中学校・高等学校の校舎等改築に係る

別紙
諮問第887号
答
1
申
審査会の結論
「○○中学校・高等学校の校舎等改築に係る文書」を一部開示とした決定は、妥当で
ある。
2
異議申立ての内容
(1)異議申立ての趣旨
本件異議申立ての趣旨は、東京都情報公開条例(平成11年東京都条例第5号。以下
「条例」という。)に基づき、異議申立人が行った「○○中学校・高等学校の校舎等
改築に係る次の文書、平成24年○月○日付『校舎等変更届』、提出書類(「8
準法7条5項の規定による『検査済証』(写)」及び「13
建築基
登記簿謄本」を除く。)」の
開示請求に対し、東京都知事が平成26年2月7日付けで行った一部開示決定について、
その取消しを求めるというものである。
(2)異議申立ての理由
異議申立書及び意見書における異議申立人の主張を要約すると、以下のとおりであ
る。
ア
非開示とした情報について、精査していただきたい。仮に、私立学校安全対策促
進事業費補助金等に係る情報が含まれる場合に、条例7条3号や6号を適用するの
は不適切である。
イ
条例の前文及び3条では、情報公開を原則として認め、行政の透明性を確保する
ことにより適正な権力の執行を担保する趣旨を示している。開示決定においては、
非開示情報に係る部分が最小限となるようにしなければならない。条例の趣旨に反
することになるからである。また、非開示情報に係る部分を容易に区分して除くこ
- 1 -
とができ、かつ、区分して除くことにより、当該開示請求の趣旨が損なわれること
がないと認めるときは、非開示情報に係る部分を削除し、当該非開示情報に係る部
分以外の部分について公文書の開示をしなければならない。
東京都知事は、本件処分を変更したと弁明しているが、平成26年12月1日の時点
で異議申立人は、本件処分を変更した旨の通知書を受けておらず、意見書を作成す
るのに十分な情報を受けていない。
ウ
東京都知事は非開示の判断を優先させており、不服申立てを受けて初めて開示の
範囲を拡げることを検討している。東京都知事は審査会に諮問した後から、開示決
定を変更することを繰り返している(しかも、開示決定の変更を異議申立人に通知
していなかった。)。条例の趣旨に反することをしている。当初の開示決定におい
て、開示を原則とし、非開示情報に係る部分が最小限となるように判断していれば、
このような事態にはならない。
東京都知事の非開示情報に関する判断は、誤っていると考える。
3
異議申立てに対する実施機関の説明要旨
理由説明書及び口頭による説明における実施機関の主張を要約すると、以下のとおり
である。
(1)平成26年2月7日付けの一部開示決定について
本件処分は、学校教育法施行令(昭和28年政令第340号)27条の2及び同法施行規
則(昭和22年文部省令第11号)6条に基づき、学校法人○○から、所轄庁である東京
都知事に対し届出のあった、○○中学校・高等学校の校舎等改築に係る校舎等変更届
及び提出書類(「8
建築基準法(昭和25年法律第201号)7条5項の規定による『検
査済証』(写)」及び「13
登記簿謄本」を除く。)に係る開示請求に対し、条例11条
1項の規定に基づいて行った一部開示決定である。
当該対象公文書は、学校法人○○が所轄庁である東京都知事に届け出た、学校法人
○○の設置する○○中学校・高等学校の校舎等改築に係る平成 24 年○月○日付「校
舎等変更届」及び「提出書類」であり、そのうち「提出書類」は、「1
由」、
「2
変更する時期」、
「3
変更する面積」、
「4
- 2 -
変更する理
運動場等の面積」、
「5
理事
会議事録」、「6
「11
施設の概要」、「7
確認済証」、「9
既存校舎及び新校舎の内訳表」及び「12
図面」、「10
資金計画書」、
学級編成表」から構成されている。
実施機関では、当該対象公文書について、平成 26 年2月7日付けで条例7条2号、
3号、4号及び6号に該当する部分を非開示とする一部開示決定を行った。
(2)平成26年10月10日付けの一部開示決定について
平成26年2月7日付けの一部開示決定において非開示とした部分について、異議申
立てが提起されたことを踏まえ、再検討した結果、「提出書類」の「9
ち1階平面図について、外から視認可能な建物外部の情報を、また、「10
図面」のう
資金計画
書」のうち項目及び金額がともに空白の部分を、それぞれ開示することとし、平成26
年10月10日付けで一部開示決定を行った。
なお、当該決定については、平成26年10月10日付けで一部開示決定を行ったところ
