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 人口減少の問題をより深刻化させているのが、人口
構造の変化です。本市の人口ピラミッド(図 4)は、平
成 52 年には年少人口が減少し高齢者人口が増えるとい
う構造になり、昭和 55 年、平成 22 年と比較するとそ
の形に大きな違いが表れています。
この人口構造の変化が、市の財政に大きな影響を及
ぼします。一般的に生産年齢人口といわれる 15 ~ 64
歳の年代が減ってしまうことで、市税が減少する一方、
65 歳以上の高齢者が増加するため、社会保障費などの
義務的経費が増大します。また、次代の担い手となる
べき 0 ~ 14 歳の人口が少なくなっていくことで、今後
この流れは加速していくと予想されています。
市が平成 26 年 2 月に改訂した「中・長期財政の見通し」
では、平成 24 年度が市税 191.5 億円、義務的経費 200.1
億円でその差が 8.6 億円であったのに対して、平成 32
年度が市税 177.2 億円と義務的経費 201.4 億円で、その
差は 24.2 億円まで増加すると予想されています。
見え始めた人口減少の兆し
【図 4:人口ピラミッドの推移(各年 10 月 1 日現在)】
(出典:実績値は国勢調査、推計値は国立社会保障・
人口問題研究所「地域別将来推計人口」)
平成 22 年の国勢調査では、本市の人口は 117,812 人でした。国立社会
保障・人口問題研究所によると、本市の人口は平成 27 年にピークを迎え、
その後はゆるやかに減少すると推計されています。(図 1)
しかし、那須塩原市誕生 10 周年の節目に当たる、平成 27 年 1 月 1 日
現在の本市の人口は 116,973 人で、平成 22 年と比較すると、839 人減少
しました。本市の人口が 10 万人を超えてから 20 年が経過した今、すで
に人口減少の兆しが見え始めています。
昭和55年
(1980)
90歳以上
85~89
80~84
75~79
70~74
65~69
60~64
55~59
50~54
45~49
40~44
35~39
30~34
25~29
20~24
15~19
10~14
5~9
0~4
6,000
4,000
2,000
0
【図 1:本市の人口の推移と推計(各年 10 月 1 日現在)】
(出典:実績値は国勢調査、推計値は国立社会保障・人口問題研究所「地域別将来推計人口」)
(人)
140,000
0
2,000 4,000 6,000
平成27年3月5日号
60,000
85~89
80~84
75~79
70~74
65~69
60~64
55~59
50~54
45~49
40~44
35~39
30~34
25~29
20~24
15~19
10~14
5~9
0~4
推計値
6,000
4,000
2,000
0
40,000
20,000
昭和
平成
5年
15年 25年 35年 45年 55年 2年 12年 22年 32年 42年 52年
(1930)
(1940)
(1950)
(1960)
(1970)
(1980)
(2000)
(2010)
(2020)
(2030)
(2040)
(1990)
人口変動の要素
0
2,000
4,000
人口変動の要素として、出生・死亡・転入・転出があります。本市の出生・
死亡の推移(図 2)を見ると、平成 25 年には死亡数が出生数を初めて上
回りました(自然減)。また、転入・転出の推移(図 3)を見ると、近年
は転出数が転入数を上回っています(社会減)。
このように自然減と社会減が両方起きてしまうと、人口減少に拍車が
かかります。そのため、この流れを変え「人口のダム」を構築していく
必要があります。
※人口のダム…転出を抑制し転入を促進することで、人口減少をできる
限り抑えること。
6,000
(人)
平成52年
(2040)
90歳以上
85~89
80~84
75~79
70~74
65~69
60~64
55~59
50~54
45~49
40~44
35~39
30~34
25~29
20~24
15~19
10~14
5~9
0~4
6,000
4,000
2,000
0
高齢者人口増・年少人口減が進む
3
人口のピーク(平成27年)
90歳以上
求められる「地方創生」
問い合わせ 本
企画情報課 ☎0287
(62)7106
人口10万人を突破
(平成7年)
80,000
(人)
平成22年
(2010)
「地方創生」という言葉を最近よく耳にします。政府
はこれを最重要課題にあげ、昨年 12 月には、日本が人
口減少問題において今後目指すべき将来の方向を示した
「まち・ひと・しごと創生長期ビジョン」と、これを実
現するための「まち・ひと・しごと創生総合戦略」を閣
議決定しました。
地方自治体においても、人口減少・超高齢化というピ
ンチをチャンスに変えるため、地方が自ら考えて、その
地域に合った「地方版総合戦略」を策定し、責任を持っ
てその戦略を推進することが求められています。
このような中、市では国に先駆けて、昨年 3 月に市定
住促進計画を策定。7つの「K」をキーワードに定住促
進に取り組み、人口のダムづくりに力を注いでいます。
・雇用
(Koyou)
…市内への企業立地促進・雇用の創出
・結婚
(Kekkon)
…出会いから結婚までのサポート
・子育て
(Kosodate)…子育て環境の整備
・教育
(Kyouiku)…学校教育・生涯学習の充実
・暮らし
(Kurashi)…快適な生活への支援
・交流
(Kouryu)
…人と人、人と自然がふれあう場の提供
・広報
(Kouhou)…的確な情報提供・市の魅力PR
これらの取り組みをより一層推進するため、4 月 1 日
から 4・5 ページのとおり組織機構の一部を再編します。
地域に住む人たちが、自らの地域の未来に希望を持ち、
個性豊かで潤いのある生活を送ることができる地域社会
ち ゃ
をつくるため、これからも市民の皆さんと一緒に「チ
ャ
れ ん じ ん ぐ
レンジ ing」していきます。
那須塩原市誕生
(平成17年)
120,000
100,000
明るい未来を築いていくために…
人口構造の変化が財政を圧迫
人口がどれくらいになると推計
いて考えてみましょう。
戦略的に 進 め る
人口 減 少 対 策
皆さんは、本市の人口がどうなっているのか、また、将来
されているのか知っていますか?今回は、人口の現状につ
【図 2:出生・死亡数の推移(各年 10 月~翌年 9 月の合計)】
1,000
2,000 4,000 6,000
(人)
(出典:栃木県毎月人口調査報告書)
(人)
7,000
1,200
転入
6,000
出生
5,000
800
600
400
0
(出典:栃木県毎月人口調査報告書)
(人)
1,400
【図 3:転入・転出数の推移(各年 10 月~翌年 9 月の合計)
】
死亡
死亡数が出生数を逆転(自然減)
200
平成
元年
5年
9年
13年
17年
21年
25年
(1989) (1993) (1997) (2001) (2005) (2009) (2013)
4,000
転出
転出数が転入数を逆転
(社会減)
3,000
平成
元年
5年
9年
13年
17年
21年
25年
(1989) (1993) (1997) (2001) (2005) (2009)(2013)
平成27年3月5日号
2