FX Weekly (2015年3月6日)

FX Weekly
平成 27(2015)年 3 月 6 日
GLOBAL MARKETS RESEARCH
チーフアナリスト
内田 稔
三菱東京 UFJ 銀行
A member of MUFG, a global financial group
Table of contents
1
今週のトピックス
1. 今週のトピックス
(1) ドル円上昇に必要な 2 枚のカード
チーフアナリスト
2
内田 稔
来週の相場見通し
(2) 米国経済
3
来週の経済指標・イベント
4
マーケットカレンダー
弱めの景気指標の動きと利上げ見通し
シニアマーケットエコノミスト
鈴木 敏之
(3) ECB は景気回復に自信を示すも、ユーロは続落か
アナリスト
天達 泰章
(4) 中国全国人民代表大会開幕 経済成長目標を引き下げへ
アナリスト
関谷 菜摘
2. 来週の相場見通し
(1) ドル円:ドル買い地合いながらも上値が重かったドル円
予想レンジ
118.00 ~ 121.50
(2) ユーロ:国債買入による金利低下から下落を予測
予想レンジ
対ドル:
1.0850 ~ 1.1200
対円:
129.50 ~ 134.50
(3) 豪ドル:横ばいながら上値の重い展開が続こう
予想レンジ
対ドル:
0.7700 ~ 0.7900
対円:
92.00 ~ 95.00
(4) 人民元:基準値の元安設定が続く中、弱含む展開を予想
予想レンジ
1
FX Weekly | 平成 27(2015)年 3 月 6 日
対ドル:
6.2500 ~ 6.2850
対円:
18.90 ~ 19.40
(1) ドル円上昇に必要な 2 枚のカード
ドルは上がれどドル円
動かず
今週は幅広い通貨に対してドルが続伸した。特に、欧州中央銀行
(ECB)による国債の買い入れ開始を間近に控え、対ユーロでのド
ル高が目立っており、ユーロドル相場は 2003 年以来初めて 1.10 台
を割り込んだ。これに伴い上値を抑えられていた主要 6 通貨を対象
に算出されるドル指数も、再び上昇しており、年初来の上昇率は
7%に迫っている。一方、ドル円は 120 円台こそ回復したものの、
年初と比べるとほぼ横ばい圏での推移にとどまっている(年初のド
ル円は 119.80)。ドル高地合いとは言え、ドル円に限れば必ずしも
そうした動きとはなっていない(第 1 図)。
第 1 図: 年初来のドル指数(注)とドル円の推移(年初=100)
108
ドル指数
ドル円
ドル高
106
104
102
100
98
ドル安
96
15/1
15/2
15/3
(年/月)
(資料)Intercontinental Exchange より三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成
(注) ユーロ(57.6%)、円(13.6%)、ポンド(11.9%)、カナダドル(9.1%)、スウェーデンクローナ(4.2%)、スイスフラン
(3.6%)を対象に算出したドルの名目実効相場。カッコ内は計算上のウェートを示す。
ドルも強いが円も強い
2
FX Monthly3 月号でも指摘の通り、ドル円相場がドル高円安方向
へと上昇するためには、2 枚のカードが同時に揃うことが必要と考
えられる。1 枚目が日米の金利差拡大。2 枚目は投資家が積極的に
リスクを選好するいわゆるリスクオンのセンチメントだ。言わば、
リスク回避の円買いとは逆の動きである。しかし、年初来の各国の
金利動向をみてみると、日米金利差は拡大するどころか小幅ながら
も縮小している。加えて、多くの中央銀行が金融政策の緩和度合い
を強めた結果、各国の 2 年債の利回りが低下する中で、円は小幅な
がらも金利が上昇した数少ない通貨となる(第 2 表)。今後の利上
げへの期待からドルが強かったとは言え、相対的にみれば円も強
かったと言える。ドルも円も強ければ、ドル円は身動きが取りづら
い。
今週のトピックス | 平成 27(2015)年 3 月 6 日
第 2 表: 年初来の各国 2 年債利回り水準と変化(%)
‘14 年 12 月末
3月5日
変化
-0.022
0.011
+0.033
日本
スイス
-0.28
-0.737
▲0.457
スウェーデン
0.024
-0.092
▲0.116
ドイツ
-0.105
-0.202
▲0.097
英国
0.443
0.575
+0.132
カナダ
1.02
0.61
▲0.41
米国
0.6841
0.6389
▲0.0452
(資料)Bloomberg より、三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成
また、年初来、投資家のリスク許容度が低下する場面も繰り返し
みられてきた。世界的な金融緩和強化を好感し、株式相場こそ堅調
に推移したが、ギリシャの債務問題やウクライナ政府と親ロシア派
勢力との交戦といった地政学リスクが嫌気された。原油価格の急落
も投資家のリスク回避姿勢を強めてきた(第 3 図)。この結果、為
替市場では、リスク回避の円買いが想起され、ドル円の上昇を阻ん
できたとみられる。実際、米CFTCの先物市場における円の持ち高
(非商業部門の円買いから円売りを差し引いたネット)をみると、
昨年 12 月末時点で 9.6 万枚も積み上がっていた円の売り越し幅は、
2 月 24 日時点で約 4.7 万枚へとほぼ半減(第 4 図)。この間、相応
の円の買戻しが行われたことを示唆している。こうしてみると、年
初来に限れば、ドル円上昇に必要とみられるいずれのカードも揃っ
ていなかったことになる。
第 3 図: VIX 指数(%)
第 4 図: シカゴ IMM の円のネットポジション(非商業部門、枚)
40,000
30
買い越し
20,000
0
25
-20,000
-40,000
20
-60,000
-80,000
15
-100,000
10
-120,000
-140,000
売り越し
5
14/10
14/11
14/12
15/1
15/2
15/3
(年/月)
(資料)Bloomberg より、三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成
2 枚のカードが揃えば
ドル円も上がり易く
3
-160,000
12/10
13/1
13/4
13/7
13/10
14/1
14/4
14/7
14/10
15/1
(年/月)
(資料)米 CFTC より、三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成
もっとも、6 日発表の米雇用統計にて、賃金の伸びなど改めて労
働市場の改善が確認されれば、米国債の利回りが上昇し、日米金利
差が拡大する公算が大きい。また、米国のFOMC(米連邦公開市場
委員会)を 2 週間後に控えている。次回のFOMC声明文から、利上
げ開始まで忍耐強くいることができるとしているフォワードガイダ
ンス、‘(FOMC)can be patient’との表現に何らかの変更が加われば、
市場は一段と 6 月の利上げ開始を意識し始め、金利差はさらに拡大
今週のトピックス | 平成 27(2015)年 3 月 6 日
へと向かう可能性が高まる。足元では原油価格にも、漸く下げ止ま
る動きがみられているほか、ECBの量的緩和策の効果への期待から、
世界的に株式相場が堅調に推移するなど、市場の緊張も和らいでい
る。リスク回避の円買いもしばらく影を潜めよう。ドル円上昇に必
要な 2 枚のカードが揃えば、ドル高は素直にドル円にも反映され、
ドル高円安が進み易くなるだろう。当方もFX Monthly3 月号にて、
この第 1 四半期の予想レンジ上限を 123 円としている。
ドル円上昇シナリオへ
のリスク要因
しかし、米国の利上げが現実味を増した場合、ドル円が再び続伸