であるが、事務手続における誤認により、異議申立人に決定通知書等を送付しておら
ず、異議申立人からの指摘によりその事実が判明し、同年12月2日に異議申立人に決
定通知書等を送付した。
(3)平成26年12月15日付けの一部開示決定について
平成26年2月7日付け及び同年10月10日付けの一部開示決定において非開示とし
た部分について、再検討した結果、「提出書類」の「5
理事会議事録」のうち、理
事会議録(平成23年○月○日)の10行目の「及び」以降「への連絡」の前までを開示
することとし、平成26年12月15日付けで一部開示決定を行った。
(4)平成27年1月13日付けの一部開示決定について
平成26年2月7日付け、同年10月10日付け及び同年12月15日付けの一部開示決定に
おいて非開示とした部分について、実施機関において改めて精査した結果、
「提出書類」
の「9
図面」のうち各階平面図について、建築基準法93条の2及び建築基準法施行
規則(昭和25年建設省令第40号)11条の4に基づき閲覧に供されている建築計画概要
書において公にされている部分を開示することとし、平成27年1月13日付けで一部開
示決定を行った。
- 3 -
(5)平成27年1月13日付けの一部開示決定において、なお非開示とした部分及び非開示
とした理由について
ア
「提出書類」の「5
理事会議事録」のうち、出席者氏名(○○氏(理事長名)
及び○○氏(学校長名)を除く。)及び欠席者氏名は、学校法人○○の理事の氏名
であり、個人に関する情報で特定の個人を識別することができるものである。
学校法人の理事長については、組合等登記令(昭和 39 年政令第 29 号)2条にお
いて、代表権を有する者の氏名、住所及び資格が登記事項とされていることから、
何人でも閲覧可能な情報であるため、理事長である○○氏の氏名を開示した。
また、学校長については、私立学校法(昭和 24 年法律第 270 号)38 条において、
当該学校法人の設置する私立学校の校長は理事となる者として規定されており、○
○氏は学校法人○○が設置する中学校及び高等学校の学校長を兼務していること
から理事であることは明白であり、かつ、校長の氏名は当該学校のホームページで
公開されているため、氏名を開示した。
しかしながら、他の理事については、学校法人○○では理事長以外の理事は代表
権を有しておらず、登記簿により氏名、住所及び資格の閲覧等ができる状態ではな
い。また、学校法人○○は自らインターネット等で公開していない。
以上により、当該非開示部分は条例7条2号本文に該当し、また、同号ただし書
のいずれにも該当しないため、非開示とした。
イ 「提出書類」の「10
資金計画書」のうち、表に記載の内容(ただし、所要経費・
充当財源に係る表のうち所要経費の4行目及び様式1-12 のうち借入先の一部を
除く。)は、当該改築工事に係る資金計画が分かるものである。
工事に係る経費やそれに充当する資金源、負債償還計画の内容が明らかになれば、
どの程度の規模の工事を行うことができる経営規模なのか、また、それに対して自
己資金で対応可能なのかなど、学校法人○○の経営状況を相当程度把握することが
可能となる。また、所要経費は通常明らかにされない情報であり、これを公にする
と、学校法人○○の経理上の内部管理に属する事項に関する情報が明らかになる。
よって、本件非開示部分は、公にすることにより、学校法人○○の競争上又は事
業運営上の地位その他社会的な地位が損なわれると認められるため、条例7条3号
- 4 -
本文に該当し、また、同号ただし書のいずれにも該当しないため、非開示とした。
ウ 「提出書類」の「12
学級編成表」のうち、平成 24 年5月1日現在の在籍数(学
級数及び生徒数)について、学校の在籍数(学級数及び生徒数)は、学校運営上の
基礎情報であり、その数字から学校規模を推測し、事業運営や経営内容を相当程度
把握することが可能である。かつ、この数字を基に把握可能な定員充足の程度は、
各私立学校における教育活動の客観的な評価のみならず、学校イメージの変化など、
多種多様な要因が影響するものである。
このような様々な要因が影響する在籍数について、流動的な要因等を考慮するこ
となく数値のみが公にされた場合、学校に対する表面的評価が先行し、学校法人の
事業運営上の地位に深刻な影響を及ぼすおそれがある。学校によっては自ら在籍
(生徒)数等を公表している場合もあるが、学校法人○○については公表していな
い。
以上により、本件非開示部分は、公にすることにより、学校法人○○の競争上又
