IoT(Internet of Things)でかわるモノづくり IoTで実現する新たな価値共創 第5回 グローバル・テクノロジー・セミナー 2015年2月25日 企業・経営部門 統括室 事業推進グループ Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc. IoTで実現する新たな価値共創:お話すること 1 IoTを活用した価値創出のコンセプト事例 Industrie4.0 Industrial Internet 日本の製造業への示唆 2 IoTで実現する新たな価値共創 価値共創(コ・クリエーション)とは何か 価値共創と日本の製造業 3 IoTを活用した価値創出の第一歩 価値創出に向けた取り組みのポイント 三菱総研がお手伝いできること Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc. 1 1.IoTを活用した価値創出のコンセプト事例 1-1. Industrie4.0 1-2. Industrial Internet 1-3. 日本の製造業への示唆 Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc. 2 IoTの分類:創出価値とネットワークの広がり 創出価値 顧客価値 自社競争力・ QCDR改善 顧客動向分析 Industrial Internet O&M代行サービス デジタルマーケティング 事前・予防保守 Industrie4.0 企業間EC デジタルサプライチェーン クローズドネットワーク オープンネットワーク ネットワークの広がり デバイス、 センサー IoTネット ワーク クラウド、 ストレージ セキュリ ティ保護 ビッグデー タ解析 要素技術 Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc. 3 出所:三菱総合研究所 Industrie4.0とは ドイツにおいて産学官共同で行われる次世代製造業のコンセプト 何がしたいのか 「スマートファクトリ」 の実現 ドイツ製造製品の輸出 設計・生産基盤の輸出 誰が推進しているか 産学官戦略策定委員会 「Industrie4.0 プラットフォーム」 ドイツ国家の政策/施策 何をしているのか ロードマップ作成 標準化 情報システム 基盤 通信 インフラ セキュリティ ワーク スタイル 人材育成 規制 省エネ 出所:Industrie4.0 Platform(http://www.plattform-i40.de/)、科学技術振興機構(JST)研究開発戦略センター(CRDS)「次世代製造技術の研究開発 ドイツ編」(2015/1/9)、 日本貿易振興機構(ジェトロ)「ドイツ「Industrie 4.0」とEUにおける先端製造技術の取り組みに関する動向」(2014/6/5)をもとに三菱総研作成 Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc. 4 Industrie4.0の背景(1)社会的背景 少子高齢化 (労働人口減) (先進国では) ものづくり国家 経済のサービス化 ドイツ製造業を 取り巻く環境 新興国の台頭 顧客ニーズの多 様化、個別化 製品市場の変化 スピード 先進各国の製造業の割合(対GDP)時系列 出所:世界銀行「World Data Bank」 をもとに三菱総研作成 Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc. 5 Industrie4.0の背景(2)ドイツの経済・研究開発 政治体制、 産業クラス ター史 ドイツ (参考)日本 連邦制(連邦国ー州-自治体) 中央集権(国-都道府県-市区 町村) ギルド(ツンフト)・マイスター → 公益法人 → 商工会議所 世界的な研究所が地域に点在 研究機関 政府支援 明治以降、一貫して中央集権 各研究拠点が州立大学と連携 国レベルの機関が局所的に存在 (つくば、東京) 地域毎に強みのあるR&D分野が 明確 各県に公設試験研究機関が所在 ボトムアップ方式の産業クラス ター育成(長期で州政府が支援) 国主導の産業クラスター政策 バイオベンチャー、ハイテク産業、 旧東独地域振興 ベンチャー集積、事業化等が集中 的に進んだ事例が出現 出所:文部科学省地域科学技術イノベーション推進委員会「今後の地域科学技術イノベーションのあり方について 外国における地域科学技術施策の調査」(2014/8/25) 文部科学省「我が国の中長期を展望した科学技術イノベーション政策について(中間取りまとめ)」(2015/1/20)をもとに三菱総研作成 Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc. 6 Industrie4.0プラットフォーム Industrie4.0プラット フォームの活動 事務局は、製造業の業界団体(情報通信・機械・電気・電子) 