を阻まれる経路に付いて、改めて整理しておく必要もあるだろう。
原油価格と米国の株式相場の動きから、再びリスク回避姿勢が強ま
る場合だ。
ドル高局面での原油価
格の動向
まずは、原油価格の動向だ。ドル指数と原油価格との間には、明
確な逆相関性があるため、ドルが一段高となる局面では原油価格の
反落に警戒が必要だろう(第 5 図)。原油価格の下落は、市場のリ
スク回避姿勢を強め、円買い圧力を高めよう。この場合、ドルが全
般的に上昇しても円も強含む結果、ドル円という通貨ペアだけは上
昇を阻まれる動きとなりかねない。
第 5 図: ドル指数と WTI 原油先物相場(’14 年以降の相関係数▲0.97)
130
98
原油高
ドル高
120
96
110
94
100
92
90
90
80
88
70
86
60
84
50
82
40
WTI(左)
30
80
ドル指数(右)
ドル安
原油安
78
76
20
14/1
14/4
14/7
14/10
15/1
(年/月)
(資料)Bloomberg より、三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成
米国の株式相場の過熱
感
4
もう 1 つが史上最高値圏にある米国株式相場(例えばS&P500 指
数)の動向だ。足元では、原油価格の下落やドル高の影響から全体
としてみるとEPS(一株当り利益)が上げ渋っている。一方、予想
PER(株価収益率)がITバブル後では、最も高い水準へと差し掛
かっており、株価は史上最高値圏を維持している(株価=EPS×
PER、第 6 図)。債券投資と比べた株式投資の妙味の程度や株式相
場の割高、割安の度合いを示すイールドスプレッド(=PERの逆数
である株式の益回り-国債の利回り)をみると、足元では 3%台半
ばと、必ずしも株式相場の割高感は目立っていない(第 7 図)。た
だ、米国差利回りが上昇すれば、このイールドスプレッドは縮小し、
徐々に株価の割高感が意識される可能性がある。もちろん、米国経
今週のトピックス | 平成 27(2015)年 3 月 6 日
済の成長に勢いがあれば、こうしたことは杞憂に終わるが、足元で
は雇用を除けば、予想を下回る米国の経済指標が目立っている。こ
のため、金利上昇局面での株価の動向に、警戒が必要だろう。
第 6 図: 米 S&P500 株価指数の予想株価収益率
第 7 図: イールドスプレッド(益回り-10 年国債の利回り)
(倍)
30
(%)
8
28
7
26
6
24
5
22
4
20
3
18
2
16
1
14
0
12
-1
10
米 或 株
国 い 価
債 は 割
割
安
高
米 或 株
国 い 価
債 は 割
割
高
安
-2
00
01
02
03
04
05
06
07
08
09
10
11
12
13
14
(資料)Bloomberg より、三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成
結局、ドル円も「経済
情勢次第」
15
(年)
00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15
(年)
(資料)Bloomberg より、三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成
こうしてみると 2 枚のカードが揃い続けるには、米国の利上げ期
待が高まることはもちろんのこと、それに耐えるだけのしっかりと
した米経済の強さが今後とも持続することが必要となる。その点に
確信が得られると、利上げと堅調な株式相場が共存しよう。イエレ
ン議長は利上げ開始の時期などを巡り、経済情勢次第と強調してい
る。ドル円相場も、日米金利差が拡大するに連れて杓子定規に上昇
するわけではないだろう。金利差拡大を受け、ドル高円安がどの程
度進むのかは、一人勝ちともされる米経済の情勢次第だ。金利上昇
とドル高が米経済への重石となってくる場合は、ドル円の上値も重
さを増してくるだろう。
チーフアナリスト
5
今週のトピックス | 平成 27(2015)年 3 月 6 日
内田 稔
(2) 米国経済 弱めの景気指標の動きと利上げ見通し
米利上げ開始の見通し
は強いが、一部景気指
標に軟化がみえる
ISM製造業景気指数、小売売上高、住宅関連の指標など米国の一
部の景気指標に軟化の動きが見える。3 月 4 日に発表された地区連
銀景況報告の冒頭の景気の判断部分も、1 月 28 日のFOMC声明より
トーンダウンしている。Fedは、その中でも利上げ開始に動こうと
するのか?という疑問が持たれるのも自然であろう。Fedの金融政
策正常化のため利上げ開始に進む意向は強い。それでは、いかにし
て、この疑問を退けようとするかをみておきたい。
第 1 表: 雇用統計の主要計数 ~3 ヶ月で 100 万人を超える雇用者数の増加
2014
2015
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10 月
11 月
12 月
1月
2月
ISM 製造業指数
54.4
55.3
55.6
55.7
56.4
58.1
56.1
57.9
57.6
55.1
53.5
52.9
ISM 非製造業指数
53.7
55.3
56.1
56.3
57.9
58.6
58.1
56.9
58.8
56.5
56.7
56.9
フィラデルフィア連銀景況
10.7
16.0
18.3
19.6
22.8
25.5
18.6
19.0
40.2
24.3
6.3
5.2
鉱工業生産(前年同月比)
3.6
3.9
4.3
4.5
5.1
4.5
4.5
4.3
5.2
4.4
4.8
製造業在庫/出荷比率
1.30
1.30
1.31
130
1.29
1.30
1.30
1.32
1.33
1.34
雇用増加数(千人)
225
330
236
286
249
213
250
221
423
329
失業率(%)
6.6
6.2
6.3
6.1
6.2
6.1
5.9
5.7
5.8
5.6
5.7
雇用―比率(%)
58.9
58.9
58.9
59.0
59.0
59.0
59.0
59.2
59.2
59.2
59.3
257
小売売上高(前年同月比)
4.1
4.7
4.6
4.4
4.1
5.0
4.6
4.3
4.7
3.3
3.3
住宅着工件数(千件、年率)
950
1063
984
909
1098
963
1028
1092
1015
1087
1065
NAHB 住宅建設景況指数
46
46
45
49
53
55
59
54
58
58
57
中古住宅販売(年率 百万件)
4.70
4.75
4.90
5.01
5.07
5.00
5.10
5.16
4.95
5.07
4.82
S&P ケース=シラー住宅価格
12.37
10.83
9.34
8.07
6.76
5.59
4.79
4.47
4.29
4.46
自動車販販売(百万、年率)
16.33
15.98
16.70
16.92
16.40
17.45
16.34
16.35
17.08
16.80
16.56
耐久財受注(前年同月比)
7.4
3.7
0.2
7.5
8.9
8.0
10.1
7.8
0.5
3.6
0.3
消費者信頼感指数
83.9
81.7
82.2
86.4
90.3
93.4
89.0
94.1
91.0
93.1
103.8
景気先行指数(前年比、%)
全米経済活動指数 CFNAI
5.7
5.3
5.7
6.2
6.9
6.2
6.0
6.3
5.7
6.2
6.5
0.5862
0.1646
0.1536
0.2735
0.5425
-0.3739
0.3372
0.1658
0.9226
-0.0731
0.1269
55
16.16
96.4