は事業運営上の地位その他社会的な地位が損なわれると認められる情報であり、条
例7条3号本文に該当し、また、同号ただし書のいずれにも該当しないため、非開
示とした。
エ
「提出書類」の「5
理事会議事録」のうち、理事会議録(平成 23 年○月○日)
の3行目「関しては、」以降4行目「平成 26 年度は、」の前までについて、当該箇
所には、校舎建替えに関する学校運営上の内部管理に属する事項に関する情報が記
載されており、学校法人○○のホームページ等で公開されているものではない。公
にすることにより、学校法人○○の競争上又は事業運営上の地位その他社会的な地
位が損なわれることが認められる情報であり、条例7条3号本文に該当し、また、
同号ただし書のいずれにも該当しない。
また、学校の校舎建替えに伴い東京都が行う届出受理事務に係り学校法人○○か
ら提供された情報でもあり、公にすることにより、学校法人○○との信頼関係を損
ない、正確な事実の把握を困難にするおそれがあり、当該事務の適正な遂行に支障
を及ぼすことが認められ、条例7条6号に該当する。
以上により、本件非開示部分は条例7条3号及び同条6号に該当するため、非開
- 5 -
示とした。
オ
「校舎等変更届」並びに「提出書類」の「5
及び「9
理事会議事録」、「7
確認済証」
図面」のうち、当該法人理事長、代表理事、株式会社○○代表者及び代
表設計者の印影は、偽造等の犯罪を誘発し、又は犯罪の実行を容易にするおそれが
ある情報であり、公にすることにより、公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすお
それがあるものであることから、条例7条4号に該当するため、非開示とした。
カ 「提出書類」の「9
図面」のうち、各階平面図の一部について、開示した場合、
建物内部の詳細な構造が明らかになり、その結果、建造物侵入等の犯罪を誘発し、
又は犯罪の実行を容易にするおそれがあり、学校の安全と秩序の維持に支障を及ぼ
すおそれがあることから、条例7条4号に該当するため、非開示とした。
キ
なお、本件対象公文書は、学校法人○○が校舎改築に当たり、学校教育法施行令
等に基づき所轄庁に対して届け出たものであり、補助金申請に係る書類ではないた
め、私立学校安全対策促進事業補助金等に係る情報は含まれていない。
4
審査会の判断
(1)審議の経過
審査会は、本件異議申立てについて、以下のように審議した。
年
月
日
審
議
経
過
平成26年
4月16日
諮問
平成26年
5月29日
新規概要説明(第149回第二部会)
平成26年10月16日
実施機関から理由説明書収受
平成26年10月23日
実施機関から説明聴取(第153回第二部会)
- 6 -
平成26年11月27日
審議(第154回第二部会)
平成26年12月
異議申立人から意見書収受
1日
平成26年12月18日
審議(第155回第二部会)
平成27年
1月25日
異議申立人から意見書収受
平成27年
1月29日
審議(第156回第二部会)
(2)審査会の判断
審査会は、異議申立ての対象となった公文書並びに実施機関及び異議申立人の主張
を具体的に検討した結果、以下のように判断する。
ア
本件対象公文書について
学校教育法施行令27条の2において、私立の学校の設置者は、その設置する学校
(大学及び高等専門学校を除く。)について、校地、校舎その他直接保育若しくは
教育の用に供する土地及び建物に関する権利を取得し、若しくは処分しようとする
とき、又は用途の変更、改築等によりこれらの土地及び建物の現状に重要な変更を
加えようとするときは、その旨を都道府県知事に届け出なければならないと定めら
れている。
また、学校教育法施行規則6条において、学校の校地校舎等に関する権利を取得
し、若しくは処分し、又は用途の変更、改築等によりこれらの現状に重要な変更を
加えることについての届出は、届出書に、その事由及び時期を記載した書類並びに
当該校地校舎等の図面を添えてしなければならないと定められている。
本件異議申立てに係る対象公文書は、これらの規定に基づき、学校法人○○(以
下「当該法人」という。)から、所轄庁である東京都知事に対し届出のあった、○
○中学校・高等学校(以下「当該学校」という。)の校舎等改築に係る校舎等変更
届及び提出書類(「8
「13
建築基準法7条5項の規定による『検査済証』(写)」及び
登記簿謄本」を除く。)であり、平成 24 年○月○日付「校舎等変更届」(以
- 7 -
下「本件対象公文書1」という。)並びに提出書類のうち「5
