5-7-1 5.7 動物・植物・生態系(植物) 1.調査の手法 (1)調査項目 a

5.7 動物・植物・生態系(植物)
1.調査の手法
(1)調査項目
a.既存資料調査
2.2
地域の自然環境
4.動植物
(1)植物で入手した文献・資料を収集・整理
した。
b.現地調査
現地調査(予備調査)では、事業実施位置周辺で「エビネ」及び「クロヤツシロ
ラン」が確認されているため、これらの生物相の状況(分布状況)を把握した。
(2)調査地域
調査地域は、事業実施位置に隣接した森林及び残地森林とする。ただし、北側は
既存事業場であるため、現地調査を行わなかった。現地調査範囲は図 5-7-1 に示す
とおりとする。
図 5-7-1 現地調査範囲
現地調査範囲(f-1・f-2・f-3・f-4)の環境は以下のとおりである。
凡 例
区分
現地調査範囲の環境
f-1
ヒノキ人工林、間伐、枝打ち
f-2
林縁斜面 低木のマント群落及びソデ群落を形成亜高木
f-3
調査地上部の埋立地
f-4
人工林(50 年生) 放置林のため、樹幹は細い
5-7-1
(3)調査方法
a.現地調査
現地調査方法は、表 5-7-1 に示すとおりとする。
表 5-7-1 現地調査の手法(植物)
土地又は工作物の存在
影響要因
施設の稼働(排ガス)
調査項目
エビネ、クロヤツシロラン
調査方法
目視観察によって植物を確認する。
【春季】平成 25 年 5 月 21 日
【夏季】平成 25 年 7 月 22 日
調査期間・頻度
【秋季】平成 25 年 10 月 10 日
平成 25 年 11 月 25 日
【冬季】平成 26 年 2 月 7 日
調査地域・地点
事業実施位置周辺(f-1~f-4)
2.調査結果
(1)既存資料調査結果
「平成 25 年度富士製紙協同組合新焼却炉建設に伴う自然環境調査業務」(平成 26
年 3 月 富士常葉大学)を整理した。事業実施位置周辺で確認された種は表 5-7-2
に示すとおりである。
環境省及び静岡県のレッドリスト掲載種は「エビネ」及び「クロヤツシロラン」
以外は確認されなかった。
(目録は資料編参照)
表 5-7-2 事業実施位置周辺で確認された種
分類群
科数
種類数
コケ植物
11
11
シダ植物
14
39
2
2
双子葉植物
58
175
単子葉植物
9
45
94
272
裸子植物
種子植物
被子植物
合
計
5-7-2
(2)現地調査結果
現地調査結果を表 5-7-3 に示す。f-4 区画において「エビネ」及び「クロヤツシロ
ラン」が確認された。
表 5-7-3 調査結果(植物)
調査項目
確認された区画・状況
エビネ
f-4(奥の山の斜面などで確認)
クロヤツシロラン
f-4(小尾根肩部で確認)
確認時期
平成 25 年 5 月 21 日
平成 26 年 2 月 7 日
平成 25 年 10 月 10 日
平成 25 年 11 月 25 日
「エビネ」及び「クロヤツシロラン」の確認状況は表 5-7-4、確認された地点は図
5-7-2 に示すとおりである。両種とも生育は良好で、生育地の環境も安定していた。
表 5-7-4 エビネ及びクロヤツシロランの確認株数
種名
エビネ
確認地点
株数
開花株数
①●
9
②●
種名
確認地点
株数
開花株数
0
①●
10
―
7
7
②●
11
―
③●
2
0
クロヤツ
③●
23
―
④●
7
3
シロラン
④●
28
―
⑤●
8
2
⑤●
17
―
⑥●
7
2
⑥●
38
―
⑦●
1
0
⑧●
1
1
⑨●
8
7
図 5-7-2 エビネ及びクロヤツシロランの確認位置図
(●:エビネ ●:クロヤツシロラン)
5-7-3
3.予測の手法
(1)予測項目
予測項目は、
「エビネ」及び「クロヤツシロラン」とした。
(2)予測地域及び予測地点
予測地域及び予測地点は、事業実施位置周辺とした。
(3)予測方法及び予測対象時期等
予測方法及び予測対象時期等は、表 5-7-5 に示すとおりとする。
表 5-7-5 予測方法及び予測対象時期等(植物)
影響要因
の土
存地
在又
及は
び工
供作
用物
施設の稼動
(排ガス)
予測項目
予測方法
予測対象時期
予測地域・地点
エビネ、
クロヤツシロラン
事業計画の内容をもとに
植生、生育地の消滅の有
無、その改変の程度を把握
する。
施設 の稼動が
定常 の状態に
達した時点
事業実施位置
周辺(図 5-7-1)
4.予測結果
(1)土地又は工作物の存在及び供用
a.施設の稼働(排ガス)
①
エビネ
事業計画では「エビネ」の生育地周辺の樹林地は改変されない。また、既存
施設の影響を受けていたとしても、現時点で生育環境は良好であった。なお、
生育地は事業実施位置から 100m以上離れていることから、施設の稼働(排ガス)
による影響はないと予測される。
②
クロヤツシロラン
事業実施位置の近傍(事業実施位置から 50~100m未満)に生育しているが、
改変予定地外の林内にあり、森林伐採等も行わないことから、日照や水分条件
などは変化しない。そのため、施設の稼働(排ガス)がクロヤツシロランに直
接影響を及ぼすことはない。また、現時点で生育環境は良好であったことから、
施設の稼働(排ガス)による影響はないと予測される。
5-7-4
5.評価
(1)評価の手法
a.土地又は工作物の存在及び供用
植物(エビネ及びクロヤツシロラン)への影響が、事業者の実行可能な範囲でで
きる限り回避または低減されているものであるか否かについて見解を明らかにし、
かつ、国、県等による環境の保全の観点からの施策によって基準又は目標が示さ
れている場合は、予測結果との間に整合が図られているか評価した。
環境保全目標は、
「現状の状態を維持すること」とした。
(2)環境保全のための措置
a.土地又は工作物の存在及び供用
・大気汚染防止法等で規制されている排出基準を順守する。
・排出ガス中の窒素酸化物、硫黄酸化物、塩化水素、一酸化炭素等の定期的な測定
により適切な運転管理を行う。なお、測定は計量法で規定された方法で行う。測
定法の例は以下に示すとおりである。
窒素酸化物:JIS K 0104(化学発光法)
硫黄酸化物:JIS K 0103(イオンクロマトグラフ法)
塩化水素 :JIS K 0107(イオンクロマトグラフ法)
一酸化炭素:JIS B 7951(赤外線吸収法)
・燃焼ガス温度、集塵機入口温度の連続測定装置の設置により適切な焼却管理を行
う。
(3)評価の結果
a.土地又は工作物の存在及び供用
①
施設の稼働(排ガス)
「エビネ」及び「クロヤツシロラン」は改変予定地外の林内にあり、生育地
周辺の樹林地も改変されずに残る。そのため、日照や水分条件などは変化がな
いと考えられることから、
「影響はない」または「影響は極めて小さい」と予測
される。また、新たな焼却施設の稼働後も大気汚染防止法等で規制されている
排出基準を順守するとともに、適切な焼却管理を行うことから、
「エビネ」及び
「クロヤツシロラン」の生育環境も変化しないと考えられる。
以上のことから、施設の稼働(排ガス)による影響は低減される。
5-7-5