(資料)ISM、米労働省、商務省、コンファレンスボードのデータより、三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチで作成
(注) 『雇用増加数』は、非農業部門。
『耐久財受注』は、航空機除きの非国防資本財(設備投資動向を示す代表的指標。
『全米経済活動指数 CFNAI』は、シカゴ連銀が作成しているが、全米の経済活動全体を示す指標である。CFNAI は、-0.7~+0.7 の範囲内であれば、過熱も冷え過ぎ
もないと判定される。
① 景気指標の軟化~楽観できるところ
景気指標の軟化には、
一時的な側面と、今後
も注視の要る側面があ
る
6
このところの米国景気指標の軟化については、西海岸の港湾スト、
原油価格低下による逆風にさらされる部分があることが要因として
あげられる。
まず、西海岸の港湾ストであるが、米国の経済業活動に影響を与
えることは、やはり無視できない。2 月のISM製造業景気指数が
52.9 まで低下したが、その内容では、入荷遅延指数は上昇していた。
これは、原材料の動きに支障が生じた影響と見られる。実際、ISM
指数の調査対象となる企業から寄せられたコメントをみても、港湾
ストの影響が言及されている。東日本大震災の影響が米国経済に及
んだことが話題となったが、米国製造業は、サプライチェーンの寸
今週のトピックス | 平成 27(2015)年 3 月 6 日
断に弱いところがある。 この影響は長引くという指摘もあるが、
原因のストは、既に妥結の方向を見ている。
サプライチェーンの寸
断に弱いところがある
米国製造業
第 2 図: 西海岸の主要港湾の荷扱いと米国景気
40
(前年同月比、%)
65
30
60
20
55
10
0
50
-10
45
-20
40
-30
ストによる港湾作業の
停滞による落ち込み
-40
35
-50
30
04
05
06
07
08
09
米国西海岸 輸入のコンテナ扱い数<左目盛>
10
11
12
13
14
15
(年)
ISM製造業景気指数<右目盛>
(資料)ISM、西海岸の港湾管理機関のデータにより、三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチで作成
また、原油価格の低下は、最初の段階では、経済活動への逆風と
なるところがある。3 月 4 日に、地区連銀景況報告が発表されたが、
ダラス連銀の報告では、「所管区内では、原油価格の低下による不
確実性の高まりと、楽観の後退がある」という記述がなされている。
やがては、この逆風は順風に変わると期待されている。すなわち、
ガソリン代など消費者のエネルギー関連の支出が節約される分、他
の需要が増え、景気は刺激される。また、エネルギーコストの低下
で企業収益の改善も見込め、それも経済活動を押し上げる。その押
し上げ効果は、先行きに出ると見込まれる。利上げの妨げではなく
なるということである。
② 景気指標の軟化~慎重にみるべきところ
ドル高の影響と資産価
格の割安感喪失には警
戒要
一方で、慎重にみなければならない動きもある。ひとつはドル高
である。ドル相場(実質実効相場指数)がトレンドから乖離する度
合いが、ISM製造業景気指数に影響を及ぼす関係が見える。
第 3 図: ドル相場の影響を受ける米国製造業の経済活動
70
-10
-8
65
-6
60
-4
55
-2
50
0
2
45
4
40
6
ドル高 ↓
35
8
30
10
94/1
96/1
98/1
00/1
02/1
ISM製造業景気指数〈左目盛〉
04/1
06/1
08/1
10/1
12/1
ドル実質実効相場指数 趨勢からの乖離率〈右目盛〉
(資料)米労働省のデータにより、三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチで作成。
7
今週のトピックス | 平成 27(2015)年 3 月 6 日
14/1
もうひとつの動きは、景気拡大の成熟である。この景気拡大は、
量的な金融緩和によって資産価格の上昇が後押しになったところが
ある。その資産価格であるが、既に相応の上昇をみたので割安感が
薄れつつある。
第 4 図: 住宅建設業者の景況と住宅価格
(前年同月比 %)
80
(前年同月比 %)
25
20
70
15
60
10
50
5
40
0
30
-5
NAHB住宅建設業者景況
指数<左目盛>
-10
20
-15
住宅価格指数〈右目盛〉
10
-20
0
02
03
04
05
06
07
08
09
10
11
12
13
14
-25
15
(年)
(資料)S&P、NAHB(全米住宅建設業者協会)のデータにより、三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチで作成
③ 予想インフレ率の上昇が焦点
実質金利を下げる予想
インフレ率の上昇が望
まれそう
それをもたらすのはス
ラックの縮小
Fedは物価安定と、(持続可能な)雇用の最大化の二つの任務を
課せられている。かつては、インフレを抑制すると、雇用の拡大も
見込めることが言われた。この点に風向きの変化があるのではなか
ろうか。実質金利の指標といえる物価連動債(TIPS)の利回りが下
がると、時間をおいて経済活動が強まる関係が見える。今の経済状
態では、予想インフレ率が高い方が経済活動を刺激でき、雇用最大
化の任務に近づけるのである。そして、スラックが縮小してインフ
レ率が高くなり、これも任務達成に近づけるのである。
第 5 図: 実質金利が景況の変化に先行
-2.0
15.0
景況改善↑
実質金利低下↑
(%)
-1.5
10.0
-1.0
5.0
-0.5
0.0
0.0
0.5
-5.0
1.0
-10.0
1.5
-15.0
2.0
03
04
05
06
07
08
09
10
11
12
13
14
合成ISM指数の6ヶ月前比の変化〈左目盛〉
10年ものインフレ連動債利回りの6ヶ月前比の変化、6ヶ月先行〈右目盛〉
15
(年)
(資料)ISM、ブルームバーグ収録のデータにより、三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチで作成
8
今週のトピックス | 平成 27(2015)年 3 月 6 日
結び
今のゼロ金利、そして 4.5 兆ドルのバランスシート規模という組
み合わせの強烈な緩和の金融政策は、危機対応には必要であった。
こうした政策は弊害も危惧されるため、雇用拡大、経済成長も持続
する中では、正常化を進めたいというFedの意向は強い。その正常
化の次のステップは利上げである。Fedのこの判断は揺らぎそうに
ない。しかし、債券利回りが上昇することは、その妨げになる。利
上げを開始するとしても、当座は市場金利の大きな上昇は避けよう
という配慮をするであろう。
シニアマーケットエコノミスト
9
今週のトピックス | 平成 27(2015)年 3 月 6 日
鈴木 敏之
(3) ECB は景気回復に自信を示すも、ユーロは続落か
ECB は政策金利を据
え置き、3 月 9 日から
国債等の資産買入を実
施
ECBは、3 月 6 日のECB理事会で、政策金利であるリファイナン
ス金利を 0.05%に、短期金融市場の上限金利となる限界ファシリ
テ ィ 金 利 を 0.30% 、 下 限 金 利 と な る 預 金 フ ァ シ リ テ ィ 金 利 を
▲0.20%に据え置いた(第 1 図)。加えて、ECBは国債等の資産買
入(公的部門買入プログラム:The public sector purchase program<
PSPP>と呼称)を 3 月 9 日から実施することを発表した。
第 1 図: ECB の政策金利の推移
(%)
6
5
4
3
2
1
0
-1
08
09
10
11
預金ファシリティ金利
12
政策金利
13
限界貸出金利