下「本件対象公文書2」という。)、「7
いう。)、
「9
理事会議事録」
(以
確認済証」(以下「本件対象公文書3」と
図面」
(以下「本件対象公文書4」という。)、「10
下「本件対象公文書5」という。)及び「12
資金計画書」
(以
学級編成表」(以下「本件対象公文書
6」という。)から構成されている。
イ
審査会における審議事項について
実施機関は、平成26年10月10日付けの一部開示決定、同年12月15日付けの一部開
示決定及び平成27年1月13日付けの一部開示決定において、当初の決定で非開示と
した部分の一部について、開示とする処分変更を行っていることから、審査会は、
別表に記載の実施機関がなお非開示とした部分(以下「本件非開示情報」という。)
の非開示妥当性について判断する。
ウ
条例の定めについて
条例7条2号本文は、「個人に関する情報(事業を営む個人の当該事業に関する
情報を除く。)で特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合するこ
とにより、特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)又は特定
の個人を識別することはできないが、公にすることにより、なお個人の権利利益を
害するおそれがあるもの」を非開示情報として規定している。また、同号ただし書
において、「イ
法令等の規定により又は慣行として公にされ、又は公にすること
が予定されている情報」、
「ロ
人の生命、健康、生活又は財産を保護するため、公
にすることが必要であると認められる情報」、
「ハ
当該個人が公務員等…である場
合において、当該情報がその職務の遂行に係る情報であるときは、当該情報のうち、
当該公務員等の職及び当該職務遂行の内容に係る部分」のいずれかに該当する情報
については、同号本文に該当するものであっても開示しなければならない旨規定し
ている。
条例7条3号本文は、「法人(国、独立行政法人等、地方公共団体及び地方独立
行政法人を除く。)その他の団体(以下「法人等」という。)に関する情報又は事
業を営む個人の当該事業に関する情報であって、公にすることにより、当該法人等
又は当該事業を営む個人の競争上又は事業運営上の地位その他社会的な地位が損
- 8 -
なわれると認められるもの」を非開示情報として規定している。また、同号ただし
書において、「イ
事業活動によって生じ、又は生ずるおそれがある危害から人の
生命又は健康を保護するために、公にすることが必要であると認められる情報」、
「ロ
違法若しくは不当な事業活動によって生じ、又は生ずるおそれがある支障か
ら人の生活を保護するために、公にすることが必要であると認められる情報」、
「ハ
事業活動によって生じ、又は生ずるおそれがある侵害から消費生活その他都民の生
活を保護するために、公にすることが必要であると認められる情報」のいずれかに
該当する情報については、同号本文に該当するものであっても開示しなければなら
ない旨規定している。
条例7条4号は、「公にすることにより、犯罪の予防、鎮圧又は捜査、公訴の維
持、刑の執行その他の公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれがあると実施
機関が認めることにつき相当の理由がある情報」を非開示情報として規定している。
条例7条6号は、「都の機関又は国、独立行政法人等、他の地方公共団体若しく
は地方独立行政法人が行う事務又は事業に関する情報であって、公にすることによ
り、…当該事務又は事業の性質上、当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼす
おそれがあるもの」を非開示情報として規定している。
エ
本件非開示情報の非開示妥当性について
(ア)本件非開示情報1について
本件非開示情報1は、当該法人の理事長及び学校長を除く理事会出席者氏名及
び欠席者氏名であり、個人に関する情報で特定の個人を識別することができるも
のであると認められるため、条例7条2号本文に該当する。また、その内容及び
性質から、同号ただし書のいずれにも該当しない。
したがって、本件非開示情報1は、条例7条2号に該当し、非開示が妥当であ
る。
(イ)本件非開示情報2について
本件非開示情報2は、当該学校の校舎等改築工事に係る経費やそれに充当する
資金源、負債償還計画の内容等当該改築工事に係る資金計画が分かる情報であり、
