 任をもってその適正を確保することを要求していますが、あえて 「特に力を入れて行っている」と強調している内容が不明です。 5 P.5 Ⅰ-4 ご意見として承ります。 社会保障・税番号制度導入について 実現が期待されるメリットとして、国民負担の軽減につながると しています。 しかし以下のように負担軽減を上回るプライバシー侵害やコスト 負担があり、社会保障・税番号制度は中止すべきです。国に対 して実施の中止を求めてください。 1) 警察・治安機関が利用して、国民を管理する監視社会になる 社会保障と税の公平確保のための番号と説明されてきました が、(意見1)で述べたように刑事事件捜査や治安機関での利用 も認められ、特定秘密保護法での利用も検討中です。 5 別紙 項番 該当 ページ 該当箇所 御意見の内容 御意見に対する考え方 2)他人に成りすます詐欺で財産的被害が多発する 共通番号先進国のアメリカや韓国などで、他人のID番号を悪用 して借金などをする「成りすまし詐欺」が横行していることが、国 会審議でも問題になりました。政府はカードによる厳格な本人確 認で防止するとしていますが、民間に利用が拡大すれば防止は 困難です。カードも、住民基本台帳カードでは成りすまし不正取 得が続いています。 3)知られたくない個人情報も提供され、不利益な扱いが予想さ れても拒めない 法律で利用が決められた事務では、税額や福祉制度の利用状 況、世帯情報などのプライバシー情報が共有され、本人に情報 提供を拒否する選択権はありません。戸籍や預金、病歴・健診 などの情報も利用が検討され、差別的扱いを受けることが心配さ れます。DV(ドメスティック・バイオレンス)等被害者の最新の住所 情報が、提供先の機関から漏えいする危険も高まります。 4)医療や福祉の利用抑制に活用され、住民登録のない人などが サービスから排除のおそれがある 6 別紙 項番 該当 ページ 該当箇所 御意見の内容 御意見に対する考え方 「真に手を差し伸べるべき人」への福祉充実の為と宣伝されまし たが、逆に個人の医療や社会保障の給付額と負担額を調べて 給付を抑制する「社会保障個人会計」にも利用可能と政府は認 めています。扶養義務強化にも使えます。住民登録がなかった り、DVやストーカー、闇金から逃れるため住民票を動かせない 人が、雇用や行政サービスから排除されるおそれもあります。 5)コストと利便性向上の検討がされていない 情報連携による申請時の提出書類の負担軽減などはすでに自 治体内で行われており、また本人確認情報の提供は住基ネット で行われている中で、あえて多額の費用をかけて番号制度を構 築すべき理由が明らかにされていない。マイポータルによる新た なサービス提供も、情報漏えいの危険、デジタルデバイド、任意 代理人を認めることによる利益相反などデメリットも大きく、必要 性も疑問です。 6 P.12 P.13 Ⅱ-5 行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等 に関する法律(番号法)第 19 条第 12 号に基づく、東京都サーバ に記録された特定個人情報の提供について 【意見内容】 7 項番1に同じ。 別紙 項番 該当 ページ 該当箇所 御意見の内容 御意見に対する考え方 番号法第 19 条第 12 号に基づく、東京都サーバに記録された特 定個人情報の提供について、政府及び東京都公安委員会に対 し、番号制度導入の趣旨に反するこれら警察・法務省入国管理 局・検察・その他捜査機関・公安当局への提供利用を禁止する よう求めるとともに、東京都としてこれらの提供利用を禁止し、特 定個人情報提供先における利用状況等をデータ主体にすべて 開示する等、データ主体の自己情報コントロール権を絶対的優 先的に保障・保護する措置をただちに実施してください。 【理由】 提供先として、地方公共団体情報システム機構、東京都の他 の執 行機関および住民基本台帳法の住民しかあげておらず、あたか も特定個人情報の提供先がこれらに限定されているかのような 誤解を読む者に与えています。 番号法第 19 条第 12 号ならびにその施行令第 26 条および別 表は、刑事事件捜査や破壊活動防止法、暴力団対策法、組織 犯罪対策法その他の広範な治安利用に特定個人情報の提供を 認め、同法第 20 条は特定個人情報を収集し保管することを認め ています。特定個人情報の提供を受けた者は、その提供を受け た目的を達成するために必要な限度で個人番号を利用できま すが(同法第9条第5項)、その目的や必要な限度を判断するの 8 別紙 項番 該当 ページ 該当箇所 御意見の内容 御意見に対する考え方 は当の捜査機関や公安当局です。 この条文について内閣官房は、法令の規定に基づく調査手続 等において必要な資料の収集が阻害されないようためと説明し ています。 番号法にはこれらの収集を限定する規定はなく、捜査機関・公 安当局が必要と判断すれば収集・保管・利用・提供が可能で す。収集した特定個人情報を、政府はたとえば破壊活動防止法 第 29 条に基づく公安調査庁と警察庁・都道府県警察との間の 情報交換で利用することも認められると国会で答弁しており、捜 査機関・公安当局が個人番号によって収集した個人情報を名寄 せ・突合しデータベース化することが容易に推察されます。 