14
15
(年)
(資料)ECB より三菱東京UFJ銀行グローバルマーケットリサーチ作成
① ECB は景気回復に自信を示す
マネタリーストック
(M3)の前年比も目
標に近づく
ECBは、声明文で、ユーロ圏景気を「(これまでの金融政策に
よって)既に景気に前向きな兆しが多くみられる」、「特に、金融
と信用(マネータリーストック)の伸びは底堅さを増している」と
評価している。加えて、「金融政策スタンスの大幅な緩和は、ユー
ロ圏経済の改善を促し、更に良好な影響をもたらしている。企業と
消費者のマインドが改善して、金融政策による実体経済への波及が
強まり、景気見通しの一段の改善と、ユーロ圏経済のスラック(弛
み)を減少させよう」と、金融政策による景気回復への自信を示し
た。
こうした背景には、ユーロ圏小売売上高の増加等にみられるよう
に、最近の経済指標がユーロ圏景気の持ち直しを示唆していること
がある(第 2 図)。加えて、金融面でも企業向け貸出の前年比マイ
ナス幅縮小と個人向け貸出の前年比プラス転化を受けて貸出が増加
しており、マネタリーストック(M3)が 1 月に前年比+4.1%と順
調に増加していることもある(第 3 図)。ECBは参照値としてM3
の目標を前年比+4.5%としている。
10 今週のトピックス | 平成 27(2015)年 3 月 6 日
第 2 図:小売売上高
第 3 図:ユーロ圏貸出残高と M3(前年比)
(2010年=100)
(2010年=100)
110
120
(%)
15
105
110
10
100
100
5
95
90
0
90
08/1
09/1
10/1
ドイツ
フランス
11/1
イタリア
12/1
ユーロ圏
13/1
14/1
スペイン(右軸)
80
15/1
(年/月)
(資料)Eurostat より三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成。
-5
00/1
02/1
企業向け貸出
04/1
06/1
個人向け貸出
08/1
10/1
金融向け貸出
12/1
M3
14/1
(年/月)
貸出
(資料)Eurostat より三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成。
② ECB スタッフ見通しでは 2017 年前後の物価目標達成を予想
2016、17 年に世界景
気は回復し、輸出が増
加、マインドの改善で
設備投資と住宅投資が
増加する見通し
加えて、ECBスタッフ見通しでは、実質GDP成長率は原油価格下
落による個人消費の堅調さとユーロ安による輸出の持ち直しの動き
等から 2015 年が上方修正された(第 4 表)。輸出と総固定資本形
成の増加から 2016 年は上方修正され、2017 年も前年比+2.1%と市
場コンセンサス(同+1.5%<Bloomberg>)を大きく上回る見通し
を示した。2016 年、2017 年には、世界景気の回復によってグロー
バルに貿易量が増えること1やユーロ安から、輸出が 2017 年に向け
て増加する見通しである(2015 年前年比+4.1%、2016 年同+5.1%、
2017 年同+5.5%)。更に、企業や個人のマインドの改善等から設
備投資と住宅投資が増加し、総固定資本形成も増加するとみている
(2015 年前年比+1,7%、2016 年同+5.1%、2017 年同+5.5%)。
こうしたユーロ圏景気の回復を受けて、失業率は 2015 年の
11.1%から 2017 年に 9.9%まで低下する見通しとなっており、2017
年には「GDPギャップは解消する」としている2 。GDPギャップの
解消を受けて、消費者物価指数(HICP)は 2017 年に前年比+1.8%
まで上昇する見通し(コアHICPも前年比+1.7%に上昇)である。
ECBは物価目標を「2%弱」としていることから、2017 年前後には、
物価目標の達成が強く意識され、国債等資産買入やマイナス金利の
出口が議論されることになる。
こうしたECBの景気認識やECBスタッフ見通しを受けて、ユーロ
圏国債利回りとユーロドルは一時的に上昇した。
1
世界の実質 GDP(除くユーロ圏)は 2015 年前年比+3.8%、2016 年同+4.2%、2017 年同+4.1%との見通し。グローバル貿
易量(除くユーロ圏)は 2015 年前年比+3.9%、2016 年同+5.1%、2017 年同+5.4%との見通し。
2
失業率は 2005 年 1 月から 2014 年 12 月の平均で 9.7%。
11 今週のトピックス | 平成 27(2015)年 3 月 6 日
第 4 表:ECB スタッフ見通し
実質 GDP 成長率(%)
HICP(%)
2014
2015
2016
2017
2014
2015
2016
2017
今回見通し
――
1.5
1.9
2.1
――
0.0
1.5
1.8
12 月見通し
0.8
1.0
1.5
――
0.5
0.7
1.3
――
9 月見通し
0.9
1.6
1.9
――
0.6
1.1
1.4
――
変化
(今回-12 月)
――
+0.5
+0.4
――
――
▲0.7
+0.2
――
(資料)ECB より三菱東京UFJ銀行グローバルマーケットリサーチ作成
③ 国債買入詳細発表を受けてユーロ圏国債利回りは低下
独国債のイールドカー
ブに一段と低下圧力
しかし、国債等の資産買入(公的部門買入プログラム<PSPP>)
について、預金ファシリティ金利(▲0.2%)までならばマイナス
金利の債券も買入対象とすることや、買入のデュレーションを原則、
市場実勢に合わせていくことなどが示されたことから、ユーロ圏国
債利回りは低下、ユーロドルも下落している。
国債等の資産買入(PSPP)の実施方法は第 5 表の通りである。
PSPPの実施方法については、「各国中銀が柔軟性を持って細部に
対応する」、としている点が日本銀行等の資産買入と異なる点であ
る。例えば、買入方法を店頭流通市場で買入としたことで、公表せ
ずに流通市場価格よりも高い価格で着実に買い集めることが出来る。
第 5 表: 国債等の 資産買入(公的部門買入プログラム<PPP>)の実施方法
買入対象
・国債、エージェンシー債、スープラ債(国際機関債)を買入。
・投資適格以上の格付けを持つ債券。
・残存 2~30 年の債券。
・国債における国別の買入額は、各国の ECB への出資比率に応じ
て、決定(ドイツ 27%、フランス 20%、イタリア 18%、スペイン
12%、オランダ 6%)。
・残高が小さく国債買入が困難な場合には、エージェンシー債への
代替が可能。残高が増加しない場合には、公的な非金融機関の債券
の購入を検討する。
・1 銘柄当たり発行額の 25%、1 発行体当たり債務額の 33%まで。
・預金ファシリティ金利(▲0.2%)までならばマイナス金利の債
券も買入対象。
買入方法
・国債とエージェンシー債は各国中央銀行の判断により店頭流通市
場で買入。
・スープラ債はスペイン中銀とフランス中銀が買入。
・ECB が資産買入の全体を統括する。
買入デュレーション
その他
・原則、市場のデュレーションに合わせる。
・SC レポを実施。
・残高を毎週公表。
・買入残高のデュレーションを毎月公表。
(資料)ECB より三菱東京UFJ銀行グローバルマーケットリサーチ作成
(注)下線部は 3 月 ECB 理事会で明らかになった点。
12 今週のトピックス | 平成 27(2015)年 3 月 6 日
この実施方法に従えば、ドイツ国債が中心に買われること3 に加
えて、マイナス金利になっている中短期ゾーンも買入対象となるこ
とや、超長期ゾーンもバイアスなく買われることなどから、独国債
のイールドカーブ(利回り曲線)に強い低下圧力が生じることにな
る。昨日の詳細発表を受けて、独国債のイールドカーブはブルフ