公にすることにより、当該法人の内部管理に属する事項に関する情報である経営
- 9 -
状況を相当程度把握されることとなり、当該法人の競争上又は事業運営上の地位
その他社会的な地位が損なわれると認められることから、条例7条3号本文に該
当する。また、その内容及び性質から、同号ただし書のいずれにも該当しない。
したがって、本件非開示情報2は、条例7条3号に該当し、非開示が妥当であ
る。
(ウ)本件非開示情報3について
本件非開示情報3は、平成 24 年5月1日現在の当該学校の在籍数(学級数及び
生徒数)であり、当該法人において公表していない学校運営上の基礎情報である
ことから、公にすることにより、当該法人の内部管理に属する事項に関する情報
である事業運営状況及び経営状況を相当程度把握されることとなり、当該法人の
競争上又は事業運営上の地位その他社会的な地位が損なわれると認められること
から、条例7条3号本文に該当する。また、その内容及び性質から、同号ただし
書のいずれにも該当しない。
したがって、本件非開示情報3は、条例7条3号に該当し、非開示が妥当であ
る。
(エ)本件非開示情報4について
本件非開示情報4は、校舎建替えに関する学校運営上の内部管理に属する事項
に関する具体的な情報であり、公にすることにより、当該法人の競争上又は事業
運営上の地位その他社会的な地位が損なわれると認められることから、条例7条
3号本文に該当し、また、その内容及び性質から、同号ただし書のいずれにも該
当しない。
したがって、本件非開示情報4は、条例7条3号に該当し、条例7条6号該当
性を判断するまでもなく、非開示が妥当である。
(オ)本件非開示情報5について
本件非開示情報5は、当該法人の理事長、代表理事、株式会社○○代表者及び
代表設計者の印影であり、公にすることにより、偽造等犯罪の予防に支障を及ぼ
すおそれがあると実施機関が認めることにつき相当の理由がある情報であると
- 10 -
認められることから、条例7条4号に該当し、非開示が妥当である。
(カ)本件非開示情報6について
本件非開示情報6は、建物内部の配置、建築設備の位置、具体的な用途等建物
内部の状況に係る詳細な情報であり、公にすることにより、建物内部の詳細な構
造が明らかとなり、その結果、建造物侵入等の犯罪を誘発し、又は犯罪の実行を
容易にするなど、当該学校の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれがあると実
施機関が認めることにつき相当の理由がある情報であると認められることから、
条例7条4号に該当し、非開示が妥当である。
オ
付言
実施機関は、本件において、3回にわたり開示部分を追加する決定を行っている
が、開示・非開示の判断に当たっては、当初の決定において、実施機関の他の事業
において公にされている情報を確認するなど、十分精査した上で、非開示部分を特
定すべきである。また、その3回の開示部分を追加する決定のうち1回については、
文書の送付が行われていなかった。
情報公開制度が適正かつ円滑に運用されるためには、実施機関における事務手続
が厳正に行われていることが前提であり、それによって初めて都民の期待に応える
制度として機能するものである。
実施機関においては、都民への説明責任を全うするという情報公開制度の趣旨が
損なわれることがないように、今後、条例に基づく事務手続を厳正に行うべきであ
る。
よって、「1 審査会の結論」のとおり判断する。
(答申に関与した委員の氏名)
横山 洋吉、中村 晶子、乳井 昌史、山田 洋
- 11 -
別表
平成27年1月13日付けの一部開示決定において、なお非開示とした部分
開示しないこと
本件非開示情報
とする根拠規定
本件対象公文書2のうち、出席者氏名(○○氏(理事長名)及
1
条例7条2号
び○○氏(学校長名)を除く。)及び欠席者氏名
本件対象公文書5のうち、表に記載の内容(ただし、所要経費・
2
充当財源に係る表のうち、所要経費の4行目及び様式1-12 の
条例7条3号
うち、借入先の一部を除く。)
本件対象公文書6のうち、平成 24 年5月1日現在の在籍数(学
3
条例7条3号
級数及び生徒数)
本件対象公文書2のうち、理事会議録(平成 23 年○月○日)
条例7条3号
4
の「関しては、」以降「平成 26 年度は、」の前まで
及び6号
本件対象公文書1、2、3及び4のうち、当該法人理事長、代
5
条例7条4号
表理事、株式会社○○代表者及び代表設計者の印影
6
本件対象公文書4のうち、各階平面図の一部
- 12 -
条例7条4号