気高地区地域生活拠点再生整備計画 (事務局案) ∼民謡「貝がら節」をはじめとする歴史、文化や自然を受け継ぎ、 地域の宝である浜村温泉を活かした誰もが住みたくなるまち∼ 気高地区地域生活拠点再生整備検討委員会 平成27年3月 はじめに 人口減少や少子高齢社会の到来、移動困難者の増加、産業構造の転換、地球環境問題への関心の 高まりなど社会構造が大きく変化している中で、より快適で充実した市民生活の実現を目指すためには、 地域ごとの特色を生かしながら、市民・事業者・行政が協働してまちづくりを進めていく必要があります。 鳥取地域の既成市街地と旧町村中心部が相互に支えあい、連携するネットワークを形成するこ とで、安全で安心した暮らしが実現するものと考えます。そのためには、中心市街地の再生と併 せて、日常生活を支える地域生活拠点※1の再生が極めて重要となります。 青谷地区地域拠点再生整備検討委員会では、青谷地域の中心地である青谷地区が地域の日常生 活を支える拠点機能を備えるための方策について重点的に検討を進め、「誰もが住み続けたい・住ん でみたいまち」を目標とした計画をまとめました。 この提案書に盛り込まれた方策が、今後の青谷地区のまちづくりに反映・具現化され、市民と の協働による施策に活かされることを期待します。 平成 27 年 3 月 委員長 ※1 地域生活拠点 地域生活拠点とは、日常の生活に必要な「居住」、「地域交通」、「医療」、「福祉」、「近隣商 業」などの基礎的な機能が整っている、新市域の中心部などの地域の中心的な役割を果たす 場所・地区をいいます。 気高地区地域生活拠点再生整備計画 ●まちづくりの目標 ∼民謡「貝がら節」をはじめとする歴史、文化や自然を受け継ぎ、 地域の宝である浜村温泉を活かした誰もが住みたくなるまち∼ ●まちづくりの方針 1.まちの玄関口の利便性の向上と安心・安全なまちづくりを推進する (→生活利便性の向上、安全・安心) 2.心身ともに健康を推進できる環境をつくり、定住人口の拡大をめざす (→健康の推進、定住人口の拡大) 3.地域の誇りを活用した、まちのにぎわいを再生させる (→地域の活性化・魅力向上) まちづくりの方針(1) まちの玄関口の利便性の向上と 安心・安全なまちづくりを推進する ○現 状 ●気高地区には最寄駅としてJR浜村駅があり、気高町西地域のみならず鹿野町も含めた主要 駅として、これまで地域の交通拠点、あるいは観光拠点といった「まちの玄関口」として機能 しております。しかし、施設の老朽化等により機能性・利便性・安全性が失われつつあります。 ●今後は鳥取西道路(無料の高速道路)が完成すると、広域的な交通は国道9号から高速道路 中心に変わり、「地域の出入口」も高速道路ICへ変化することが予想されます。 ●主要路線の街路灯は▲年経過して老朽化しており照度が暗く、安全性が不足しています。 ○課 題 ●浜村駅は現在不足している機能性、利便性、安全性等の確保を図ると同時に、まちの新たな 賑わい空間を創出し、人も情報も活性化させることが必要です。 ●新規高速道路ICとの動線を確保し、将来に向けた主要路線、地域の出入口の一つとして機 能させる必要があります。 ●街路灯は詳細な調査をした上で、計画的な更新により、維持管理費を抑えることもできます。 ◎課題解決に向けた考え方 ●浜村駅の駅前広場、および駐車場や跨線橋など駅周辺の整備を行い、交通結節点としての機 能改善を図り、人に優しい道路空間を確保します。街路灯は必要に応じて更新します。 ●市道浜村駅前線の道路改良を行うことで、将来のまちづくりに向け、高速道路ICや鹿野町 への新たな動線を確保します。 ◎プロジェクト計画(案) プロジェクト名 プロジェクト概要 □歩道設置(歩行場所の明示) □待合所、兼、観光案内所の設置 □トイレ改修、歴史案内サイン □コミュニティスペースを検討 □ダイヤ調整により乗継の円滑化 □跨線橋の長寿命化(調査、対策) 効 果 課題など □乗り換え時の移動 円滑化 □駅の交通安全 □まちの新しいシン ボル・玄関口、賑わい 空間の創出 ■JRとの協議が 必要 ①駅前広場の整備 ■商工会館など既 存施設の活用の調 整 ■バス会社へのダ ②南側停車スペー □南側の駐輪場前を、一部河川に蓋 □利便性向上(送迎 イヤ調整の協議" スの整備 掛けして停車場所を設ける 時) ④浜村駅東通りの □交通利便性の向上 □道路の拡幅を行い、歩行者の安全 ■JR用地の利用 道路拡幅 □駅から山陰道、鹿野 には協議が必要 を確保する(一部、JR用地も借地) (市道浜村駅前線) へのアクセス性確保 ⑫街路灯の健全度 □街路灯の主要箇所の照度、および □道路の安全、防犯性 調査 照明柱の老朽化を確認する が高まる □老朽化の進んでいる区間の照明灯 □LED 化による維持管 ⑬街路灯の整備 理費の低減 を改修する ■景観に配慮し て、新規照明には デザイン性の統一 が必要 ⑰気高総合支所の老朽 下記の①もしくは②の対策が必要 化対策 ①現在地にて建替えもしくは耐震改修 (委員会としての意見) ②他の公共施設と統合・併設するなどして、新規の場所に移転(新設) ⑱気高町体育館の老朽 ①基本的に現在の体育館機能は必要の為、農業者センターへの統合は望ま ない 化対策 (委員会としての意見) ②現在の多様な利用状況を踏まえて、現在の場所に存続が望ましい まちづくりの方針(2) 心身ともに健康を推進できる環境をつくり、 定住人口の拡大をめざす ○現 状 ●浜村駅周辺地域は平坦で歩いて移動しやすく、緑が多くて比較的災害が少なく、金融機関や 病院、商店、あるいは役所、小学校、公民館、警察などこれら全ての施設が駅から概ね1km 以内にあるという比較的良好な生活環境であり、住民からは「便利で概ね住みやすいまち」と 評価されています。しかし、地域内には空き地や空き家が多く存在します。 ●美しい海岸や川があり緑が多く自然環境の豊かな浜村地区では、その良好な景観を活かして 地域を周遊できるウォーキングやランニングをはじめとした住民の心身とも健康づくりの場 所、住民同士の交流場所としての環境整備が求められています。 ●地域のシンボル的な公園であるヤサホーパークは人気が高く、公園から見る景観の美しさは 地域内外に有名です。 ○課 題 ●「比較的生活がしやすいまち」という生活環境を活かして、特に若い世代の定住促進が解題 です。立地条件の良い宅地開発済みの空き地や空き家などの有効活用が求められます。 ●「温泉があるまち」という魅力的な環境をまちづくりに活かし、気高地区を見た人が「うら やましい。住みたくなる」と感じるような、特徴ある魅力あふれる住環境づくりが必要です。 ●ヤサホーパークは、より安全で使いやすく、現在の利用に適した施設整備が望まれます。 ◎課題解決に向けた考え方 ●豊かな自然や温泉を活用することで、住民が誇れるまちの実現を図り、地区に対する愛着を 向上させると同時に、来訪者の満足度を向上させ、交流・定住人口の拡大を目指します。 ●ウォーキングロードやランニングコースの設定、ヤサホーパークの整備等を行い、地域住民 の健康づくりや地区内外との憩いの場づくりに寄与します。 ◎プロジェクト計画(案) プロジェクト名 プロジェクト概要 効 果 課題など □浜村海岸ウォークマップ、浜村温 □魅力資源の活用 ⑥けたか周遊マッ ■住民参加型にて 泉湯めぐりマップ等、気高らしさの □観光、賑わいの創出 検討 プの作成 あるまち歩きマップを作成する □自然景観の保全 □ステージの設置、休憩所の追加 ⑩ヤサホーパーク □ランニングコース案内・誘導サイ の施設整備 ン設置 □伝統・文化を伝えるサイン設置 □公園利用率の向上 □地域の賑わい創出 ■常設ステージの □地域の歴史、伝統文 利用率の問題など 化を伝える 費用対効果 □ウォーキング、ランニングコース □地域の魅力資源の ■コース設定等、 ⑪ウォーキング・ の設定、案内サイン、ウォーキング 