ラット化(長期金利の低下による利回り曲線の平坦化)した(第 6
図)。
第 6 図:独国債のイールドカーブ
(%)
1.0
0.5
0.0
-0.5
1M
3M
6M
1Y
2Y
3Y
4Y
変化
5Y
6Y
2015/3/5
7Y
8Y
9Y
10Y
15Y
20Y
25Y
30Y
2014/3/4
(資料)Bloomberg より三菱東京UFJ銀行グローバルマーケットリサーチ作成
④ 結語
従って、3 月ECB理事会でECBが景気回復に自信を示した点は、
金利上昇要因であろうが、3 月 9 日からマイナス金利の下で国債買
入が実施され、独国債のイールドカーブに強い低下圧力が加わるこ
とによって、ユーロ圏の金利は低下しよう。ドルとユーロの金利差
拡大から、ユーロドルは下落することになる。
当方は、ドル側の利上げも念頭に、ユーロドルは 2015 年末に向
けてパリティ(1 ユーロ=1 ドル)を目指すとみている。
アナリスト
3
当方試算では、ECB はドイツ国債の市場残高の 35%を買入れる。
13 今週のトピックス | 平成 27(2015)年 3 月 6 日
天達 泰章
(4) 中国全国人民代表大会開幕 経済成長目標を引き下げへ
中国では、5 日に全国人民代表大会(全人代)が開幕した。冒頭
の政府活動報告では、李首相が昨年の経済活動実績を回顧し、今年
の経済成長目標を提示した。主な政策目標は以下。
全人代が開幕
第 1 表:2015 年の主な政策目標
第 2 図: 実質 GDP 推移
2015 年度
実質 GDP 成長率
7.0%前後
2014 年度
7.5%前後
1000 万人以上
1000 万人以上
都市部失業率
4.5%以内
4.6%以内
消費者物価指数上昇率
3.0%前後
3.5%前後
輸出入総額伸び率
6.0%前後
7.5%前後
財政赤字規模
1 兆 6200 億元
1 兆 3500 億元
M2 伸び率
12%前後
都市部新規雇用者数
15
(%)
14
実質GDP成長率
成長目標
13
12
11
10
9
8
(名目 GDP 比 2.3%) (名目 GDP 比 2.1%)
13%前後
(資料)政府報道資料より三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成
7
6
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
2014
2015
(資料)政府報道資料、国家統計局より三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリ
サーチ作成
実質 GDP 成長率目標
を引き下げ
実質GDP成長率目標は「7.0%前後」となり、昨年の「7.5%前後」
から引き下げられた。昨年 12 月に開催された経済工作会議では、
中国経済が高成長ではないニューノーマル(新常態)にあることが
強調されたほか、改革を深化させる方針が示されていた。改革を深
化させるには、成長目標を大規模な景気刺激策を導入せずとも持続
可能な水準に留める必要があるため、経済成長目標は引き下げられ
るとの見方が大勢であった。なお、2014 年の経済成長が前年比
+7.4%になったことから、「7.0%前後」は 6%台成長許容と受け止
められる可能性があった。中国の景気減速を印象付けることにもな
るため、当方では「左右」をつけない等、表現を変える可能性があ
ると見ていたが、結局は従来通りの表現となった。
李首相は「7.0%前後」へ設定したことについて「必要性と可能性
を考慮した結果」であると説明し、十分な雇用を創出できる水準で
あるとの認識も示した。政策目標を俯瞰すると、前年から引き下げ
られる政策目標の多いなか、都市部新規雇用者数は据え置かれるな
ど、政府が雇用状況を重視している様子が窺える。2014 年の新規
雇用者数は 1322 万人となり、前年の 1310 万人を上回った。経済成
長が減速するなかでも前年を上回る雇用を確保できることが示され
た格好であり、実質GDP成長率目標の引き下げを判断するに至った
と見られる。
14 今週のトピックス | 平成 27(2015)年 3 月 6 日
第 3 図:都市部新規雇用者数推移
1,400
(万人)
(%)
新規就業者数
16
実質GDP成長率(右軸)
14
1,200
12
1,000
10
800
8
600
6
400
4
200
2
0
0
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
2014
(資料)中国人材資源社会保障部より三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成
金融政策方針
金融政策については「穏健な金融政策」との従来の方針が踏襲さ
れた。同時に公開市場操作・金利・預金準備率などを柔軟に活用し、
社会融資総量の伸びの安定を維持する方針も示されており、李首相
が中国経済への下押し圧力が強まっているとの認識を示したことと
合わせて考えると、金融政策は 2014 年と比べて緩和的になると推
察される。財政赤字目標も 1 兆 6200 億元(対GDP比 2.3%相当)と
2014 年の 1 兆 3500 億元(同 2.1%)から増加しており、金融・財政
両面から景気を下支えする姿勢が示された。
中国では 2 月末に政策金利の引き下げが発表されたばかりだが、
上記を踏まえると追加利下げの可能性は相応にあると言えるだろう。
4 月中旬に発表される 3 月の社会融資総量における銀行貸出動向に
利下げの効果が見られるかどうかに注目だ。
人民元相場への影響
金融改革については、金利や資本取引の自由化推進、預金保険制
度の確立などが示された。人民元については、資本勘定における交
換性を高める方針が示された他、人民元を適切でバランスのとれた
水準に維持し、双方向への弾力性を強めるとしている。一方で、市
場では変動幅が拡大されるとの見方も台頭してきている。だが、昨
年の報告に明記された「為替相場の上下双方向への変動幅を拡大」
するとの記述は見られなかったことを踏まえると、今回はその可能
性は低いだろう。昨年は、全人代閉幕後に日を置かずして人民元の
変動幅拡大が実施された。
緩和的な金融政策方針が示され、追加利下げも視野に入るなか、
人民元は目先弱含む展開を予想する。
アナリスト
15 今週のトピックス | 平成 27(2015)年 3 月 6 日
関谷 菜摘
(1) ドル円:ドル買い地合いながらも上値が重かったドル円
今週のレビュー
今週の為替市場では、米国の良好な雇用統計への期待から、ドル
高地合いが継続した。特に、対ユーロでは 2003 年以来の高値を記
録している。一方、本邦でも日経平均株価が堅調に推移したが、
「株高=円安」といった動きはみられていない。今週も本田内閣官
房参与の追加緩和に否定的な発言(「現在のドル円はコンフォート
ゾーンの上限」、「景気過熱回避のため、当面追加緩和は控えるべ
き」など)が報じられ、追加緩和観測が後退。本邦の国債利回りも
小幅ながら全般的に上昇している。このため、金融緩和姿勢を強め
る中央銀行が増えるなか、多くの通貨ペアでは円高が進行しており、
為替市場では円も相応にしっかり推移したと言えよう。このため、
ドル買い地合いではあったものの、ドル円は 120 円台では上値の重
さが意識された。ドルも円も堅調に推移したため、今週のドル円の
値幅は 119.39~120.40 と 1 円程度にとどまった。週間の値幅として
は、昨年 8 月下旬以来 7 ヶ月ぶりの小動きぶりとなっている(6 日
正午のドル円スポット相場:120.01~02)。
第 1 図: 今週のドル円相場の値動き
(円)
121.0
↑円安
120.5
120.0
119.5
↓円高
119.0
3/2
3/3
3/4
3/5
3/6
(月/日)
