第4部 地震災害対策計画 - 167 - 第4部 地震災害対策計画 第1章 本計画の前提(想定災害) この計画の基本的な前提となる災害の想定については、以下のとおりである。 第1節 地震の想定とその被害 この計画の想定地震は、県地域防災計画(震災対策編)の想定地震のうち、本市の被害が最 も大きいとされる鹿野・吉岡断層による地震とする。 1 想定震源等 (1)震 源 鹿野・吉岡断層 (2)規 模 M7.2 (3)地震発生時刻 冬の夕刻18時 (4)気象条件 天候:晴れ、湿度:75%、風向:北北西、風速:5.0m/秒 2 被害想定 県地域防災計画及び「鳥取県震災対策アクションプラン」(平成22年12月)による被害想 定は、下表のとおりである。 3 震度分布 鳥取県地震防災調査研究報告書(平成17年3月)によると、鹿野・吉岡断層による地震の 予測結果として、震源に近い鳥取市では、大半が震度5強から6弱となり、一部で6強から 7もみられる。震度5強の範囲は鳥取市青谷町から福部町まで広がり、鳥取地域及び気高地 域では、震度6弱を主体とした揺れとなるとされている。 4 液状化危険度分布 鳥取市の平野部ほとんどがPL値15以上の「液状化危険度が極めて高い」地域である。 <鹿野・吉岡断層による地震による被害想定総括表(鳥取市分と県全体の被害)> [県地域防災計画より] 想定項目 人的被害 (人) 建物被害 (参考 鳥取県全体) 死 者 数 211 212 4時 負傷者数 1,456 1,494 夏昼 死 者 数 644 645 12時 負傷者数 2,267 2,300 冬夕 死 者 数 707 707 18時 負傷者数 2,418 2,449 大 破 数 (棟) 2,939 2,959 中 破 数 (棟) 3,328 3,463 災 出火件数 (件) 17 17 冬(18時) 消失棟数 (棟) 火 ※ 被害想定の内容 朝 2,670 2,670 鳥取砂丘、北条砂丘、米子平野 鳥取砂丘の一部(後背湿地、三 角州低地、旧河道に接する自然堤 の一部(後背湿地、三角州低地、 防含む。)及び鳥取平野と袋川扇 旧河道に接する自然堤防含む。) 液 状 化 弓浜半島の砂洲。日野川・袋川扇 状地と各平野部との接合部等。 状地と各平野との接合部等。 通信・交通・電気・ガス・水道 通信・交通・電気・ガス・水道 ライフライン 等施設の機能被害が、液状化危険 等施設の機能被害が発生する。 度の高い地域を中心に発生する。 人的被害については、建物被害と火災被害による計 建物被害は、揺れと液状化の計 - 168 - <鹿野・吉岡断層による地震 震度分布> [県地域防災計画より] <鹿野・吉岡断層による地震 液状化危険度分布> [県地域防災計画より] 液状化危険度判定区分 PL値による 液状化危険度判定 PL=0 液状化危険度はかな り低い。 液状化に関する詳細 な調査は不要 0<PL≦5 液状化危険度は低 い。 特に重要な構造物に 対して、より詳細な 調査が必要 - 169 - 5≦PL≦15 液状化危険度が高 い。 重要な構造物に対し てはより詳細な調査 が必要。 液状化対策が一般に 必要 15<PL 液状化危険度が極め て高い。 液状化に関する詳細 な調査と液状化対策 は不可避 第2章 地震防災緊急事業5箇年計画の推進に関する計画 鳥取県では、地震により著しく大きな被害を受けると想定される地域において、地震防災上緊 急に整備すべき施設について、地震防災対策特別措置法(平成7年法律第111号。以下「法」とい う。)に基づく鳥取県地震防災緊急事業5箇年計画(以下「5箇年計画」という。)を作成し、 事業を推進してきた。(第1次:平成8~12年度、第2次:平成13~17年度、第3次:平成18~ 22年度、第4次:平成23~27年度。地震防災対策特別措置法第2条に定める計画の対象地域は、 県土全域) 本市おいても、5箇年計画との整合性を図りながら、災害に強いまちづくりに向けて、施設の 整備に取り組むものとしており、市の計画対象事業は次のとおりである。 ○消防用施設の整備 ○消防活動用道路の整備 ○緊急輸送道路の整備 ○社会福祉施設の整備 ○公立小中学校等(校舎、屋内運動場)の整備 ○防災行政無線施設の整備 ○地域防災拠点施設等の整備 ○水・自家発電設備等の整備 本市では、平成20年3月に「鳥取市耐震改修促進計画」を策定し、震災における被害から住民 の生命・財産を保護し、生活環境の保全に役立てるため、実施期間を平成20年度から平成27年度 までとして、旧耐震基準で建築された既存建築物の計画的な耐震化を促進してきた。特に市有建 築物については、平成20年8月に「鳥取市有建築物耐震診断計画」を策定し、耐震診断を実施し てきたが、東日本大震災の教訓から、住民の安全安心を確保するためには、耐震診断を前倒しし て実施し、耐震化対策を急ぐことが必要と判断し、平成23年9月にこの計画の見直しを行った。 併せて「鳥取市耐震化推進計画」も策定し、災害発生時には避難所となる小中学校、保育園等の 耐震化について優先度の高いものを前倒しで実施するなど、耐震性の高い施設整備を順次進める こととしている。 - 170 - 第3章 東南海・南海地震の対応 第1節 目 的 近年発生が懸念される東南海・南海地震では、東海から九州にかけての太平洋沿岸を中心に 非常に広域で甚大な災害の発生が懸念されており、本市においても、円滑な被災地域の応援を 実施することを目的とする。 第2節 1 応援の実施 市内被害の状況把握等 市は、住民の生命・身体・財産を災害から保護する観点から、市内の被害状況の把握及び 必要な応急対策の実施を最優先に取り組む。 2 他県への応援の実施 応援の実施に当たっては、災害対策基本法並びに災害協定を基本として、県及び関係機関 等と調整し、円滑な応援に努める。 - 171 - - 172 -
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