この提供利用では、捜査機関・公安当局が裁判所の令状もな しに個人情報を収集することが可能であり、これらの利用は特定 個人情報保護委員会のチェックの対象外で、またマイ・ポータル で本人が利用状況を調べることもできないなど、番号法が規定し た個人情報保護措置は全く機能しません。 自治体も刑事訴訟法第 197 条第2項に基づく捜査関係事項照 会を受けたうけた場合は、番号法第 19 条第 12 号の刑事事件の 捜査に該当するためこれに応じて特定個人情報を回答(提供) することは可能であると、内閣官房は市民団体の質問に答えて おり、集約サーバーに記録保管する特定個人情報から提供され る虞れが充分にあります。 9 別紙 項番 該当 ページ 該当箇所 御意見の内容 御意見に対する考え方 しかし評価書(案)にはこれら提供の記載はなく、リスク対策は 「特に力を入れている」としているのに、全く検討されていませ ん。 特定個人情報保護評価は、番号制度導入に伴う懸念に対し て、個人情報保護措置を講じることで懸念を払拭し市民の信頼 を確保することを目的に行われるものです。 ところが、もっとも国家管理への懸念(国家により個人のさまざ まな個人情報が番号をキーに名寄せ・突合されて一元管理され るのではないかという懸念)がある捜査機関・公安当局で利用さ れ、個人情報保護措置が全く機能しないにもかかわらず、これら の提供を不正・不適切な提供ではないと考えているのならば、保 護評価の目的は達成されません。 7 P.5 Ⅰ-4 項番5に同じ。 番号制度の導入・実施について 【意見内容】 国に対して番号制度導入・実施の中止を求めてください。 【理由】 実現が期待されるメリットとして、国民負担の軽減をあげていま す。 しかし、以下のように負担軽減を上回るプライバシー侵害やコス ト負担があり、番号制度の導入・実施はただちに中止すべきで す。 10 別紙 項番 該当 ページ 該当箇所 御意見の内容 御意見に対する考え方 1.捜査機関・公安当局が利用して市民を統制する監視社会に なる社会保障と税の公平確保のための番号と説明されてきまし たが、意見その1で述べたように刑事事件捜査や公安当局にお ける利用も認められ、特定秘密保護法での利用も検討されてい ます。 2.他人になりすます詐欺で財産的被害が多発する すでに共通番号を導入しているアメリカや韓国において、他人 のID番号を悪用して借金などをする「なりすまし詐欺」が横行し ていることが、国会審議でも問題になりました。政府はカードによ る厳格な本人確認で防止するとしていますが、民間利用が拡大 すれば防止は困難です。カードについても、住民基本台帳カー ドではなりすまし不正取得が続いており、有効な防止策は見当 たりません。 3.他人に知られたくない個人情報も提供され、不利益な扱いが 予想されても拒めない法律で利用が決められた事務では、税額 や福祉制度の利用状況、世帯情報などセンシティブな個人情報 が共有され、本人に情報提供を拒否する選択権はありません。 戸籍や預金、病歴・健診などの情報も利用が検討され、差別的 扱いを受けることが心配されます。ドメスティック・バイオレンス(D V)やストーカーの被害者などの秘匿が求められる最新住所情 報が、提供先の機関から漏洩する危険が高まります。 4.医療や福祉の利用抑制に活用され、住民登録できない人な 11 別紙 項番 該当 ページ 該当箇所 御意見の内容 御意見に対する考え方 どが サービスの提供から排除される虞れがある番号制度について政 府は「真に手を差し伸べるべき人」への福祉充実のためと宣伝し てきましたが、逆に個人の医療や社会保障の給付額と負担額を 調べて給付を抑制する「社会保障個人会計」にも利用可能であ ると政府は認めています。扶養義務強化にも使えます。住民登 録がなかったり、DVやストーカー、闇金融の債権取り立てから逃 れるため住民票を動かせない人々が、雇用や行政サービスの提 供から排除される虞れがあります。 5.コストと利便性向上を検討していない 各種申請時の提出書類の負担軽減などは、すでに自治体内で 行われており、また本人確認情報の提供は住基ネットで行われ ているなかで、あえて多額の経費を費やして番号制度を構築す べき理由が明らかにされていません。マイポータルによる新たな サービス提供についても、インターネット回線利用による情報漏 洩の危険増大、デジタルデバイド、任意代理人を認めることによ る利益相反などデメリットの方が大きく、必要性が認められませ ん。 8 ― ― 特定個人情報保護評価の概要・「保護評価とは」に、「そのような 住民基本台帳ネットワークシステム東京都サーバにおける当該リ (生活文化局 リスクを軽減するための適切な措置を講ずることを宣言」とある スクは、「Ⅲ 特定個人情報ファイルの取扱いプロセスにおけるリ HP 「 特 定 個 人 が、対象とするリスクがどのようなものか、具体的に何をさしてい スク対策」及び「Ⅳその他リスク対策」に記載されており、広く都民 情報保護評価 るのか、住民にはまったく知らされていない。