コチラ - 林眞須美

3 月 14 日(土) 午後6時開演
文京区民センター2A会議室
都営三田線「春日駅」そば/地下鉄丸の内線「後楽園駅」より3分/ JR「水道橋駅」より 10 分
彼女のことが嫌いでも、
彼女の無実は知ってください
林眞須美さんは犯人なのか?
和歌山カレー事件
噂の深層
東京報告集会
入場無料★カンパ大歓迎
解説
河合潤(京都大学工学研究科教授)
特別講演
佐藤優
挨拶
鈴木邦男(林眞須美さんを支援する会代表)
神田香織(講談師)
+香織倶楽部
弁護団から
MC
ジョー横溝
主催
和歌山カレー事件弁護団
絵:林眞須美/大道寺幸子基金の死刑囚絵画展応募作品から
和歌山カレー事件弁護団:連絡先
〒 107-0052 東京都港区赤坂 2-14-13 港合同法律事務所 TEL.03-3585-2331 FAX.03-3585-2330
彼女のことが嫌いでも、彼女の無実は知ってください
和歌山カレー事件と林眞須美さんのこと(林眞須美さんを支援する会のホームページより)
1998 年7月 25 日午後 6 時頃、事件は発生しました。この日、和歌山市郊外の園部という新興住宅地域
で住民が開催した夏祭りで、何者かによってカレーに猛毒のヒ素が混入され、60 人以上が急性ヒ素中毒
になり、うち4人が亡くなるという大惨事となりました。
これをうけ、事件後まもなくマスコミが園部に殺到し、競って犯人探し報道を展開し始めます。そのため、事件
に深く傷つけられていた園部の住民は、さらに深く傷ついていきました。
マスコミの犯人探し報道はしばらく続きましたが、事件から1か月後、事態が一変する出来事が起こります。そ
れは、朝日新聞が同年8月 25 日付け朝刊で、事件発生前に現場近くの「民家」を訪ねていた男性が、ヒ素中毒に陥っ
ていた事実があったかのように報じたことでした。
この民家こそ、林健治・眞須美さん夫婦の家ですが、この日を境にマスコミは、朝から晩まで夫婦の
家を取り囲みます。
そして、林夫婦のことを「疑惑の夫婦」と呼び、あたかも夫婦がカレー事件以前に周囲の人たちに毒
を盛るなどして保険金詐欺を繰り返していたかのような疑惑を連日、洪水のように報じていったのです。
こうして、林夫婦に対する世間の心証が真っ黒に染まっていく中、次第に夫婦のうち、眞須美さんこそがカレー
事件の犯人だとほのめかす報道が増えていきます。その根拠として当時、盛んに報じられていたのが、健治さん自
身もカレー事件以前、ヒ素中毒らしき症状で何度も入退院していたことなどです。
やがて、
マスコミは眞須美さんのことを「平成の毒婦」とまで呼ぶようになり、
連日繰り返された膨大な報道によっ
て、眞須美さんがカレー事件の犯人であることに間違いはないと、多くの人は思い込んでしまいました。
眞須美さんが健治さんや周囲の人たちに毒を盛り、保険金詐欺を繰り返していたとされる疑惑がもし仮に事実で
あったとしても、それは、カレー事件とはあくまで「別の話」です。しかし、クロ一色で埋め尽くされた当時の報
道の中では、世間の誰もがそんな当たり前のことすら見過ごしてしまったのでした。
犯人視報道が洪水のように垂れ流されたのち、事件発生から約二ヶ月になる同年 10 月4日、眞須美さんはとう
とう、保険金詐欺などの別件で逮捕されてしまいます。
その後、二度の別件による逮捕の後、12 月9日、ついに四度目にカレー事件で逮捕され、そして、
12 月 29 日に起訴されました。自白調書も直接証拠も全くない、ただ眞須美さんが犯人らしいというだ
けの起訴でした。眞須美さんは、
約 90 日間に及ぶ連日連夜の過酷な取り調に耐え、
一貫して否認を貫き、
無実を訴え続けました。しかし、その声は無視され、世間では、眞須美さんは犯人に間違いないと信
じ込まれ、カレー事件は解決したかのように受け止められました。
その後、裁判が始まってからも眞須美さんは、健治さんとの共犯とされた保険金詐欺については罪を認める一方
で、カレー事件はもちろん、カレー事件以前の殺人未遂事件についても、一貫して否認を貫きました。しかし、一
審の和歌山地裁では、
黙秘したままで 2002 年 12 月 11 日に死刑判決が宣告されました。さらに、
二審の大阪高裁では、
眞須美さんは、黙秘を撤回して自分の言葉で無実を訴えましたが、2005 年6月 28 日に控訴棄却されてしまいます。
そして、最後の望みをかけて臨んだ最高裁でも、2009 年4月 21 日に上告棄却されたのち、弁護人の判決訂正申立
も同5月 18 日に棄却され、死刑判決が確定してしまったのです。
しかし、どの裁判所も、眞須美さんが犯人らしいという証拠しかないこと、そして眞須美さんが事件をやった動
機が分からないことは認めざるを得ませんでした。今も無実を訴え続ける眞須美さんと弁護団は、眞須美さんの 48
回目の誕生日となる 2009 年7月 22 日、判決確定からわずか約2ヶ月で和歌山地裁に再審請求しています。現在、
眞須美さんは、大阪拘置所の独居房に収監されています。
ヒ
裁判の最大の争点は、カレー鍋に混入された砒素が眞須美さんの周辺から見つかった砒素と同一かどうかでした。
決め手となったのは検察が提出した中井泉東京理科大学教授の多数の鑑定書です。裁判所はそれにしたがって眞須
美さんを有罪だとしたのです。しかし、中井教授の鑑定は、現在、京都大学河合潤教授によって不正確にして間違
いであると指摘され、学会でも問題になっています。そのほかに、眞須美さんがカレー鍋の近くにいて怪しげな動
作をするのを見たという近所の住民の証言も信用できないことが明らかになってきています。また、こんな薄い証
拠で、果たして有罪にしていいのだろうか、ましてや死刑にしていいのだろうかという声も上がっています。
再審請求の結果はまだ出ていませんが、眞須美さんの再審無罪は少しずつ現実味を帯びてきています。