2015 一橋大学 前期日程 数学 解答例 1 (1) 1024 = 210 より,1024 との最大公約数が 1 にならない数は 2 の倍数である. 1024 よって,E (1024) = 1024 − = 512 ::: 2 (2) 2015 = 5 · 13 · 31 より,2015 との最大公約数が 1 にならない数は 5,13,31 の倍数である. よって, ( 2015 2015 2015 2015 2015 2015 2015 E (2015) = 2015 − + + − − − + 5 13 31 5 · 13 13 · 31 31 · 5 5 · 13 · 31 ( ) 1 1 1 1 1 1 1 = 2015 1 − − − + + + − 5 13 31 5 · 13 13 · 31 31 · 5 5 · 13 · 31 ( )( )( ) 1 1 1 = 2015 1 − 1− 1− 5 13 31 = (5 − 1) (13 − 1) (31 − 1) = 1440 :::: (3) n = pm q m のとき,n との最大公約数が 1 にならない数は p,q の倍数である. よって, ( ) n n n n− + − E (n) p q pq = n n 1 1 1 =1− − + p q pq ( )( ) 1 1 = 1− 1− p q 対称性より,p < q とできる.p = 2,q = 3 より,1 − ゆえに, E (n) 1 = が成り立つ. n 3 1 1 1 2 = ,1 − = p 2 q 3 ) 2 (1) 点 A,B を通る直線 l1 の方程式は l1 : bx + ay = ab である.線分 AB の中点 M の座標は ( M a,b 2 2 ) であり,線分 AB の長さは √ a2 + b2 AB = である. △ABC は正三角形なので CM = √ √ 3 · a2 + b2 2 である. 点 C,点 M を通る直線 l2 は直線 l1 と直交するので,その方程式は ( ) ( ) l2 : a x − a − b y − b = 0 2 2 となる. ( よって,C √ √ ) a ± 3 b, b ± 3 a (複号同順)である. 2 2 2 2 OC2 = 1 より √ a2 + b2 ± 3ab = 1 √ s::::::::::::: = ± 3t + 1 (2) 対称性より,a > = 0,b > = 0 で考えれば十分. √ a + b = s + 2t より,a,b は,X の 2 次方程式 X2 − √ s + 2tX + t = 0 1 ……⃝ 1 の判別式を D として の解である.このような実数 a,b が存在するための条件は,2 次方程式⃝ D = (s + 2t) − 4t > =0 √ s + 2t > =0 = 0 かつ t > より s> = 2t かつ t > =0 2 ……⃝ である. △ABC の面積を S0 とすると √ ) ( S0 = 3 a2 + b2 4 √ = 3s 4 が成り立つ. ここで √ 2 より (i) s = 3t + 1 のとき,⃝ √ √ 0< =t< = 2√+ 3,1 < =s< =4+2 3 2 より (ii) s = − 3t + 1 のとき,⃝ √ √ 0< =t< = 2 − 3,4 − 2 3 < =s< =1 である. よって,求める値の範囲は √ √ 4−2 3< =s< =4+2 3 √ √ 3− 3 < S0 < 3+ 3 = = 2 2 ::::::::::::::::::::::: 3 正 n 角形の頂点に対し,直線 l が通る 2 つの頂点の一方を A1 とし,正 n 角形の頂点 A1 から,反時計回り に名前をつけ,A1 ,A2 ,……,An とする.また,直線 l が通る頂点のうち,点 A1 でない方を Am とする. 直線 A1 Am で分断される 2 つの領域に存在する点は m − 2,n − m 個となる. ここで,A1 Am に平行な直線は,直線 A1 Am の垂直二等分線について対称な 2 点を結ぶ直線だから,平行 な直線の個数 p は [ p= ] [ ] m−2 + n−m 2 2 (ただし, [x] は x の整数部分とする) (i) n が奇数のとき p= n−3 2 よって,求める確率は p = 1 C n−2 n−2 2 :::::: (ii) n が偶数のとき (a) m が奇数のとき p= m−3 + n−m−1 2 2 n − 4 = 2 (b) m が偶数のとき p= n−2 2 よって,求める確率は n −1 n−4 n n−2 n−2 2 2 2 2 · + · = n−1 n − 1 n−2 C2 (n − 1)(n − 3) n−2 C2 :::::::::::::: 4 √ A(1,0,0),B(−1,0,0),C(0,0, 3) とし,点 Q から xy 平面に下ろした垂線の足を R とする.R は線 分 AB 上を動く. まず,点 Q を固定すると,PR の最小値は AR と BR のうち小さい方であり,PR の最大値は AR と BR の うち大きい方である.したがって,PQ2 = PR2 + RQ2 より,点 P は A または B に一致するとしてよい. 次に,P = A のとき,点 Q を動かすと,AQ が最小になるのは Q が直線 AC と C を中心とする円の交点の うち A に近い方となるときであり,AQ が最大となるのは,Q が直線 AC と C を中心とする円の交点のうち A から遠い方となるときである.対称性より,P = B のときの BQ についても同様である. (1) PQ の最小値は AA1 = AC − A1 C = √ √ 12 + ( 3)2 − 1 = 1: である. ( 点 A1 が AC の中点となることから,A1 √ ) 1 3 ,0, である.