都として都民に具 等にお示ししているところです。 12 別紙 項番 該当 ページ 該当箇所 の実施」) 御意見の内容 御意見に対する考え方 体的な〝軽減されるべきリスク″とは何なのか、何があるのか、 お示しいただきたい。 9 ― 全般 課税証明書などにも共通番号が付き、その証明書全体が特定 「特定個人情報」は、行政手続における特定の個人を識別する 個人情報になるのか、それとも、共通番号と基本4情報だけが特 ための番号の利用等に関する法律(以下「番号利用法」という。) 定個人情報なのか、「特定個人情報」の定義があいまいなままで 第 2 条第 8 項で定義されています。 都民意見を求めるのは問題である。 また、番号利用法第 27 条及び特定個人情報保護評価に関する 国の評価指針に制限されることなく、改めて都民意見を求めるべ 規則(平成 26 年特定個人情報保護委員会規則第 1 号。以下「規 きである。 則」という。)に基づき、特定個人情報保護評価を実施し、様式は また「評価の様式」の構成は不十分であり、『[1]基本情報 事務 特定個人情報保護評価指針で定められたものを使用していま の内容[2]特定個人情報ファイルの概要 記録項目[3]特定個 す。 人情報の取扱いプロセスにおけるリスク対策[4]その他のリスク 対策[5]開示請求、問合せ[6]評価実施手続』に拘束されること なく、共通番号制度運用に係るパブリックコメントとし、実施して いただきたい。[1][6] 10 P.11 Ⅱ-4 東京都は知事通達で再委託は原則禁止にしているが、番号法 ご意見として承ります。 は再委託を認めている。再委託先の監督を行わなければならな いことが規定されているとはいえ、現状通り再委託は禁止すべき である。[2] 11 P.18 Ⅲ-3- 番号法では、任意代理人も開示請求できることになる、しかしこ 頂いたご意見につきましては、今回の意見募集の対象としている 特定個人情報 れまでも司法書士などによる住民基本台帳不正個人情報取得 特定個人情報保護評価書案に関するものではなく、「行政手続 の使用におけ の人権侵害事件があとをたたない現状をみれば、任意代理人に における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する るその他のリス よる番号法を駆使した新たな事件事故が十分に予想されるので 法律」へのご意見と考えます。 13 別紙 項番 該当 該当箇所 御意見の内容 ク及びそのリス あった、開示請求は従来通り法定代理人止まりとする運用が必 クに対する措 要である。[3] ページ 御意見に対する考え方 置 12 P.26 Ⅵ 都民参加での特定個人情報保護評価制度を設けること。[6] 番号利用法第 27 条及び規則第 7 条において、特定個人情報保 護評価書を公示し広く住民その他の者の意見を求める旨が規定 されています。 13 14 P.25 ― Ⅴ-1 Ⅲ 特定個人情報の利用停止請求を受けた場合、速やかに利用停 利用停止請求については、番号利用法第 29 条に規定されてい 止する処置を制度化すべきである。[5] ます。 都における個人情報保護の条例・制度・政策を強化していただ ご意見として承ります。 きたい。個人情報の定義が番号法と既存の条例で違うということ は、もっぱら国の責任である。しかし、いずれにして個人情報が 容易に照合できる形になってしまうことは都民、区民にとって脅 威である。今以上に個人情報保護の仕組みを強化すること。[3] 15 ― Ⅱ 「個人番号を住民票の記載事項に追加し(住基法7条8の2)、本 頂いたご意見につきましては、今回の意見募集の対象としている 人等からの特別の請求に限り個人番号を記載した住民票の写し 特定個人情報保護評価書案に関するものではなく、「行政手続 等を交付」「個人番号を氏名、性別、生年月日、住民票コード等 における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する とあわせて住基ネットで取り扱う本人確認情報の一つと位置付け 法律」へのご意見と考えます。 (住基法30条の6)」などの住民記録の変更の説明をはじめ、番 号法に係る住民説明会を早急に行うこと。[2] 16 ― Ⅱ 市町村CS及び都道府県サーバについては、地方公共団体情 報システム機構が開発、すでに共同化・集約化がすすめられて いる。しかし、自治体サーバや都道府県サーバのあり方につい 14 ご意見として承ります。 別紙 項番 該当 ページ 該当箇所 御意見の内容 御意見に対する考え方 て、住民はまったくその評価を行う主体にもなっていない。自治 事務である住民基本台帳事務や個人情報を自治体に「委任し て」いる住民の意思が全く無視されているなかで、2つの全国中 間サーバに集約するのは自治に反する。自治体と住民に選ば せるべきである。[2] 17 P.5 Ⅰ-3 共通番号事務実施を行った場合の、コスト(情報流出含む)と利 便性向上の比較検討を、東京都独自におこなうこと。[1] 15 ご意見として承ります。
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