(資料) Bloomberg より、三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成
来週の見通し
来週のドル円は、本日の雇用統計を受け、値幅が広がるだろう。
先月は、平均時給が前月比+0.5%とマイナスを記録した前月から
一転して高い伸びを記録。これを受け、米国 2 年債も 10bp以上利
回りが上昇。発表前に 117 円台前半であったドル円は、翌週 120 円
台を回復するなど約 3 円の上昇をみている。今回はFOMCを 17~18
日に控え、正常化(利上げ)も意識されており、良好な結果が確認
されると、ドル円はしっかりと 120 円の大台に乗ってこよう。ただ、
その場合も以下 3 点から前回並の上昇幅は期待しにくい。
まず、米国債利回りの上昇が限定される可能性だ。良好な雇用統
計は、利上げ観測を高め、米国債利回りの上昇要因となろう。一方、
来週からECBによる国債の買入れが始まるなど、グローバルでみる
と長期金利には総じて低下圧力が加わりやすい。このため米国債利
回りの上昇幅も限られよう。
次に、米国債利回りの上昇幅が拡大した場合、米国の株式相場が
不安定化し、かえって円買いが強まる可能性もありそうだ。足元で
は、市場の利上げ開始時期の予想は、年後半に集中している。良好
16 来週の相場見通し | 平成 27(2015)年 3 月 6 日
な雇用統計はもちろん株式相場への追い風だが、同時に、想定より
も早い利上げ時期を織り込む過程で、株式相場の値動きが神経質な
ものとなる可能性が低くない。ドル円上昇には、日米金利差の拡大
とリスクオンのセンチメントが必要だろう。雇用統計を除けば、予
想を下回る経済指標が続いており、金利差拡大が必ずしも、ドル円
の上昇に波及しづらいといった側面に注意が必要だ。
さらに、需給面では円買いが活発化しやすい時期に入る。貿易収
支が改善している通り、期末に向けた円買い需要がここ数年では最
も強まる可能性が高い。特に、期末に向けた円買いは、2 月中旬か
ら 3 月中旬に増えるのが一般的とされる。そもそも、円安観測が根
強い一方、今年に入り、ドル円が 120 円台で取引された営業日は、
年初来 47 日中わずか 8 日に限られる。120 円台の後半ともなると、
本邦発の円買い需要が強まり、ドル円の続伸を抑えよう。
一方、予想を下回る雇用統計となった場合、来週にかけてドル円
がじり安に推移する可能性が高まる。その場合は、来週の小売売上
高に注目が集まろう。これまで、原油価格の急落は、エネルギー関
連企業による設備投資の抑制や雇用の削減というマイナス面を、ガ
ソリン価格低下による消費への追い風といったプラス面が勝り、米
経済にはプラスとの見方が一般的だ(第 2 図)。しかし、その小売
売上高は、12 月、1 月分と勢いを欠いており、足元ではガソリン価
格も反発している(第 3 図)。小売売上高で、消費の強さを確認で
きれば、ドル円の下値不安も和らごうが、小売売上高も冴えない場
合、ドル円の下値不安が高まろう。とは言え、その場合もFOMCで
の当局姿勢を確認するまで、正常化(利上げ)期待が残り、118 円
台では下支えされると予想する。
第 2 図:米 S&P500 指数(全体とエネルギーセクター)
第 3 図:全米レギュラーガソリン価格(1 ガロン当り)
(ドル)
4.0
110
(2014年7月初=100)
105
3.5
100
95
3.0
90
2.5
85
80
2.0
S&P500
75
エネルギーセクター
70
1.5
14/7
14/10
15/1
(年/月)
(資料)Bloomberg より、三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成
予想レンジ
14/7
14/10
15/1
(年/月)
(資料)全米自動車協会より三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成
ドル円:118.00 ~ 121.50
チーフアナリスト
17 来週の相場見通し | 平成 27(2015)年 3 月 6 日
内田 稔
(2) ユーロ:国債買入による金利低下から下落を予測
今週のレビュー
今週のユーロドル相場は、米利上げ期待によるドル買いと 3 月
ECB理事会で示された国債買入による独国債におけるイールドカー
ブのブルラット化から、1.10 割れを示現した(第 1 図)。
第 1 図: 今週の為替相場推移
(ドル)
1.125
↑ユーロ高
1.120
1.115
1.110
1.105
1.100
↓ユーロ安
1.095
3/2
3/3
3/4
3/5
3/6
(月/日)
(資料) Bloomberg より、三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成
週初にユーロドルは 1.11 台半ばで寄り付いた。2 日には、ユーロ
圏 2 月消費者物価指数(HICP)とユーロ圏 1 月失業率が市場予想
を上回って改善したことから、ユーロドルは 1.1241 まで上昇した。
しかし、米 2 月ISM製造業景況指数が然程悪化しなかったことによ
る米国債利回りの上昇から、ドルが買われてユーロドルは 1.1185
まで下落した。3 日には、独 1 月小売売上高が市場予想を大きく上
回ったことなどから、ユーロドルは 1.1218 まで上昇した。
4 日には、米 2 月ISM非製造業景況指数が市場予想を上回ったこ
とを受けてドル買いが強まったことや、3 月ECB理事会を控えて米
欧金融政策スタンスの差が意識されたことから、ユーロドルは
1.1062 まで下落した。
5 日の 3 月ECB理事会では、国債買入の詳細が発表され、マイナ
ス金利の債券も預金ファシリティ金利(▲0.2%)までならば買入対
象となることや、買入デュレーションを原則、市場実勢に合わせて
いくことなどが示された。このため、ユーロ圏の国債利回りが低下
するなか、ユーロドルは 1.0988 まで下落した。
第 2 表: 相場に影響した主な経済指標
発表日
経済指標名
結果
市場予想
前回
3/2
ユーロ圏 2 月消費者物価指数(前年比)
▲0.3%
▲0.4%
▲0.6%
3/2
ユーロ圏 1 月失業率
11.2%
11.4%
11.3%(下方修正)
3/2
米 2 月 ISM 製造業景況指数
52.9
53.0
53.5
3/3
独 1 月小売売上高(前月比)
+2.9%
+0.4%
+0.6%(上方修正)
3/4
米 2 月 ISM 非製造業景況指数
56.9
56.5
56.7
(資料) Bloombeg より、三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成
来週の見通し
来週は、独 1 月輸出(3/9)やユーロ圏 1 月鉱工業生産(3/12)等
が発表される。ユーロ安による輸出の増加や原油安による個人消費
の増加などからユーロ圏景気は一部に弱さがみられるものの持ち直
18 来週の相場見通し | 平成 27(2015)年 3 月 6 日
しを続けている。そのため、経済指標は引き続き良好な結果となる
ことが見込まれる。
他方、3 月ECB理事会では、国債買入が 3 月 9 日から実施される
ことが発表された。マイナス金利の債券も預金ファシリティ金利
(▲0.2%)までならば買入対象となることや、買入のデュレーショ
ンを原則、市場実勢に合わせていくこと(超長期も制限なく買入)
などが示されたことから、独国債のイールドカーブはブルフラット
化(長期金利の低下による利回り曲線の平坦化)していくことが予
想される(詳細は本週報トピックス「ECBは景気回復に自信を示す
も、ユーロは続落か」を参照)。
来週のユーロドルは、良好なユーロ圏経済指標を受けたユーロ買