以下8分野の研究開発ロードマップを作成 分野 研究開発(ロードマップ)の概要 標準化 複数の企業が情報ネットワークで使う各種標準化と参照モデル作成 システム管理 製造システムの計画・実行のための情報システム管理の基盤構築 通信インフラ 高信頼性・高品質のブロードバンドをグローバルで他社も含め拡張 セキュリティ 製造施設と製品の不正アクセス防止のセキュリティーモデル開発 ワークスタイル 現場への権限移譲・個人の能力活用のための、能動的な働き方の普及 人材育成 新しい職務と要求能力のためのトレーニング(人材育成)モデルを作成 規制 企業のデータ保護、法的責任、個人情報の扱いなどを検討 省エネ スマートファクトリへの投資と節約効果を計算し、比較する方法を検討 Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc. 7 出所:Industrie4.0 Platform(http://www.plattform-i40.de/)をもとに三菱総研作成 Industrial Internetとは 産業機器とビッグデータと人々を結びつけるオープンでグローバルな ネットワーク 出所:日本GE「インダストリアル・インターネット」(http://www.ge.com/jp/company/industrial_internet/) Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc. 8 Industrial Internet:なぜGEは出来るのか(仮説) 価値・文化 人材・体制 University Development Center 既存大学と連携した専門教育機関 137年の歴史でCEOは9人 (全員プロパー) Multi-Vendor Services Technical Center of Excellence フィールドエンジニアが競合品も含めて 修理できるスキルを習得 顧客の事業を成長させる (市場の創出・育成) GE Research Lab 周囲の変化よりも早く変化を起こ し、変化する エジソンの影響を受けて、研究者間の 協力でソリューション提供 オープンなエンジニアサイト 外部リソースの積極的な活用 Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc. 9 出所:三菱総合研究所 Industrie4.0とIndustrial Internetの違い 市場、 ユーザー、 顧客、 川下企業 マーケット、 ユーザー、 顧客 中核 機関 中核 企業 クラスター、 サプライヤ、 ビジネスパートナー クラスター、 サプライヤ、 ビジネスパートナー Industrie4.0 Industrial Internet 産官学で「ドイツ製造業の復権」 Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc. 顧客理解の深耕によるリレーション強化 10 出所:三菱総合研究所 IoTの出現により日本の製造業はどこを目指すか IoTの活用により製造業の更なる価値創出の可能性がでてきた。 その事例であるIndustrie4.0とIndustrial Internetは、優劣や進化論ではない。 自社製品の競争力、市場環境はもちろん、社内文化・風土、サービス事業やデジ タル化への理解度等の要素によってどこを目指すべきか、企業によって異なる。 顧客を知り、価値提供の ためにIoTを活用する 自社製品のQCDR改善 にIoTを活用する 利用価値提供力 自社製品開発力 価値創出の源泉 Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc. 11 出所:三菱総合研究所 2.IoTで実現する新たな価値共創 2-1.価値共創(コ・クリエーション)とは何か 2-2.価値共創と日本製造業 Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc. 12 IoTの分類における価値共創(コ・クリエーション) 顧客価値 (他者/他社 と共に) 価値共創(コ・クリエーション) 創出価値 顧客価値 (意図した価 値) 顧客動向分析 O&M代行サービス Industrial Internet デジタルマーケティング 自社競争力・ QCDR改善 事前・予防保守 企業間EC Industrie4.0 デジタルサプライチェーン クローズドネットワーク オープンネットワーク ネットワークの広がり デバイス、 センサー IoTネット ワーク クラウド、 ストレージ セキュリ ティ保護 ビッグデー タ解析 要素技術 Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc. 13 出所:三菱総合研究所 価値共創(コ・クリエーション)とは何か 提供型価値 適応型価値 共創型価値 モノを使う 目的 明確 明確 不確実 モノを使う 環境 事前に確定 環境が未知、 変動 メーカーと顧客が相互 に作用し分離できない。 