最小となるときの点 P,Q の座標は,P = B 2 2 のときも含めて ( √ ) 1 3 P(±1,0,0),Q ± ,0, 2 2 (複号同順) :::::::::::::::::::::::::::::::::::::: (2) PQ の最大値は AA2 = AC + A2 C = 2 + 1 = 3: である. −−→ −−→ CA2 = −CA1 より,A2 ( √ ) 3 3 1 である.最大となるときの点 P,Q の座標は,P = B のときも − ,0, 2 2 含めて ( √ ) 1 3 3 P(±1,0,0),Q ∓ ,0, 2 2 (複号同順) ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: 5 { 数列 [ I ] (1) ( cos kπ 6 )} (1 ≦ k ≦ 12) には √ √ 1 1 3 3 と− , と− ,1 と −1 がそれぞれ同じ数ずつ含 2 2 2 2 まれる. したがって,周期性より 12n ∑ ( cos k=1 kπ 6 ) =n 12 ∑ ( cos k=1 kπ 6 ) =0 であるので, 12n ∑ ak = k=1 12n ∑ k k=1 1 · 12n(12n + 1) 2 2 = 72n + 6n :::::::: = である. ( ) ( ) kπ kπ 2 (2) ak = k + 2k cos + cos 6 6 { ( )} kπ 3 1 である.数列 cos2 (1 ≦ k ≦ 12) には が 4 つ, が 4 つ,1 が 2 つ含まれるので,周期性より 6 4 4 2 12n ∑ 2 ( cos 2 k=1 kπ 6 ) =n ) 1 × 4 + × 4 + 1 × 2 = 6n 4 4 12 ( ∑ 3 k=1 である.また, 12n ∑ k 2 = 2n(12n + 1)(24n + 1) k=1 ( である.次に,m を 1 以上 n 以下の自然数とすると,cos ( cos kπ 6 kπ 6 ) が各値をとる k は次の表にようになる. ) k 1 √ 3 2 1 2 12m 12m − 11,12m − 1 0 12m − 9,12m − 3 1 − √2 3 − 2 12m − 8,12m − 4 −1 12m − 6 12m − 10,12m − 2 12m − 7,12m − 5 したがって, (12m − 11) + (12m − 1) − (12m − 7) − (12m − 5) = 0, (12m − 10) + (12m − 2) − (12m − 8) − (12m − 4) = 0, 12m − (12m − 6) = 6 であるから, 12n ∑ ( k cos k=1 kπ 6 ) = n ∑ ( m=1 ) √ 3 1 6+ · 0 + · 0 = 6n 2 2 となる.よって, 12n ∑ ak 2 = 2n(12n + 1)(24n + 1) + 2 · 6n + 6n = 4n(144n2 + 18n + 5) ::::::::::::::::: k=1 である. [II] (1) 科目 X における 10 人の合計点は 3a + 3b + 4c(点),科目 Y における 10 人の合計点は 5a + 5b (点)である.平均点と受験者数が同じなので,合計点も X と Y で等しく 3a + 3b + 4c = 5a + 5b より a + b = 2c である.したがって,平均点は sX 2 = 1 (5a + 5b) = c(点)である.よって, 10 } 1 { 3(c − a)2 + 3(c − b)2 + 4(c − c)2 10 ここで,a + b = 2c より a − c = c − b なので, sX 2 = 3 (c − b)2 5 である.同様にして sY 2 = } 1 { 5(c − a)2 + 5(c − b)2 = (c − b)2 10 となるので, 3 sX 2 = sY 2 5 : である. (2) 科目 X の得点と科目 Y の得点の共分散を sXY とすると 1 {2(c − a)(c − a) + 2(c − a)(c − b) + 2(c − b)(c − b)} 10 } 1{ = (c − b)2 − (c − b)2 + (c − b)2 5 1 = (c − b)2 5 sXY = である.したがって,求める相関係数を rXY とすると sXY sX sY 1 (c − b)2 =√ 5 3 c−b c−b 5 1 =√ 15 rXY = となる.3 < √ 1 1 1 1 1 15 < 4 より < √ < であり, = 0.25, < 0.34 であるので, 4 3 4 3 15 1 0.25 < √ < 0.34 15 となる.したがって,rXY を四捨五入し小数第 1 位までで表すと 0.3 となる. :: (3) (1) より,(c − b)2 = 112 なので,b = c + 11 または c = b + 11 である. Q b = c + 11 のとき, a = 2c − b = c − 11 (c > 11) である.このとき,a,b,c を小さい順に並べると a (= c − 11),c, c+c b (= c + 11) である.a(点)が 3 人,b(点)が 3 人,c(点)が 4 人なので中央値は = c(点) 2 である.したがって,c = 65 であり,b = 76,a = 54 となる. R c = b + 11 のとき, a = 2c − b = b + 22 である.Q と同様に中央値は c+c = c = b + 11(点)である.したがって, 2 b + 11 = 65 より b = 54,c = 65,a = 76 となる. Q,R より求める a,b,c の組は (a,b,c) = (54,76,65),(76,54,65) である. :::::::::: ::::::::::
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