戻しの動きもあろうが、ECBによる国債買入を受けた独国債のイー
ルドカーブのブルフラット化によるユーロ売りに加えて、ドル側で
は米国の景気回復を受けたFRBによる利上げが意識されたドル買い
もあって、ユーロドルは下落すると考えられる。但し、本日発表さ
れる米 2 月雇用統計が予想対比悪化した場合には、米利上げ期待の
後退からドルが売り戻されてユーロドルは概ね横這いで推移しよう。
予想レンジ
ユーロドル:1.0850 ~ 1.1200
ユーロ円:129.50 ~ 134.50
アナリスト
19 来週の相場見通し | 平成 27(2015)年 3 月 6 日
天達 泰章
(3) 豪ドル:横ばいながら上値の重い展開が続こう
今週のレビューと
来週の見通し
今週の豪ドルは 0.778 近辺で寄り付いた。翌日にオーストラリア
準備銀行(以下、RBA)定例理事会を控え、市場では追加利下げ観
測が強まるなか、豪ドルは週間安値となる 0.775 近辺まで下落する
場面がみられた。実際、3 日に開催されたRBA定例理事会では、政
策金利の据え置きを決定。市場では追加利下げを約 6 割織込んでい
たため、豪ドルは 0.78 台前半へと反発した。4 日に発表された第 4
四半期のGDPや、5 日に発表された 1 月の貿易収支と小売売上高は
概ね市場予想通りの結果となったため、豪ドルへの影響は限定的。
その後、豪ドルは 0.78 台前半での値動きが続いたが、ECB理事会
を受けたユーロドル下落が豪ドルにも波及し、豪ドルは 0.77 台後
半に下落して推移している。
(6 日正午のスポット相場:0.7796-0.7797、第 1 図)
第 1 図: 今週の為替相場推移
(ドル)
0.790
↑豪ドル高
0.785
0.780
0.775
↓豪ドル安
0.770
3/2
3/3
3/4
3/5
3/6
(月/日)
(資料) Bloomberg より、三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成
RBAは今回の金利据え置きについて、「前回の金融緩和を踏まえ
て、当面の間金利を据え置くことが適切と判断した」とした。また、
「持続可能な需要の伸びとターゲットに沿ったインフレ率達成のた
めに、今後更なる金融緩和が適切となる可能性がある」「今後の理
事会でそうした行動について判断していく」とし、今後の利下げに
は含みを残している。また、ロウRBA副総裁は 5 日の講演後に、必
要があれば利下げ余地があるとした一方、豪ドル相場については、
高水準にあるものの適正な水準に近づいているとの認識を示した。
こうした内容からすると、主要経済指標を見ながら、2015 年第 1
四半期の消費者物価指数(4 月 22 日発表)の結果をみたあととな
る 5 月 5 日のRBA理事会までは、利下げによる効果を見極める可能
性が高いだろう。
市場の追加利下げ観測が強まるなかRBAは金利を据え置き、市場
の注目イベントを一旦通過したと言える。ただ、引き続きRBAは利
下げの可能性を示しており、市場では 4 月の追加利下げを約 50%織
り込んでいる。米雇用統計を受けた米ドルの動きにも影響を受けよ
うが、豪ドルは横ばいながら上値重く推移しよう。
予想レンジ
対ドル:0.7700 ~ 0.7900
対円:92.00 ~ 95.00
リサーチアシスタント
20 来週の相場見通し | 平成 27(2015)年 3 月 6 日
福島 由貴
(4) 人民元:基準値の元安設定が続く中、弱含む展開を予想
今後のレビューと
来週の見通し
今週は、中国人民銀行(以下、PBOC)が対ドル基準値を約 4 ヶ
月ぶり元安水準となる 6.15 台で設定するなか、人民元も 2012 年 10
月以来となる 6.27 台後半まで幾分軟化した。ただ、同水準では底
堅く、その後は 6.26 台半ばへ小幅に値を戻す展開となっている。
第 1 図:人民元相場推移
(元)
6.30
6.25
6.20
6.15
6.10
対ドル基準値
一日の変動許容制限
6.05
6.00
5.95
12/1
1/1
2/1
3/1
(資料) Reuters、Bloomberg より、三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成
PBOCは 28 日に預貸基準金利を引き下げ、1 日から適用すること
を発表した。基準金利の引き下げは昨年 11 月以来となる。ウェブ
サイトへ掲載された声明によれば、預金・貸出基準金利共に 0.25%
引き下げられた(第 1、2 表)。今回の決定の背景として、足もと
で冴えない経済指標の発表が続いていることが挙げられよう。1、2
月の経済指標は春節による統計の歪みも出るため、発表された経済
指標で景気先行きを判断するのは難しい。ただ、一連の経済指標か
らは、少なくとも内需回復の兆しは見えていない為、追加措置が必
要との判断に至ったと見られる。国務院も 25 日に減税対象を拡大
する方針を発表しており、PBOCが政府の方針に追従した格好だ。
第 2 表:預貸基準金利表
預金金利
0.35%
流動性預金
定期預金
3 カ月
2.10%
6 ヶ月
2.30%
1年
2.50%
2年
3.10%
3年
3.75%
1 年以内
第 3 表: 昨年以降の中国人民銀行による金融緩和
(年/月)
概要
農村商業銀行、農村合作銀行の預金準備率をそれぞれ、
14/4
2 ポイント、0.5 ポイント引き下げ
14/6
「三農」、および小型・零細企業向け貸出残高が一定割合
以上の商業銀行の預金準備率を 0.5 ポイント引き下げ
14/8
金融機関に対する再貸出枠を 200 億元増額。三農(農業、
農村、農民)や小企業・零細企業に対して金融支援を強化
14/9,10 中期貸出制度(MLF)による 7695 億元の資金供給
14/11
預金基準金利・貸出基準金利をそれぞれ引き下げ
5.35%
15/1
MLF を通じて 2695 億元をロールオーバーした他、500 億
元を追加供給
1 年超 5 年以内
5.75%
15/2
預金準備率を 0.5%引き下げ
5 年以上
5.90%
15/3
預金基準金利・貸出基準金利をそれぞれ引き下げ
貸出金利
(資料)中国人民銀行より三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサー
チ作成
21 来週の相場見通し | 平成 27(2015)年 3 月 6 日
(資料)中国人民銀行より三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成
5 日には全国人民代表大会(全人代)が開幕した(詳細はトピッ
クス参照)。金融政策については「穏健な金融政策」との従来の方
針が踏襲されたが、公開市場操作・金利・預金準備率などを柔軟に
活用し、社会融資総量の伸びの安定を維持する方針も示された。李
首相が中国経済への下押し圧力が強まっているとの認識を示したこ
とと合わせて考えると、2015 年の金融政策は 2014 年に比べて緩和
的になると推察される。追加利下げの可能性も十分にあろう。4 月
中旬に発表される社会融資総量における銀行貸出動向には注目だ。
第 4 図: 社会融資総量推移
3.0
(兆元)
銀行貸出以外
銀行貸出
2.5
2.0
1.5
1.0
0.5
0.0
▲ 0.5
12/1
12/7
13/1
13/7
14/1
14/7
15/1
(資料)中国人民銀行より、三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成
ドル高が進行するなか、今週の対ドル基準値は先週末比元安水準
での設定が続いた。全人代では、財政・金融面から景気を下支えす
る姿勢が示されており、人民元についてもより景気に配慮した運営
になると予想される。そのため、来週も対ドル基準値が元安方向へ