何が 難しいか 顧客にとって最適な ものを探すこと 変化する環境に適 応すること 両者が、価値創出に 主体的に関わる 出所:上田完次・黒田あゆみ「共創とは何か」(培風館、2004)、上田完次「研究開発とイノベーションのシステム論」(2010/5/21) 西野成昭・竹中毅・上田完次「価値創成モデルによるイノベーション普及の分析」(2007/12/14)をもとに三菱総研作成 Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc. 14 価値共創の背景:ユーザーが変化した これまで これから 情報の 広がり メーカーの情報まで 辿り着けない 能動的に情報を入手する 「知りたい人」が増えた ユーザーの 広がり 地域、属性がある程度 特定された 日本中、世界中で同じ製品を 買い、使う ユーザーの 繋がり 存在しない、メーカー主導、 小さく狭い 知った情報、使った評価を 積極的に流通させる ユーザーの 製品への 関わり 完成品から選択 (受動的) 製品を良くする 能動的活動がみられる Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc. 15 事例:医療現場の変化と医療機器メーカーのIoT メーカー 営業 メーカー 保守 保守 営業 主治医 セカンド オピニオン 医療相談 事務 栄養士 技師 栄養士 主治医 技師 看護師 看護師 事務 地域連携 患者 Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc. 16 事例:医療現場の変化と医療機器メーカーのIoT 看護師 看護師、医師 患者の不満、不安を認知 院内にあるもの+自宅にあるものでモックアップを作成 看護師、医師、 モックアップの評価と改善 患者 看護師、医師、 院内予算を獲得し、イスの要求仕様定義、調達先選定 患者、事務 メーカーA社 周辺機器一括まとめの打診を受けるも実現せず メーカーB社 「意図せざる使い方」だから一緒に開発した Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc. 17 事例:医療現場の変化と医療機器メーカーのIoT どうすれば医療機器メーカーが提供できていたのか? デジタル アナログ ユーザーや環境の逐次変 化に対応するためのコント ロールをする 価値共創の「場」で発生す る情報の多くはアナログ (現時点では)デジタルで 取得できない情報は人間 が取得する ユーザー体験全体の流れ をセンシングする Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc. 18 日本の創造性:世界5000名(日米英独仏各1000名)アンケート 質問:あなた自身は、創造的だと思いますか? 出所:Adobe「State of Create Global Benchmark Study」 https://www.adobe.com/aboutadobe/pressroom/pdfs/Adobe_State_of_Create_Global_Benchmark_Study.pdf (2015/2/20アクセス)をもとに三菱総研作成 Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc. 19 日本の創造性:世界5000名(日米英独仏各1000名)アンケート 質問:最も創造性であると思う国はどこですか? 出所:Adobe「State of Create Global Benchmark Study」 https://www.adobe.com/aboutadobe/pressroom/pdfs/Adobe_State_of_Create_Global_Benchmark_Study.pdf (2015/2/20アクセス)をもとに三菱総研作成 Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc. 20 日本の創造性:世界5000名(日米英独仏各1000名)アンケート 米国 仏国 独国 英国 日本 出所:Adobe「State of Create Global Benchmark Study」 https://www.adobe.com/aboutadobe/pressroom/pdfs/Adobe_State_of_Create_Global_Benchmark_Study.pdf (2015/2/20アクセス)をもとに三菱総研作成 Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc. 21 創造性、価値共創と日本の製造業 外からの 見え方 戦後、日本製造業の 「適応型価値」成功体験 “日本は 創造的で ある” 要素分解せず全体をそのまま 受け入れ、解釈し、共有する 適応型価値に留まることも選 択肢のひとつである どのような 状態か 生産 プロセス 日本製造業は、共創的価値に 進むべきか/進めるのか 挑戦する価値はある 挑戦する上でIoTは重要なツー 個別企業ごとに異なる 提供型価値 先進各国は「共創型価値」へ 舵を切る? ルになる 適応型価値 共創型価値 目的が明確 環境は事前に確定 目的が明確 環境が未知、変動 目的が不確実。