活用 住民意見を踏まえ □地域の賑わい創出 ランニングコース マップ(紙)の作成 て検討 の設定・案内標示 □⑨ヘルスツーリズム計画の一環に □新たな観光者数の もなる 増加 □未利用地、空地、空き家を有効活 ⑭定住の促進 用し、U・J・Iターン者や若年層 の定住促進を支援する □居住者の増加 (市の空き家対策事業を活用) □定住の促進 ⑮空き家の有効活 □温泉付き住宅など、浜村らしい定 用 住促進対策を検討・PRする ■空地、空き家の 確保 ■温泉の利用検 討、配管 まちづくりの方針(3) 地域の誇りを活用した、まちのにぎわいを再生させる ○現 状 ●気高地区は、浜村温泉と浜村海岸を中心とした温泉観光地として栄えて来ました。しかし、 現在では年間観光客数は激減しており、観光客の減少と共に、旅館の閉鎖や空き店舗が増加し 続けており、浜村温泉街全体としての衰退が著しい状況です。 ●「貝がら節」を代表とする伝統文化や様々な民俗行事など、特徴的な地域資源があります。 しかし近年では様々な理由からその魅力を十分に発信、活用できていない現状があります。 ●若い世代を含めた多くの住民は地域の伝統・文化を誇りに思い、浜村温泉街を中心とした「ま ちの賑わいの再生」を望んでいます。 ○課 題 ●将来的には「浜村温泉街の再生」を目指しながらも、当面は、地域に伝わる伝統・文化を大 事に後世に伝えることや、現在利用率の伸び悩んでいる施設の利用を見直し、知名度の高いヤ サホーパークや浜村温泉等を組み合わせて「新たな観光」を開発するなど、まず今ある地域の 魅力と地域の力を集め・高めて、新たなまちのにぎわいに繋げることが必要です。 ◎課題解決に向けた考え方 ●観光の活性化については、新規観光計画の策定により、現在埋もれている地域の魅力資源の 掘り起しを行い、テーマやターゲットを絞って、資源を互いに連携させながら、「住民と観光 客が共に楽しめる」仕組みを作ります。 ●景観整備や案内板等により、地域の活性化と共に、地域の伝統・文化の継承にも寄与します。 ◎プロジェクト計画(案) プロジェクト名 プロジェクト概要 ③観光案内の見直 □案内所の機能見直し □駅前広場への移転の検討 し (①駅前広場と同 □各所に気高総合案内板の設置 時に検討) (歴史、文化、観光案内等) 効 果 □観光、賑わい創出 □観光案内所の利 用率向上 課題など ■規模、内容の設定 ■設置場所確保 ■観光案内の方針 を再確認 □舗装、足元灯、サイン、温泉を使 □ 浜 村 温 泉 街 の 活 ■沿道の建物更新、 ⑤浜村温泉街の景 うなど、 「浜村らしさ」をテーマに温 性化 空き店舗の活用が 観整備 どこまで進むか 泉街の情緒を感じる景観整備を行う □観光客増加 □旧浜村温泉街の景観整備を行う □温泉街の活性化 ■サイン、足元灯等 ⑦旧浜村温泉街の (貝がら節や、かつての浜村温泉を □地域の歴史、伝統 の 設 置 ス ペ ー ス の 景観整備 確保 紹介する案内板など) 文化を伝える □浜村温泉の利活用に向けた将来計 □浜村温泉の活用 ⑧浜村温泉活用計 画の策定(浜村温泉の現状把握、今 □温泉利用者、宿泊 ■ 民 間 の 温 泉 権 利 者の協力、参加がど 画の策定 後の利活用方法、温泉街の景観整備 者の増加 こまで見込めるか 等の検討) □温泉街の活性化 □温泉・海、運動、ショウガなどの ⑨気高ヘルスツー 健康食を使った、健康増進をテーマ リズム計画の策定 とした、気高らしいツーリズム(旅 行)計画による観光誘致 □新たな観光者数 の増加 ■民間施設の連携 □ 浜 村 温 泉 の 観 光 など協力体制確保 客増加 □空き店舗を有効活用して、出店者 □ 浜 村 温 泉 街 の 活 ⑯空き店舗の有効 ■空き店舗の確保 を支援し、浜村温泉街の賑わいを創 性化 活用 り出す □観光、賑わい創出
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