の設定される可能性があり、人民元は現水準を中心に弱含む展開が
続こう。
予想レンジ
ドル人民元:6.2500 ~ 6.2850
人民元円:18.90 ~ 19.40
アナリスト
22 来週の相場見通し | 平成 27(2015)年 3 月 6 日
関谷 菜摘
来週の主な経済指標
9 日 (月)
10 日 (火)
11 日 (水)
12 日 (木)
13 日 (金)
8:50
8:50
14:00
14:00
10:30
10:30
23:00
23:00
8:50
14:30
14:30
14:30
3:00
8:50
9:30
9:30
19:00
21:30
21:30
21:30
23:00
21:30
23:00
日
日
日
日
中
中
中
米
米
日
中
中
中
米
日
豪
豪
ユ
米
米
米
米
米
米
経常収支(1 月・億円)
実質 GDP(前期比年率、4Q 改定)
景気ウォッチャー調査-現状(2 月)
景気ウォッチャー調査-先行き(2 月)
消費者物価指数(前年比、2 月)
生産者物価指数(前年比、2 月)
マネーサプライ M2(2 月)*
卸売売上(前月比、1 月)
卸売在庫(前月比、1 月)
機械受注(前月比、1 月)
小売売上高(前年比、2 月)
鉱工業生産(前年比、2 月)
固定資産投資(都市部、前年比、2 月)
財政収支(2 月・億ドル)
法人企業景気予測調査(1Q)
雇用者数変化(2 月・万人)
失業率(2 月)
鉱工業生産(前月比、1 月)
輸入物価指数(前年比、2 月)
新規失業保険申請件数(3/7・万件)
小売売上高(前月比、2 月)
企業在庫(前月比、1 月)
生産者物価指数(前月比、2 月)
ミシガン大消費者信頼感指数(3 月速報)
2:05
3:25
8:30
23:30
ユ
米
米
米
ユ
ECB、量的緩和策による資産購入を開始
コチャラコタ・ミネアポリス連銀総裁講演
メスター・クリーブランド連銀総裁講演
フィッシャー・ダラス連銀総裁講演
ノボトニー・オーストリア中銀総裁講演
2:00
19:35
2:00
12:45
18:30
19:00
2:00
米
ユ
ユ
ユ
米
ユ
米
日
ユ
ユ
米
夏時間に移行
欧州議会本会議(~12 日)
ユーロ圏財務相会合
EU 経済・財務相理事会
3 年債入札
2 年債入札(ドイツ)
10 年債入札
5 年債入札
国債入札(スペイン)
3 年債入札(イタリア)
30 年債入札
中央銀行関連
9 日 (月)
10 日 (火)
11 日 (水)
12 日 (木)
13 日 (金)
その他
8 日(日)
9 日(月)
10 日(火)
11 日(水)
12 日(木)
13 日(金)
※市場予想は Bloomberg 調査中央値
時刻は日本時間
*印は作成日(2/20)現在で未確定のもの
23 来週の経済指標・イベント | 平成 27(2015)年 3 月 6 日
予想
2,704
2.2%
46.5
50.2
1.0%
▲ 4.3%
11.0%
▲ 0.1%
▲ 4.0%
11.6%
7.7%
15.0%
▲ 1,880
1.50
6.4%
0.2%
▲ 9.3%
0.4%
0.1%
0.3%
96.0
前回
1,872
2.2%
45.6
50.0
0.8%
▲ 4.3%
10.8%
▲ 0.4%
0.1%
8.3%
12.0%
8.3%
15.7%
▲ 175
8.1
▲ 1.22
6.4%
0.0%
▲ 8.0%
32.0
▲ 0.8%
0.1%
▲ 0.8%
95.4
マーケットカレンダー
月
火
2015/3/9
水
10
中/貿易収支(8 日、2 月)
日/国際収支速報(1 月)
米/卸売在庫・売上(1 月)
中/消費者物価指数(2 月)
生産者物価指数(2 月)
対外対内証券売買契約状況
マネーサプライ M2(2 月)*
(2 月)
GDP 改定値(4Q)
景気ウォッチャー調査(2 月)
米・ミネアポリス連銀総裁講演
米・クリーブランド連銀総裁講演
米・ダラス連銀総裁講演
欧州議会本会議(~12 日)
ユーロ圏財務相会合
米国夏時間(8 日~)
EU 経済・財務相理事会
米・3 年債入札
16
木
12
米/小売売上(2 月)
米/生産者物価指数(2 月)
輸出入物価指数(2 月)
ミシガン大消費者信頼感指数
企業在庫(1 月)
速報(3 月)
固定資産投資(都市部、2 月) ユーロ圏/鉱工業生産(1 月)
日/機械受注(1 月)
日/法人企業景気予測調査(1Q)
豪/雇用統計(2 月)
米・10 年債入札
米・30 年債入札
18
米/FOMC
FRB 議長定例記者会見
ユーロ圏/貿易収支(1 月)
英/MPC 議事録(3/4, 5 分)
日/日銀金融経済月報(3 月)
貿易収支速報(2 月)
19
米/中古住宅販売(2 月)
24
ユーロ圏/経常収支(1 月)
フィラデルフィア連銀景況指数 日/日銀金融政策決定会合
(3 月)
議事要旨(2/17, 18 分)
景気先行指数(2 月)
米・アトランタ連銀総裁講演
25
米/消費者物価指数(2 月)
米/耐久財受注(2 月)
FHFA 住宅価格指数(1 月) 独/Ifo 景況指数(3 月)
新築住宅販売(2 月)
ユーロ圏/製造業 PMI 速報
20
米/経常収支(4Q)
米・ダラス連銀総裁退任
EU 首脳会議(~20 日)
米・10 年 TIPS 債入札
23
13
米/財政収支(2 月)
中/小売売上(2 月)
鉱工業生産(2 月)
17
米/NY 連銀景況指数(3 月)
米/FOMC(~18 日)
鉱工業生産(2 月)
住宅着工件数(2 月)
設備稼働率(2 月)
建設許可件数(2 月)
証券投資収支(1 月)
ユーロ圏/消費者物価指数確報
日/日銀金融政策決定会合
(2 月)
(~17 日) 独/ZEW 景況指数(3 月)
日/日銀金融政策決定会合
日銀総裁定例会見
豪/RBA 議事要旨(3/3 分)
金
11
26
27
ユーロ圏/マネーサプライ M3
米/GDP 確報(4Q)
(2 月) 日/完全失業率(2 月)
家計調査(2 月)
消費者物価指数
(東京都区部 3 月、全国 2 月)
(3 月)
サービス業 PMI 速報(3 月)
米・クリーブランド連銀総裁講演
米・フィッシャーFRB 副議長講演
米・2 年債入札
30
米/個人所得・消費支出(2 月)
ユーロ圏/欧州委員会景況指数
米・5 年債入札
31
米・7 年債入札
4/1
欧州夏時間(29 日~)
2
3
米/ケース・シラー住宅価格指数
米/ADP 雇用統計(3 月)
米/貿易収支(2 月)
米/雇用統計(3 月)
建設支出(2 月)
製造業受注指数(2 月)
(1 月)
シカゴ PM 景況指数(3 月)
ISM 製造業景気指数(3 月) ユーロ圏/ECB 理事会議事録
(3 月)
日/鉱工業生産速報(2 月)
自動車販売(3 月)*
CB 消費者信頼感指数(3 月)
(3/5 分)
ユーロ圏/失業率(2 月)
中/製造業 PMI(3 月)
日/日銀短観
日/日銀短観 概要(1Q)
消費者物価指数速報(3 月)
調査全容、業種別係数(1Q)
日/住宅着工件数(2 月)
米・市場一部休場
英独・市場休場
*印は作成日(3/5)現在で日程が未確定のもの
24 マーケットカレンダー | 平成 27(2015)年 3 月 6 日
照会先:三菱東京UFJ銀行 市場企画部 グローバルマーケットリサーチ
チーフアナリスト 内田 稔
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139189)、英国金融行為監督機構の規制とプルーデンス規制機構の限定された規制の対象となっています。英国プルーデンス規制機構によるBTMUロンド
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25 FX Weekly | 平成 27(2015)年 3 月 6 日