メー カーと顧客が相互作 用し分離できない。 モジュラー型 インテグラル型 コ・クリエーション型 Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc. 22 出所:三菱総合研究所 3.IoTを活用した価値創出の第一歩 3-1.価値創出に向けた取り組みのポイント 3-2.三菱総研がお手伝いできること Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc. 23 価値創出に向けた取り組みの最大のポイント 高い価値のイノベーションは、多様性がある専門家の高い集団から生まれる 出所:Lee Fleming「『学際的コラボレーション』のジレンマ」 (DIAMOND ハーバードビジネスレビュー2004年12月号) Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc. 24 価値創出に向けた取り組みのポイント ピンとくる。 •新たな情報から、顧客を新たな視点で捉える。 •組織の中の個人が実践する、“進んだ取組み”や“小さな可能性”に 着目する。 変化 させてみる。 •最小単位のユーザーに対して、情報の3V(量、範囲、頻度)に変化を 起こす。 •意図せざる変化も含めて素早く検証し、素早くピボットする。 抽象化する。 •変化を検証する。:意味の内容、効果の大きさ、顕在化したポテン シャルなど。 •変化を生んだ一連の取組みを振り返る。:ユーザー経験の可視化。 繋ぐ。 拡散させる。 •横展開と試行錯誤をスピーディに進められる環境を整備する。 •内発的な変革(ワークスタイル変革など)の情報交換を奨励する。 •ダイバーシティを促進する。プロフェッショナルを参画させる。 Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc. 25 三菱総研の強み/出来ること ・機会発見→価値創出→事業化のアジャイルアプローチ ・価値創出支援と事業/業務支援プラットホーム(ICT面、ビジネス面) 実践上の重要な要因 ピンとくる。 土台として、 普段と異なる視点 三菱総研の強み/出来ること 独自データ(mif:生活者市場予測システム) 各種政策関連データ 変化させてみる。 弊社のビジネスパートナーネットワーク 迅速な実現 試行錯誤型(アジャイル)アプローチ方法論 抽象化する。 リアルな現象の把握 データ解析、データ分析環境構築の実績 組織や人材の評価・診断の実績 繋ぐ。拡散させる。 Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc. オープン・ コミュニケーション 顧客ネットワーク(プラチナ社会研究会など) 26 プログラムマネジメントの実績 取り組みのポイント 三菱総研がお手伝いできること ・MRI自身も進めているサービス変革 (ユーザー企業としての経験も、お客様と共有。) 日本製造業各社:イノベーションの取り組み 三菱総研のご提供サービス(一例) 社内外専門家 新たな ご提供 サービス (一例) 要素技術、 製造プロセス 製造業の サービス化 デザイン思考 情報サービス/ システム 連 携 「顧客をよく知る」 やり方 新事業の立ち上げ 業務支援 これまでの ご提供 サービス (一例) mif (生活者市場予測システム) Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc. 技術・市場調査 事業戦略・ 経営計画策定 「社内のお宝」 共同発掘 現場情報の利活 用の高度化 人材評価・育成 グローバル情報 (技術、ブランド) 連 携 製造現場情報 人工知能 業務プロセス改革 プラチナ社会研究会 27 ビジネスパートナー アジャイル開発 新事業・新サービス 試行環境(クラウド)提供 本資料に関するお問い合わせ先 株式会社 三菱総合研究所 企業経営部門 統括室 事業推進グループ 主任研究員 大川真史 [email protected] TEL : 03-6705-6060 FAX: 03-5157-2149 〒100-8141 東京都千代田区永田町二丁目10番3号 Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc. 28
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