視 点 日立商工会議所における女性 起業家支援の取組について 日立商工会議所 会頭 秋山 光伯 日立商工会議所は、地域総合経済団体として事業者、とりわけ中小企業・小規模事 業者に密着した経営支援活動を展開しています。最近では、行政だけでなく教育機関 等とも連携し、地域の特色や強みを活かしながら、会員事業所の活性化、ひいては地 域経済の発展に寄与するという役割を担っています。 ここ数年は、震災復興、アベノミクスというキーワードから地域経済の進むべき方 向を見据え、目まぐるしい変化の中からチャンスを見出そうという方針で役職員一丸 となって進んで参りました。 ものづくりの街と言われて久しい当地ですが、新たな産業や業態を創造していくこ とこそが、地域力向上につながる重要なポイントであると考えております。この中で、 従来から進めている「女性のための創業塾」は、開講以来11年を経過しました。これ までサービス業を中心に約30社の女性起業者が誕生した他、この創業塾を卒業した 方々の有志で組織された「日立商工会議所女性起業家交流グループ みゅーずnet」の 活動も、来年度は10周年を迎えます。50名の会員を擁するこのグループには、既に創 業した女性経営者や「創業予備軍」が参加し、自分を高める研修会を自ら企画開催し てきました。グループは相互の情報交換を行いながら、夢をかたちにしようと積極的 な活動を続けており、当商工会議所でも支援を継続しています。 昨年からは、日立市が国の産業競争力強化法の認定を受けたのを契機に、市、 (公財) 日立地区産業支援センター、(株)日本政策金融公庫日立支店とともに、「日立創業支援 ネットワーク」を組織し、創業希望者への支援活動を開始いたしました。このネット ワーク活動による創業希望者のうち、35%が女性であることからも、女性の起業への 関心は高まってきていると考えています。 当地は温暖で自然にも恵まれ、かつ安全で教育・文化の水準が高く、そして工業と いう基幹産業を有するなど大変住みやすく、また、働きやすい街と、かねがね感じて いるところです。日立市の持つこうした魅力や潜在力が、女性の起業家に相応しい、 優しい土壌を生むと言っても良いかもしれません。 今後とも、女性起業者への継続的な支援を一つのきっかけにして、会員企業と共に 地域の創生を成し遂げ、広域的な地域における中核都市を目指したいと考えていま す。 15.3 ’ 3
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